オーストラリア、物価上昇は市場予想を小幅に下回る

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オセアニア
2017年1月26日
オーストラリア、物価上昇は市場予想を小幅に下回る
オーストラリア統計局は2016年10-12月期の消費者物価指数が前年同期比+1.5%となったことを発表しました。イン
フレ率は目標を下回っていますが、政策金利据え置きが豪中銀のメインシナリオとみられます。
オーストラリア:消費者物価の上昇率、市場
予想を小幅に下回る
オーストラリア統計局が2017年1月25日発表した2016年1012月期の消費者物価指数(CPI)は前年同期比で1.5%上昇
と、市場予想(同1.6%上昇)を下回りましたが、前期(2016年
7-9月期、同1.3%上昇)を上回りました(図表1参照)。
コアCPIとして参照されることの多いトリム平均ベースを前期
比でみると+0.4%と、市場予想(同+0.5%)を小幅ながら下回り
ました。一方、トリム平均を前年同期比で見ると1.6%上昇と、
予想と一致しました。
オーストラリア統計局の声明から内訳を見るとガソリンなど
自動車燃料が上昇する一方、海外旅行・飲料、衣服などが
低下しています。
どこに注目すべきか:住宅価格の動向、雇用
市場、経済成長率、豪ドルの動き
ピクテ投信投資顧問株式会社
図表1:オーストラリアCPI(対前年同期比)の推移
3.5
3.0
2.5
2.0
1.5
1.0
0.5
0.0
(四半期毎、期間:2014年1-3月期∼2016年10-12月期)
%
豪中銀
目標+2∼3%
14年
14年
15年
15年
16年
16年
1-3月期 7-9月期 1-3月期 7-9月期 1-3月期 7-9月期
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
図表2:豪ドル(対米ドル)の推移
(日次、期間:2016年1月25日∼2017年1月25日)
0.80
米ドル/豪ドル
高 豪ドル 安
オーストラリアのインフレ率は市場予想を小幅下回ったもの
の金融政策への影響は限定的で、豪中銀は当面政策金利
を据え置くものと見ています。ただし、豪ドル高が想定以上
に継続するなら場合には利下げも視野に入る可能性が考え
られます。
豪中銀が当面政策金利を据え置くと考える理由は以下の通
りです。
まず、今回のインフレ率は一部指標(前期比CPIトリム)は市
場予想を下回るなど弱い面も見られましたが、豪中銀は住
宅市場価格の上昇傾向に警戒を示しており、若干豪中銀の
インフレ目標(2∼3%)を下回る現在のインフレ率水準でも緩
和姿勢を示す可能性は低いと思われます。
次に、雇用市場は1月20日に公表されたデータを見ても程よ
い(過熱も後退もない)状況です。例えば、失業率は5.8%と長
期的な平均水準で、雇用者数の伸びも概ね市場予想と一致
しています。賃金圧力によるインフレ率の上昇懸念は低く、
金融政策に影響を与える要因は雇用市場に見当たらない
状況です。
最後に経済成長率も足元、2016年7-9月期GDP(国内総生産)
成長率は前年同期比+1.8%とやや低下傾向であるのは気がか
りですが、市場予想を見ても2016年に続き2017年も+2%後半の
成長が見込まれています。
ただし、気になるのは豪ドルの動きで、米ドルで上昇傾向を示
しています(図表2参照)。特に当局が注目すると思われる米ド
ルでの豪ドル高が進行するようであれば、利上げも視野にい
れた展開が想定されます。
豪ドルの動向には注意が必要ではありますが、豪中銀の金融
政策については、当面、据え置きがメインシナリオとなると考え
られます。
0.75
0.70
0.65
16年1月25日
16年7月25日
17年1月25日
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的と
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