農業研究センター悪性家畜伝染病防疫対応要項 口蹄疫、鳥インフルエンザ、豚コレラ等の悪性家畜伝染病が発生した場合、農業 研究センター(以下、「センター」という。)で飼育されている貴重な遺伝資源である家 畜・家禽が失われるだけでなく、県産銘柄畜産物の生産等、本県農業への大きな影 響が懸念される。 このため、センターが悪性家畜伝染病発生に的確に対応するための防疫対応要 項を定める。 なお、以下に定める各段階における対応策については、悪性家畜伝染病の発生 状況や熊本県家畜伝染病防疫対策本部(以下、「県対策本部」という。)の設置状況 等に応じて、随時、変更または追加できるものとする。 1 第1段階 <発生状況>国内において悪性家畜伝染病の発生が確認された時、若しくは近隣 国の発生状況から国内での発生が危惧される時 <対応策> ① 畜産研究所各研究室毎に、畜舎周辺等の洗浄、消毒の徹底等、必要な 措置を講じる。 ② 日常の飼養管理において、家畜の健康状態の観察を強化する。 ③ 発生地域から人が集まる可能性のある会議や研修会等のセンター内で の開催や発生地域からのセンター視察等の受入れを自粛する。 ④ 2 センター職員は発生地域への出張や旅行を自粛する。 第2段階 <発生状況>九州内において発生が確認された時 <対応策> ① 第1段階の対応に加え、畜産エリア内に出入りする車両を制限し、畜産エ リア入り口において畜産研究所の職員による徹底した車両消毒を行う。 なお、センター職員の自家用車両の畜産エリアへの出入りを禁止する。 ② 畜産エリア内の道路等について消毒を実施する。 ③ センター周辺の貯水池へ飛来する野鳥の追い払い対策を実施する。 -1- ④ と畜場等に出入りする場合には防護服等を着用するとともに、出入り後 はセンター内において48時間以内の発生疾病対象家畜への接触を自粛 する。 ⑤ 種雄牛については、県対策本部の指示により隔離飼養等を行い、ま た、種豚や種鶏の遺伝資源を守るための対策をとる。 ⑥ 不特定多数の人が集まる会議や研修会等のセンター内での開催やセン ターへの視察等の受入れを自粛する。 3 第3段階 <発生状況>県内において発生が確認された時 <対応策> ① センター所長は、熊本県農業研究センター家畜防疫対策本部(以下、「セ ンター対策本部」という。)を設置するとともに、畜産エリアを封鎖する。以 後 、人、物資、車両等の出入りを管理下に置き、発生した疾病の種類や場 所 等の状況に応じて、当該疾病対象家畜管理職員の待機を含め必要な措 置 を講じる。さらに、県知事が設置する県対策本部、地域家畜伝染病対策 会 議(以下、「地域対策会議」という。)、家畜伝染病現地防疫対策本部(以 下、「現地対策本部」という。)等と連携を図り、悪性家畜伝染病のセンター への侵入防止に努める。 〔別記1〕 ② 熊本県農業研究センター家畜防疫対策本部組織体制図 第2段階の対応に加え、畜産エリアへの人や車の進入は必要最小限に 限定し、発生した伝染病の種類やまん延の状況に応じて飼料や資材につい ても消毒が可能なものは、できる限り事前に畜産エリア外において消毒を 行った後に畜産エリア内に搬入する。なお、飼料や資材の消毒や畜産エリ ア入り口における対応は畜産研究所の職員が交代で行う。 ③ 職員や関連業者が畜産エリアにおいて作業する時には、専用の長靴と 作業着の着用を義務づける。 ④ センター正門において、入場する車両の検問と徹底したタイヤ消毒を実 施するとともに、センター及び畜産エリア内の道路等について徹底的に消 毒を実施する。 ⑤ と畜場等、病原体を持ち込む可能性の高い場所への職員の出入りを禁 -2- 止する。 ⑥ 当該疾病対象家畜に係わる生産者や関係者と接触する機会のある会議 等へのセンター職員の出張を自粛する。 ⑦畜産研究所職員とその他の職員の動線が交差しないような対策をとる。 4 第4段階 <発生状況>センター内において発生が確認された時、もしくは発生の疑いがあ る時 <対応策> 畜産研究所長は別紙の情報伝達フロー図に基づき正確な情報の収集と伝達 に努め、センター所長に報告する。センター所長はセンター全域を封鎖し、必要 な措置を講じる。さらに、県対策本部、地域対策会議、現地対策本部等と連携を 図り、悪性家畜伝染病の周辺地域へのまん延を防止する。 1) 異常家畜発見時の対応 ① 異常個体の発見者は直ちに獣医師職員に連絡する。 ② 獣医師職員は臨床診断を行い、伝染病の疑いがある場合は当該個体を 隔離するとともに、畜産研究所長に報告する。 ③ 畜産研究所長は家畜保健衛生所に病性鑑定を依頼するとともに、センタ ー所長に逐次状況を報告する。さらに、各防疫班長に指示して、4の2)に定 める緊急の防疫対策の準備に着手する。 〔別記2〕 2) 異常家畜発見時における情報の伝達 発生が確定した時の対応 センター所長は発生が確定した場合は、家畜保健衛生所による家畜伝染病 予防法に基づく措置と併せて、以下の伝染病まん延防止対策を講じる。 ① 防疫総務班:センター対策本部の事務局となるとともに、センター内外に 防疫対応を周知徹底させる。 ② 防疫処理班:家畜保健衛生所の指示に従い、家畜及び生産物の処理、 畜舎の消毒等必要な措置を講じる。 ③ 畜産ゲート班:畜産エリアを封鎖し、出入りする車両を徹底して消毒する。 ④ 正門検問班:センター正門を封鎖し、検問を実施するとともに、出入りする 車両を徹底して消毒する。 -3- ⑤ 資材消毒班:センター正門で、薬品、資材等の受け取りを行うとともに、飼 料等資材の消毒、搬送を行う。 3) その他 センター職員の帰宅等の対応については、家畜伝染病予防法に基づき、家 畜保健衛生所の家畜防疫員の指示に従うことが基本となる。 5 平常時の取り組み 1) センターエリア内の消毒やねずみ駆除等の衛生対策に努めるものとする。 2) センター全体の防疫演習等を毎年度1回開催し、全ての職員に対して家畜 伝染病への防疫対応に関する周知徹底を図る。 6 その他 1) 草地畜産研究所においても、畜産研究所に準じて各段階において所要の 措置をとることとする。 2) その他、必要な事項については、センター対策本部において定める。 平成23年9月制定 -4- 〔別 記 1〕 熊 本 県 農 業 研 究 センター家 畜 防 疫 対策本部組織体制図 家畜伝染病現地防疫 連携 対策本部 管理部長 防疫総務班長 (総 務 課 長 ) 企画調整 部長 農 業 研 究 センター 所 長 次長 次長 農産園芸 研究所長 防疫処理班長 (大 家 畜 研 究 室 長 ) 連携 地域家畜伝染病対策会議 生産環境 研究所長 畜 産 ケ ゙ー ト 班 長 (生 産 基 礎 技 術 研究室長) -5- 県家畜伝染病防疫対策本部 畜産 研究所長 正門検問班長 (飼 料 研 究 室 長 ) 草地畜産 研究所長 資材消毒班長 (中 小 家 畜 研究室長) 〔別記2〕 異常家畜発見時における情報の伝達 発見者 隔 離 獣医師 疑い有り 問題なし 診断 畜産研究所長 畜産研究所長 告 報 回答 鑑定 依頼 家畜保健衛生所 発生確認 農業研究センター所長 家畜伝染病予防法に 基づく措置 -6-
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