啓翁桜(PDF.1.3MB)

特集 ふゆの農業
冬
に咲かせる
技
11 月、成長した啓翁桜を切り出す。5
12 月中旬には啓翁桜が咲くために必
40 度のお湯に 1 時間沈めて、花芽を
月に「環状剥離」という花芽をたくさ
要な休眠時間に達する。保管していた
目覚めさせ、春の陽気と同じ気温の温
んつけるための作業を行っている枝
枝を順次掘り出していく。
室に 20 日間程置く。
を切り出す。
蕾が膨らみ始めたら出荷。小倉地区ではJAを通じ、年内は関東地方、年明け以降
は関西地方へと出荷する。
小倉地区の啓翁桜は約6ha。
畑からは上山市内が一望できる
水田畑地化とは
用水路など
から給水
排水路
干ばつ時などは地下からかんがい
大雨の時などは地下水を排除
水田で畑作作物(転作)を安定
生産するために、地下かんがい
施設を整備すること。
これにより、排水対策と地下か
らのかんがいの両面の機能を得
られ、大雨や干ばつに対応。
収量、品質、作業性がUPする。
違いは?桜・梅・桃の花びらの形
※品種により違う場合もあります
桜
梅
桃
工藤庄一郎さん(右端)と
花びらは楕円形で
先が割れている
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花びらは丸い
花びらは楕円形で
先がとがっている
蔵王花木研究会のみなさん
︵
上山市小倉地区︶
雪 深 い 山 形で 、 冬 期 間 の 収 入 を
確保するにはどうしたらよいか。
蔵 王山麓に位 置す る上山市 小 倉
地 区 で は 、ほ 場 整 備と 同時に 水 田
畑 地 化を 行い 、 啓 翁桜 の作付 け を
始めた。
そ れ ま で は冬 の 収 入 源と 言 え ば
蔵 王 温泉 への出 稼 ぎだ った。 蔵 王
花木研究会の工藤庄一郎さんは
﹁啓 翁桜を始めて 冬期間の仕事が
生ま れた。一般的な花木と比べて
手 間 がか から ず 、 出 荷 作業な ど も
含 め 、年 配 者 に も 負担 が 少な い 。
導 入 して よかっ た﹂と 話す。 一般
的 な 畑 作 物に 多 い 連作 障害 も 、 啓
年代半ばか
翁 桜 で は 発 生 し に く い こと も 作 り
易さのひとつ。
山形県内では昭和
り、
月下旬から
月下旬にかけ
日常を彩る花としての人気もあ
く 、 フラ ワ ー ア レ ン ジ メ ン ト な ど
特 別な日を彩る花としてだけでな
る 。 お 正 月 の飾 り や卒 業 式 な ど の
で は全国 1位の 生産高 を上げて い
ら 啓 翁桜 の促 成栽 培に 取組み 、 今
40
3
て全国に向けて出荷される。
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