サイズ排除クロマトグラフィー

サイズ排除クロマトグラフィー
サイズ排除クロマトグラフィー
(SEC)
の原理
z充てん剤の細孔の大小に
より、溶質分子が細孔内に
浸透、細孔外に排除。
z分子サイズの浸透性の差
を利用して分離。
z主に、高分子の分子量分
布の測定に利用される。
SECの種類
SECは分子の大きさにより分離
できるだけ分子同士をバラバラにする必要
試料の溶媒への溶解性が重要
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)
水に溶解しない高分子が対象。疎水系充てん剤、
有機系溶媒。
ゲルろ過クロマトグラフィー(GFC)
水に可溶な高分子が対象。親水性充てん剤、水
系溶媒。
平均分子量の測定方法
測定法
平均分子量
浸透圧法
光散乱法
沈殿平衡法
粘度法
SEC法
数平均分子量
重量平均分子量
Z平均分子量
粘度平均分子量
分子量分布
平均分子量
z各平均分子量の値の大きさは一般的に、
Mn≦Mv≦Mw≦Mz
(分子量の大きな高分子への寄与の順)
z平均分子量は、高分子を単一の分子と
見たときの平均値。
zMw/Mnを分散度といい、分子量分布
のパラメーター。1.0に近いほど分布が狭
い。
較正曲線
高分子の溶出容量Ve
と分子量Mの関係式
LogM=b-cVe
(b,c:定数)
排除限界
浸透限界 較正曲線は、あらかじめ分子
量分布が判明している分子量
マーカーで作成。
溶出容量
較正曲線の傾き
分子A・B
較正曲線の傾き
が小さいほうが
分子の溶出時間
の差が大きい。
溶出容量
SEC用カラムの種類
青:高分子量用
赤:低分子量用
黄:広範囲用
(異なる細孔のミックスゲル
測定範囲の異なるカラ
ムの接続)
注意すべき点.1
溶出時間だけで分子量のを大小を言えない
z分子量が同じ物質でも、かさ高いもの・密なもの
(鎖状・球状)では溶出時間が異なる。
z溶解させる溶媒によっては、分子の構造が かさ
高い・密になるため、溶出時間が変化する。
対象試料の物性を調べておく
(分子構造、溶媒・充てん剤への相性)
注意すべき点.2
分子量マーカーによる較正曲線の違い
例:分子量マーカー
ポリスチレン・ポリブタジエン
で較正曲線を作成。
同じカラムでも分子量マーカー
によって較正曲線が違う
較正曲線が異なる原因
分子構造の広がり
ポリブタジエン
ポリスチレン
B
A
ポリスチレン
ポリブタジエン
MA=MB
VA<VB
溶出時間のズレ
実試料と同物質、もしくは構造が似ている
分子量マーカー を用いる
注意すべき点.3
試料と充てん剤の相互作用
SECでは分子のサイズの大小で分離するため、二次
的な相互作用を抑制する必要がある。
z充てん剤と試料に疎水性相互作用・・・溶
媒への疎水性を高めて分配をあげるため、
有機系溶媒を添加。
z充てん剤と試料にイオン性相互作用・・・塩
類(NaClなど)を添加。
平均分子量、算出式
M n ≦ MV ≦ MW ≦ M Z
M i : 分子量 , N i : 分子数
∞
Mn =
∑ M i ni
i =1
∞
∑n
i =1
i
∞
Mw =
∑M n
i =1
∞
i =1
⎛
⎞
a +1
⎜ ∑ M i ni ⎟
⎟
M v = ⎜ i =1∞
⎜
⎟
⎜ ∑ M i ni ⎟
⎝ i =1
⎠
∞
2
i i
∑ M i ni
1a
∞
MZ =
3
M
∑ i ni
i =1
∞
2
M
∑ i ni
i =1
a=0.5~0.8 高分子
や溶媒の種類、温
度によって決まる。
平均分子量の分布
平均分子量
ある高分子、60000×5個・50000×50個・
40000×10個・30000×5個からなる。
Mn4.79万、Mv4.86万、Mw4.88万、Mz4.96万