早稲田大学 教育学部 英語 講評

早稲田大学 教育学部 英語 講評
出題形式
マーク式
試験時間
90分
特徴・その他
大問5題は例年通り。分量、難易度とも昨年並みと言っていいだろう。読解問題が4
つ、会話文問題が1つなのは変わらなかったが、文強勢問題が出された。数年前に突
然やさしくなり、最近はだいたい同じようなレベルで推移している。2000年代の教育
学部の問題は難しすぎたと思われるが、今は商学部と並ぶくらいのやさしさになった
と言える。今年のスポーツ科学部の問題が少し難しくなったので、商学部かこの教育
学部が一番解きやすい問題と言えそうだ。例年の教育学部のテーマは人文、社会、自
然科学系のすべてを含むことが多い。昨年は違っていたが、今年はまさにそうなって
いた。教育学部の自然科学系は読みにくいと言う受験生が多い。教育学部の過去問を
やる際に、自然科学系の英文は内容まで覚えるくらいのことをすると、自然科学系の
知識も増やすことができるであろう。7割程度が合格最低点ではないかと推察する。
〔大問別講評〕
番号
Ⅰ
出題内容
読解問題
コメント
難易度
分量は昨年並み。難易度は少し下がった印象だ。下線部の意味を問う問
やや易
題は他の学部とは違い、比較的よく知られた単語が狙われていた。純粋
な知識問題と言えよう。norms、typically、uninhibited、invasive だ。空
所補充問題も無理のないものだった。[
B
]は normal⇔odd or
suspicious の対比を考えれば導き出せる。内容一致問題は紛らわしいも
のがないレベルであった。理工学部の問題(早稲田で断然一番難しい問
題)と比べてしまうと、本当に無理のない問題だと感じられる。
Ⅱ
読解問題
分量、レベルとも昨年並みか。早稲田の他の学部もそうだが、空所補充
標準
問題や下線部の意味を問う問題は前後関係が重要だということを実感
させられる。their practical importance は後ろでしっかり説明されている。
‘He-who-keeps-alive’は「生きたままでいる」の意味ではないことは前の
文脈を押さえていないといけない。下線部の(5)は直前の impress がプ
ラスの意味なので、それを利用するといい。また、教育学部は読解の設
問で文法の知識を問うものが意外と多い。[ C ]に関しては、従位接
続詞は入らないので、2つの選択肢が落ちる。こういう視点も教育学部
は特に重要だ。
Ⅲ
読解問題
こちらも分量、難易度とも昨年並み。ただ、冒頭で nudge という語が出
てくるが、これがどういう意味かわからず、最後までもやもや状態だっ
た受験生も多いかもしれない。当たり前だが、読解問題は最初が肝心。
読み進めることは重要だが、nudge の類推に全力を挙げることが最重要
だ。10語からなる語整序問題が出題された。これだけ多いのは珍しいか。
かなり面倒だ。文章の中の整序問題は前後をヒントにするのが基本。整
序問題はできないと焦ってしまうので、後回しがいいかもしれない。空
所補充問題はまた品詞や文法の視点が必要なものがいくつか出されて
いる。
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やや難
番号
Ⅳ
出題内容
読解問題
コメント
難易度
自然科学系のテーマはここであった。分量は減ったが、レベルは昨年並
標準
みであろう。下線部の意味を問う問題で extinctions に下線が引かれて
いたが、これは英英辞書の語義が正解。今年は例年とは違い、知識勝負
の部分が大きかった印象がある。ただ、この大問の空所補充問題は内容
以外が結構手がかりになった。[ A
かがポイント。[ B
]は A to (do)の形がとれるかどう
]に関しては、文頭で使われる of は後ろの主語
が数字や分数になっていることが多く、「~の中で」の意味になる。こ
のように補足的な知識をためることも早稲田全般においても重要であ
ろう。内容一致問題、特に内容不一致問題は面倒だ。たとえば、本文は
89 megafaunal bone and teeth samples となっているのに対して、該当選
択肢は89 species of megafauna となっている。MARCH レベルでもある
だろうが、早稲田レベルではこういう細かいところが重要だ。時間がな
い中でも、いかに細部まで意識が行くかが高得点のポイントになるだろ
う。
Ⅴ
会話文問題
分量は減ったが、レベルは昨年並みと言えよう。ここでも11語から成る
語整序問題が出された。ここは設問の9の選択肢bに guns on campus
という表現が見える。意外と他の設問をヒントにすることも重要だ。内
容一致問題とタイトル問題を同時に解くことなどはよくやる手法だと
思われる。I have to say を書き換えさせる問題はおもしろい。訳すのは
簡単だが、何を言いたい表現なのか? 実は say 以下を強調するための
表現だ。It must be admitted も同じ働きをする。本文全体の内容から、
発言者の意図などを類推させる問題は教育学部らしい問題。毎年必ず出
題されている。発言の意図を意識して読むのはなかなか面倒なことだ
が、こういうところを教育学部は狙ってくる。一昨年は出題意図が見え
にくいイントネーション問題が出たが、今年は普通の文強勢問題が出
た。文強勢問題は、最近センター試験も含めて私立大学のどこも出さな
いタイプの問題なので、少し違和感のある問題であった。昨年、今年と
も会話独特の表現は出なかった。会話表現の勉強はしなくていいかもし
れない。
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標準