大和郡山市 “確かな明日への歩み”

大和郡山市
“確かな明日への歩み”
とがの
元神戸学院大学
客員教授
栂野 行男
栂野行男プロフィール
昭和 20 年 8 月 16 日
福井県福井市生れ
趣味:スキー、詩吟
同志社大学 文学部卒
元
大日本印刷株式会社
取締役
元
大日本商事株式会社
代表取締役社長
元
株式会社 DNP 北海道
代表取締役社長
元
神戸学院大学 客員教授
社会貢献学会 東日本大震災支援委員会
株式会社コンプラス 代表取締役会長
株式会社アド・ダイセン
顧問
同志社大学体育会ハンドボール部
理事
副委員長
◎
大和郡山市再生のための基本施策
※具体的内容は標記ページを参照下さい。
1.健全なる財政運営
(イ)市長給与 30%、市長退職金 50%削減など市長自ら「身を切る改革」を断行し、
徹底的にムダを排除します。(P28)
(ロ)地方債(借金)の計画的削減及び特別事業に対する積立金を実施します。
(P28)
(ハ)安定した税収確保のため、根本的原因である人口減に歯止めをかけ、企業誘致
を含めた、各種誘致活動に全力を挙げます。(P2,P20,P22)
2.市役所及び議会の意識改革
(イ)市職員は常に住民目線でのサービスを徹底します。(P28)
(ロ)行政と議会の役割と機能を明確にし、常に市民とのコミュニケーションを密に
します。(P28)
3.待機児童の解消と高齢者介護施設の拡充
(イ)実質待機児童“0”を実現し、保育士の増員を計ります。(P23)
(ロ)高齢者人口増加に伴う、安全・安心に暮らせる介護施設及び医療体制を充実し
ます。 (P24)
))
4.奈良県及び大和郡山の歴史と文化を生かし、観光事業を将来の成長産業と位置づける。
(イ)外国人を含めた観光客増加のため、特に大和郡山、奈良、生駒各市が中核と
なり連携を密にします。(P21)
(ロ)リニア新幹線大和郡山駅実現のため、国、県、JR への働きかけを強化します。
(P30)
5.防災・減災に対応した都市作り
(イ)老朽化した本庁舎を建て替えます。(P26,P29)
(ロ)自主防災組織率の向上と自治会毎のキメ細やかな防災マップの作成及び説明会、
訓練を実施します。(P26)
6.義務教育の充実
小・中学生の教育内容レベルアップのため、教育委員会、学校、保護者が一体とな
りカリキュラムの見直し、統一テスト公開等を含めた教育改革を行います。
目
次
ページ
内容
P1
第一章
大和郡山市の現状問題点と今後の活性化策
Ⅰ.大和郡山市の現状
P2
◎行政側の意識改革
◎市民側の意識改革
(2)地理的要因
P3
(3)人口減問題
P4
◎合計特殊出生率
P5
(4)大和郡山土地開発公社の清算
◎起債償還計画
P7
人口推移表
P8~10
奈良県下 他市(活性化された都市)との5年毎の人口推移表
大和郡山市の将来推計人口表(2010 年~2040 年)
大和郡山市の年齢別人口推移表
大和郡山市の人口に関する主な指数
P11
(4)財政面
◎奈良県主要都市の経常収支比率
◎地方自治に於ける財政改革の阻害要因は以下の 3 点が挙げられる
第一に・第二に
P12
第三に
P13
奈良県内各市町村の経常収支比率のワースト順位
P14
年度別決算指標(大和郡山市)
P15
直近 5 年間に於ける各選挙動向
P16
奈良県各市別・財政指標(平成 27 年度普通会計決算)
P17
第二章
取り戻そう“大和(倭)は国のまほろば”
P18
Ⅰ.活力ある都市ランキングと都市作りの要因
◎47 項目の主な内容
◎308 市区のランキングと掲載
◎奈良県からの以下の 6 市区がランキングされた
◎25 の公約統計から働く世代の住みやすさを評価
◎活力ある都市作りの要因
P19
◎長野経済の活性化対策
Ⅱ.大和郡山市経済の活性化策
(1)身を切る改革
P20
(2)人口減に歯止めをかける
(3)企業誘致
P21
(4)中央省庁の誘致
(5)観光
P22
(6)教育事業
Ⅲ.最重要課題である人口減少にどう取り組むか
P23
① 少子化対策として
P24
②高齢化対策として
Ⅳ.市民は行政に何を期待するのか
P25~27
Ⅴ.安心・安全・住みよいまち、大和郡山市の未来像
P28
第三章
どうする、これからの大和郡山
Ⅰ.郡山市に改革推進本部を組織する
Ⅰ.身を切る改革の断行
Ⅰ.議会の改革
P29
Ⅰ.新庁舎の建設
Ⅰ.「歴史と文化のまち・郡山」を基本コンセプトにしたまちづくり
P30
Ⅰ.近鉄郡山周辺地区のまちづくりの基本構想
Ⅰ.京・奈・和 道路の早期整備
Ⅰ.「西大寺駅」乗り換えなし難波行急行電車の新設
第一章
大和郡山市の現状問題点と今後の活性化策
◎郡山から奈良を変える!
◎大和郡山に明るい未来を!!
Ⅰ.大和郡山市の現状
(1)歴史的背景(歴史から何を学ぶか、行政と市民の意識改革)
大和郡山が城下町として形成されたのは、1580 年、戦国時代末期に筒井順慶
が大和を統一した後、郡山城を築城してからです。
順慶亡き後、1585 年に豊臣秀長(秀吉の弟)が郡山城に入り、郡山はこの時期
大和・和泉・紀伊の三国、百万石を領有した大和の国の中心都市として栄えま
した。
まず秀長の功績ですが優秀な実務派であり、秀吉の名参謀役として数々の功
績を挙げてきましたが、秀長の入城後、特に郡山は政治的、経済的に大きな意
義を持つようになります。百万石の領主にふさわしい城郭を構築するとともに、
近隣の町からも商人・職人を呼び寄せるなどして商業を郡山へ集積させました。
そして様々な大事業を成し遂げたものの、秀長は 51 才で死去し、在任期間は 6
年余りという短い期間でした。
そして江戸時代、郡山繁栄の立役者として活躍したのが柳沢吉里です。
1724 年、八代将軍吉宗の命を受け、大和・近江・河内・伊勢の四ヵ国 15 万石
余りを領有し、郡山に入城し郡山城主柳沢家初代藩主となりました。
吉里は郡山に養蚕を持ち込み奨励し、経済を振興させました。又趣味で飼って
いた金魚も運んだことから、この地での金魚養殖が始められる様になり、現在
では大和郡山の金魚養殖は日本で最大の産地として発展を遂げました。この様
に様々な分野に亘り長じた才覚を示した吉里は、郡山を大和の国における経
済・文化の中心地へと導き、柳沢家は明治維新までの 147 年間、6 代にわたっ
て郡山藩政を担いました。その文化と地場産業の礎は現代に受け継がれ、市民
生活のなかに脈々と息づいているのです。
その後、明治維新から大正、昭和に入り昭和 29 年大和郡山市制施行により、
水田孝夫氏が初代市長となりその後 4 選を果たします。この時代の功績も誠に
大きく、国民健康保険事業の早期実施に始まり、昭和工業団地の造成による企
業誘致、国立奈良工専の誘致等、戦後復興期に於ける数々の整備事業に着手、
現在に生かされています。
次の第 2 代市長吉田恭一郎氏は昭和 44 年当選し、その後 5 選を果たす事となり
ますが、この時代の功績として特に学校教育に熱心であり、各校区の公民館や、
1
ミニ体育館、福祉施設の建設、各種学校の整備など、公共事業等市民目線での
対応に徹した行政は特筆されます。第 3 代阪奥市長は平成元年当選し、その後
3 選を果たします。この時代の功績は何と云っても、市民の命を守るライフラ
インのかなめである上・下水道事業の整備と拡充を図り、未普及地域解消を達
成させました。もう一つは将来に向けての文化事業の柱となる大和郡山城ホー
ルを平成 13 年竣工させた事です。第 4 代上田市長は平成 13 年当選し、現在に
至ります。
現在の郡山基本形は初代水田市長、2 代吉田市長、3 代阪奥市長の行政手腕と
将来を見越した見識に負う所が誠に大きく範とすべきでしょう。
歴史を遡り、豊臣秀長、柳沢吉里、そして昭和時代の水田氏、吉田氏、阪奥
氏が現代の大和郡山の姿を見た時、どの様な感慨を持つのでしょうか。
◎行政側の意識改革
(イ)為政者は我欲を捨て、市民目線で行政を行うことが重要
(ロ)何事も率先垂範
(ハ)将来を見越す洞察力
◎市民側の意識改革
(イ)行政と議会側を厳しく監視する目
(ロ)周囲に影響される事なく人格者を見極め、必ず選挙権利を行使するこ
と
(ハ)我が町を誇りに思い、安心・安全・住みよいまちづくりに積極的に協
力すること
(2) 地理的要因
奈良県内に空港・港はなく、従って高速道路とりわけ京・奈・和道路の整備
が最重要課題となりますが、制定年 1973 年(昭和 48 年)から既に 43 年過ぎ
た段階に於いても、一部区間の開通はあるものの、全面開通には遠く及ばず、
何時完成するのか、それすら定かではありません。
この道路は京都→奈良→和歌山を結ぶ全長 120km の高規格・幹線道路で国道
利用時 270 分要する所を、約 100 分で高速移動が可能となる計画ですが、未完
成であるため、産業の発展(特に企業誘致に於いて)、災害時の救援ルートの
整備が遅れています。特に日本を代表する観光ルート(京都→奈良→関西空港)
の確保が出来ず、観光事業(特に奈良に於いて)が大きく遅れをとる要因とな
っています。
2
又、奈良県の面積(3691k㎡)は全国 40 番目であり、その上四方が山に囲ま
れ可住地面積(居住地や転用可能な既に開発された面積の総計)は 23%(850
k㎡)と全国最下位です。一方、大和郡山は面積(42.68k㎡)矢田丘陵を除け
ば平地が多く可住地面積(38.78k㎡)90.9%と恵まれていますが、如何せん
面積が少ないのです。但しながら昭和工業団地を誘致出来た要因の大きな要素
であり、今後の政策転換次第では県内に於ける優位性は充分にあると思われま
す。
(3)人口減問題
1954 年(昭和 29 年)に大和郡山市制施行となり、その後順調に人口も増加
を続け、1996 年(平成 8 年)95,762 名とピークを迎え、10 万人都市も目前で
したが、その後現在までの約 20 年間毎年減少し続けています。
ちなみに、日本国の少子高齢化による人口減少は 2009 年(平成 21 年)約 1
億 2800 万人をピークに 7 年前より始まっており、大和郡山市は日本国よりも
13 年も早く人口減少が続いている現実を直視する必要があります。
大和郡山は現状のまま推移するとするならば 9 年後の平成 37 年、間違いな
く 80,000 人を割ります。財政面が著しく悪化し、住民への負担が一段と大き
くなるでしょう。
3
表のように平成 13 年 6 月に上田市長が誕生した翌平成 14 年以降の人口及び世
帯数の推移を見れば、市長就任後 15 年間、毎年平均 490 人規模の人口減とな
っています。一年たりとも増加に転じた事はありません。
この事を裏返せば、重要課題である人口減対策は全く無策であり、冒頭揚げ
た如く財政面だけが圧迫され、そのつけは間違いなく住民にかかってくる事は
必定です。
又、無策の代表格が平成 25 年 9 月に制定され、この度平成 29 年度末まで 2
年間延長された「転入・定住・家族の絆応援助成金条例」に尽きます。制定以
降減るどころか、むしろ増加傾向にあります。この種の助成金(20 万円の商
品券)で成功した市区はありません。
「お金で絆は買えません」で後述しますが、活力ある都市ランキングで上位の
市・区は住民本来の政策を実行し、市長自らリーダーシップをとっている市区
に於いては人口も増加し、住民が安心して住める市・区となっているのです。
奈良県に於いては、後程詳しく説明いたしますが、生駒市、香芝市、葛城市
の3市が毎年、現在も尚、人口増となっており、大和郡山市との対比に於いて
顕著な差(政策面を含め)となります。
◎合計特殊出生率
厚生労働省が 2016 年 5 月 23 日に発表した、2015 年日本の人口動態統計に
よりますと、一人の女性が生涯に産む子供の数を推計した合計特殊出生率は
1.46 となり 2 年ぶりに上昇したものの、少子化に歯止めがかかっていません。
安倍政権が 2025 年度の目標として掲げる希望出生率 1.8 の実現には目途が立
っていないのです。過去出生率の最も高かったのは 1947 年で 4.54、1949 年ま
では 4 を超えていました。この 3 年間の出生数は年 260 万人台と多く「団塊の
世代」と呼ばれます。その後女性の社会進出などで低下基調となり、1975 年
には節目となる 2.0 を割り込んだのです。2005 年には、過去最低の 1.26 まで
低下しました。
現在の人口を維持するには 2.07 まで引き上げる必要があるとされます。国
際的に見ても日本の出生率は低く、米国は 1.86、フランスは 2.01、ドイツは
1.47 といずれも日本より高い値を示しています。
政府は希望出生率 1.8 の実現のため、長時間労働で仕事と育児の両立が難し
いことなどから子供を産むのをためらう若年夫婦が多いことから、少子化対策
の充実と働き方改革で子育てしやすい環境を整えるとしています。
ところで、奈良県は 2015 年の出生率は 1.35 であり、前年の 1.27 から 0.08
ポイントが上がったものの、全国平均 1.46 を下回り、都道府県のワースト順
で 8 番目(ちなみに1位は東京都の 1.17)、近畿 2 府 4 県の中で京都の 1.26、
大阪の 1.34 に次いでワースト 3 位です。
なお、大和郡山市は 2012 年のデータでは 1.29 となっており、奈良県の平均
4
よりさらに低い出生率です。
(4)大和郡山土地開発公社の清算
昭和 46 年 6 月 14 日、経済成長期に於ける土地有効活用を図るため、大和
郡山土地開発公社(以下公社)が設立されました。
但しながら誠に杜撰な運用の結果、徐々に「塩漬け土地」が増加し、平成 9
年度遂に薄価額が最大の 148 億円強となり、金利負担の増加が経営を圧迫す
る様になり、その後市側の経営健全化計画等により、公社の保有する土地を
買い戻した結果、薄価額 115 億円になり、平成 24 年末には約 49 億円に迄削
減する事となりますが、それでも 53,000 平方メートルの土地と約 49 億円の
薄価が残る事となりました。
この事により、平成 25 年末迄に公社を解散させる方針を市として決定し
た。その後平成 25 年 10 月 31 日に改革推進債を発行し、公社が抱える 49 億
円の債務を市が代位弁済致しました。市は債務超過状態にある公社の保有
地を金銭に代えて代物弁済を受ける事となりましたが、薄価と保有資産の時
価には開きがあり、尚 31 億円強の不足額が生じる事となり、市は不足す
る債権を放棄する必要があり、平成 25 年 12 月の議会定例会「権利の放棄に
ついて」の議案を提案し、議決を受ける事となりました。
これにより、平成 26 年 1 月 23 日付で公社解散が認可され、平成 26 年 3
月 31 日公社の清算手続きが全て完了致しました。
◎起債償還計画
借入額
:約 50 億円
償還年数
:10 年(平成 26 年度~平成 35 年度)
年利率
:2.0%
以上が公社清算に伴う一連の顛末でありますが、これだけ多額の金額が流
れ、且、薄価額が異常に膨れ上がり、多額の債権放棄迄している割には何事
もなく、何の責任問題も発生せず、淡々と処理されている事が不思議でなり
ません。
取得した土地を有効利用できず、又 20 年以上も「塩漬け土地」として放
置し、いたずらに多額の利子を払い続けた原因及び責任はどこにあるのか、
何も明らかにされていません。
今後は第三者による検証委員会により、どの時代に、どんな目的で、誰から、
どれ位の金額で買収したのか、又、公示価格と簿価との差額が妥当性がある
のかどうか等を個々に検証しない限り、実態解明は難しいと思われます。
今後は、市民にもこの件を報告し、併せて「塩漬け土地」の有効活用を計
り、大和郡山市発展の為取り組む必要があります。
何れにしろ公社の清算に至る迄の実態解明もせず、長年放置し続け、又、
5
多額の利子を払い続け、最終的には議会に於いて「権利の放棄」を議決させ、
何事もなかった様な結末は、現体制の行政側にも大きな責任があり、血税を
払い続けた善良な市民に対する裏切り行為ではないでしょうか。
6
人口の推移
年次
大和郡山市HPより引用
世帯数(戸)
人口
前回比
総数(人) 増減
出生
(計)
死亡
(計)
自然増
転入
転出
昭和40年(1965年)
10,827
45,462
45年
15,106
54,346
50年
20,219
69,932 +15,585
55年
23,526
80,341 +10,409
60年
26,829
89,051
+8,710
840
400
440
4,596
4,000
平成元年(1989年)
28,311
92,181
+3,130
943
563
380
5,028
4,276
6年
31,188
95,654
+3,473
899
537
362
4,110
4,374
7年
31,553
95,761
+107
922
708
214
4,344
4,576
8年
32,043
95,762
+1
868
647
221
4,074
4,517
9年
32,271
95,546
△216
874
696
178
4,586
4,718
10年(1998年)
32,728
95,584
+38
869
703
166
3,954
4,462
11年
33,088
95,277
△307
879
690
189
3,721
4,027
12年
33,536
95,193
△84
907
699
208
3,701
4,102
13年
34,804
95,019
△174
894
677
217
3,589
4,117
14年
34,999
94,693
△326
854
713
141
3,245
3,968
15年(2003年)
34,133
94,131
△562
854
704
150
3,549
3,944
16年
34,443
93,876
△255
849
760
89
3,217
3,660
17年
34,681
93,512
△364
731
828
-97
3,061
3,829
18年
34,903
92,714
△798
789
742
47
2,866
3,579
19年
35,084
92,145
△569
715
834
-119
2,804
3,376
20年(2008年)
35,326
91,532
△613
695
854
-159
2,618
3,252
21年
35,467
90,780
△752
740
772
-32
2,700
3,063
22年
35,804
90,414
△366
695
834
-139
2,590
2,994
23年
36,063
89,868
△546
665
860
-195
2,675
2,885
24年
36,287
89,472
△396
696
871
-175
2,642
2,898
25年(2013年)
36,906
89,781
+309
653
908
-255
2,762
2,835
26年
37,116
89,420
△361
593
914
-321
2,669
3,009
27年
37,726
88,732
△688
28年
37,485
88,268
△464
28年(6/30現在)
37,606
87,846
△422
+8887
※平成14年~28年(15年間) 計△7,133人、年平均△478人
印は増・減のピーク時
注) H13年6月上田市長当選、現在に至る。
H25年9月転入・定住・家族の絆応援助成金条例制定し、
H29年度までの延長を決める。(商品券配布)
7
(住民基本台帳1月1日現在)
奈良県下 他市(活性化された都市)との5年毎の人口動態推移
H22年
(2010年)
H27年
H32年
(2020年)
H37年
H42年
(2030年)
H47年
H52年
(2040年)
大和郡山市人口
(人)
生駒市人口
(人)
香芝市人口
(人)
葛城市人口
(人)
奈良市人口
(人)
日本国人口
(千人)
89,023
118,113
75,227
35,859
366,591
128,057
(97.0)
(102.0)
(104.0)
(101.0)
(98.9)
( 99. 0)
86,016
120,317
78,156
36,047
359,824
127,029
( ピーク時)
(93.0)
(102.0)
(106.0)
(100.0)
(95.0)
( 97. 0)
82,664
120,586
79,782
35,809
350,014
124,100
(88.0)
(101.0)
(107.0)
(98.0)
(92.0)
( 94. 0)
78,574
119,534
80,725
35,287
337,163
120,659
(83.0)
(99.0)
(108.0)
(96.0)
(88.0)
( 91. 0)
73,999
117,460
81,212
34,538
322,157
116,618
(78.0)
(97.0)
(108.0)
(94.0)
(83.0)
( 88. 0)
69,134
114,564
81,386
33,612
305,438
112,124
(72.0)
(94.0)
(108.0)
(91.0)
(78.0)
( 82. 0)
64,253
111,219
81,327
32,576
287,715
105,210
注)%はH22年をベンチマークとする。
(総務省 社会保障・人口問題研究所調査)
大和郡山市の将来推計人口(2010 年~2040 年)
年
2010 年 2015 年 2020 年 2025 年 2030 年 2035 年 2040 年
総数
89023
86016
82664
78574
73999
69134
64253
0~4 歳
3442
3120
2653
2303
2142
2011
1844
5~9 歳
3828
3368
3065
2609
2265
2107
1978
10~14 歳
4102
3801
3344
3046
2593
2252
2095
15~19 歳
4228
4120
3810
3354
3054
2601
2259
20~24 歳
4386
4002
3999
3699
3256
2962
2521
25~29 歳
4681
4102
3860
3858
3572
3145
2860
30~34 歳
5118
4292
3871
3650
3648
3376
2973
35~39 歳
6748
4934
4176
3771
3556
3554
3288
40~44 歳
5870
6578
4835
4094
3699
3488
3485
45~49 歳
5214
5682
6411
4714
3992
3607
3402
50~54 歳
5048
5047
5532
6244
4593
3890
3515
55~59 歳
6477
4899
4918
5394
6089
4480
3795
60~64 歳
7806
6217
4725
4750
5214
5889
4335
65~69 歳
6911
7442
5950
4528
4558
5008
5658
70~74 歳
5439
6503
7030
5632
4301
4341
4776
8
年
2010 年 2015 年 2020 年 2025 年 2030 年 2035 年 2040 年
75~79 歳
4212
4896
5888
6421
5160
3961
4015
80~84 歳
2906
3531
4131
5023
5552
4480
3467
85~89 歳
1635
2130
2633
3113
3850
4352
3537
90 歳以上
972
1352
1833
2371
2905
3630
4450
年少人口
11372
10289
9062
7958
7000
6370
5917
年少人口割合(%)
12.8
12.0
11.0
10.1
9.5
9.2
9.2
生産年齢人口
55576
49873
46137
43528
40673
36992
32433
生産年齢人口割合(%)
62.4
58.0
55.8
55.4
55.0
53.5
50.5
老年人口
22075
25854
27465
27088
26326
25772
25903
老年人口割合(%)
24.8
30.1
33.2
34.5
35.6
37.3
40.3
後期老年人口
9725
11909
14485
16928
17467
16423
15469
後期老年人口割合(%)
10.9
13.8
17.5
21.5
23.6
23.8
24.1
年少人口指数
20.5
20.6
19.6
18.3
17.2
17.2
18.2
老年人口指数
39.7
51.8
59.5
62.2
64.7
69.7
79.9
従属人口指数
60.2
72.5
79.2
80.5
81.9
86.9
98.1
老年化指数
194.1
251.3
303.1
340.4
376.1
404.6
437.8
*出典:国立社会保障・人口問題研究所『日本の地域別将来推計人口(平成 25 年 3 月推計)』
9
「 出
日
本典
の国
地勢
域調
別査
将を
来独
推自
計集
人計
口
(
平
成
25
年
3
月
推
計
)
」
(
国
立
社
会
保
障
・
人
口
問
題
研
究
所
)
:
大
和
郡
山
市
の
年
齢
別
人
口
の
推
移
大和郡山市 の人口に関する主な指数
1980年
2010年
2040年
人口
81,266人
89,023人
64,253人
年少人口割合
25.2%
12.9%
9.2%
生産年齢人口割合
66.5%
62.4%
50.5%
老年人口割合
8.4%
24.7%
40.3%
1980年
2010年
2040年
後期老年人口割合
2.7%
10.9%
24.1%
年少人口指数
37.9
20.6
18.2
老年人口指数
12.6
39.6
79.9
従属人口指数
50.5
60.3
98.1
老年化指数
33.3
192.2
437.8
※年少人口(0~14歳)、生産年齢人口(15~64歳)、老年人口(65歳以上)、後期老年人口(75歳以上)、
年少人口指数=年少人口÷生産年齢人口×100、老年人口指数=老年人口÷生産年齢人口×100、
従属人口指数=(年少人口+老年人口)÷生産年齢人口×100、
老年化指数=老年人口÷年少人口×100、高齢化率 = 老年人口割合
10
(4)財政面
2014 年度の県内市町村の財政状況を見れば、経常収支比率に於いて、大和
郡山市は「要治療」であり、全国平均値(91.3%)を上廻る 98.2%となってお
り、要改善団体となっています。
この様な状況下にありながら市長自ら範を示し「身を切る改革」を断行する
べきでありますが、市長及び議員の報酬、退職金及び人員の削減、ムダな予算
の執行等、早急に自ら範を示し実行に移すべきですが、残念乍ら全国トップク
ラスの報酬を得る事は自らの身の保全そのものであり、住民無視の行政を早急
に直さなければなりません。
議員定数削減に於いては漸く、その方向に向かうもまだまだ努力不足であり、
少なくとも人口減に見合った削減を実行すべきであると考えます。
◎奈良県主要都市の経常収支比率
年度
市制
H24年(2012年)
H25年(2013年)
H26年(2014年)
H27年(2015年)
大和郡山市
92.1%(1,356)
91.0%(1,302)
98.2%(1,667)
95.0%
生駒市
89.2%(1,035)
85.8%(681)
86.2%(587)
88.1%
香芝市
89.7%(1,104)
87.7%(917)
91.8%(1244)
88.8%
橿原市
95.5%(1,586)
93.8%(1,538)
95.9%(1,567)
94.5%
葛城市
86.1%(715)
85.7%(670)
88.4%(839)
90.6%
奈良市
97.6%
97.5%(1,688)
99.0%(1,688)
97.0%
奈良県
93.7%(43)
93.3%(44)
96.0%(44)
93.5%
全国平均
90.7%
90.2%
91.3%
90.0%
(平成27年10月21日 総務省公表)
( )内は全国1,742市町村及び47都道府県の順位
◎経常収支比率は地方税、普通交付税を中心とする毎年度経常的に収入される一般財源(経常一般財源)のうち、人件費、扶助費、公債費
など毎年経常的に支出される経費(経常経費)に充当されるものに占める割合をいい、家計に例えると臨時的な収入を除く、経常的な収入(=
給料)で経常的に必要な支出(=最低限の生活費)をまかなえているかどうかを示すもの。
◎地方自治に於ける財政改革の阻害要因は以下の 3 点が挙げられます。
第一に
◆「足による投票」という言葉があります。自治体の政策を比較して、ここの政策よ
りも、あちらの政策が良いと思ったら、転出していく人が出てきます。それによっ
て良い政策を行っている町は人も増え、栄えていくのに対して、劣った政策しか出
来ない町は衰退していくというのです。住民は良い政策を行っている町に引っ越す
という形の「投票」で政策を選ぶことができるという意味です。
第二に
◆中身のないパフォーマンスを見抜く力として、市民には投票権があります。議員
はその投票権を市民が使った結果として生まれるのですから、投票権をどう効果的
に使うかが、何よりも大事な市民の力です。多数の候補者の中から、市長及び議員
11
にふさわしい人を見極めて投票する事が、出来なければ、良い市長、良い議員が誕
生するはずがないのです。中身のないパフォーマンスになびいてしまう票が多けれ
ば、候補者もパフォーマンスに走るしかありません。中身があってパフォーマンス
ができる人と、中身がなくてパフォーマンスだけが上手な人を区別する眼力が市民
には必要です。これが市民力の基本です。
第三に
◆逃げられない市民の責任として負の遺産を背負うのは住民であるという現実で
す。仮に自治体が財政破綻したとしても、誰かが借金を肩代わりしてくれる事は、
基本的にありません。夕張市の例が示しているのは最低のサービス水準と最高の負
担の組み合わせの中で生活していく他ないのです。住民の負担増なしに自治体の財
政の再建や健全化を実現する方法があり得ないことは確かです。自分が住んでいる
自治体が破綻したら、財政が健全な他の自治体に引っ越してしまえば、以前住んで
いた自治体の財政負担は追いかけてきません。しかし、その事は市外へ流出する人
口が加速化し、更なる人口の減少に拍車がかかり、後に残された市民に対して、行
政サービスの低下と負担のしわよせという負のスパイラルの増加を意味します。こ
のようなことが起こらないように、健全な自治体となる為には、今まさに市民力、
市長力、議会力の総合力が問われていているのです。
12
13
項目
1.賃借対照表(バランスシート)
地方債
翌年度償還予定地方債
H23年度決算
H25年度決算
年 度 別 決 算 指 標(大和郡山市)
H21年度決算
H26年度決算
36,216,573
4,585,740
36,948,355
4,684,002
7,843,732
34,706,008
5,599,014
7,574,246
11,912,296
36,611,874
5,799,261
7,548,399
16,406,480
591,538
4,078,688
7,614,417
11,014,451
625,522
24,933,306
4,346,275
11,141,873
685,385
29,290,250
1,038,510
3,577,170
827,223
24,847,249
1,019,686
23,894,796
3,417,837
(1)人にかかるコスト
25,382,774
1,095,931
28,270,564
97,113,431
2.行政コスト計算書
(2)物にかかるコスト
983,672
23,751,318
95,790,427
3.純資産変動計算書
純経常行政コスト
(A)-(B)
(B)経常収益
(A)経常行政コスト
(1)+(2)+(3)+(4)
(4)その他のコスト
(3)移転支出的なコスト
24,399,102
98,383,054
188,294
(β )・・・25346439
4,398,995
29,745,434
(α )・・・25534733
2,880,000
28,414,733
2,745,216
(β )・・・24553747
4,650,919
29,204,666
(α )・・・27298963
2,182,518
29,481,481
△ 2,762,216
(β )・・・29469286
4,937,118
34,406,404
(α )・・・26707070
7,788,100
34,495,170
861,757
(β )・・・25393074
5,031,352
30,424,426
(α )・・・26254832
4,082,564
30,337,396
(期首より108,287千円増加) (期首より1,839,189千円増加) (期首より2,603,607千円減少) (期首より1,323,004千円増加)
93,426,080
期末純資産残高
4.資金収支計算書
収入総額
(α )(地方債発行額 差引く)
支出総額
(β )(地方債元利償還額
財政調整基金等積立額 差引く)
(α )-(β )基礎的財政収支
(プライマリーバランス)
注)プライマリーバランスがプラスだと単年度に於ける決算は健全な財政運営と云える
H27年度決算
(単位:千円)
◆用語の説明
<経常行政コスト>
資産形成につながらな
い1年間の行制サービス
を提供するために要した
経費
<人にかかるコスト>
給与費や、退職手当及
び賞与については貸借
対照表上に新たに引当
金として算入した額
<物にかかるコスト>
光熱水費や委託料など
の経費や施設の維持修
繕に要した経費及び減
価償却費(資産が経年
劣化に伴い価値が減少
したと認められる額)
<移転支出的なコスト>
児童手当や生活保護費
などの給付費や特別会
計など他会計に対する
繰出金など
<経常収益>
施設使用料など主に
行政サービス提供の過
程で得られる受益者負
担(税収は含まず)
14
直近5年間に於ける各選挙動向
各選挙及び執行
日
項目
市議会議員
市長
衆議院議員
知事・県議会
市議会議員
参議院議員
平成23年4月24日 平成25年6月16日 平成26年12月14日 平成27年4月12日 平成27年4月26日 平成28年7月10日
(18才より選挙権)
選挙当日有権者数
73,207人
72,682人
73,174人
72,164人
72,162人
74,401人
投票者数
37,413人
28,397人
38,531人
35,078人
36,301人
41,531人
51.11%
39.07%
52.66%
48.61%
50.30%
55.82%
丸谷 利一
3,420票
9,453票
林 ひろふみ
2,472 (県議会候補者)
池田 あつみ
2,140 中野 まさふみ
10,459票
村田 しゅんたろう
2,028 小泉 よねぞう
10,025 1,974 東川 いさお
1,951 ふじの 良次
7,890 2,017 松田 みつる
5,689 最終投票率
(候補者名)
(市長)
4,378票
2,662 堀川 力
1,931 上田 清
16,352 (参議院候補者)
岡林 ふみ子
2,041 さとう けい
17,708票
前川 きよしげ
13,524 (衆議院)
高市 早苗
22,621票
よしの 忠男
8,289 中村 てつじ
8,429 田中 たかこ
856 いずみ 信丈
5,716 (比例代表)
自由民主党
12,469 12,865 維新の党
8,123 7,789 公明党
5,299 5,933 日本共産党
4,603 4,080 民主党
4,208 7,107 (知事)
あらい 正吾
18,482 山下 まこと
12,534 ※大和郡山市選挙管理委員会 発表
15
奈良県各市別・財政指標(平成27年度普通会計決算)
増減額
8,730,340
H27
2,933,398
8,561,133
H26
△67,373 △2.8
449,259 11.3
808,167 27.6
169,207
51,253,614
28,651,084
41,763,805
20,196,348
218,678,632
H27
26,662,073
55,296,602
27,915,286
43,777,958
21,560,665
225,869,251
H26
491,507
3,323,567
2.4
12.5
△2,014,153 △4.6
△1,364,317 △6.3
△7,190,619 △3.2
将来にわたる財政負担
△2,641,390 △1.2
3,741,565
3,969,201
764,739 15.1
29,985,640
20,837,392
積立金現在高
△107,362 △0.5
4,418,460
2,443,338
△196,824 △10.1
21,328,899
△833,268 △5.2
地方債現在高
H26
△1,198,798 △3.0
2,375,965
5,068,938
0.6
16,106,757
2,325,063
生 駒 市
御 所 市
36,038,256
18,263,422
15,525,440
35,819,126
672,643
219,130
4.5
13.1
△4,042,988 △7.3
2.6
増減率
H27
215,458,021
3.6
5,833,677
1,953,569
31,369
15,273,489
17,791,889
△79,792 △0.2
香 芝 市
16,198,083
増減額
212,816,631
22,818,305
△796,993 △2.0
1,756,745
5,179,457
305,036 11.3
20,116,952
33,087,717
470,787
増減率
奈 良 市
22,710,943
40,295,261
△438,805 △1.9
5,210,826
1,101,094 10.1
33,007,925
10,524,651
葛 城 市
7.9
△3.5
△1.7
△864,853 △3.6
△0.7
5.2
△2.0
増減額
大和高田市
39,096,463
25,616,406
5.0
2,703,783
953,233 32.4
10,995,438
23,745,534
増減率
大和郡山市
26,529,493
39,441,974
1,202,024
3,008,819
10,899,482
1.9
22,880,681
団体名
天 理 市
38,644,981
22,823,819
△528,232 △2.8
12,000,576
2,939,020
108,408
1.6
市 平 均
0.4
6.5
2.0
橿 原 市
22,385,014
24,048,280
△162,557 △0.9
3,892,253
5,618,108
72,320
735,798
桜 井 市
25,250,304
18,712,825
0.6
5,726,516
4,612,946
27,700,259
913,087
五 條 市
18,184,593
18,425,979
4.3
4,685,266
27,153,343
町村平均
△0.4
△546,916 △2.0
宇 陀 市
県 平 均
(奈良県市町村振興課、H28年10月21日発表)
16
第二章
取り戻そう“大和(倭)は国のまほろば„
(歴史・文化遺産を成長戦略に)
◎子・孫の代へ繋ぐ安心・安全・住みよいまちづくり!!
まほろばとは「素晴らしい場所」
「住みやすい場所」を意味し、美しい
やまと
日本( 倭 )の国土とそこに住む人々の心をたたえた古語です。
古事記には、倭建命(ヤマトタケルノミコト)が懐かしい故郷のすば
らしさをたたえて詠んだ
やまと
『 倭 は国のまほろば
たたなづく
あをがき
青垣
やま ごも
山 隠れる
やまと
倭し
うるは
し』
奈良県は数多くの歴史的文化遺産を有し、又
天皇の在位を始め、古代より日本の政
治的中心地として、日本はもとより広く世界各国からも歴史的文化遺産の地として永い
間讃えられてきました。しかしながら、昨今の奈良県全般を見た場合に、これらを生
かしきれずに衰退してきているのが現状です。(詳細はデータにより後述)
現状認識と今後の課題をしっかりと見つめ直し、将来に向かって確実に改革及び重点
施策を実行に移さなければ、その「つけ」は間違いなく住民に降りかかってきます。そ
の意味でも本年 6 月の市長選挙は、大和郡山市に於いても奈良県に於いても、将来を問
う大事な選挙となります。
中でも若い世代の政治への参加は、自分達の将来は自分たちで決めるという、強い関
心を持って、この選挙に臨んで頂きたいと強く思います。
又、各候補者の政策をよく見て本当に実行に移せるかどうか、人物面もよく見てこの
人ならば大和郡山市の将来を託せると思う人物に対し、貴重な一票を投票してもらいた
いと切に思います。この事が大和郡山市を変えるスタートとなります。
17
Ⅰ.活力ある都市ランキングと都市作りの要因
◎
日経ビジネス:活力ある都市ランキング(子供と会社が集まる)2016 年 1 月 25 日号
全国 813 市区の偏差値を算出、各市区の偏差値の合計を再度、偏差値化にした統計
指標を使ってランキングを作成した。
「人口増減率」や「財政力指標」などの合計と「活力ある都市ランキング」調査で
の 47 項目と合わせた結果で作成した。
◎ 47 項目の主な内容
「治安がよい」「昼夜問わず活気がある」「新しい住宅が多い」「公共交通機関が充
実している」「保育所や幼稚園が充実している」「公共料金が安い」「教育機関が充
実している」「商店街が充実している」「地域コミュニケーションが充実している」
「介護施設が多い」など
◎ 308 市区のランキングを掲載
現在 6 年以上の居住者と直近 5 年以内の居住者により、合計が 20 人以上となるア
ンケート集計の結果により 308 市区のランキング資格を得ました。
◎ 奈良県から以下の6市区がランキングされました。
49 位:生駒市、55 位:香芝市、105 位:奈良市、163 位:橿原市、249 位:大和郡
山市、252 位:天理市(上位ランク市・区は首都圏及び大都市周辺が多い)
◎ 25 の公約統計から働く世代の住みやすさを評価
奈良県から 100 位以内のランキングに 30 位に葛城市が入るのみ、北陸三県が健闘
以上の事から活力ある都市の条件が推察されます。
◎ 活力ある都市作りの要因
① 育児・教育環境や職場へのアクセス、商業施設など生活の便利さ、起業のしやす
さといった 47 項目で働く世代の住民に満足感を与えること。
② 税制など様々な規制を緩和して、起業のハードルを下げて行くこと。
③ 子育て共働き世代に狙いを定め良好な住宅地を提供すること。
④
駅前の「送迎保育ステーション」を設置すること。
*流山市(千葉県)「このサービスがあるから流山市に引っ越してきた」と話す共働き世帯は少な
くありません。
18
⑤
安くて利便性の高い住まいを供給すること。それによって働く世代の満足感を高
め、市外への流出を減らし、転入を増やします。
⑥ 企業城下町の凋落、中核都市の苦境を食い止めること。
何も手を打たなければ自治体消滅は過疎地だけの話ではなくなります。
* 日立市のランキング・対象 308 都市中 304 位と極めて低いのですが、それは企業の業績が傾
き始めた時期と重なるのです。
⑦
「生産年齢人口」を維持すること。
* 高知県では、人口減を受けとめざるを得ないため、その代わり「生産年令人口」に限り維持
する施策をとっています。
⑧ 林業(吉野杉、ひのき材)をブランド化すること。
◎長野経済の活性化対策
長野県の官民が創業支援や企業誘致に力をいれています。
八十二銀行は創業支援の融資を始め、自治体は低料金で使える共同オフィスの整備を
進めています。企業誘致では他府県から本社機能を移す企業に法人事業税や不動産取
得税を 95%減額しています。
長野県内の銀行、信用金庫等も操業計画書の提出等を条件に金利を優遇する融資商
品を相次いで売り出しています。
長野へ拠点を移した企業の社長は、
「子育てのしやすさ、自然を生かした幼児教育、
又家族でキャンプ等を楽しむ外、家族との時間を大切に職場作りが可能です」と述べ
ています。発光ダイオード(LED)大手の日亜化学工業(徳島)は研究拠点を下諏訪
町に完成させました。日本無線(東京)は長野市内に無線機器の研究施設と機器など
の生産工場を 1000 人規模で移しました。その他県外の有力企業が「長野の自然を生
かした働き方を体現したい」と次々に移転しています。
◎居住者満足率全国ランキング(2015 年 3/21 号週刊ダイヤモンドアンケート調査より)
奈良県のランキングは全国最下位(47 位)で満足率 51%となっています。
Ⅱ.大和郡山市経済の活性化策
(1)身を切る改革
まずは市長自ら「身を切る改革」を実行し、範を示す必要があります。
その覚悟を持った市長を選任すべきですが、この事は市民側にも大きな責任が
あると云わざるを得ません。過去4度同じ候補者が当選し、改革がなされてい
ないまま現在に至っているからです。郡山市民の意識改革が必要であり、我々
19
は市民にその事を訴え、理解してもらわなければならないと考えます。
もう一つは若者の政治に対する意識を高め、政治参加(投票行動)を促す事
が重要です。前回市長選の様な投票率40%を切る状態では市政改革を実現す
る事は難しいからです。
前回の参議院選挙より満 18 歳以上に選挙権が与えられている事を考えれば
尚更です。
(2)人口減に歯止めをかける
大和郡山市の現状の所で述べましたが、現市長として過去 16 年間、人口減
に歯止めをかけるという最重要課題に真正面から取り組んでこなかったツケ
は誠に大きく、これに歯止めをかけ、増加に向かわせるには余程の覚悟と思い
切った改革を打ち出し、実行に移す市長のリーダーシップが必要となります。
先述した奈良県下に於いて活力ある都市ランキングに上位ランクされた生駒
市、香芝市、葛城市は毎年順調に人口が増加し、現在も尚続いており、市政改
革と相まって財政面も大きく改善し、好循環につながっています。その事が住
民の支持を受け「住み易さ」となり増加要因となっているのです。それに比べ
て、大和郡山市は歴史・文化遺産・地理的に恵まれているにも拘らず、大きく
遅れを取っているのです。
総務省の外郭団体による大和郡山市の人口減調査では 23 年後の 2040 年
64,000 人台になるとの試算も出ており、市政改革も進まないとすれば、財政面
でも危機的状況となり、市民に大きな負担となってくる可能性が大といえます。
従って人口減問題に最重要課題として取り組む必要があるのです。
次に歯止め対策としての経済活性化策を記します。
(3)企業誘致
活力ある都市ランキングの上位ランク市・区は、企業誘致を官・民一体とな
って推進しています。それは、金融機関による貸出、金利の優遇、税制など様々
な規制の緩和策等が主です。又、長野県の成功事例として本社及び拠点を移し
た企業に対し、法人事業税や不動産取得税を95%減額する思い切った政策に
より、日本無線(東京)は研究施設と機器などの生産工場を 1,000 人規模で移
しています。その他、県外の有力企業がこの制度を生かし「長野の自然を生か
した働き方を体現したい」と次々に移転しているのです。
一方、大和郡山市は昭和 38 年 10 月に「昭和工業団地」として地区指定を受
け、24 億 5000 万の巨費を投じ、昭和 42 年 3 月迄に面積 108 万 5000 ㎡を造成
し、奈良県下最大の工業団地として、現在約 80 社が活動しています。製品出荷
額は、創立当初奈良県全体の約 60%を占有していましたが、現在は約 25%前後
と低迷しております。
昭和工業団地は当時としては大英断で、将来性のある誘致であったと思いま
すが、大手企業の一部撤退、参入企業の停滞等、その後経済面に於ける景気の
20
低迷とが重なり、倒産や市外転出などが長期不振の要因になります。又、本来、
団地のまちづくりに於いて積極的に関与すべき大和郡山市の市長自らのリーダ
ーシップ不足により具体的策がとられないまま今日に至っているのです。
平成 27 年 6 月漸く「昭和工業団地地区のまちづくりについて」の協議が奈良
県・大和郡山市・団地協議会の3者の間で行われるようになり、団地の活性化
に向け検討を開始しました。
今後は官・民が一体となり「昭和工業団地の活性化」及びその他誘致用団地
造成計画を含め、積極的な誘致活動が望まれます。
(4)中央省庁の誘致
政府が、地方創世の一環として中央省庁の地方移転を検討中です。現在、京
都市が文化庁移転を要請し、数年以内に移転内定となる予定です。その他、消
費者庁、観光庁を含め、関西では大阪、和歌山、兵庫、滋賀等が政府に要請中
です。奈良県に於いても、特に奈良市、大和郡山市、生駒市の連携にて積極的
に政府へ要請すべきだと考えます。(歴史、文化遺産に於いても奈良は重要)
(5)観光
「大和は国のまほろば」を奈良県として基本コンセプトとし、
「国際観光都市」
宣言し、観光事業を中核に据えるべきです。
国際会議場を新設し、ホテル等の宿泊施設を充実させるよう働きかけます。
そして政府に対し、積極的に国際会議の誘致を働きかける。必ずや奈良県内の
歴史・文化は外国人に感銘を与えるでしょう。
最新のニュースとして奈良県はE・U(欧州連合)に於いて、興福寺、唐招
提寺等の国宝級仏像を含めた文化財の展覧会を平成 30 年 または 31 年に開催
予定(ロンドン、パリ等の美術館)とありますが、奈良県としては久しぶりに
グッド・ニュースあり、期待できます。この事業も奈良市、大和郡山市、生駒
市の緊密な連携が必要となります。
*観光名所・奈良のホテル数が全国最下位の謎
あの大仏でも宿泊客を引きとめられない?
世の中にあふれるさまざまな統計やデータ。これをもとにしていろいろなラン
キングが作られるワケですが、中にはなぜそうなるのかの理由が、すぐにはわ
からないような“世にも不思議なランキング”があります。
■宿泊施設の客室数ランキング(都道 府県別)
1位
東京都
14 万 2065 室
2位
北海道
11 万 1005 室
3位
大阪府
7 万 6311 室
:
45 位
徳島県
9947 室
21
46 位
佐賀県
47 位
奈良県
9922 室
9055 室
(出処)2013 年厚生労働省衛生行政報告例
(6)教育事業
奈良県はもともと教育に熱心な県です。大学進学率(2013 年 57.8%全国 7
位)及び著名大学への入学者数を見てもそれが伺えます。
ちなみに高校 3 年生 1000 人当たりの入学者数を見ると、東大全国 2 位(5.45
人)、京大全国 1 位(19.57 人)となっています。
(2011 年~2015 年の 5 年間の平均値による)
<東大>
①東京
1081 人
10.64
②奈良
65.6 人
5.45
③神奈川 275.4 人
4.2
<京大>
①奈良
233.2 人
19.57
②京都
308.6 人
13.83
③大阪
5492.2 人
7.56
現在、全国各地の過疎地に起きている現象は、小・中・高校の廃校及び、統
合問題が少子高齢化と共に現実化してきています。実は大和郡山市も現在の人
口減少が進めば、この問題が現実の問題となります。廃校が決まった地域では、
極端な過疎地となり、衰退の道を辿っているのです。大和郡山市も決して例外
ではない事を肝に銘じるべきでしょう。この現象を先取りし、奈良県及び近隣
市との連携により、教育県奈良をアピールし、教育産業としての教育事業に力
を入れるべきだと考えます。奈良県はもともと歴史・文化遺産の宝庫であり、
環境面からいっても申し分なく、招致可能な研究機関、学校関係の誘致活動を
積極的に展開すべきです。
奈良県が有する歴史・文化遺産との相乗効果を生む事は間違いなく、大和郡
山市としても積極的に参加し、イニシアチブを取るべきです。
特に誘致活動の主なものとして考えられるのは、官・民を含めた教育機関、研
究機関の誘致。そして留学生の受入を増加させ、国際都市にふさわしい大学を
含めた教育機関の誘致にも視野に入れるべきです。
Ⅲ.最重要課題である人口減少にどう取り組むのか
(1)平成 28 年に入ってからも人口減少に歯止めがかかるどころかむしろ平成 28 年
3 月末現在で前月比△140 名と大幅な減少となっています。
年度末、学校への新年度対応等が考えられますが、大和郡山市は如何に転入組
より転出組が多いか、これは裏を返せば若年層の流出といえます。このまま推
移すれば人口減少と共に高齢化が一層進んで行く事は間違いなく都市機能が衰
22
退して行く事になるでしょう。ツケは必ず住民に返ってくるのです。早期に人
口減対策を今後の最重点施策として具体的に取り組む必要があります。
具体策としては
(イ)昭和工業団地の活性化(漸く平成 27 年6月よりまちづくり検討協議会始まりま
した)
(ロ)新たな誘致策(観光関連需要による施設、中央省庁、教育機関、研究機関、国
際会議場、留学生施設等)
(ハ)新たな企業誘致(税制、貸出金利等の優遇策等)
(ニ)住宅メーカーとの連携による宅地開発(安くて利便性の高い住まいの供給等)
(ホ)土地開発公社が抱えていた「塩漬け土地」の積極的活用
以上主なものとなるが、本来行政が取り組むべき課題を放置してきたツケは
誠に大きく、これに歯止めをかけ、大和郡山市を再生させるためには余程の覚
悟と思い切った改革を打ち出し、実行に移すリーダーシップが必要となります。
先述した奈良県下に於いて活力ある都市ランキングに上位ランクされた生駒
市、香芝市、葛城市は毎年順調に人口が増加し、現在も尚続いており、市政改
革と相まって財政面も大きく改善し、好循環につながっています。その事が住
民の支持を受け「住み易さ」となり増加要因となっているのです。それに比し
て、大和郡山市は歴史・文化遺産・地理的に恵まれているにも拘らず、大きく
遅れを取っていると言えます。
総務省の外郭団体による大和郡山市の人口減調査では、23 年後の 2040 年
64,000 人台になるとの試算も出ていて、市政改革も進まないとすれば、財政面
でも危機的状況となり、市民に大きな負担となってくる可能性が高いのです。
従って人口減問題に最重要課題として取り組む必要があります。
少子高齢化が著しく進むことが予想される大和郡山市に於いて、より具体的な対策
を早急に講じる必要があります。
①少子化対策として
(イ)子育て家庭の経済的負担の軽減
ex.第3子以上を生み育てようとする世帯に対しては、3才未満の第3子
以降の児童の保育料や、18 才迄一部負担が生じている子供医療費を原則として
無料化する助成制度 等
(ロ)子育てと仕事の両立支援
働く母親を中心とした多様な保育ニーズに対応保育環境の整備
(ハ)地域特性を活かした子育て推進
23
保育を必要とする家庭が子供を預ける事が出来ないというような事がない育児
環境(待機児童ゼロ)
(ニ)次代の子育て世代への支援
若者の経済的不安定が、結婚や子供の出生に影響を与えています。若年者への
就業支援や保育士の増員を図ると共に技能習得を援助することで、経済的自立
と安定を支援します。
②高齢化対策として
(イ)高齢者が長年培ってきた豊かな知識・経験・技術を地域貢献に於いて活かせる
よう、ボランティア活動の確保やコミュニティビジネス等の立ち上げなどを支
援するとともに、意欲と能力に応じた多様な雇用機会の確保や就業に必要な知
識と技術の向上により、高齢者の社会参加を促します。又、高齢者が常時、介
護を必要とせず、地域で自立した生活を送る事ができるよう、日常的に誰もが
手軽に運動機能向上に取り組める「コミュニティセンター」を開設します。具
体的には、地区公民館や各自治会館に「コミュニティセンター」を併設できる
よう行政として支援します。そのことが、介護予防対策を充実させることにつ
ながると考えます。
(ロ)地域で支え合い、安心・安全に暮らせる社会
医療や介護を必要とする状態になっても、地域で安心して暮らしていけるよう、
在宅生活を支える医療・介護・見守りサービス等の充実を進めます。又、在宅
での生活が困難になった場合でも適切なサービスが利用できるよう介護保険施
設等の計画的整備の促進及び相互の連携により必要とするサービスを提供する
「地域ケア体制」を確立します。さらに、介護サービスの質の確保、向上のた
め、介護福祉士の増員を図ると共に資質の向上や住民ボランティアの育成を進
めます。
(ハ)行政側の支援を含め、各自治会と連携したデマンド・タクシー、有償ボランテ
ィアによる外出支援の新設と拡大を推進します。
(ニ)
(イ)
・
(ロ)
・
(ハ)の施策を着実に推進していくためにも、各校区の公民館で公
民協働の「まちづくり委員会」
(仮称)を設置し、住民の福祉力の創出で、安心・
安全・活力あるまちづくりを実現します。
Ⅳ.市民は行政に何を期待するのか
前回「活気ある都市ランキングと都市作りの要因」の項で発表致しましたが、主
なものとして、
(イ)治安が良い
(ロ)昼夜問わず活気がある
24
(ハ)新しい住宅及び宅地が多い
(ニ)公共交通機関が充実している
(ホ)保育所や幼稚園が充実している
(ヘ)公共料金が安い
(ト)教育機関が充実している
(チ)商店街が充実している
(リ)地域コミュニケーションが充実している
(ヌ)介護施設が多い
等が挙げられますが、これらの項目に対し、残念乍ら大和郡山市は、先に紹介
した日経ビジネスによる活力ある都市ランキング、全国 308 位中 249 位と下位
に低迷している状況です。
これらは全て行政が財政面を背景にして、地道な取り組みが必要であるにもか
かわらず、現在の行政側のトップを含め、自ら「身を切る改革」を実行し財政
基盤を改善しようと云う覚悟が見えてきません。
人口減少と共に早く住民目線に合った施策が必要であり、現在は真に危険水
域と云わざるを得ないのです。
先日、機会があり平成 28 年度市長施政方針を拝見しましたが、驚く事にその
内容は市長が就任 10 年を経過した平成 23 年度市政運営の所信と全く同じ項目
(協働のまち、産業・環境・子育て・教育・安全・快適なくらし、健康・福祉・
生きがいづくり)で、行政として当然の取り組む必要なものばかりであり、将
来に向かっての施策が何一つ語られていない事です。市民の将来の不安に答え
ていない、この姿勢が現在の特に人口減少問題に現れています。
市民は間違いなく現在の行政サービスの向上は勿論の事、将来に向かっての、
子・孫の時代へつなぐ安心・安全・住みよいまちづくりの為の具体的施策を必
要としているのです。
Ⅴ.安心・安全・住みよいまち、大和郡山市の未来像(次の世代
に繋ぐ為に)
日本創生会議は人口減少にストップをかける基本姿勢として「若者が自ら希望
に基づき結婚し、子供を産み育てることが社会を作る事」とし、具体的な施策と
して、
(イ)若年世代の経済基盤の確保
(ロ)結婚・妊娠・出産の支援
(ハ)子育て支援
(ニ)企業に於ける「働き方」改革
25
(ホ)多子世帯への支援
以上の方針を示しています。
大和郡山市に於いても、上記方針に基づき具体的施策を示す必要があります。
もう一つは、防災・減災に強いまちづくりです。阪神・淡路大震災を始め、東日
本大震災、熊本大震災、直近では岩手県岩泉町の水害、又鳥取地震などわが国は
災害多発期に入っており、大きな災害が日本列島を襲っています。
大和郡山市に於いても「災害対策基本法」に基づき、防災対策全体を体系化し、
防災に関する責務を明確化しなければなりません。又災害対策については「災害
予防」
「災害応急対策」
「災害復旧」等について、国や都道府県、市町村などは 災
害発生時の対応に焦点を絞り、詳細な具体的方針が必要となります。市町村に於
いて災害が発生あるいは発生するおそれがある場合、市町村は市町村長を対策本
部長として、災害対策本部を設置し、災害の応急対策にあたらなければならない
のです。災害応急対策の主体は、住民に最も近い公的行政機関である市町村であ
る事と肝に命じ、危機管理体制を整備し、住民の安心・安全を絶対的に守らなけ
ればならないのです。又、現在の災害対策本部の組織が、緊急時本当に機能する
のかどうか、他市町村の例を参考にして、もう一度根本的に見直す必要があるの
ではないでしょうか。
更に災害時に災害弱者を救うための共助の組織として、自主防災組織率の向上
が求められています。しかしながら現市長のパフォーマンス市政の中で、平成 27
年度現在で自主防災組織の組織率が 56.2%と県下最低であり、既に組織率 100%
達成の市が幾つかある中で、早急に改善し、組織の整備を急ぐ必要があります。
ここで大きな問題の一つとして昭和 36 年に建設された、市庁舎の老朽化があげ
られます。現在の庁舎は耐震基準を満たしていません。震度6以上で倒壊の恐れ
がある現庁舎では、万一の災害の時、対策本部の設置も出来ず、応急対策も出来
ないということになります。庁舎建設には約 50 億円の財源が必要ですが、現在迄、
殆んど「積立金」は準備できておらず、庁舎建設のための財源はその多くを市債
(借金)に頼らなければならないのです。全国他の市町村の庁舎建設の費用は、
大なり小なり「積立金」で準備しており、全額「積立金」で充当市町村もありま
す。現在までの大和郡山市の防災・減災に対する認識の甘さにより、危機管理セ
ンターとしての機能の低さが如実になってきています。何れにしても財政面の改
革を計り、華美な建設・庁舎は必要ありませんが、機能面で充分な危機管理がで
きる新庁舎の建設が必要なのです。
行政側は今迄以上の「身を切る改革」が必要であり市長始め、全職員が覚悟を持
って取り組む必要があります。
26
結論として、大和郡山市の明るい未来像を描く為には
改革派の市長のもと市役所改革が第一に必要となる。
27
第三章
どうする、これからの大和郡山
(希望に満ちた大和郡山市を市民と共に創る為に!!)
Ⅰ.大和郡山市に改革推進本部を組織します
現状問題となる種々の課題(ex. 新庁舎建設、まちづくり、少子高齢化、財政
健全化、人口減の歯止め etc.)を本部内のプロジェクトチーム(市民参加と民
間活力の導入)によって解決を計る。尚、本部長には市長自ら就任し、毎月の定
例会議により進捗を確認する。
Ⅰ.身を切る改革を断行します
徐々に悪化する財政問題を健全化する第一歩として、まず市長自らが範を示す
必要があります。具体的には同規模都市(人口 5 万人~10 万人)に於いて全国最
高レベルの退職金(1期 4 年間 2500 万円弱)の 50%カット及び、奈良県下最高レ
ベルの月次報酬額(99 万円)の 30%カットを即刻実施し、庁舎内のムダを徹底
的に排除します。併せて徐々に増え続けている一般会計における地方債(借金)
は 400 億円に届く所まで来ていますが、この額は市の一般会計に於ける年間収入
総額を優に超えているのです。この現状を放置すれば、やがて北海道夕張市の二
の舞にならないとは限りません。
今後市長、市職員、そして議員も含め余程の覚悟をもって、「身を切る改革」
を断行し、地方債の残高返済を計画的に実行する必要があります。少なくとも今
後 5 年間は年間 10 億円~20 億円目処に計画的返済が必要となります。併せて年
度別決算については、単年度に於いて少なくとも「プライマリーバランス」がプ
ラスとなる健全な財政運用が必要となります。
そして更に新しいまちづくり、新庁舎建設等の新規事業に備え、計画的な「積
立金」も重点的に制度化して行く必要があるといえます。
Ⅰ.議会の改革
議会の大改革を実行するには、まず議会の基本条例を議員達の中で作らなけれ
ばなりません。今回のように議長、副議長の慣例 1 年の任期さえ守られないこと
や、議会の混乱は、元はといえば基本条例がない事によります。そして何よりも
議案の審議に於いて、多くの議員が自己主張なしに多数に流されているようでは、
その機能を全く果たしていません。まずは、活気ある議会にし、自らも議案提案
できる様にすべきでしょう。
その為にも議会の「見える化」を進め、透明性を高めなければなりません。そ
うでなければ、一部議員の無理難題がまかり通り、正常な議会改革さえ出来ない
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事態に陥ってしまいます。手始めに議会の状況をネット配信し、市民が何時でも
身近に議会の様子を把握できれば議会にも緊張感が出て来ます。このことは、早
期実施が必要であり、ネット配信について議会側とも真摯に協議をします。更に
議員定数や報酬については、予算の執行を伴うものであり、身を切る改革につい
て議会側ともその打開策を打ち合わせる必要があると考えています。
Ⅰ.新庁舎の建設
現在の庁舎は昭和 36 年に建設され、現在は老朽化し、耐震強度 6 弱で倒壊の
恐れ有りとの診断が出ており、熊本地震クラスで間違いなく倒壊します。災害時
に市役所が機能しないという事は、市役所内に対策本部が設けられないという事
であり、市民の不安は増すばかりです。現庁舎の建て替えを 5 年以内に具体化し、
防災、減災時に機能する体制を整え、市民の安全を最優先させる事が第一と考え
ます。本来ならば庁舎建設には計画的に「積立金」を準備する必要があるが現在、
その準備がされていません。地方債(借金)で賄うつもりでしょうが、早急に財
政改革を実施して準備にとりかからなければなりません。又庁舎建設は「まち作
り」と密接に関連すべきであり県、国との連携を計る必要があります。
尚、郡山の象徴である「金魚」の展示は、現在民間で運営している「金魚資料
館」で行っていますが、全国的に多くの人に観て鑑賞してもらう為にも新庁舎の
中に併設する事も視野に入れて考えています。
Ⅰ.
「歴史と文化のまち・郡山」を基本コンセプトにしたまちづくり
郡山のブランドは①豊臣秀長 ②大和百万石(大和郡山城)③柳沢文庫 ④金魚
です。このブランドを全国に発信し、観光客誘致につなげたいと思います。
まずは、豊臣家 No.2 の実力者秀長と、大和、和泉、紀伊を統括した大和百万
石の居城、大和郡山城です。
互いの効果を上げる為、まず日本歴史上、最高の補佐役にして、最強の No.2
であった秀長を主人公にした NHK 大河ドラマ制作の実現に向け、全市を挙げて
NHK などに働きかけを行うと共に、同時進行で郡山城復元計画を大々的に全国に
向け発信し、今後 10 年計画で「郡山城復元支援プロジェクト」を発足させ、資
金面に於いても熊本城の例に習い、全国からの歴史ファンから寄付金を募り、県
及び国に対しても交付金の申請を積極的に行います。市側は市民の理解を得る努
力を最大限行い、計画的財政運用の点からも、身を切る改革を断行し「積立金」
制度を活用していきます。
郡山城復元されれば郡山のみならず、奈良県に於ける観光のシンボル的存在と
なります。全国の豊臣及び歴史ファンの垂涎の的となることは間違いないでしょ
う。そして周辺整備を計り江戸時代を統治した柳沢家 6 代、147 年間の歴史展示
と連携すれば歴史と文化の香りを必ずや満喫できるでしょう。
29
又、郡山新庁舎とともに「郡山金魚資料館」を復元された郡山城内で展示出来
れば、郡山の最大ブランドの 4 つを一同に拝観する事が出来、観光客増加は間違
いないと考えます。
これも一案です。
Ⅰ.近鉄郡山周辺地区のまちづくり基本構想
現時点では、基本構想そのものの将来性、ロードマップが見えてきません。
現在のまちづくりだけの構想では、一部関係の人達の利権保持に他ならず、近鉄
郡山駅再開発に於いては、箱物行政の轍を踏む事なく将来性を見据えた綿密な計
画が必要です。
又、県・国・JRと余程詳細に亘る連携の下、そしてリニア新幹線新駅計画と
も密接に連動すべきで、郡山市のパフォーマンスが前面に出る事は避けるべきで
す。併せて観光事業を視野に入れた再開発が必要であり、特に奈良県、奈良市、
生駒市と連携することが最も効率よく発展できると考えます。そして、奈良県南
部を含めた奈良県全体が国際観光都市として観光事業を中心に発展することが
最も自然であり、将来性があるといえます。
Ⅰ.京・奈・和
道路の早期整備
1973 年(昭和 48 年)制定されてから 43 年過ぎた段階で未だに全面開通に至っ
ていません。
特に京都→奈良と日本を代表する観光地が未だにつながっておらず、それも高
規格道路でない事が不思議でなりません。このゴールデンルートを早期開通させ、
リニア新幹線開通と併せれば正に日本の観光事業の中核ルートとなる事は間違
いなく、奈良県に於いても大きなインバウンド増となるに違いありません。
その為にも県・奈良市・生駒市・大和郡山市の連携は特に大事であり各々の役
割と責任負担を明確にして実行に移す必要があります。
Ⅰ.
「西大寺駅」乗り換えなし難波行急行電車の新設
特に大和郡山市から、大阪方面への通勤者がより便利になるように、近鉄「西
大寺駅」で乗り換えなしで、通勤の便(特に朝、夕刻時のラッシュ)を計る事が
出来ないか近鉄側との交渉を粘り強く行っていきます。
Ⅰ.その他人口減少に歯止めをかける
関連事項、具体策は第2章全般を参照して下さい。
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大和郡山市
“確かな明日への歩み”
著者
栂野
行男
発行年月
2017 年 1 月