編集後記 - 財務省

編 集 後 記
ファイナンス 2 月号をお読みいただきありがとうございます。巻頭言は、杉大臣政務
官の「情報の信頼性の向上を目指して」。関連して、世界銀行の特色ある「内部監査」
について、仲副総裁に紹介いただいています。
特集は、地震保険です。小さい頃よく父から聞かされてきた新潟地震が創設の契機と
いうことで、個人的に身近な存在です。現在地震保険の恩恵を受けられるのは、決して
当たり前でないことがよくわかりました。現実の危機に直面していなくても、今対応す
ることの大切さを改めて学びました。
書評では、故・香川元財務事務次官の追悼文集『正義とユーモア』について、長年の親
友で発起人でもある神藏孝之様に紹介いただきました。拝読し、改めて香川元次官とご一
緒できたことに感謝するとともに、一瞬一瞬を一生懸命頑張ろうと改めて思った次第です。
さて、先月号でも紹介した働き方改革。2月号では、山形県で行われたファザーリング・
ジャパン全国フォーラム、小室淑恵様の職員向け働き方改革講演会を取り上げています。
先々週、ジャパンダイバーシティネットワークのシンポジウムに参加して各企業の方と意見
交換したのですが、世間体で仕方なくやらなきゃ、から、よりよい成果を出していくために
しっかり多様な人材を活用しよう、というモードに年々変わっていることを実感しました。
関連して、ダイアログ・イン・ザ・ダーク(DID)を先日体験したのですが、アテン
ド(暗闇での案内役)の視覚障害者が不可欠な存在として活躍していました。1 年前に
訪れた近江八幡のボーダレス・アートミュージアム NO-MA では、障害者の芸術作品が
世界的に高い評価を得ている事実を目の当たりにしました。支える側・支えられる側と
いった固定観念でなく、可能性を認め合うことが大切だと思いました。
蛇足ながら、DID での暗闇体験の一コマを。DID は、光を遮断した空間にグループを
組んで入り、視覚障害者のアテンドにより、探検し様々な体験をするソーシャルエンター
テイメントです。企業研修でも取り入れられているそうで、リオパラリンピック閉会式に
DID のアテンドの方が登場したことでも話題になりました。私は、大切なもの(愛)につ
いて粘土で表現し、ペアになった人と交換して語り合う体験をしたのですが、多くの人々
の笑顔のつもりで 3 つの顔を作ったところ、相手(たまたま自分の息子)から「3 人兄弟
の僕らなんだねー」と嬉しそうに感想が。子供への愛情が足りていないことに気付かされ
た瞬間でした。視覚を使わないことで、普段感じられなかったことに気付く。魅力的な場
でした。
(財務省広報室長 佐久間 寛道)
2 月号(通巻第 615 号) 平成 29 年 2 月 14 日発行
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