平成28年10月11日 各課(局・所・園)長 様 総 務 部 長 平成29年度予算編成方針について このことについて、別紙のとおり決定されたので、井原市財務規則第6条の規 定により通知します。 平 成 29 年 度 予 算 編 成 方 針 内閣府が公表した9月の月例経済報告によると「景気は、このところ弱さもみ られるが、緩やかな回復基調が続いている」とし、「雇用・所得環境の改善が続 くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復に向かうことが期待される」 としている。一方で、海外経済で弱さがみられており、我が国の景気が下押しさ れるリスクがあり、また、海外経済の不確実性の高まりや金融資本市場の変動の 影響に留意する必要があると指摘し、不透明な状況が続くものと見込まれている。 国の平成28年度一般会計当初予算は、「経済・財政再生計画」の初年度にあ たる予算として、一億総活躍社会の実現などの重要課題に取り組んでいくため、 96.7兆円と過去最高となった。財源は、税収が57.6兆円(約5.6%増)と 回復するものの、34.4兆円を国債発行で賄うなど、公債依存度は35.6% と依然高い水準にある。平成29年度の概算要求の基本的な方針としては、「経 済・財政再生計画」の枠組みの下、引き続き手を緩めることなく本格的な歳出改 革に取り組み、予算の中身を大胆に重点化することとしている。 こうした中、本市は健全財政の堅持に努めているところであるが、平成29年 度の財政運営については、国、県の予算編成等が明らかでない現段階において的 確な見通しを立てることは極めて困難である。しかし、歳入面では、歳入の3分 の1を占める地方交付税の合併算定替の特例期間が終了し、平成27年度から段 階的に減額されるなど、平成28年度においても、前年度比2.7億円余りの減 が見込まれている。あわせて、市内企業の業績が、年次的に大きく変動すること から安定した法人市民税が見込めないなど、財源の確保は引き続き厳しいものに なると予測される。 一方、歳出面では、平成27年度決算において特別会計への繰出金や補助費が 増加したものの、普通建設事業費や公債費の減少により、経常収支比率は90. 4%と昨年度より一部改善が見られるが、依然財政構造の弾力性は低い状況であ る。加えて、地方交付税の削減により財源不足は明らかであり、歳出全体、経常 経費のさらなる削減が必要となっている。さらに、財政力指数も0.4と低く、 財政力の弱い本市においてのこうした傾向は、将来早期健全化団体や、さらには 財政再生団体に陥る危険性も懸念されるところである。 しかし、こうした厳しいなかにあっても、最終年度を迎える「井原市第6次総 合計画後期基本計画」に掲げる各種施策や「元気いばら まち・ひと・しごと創 生 総合戦略」に掲げる「魅力あふれる 元気なまち いばら」の実現のための 諸事業を力強く推進する必要がある。 以上を踏まえ、平成29年度の予算編成にあたっては、情勢の変化に的確かつ 機動的に対応しながら、従来にも増して歳出全体の徹底した洗い直しを行い、制 度・施策の抜本的な見直しや各経費間の優先順位の厳しい選択を行うことにより、 予算配分の重点化・効率化を実施し、社会経済情勢の変化を踏まえ緊要と考えら れる施策等に必要な経費の確保を図ることを基本に、「選択と集中」により予算 編成を行うこととする。 【予算要求に当たっての留意点】 1 全般的事項 (1)年間を通じた総計予算を編成するため、予想される全ての歳入及び歳出に ついて的確に見積るとともに、平成28年度の予算執行状況、平成27年度 の決算状況を的確に反映した積算とすること。 (2)市長の公約、市民の要望、国・県の施策を十分把握したうえで、全ての施 策について費用対効果を分析し、採択の必要性の検証、効率性、有効性の再 分析による継続事業の見直しを徹底することにより、事業の厳格な選択を行 うこと。 (3)市民への説明責任の重要性、必要性に鑑み、事務事業の整理、合理化を図 り、歳出の抑制に努めること。 (4)事業間の連携の強化、単価の適正化、集中投資による事業期間の短縮化等 を図ることにより、事業の透明性を十分確保しつつ、コストの縮減を推進し、 限られた財源の効果的・効率的な使用による事業量の確保に努めること。 2 歳入に関する事項 (1)市税については、今後の経済情勢の動向及び税制改正に即したものとする とともに、過去の実績等を十分に勘案して確実な収入見込額を見積ること。 (2)国・県支出金については、見直し等の動向に注視し情報収集に努め、的確 に対応すること。 (3)負担金については、事業の性格、受益の程度を考慮し、負担の適正化を図 ること。 (4)市有財産については、財産の状況を的確に把握し、財産の効率的な活用に 努めるとともに、未利用地など処分可能な財産については、売却又は貸付け を行い増収を図ること。 (5)市債については、一般会計で上限15億円以内を目標としており、後年度 の市債償還が財政硬直化の大きな要因となることを十分認識し、安易に頼る ことのないよう抑制に努めるとともに、地方交付税措置のある条件の良い市 債の確保に努めること。 (6)諸収入及びその他の収入については、歳出と関係のあるものはその関連性 を十分に精査し、それ以外のものについても法令及び過去の実績等により正 確に算定すること。特に各種特定目的基金については、設置目的に沿った事 業へ積極的に活用すること。 3 歳出に関する事項 (1)全ての事務事業について、国・県の補助制度を十分に活用するなど、有利 な特定財源の確保に努めるとともに、基金の活用を図るなど、一般財源の充 当を極力抑制すること。 (2)補助事業は、国の予算編成及び地方財政対策等の動向に留意しながら関係 機関と十分に調整を行い、適正な額により確実なもののみを計上すること。 ・ 補助制度の抜本的な見直しが行われるもの、期限付きの奨励的な補助制 度等が想定される場合、要求に際しては制度を十分に研究すること。 ・ 補助金打ち切り後、市費で継続実施が義務づけられているものは採択し ないこと。 ・ 超過負担を伴うもの及び事業効果の希薄なものについては、たとえ補助 事業であっても採択しないこと。 (3)単独事業のうち継続事業については、事業の緊急度、投資効果、地元の協 力体制等を勘案のうえ優先順位を明確にしたうえで、計画的、重点的な実施 を図ること。 また、用地については、平成29年3月31日までに確実に地権者等の協 力が得られるもののみとし、所有権移転登記が完了しないものは、起工しな いこととしているので十分留意すること。 (4)義務的経費については、必要最小限の所要見込額とし、人件費、扶助費は、 実人員、実単価をもって算定し、今後の見込み額は一切計上しないこと。 (5)経常的経費、特に、物件費については、住民の視点に立って徹底した見直 しを行い、経費の節減に努めること。 (6)物件費の一部(旅費、需用費)については、平成27年度決算を踏まえ、 減額のうえ部局単位に枠配分を行うので、部局内で十分な調整を図ること。 (7)補助金等については、官と民の役割分担や行政のスリム化等の観点から、 制度改正を含め既存の施策や事業そのものの徹底的な見直しを行い、その整 理合理化を積極的に推進すること。 (8)各種協議会等の負担金については、加入の必要性、効果を再度検討し、真 に必要なもののみ要求すること。特に参加負担金については住民の理解が得 られるものに厳選すること。 (9)保守契約等についても、必要性、費用対効果を再度検討し、真に必要なも ののみ要求すること。 4 債務負担行為に関する事項 債務負担行為は、後年度に財政負担を伴うものであり財政硬直化をもたらす 要因となるため、設定にあたっては十分に留意して見積ること。また、年度途 中に債務負担行為の補正を行うことがないよう、課内で十分協議し、当初予算 で適切な設定を行うこと。 5 特別会計、企業会計に関する事項 特別会計、企業会計予算についても、歳出全体の徹底した洗い直しを行うな ど一般会計に準じて編成するものとする。経営の基本原則である独立採算を念 頭に経営の簡素合理化、効率化に努めるとともに、安易に一般会計からの繰入 を求めず、受益者負担の適正化を図ること。 また、地方公共団体の財政の健全化に関する法律の施行により、特別会計や 企業会計を連結し自治体財政の状況を判断することになっていることを受け、 各事業の経営悪化や後年度負担の増加が市全体に及ぼす影響を十分認識し、早 期健全化団体や財政再生団体に陥ることのないよう、将来に向けて持続可能な 財政運営を確立すべくより一層の健全化に努めること。
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