オーストラリアの投資環境

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オーストラリアの投資環境
2017年2月9日
~貿易黒字が記録的な水準に~
2月2日に発表された豪州における12月の貿易収支は、11月の好調な内容に続き、統計開始来で最も大きな黒
字額を計上し、市場予想中央値(ブルームバーグ調べ)20億豪ドルを大幅に上回る35億豪ドルとなりました。
輸入額が前月比で0.7%増加した一方で、輸出額は5.4%増加しました。
品目別では、資源価格上昇などに伴い鉄鉱石などの金属鉱石の輸出額が前月比で10%、石炭やコークス等の
輸出額が同14%増加し、輸出額の増加をけん引しました。国別の輸出額(季節調整前)では、中国向けが前月
比で28%、日本向けが同21%の増加となり、輸出先上位国での増加も顕著となりました。
貿易収支の改善は、企業利益や個人所得などを通じGDP成長率の押し上げにつながると考えられることから、
発表後の為替市場は豪ドル高に振れる展開となりました。
2014年4月以来、約2年半続いた貿易赤字から2ヵ月連続で黒字になったことは豪ドルにとってプラス材料に
なるものと考えます。
貿易収支の改善に大きく影響した資源価格については、中国における2016年10-12月期の実質GDP成長率が
前年同期比+6.8%と、7-9月期の同+6.7%から小幅に加速するなど、中国経済の先行きに落ち着きがみられる
中、大きく調整する可能性は低いと考えます。そのため、引き続き豪州の貿易収支は堅調に推移する可能性があ
ります。
主な品目別輸出額の推移
主な国別輸出額の推移
(10億豪ドル)
(10億豪ドル)
60
40
鉄鉱石
肉・乳製品・穀物・食料品など
石炭
天然ガス(LNG)
米国
日本
中国
10
5
20
0
15年12月
(2015年12月~2016年12月:月次)
15
千
80
(2015年12月~2016年12月:月次)
0
16年4月
16年8月
16年12月
15年12月
16年4月
16年8月
16年12月
*主な品目別輸出額および主な国別輸出額の推移に関しては季節調整前のデータを使用。
貿易収支の推移
(億豪ドル)
(2013年12月~2016年12月:月次)
60
30
0
▲ 30
▲ 60
13年12月
14年12月
15年12月
16年12月
出所:オーストラリア統計局およびブルームバーグが提供するデータを基にアセットマネジメントOneが作成。
※上記グラフは、将来における豪州の主な品目別輸出額、主な国別輸出額および貿易収支の推移を示唆、保証するものではありません。
商号等/
加入協会/
※巻末の投資信託に係るリスクと費用およびご注意事項を必ずお読みください。
アセットマネジメントOne株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第324号
一般社団法人投資信託協会
一般社団法人日本投資顧問業協会
1
1月の豪ドル相場は、対米ドル、対円共に上昇。
相場動向
1月の豪ドルは、対米ドル、対円共に上昇しました。貿易収支などの経済指標が堅調な内容を示す中、トランプ
政権の保護主義的な政策への懸念が米ドル安の要因となりました。また、中国の10-12月期実質GDPが市場予想を
上回ったことも豪ドル高要因となりました。
今後の見通し
もみ合いの展開を予想
豪ドルは対米ドルで、前月上昇したこともあり、もみ合いの展開を予想します。引き続き豪州の良好なファンダ
メンタルズと安定した鉄鉱石価格などが豪ドルの下値を支える要因になると思われます。
プラス要因
マイナス要因
・豪州経済の改善
・鉄鉱石など市況価格の安定
・豪州経済のリバランス(鉱業輸出中心の経済から、
農産物・乳製品輸出などの拡大によるバランスのと
れた経済への移行)
・米国金利上昇への懸念
・豪州準備銀行(RBA)の追加利下げ観測
・RBA高官による豪ドル高けん制発言
図表2:中国向け鉄鉱石価格の推移
図表1:豪ドルの推移
(2014年1月30日~2017年1月31日:日次)
(2016年12月30日~2017年1月31日:日次)
(円)
90
豪
ド
ル
高
豪
ド
ル
安
(米ドル)
0.78
豪ドル/円(左軸)
豪ドル/米ドル(右軸)
(米ドル)
160
88
0.76
120
86
0.74
80
84
0.72
40
82
0.70
0
12月30日
1月9日
1月19日
1月29日
図表3:豪州実質GDP成長率
(2006年7-9月~2016年7-9月:四半期)
(前期比、%)
14年1月
図表4:豪州
(万件)
4
2.0
1.5
15年1月
3
16年1月
17年1月
住宅着工許可件数と住宅ローン件数
(2011年12月~2016年11月:月次)
住宅着工許可件数(左軸)
住宅ローン件数(右軸)
1.0
0.5
0.0
(万件)
8
6
2
4
1
2
▲ 0.5
06年9月
0
0
▲ 1.0
09年9月
12年9月
15年9月
11年12月
13年12月
15年12月
出所:ブルームバーグが提供するデータを基にアセットマネジメントOneが作成。
※上記グラフは、将来における豪ドルの推移、中国向け鉄鉱石価格の推移、豪州実質GDP成長率および豪州の住宅着工許可件数と住宅ローン
件数を示唆、保証するものではありません。
※巻末の投資信託に係るリスクと費用およびご注意事項を必ずお読みください。
2
豪ドルの為替レートの推移
(円)
(米ドル)
(2014年1月末~2017年1月末:月次)
110
1.1
17年1月末
豪
ド
ル
高
100
1.0
90
0.9
豪
ド
ル
安
80
0.8
70
0.7
1ヵ月前
6ヵ月前
1年前
豪ドル/円(左軸)
豪ドル/米ドル(右軸)
60
14年1月
3年前
16年1月
4
0.7197
(5.4%)
0.7597
(10.2%)
85.82
(▲ 0.3%)
89.33
(▲ 0.1%)
0.7084
(7.1%)
0.8752
※カッコ内は期間騰落率
17年1月
主な先進国の政策金利の推移
(%)
84.16
(1.7%)
77.66
(▲ 4.2%) (▲ 13.3%)
0.6
15年1月
(基準日:2017年1月末)
対円
対米ドル
85.57
0.7586
-
主な先進国の10年国債利回り
(%)
4
(2014年1月末~2017年1月末:日次)
(2017年1月末)
3.37%
ニュージーランド(NZ)
3
3
2.45%
2.71%
2
2
1.5
豪州
1
米国
0
1
0.09%
ユーロ圏
日本
0.44%
0
▲1
14年1月
15年1月
16年1月
日本
17年1月
ドイツ
米国
NZ
豪州
※2013年4月の日銀金融政策決定会合以降、日本の金融市場調節の操作目標が無担保コールレート(翌日物)からマネタリーベー
スに変更されています。また、2016年1月の金融政策決定会合では、日銀の当座預金の一部に▲0.1%のマイナス金利の導入を
決定しました。
主な先進国のREIT指数の推移
主な先進国のREIT配当利回り
(2014年1月末~2017年1月末:月次)
(2017年1月末)
(%)
180
160
6
豪州
4.78%
米国
日本
4
140
120
3.53%
3.98%
2
100
0
80
2014年1月
2015年1月
2016年1月
2017年1月
日本
米国
豪州
※主な先進国のREIT指数の推移は2014年1月末を100として指数化。
各国の指数はS&P各国REIT インデックス(現地通貨ベース、配当込み)を使用。
※主な先進国のREIT配当利回りは、S&P各国REIT インデックス 平均配当利回りを使用。
出所:ブルームバーグおよびS&Pが提供するデータを基にアセットマネジメントOneが作成。
※上記グラフは、将来における豪ドルの為替レートの推移、主な先進国の政策金利、10年国債利回り、REIT指数の推移およびREIT
配当利回りを示唆、保証するものではありません。
※巻末の投資信託に係るリスクと費用およびご注意事項を必ずお読みください。
3
オーストラリアのマクロデータ
(2014年1月~2016年12月:月次)
(前月比、千人)
100
雇用者数(左軸)
失業率(右軸)
80
(2014年1月~2017年1月:月次)
(%)(前年比、%)
7.5
10
7.0
60
6.5
40
6.0
20
5.5
0
小売売上高(前年比)(左軸)
130
ウエストパック消費者信頼感指数(右軸)
8
120
6
110
4
100
5.0
2
90
▲ 20
4.5
0
▲ 40
4.0
▲2
14年1月
15年1月
16年1月
14年1月
(2014年1月~2016年12月:月次)
ナショナル・オーストラリア銀行企業景況感指数
ナショナル・オーストラリア銀行企業信頼感指数
15
80
※小売売上高データは2016年12月まで
15年1月
16年1月
70
17年1月
(2014年1-3月~2016年10-12月:四半期)
(%)
4
10
3
5
2
0
1
▲5
0
インフレ率
インフレ率加重中央値
インフレ目標
2~3%
14年1月
15年1月
16年1月
14年3月
(2014年1月~2016年12月:月次)
(億豪ドル)
60
貿易収支
15年3月
16年3月
(2014年1月~2016年12月:月次)
(10億豪ドル)
100
外貨準備高
80
30
60
0
40
▲ 30
20
▲ 60
14年1月
0
15年1月
16年1月
14年1月
15年1月
16年1月
出所:ブルームバーグおよびIMFが提供するデータを基にアセットマネジメントOneが作成。
※上記グラフは、将来におけるオーストラリアの各種経済指標の推移を示唆、保証するものではありません。
※巻末の投資信託に係るリスクと費用およびご注意事項を必ずお読みください。
4
投資信託に係るリスクと費用およびご注意事項
【投資信託に係るリスクと費用】
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[ご投資いただくお客さまには以下の費用をご負担いただきます。]
■お客さまが直接的に負担する費用
購入時手数料:上限4.104%(税込)
換金時手数料:換金の価額の水準等により変動する場合があるため、あらかじめ上限の料率等を示すことができません。
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■お客さまが信託財産で間接的に負担する費用
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