Customer Story HP Inc. 「SAS なら、1 億人を超える顧客の正確なスコアリングを数秒で実行して、 マーケティングやサービスの対象者を絞り込むことができます」 グローバル・カスタマー・インテリジェンス担当副社長 プラサンナ・ドーレ(Prasanna Dhore)氏 Industry Manufacturing Business Issue HP Inc. では約 25 億件の顧客対応についてテラバイト規模のデータを保管している。 このデータから洞察を導き出し、顧客について 360 度の視野を確立することで、即応 力と競争力を高めることができるスマートな方法を探していた。 顧客との関係を科学する HP Inc. 25 億件の顧客対応を分析して顧客との関係を親密化 世界を代表するコンピュータ/周辺機器メーカーの 1 つである SAS のアナリティクスを活用すると、顧客との距離を縮め親密な関 HP Inc. は、ビッグデータを活用して顧客関係と事業運営の変革を進 係を構築できます。そのため、より効果的に顧客ニーズを満たしな めている。同社では、電話対応、Web 閲覧、電子メール、チャット・ がら業務の簡素化も実現する方法を競合他社よりも深く理解し、行 セッション、さらには小売パートナー経由の幅広い接点を通じて年 動に移すことができます。」 (ドーレ氏、以下同様) 間約 25 億件の顧客対応を行っており、膨大な量のサービスチケッ ドーレ氏によると、データ量が増え続けても SAS が適切な選択肢で ト、質問、クレーム、提案などが発生する。その結果、3 億 6,000 万件 あることは変わらないという。 の顧客レコードを記録する 900TB のデータウェアハウスには、毎月 数百万件のレコードが新たに追加されている。 『プロジェクト・フュージョン』 : 発生と同時に事象の意味を理解 「テラバイトやペタバイトといった規模のデータを話題にするのは HP Inc. では SAS の処理能力を活かして財務からマーケティング、 簡単ですが、当社では実際に毎日、その規模のデータを扱っていま さらには製造までの業務を評価し、投資の配分に関する意思決定 す」と話すのは、HP Inc. のグローバル・カスタマー・インテリジェ を正確な情報にもとづいて行っている。 ンス担当副社長、プラサンナ・ドーレ(Prasanna Dhore)氏である。 「幸い当社では、そうしたデータから有意義な価値を引き出するこ 「過去に学び将来を予測する従来の手法を超えたレベルで、ビジネ とができるテクノロジー・インフラを導入済みです。アナリティク ス条件の大きな変動をその発生と同時に理解したいと考えていま ス・プロセスの 95% 以上で、SAS を活用しています」 す。望ましい方向へ進んでいる場合はその傾向をさらに増幅する 販売とマーケティングにおける 正確性の向上 べきですし、希望する方向にうまく進んでいない場合には迅速に 対策を講じる必要があります。 『プロジェクト・フュージョン』を 立ち上げたのは、まさにそのためです。これは、SAS と HP 研究所の HP Inc. が掲げた目標は「膨大なデータポイントを戦略的な利点に変 ソフトウェアを活用して、ソーシャルメディア・チャネルから得ら え、顧客との関係を科学する」という明確なものだが、その達成は決 れる利用価値の高い非構造化データを詳細に分析しようとする取 して簡単ではなかった。しかし、蓄積された膨大なデータの中に、数 り組みです」 千万人の顧客について理解を深め、大きな競争優位性を獲得する上 で空前のチャンスが秘められていることは明らかだった。 「顧客に対する洞察は、実際の行動に結びつかなければ何の価値も ありません。私たちが注目しているのは『情報の非対称性』、つまり 顧客に関して知っていることと知りたいこととのギャップです。 HP Inc. がプロジェクト・フュージョンで行っているのは、非構造 「数字は嘘をつきません。こうした取り組みによって、キャンペーン 化データ(Amazon や CNET における消費者の製品レビューなど) の平均 ROI が 20% 向上した結果、会社全体のマーケティング ROI は を構造化データと柔軟に組み合わせることで、顧客のセンチメン 3 年間で 42% も伸びました。出荷件数が 3 年間で 50% 増えたことに ト(評判)を有効に活用して製品や顧客に関する理解・洞察を深め、 加え、オンライン店舗である HPDirect.com の営業総利益も 50% 以 市場インテリジェンスをいち早く獲得することだ。 上という大幅な伸びを達成しています。顧客満足度のランキングで も、当社は過去 4 年間、順位が上昇し続けています。こうした成果を 「典型的なソーシャルメディア分析では、肯定的/否定的という単 達成できているのは、KPI(重要業績評価指標)に徹底して集中して 純な評価しか得られません。しかし、消費者が『このプリンターは いるからです。15 ∼ 20 種類の KPI を用いて業績を追跡することで、 とても気に入っているが、用紙トレイはいただけない』と話してい 当社の取り組みが差別化に成功しているかどうかを把握できます」 たら、どうでしょうか?プロジェクト・フュージョンでは、用紙ト レイ、ソフトウェア、インク・カートリッジなど、幅広い機能や属 性毎に評価を引き出すことができます。当社では、それぞれの評価 項目に -10 から +10 までのスコアを付け、適切な形式のデータに 変換した上で、統計分析用の構造化データベースに格納していま す。この情報は将来の製品要件を評価するのに役立ちますし、コー ルセンターに寄せられる問い合わせ内容を予測して想定問答集を 作成することも可能です」 こうした成功を受け、HP Inc. では今、200 種類以上の製品向けに プロジェクト・フュージョンを拡張することを計画中だ。 「SAS との素晴らしい関係には大変満足しています。ベンダーと顧 客という関係ではなく、パートナーと呼び合える関係だと感じてい ます」 マーケティングの業績と 投資対効果(ROI)の向上 顧客について「360 度の視野」を確立するのは決して簡単ではない が、HP Inc. はビッグデータの活用によってこれを実現している。 「こうした情報は取り扱いに細心の注意が必要です。お客様との親 密な関係の追求とお客様の個人情報保護の間には、踏み越えてはな らない一線が存在するからです。判断基準となるのは『お客様の利 益になるかどうか?』です。価値の提供につながるのであれば、お客 様の利益やニーズに関する情報を企業側が把握することにも理解が 得られます」 Product SAS® Enterprise Miner™ SAS® Text Miner Benefits ビッグデータを活用して顧客について360度の視野を実現したことで、キャンペー ンの平均ROIが20%向上。また、出荷件数が3年間で50%増えたことに加え、オン ライン店舗であるHPDirect.comの営業総利益も50%以上という大幅な伸びを達成。 S A S 、そ の 他 の S A S I n s t i t u te I n c. の 製 品 名・サービ ス名は 、米 国 及び そ の 他 の 国 にお ける米 国 S A S I n s t i t u te I n c. の 登 録 商 標 または 商 標 で す。® は 、米 国 の 連 邦登 録を 受 けて い ることを 意 味しま す。 そ の 他 記 載 のブランド 名 及び 製 品 名は 、それぞ れの 会 社 の 商 標 で す。C o py r ig ht © 2 015 , S A S I n s t i t u te I n c. A ll r ig ht s re s e r ve d. JP2015CS_HP_R7
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