第5章 地域別振興方策 1.山門野地区のまちづくり 2. 川床地区のまちづくり 3. 鷹巣地区のまちづくり 4. 浦底地区のまちづくり 5. 諸浦地区のまちづくり 6. 獅子島地区のまちづくり 7. 下山門野地区のまちづくり 8. 城川内地区のまちづくり 9. 指江地区のまちづくり 10. 蔵之元地区のまちづくり 11. 平尾地区のまちづくり 77 1.山門野地 区 のまちづ くり (1)現状・課題の整理 本地区は,本町の玄関「黒之瀬戸大橋」により阿久根市と接し,国道 389 号線及び県道 47 号線(葛輪・瀬戸線)の道路沿いや海に面した地域に集落が形成されています。平成 28 年 3 月末の住民基本台帳資料によると,人口は 960 人,(町全比 8.9%)で高齢者の割合は, 37.9%(町平均 34.0%)となっています。 この地域においては,過疎化・高齢化が特に進み若年者不足による自治会活動の衰退化が深 刻な問題となってきています。今後は,若い人を受け止めるために,モデル的な若者定住住宅 づくりをはじめ,通勤・通学路の整備やみんながいつまでも安心して暮らせる医療・福祉施設 の整備など魅力ある生活環境づくりを目指す必要があります。 また,基幹産業の農業,漁業をさらに発展させ安定した所得を得るため,農業については農 業研修制度を活用した担い手の育成や日本型直接支払制度を活用した営農の共同化,農業組織 の法人化など営農体制の強化を図り,農地の集約や農業基盤の再整備による農作業の効率化を 進め,農地の保全と機能の維持を目指します。 水産業については,恵まれた漁場に支えられた漁船漁業が盛んですが,近年漁獲量は減少傾 向にあります。環境保全対策や「つくり,育て,管理する漁業」を推進して,有用水産物の種 苗放流や藻場造成,魚礁投入などによる資源の維持・増大を図っていく必要があります。 観光面においては,町の玄関口である黒之瀬戸大橋公園付近に整備された道の駅「黒之瀬戸 だんだん市場」を町の観光拠点として,町内の観光施設と連携した観光宣伝活動及び地域で生 産された「安心・安全」のブランド産物の情報発信・販売を行います。一方,造形美術展やお 魚まつりなど町のイベント開催時に駐車場が不足し,交通渋滞を引き起こすなどの新たな課題 も発生しており,駐車場の拡張など抜本的な対策が急がれます。 地域社会においては,子供たちと老人クラブなど老若交流を図り,地域の郷土芸能やボラン ティア活動など子供たちは学校で得られない知識,生き方を学習し,地域文化の向上と心豊か な青少年を育てる環境づくりを進める必要があります。 また,平成 25 年6月に策定された「長島町地域防災計画(原子力災害対策編) 」では,川内 原子力発電所から概ね30km圏内となる原子力災害対策重点区域に,本地区の一部が含まれ ています。要配慮者の避難先(避難所)への手段も考慮されていますが,自主防災体制の充実 は今後も重要な課題といえます。 田尻地域においては,平成 29 年3月に田尻小学校が閉校しており,地域の活性化を図ると ともに,小学校の跡地の活用についても検討していく必要があります。 78 ( 2 ) 今 後 10 年 間 で 目 指 し て い き た い 姿 ( 基 本 的 な 方 向 性 ) ① 産業の振興及び若者が定住しやすい環境づくり ② 町の玄関口としての観光振興 ③ 世代を通して生きがいのもてる環境づくり (3)今後推進していく施策と事業概要 基本的方向性 具体的内容 事業計画 ①産業の振興及び バレイショ等のブランド品目の生産拡大による農 若者が定住しやす 業経営の安定を図ります。 い環境づくり 水資源の確保を図り飲料水の安定的供給,農業用 水等多目的利用を推進します。 漁船漁業については,適正な操業で限りある資源 を大切にします。 いつでも安心して係留できる港湾・漁港の整備を 港湾整備事業 推進します。 漁港整備事業 出水市,阿久根市,薩摩川内市等が通勤圏である 公営住宅整備 ので,働く人が定住しやすい住宅の整備を促進し 事業 ます。 通勤,通学路の整備を促進します。 国道整備事業 県道整備事業 町道整備事業 ②町の玄関口とし 「黒之瀬戸だんだん市場」を拠点に,町内の観光 ての観光振興 施設と連携した観光宣伝,町特産品の販売及び情 報発信を行います。 黒之瀬戸大橋や風力発電施設などの観光資源を生 かした観光地づくりを推進します。 駐車場等の施設の整備を促進します。 ③世代を通して生 あらゆる世代が安心して暮らせる地域づくりを進 きがいのもてる環 めます。 境づくり 地域や学校の行事等を活用した老若交流を実施 し,地域の伝統行事等の伝承活動を推進します。 地域の活性化につながるような小学校の跡地活用 を図ります。 79 2. 川床地 区の まちづく り (1)現状・課題の整理 本地区は,本町の東部に位置し,県道47号(葛輪・瀬戸線)の道路沿いや海に面した地域 に集落が形成されています。平成 28 年 3 月末の住民基本台帳資料によると,人口は 1,181 人(町全比 11.0%)で高齢者の割合は,34.2%(町平均 34.0%)となっています。 この地域においては,過疎化・高齢化が特に進み,若年者不足による自治会活動への衰退化 が深刻な問題となり,耕作放棄地やこれに伴う鳥獣被害もあります。今後は,若い人が定住す るために,モデル的な若者定住住宅づくりをはじめ空き家対策や通勤・通学路の整備をする必 要があります。さらに,みんながいつまでも安心して暮らせる医療,福祉施設の整備など魅力 ある生活環境づくりを目指す必要があります。 また,これまでにある基幹産業の農業,漁業をこれまで以上に発展させ安定した所得を図る ため農地の利用集積等の推進も図り耕作放棄地の解消も進める必要があります。漁船漁業につ いて近年,過剰捕獲や環境破壊による水産資源の減少傾向がみられ,環境保全対策や「つく り,育て,管理する漁業」の推進で,種苗放流や魚礁投入などによる資源の維持・増大を図 り,漁業者による資源管理計画の策定と実践を促進していく必要があります。 観光面においては,「ふれあいの郷」を拠点として,ブーゲンビリアを約150本植栽し, さらに,指定管理者と連携した観光宣伝活動及び地域で生産された「安心」「安全」のブラン ド産物の情報発信・販売を行い,また,風車の丘公園を整備し,集客する必要があります。 地域社会においては,子供たちと老人クラブなど老若交流を図り,地域の郷土芸能やボラン ティア活動など子供たちは学校で得らない知識,生き方を学習し,地域文化の向上と心豊かな 青少年を育てる環境づくりを進める必要があります。 80 ( 2 ) 今 後 10 年 間 で 目 指 し て い き た い 姿 ( 基 本 的 な 方 向 性 ) ① 産業と振興及び若者が定住しやすい環境づくり ② 世代を通して生きがいのもてる環境づくり (3)今後推進していく施策と事業概要 基本的方向性 具体的内容 事業計画 ①産業の振興及び 働く人が定住しやすい住宅の整備を推進します。 公営住宅整備事業 通勤・通学路の整備を推進します。 県道整備事業 若者が定住しやす い環境づくり 町道整備事業 漁船漁業については,適正な操業で,限りある資源 を大切に守ります。 ②世代を通して生 地域や学校の行事等を活用した老若交流を実施し, きがいのもてる環 地域の伝統行事等の伝承活動を推進します。 境づくり 空き家対策を進めます。 空き家改修事業 川床コミュニティセンターを利用したいきいき健康 づくり運動を展開します。 美化活動等を積極的に取り組む地域ボランティアを 育成します。 写真 81 3. 鷹巣地 区の まちづく り (1)現状・課題の整理 本地区は,行人岳の北部に位置し,県道葛輪・瀬戸線と県道長島・宮之浦港線が交差する役 場周辺を中心とした 10 集落と伊唐集落を合わせた 11 集落で構成され,平成 28 年 3 月末の 住民基本台帳資料によると,人口は 1,945 人,(町全比 18.0%)で高齢者の割合は,29.0% (町平均 34.0%)となっています。5年前と比較して人口は微減,高齢化率は微増の状況であ り,今後,これまで取り組んできた「子宝お祝い金」や「ぶり奨学金」等の子育て支援施策の 効果が期待されます。しかし,定住促進を図る上で雇用の創出は不可欠であり,通勤圏内の近 隣市町と連携した企業誘致や地場産業の育成が急務です。また,空き家改修による住宅環境の 整備も併せて行う必要があります。 生活環境については,本町集落の県道拡幅工事が終了し,幹線道路の整備はほぼ終了しまし たが,町道や農道の拡幅や補修が必要な箇所もあり,地域の要望を反映した計画的な整備が求 められます。また,本町は養殖業が盛んなこともあり,農業集落排水区域外の合併処理浄化槽 設置を推進し,河川や沿岸の水質環境保全に努める必要があります。 本地区の産業としては畑作が中心で,主にバレイショやさつまいもが栽培され,伊唐集落は 半農半漁でブリの養殖も行われています。特に伊唐集落は町内でも有数のバレイショの産地 で,温暖な気候を利用した早期作付けにより,他の集落に先駆けて出荷できるメリットがあり ます。しかし,本地区も農業経営者の高齢化が顕著で,機械化による省力化が図られているも のの,農地を有効活用し生産性を維持するためには,今後,農地流動化の推進や農作業受託組 合の設立など,今後の農業経営のあり方を見直す必要があります。 また,本地区には行政,医療,社会体育施設など本町の主要施設があり,総合町民体育館の改修 や総合運動公園の整備が始まり,今後,老朽化した消防分遣所と鷹巣診療所の新築移転も計画さ れています。総合運動公園については,町内のスポーツ人口の増加はもとより,指江地区に建設 予定の大型宿泊施設とリンクした町外利用者の誘致が課題となり,消防分遣所と鷹巣診療所の建 設については,本地区のまちづくりに係る重要な施設であることから,早期完成が望まれます。 写真 82 ( 2 ) 今 後 10 年 間 で 目 指 し て い き た い 姿 ( 基 本 的 な 方 向 性 ) ① 交通網の整備 ② 若者の受け皿となる雇用の創出と住環境の整備 ③ 生活排水の浄化による水質環境保全 ④ 農業経営者の高齢化対策 ⑤ 社会体育施設を活用した交流人口の増加 (3)今後推進していく施策と事業概要 基本的方向性 具体的内容 事業計画 ①交通網の整備 道路の危険箇所等を整備します。 町道整備事業 通学路の歩道を整備します。 農道整備事業 側溝を整備します。 ②雇用の創出と住 環境の整備 地場産業の育成を促進します。 インターネット等を活用した町内産 物の販路確立に努めます。 空き家改修による住宅の整備を促 進します。 ③水質環境保全 機能集団育成事業 特産品販路対策事業 空き家改修事業 農業集落排水施設の機能維持に努 農業集落排水施設機能診 めます。 断 合併処理浄化槽の設置を推進しま す。 ④農業経営者の高 担い手への農地の集約を促進しま 齢化対策 す。 農業後継者を育成します。 合併処理浄化槽設置事業 認定農業者規模拡大事業 青年就農給付金事業 農作業受託組合の育成を促進しま す。 ⑤社会体育施設を 活用した交流人口 の増加 総合運動公園を整備します。 スポーツキャンプの誘致に努めま す。 各種スポーツ大会の誘致に努めま す。 児童を対象としたスポーツ教室を 行います。 83 総合運動公園整備事業 実業団陸上部等誘致 県内の各種大会の誘致 スポーツ教室委託事業 4. 浦底地 区の まちづく り (1)現状・課題の整理 本地区は,本町の北部に位置し,4集落(浦底・福ノ浦・桂代・三船)が形成されています。 地形的には,行人岳から浦底川の両端に浦底・福ノ浦の集落が点在し浦底湾に面しており,三船・ 桂代は三船湾に面した地域に集落が形成されています。 平成 28 年度 3 月末の住民基本台帳資料によると,人口は男 356 人,女 390 人合計 746 人 (町全比 6.9%)で高齢者の割合は,29.2%(町平均 34.0%)となっている。また,20 代か ら 40 代については,町全体の 17.71%に比べ,19.41%と比較的に若者が住んでおり後継者 が多く,地域の青年団・漁業青壮年部と活動が盛んです。半面,少子・高齢化が進んでいるのも 事実であり,子供育成会の行事等など集落を越えて行っています。ボランティア活動についても 各地域の老人会や地域の団体が草刈りや花植え等を行い住み良い地域作りに貢献しています。今 後は,若い人が定住するために,モデル的な若者定住住宅づくりをはじめ,通勤,通学路の整備 やみんながいつまでも安心して暮らせる医療,福祉環境の整備など魅力ある生活環境作りを目指 す必要があります。 また,これまでにある基幹産業の農業,漁業をさらに発展させ安定した所得向上を図るため, 土地基盤整備や農地の利用集積等の推進も図られ耕作放棄地等の解消も進んでいます。地域の特 性を生かした作物の生産で,消費者に安全で安心して食べられる減農薬栽培の推進を図る必要が あります。 近年,水産業と農業の兼業が増えつつあり,荒れていた田畑が解消に向かっています。水産業に ついては,恵まれた漁場に支えられ浦底湾・三船湾で養殖漁業が盛んです。漁船漁業について近 年,過剰捕獲や環境破壊による水産資源の小型化や減少傾向がみられます。環境保全対策やつく り,育て,管理する漁業「資源培養管理型漁業」の推進で,有用水産物の種苗放流や魚礁投入な どによる資源の維持・増大を図り,漁業者による資源管理計画の策定と実践を促進していく必要 があります。 地域社会においては,子供たちと老人クラブなど老若交流を図り,地域のボランティア活動や地 域の郷土芸能など子供たちが学校で得られない知識,生き方を学習し,地域文化の向上と心豊か な青少年を育てる環境づくりを進める必要があります。 写真 84 ( 2 ) 今 後 10 年 間 で 目 指 し て い き た い 姿 ( 基 本 的 な 方 向 性 ) ①地域住民が住みやすい環境づくり ②地域住民が働きやすい環境づくり ③地域住民の老人や子供たちが安全で学べる地域づくり (3)今後推進していく施策と事業概要 基本的方向性 具体的内容 事業計画 ①地域住民が住み 地域内の危険箇所の見直し及び集落内道 県道整備事業 やすい環境づくり 路を整備します。 町道整備事業 農道整備事業 集落排水路施設を整備します。 地域広場・緑地広場を整備します。 ②地域住民が働き 農地の基盤整備及び用排水路の整備を推 やすい環境づくり 進します。 農業基盤整備促進事業 水資源の確保を図り飲料水の安定供給, 農業用水等の確保を推進します。 バレイショ等のブランド品目の生産拡大 耕作放棄地解消事業 で農業経営の安定を図ります。 農地の利用権設定 漁船漁業については,マダイ・ヒラメ等 種苗放流事業 の放流や地域の特性を生かした地先型種 魚礁整備事業 苗の放流に努めます。 海の環境を守るための各種対策を推進し 合併浄化槽の推進 ます。 漁業集落排水の推進 ③地域住民の老人 県道・町道の歩道及び側溝を整備しま 県道整備事業 や子供たちが安全 す。 町道整備事業 で学べる地域づく 美化活動等に積極的に取り組む地域老人 り 会・青年団・育成会のボランティア活動 を育成します。 高齢者いこいの施設等を整備し,安心し て暮らせる地域づくりを推進します。 85 5. 諸浦地 区の まちづく り (1)現状・課題の整理 本地区は,本町の北部に位置し,長島本島の薄井集落と乳ノ瀬橋でつながった諸浦島の白瀬, 本浦,葛輪の4集落で構成されています。平成 28 年 3 月末の住民基本台帳資料によると,人口 854 人(町全比 7.9%)で,65 歳以上の高齢者の割合は 30.1%(町平均 34.0%)で,町内 では比較的年少人口比率が高く,高齢化率が低い状況です。 その背景としては,従来から本町の基幹産業である水産業(単一漁協では日本一の水揚げ量を 誇る東町漁協のブリの養殖業)が盛んで,ブリ養殖を下支えに若者らが比較的早い段階で後継者 となることが見受けられます。町内一の規模となる魚市場のほか,大型の冷凍冷蔵庫,総合加工 施設等が順次整備され,漁業の中心地区として発展してきました。 近年における本地区の水産業者は,獲る漁業からの脱却を目指し,特産品ブランド「鰤王」等 の販路拡大や海外輸出に尽力してきたものの,消費者の魚食離れに伴う魚価の低迷,飼料の高騰 等により,厳しい経営を強いられていることに加え,過去に甚大な被害をもたらした赤潮による ブリの大量へい死という自然災害とも隣り合わせとなっており,これらのことが経営環境をさら に圧迫している現状です。 一方, 「安全・健康志向」ブームに伴うアオサを中心とした海藻類は消費者のニーズが年々高ま ってきています。また,これまで主に水産関係者向けであった市場食堂を「長島大陸市場食堂」 へリニューアルし,新鮮で美味しいブリを使ったメニューを提供する食堂として,休日には行列 ができるほど,観光客の間でも人気となっています。 本地区の北側にある諸浦港は,本島と獅子島,熊本県天草市を結ぶフェリーロザリオの発着点 となる主要な幹線航路のひとつとして,その重要な役割を担っています。また,県道 47 号線(葛 輪瀬戸線)の整備も着実に進んでおり,今後の水産物等の輸送にも期待されます。 本地区は,比較的年少人口比率が高いものの,平成 27 年3月に本浦小学校が 122 年の歴史に 幕を閉じました。閉校となった本校の跡地利用についても今後協議を重ねる必要があり,ますま す地域一丸となった取り組みを進めなければなりません。 写真 86 ( 2 ) 今 後 10 年 間 で 目 指 し て い き た い 姿 ( 基 本 的 な 方 向 性 ) ① つくり,育て,管理する「資源培養管理型漁業」の推進 ② 消費者のニーズに合わせた鮮度・質の高い水産物の生産 ③ 海の環境を守るための対策 ④ 観光地としての魅力ある漁村づくり(学校跡地の活用を含む) ⑤ (3)今後推進していく施策と事業概要 基本的方向性 具体的内容 事業計画 ➀つくり,育て,管 水産種苗センターの充実,漁礁の整備など 港湾整備 理する「資源培養管 漁業資源の確保を図ります。 漁港整備 理型漁業」の推進 漁礁整備 種苗放流 ②消費者のニーズに 「安全・健康志向」に合わせた水産物の生 漁礁整備 合わせた鮮度・質の 産を推進します。 漁港整備 高い水産物の生産 鮮度の高い水産物の販売促進を図ります。 県道整備 町道整備 ③海の環境を守るた 生活雑排水の海への流入防止に努めます。 めの対策 合併浄化槽設置事 業 ごみの分別収集を徹底します。 ④観光地としての魅 漁民と観光客を結ぶ観光ルートを作成しま 観光事業(「漁泊 力ある漁村づくり す。 (民泊)」,漁業 (学校跡地の活用を 含む) 体験等) 本浦小学校跡地を活用した長期継続が可能 なイベント等の開催及び中長期的に常時活 用可能な施策の検討を行います。 87 6. 獅子島 地区 のまちづ くり (1)現状・課題の整理 本地区は,鹿児島県の最北端に位置し,海に面した4集落で構成され,平成 28 年 3 月末の住 民基本台帳資料によると,人口は 727 人(町全比 6.8%) ,高齢者の割合は 44.3%(町平均 34.0%)で,他地区と比較して高くなっています。 年少人口の減少に伴い,各地区にあった 3 つの学校も,片側地区に幼稚園,小・中学校として 統合されたことにより,学校の跡地や空き家を有効に活用できる方法を検討する必要がありま す。 地理的または地形的にも条件が悪く,農業基盤をはじめとして道路整備や生活環境整備など取 り残された形となっています。土地条件は傾斜が多く,4集落とも海岸線に僅かに広がった平地 は水田や宅地として利用されています。 また,獅子島は鹿児島県において,唯一「半島化」が可能な有人離島であるため,架橋の実現 が大きな課題となっており,実現に向けて「夢追い獅子島架橋基金」の積立を行なっています。 農業においては,耕地が少なく,傾斜地を利用した不知火(デコポン) ,紅甘夏を中心とした果 実類の栽培が盛んですが,経営規模は零細で,基盤整備などの遅れにより,農地の遊休化が進ん でいます。 水産業においては,周囲を海に囲まれ,静穏な海域が多く,魚場環境に恵まれた地域であり, ブリやタイの養殖業や一本釣り,ごち網漁業が盛んです。また,品質のよいアオサも養殖されて います。養殖業については,順調に生産を伸ばしてきましたが,エサ不足や魚価の低迷,環境汚 染や平成 21・22 年に発生した赤潮で大きな被害を受け,その対策を講じているところです。 進学・就労等をきっかけに,若者が島外へ流出してしまい,これに伴い若者の就業者の減少, 過疎化・高齢化が進行し,地域の主産業である第 1 次産業の低迷と共に地域活力の低下をまねい ており,地域の将来が極めて深刻な状況にあります。しかしながら,近年は試験的に新たな農作 物・水産物の栽培・育成に積極的に取り組んでいます。 産業が少なく,雇用機会が確保できていないため,若者の就業やI・Uターン者の移住促進, 定住に向け,農林水産業などの地場産業の誘致や新規雇用の創出が求められています。 また,自然環境や観光資源に恵まれた地域であり,観光スポットの整備が行なわれてきました。 新鮮な魚介類・島内で取れた作物を活用した「食」の取り組みや,獅子島ウォークなど特色ある イベントの開催など,不便な環境であることを逆手にとった取り組みも進められており,“獅子 島ならでは”の体験型観光等,更なる創意工夫が必要です。 写真 88 ( 2 ) 今 後 10 年 間 で 目 指 し て い き た い 姿 ( 基 本 的 な 方 向 性 ) ① 離島からの脱却 ② 生活居住環境の整備 ③ 若者定住対策の推進 ④ 恵まれた資源の活用 (3)今後推進していく施策と事業概要 基本的方向性 具体的内容 事業計画 ①離島からの脱却 獅子島架橋建設促進期成会の活動・機能の充実を図り ます。 島民一体となって獅子島架橋の早期実現のため,積極 的に国・県へ要望・請願します。 「夢追い獅子島架橋基金」の積立を継続します。 ②生活居住環境の 獅子島一周林道は,自然災害・有害鳥獣被害に強い道 整備 路に整備します。 合併浄化槽等の推進により,環境汚染防止に努めま 合併浄化槽設置事業 す。 ③若者定住対策の 農地の基盤整備や農地開発を行い,生産性の高い魅力 農地基盤整備促進事 推進 ある農業を研究し,花嫁対策を推進します。 業 いつでも安心して係留できる港湾,漁港の整備を推進 港湾整備事業 します。 漁港整備事業 水産業の振興を図ります。 高齢者福祉事業を導入し若者の雇用の場と高齢者生き がい対策を推進します。 農林水産業に興味のあるI・Uターン者・実習生等を 中長期に受け入れができるよう,空き家改修を進めま す。 ④恵まれた資源の 化石の島として釣りスポット,遊漁船や獅子島レスト 活用 ランなどを活用し交流人口の増加に努めます。 体験型観光の推進を図ります。 89 空き家改修事業 7. 下山門 野地 区のまち づく り (1)現状・課題の整理 本地区は,本町の南西部に位置し,中央部を国道 389 号が通り,三方を山に囲まれ前には東 シナ海が広がっている地形にある,農業と漁業の集落です。 平成 28 年 3 月末の住民基本台帳資料によると,人口は 463 人(町全比 4.3%)で高齢者の 割合は,44.5%(町平均 34.0%)と町平均を大きく上回っており,高齢化は他の地域より非常 に進んでいます。 基幹産業である農業については,バレイショとさつまいもの栽培が主ですが,山間部にある畑 が多く,ほ場整備の未整備箇所があり,高齢者にとっては作業が困難な状況です。また,イノシ シなどによる被害もあることから,補助事業を活用した防護柵や電気柵等,防止対策を行ってい ますが,効果が見られない状況もあります。 今後も,社会基盤整備の促進と農業後継者の育成,農地流動化を図り,規模拡大や荒廃農地を 防ぐことも必要となっています。 漁業についても,高齢化が進み,年々就業者の減少が見られます。また近海漁業であるため, 天候に左右され安定した収入が望めず,漁師を離れる者もおり後継者も少なく,将来については 不安を抱えています。 平成 25 年6月に策定された「長島町地域防災計画(原子力災害対策編)には,高齢者の多い 本地区も対象地域に含まれています。要配慮者の避難先(避難所)への手段も考慮されています が,自主防災体制の充実は今後も重要な課題といえます。 また,地域社会においては,平成 30 年度に学校教育の再編計画に伴い汐見小学校が城川内小 学校と統合再編する予定となっていることから,これまで継承してきた伝統芸能の樽太鼓を,今 後どのような形で後世に伝えていくか,課題となっていきます。また,地域住民が参加して行っ ていた運動会もなくなることから,交流の機会が減ることが予想されます。このようなことから, 交流の場の創設や世代間の交流,独居の見守り活動等,高齢者にとっても自宅で安心して住み続 けることができる,住みやすい町づくりを進める必要があります。 写真 90 ( 2 ) 今 後 10 年 間 で 目 指 し て い き た い 姿 ( 基 本 的 な 方 向 性 ) ① 地域が一体となった環境・景観の整備 ② 高齢者が安心して暮らせる地域づくり ③ (3)今後推進していく施策と事業概要 基本的方向性 具体的内容 事業計画 ①地域が一体となっ フラワーロードへの植栽を行います。 産業・経済の振興 た環境・景観の整備 ふるさと興し等,イベントを開催します。 産業・経済の振興 新かごしま百景の「上り浜・汐見の段々 畑」の景観保全に努めます。 ②高齢者が安心して 交流の場づくりに努めます。 暮らせる地域づくり 安心安全に暮らせる地域づくりを促進しま 社会基盤の整備 す。 防災対策 写真 91 8. 城川内 地区 のまちづ くり (1)現状・課題の整理 本地区は,東シナ海に面する国道 389 号沿いの中央部付近に位置し,農業中心の集落です。 平成 28 年 3 月末の住民基本台帳資料によると,人口 776 人(町全比 7.2%),高齢者の割 合は 39.0%(町平均 34.0%)であり町平均を上回っており,下図の人口構成からも更に高齢化 が進んでいくことが予想されます。 ほとんどの世帯で,バレイショやさつまいもを作付けして収入を得ていますが,イノシシや サルによる深刻な被害があります。その対策として,電柵等による防御を行っていますが柵を 乗り越え被害を与えるなど効果が見られない状況があります。安定した農業経営のため新たな 駆除等の対策が必要です。 また,海岸線の環境変化が顕著で数年前まで集落の収入源となっていたヒジキが全く収穫で きなくなっています。「ヒジキ採り」は地区の収入となるだけでなく交流の場としても重要なも のであり,コミュニティづくりのために藻場整備等の対策を検討する必要があります。 高齢者の日常生活を支えるため,巡回バス停留所や便数を見直す等交通手段の充実を図るこ とや公民館を利用した交流の場・独居の見守り・ゴミ出しの助け合い等により不安なく自宅で 長く住み続ける事ができる地域づくりが必要です。少子高齢が進むことで地域づくりの活動が 衰退することがないよう,地区内や世代間の交流を図り,活力と思いやり,支え合いがある安 心安全で住みやすい城川内地区のまちづくりを進める必要があります。 城川内地区の観光面を PR するため,現存施設の唐隈灯台や春木が丘の太陽光発電施設,史 跡の堂崎城や遣唐使票着地等への案内板整備や古射場で行われる御八日踊りの観覧者増加のた めの広報等が必要です。 写真 92 ( 2 ) 今 後 10 年 間 で 目 指 し て い き た い 姿 ( 基 本 的 な 方 向 性 ) ① 農業経営の安定化 ② 高齢者が安心して生活出来る地域づくり ③ 若者が定住できる環境づくり ④ (3)今後推進していく施策と事業概要 基本的方向性 具体的内容 事業計画 ①農業経営の安定化 イノシシ・サル等の農作物への被害対策を進めま 有害鳥獣駆除事業 す。 農業後継者の支援及び作業効率化のための機械化支 産業・経済の振興 援対策事業を導入します。 農業基盤整備を推進します。 農業基盤整備 ②高齢者が安心して 日常生活が安心して暮らせる地域づくりを進めま 社会基盤の整備 生活できる地域づく す。 り 交流の場づくりに努めます。 藻場整備を進めます。 藻場造成事業 ③若者が定住できる 若者定住の公営住宅建設を促進します。 公営住宅整備事業 環境づくり いつでも安心して係留できる港湾,漁港の整備を促 港湾整備事業 進します。 漁港整備事業 写真 93 9. 指江地 区の まちづく り (1)現状・課題の整理 本地区は,本町の西部に位置し,長島町役場指江庁舎があり,国道 389 号が地区内を通っていま す。東シナ海に面した海岸線は,すぐれた景観に恵まれ,海に沈む夕日や浮かぶ漁火は,町内屈指の 観光スポットです。 平成 28 年 3 月末の住民基本台帳資料によると,人口は 705 人, (町全比 6.6%)で高齢者の割合 は,33.9%(町平均 34.0%)となっています。 この地区の高齢化率は町平均並みですが,全国に比較すると少子高齢化が進行しております。今後 は,恵まれた生活環境を生かして,若い人が将来に向かって定住し続けるような合理的な住宅建設, 公園整備等が必要です。また,幅員が狭い道路や通勤・通学路の整備,集落間の防犯灯設置など安全 を重視した街路対策が急がれます。高齢者対策としては,施設のバリアフリー化,医療,福祉環境の 整備を図り,若者と高齢者が豊かに生活する,魅力ある環境づくりを目指す必要があります。 農業については,集落の中心部を流れる指江川沿いに海岸線から山頂に向かって平坦な耕地が集中 しており,稲作を中心に耕作されています。この農地は,利便性が高くパイロット農園的な利用や新 規作物導入を図れば付加価値の高い農産物の生産が期待できます。また,風車公園付近の農地は,風 光明媚で観光を組み合わせることで農業の新たな展開が期待できます。 指江港は,東シナ海に面しており台風や時化の日など防波堤を越える高波が沿岸を洗います。防災 の意味からも防波堤や港の計画的な整備で,住民が安心して暮らせる早急な基盤整備が必要です。集 落の運営費を賄うヒジキ採りが住民総出で毎年行われていましたが,磯焼け現象等で中止されていま す。藻場の再生施策や魚礁投入など多様な施策を積極的に取り組んでいく必要があります。 観光面では,恵まれた景観を生かして花フェスタやジョギング大会など各種イベントが開催されて います。今後は,大型宿泊施設と周辺の再整備を図り,何度でも訪れたい観光地として発展するおも しろい仕掛けが期待されます。 長島町役場指江庁舎は,合併以来「分庁方式」により,総合支所となっています。今後機構改革に より支所方式へ移行した場合,現庁舎を核とした町づくりをどのように進めれば良いのかが課題とな っています。 94 ( 2 ) 今 後 10 年 間 で 目 指 し て い き た い 姿 ( 基 本 的 な 方 向 性 ) ① 世代間交流を通して地域が一体となる環境整備の推進 ② 若者が定住し高齢者が安心して住める環境づくり ③ (3)今後推進していく施策と事業概要 基本的方向性 具体的内容 事業計画 ①世代間交流を 集落内に幅広い年齢層の人々が多用な活動と交流が出 公園整備事業 通して地域が一 来る公園整備を進めます。 体となる環境整 集落内にウォーキングコースを設置し,健康づくり・ 備の推進 仲間づくりを推進します。 農道・林道・河川の共同作業による美化活動やごみの 減量化及びリサイクル処理活動を推進します。 水産資源の再生による共同作業の復活を目指します。 藻場造成事業 風車公園付近の農地を観光と体験農園として活用,世 代間交流の促進を図ります。 集落間の道路整備,防犯灯設置及び通学路整備を図 町道整備事業 り,地域間交流を促進します。 ②若者が定住し 急カーブの国道改修と国道沿線,集落内の花壇等環境 高齢者が安心し 美化整備を進めます。 て住める環境づ 若者が定住しやすい公営住宅等を整備します。 くり 国道整備事業 住宅整備事業 空き家改修事業 指江地区の個々の狭い耕地面積を有効利用し,この地 にあったパイロット農園を造ります。 防災対策として崎野地区から「指江古墳群」に通じる 農道整備事業 道路と橋の整備を図ります。 河川整備事業 渇水対策のため,水資源の確保を図り,飲料水や農業 溜め池整備事業 用水の安定的供給を推進します。 幅員の狭い道路改修を図り緊急避難時の独居・要援護 町道整備事業 者の支援・確保に努めます。 指江港の防波堤,護岸整備等を促進します。 港湾整備事業 魚礁整備事業 95 10. 蔵之元地 区のまち づく り (1)現状・課題の整理 本地区は,本町の北の玄関口として天草市と国道フェリーにより結ばれ,交通の要所となって います。長島海峡をはさんで眼前に点在する天草の島々を望むことができる風光明媚な環境であ り,鬼塚古墳や白金古墳など重要な歴史的遺産がある地域です。 平成 28 年 3 月末の住民基本台帳資料によると,人口は 962 人,(町全比 8.9%)で高齢者 の割合は 32.4%(町平均 34.0%)となっています。この地域においても少子高齢化が本格化し ており,特に次世代を担う 20 代が少ないためUターンや若者が定住できるような働く場所の確 保や住宅,医療,福祉施設などの生活環境施設の整備が重要な課題となっています。 さらに,これまでにある基幹産業の農業,漁業をさらに発展させ安定した所得を得るため,農 業については,土地基盤整備や流動化による規模拡大が図られつつありますが,遊休農地もある ことから今後も新規就農や担い手の育成、基盤整備事業等を推進していく必要があります。当地 区の水稲栽培の水利は溜池やボーリングに頼っていますが,さつまいも,バレイショ等の畑作物 においては,水利が十分でなく天候に左右されるため農業用水の整備が急務となっています。 水産業については,漁港整備が進み,漁船漁業や入江を利用したブリ養殖業が行われています が,近年,漁船の大型化や漁獲システムの高度化により過剰漁獲や環境破壊による水産資源の減 少傾向が見られるため,有用水産物の種苗放流や魚礁投入などによる資源の維持・増大を図る必 要があります。 観光面においては,小浜海水浴場施設に加え,蔵之元展望所の整備、古墳遺跡歴史を実感でき るスポットとして古墳群(鬼塚,白金,明神,温之浦等)が「小浜崎古墳群展望公園」として整 備されたことにより,歴史文化観光の充実を図り,今後の地域づくりにつないでいくことが望ま れます。 また,地域社会においては,地域福祉や生涯学習,環境保全,防災・防犯活動を推進し,高齢 者から子育ての家庭まで,誰もがくらしやすい地域づくりに向けた取り組みを行い,地域の活性 化を図る必要があります。 写真 96 ( 2 ) 今 後 10 年 間 で 目 指 し て い き た い 姿 ( 基 本 的 な 方 向 性 ) ① U ターンや若者が定住しやすい環境基盤づくり ② 安心して生きがいのある環境づくり ③ 観光施設,名所等を生かした観光振興 (3)今後推進していく施策と事業概要 基本的方向性 具体的内容 事業計画 ①Uターン者や若者が 通勤圏内である勤務地に居住地から通える住宅の整備を推進 公営住宅整備事業 定住しやすい環境づく します。 り 通勤・通学路の整備を推進します。 町道整備事業 水資源の確保を図り飲料水の安定的供給,農業用水,プール 用水等多目的利用を推進します。 バレイショ等のブランド品目の生産拡大で農業経営の安定を 農道整備事業 図ります。 農業基盤整備事業 漁船漁業については,適正な操業で限りある資源を大切に守 漁港整備事業 ります。 港湾整備事業 ②安心して生きがいの 環境保全,防災・防犯活動を通じ安心して暮らせる地域づく ある環境づくり りを進めます。 異年齢交流による地域の伝統行事等の伝承活動を推進しま す。 地域にある施設を利用した健康づくり運動を展開します。 美化活動等を積極的に取り組む地域ボランティア活動を育成 します。 ③観光施設,名所等を 小浜海水浴場や小浜崎古墳群展望公園の充実を図り,観光施 生かした観光振興 設,名所を生かした観光を振興します。 写真 97 11. 平尾地区 のまちづ くり (1)現状・課題の整理 本地区は,県道長島宮之浦港線が地区の中心部を通り,そこから町道が枝線となり各集落が結 ばれています。県道沿いは水田地帯となり,小学校・中学校を中核として集落が広がり,そこを取 り囲む大地は畑地帯であり,海岸線近くまで広がっています。また,海岸部は入江も多く,自然 に恵まれた地形を利用した水産業も盛んです。 平成 28 年 3 月末の住民基本台帳資料によると,人口は 1,434 人(町全体 13.3%)で,高 齢者の割合は 32.8%(町平均 34.0%)となっています。 本地区においても,過疎・高齢化は例外ではなく,自治活動の衰退化も目に見えて迫ってきて いる状況です。少子化により,小学校・中学校の児童生徒の減少が著しく,複式学級の声も聞か れるようになってきています。 地区内には,医療機関として医科・歯科の診療施設が整備され,地区民はもとより町民全体に 喜ばれていますが,規模は小さく十分な診療設備もない状態です。 農業においては,平尾の中心部は,県営水田ほ場整備事業により整備され,農業生産所得向上 に寄与していますが,一部の地域では水不足もあり,ため池等の整備が望まれています。一方, 台地の畑地帯においては,一部ほ場整備が進められ,畑作の効率化が図られ,さつまいも,バレ イショの作付けが主流です。水田の裏作や他の作物導入による農業生産所得の向上を図る必要が あります。 水産業においては,近年,ブリの養殖,ヒオウギ貝の養殖など「つくり・育てる」漁業と長島 海峡アジ,萬サバなどの近海・沖合漁業による所得向上を目指していますが,自然相手であり, 良好な漁港・港湾整備による活気あふれる集落を作る必要があります。 観光面においては,毎月第 4 日曜日に茅屋漁港で恵比寿市を開催し,観光客の集客を図ってい るところですが、蔵之元から浦底を結ぶ海岸線道路整備を行い,自然に触れあう憩いの場作りを 進める必要があります。 平成19年3月で閉校した,長島高等学校跡地の利用について,企業誘致等,広大な跡地を 有効活用することにより,地域の活性化はもちろんのこと,企業の誘致となれば,町全体の雇用 や産業の活性化にもつながることから,早急な跡地利用の決定が望まれます。 写真 98 ( 2 ) 今 後 10 年 間 で 目 指 し て い き た い 姿 ( 基 本 的 な 方 向 性 ) ① 若者が定住し,子育てのしやすい地区を作る ② 自然を守り,活力ある農漁業の推進 ③ (3)今後推進していく施策と事業概要 基本的方向性 具体的内容 事業計画 ①若者が定住し, 企業誘致を行い,若者が定住しやすい住宅整備 公営住宅整備事業 子育てのしやすい を行い,人口の増加を図ります。 地区を作る 地域社会全体で愛情を持って,自分の子どもと して育てます。 急カーブの改修とその沿線,集落内の花壇等環 県道整備事業 境美化整備を進めます。 いつでも安心して係留できる港湾,漁港の整備 港湾整備事業 を促進します。 漁港整備事業 ②自然を守り,活 適切な農業経営規模農地確保のため,未整備地 中山間地域総合整備事 力ある農漁業の推 区の基盤整備を推進します。 業 進 新品種作物導入を研究し,特産品開発による所 得向上を図ります。 自然を壊すことなく,つくり・育てる漁業をさ らに推進します。 写真 99 100
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