霧島山火山防災協議会資料(PDF:3865KB)

資料1
霧島山火山防災協議会の設置について
○設置の根拠
・ 平成 27 年 12 月に改正活動火山対策特別措置法が施行され、常時観測火山ごとの
火山防災協議会の設置が義務化された。
・ 常時観測火山の一つである霧島山も対象火山となり、火山災害警戒地域に、都城
市、小林市、えびの市、高原町、鹿児島県霧島市、湧水町が指定された。
※
参考
活動火山対策特別措置法【抜粋】
(昭和四十八年七月二十四日法律第六十一号)
最終改正:平成二七年七月八日法律第五二号
(火山防災協議会)
第四条
前条第一項の規定による警戒地域の指定があつたときは、当該警戒地域を
その区域に含む都道府県及び市町村は、想定される火山現象の状況に応じた警戒避
難体制の整備に関し必要な協議を行うための協議会(以下「火山防災協議会」とい
う。)を組織するものとする。
2
火山防災協議会は、次に掲げる者をもつて構成する。
一
当該都道府県の知事及び当該市町村の長
二
警戒地域の全部若しくは一部を管轄する管区気象台長、沖縄気象台長若し
くは地方気象台長又はその指名する職員
三
警戒地域の全部若しくは一部を管轄する地方整備局長若しくは北海道開発
局長又はその指名する職員
四
警戒地域の全部若しくは一部を警備区域とする陸上自衛隊の方面総監又は
その指名する部隊若しくは機関の長
五
警視総監又は当該道府県の道府県警察本部長
六
当該市町村の消防長(消防本部を置かない市町村にあつては、消防団長)
七
火山現象に関し学識経験を有する者
八
観光関係団体その他の当該都道府県及び市町村が必要と認める者
3 火山防災協議会において協議が調つた事項については、火山防災協議会の構成員
は、その協議の結果を尊重しなければならない。
4 前三項に定めるもののほか、火山防災協議会の運営に関し必要な事項は、火山防
災協議会が定める。
-1-
資料2
霧島山火山防災協議会の規約・細則について
活動火山対策特別措置法(昭和48年法律第61号。以下、「法」という。)の一部を
改正する法律(平成27年法律第52号)が平成27年12月10日施行されたことに
伴い、法定協議会を設置する。
1
規約の概要
(1)目的(第1条)
霧島山において想定される火山現象に応じた警戒避難体制の整備に関し必要
な事項等の協議
(2)所掌事務(第2条)
①火山現象の状況に応じた警戒避難体制の整備、②地域防災計画に定めるべ
き事項、③火山に関する情報の共有、④定期的な火山防災訓練等
(3)組織(第3条)
別表1の構成員で構成し、会長・副会長の任期は2年とし、再任可
附則において、協議会設立当初の会長を宮崎県知事、副会長を鹿児島県知事
とし、任期を平成30年3月31日までと規定
(4)協議会の開催、書面開催(第4条・第5条)
・構成員の過半数の出席で協議会を開催し、出席者の過半数で議決
・構成員以外の者に資料の提出、会議への出席・助言を求めることができる
・原則として会議は公開
・会議の書面開催も可能
(5)幹事会及び部会等(第6条∼第8条)
・協議会の所掌事務について各構成員を補佐するための、幹事会を設置し、
幹事長は、会長の属する県の火山防災を所管する所属長とする
・幹事会に、専門的検討のための部会、総合調整や火山活動・防災に関する
情報交換を行う関係機関会議を設置できる旨、規定
(6)事務局(第10条)
・事務局は幹事長の所属機関に置く
2
細則の概要
(1)構成員の任命等の細部(第2条、第4条)
・構成機関の長が指名する2号から4号構成員及び任意の構成機関である
7号、8号構成員の選出等の細部手続きについて規定
(2)会長・構成員代理の細部(第3条、第5条)
・会長の職務を副会長が代理する場合を規定
・代理構成員を出席させ、議決事項を委任する場合の細部手続きを規定
(3)書面開催の細部(第6条)
・書面開催を適切と認める場合の細部を規定
①地域防災計画などの修正にあたり、組織改編等の軽微な修正の場合
②幹事会において満場一致で合意が得られた場合
③会長が、幹事会での検討で適切な判断が期待できると判断した場合
3
設立当初の構成員及び幹事について
規約、細則に基づき選出した結果、資料3のとおり
資料3
霧島山火山防災協議会構成員名簿
法第4条
区分
構 成 員
構成機関等
職
氏 名
宮崎県
知事
河野 俊嗣
鹿児島県
知事
三反園 訓
第1号 都城市
市長
池田 宜永
小林市
市長
肥後 正弘
えびの市
市長
村岡 隆明 高原町
町長
日高 光浩
霧島市
市長
前田 終止
湧水町
町長
米満 重満
宮崎地方気象台
台長
小泉 岳司
鹿児島地方気象台
台長
里田 弘志
第3号
九州地方整備局
局長
小平田 浩司
第4条
陸上自衛隊西部方面隊
第43普通科連隊長
安田 百年
宮崎県警察本部
本部長
野口 泰
鹿児島県警察本部
本部長
種部 滋康
都城市消防局
消防局長
岸良 克哉
西諸広域行政事務組合消防本部
消防長
木佐貫 幸男
霧島市消防局
消防局長
馬場 勝芳
伊佐湧水消防組合消防本部
消防長
前田 健二
京都大学
名誉教授
石原 和弘
京都大学
教授
鍵山 恒臣
鹿児島大学
名誉教授
小林 哲夫
東京大学
教授
武尾 実
鹿児島大学
教授
地頭薗 隆
宮崎大学
教授
清水 収
鹿児島大学
特任教授 岩船 昌起
みやざき観光コンベンション協会
専務理事
冨髙 敏明
鹿児島県観光連盟
専務理事
白橋 大信
林野庁九州森林管理局
局長 池田 直弥
国土地理院九州地方測量部
部長
齋藤 勘一
第十管区海上保安本部
警備救難部長
東城 英雄
環境省九州地方環境事務所
えびの自然保護官事務所
自然保護官
田中 里奈
第2号
第5条
第6号
第7号
第8号
資料4-1
火山防災対策を検討するための
霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)の噴火シナリオ
(案)
平成 28 年 X 月
福岡管区気象台
資料4-1
(案)
1.目的
えびの高原(硫黄山)周辺では、16-17 世紀にはマグマ噴火が発生し、溶岩の流出や 1768 年には水蒸
気噴火が発生した。また、不動池溶岩の流出など活発な火山活動を繰り返してきた。また、えびの高原
(硫黄山)周辺には多くの観光施設や季節をとおして多くの観光客や登山者がおり、噴火による影響は
計り知れない。このため、噴火シナリオを作成し、事前に防災対応を決めておくことは極めて重要であ
る。
気象庁では、えびの高原周辺の防災関係機関が将来の噴火に対して共通の認識を持ち、噴火災害の軽
減に向けて種々の火山防災対策を検討するための基礎的な資料として、えびの高原(硫黄山)周辺の噴
火シナリオを作成し、共有することとした。
噴火シナリオは、過去の噴火実績や数値シミュレーション等を基に想定したいくつかの噴火ケースに
ついて、各々のケースにおける火山活動の時間的な推移とその影響範囲を表現したものである。噴火時
にどのような現象がどのような順序で発生し、それらの現象により、いつ、どの範囲にどのような被害
が発生するのか等について関係機関が共通のイメージを持ち、様々な防災上の課題を抽出し、時間や場
所等を考慮した具体的な火山防災対策の検討に資することを目的として作成されるものである。
2.噴火資料等の整理
2-1.えびの高原(硫黄山)周辺の概要、地形・構造等
霧島火山は鹿児島県・宮崎県境に沿い北西-南東に延びた楕円形状の火山群であり、大小 20 余りの
火山が存在する。えびの高原は霧島火山の北西部に位置し、標高 1,100~1,300m の比較的平坦な地形を
なしている(図1)
。
韓国岳山頂には韓国岳山頂火口が存在し、琵琶池(南東斜面)と韓国岳 B 火口(北西斜面)側の火口
が形成されている。韓国岳の北西斜面には下方に開いた馬蹄形地形が見られる。馬蹄形地形内の平坦部
の 1,357m付近には韓国岳北火口と呼ばれる円形のくぼ地がみられる。
えびの岳(標高 1,293m)山頂部には浸食の進んだ火口地形(えびの岳火口)がある。えびの岳は地
形浸食が進んだ古い火山体である(田島・他,2014)
。
白鳥山(標高 1,363m)も古い火山体であり、山体の北斜面には弧状の崖を伴う浸食地形は地すべり
崩壊の痕跡である(国土地理院,1999;宮崎県土木部,2006)
。
白鳥山(標高 1,363m)の南東火口縁上に白紫池と六観音御池という 2 つの火口湖が存在する。2 つ
の火口湖の間には、すり鉢状の小火口(白紫池東火口)が形成されている。
甑岳(標高 1,301m)の北側山麓には多数の分岐した溶岩ローブが存在する(井村・小林,2001)。
硫黄山の山頂部には、直径 130mの円形の浅い火口(硫黄山火口)が存在する。硫黄山は比高約 50m
で北方に約 400m流下した溶岩流である。硫黄山の南東側には直径 100~200m程度のすり鉢状の小火口
(硫黄山東火口)が形成されている。
不動池は火口湖(不動池火口)であり、火口南東縁には火口に沿う円弧状の地形的高まりが認められ、
火砕丘の一部と考えられている(田島・他,2014)
。また、不動池の南西側には、直径約 130mの円形の
小火口地形(不動池南火口)が認められる。
えびの高原南西域は二次堆積物(主にラハール)により埋積され、平坦な地形となっている。
1
資料4-1
(案)
図1 霧島山主要部の地形図
(国土地理院発行の 5 万分の 1 地形図(霧島山)及び数値地図 50m メッシュ(標高)
)
2
資料4-1
(案)
甑岳
韓国岳
硫黄山
図2 霧島火山の地質図(井村・小林(2001)
、産業技術総合研究所 HP より)。
3
資料4-1
(案)
不動池
溶岩
硫黄山溶岩
図3 えびの高原周辺の地形図(田島・他,2014)
。
Kr:韓国岳火口、KrB:韓国岳 B 火口、Kn:韓国岳北火口、Krw:韓国岳西火口、
Bw:琵琶池火口、Io:硫黄山火口、Ie:硫黄山東火口、Fd:不動池火口、
Fs:不動池南火口、Ro:六観音御池火口、By:白紫池火口、Be:白紫池東火口、
So:白鳥山火口、Ks:甑岳火口、En:えびの岳火口
4
資料4-1
(案)
2-2.過去の噴火実績
(1)えびの高原(硫黄山)周辺の活動史
えびの高原における最近1万年間の噴火活動履歴は、不動池、韓国岳及び硫黄山で複数回噴火が発
生している(田島・他(2014))
。ここでは、田島・他(2014)の研究結果を基にまとめる。なお、え
びの高原起源ではないテフラの記載もあるが、これらについては省略する。
表1に過去1万年間のえびの高原周辺の噴火履歴を示す。最も古い噴火は約 9000 年前の不動池の
噴火である。この噴火では不動池溶岩が火口から北側に流出している。約 4300 年前には韓国岳で噴
火が発生している。この活動では、水蒸気噴火に伴い、山体崩壊が発生したと考えられている。約 1600
年前には再び不動池で噴火が発生した。16~17 世紀の噴火では溶岩流出は起こっていない。えびの高
原周辺で最も新しい噴火は硫黄山で発生している。これまで硫黄山を形成した噴火は 1768 年の噴火
と考えられていたが、田島・他(2014)は硫黄山を起源とするテフラの調査から従来考えられていた
よりも 200 年ほど古い年代に形成されたことを示した。この噴火はマグマ噴火であり、硫黄山溶岩を
流出し、山体が形成された。硫黄山の最新の噴火は 1768 年の水蒸気噴火である。
なお、これらはいずれも噴出物が地層として残る規模の噴火であり、より規模の小さな噴火は多数
発生していると考えられる。
表1 えびの高原周辺の噴火履歴(田島・他,2014 より記載)
テフラ名称
硫黄山東-えびのA
(Ie-EbA)
硫黄山-えびのB
(Io-EbB)
不動池-えびのC
(Fd-EbC)
韓国岳北-えびのD
(Kn-EbD)
不動池-環野A
(Fd-TmA)
テフラの体積
(×106 ㎡)
火口
年代
噴火の種類
2.4
硫黄山
AD1768
水蒸気噴火
27
(DRE:16)
硫黄山
16~17 世紀
マグマ噴火
9
不動池
1.6cal ka BP
58
韓国岳
4.3cal ka BP
水蒸気噴火
マグマ水蒸気噴火
40
(DRE:24)
不動池
9.0cal ka BP
マグマ噴火
溶岩
溶岩の体積
(×106 ㎡)
ラハール
硫黄山溶岩
3.9
水蒸気噴火
ラハール
DRE: Dense Rock Equivalent。マグマ換算体積。
cal ka BP: キャリブレーションが行われた 14C 年代。「ka」は 103。基点は 1950 年。
「9.0 cal ka BP」であれば、1950 年を基点とした 9000 年前。」
テフラ:火砕物(スコリア、軽石、火山灰などが大小さまざま大きさに砕かれた噴出物)
ラハール:土石流、泥流、洪水を総称したもので、水の中に火砕物が懸濁した流れ
5
ラハール
山体崩壊
不動池溶岩
33
資料4-1
(案)
○ 不動池
不動池では過去1万年間で2回の噴火が確認されている。約 9000 年前の噴火はブルカノ式噴火が
主体であったと考えられ、この噴火活動時には不動池溶岩が北方へ直線距離で約4km 流下している
(図3)
。不動池溶岩の体積は 33.0×106 ㎥、テフラの見かけ体積は 40.0×106 ㎥(DRE:24×106 ㎥)と
推定されている(表1)
。約 1600 年前の噴火は水蒸気噴火であると考えられている。なお、わずかな
がらマグマが関与した可能性も指摘されている。
○ 韓国岳
韓国岳では約 4300 年前に韓国岳北火口(図3、4)と推定される比較的規模の大きな水蒸気噴火
が発生している。堆積物から、活動の末期にはマグマがわずかに関与した噴火も発生したと推定され
ている。この噴火活動中には、水蒸気噴火に伴い韓国岳斜面で山体崩壊が発生している。この噴火に
。
よるテフラの見かけ体積は 58.0×106 ㎥と推定されている(表1)
○ 硫黄山
硫黄山は 16~17 世紀頃の噴火で形成されたと考えられている。この噴火で、溶岩が硫黄山火口か
ら北方へ 400m 程度流出し、山体が形成された(図3、4)
。また、硫黄山火口から2km ほど離れたキ
ャンプ場や六観音御池付近では、硫黄山から噴出されたと考えられる直径 20cm 以上の岩塊が見つか
っており、硫黄山形成時にはブルカノ式噴火を伴っていたと考えられている。この噴火によるテフラ
、硫黄山溶岩の体積は 3.9×106 ㎥と推定されている(表
の見かけ体積は 27.0×106 ㎥(DRE:16×106 ㎥)
1)
。硫黄山の最新の噴火記録は 1768 年で、硫黄山東火口(図3、4)から発生した。この噴火は、
水蒸気噴火で 40 日ほど続いたとされている。この噴火に伴うテフラの見かけ体積は 2.4×106 ㎥と推
定されている(表1)
。最近では、1990 年頃まで噴気活動が盛んであったが、現在、噴気などの表面
現象は認められない。
えびの高原(硫黄山)周辺では、約 9000 年前の不動池の噴火以降、小規模なマグマ噴火や爆発的
な水蒸気噴火が何度も生じ、それらは活動ごとに火口の位置を変えた(図3、4)
。
6
資料4-1
(案)
図4 えびの高原周辺の地形図(田島・他,2014)
。
Kn:韓国岳北火口、Io:硫黄山火口、Ie:硫黄山東火口、Fd:不動池火口、Fs:不動池南火口
7
資料4-1
(案)
2-3 火山活動の特徴
過去の1万年間の活動について噴火の規模、噴火場所、噴火様式と噴火に伴う現象について取りまと
めた。
① 噴石の到達距離
えびの高原周辺で噴火の記録があるのは 1768 年の硫黄山の噴火のみである。古記録でも噴石の到
達距離に関する資料はない。そのため、地質調査等により硫黄山が噴出源であると考えられている噴
石について述べる。
硫黄山の西側斜面には大きさ数mの火山岩塊が点在する。これらは 16~17 世紀頃に発生した硫黄
山を形成する噴火により、噴出したと考えられている。また、火口から2km 程度離れたキャンプ場や
六観音御池付近では、直径 20cm 以上の噴石が確認されている。
② 火砕流の到達距離
これまでの調査では、明確な火砕流堆積物は確認されていないが、約 4300 年前の噴火時に火砕サ
ージが発生した可能性がある(田島・他、2014)
。1768 年の硫黄山の噴火でも火砕流が発生した記録
はない。
③ 溶岩流の到達距離
硫黄山溶岩は、硫黄山火口から北側に約 400m流下した。えびの高原周辺に分布する溶岩で最大の
ものは不動池溶岩であり、不動池火口から北側に流出し、甑岳と六観音御池の麓の谷筋をとおり、不
動池の北北西方向へ直線距離で約4km まで分布している。
表2 過去の噴火の場所と噴火様式等
噴火の場所
年代
噴火様式
噴火の規模
噴火に伴う現象等
(テフラの体積)
硫黄山
1768 年
水蒸気噴火
2.4×106 ㎥
硫黄山
16~17 世紀
マグマ噴火
27×106 ㎥
溶岩流(3.9×106 ㎥)
約 400m流下
噴石到達距離約 2km
6
不動池
約 1600 年前
水蒸気噴火
9×10 ㎥
韓国岳
約 4300 年前
水蒸気噴火
58×106 ㎥
山体崩壊
40×106 ㎥
溶岩流(33×106 ㎥)
マグマ水蒸気噴火
不動池
約 9000 年前
マグマ噴火
約 4km 流下
8
資料4-1
(案)
2-4.噴火シナリオの整理に向けた噴火区分
たまき の
えびの高原(硫黄山)に最も近い居住地域は小林市 環 野 地区であり、その南端は山頂から約 4.7km
お
べ
の
に位置し、2番目に近い居住地域であるえびの市 尾 八重 野 地区の南端及び霧島市丸尾地区の北端は山
頂から約5km に位置している。
なお、硫黄山の西側約 300mには霧島市と小林市を結ぶ県道1号線がある。
図5の居住地域と火砕流、溶岩流による影響範囲、2-3の整理、及び過去の事例が少ないことを考
慮し、火山防災マップ作成指針(平成 25 年 3 月、内閣府ほか)も参考に居住地域の位置と大きな噴石
の飛散距離及び火砕流等の到達距離に基づいて噴火を区分した(表3、4)
。
えびの市
尾八重野地区
小林市
環野地区
霧島市
丸尾地区
図5 硫黄山山頂からの影響範囲
黒線:居住地域の境を示す。 赤丸:硫黄山山頂からの等距離線
・水蒸気噴火(小規模)
:大きな噴石による影響範囲は概ね2km 以内
・マグマ噴火(中規模)
:大きな噴石による影響範囲は概ね4km 以内
火砕流・溶岩流による影響範囲は、えびの高原周辺の災害区域予測図(図7)等に示した範囲。
9
資料4-1
(案)
表3 えびの高原(硫黄山) 影響範囲による噴火区分
警戒が必要な範囲
噴火区分
(影響範囲)の目安
(火口からの距離、地域・家屋・施設等)
目安となる主な
主な噴出物の種
建物・場所の名称等
類
登山道
降灰
県道1号線
大きな噴石
登山道
降灰
えびの高原各施設
大きな噴石
県道1号線
火砕流(低温)
概ね1km 以内
ごく小~小
概ね2km 以内
噴火
概ね4km 以内
白鳥温泉上湯
小林市環野・千歳・大
降灰
概ね7km 以内
出水地区
大きな噴石
(範囲内に居住地域あり)
えびの市中の原・尾八
溶岩流・火砕流
中
重野地区
ごく小:火口周辺に降灰する程度の噴火
表4 えびの高原(硫黄山)の噴火区分と影響範囲、噴火事例の整理
噴火の区分
水蒸気噴火
区分の基と想定し
大きな噴石の飛散
マグマ噴火
・大きな噴石の飛散
・溶岩の流下
火砕流(低温)
た主要な現象
主な影響のおよぶ
・火砕流
火口から2km まで
範囲
居住地域まで
・1768 年の硫黄山の水蒸気噴火
過去の噴火事例
・1600 年前の不動池の水蒸気噴火
・4300 年前の韓国岳の水蒸気噴火
・16-17 世紀の硫黄山のブルカノ式噴火
・9000 年前の不動池のブルカノ式噴火
50cm 以上
不明
不明
50cm 未満
不明
硫黄山から約2km
空振
不明
不明
溶岩流
なし
不動池溶岩、硫黄山溶岩など
火砕流
不明
不明
土石流・泥流
土石流堆積物(1600 年前、4300 年前)
火山灰
風下の広い範囲
噴石
風下の広い範囲
10
資料4-1
(案)
3.噴火シナリオの作成
3-1.検証対象とする噴火の想定
この噴火シナリオは、えびの高原(硫黄山)の噴火でどのような事態が発生するのかのイメージを掴
むと同時に、住民避難や道路規制等の防災対策に役立てることを目的としている。
住民避難等の防災対策を考える場合、発生後直ぐに人家等まで到達して人命に重大な影響を及ぼす現
象が重要となる。ここでは主として弾道を描いて飛散する大きな噴石と火砕流に着目して噴火を区分し
て想定する。
えびの高原(硫黄山)は先にまとめたように
・水蒸気噴火のみで終わる噴火
・水蒸気噴火からマグマ噴火に至る噴火
を繰り返している。
過去1万年間で噴出物が周辺に堆積物として残るような規模の水蒸気噴火は3回発生している(田
島・他,2014)
。一方、噴出物を周辺に堆積物として残さない小規模の水蒸気噴火はさらに多数発生して
いると考えられる。現時点でえびの高原(硫黄山)の最後の噴火は、1768 年の小規模な水蒸気噴火で
40 日程継続したと考えられる。
また、最近の火山活動を見ると火山性地震の発生状況は、2014 年3月から 2015 年3月頃までやや多
い状態で経過し、その後はやや少ないものの一時的に増加が見られている。火山性地震の震源は、韓国
岳の北東から大浪池付近に分布し、震源の深さは大浪池付近で約5km、韓国岳北東方向に向け、浅くな
っている。火山性微動は継続時間が2~4分で、振幅が2μm/s 程度の小さなものが 2015 年7月以降時
折発生しており、傾斜計には、これらの発生に伴い硫黄山の北側がわずかに隆起する変化が観測されて
いる。また、火山性微動の発生前後に火山性地震がやや多く発生している。これらからえびの高原(硫
黄山)付近では徐々に火山活動の高まりが認められている。
今後も水蒸気噴火を繰り返す中でマグマ噴火が発生するという活動を続けていくと考えられる。また、
マグマ噴火が発生した場合は、溶岩の流出という形態の噴火を行う可能性がある。
よって、想定シナリオとしては、水蒸気噴火で終了する活動とマグマ噴火へ至る活動の2通りを想定
する。
ケース1は、小規模な水蒸気噴火を想定する。
ケース2は、ケース1のような水蒸気噴火から、さらに活動が活発化し、マグマ噴火へ至り、溶岩の
流出へと至る活動を想定する。
○ケース1(水蒸気噴火)
:過去 1 万年間の水蒸気噴火
○ケース2(マグマ噴火)
:不動池溶岩を噴出した噴火(約 9000 年前)
硫黄山溶岩を噴出した噴火(16-17 世紀)
11
資料4-1
(案)
(1)想定される噴火場所
過去の噴火では、不動池や硫黄山付近から発生しており、今後の噴火も同場所から発生する可能性
が高い。また、韓国岳北西から白紫池までの細長い帯状の範囲が想定されるが、2013 年 12 月以降、
硫黄山周辺で火山地震の増加、継続時間の長い火山性微動の発生、傾斜観測、GNSS 観測による周辺の
隆起、噴気域、熱異常域の拡大が観測されるなど、火山活動の高まりが認められていることから、硫
黄山を想定火口とする(図6)
。
(2)想定される噴火の規模
過去の実績により噴火の規模を以下のとおり想定する。
○ケース1:想定火口から概ね2km 以内に重大な影響を及ぼす噴火
○ケース2:居住区域まで影響を及ぼす噴火
表5 火山現象毎の想定噴出量
火山現象
噴出量(㎥)
過去の事例
火山灰
40×106(DRE:24×106 ㎥)
約 9000 年前の不動池噴火
6
溶岩
33×10
約 9000 年前の不動池噴火
火砕流
13×106(DRE:6.2×106 ㎥)
1716 年から 1717 年(享保噴火)の新燃岳噴火※
※ 平成 26 年度第1回霧島火山緊急減災砂防計画検討分科会 H26.9.29
(3)想定される噴火現象
○ケース1:降灰、大きな噴石、火砕流(低温)、空振(爆風)、土石流、泥流
○ケース2:降灰、大きな噴石、空振、火砕流、溶岩流、土石流、泥流
3-2.各ケースで想定される火山活動推移の時系列での整理
噴火の想定に基づいて、火山活動の推移を時系列で整理した推移表に取りまとめた。
なお、推移表は、各噴火ケースの代表的な事例に基づき作成したものであるが、単純に事実として判
明している事項を時系列に並べるのではなく、
・その事実がどのような火山現象あるいはマグマ活動に基づくものか
・発生する現象が現在の観測網ではどのようなデータとして観測されるか
といった火山学的な解釈や推定を含むものとする。
各噴火ケースにおける活動推移をケースごとに推移表(表6、7)及びフロー図(図8、9)に示す。
3-3.各ケースで想定される影響範囲
ケース1の影響範囲は、風の影響を受けずに弾道を描いて飛散する大きな噴石の到達距離とする。ま
た、御嶽山や口永良部島の噴火では火砕流(低温)も発生していることから対象とした。
噴石の飛散距離の実績は、
16-17 世紀の硫黄山の噴火時に 20cm 程度の噴石が約2km に達しているが、
ブルカノ式噴火に伴ったものである。水蒸気噴火に伴った事例はないことから他火山の水蒸気噴火の事
12
資料4-1
(案)
例も考慮して、大きな噴石の最大到達範囲は想定火口から2km とした。
ケース2は大きな噴石、火砕流及び溶岩流を対象とした。溶岩の流出は、9000 年前の不動池の噴火で
火口から北側に約4km また、16~17 世紀の硫黄山の噴火では、火口から北側に約 400m流下している。
火砕流については明確な証拠は得られていないが、シミュレーションにより火砕流流下域(図7)を
想定していることから、本シナリオにおいては、その結果に基づいた範囲とする。ケース2における影
響範囲は居住地域までを想定する。
シミュレーションで示された火砕流域・溶岩流域は、過去最大事例を基に想定される沢に流下した場
合の最大結果を示している。過去の事例では山麓で止まっている。
13
資料4-1
(案)
3-4.留意事項
本噴火シナリオについては、今後、本火山に対する研究の進展等を踏まえ適宜更新されるものとし、
噴火シナリオの活用にあたっては、これを十分に留意することとする。
図6 想定火口(○)
えびの市
火山泥流
火山泥流
火砕流
溶岩流
熱風
熱風
火砕流
火砕流
えびの市
溶岩流
霧島市
火砕流
小林市
熱風
霧島市
高原町
凡例
火 砕 流:
溶 岩 流:
熱
風:
火 山 泥 流:
図7 えびの高原周辺の災害区域予測図(霧島火山防災検討委員会(平成 19 年度)による
火山災害予測図検討分科会の成果に基づき作成された図に加筆)
14
資料4-1
(案)
表6 ケース1における火山活動の推移表
時間経過
活動前
数ヶ月~数年
数ヶ月~数年
想定される火山現象
■マグマの動きなし
■山体深部へマグマ貫入
■マグマから分離した高温ガスの上昇によ
り山体浅部で熱活動の高まり
■小規模な水蒸気噴火の発生
数時間~数ヶ月
・大きな噴石の飛散
・火砕流(低温)
・風下側では降灰
・空振(爆風)の発生
・泥流
■噴火活動の活発化
数時間~数ヶ月
・大きな噴石の飛散(2km 以内)
・火砕流(低温)
・風下側では大量の降灰
・空振(爆風)の発生
■噴火活動は次第におさまる
数ヶ月~数年
数ヶ月~数年
・地震、微動活動、熱活動の低下
■土石流の発生
火山監視体制化で捉えられる観測データ
噴火警戒レベル
○火山性地震・微動は少ない
○弱い噴気活動
○山体全体のわずかな膨張を示す地殻変動
○山体深部で A 型地震増加
○山体浅部での火山性地震・微動増加
○噴気量増加・熱異常域の拡大
○山体浅部の局所的な膨張を示す地殻変動
○地震・微動活動の活発化
○高さ数 100~1,000m 程度の噴煙
○噴火に伴う地震、微動、空振
○山体浅部の局所的な膨張を示す地殻変動
レベル1(活火山であることに留意)
○高さ数 1,000m 程度の噴煙
○噴火に伴う地震、微動、空振
レベル3(入山規制)
○火山性地震・微動活動の低下
○噴気量減少
○山体の収縮
レベル2(火口周辺規制)~1(活火山で
○大雨時に発生
活動状況に応じてレベルを下げる
レベル2(火口周辺規制)
あることに留意)
・ここでいう大きな噴石とは、被害が想定される直径 50cm 以上のものとする。
・これは一つの想定であり、必ずしも起こり得るすべての現象やその推移を網羅したものではない。
・気象的な要因に影響されるものの、降雨時には噴火に伴う堆積物による土石流・泥流が発生する恐れがある。
・火山活動の経過は必ずしも表のとおりに推移するとは限らず、レベルの数値が順番を超えて(例えばレベル1から3に)上がる場合も有ることに留意する必要がある。
15
資料4-1
(案)
継続時間
(目安)
活動前
数ヵ月~数年
数時間~数ヶ月
【前兆現象なし】
【小規模な水蒸気噴火が発
生】
【平常時】
○噴気活動等
○山体全体のわずかな膨
張を示す地殻変動
○山体深部でA型地震増加
【火山活動の高まり】
■ 影響範囲:想定火口から
概ね1km以内
■発生する現象:大きな噴
石、降灰、泥流等
○山体浅部での火山性地
震・微動増加
○噴気量増加・熱異常域の
拡大
○山体浅部の局所的な膨張
を示す地殻変動
数時間~数ヶ月
【噴火活動の活発化】
■ 影響範囲:想定火口から
概ね2km以内
■発生する現象:大きな噴
石、降灰、泥流等
数ヶ月~数年
【活動の終息】
○噴火活動低下
○地震活動低下
○熱活動低下
○山体収縮 等
噴火活動の
想定
【火山活動の高まり】
○山体浅部の局所的な膨張
を示す地殻変動
○地震・微動活動の活発化
噴出物堆積後に、土石流、
泥流が発生する可能性があ
る。
(凡例)矢印の色は、その時点での火山活動が継続あるいは活発化する際は赤、沈静化する場合は青、
直接的な噴火活動ではない場合は灰色とした。
矢印の太さは、可能性が高いと考えられる想定は太く、可能性が低いと考えられる想定は細くした。
静穏期
時期
噴火予報
噴火警報等
噴火警戒
レベル
活動活発化期
水蒸気噴火期
火口周辺警報
<レ ベ ル 1 ( 活 火 山 で あ る こ と に 留 <レ ベ ル 2 ( 火 口 周 辺 規 制 ) >
意)>
「火口周辺に影響を及ぼす噴火の発生が
活動状況によって適宜火山の状況に 予想される。」
関する解説情報または噴火予報を発
表する。
水蒸気噴火期
火口周辺警報
<レ ベ ル 2 ( 火 口 周 辺 規 制 ) >
「火口周辺に影響を及ぼす噴火の発
生。」
<レ ベ ル 3 ( 入 山 規 制 ) >
「居住地域の近くまで重大な影響を及ぼ
す噴火が発生、あるいは発生すると予想
される。」
噴火終息期
噴火予報
<レ ベ ル 2 あ る い は 1 >
活動の状況に応じて、適宜レベル
変更を行う。
規制なし。
基本的な応
活 動 状 況 に よ り 火 口 内 への 立ち 入り
急対策
想定火口から概ね1km以内への立入規制等
想定火口から概ね2km以内への立入規制等
段階的に規制解除等
規制等。
・ここでいう大きな噴石とは、被害が想定される直径 50cm 以上のものとする。
・これは一つの想定であり、必ずしも起こり得るすべての現象やその推移を網羅したものではない。
・気象的な要因に影響されるものの、降雨時には噴火に伴う堆積物による土石流・泥流が発生する恐れがある。
・火山活動の経過は必ずしも表のとおりに推移するとは限らず、レベルの数値が順番を超えて(例えばレベル1から3に)上がる場合も有ることに留意する必要がある。
図8 ケース1のフロー
16
資料4-1
(案)
表7 ケース2における火山活動の推移表
時間経過
想定される火山現象
火山監視体制化で捉えられる観測データ
■マグマの動きなし
○火山性地震・微動は少ない
数ヶ月~数年
■山体深部へマグマ貫入
数ヶ月~数年
■マグマから分離した高温ガスの上昇に
より山体浅部で熱活動の高まり
○山体全体のわずかな膨張を示す地殻変動
○山体深部で A 型地震増加
○山体浅部での火山性地震・微動増加
○噴気量増加・熱異常域の拡大
○山体浅部の局所的な膨張を示す地殻変動
○高さ数 100~1,000m 程度の噴煙
○噴火に伴う地震、微動、空振
○山体浅部の局所的な膨張を示す顕著な地殻変動
活動前
数時間~数ヶ月
数時間~数ヶ月
数日~数ヶ月
数ヶ月~数年
数ヶ月~数年
数ヶ月~数年
■小規模な水蒸気噴火の発生
・大きな噴石の飛散
・火砕流(低温)
・風下側では降灰
・空振(爆風)の発生
■マグマ(水蒸気)噴火の発生
・大きな噴石の飛散(より遠距離まで)
・火砕流の発生
・風下側では大量の降灰
・泥流の発生
・空振(爆風)の発生
■溶岩の出現
・溶岩流が居住地域に到達の可能性
■火砕流の発生
・火砕流が居住地域に到達の可能性
■火砕流の発生
・居住地域に火砕流が切迫・到達
■溶岩流
・居住地域に溶岩流が切迫・到達
■噴火活動は次第におさまる
・マグマ供給停止
・地震、微動活動、熱活動の低下
■土石流の発生
噴火警戒レベル
レベル1(活火山であること留意)
レベル2(火口周辺規制)
○高さ数 1,000m 以上の噴煙
○地震・微動の多発
○規模の大きな地震の発生
○急激な山体膨張
レベル3(入山規制)
○活発な地震・微動活動継続
レベル4(避難準備)
○監視カメラ等による火砕流の流下方向等の監視
○火砕流発生に伴う地震動、空振
レベル5(避難)
○山体の収縮
○地震・微動活動の低下
○噴煙量の減少
レベル3(入山規制)→ レベル1
(活火山であることに留意)
状況に応じて段階的にレベルを下
げる
レベル1(活火山であることに留
意)
○大雨時に発生
・ここでいう大きな噴石とは、被害が想定される直径 50cm 以上のものとする。
・これは一つの想定であり、必ずしも起こり得るすべての現象やその推移を網羅したものではない。
・気象的な要因に影響されるものの、降雨時には噴火に伴う堆積物による土石流・泥流が発生する恐れがある。
・火山活動の経過は必ずしも表のとおりに推移するとは限らず、レベルの数値が順番を超えて(例えばレベル1から3に)上がる場合も有ることに留意する必要がある。
17
資料4-1
(案)
継続時間
(目安)
活動前
数ヵ月~数年
数時間~数ヶ月
数時間~数ヶ月
数日~数ヶ月
数ヶ月~数年
【火砕流、溶岩流】
■影響範囲(避難準備)
居住地域(小林市環野・千
歳・大出水地区、えびの市中
の原・尾八重野地区)
■発生する現象
火砕流、溶岩流が居住地域
に到達の可能性
【火砕流、溶岩流の発生】
■影響範囲(避難)
居住地域(小林市環野・千
歳・大出水地区、えびの市
中の原・尾八重野地区)
数ヶ月~数年
【前兆現象なし】
【平常時】
○噴気活動等
○山体全体のわずかな膨
張を示す地殻変動
○山体深部でA型地震増加
【小規模な水蒸気噴火が発
生】
【マグマ(水蒸気)噴火が
発生】
■ 影響範囲:想定火口か
ら概ね1km以内
■発生する現象:大きな噴
石、降灰、泥流等
■ 影響範囲:想定火口か
ら概ね2km以内(火山活動
状況により想定火口から概
ね4km以内に拡大)
■発生する現象:大きな噴
石、降灰、泥流等(噴石は
より遠距離まで到達)
【火山活動の高まり】
【火山活動の高まり】
○山体浅部の局所的な膨張
を示す地殻変動
○地震・微動活動の活発化
○地震・微動の多発
○規模の大きな地震の発生
○急激な山体膨張の進行
【火山活動の高まり】
○山体浅部での火山性地
震・微動増加
○噴気量増加・熱異常域の
拡大
○山体浅部の局所的な膨張
を示す地殻変動
【活動の終息】
○噴火活動低下
○地震活動低下
○熱活動低下
○山体収縮 等
■発生する現象
火砕流、溶岩流が居住地域
に切迫・到達
噴火活動の
想定
(凡例)矢印の色は、その時点での火山活動が継続あるいは活発化する際は赤、沈静化する場合は青、
直接的な噴火活動ではない場合は灰色とした。
矢印の太さは、可能性が高いと考えられる想定は太く、可能性が低いと考えられる想定は細くした。
静穏期
時期
噴火予報
噴火警報等
噴火警戒
レベル
活動活発化期
水蒸気噴火期
火口周辺警報
規制なし。
入り規制等。
想定火口から概ね1km以内への立入規制等
マグマ(水蒸気)噴火期
火口周辺警報
<レ ベ ル 1 ( 活 火 山 で あ る こ
<レ ベ ル 2 ( 火 口 周 辺 規 制 ) > <レ ベ ル 2 ( 火 口 周 辺 規 制 ) >
とに留意)>
「火口周辺に影響を及ぼす噴火 「火口周辺に影響を及ぼす噴火
活動状況によって適宜火山の状 の発生が予想される。」
の発生。」
況に関する解説情報または噴火
予報を発表する。
基本的な応
活 動 状況 によ り火 口内 への 立ち
急対策
噴出物堆積後に、土石流、
泥流が発生する可能性があ
る。
<レ ベ ル 3 ( 入 山 規 制 ) >
「居住地域の近くまで重大な影
響を及ぼす噴火が発生、あるい
は発生すると予想される。」
想定火口から概ね2km以内への
立入規制等
火山活動の状況により想定火口から
概ね4km以内への立入規制等
溶岩ドーム形成期
火砕流発生期
噴火終息期
噴火警報
<レ ベ ル 4 ( 避 難 準 備 ) >
「居住地域に重大な被害を及
ぼす噴火が発生すると予想さ
れる。」
<レ ベ ル 5 ( 避 難 ) >
「居住地域に重大な被害を及
ぼす噴火が切迫又は発生。」
噴火予報
<レ ベ ル 2 あ る い は 1 >
活動の状況に応じて、適宜レベル
変更を行う。
小林市環野・千歳・大出水地区、えびの市中の原・尾八重野地区の
居住地域避難等。
状況に応じて規制範囲等を拡大。
・ここでいう大きな噴石とは、被害が想定される直径 50cm 以上のものとする。
・これは一つの想定であり、必ずしも起こり得るすべての現象やその推移を網羅したものではない。
・気象的な要因に影響されるものの、降雨時には噴火に伴う堆積物による土石流・泥流が発生する恐れがある。
・火山活動の経過は必ずしも表のとおりに推移するとは限らず、レベルの数値が順番を超えて(例えばレベル1から3に)上がる場合も有ることに留意する必要がある。
図9 ケース2のフロー
18
段階的に規制解除等
(案)
資料4-1
参考資料
遠藤 尚・小林ローム研究グループ(1969) 火山灰層による霧島溶岩類の編年(試論)
.霧島山総合調査
報告書,宮崎県,13-30.
井村隆介・小林哲夫(2001) 霧島火山地質図(5万分の1).火山地質図 11,地質調査所.
井ノ上幸造(1988) 霧島火山群高千穂複合火山の噴火活動史.岩鉱,83,26-41
奥野 充(2002) 南九州に分布する最近約3万年間のテフラの年代学的研究.第四紀研究,41,225-236.
田島靖久・松尾雄一・庄司達弥・小林哲夫(2014) 霧島火山,えびの高原周辺における最近 15,000 年
間の活動史.火山,59,55-75.
露木利貞・金田良則・小林哲夫(1980) 火山地域にみられる地盤災害とその評価(1)霧島火山群地に
みられる崩壊型について.鹿児島大学理学部紀要(地学・生物),
13,91-103
田島靖久・他(2014.3)霧島火山,新燃岳・えびの高原における最近1万年間の噴火史と活動評価
日本活火山総覧(第4版)気象庁(H25.3)
日本の地質9 九州地方(1992.7)
火山防災マップ作成指針(平成 25 年 3 月、内閣府ほか)
19
資料4-2
硫黄山の火口の設定について
噴火警戒レベル1で想定される現象には「状況により火口内に影響する程度の噴出の可
能性」とあること。また、2016 年以降、火口外でも熱異常域が観測されていることを踏ま
え、以下の図のとおり、火口として設定させていただきたい。
:熱異常域
:火口
火口の設定については、硫
黄山山頂(・1317)
から 250m。
資料4-3
霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)の噴火警戒レベル
レ ベ ル ( キーワ ード )
警報
対象範囲
予報
住民等の行動及び
火山活動の状況
登山者・入山者等への
想定される現象等
対応
5
(避難)
4
(避難準備)
)
居住地域及びそれより火口側
噴火警報 居(住地域
居住地域に重大な被害を
●噴火が発生し、火砕流、溶岩流が居住地域に到達、
及ぼす噴火が切迫あるい 危険な居住地域からの またはそのような噴火が切迫している。
は、発生している状態に 避難等が必要。
【過去事例】
なし
ある。
居住地域に重大な被害を
及ぼす噴火が発生すると
予想される(可能性が高
まっている)
。
●噴火活動の拡大や顕著な地殻変動等により、火砕
警戒が必要な居住地域 流、溶岩流が居住地域に到達するような噴火が予想さ
での避難の準備、要配 れる。
慮者の避難等が必要。
【過去事例】
なし
●噴火が発生し、火口から概ね4km以内に大きな噴
3
(入山規制)
な影響を及ぼす(この範 状況に応じて要配慮者 【過去事例】
囲に入った場合には生命 の避難準備等。
される。
9000 年前:不動池溶岩が約4km 流下
に危険が及ぶ)噴火が発 登山禁止や入山規制等 ●噴火が発生し、火口から概ね2km以内に大きな噴
生すると予想されるある 危険な地域への立入規 石の飛散や火砕流(低温)が到達、または発生が予想
いは発生。
制等。
される。
【過去事例】
16~17 世紀:大きな噴石が硫黄山から約2km 飛散
2
噴火警報 火(口周辺
火口から居住地域の近くまで
石の飛散や火砕流、溶岩流が到達、または発生が予想
居住地域の近くまで重大 住民は通常の生活。
●地震活動の高まりや地殻変動等により、小噴火の発
火口周辺
(火口周辺規制)
)
火口周辺に影響を及ぼす
生が予想される。
(この範囲に入った場合 住民は通常の生活。
【過去事例】
なし
には生命に危険が及ぶ) 火口周辺への立入規制 ●小噴火が発生し、火口から概ね1km以内に大きな
噴火が発生すると予想さ 等。
噴石が飛散。
れる、あるいは発生。
【過去事例】
1768 年の水蒸気噴火:大きな噴石の飛散距離は不明
1
火口内等
噴火予報
(活火山であることに留意)
火山活動は静穏。
火山活動の状態によっ
●状況により火口内に影響する程度の噴出の可能性。
て、火口内で火山灰の噴 状況に応じて火口内へ
【過去事例】
出等が見られる(この範 の立入規制等。
囲に入った場合には生命
2016 年の火口周辺の熱異常域の拡大
●火山活動は静穏。
に危険が及ぶ)
。
注) ここでいう「大きな噴石」とは、主として風の影響を受けずに弾道を描いて飛散する大きさのものとする。
資料5
えびの高原(硫黄山)周辺における火山活動の状況に応じた対応整理票について
1.目的
霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)の噴火警戒レベルの設定に伴い、噴火活動の段階
に応じた規制や避難等の防災対応について定め、噴火警報等に基づき、関係機関が共通の
防災対応のイメージの下、事前の準備を適切に行い、統一的で迅速な対応に資することを
目的とする。
2.レベル1(活火山であることに留意)
火山活動は静穏。活動の状態によっては火口内で火山灰の噴出等が見られる状態であり、
関係機関においては、監視・観測を継続するとともにレベル2以降の対応のために必要な
避難施設や情報伝達体制の整備、住民や登山者に対する啓発活動、避難計画の策定、訓練
などを行う。
噴気や火山ガスなどの状況により、必要な注意喚起や立入規制などを行う。
3.レベル2(火口周辺規制)
火口周辺に影響を及ぼす噴火が発生あるいは発生すると予想される状態であり、硫黄山
から概ね1km の範囲内では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒が必要で
ある。
このため、硫黄山から概ね1km の範囲への立入を規制するとともに、道路管理者、登
山道管理者及び関係機関において必要な規制や情報発信などの措置をとる。
噴火が発生した場合、登山者等の避難誘導を行うとともに関係機関への派遣要請を行い
必要な救助活動を行う。
また、降灰対策や風評被害対策について適切に準備、対応する。
4.レベル3(入山規制)
居住地域の近くまで重大な影響を及ぼす噴火が発生あるいは発生すると予想される状態
であり、硫黄山から概ね2km∼4km の範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな
噴石や溶岩流、火砕流に警戒が必要である。
このため、気象庁の発表する警戒範囲に基づき、硫黄山から概ね2km 又は4km の範囲
への立入を規制するとともに、道路管理者、登山道管理者及び関係機関において必要な規
制や情報発信などの措置をとる。
また、えびの高原周辺の登山者等に避難を呼びかけ、下山を促すとともに、必要に応じ、
救助関係機関の協力を得てえびの高原荘に避難し、孤立した登山者等を救出する。
5.レベル4(避難準備)
居住地域に重大な被害を及ぼす噴火が発生すると予想される状態であり、硫黄山から概
ね4km の範囲又は居住地域近くまで噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒
が必要であり、また、溶岩流が予想される概ね6km 及び火砕流が予想される概ね7km の
範囲に警戒が必要である。更に降雨時には、土石流に警戒が必要である。
このため、硫黄山から概ね4km の範囲への立入を規制するとともに、小林市の環野(た
まきの)・千歳・大出水地区及びえびの市の中ノ原・尾八重野(おべの)地区に避難準備情報を
発表し、避難所を開設して、避難行動要支援者の避難を促進するとともに、溶岩流と火砕
流が予想される概ね6km∼7km の範囲への立入規制を準備する。
また、活動の活発化に備えて、指定区域の住民の避難計画の周知、確認を行うとともに
畜産農家に対し適時に情報提供し、家畜避難を先行的に促す。
火山活動の状況により、立入規制範囲、避難準備情報の地区の拡大・縮小について協議
する。
6.レベル5(避難)
居住地域に重大な影響を及ぼす噴火が発生あるいは切迫している状態であり、硫黄山か
ら概ね4km の範囲又は居住地域まで噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒
が必要であり、また、溶岩流が予想される概ね6km 及び火砕流が予想される概ね7km の
範囲に警戒が必要である。更に降雨時には、土石流に警戒が必要である。
このため、硫黄山から概ね4km の範囲及び溶岩流と火砕流が予想される概ね6km∼7
km の範囲への立入を規制するとともに、小林市の環野・千歳・大出水地区及びえびの市
の中ノ原・尾八重野(おべの)地区に避難勧告(指示)を発令し、地域住民を開設した避難所
に誘導する。
火山活動の状況により、立入規制範囲、避難勧告の地区の拡大・縮小について協議する。
立入規制区域の概要
お
べ
の
尾八重野
大出水
レベル5
火砕流:概ね7km
溶岩流:概ね6km
噴 石:概ね4km
資料5−2
千歳
中ノ原
環野
レベル4
火砕流:概ね7km
溶岩流:概ね6km
噴 石:概ね4km
1km
2km
3km
レベル2
概ね1km
4km
5km
6km
7km
レベル3
概ね2km
又は4km
溶岩流
火砕流
火砕サージ
霧島山火山防災協議会の予定(案)
資料6
1 平成27年度(実績)
時 期
国の動き
協議会の設置・開催等
7∼11月 ●活火山法改正
○事務レベル調整
(H27.7.8)
・協議会規約の検討
12∼1月 ●改正法施行
○事務レベル協議
(H27.12.10)
・協議会規約案を作成・調整
1 ∼ 3 ●基本指針の公表
月
●警戒地域の指定
の公示(2月22日)
宮崎県:3市1町
鹿児島県:1市1町
警戒避難体制の検討等
○事務レベル協議
・硫黄山の噴火警戒レベル案
・レベル引上げ基準案
・噴火警戒レベルに応じた関係機関の対応
2 平成28年度(予定案)
時
期
4∼7月
8月
国の動き
協議会の設置・開催等
警戒避難体制の検討等
●事務レベル協議(5月下旬∼)
○協議会規約案等について意見照会
(6月中∼下旬)
●準備会を開催(8月3日)
●協議会の設置・開催(8月25日)
・協議会規約・細則を協議
・えびの高原(硫黄山)周辺の噴火警戒レベルを協議
・協議会活動計画(仮称)を協議
・霧島山火山防災協議会活動予定(案)を協議
9∼12月 (●避難施設緊 ○関係機関会議を開催
急整備地域の指 ●幹事会を開催
定)
●えびの高原(硫黄山)周辺の噴火警戒レベル
の運用開始(気象庁)(時期:要調整)
(◎避難施設緊急整備地域の指定申請)
○避難施設緊急整備計画の作成
○警戒避難体制の整備に係る検討等
・避難施設等の整備
・噴火警戒レベルの検討・見直し
・情報伝達・登山届けの推進施策
・火山ガス対策の検討・基準の設定
・避難計画等の作成、見直し
○各自治体で地域防災計画を修正
H29年
1∼3月
2∼3月
●必要に応じ関係機関会議、幹事会を開催
●協議会を開催
・地域防災計画(火山対策編)の修
正案を協議
・警戒避難体制の整備について協議
・その他検討成果のあった事項
●地域防災計画(火山対策編)の修正
●各自治体で防災会議を開催、計画を修正
資料7
霧島山(新燃岳、御鉢、えびの高原(硫黄山)周辺)活動概要
霧島山(新燃岳)
気象庁
(噴火警戒レベル2)
平成28年7月
○ 噴火は発生しませんでした(2011年9月7日の噴火以降、噴火は発生していません)。
○ 白色の噴煙が最高で火口縁上200mまで上がりましたが、ほとんどは火口内で消散する程度でした。
○ 火山性地震は46回で前月(6月:49回)と同程度でした。
○ 火山性微動は観測されませんでした(前回:2015年3月1日)。
○ 傾斜計では火山活動によると考えられる特段の変化は認められません。
新燃岳 日別噴煙高及び火山性地震回数 (2015年8月~2016年7月)
霧島山(御鉢)
(噴火警戒レベル1)
新燃岳震源分布図(2010年1月~2016年7月)
・震源は新燃岳付近の海抜下0~1kmに分布。
※図中、赤丸は7月の地震
平成28年7月
○ 火口縁を超える噴煙は観測されませんでした。
○ 火山性地震は3回(6月:1回)と少ない状態で経過しました。
今年3月以降は次第に減少しています。
○ 火山性微動は観測されませんでした(前回:2016年5月25日)。
○ GNSS連続観測では、火山活動によると考えられる変化は認められませんでした。
御鉢 日別火山性地震、火山性微動回数 (2015年8月~2016年7月)
霧島山(御鉢)の状況 (2016年7月27日)
火口縁を超える噴煙は観測されませんでした。
1
資料7
霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)
気象庁
(噴火予報)
平成28年7月
○ 噴気は時々観測されており、最高で火口縁上60mまで上がりました。
○ 火山性地震は43回で、前月(6月:38回)と同程度でした。
○ 火山性微動は観測されませんでした(前回:2016年2月10日)。
○ 20日及び27日に実施した現地調査では、熱異常域が前回(5月23日)に比べ、わずかに広がってい
ました。
えびの高原(硫黄山)周辺 日別噴気高、火山性地震、火山性微動
(2015年8月~2016年7月)
えびの高原(硫黄山)周辺 震源分布図
(2013年12月~2016年7月)
震源は主に硫黄山付近の海抜下0~1kmに分布。
※図中、赤丸は7月の地震
えびの高原(硫黄山)周辺
主な噴気位置と現地調査観測点位置
えびの高原(硫黄山)周辺 火口南西側斜面及び南側の可視画像及び地表面温度分布
(上段(可視)、中段(熱映像):2016年7月20日、下段(熱映像):2016年5月23日)
・図中の赤破線円で熱異常域の拡大傾向が認められます。
2
資料8
硫黄山の火山ガスの状況と今後の対応について
1
2
火山ガスの状況
(1)火山ガスに伴う立入規制について
平成28年3月29日から、硫黄山周辺の火山ガスの発生に伴い、立入規制
を行っている。規制箇所は硫黄山周辺の4カ所(下記地図 A、B、C、D)。
火山ガス濃度の測定について
現在、県で硫黄山周辺の、火山ガス発生地点や人の出入りの多い地点10カ所を、
週3回火山ガスの計測を行っている。(計測時間帯は、午前午後の交互。)
計測は、硫化水素と二酸化硫黄を計測し、検知管法(ガス検知器(ガステック社
製 GV-100 s)、ガス検知管(硫化水素については 0.25 ∼ 120ppm、25 ∼ 1600ppm
の 2 種類、二酸化硫黄については 0.05 ∼ 10ppm)によって計測している。
3
火山ガスの現状認識について
硫化水素 10ppm 以上、二酸化硫黄 5ppm 以上が測定され、引き続き超えることが
想定される場合は、注意喚起や立入規制区域の設定などを検討することとしている。
現在の立入規制区域外の計測ポイントにおいては、この基準値を上回る火山ガス
はこれまで測定されていない。
(1) 硫化水素
ア 噴気が確認されている地点の 30 cm高さ
硫黄山火口内のM6で、下限値∼ 15ppm で推移している。一方、登山道登り口
付近のM1では、4ppm ∼ 300ppm と、測定日によって大きく変化するものの、高
い値で推移している。
また、県道下のM8では、3月26日の 160ppm をピークに、4月に入って低
下の傾向を示していたが、6月1日には 120ppm を検出するなど、測定日によっ
て大きく変化している。
イ 県道沿いの噴気が確認されている地点の周辺
M1に近い県道沿いのM12では、4月25日に 4ppm を計測した以外は下限
値に収まっている。
M8に近い県道沿いのM7では、4月6日の 5ppm を最大値として時々数 ppm
を測定している。
(2) 二酸化硫黄
二酸化硫黄については、4月まではほとんど検出されていなかったが、5月以
降、検出地点が増加し、M1、M6、M8では度々検出され、0.2 ∼ 0.8ppm 検出
されている。
この他のM17を除くポイントでも 0.2 ∼ 0.5ppm が測定されており、今後の測
定値に注意が必要である。
4
今後の宮崎県の対応について
状況に変化がない限り、今年度中は現在の計測方法(10ポイントで週3回計測)
を継続し、測定値を注視していくよう調整中である。