地域交流拠点等における緩和型土地利用計画制度等の運用方針に基づく オープンスペースガイドライン 平成29年(2017年)1月 札幌市 目 次 ガイドラインの位置づけ ············································· 1 ガイドラインの前提 ·················································· 2 第1章 地域交流拠点等におけるオープンスペースの検討フロー ··· 3 第2章 オープンスペースの整備・維持管理・活用に関する基準 ··· 11 1.オープンスペースの整備に関する基本的な基準 ··················13 2.オープンスペースの種類に応じた整備基準··················· 26 (1)歩道状空地 ····················································26 ⅰ 誘導用途と一体的に機能する歩道状空地 ·························28 ⅱ 特定誘導路線沿いの歩道状空地 ·································28 ⅲ 屋外の屋根で覆われた歩道状空地 ·······························29 (2)敷地内貫通通路 ················································30 ⅰ 誘導用途と一体的に機能する敷地内貫通通路 ·····················31 ⅱ 特定誘導路線に接続する敷地内貫通通路 ·························32 ⅲ 屋外の屋根で覆われた敷地内貫通通路 ···························32 ⅲ 屋内の敷地内貫通通路 ·········································33 (3)公共駐輪場 ····················································34 (4)滞留のための広場 ············································· 35 ⅰ 誘導用途と一体的に機能する広場 ······························ 49 ⅱ 特定誘導路線沿いの広場 ······································ 50 ⅲ 屋外の屋根で覆われた広場 ···································· 50 ⅳ 屋内広場 ···················································· 51 ⅴ 地下鉄駅等へ接続する建築物内の広場 ·························· 53 ⅵ 交差点に面する広場 ·········································· 54 ⅶ バスなどの待合機能を備えた広場 ······························ 55 3.オープンスペースの維持管理及び活用に関する基準 ·········· 56 ガイドラインの位置づけ 札幌市では、地域交流拠点等における良好な都市開発を誘導するため、緩和型⼟地利⽤計画制度 等を適⽤する際の容積率の最⾼限度の割増の考え⽅を整理した「地域交流拠点等における緩和型⼟ 地利⽤計画制度等の運⽤⽅針」(以下「運⽤⽅針」という)を平成 28 年9⽉に策定しました。 運⽤⽅針では、地域交流拠点等※1 の魅⼒を⾼めるため、快適な歩⾏空間の創出やにぎわい・交 流が⽣まれる滞留空間の創出等のオープンスペース※2 の整備を誘導すると定めました。このため、 ⺠間の⼒を引き出しながら個別の都市開発による建替更新を促進し、きめ細かく誘導・調整するこ とで、質の⾼い空間づくりを進めることとしています。 これらのオープンスペースが、地域交流拠点等の魅⼒を⾼める効果的な役割を担うためには、単 に空間を確保するだけでなく、利⽤者が快適で居⼼地がよいと感じられるよう、きめ細かくデザイ ンされ、質の⾼いものであることが重要です。 本ガイドラインは、運⽤⽅針に基づき容積率の最⾼限度の割増や補助⾦による⽀援を受け、⺠ 間都市開発において整備されるオープンスペースについて、その機能やしつらえを良好なものと するため、検討の手順、整備の際の基準、設計のポイント等を示すとともに、整備後も継続的に 良好な活⽤がなされるよう、維持管理における基本的な基準等について示すものです。 ※1 地域交流拠点等: 札幌市第 2 次都市計画マスタープランで定める地域交流拠点と、複合型⾼度利 ⽤市街地内の地下鉄及びJR駅周辺の総称をいう。 ※2 オープンスペース: 本ガイドラインでは、運⽤⽅針に基づく都市開発によって整備される、快適な 歩⾏空間やにぎわい・交流が⽣まれる滞留空間の創出に寄与するものとして、⼀般の⼈々に開放された空 間をいう。 1 ガイドラインの前提 ≪地域交流拠点等で求められるオープンスペース≫ 運⽤⽅針に基づき、地域交流拠点等で整備が求められるオープンスペースの種類は、下図のとお りです。 快適な歩⾏空間 歩道状空地 の創出に寄与するもの 敷地内貫通通路 公共駐輪場 にぎわい・交流が⽣まれる滞留空間 滞留のための広場 の創出に寄与するもの 2 第 1 章 地域交流拠点等におけるオープンスペースの検討フロー 本章ではオープンスペース検討の手順を示します。 STEP1 オープンスペースの利用者・使い方を想定する 目標:敷地周辺の建物⽴地状況や地域資源等の有無などについて把握し、それらや計画 建物との関係からオープンスペースの利⽤者・使い⽅を想定します。 STEP2 配置等によるオープンスペースの整備条件を明確にする 目標:対象敷地の配置に係る状況を把握し、それを踏まえたオープンスペースの整備条件 を明確にします。 STEP3 オープンスペースの計画コンセプトを検討する 目標:STEP1〜2の検討を踏まえて、オープンスペースの設計を⾏います。 STEP4 維持管理方法を検討する 目標:オープンスペースの維持管理や活⽤について、整備前にあらかじめ検討を⾏い、必要 に応じて設計内容の⾒直しを⾏います。 3 STEP1 オープンスペースの利用者・使い方を想定する オープンスペース整備の検討にあたって、まずは敷地周辺の建物⽴地状況を把握することに加え、敷 地周辺に位置する公共公益施設の⽴地状況や地域資源の有無、歩⾏者の流れや歩⾏量等を把握します。 それらの状況や計画建物との関係を踏まえ、オープンスペースの利⽤者・使い⽅を想定しましょう。 <敷地周辺の建物立地状況の把握とオープンスペース利用イメージの例> 住宅が多く立地 オフィスが多く立地 【利⽤者と使い⽅の例】 ・地域住⺠の⽇常的な憩いや散歩 ・地域住⺠の交流 など 【利⽤者と使い⽅の例】 ・オフィスワーカーの休憩や昼⾷利⽤ ・快適な通勤環境の提供 など 商店が多く立地 ホテルが多く立地 【利⽤者と使い⽅の例】 ・買物客の休憩利⽤ ・路⾯店による賑わいの創出 など 【利⽤者と使い⽅の例】 ・荷物を持った人の移動や休憩利⽤ ・来街者にとってのわかりやすさ など 4 <特徴的な公共公益施設や地域資源の把握とオープンスペース利用イメージの例> バス停が近くに位置 不特定多数が利用する公共施設が近くに立地 【使い⽅の例】 ・バス待合スペースの確保 など 【使い⽅の例】 ・公共施設への快適な歩⾏者動線の確保(歩⾏空間・通り 抜けを想定) ・待ち合わせスペースの確保 など 地域の観光や景観資源が近接して位置 並木・緑道と隣接 【使い⽅の例】 ・観光・景観資源の視点場 ・資源と景観上調和した空間の創出 など 【使い⽅の例】 ・並木や緑道と一体的な緑地空間の創出 など この他、学校や福祉施設、⼦育て⽀援施設など、特定の利⽤者層が想定できる施設が近接して⽴地する 場合は、その利⽤者層を考慮して、使い⽅を検討しましょう。 5 STEP2 配置等によるオープンスペースの整備条件を明確にする 対象敷地の最寄駅からの距離、接する道路や隣接敷地の状況など、敷地の配置等に係る条件を把握し、 それらを踏まえて、どんなオープンスペースを整備すべきか明確にしましょう。 <オープンスペース整備の場合分けの例> ■2つの道路をつないで配置する場合 ■交差点に面して配置する場合 ・敷地が2つの道路に⾯している場合は、両⽅の通りにオー プンスペースを接続させることで、通り抜け可能な通路を創 出することができます。 ・敷地が交差点に⾯している場合は、敷地の角にオープンス ペースを設けることで、街角に開かれた辻広場等を創出す ることができます。 ■特定誘導路線に面して配置する場合 ■誘導用途に面して配置する場合 ・特定誘導路線に接する敷地の場合は、当該路線に⾯す る部分にオープンスペースを設けることで、楽しく歩くことので きる通りを創出することができます。 ・特定誘導路線に接する敷地の場合は、当該路線に⾯す る部分に店舗等とオープンスペースを一体的に設けること で、にぎわいの相乗効果を⽣むことができます。 6 ■地下鉄等駅に接続する建物内に配置する場合 ・駅との接続部分にオープンスペースを設けることで、駅利⽤者に便利な広場を創出することができます。 ■バス停留場等に面して配置する場合 ・バス停等の前にオープンスペースを配置することで、待合機能を補完する広場等を創出することができます。 7 STEP3 オープンスペースの計画コンセプトを検討する オープンスペースの種類に応じたしつらえなど、具体的なデザインの検討にあたっては、STEP1〜 STEP2で検討したオープンスペースの整備の⽅向性を踏まえ、利⽤者が快適で居⼼地がよいと感じら れる空間となるよう検討しましょう。 第 2 章以降には、オープンスペースの種類に応じた、整備の際の基準や協議を要する事項、設計の ポイントを記載しています。オープンスペースの設計にあたっては、それらに沿って計画してください。 <利⽤者が快適で居⼼地がよいと感じられる空間の例> ◎居⼼地のよい距離感を考えた空間 ヒューマンスケール※で居⼼地のよい広場と 言われるのは 24m×24m程度の広場 また、12mでは⼈と⼈が親密な関係となる 距離と言われています。 ※人間の感覚や動きに適合した、 適切な空間の規模や物の⼤きさのこと ◎四季の変化や良好な天候を 楽しむことができる空間 ◎囲まれ感があり落ち着く空間 ◎交通や事故などの⼼配がなく 守られて安全と感じられる空間 8 ◎ゆったりと、あるいはちょっとだけ、など シーンに応じた座る場所が⽤意されている空間 ◎雨や日差し、雪などから保護してくれる空間 ◎ヒューマンウォッチングを楽しめる空間 ◎ゆとりをもって歩いたり 通り抜けのできる空間 9 STEP4 維持管理方法を検討する 整備されたオープンスペースは、整備後も継続的に良好な空間が保たれ、活⽤がなされるよう、適切 に維持管理を⾏う必要があります。以下に沿って、維持管理や活⽤の方法について検討しましょう。 1.維持管理計画の策定 本ガイドラインに沿って整備されるオープンスペースについては、「第 2 章 3.オープンスペース の維持管理及び活⽤に関する基準」を踏まえ、設計段階からあらかじめ維持管理方法(管理主体と管 理体制、維持管理費の調達など)について検討し、維持管理計画を策定しましょう。維持管理計画の 検討の際には、⽇常的な利⽤に留まらずイベントなど⼀時的な利⽤についても検討しましょう。 2.整備後の維持管理及び活⽤に関する基準 「第 2 章 3.オープンスペースの維持管理及び活⽤に関する基準」に適合するよう、整備後も維持 管理等を⾏わなければなりません。 3.オープンスペースの整備内容の⾒直し 維持管理方法に関する検討を受けて、必要な機能を確保しながら、継続的に維持管理が可能なオー プンスペースとするため、デザイン等を再検討することも重要です。 <オープンスペースの活用とその効果の例> オープンカフェ 移動販売車 【効果例】 【効果例】 ・賑わい創出 ・滞留時間の延⻑ ・建築⽤途との一体性 イベント 【効果例】 ・地域住⺠等の交流促進 ・賑わいの創出 10 ・利便性向上 ・往来する人の増加による賑わい創出 ・軽飲⾷販売による広場利⽤者の増加 第2章 オープンスペースの整備・維持管理・活用に関する基準 この章では、オープンスペースを計画するにあたり、その質を高めるための整備基準等を示していま す。 「1.オープンスペースの整備に関する基本的な基準」は、全てのオープンスペースが満たすべき、 基本的なしつらえや安全性などの要求を示すものです。「2.オープンスペースの種類に応じた整備基 準」は、オープンスペースの種類に応じ、それぞれの機能に応じて満たすべき要件を示すものです。ま た、オープンスペースの効果をさらに高める取組を⾏う場合の条件も示しています。「3.オープンス ペースの維持管理及び活⽤に関する基準」は、整備後のオープンスペースが有効に使われ続けるよう、 維持管理及び活⽤の要件を示すものです。 また、本ガイドラインで示す整備基準等は、以下のとおりです。 ■ 整備 : 容積率の最高限度の割増などの⽀援を受ける際には、必ず満たさなければならな 基準 い基準となるものです。 ■ 協議 : 容積率の最高限度の割増などの⽀援を受ける際に、本市と事業者との間であらか 事項 じめ協議を⾏う項目です。 ■ 設計のポイント : オープンスペースの機能や魅⼒を高めるための⼿法や留意事項で、整備 基準や協議事項に掲げた項目についての考え方なども示しています。 ■ コラム : 広場レイアウト等のポイント検討のために国⼟交通省が以下のとおり⾏っ た、実証実験から得られた知⾒を示しています。 11 <整備基準等の適⽤範囲> 凡例 :整備基準 :協議事項 :設計のポイント 1.オープンスペースの整備に関する基本的な基準 ・・・・全てのオープンスペースに適用します 2.オープンスペースの種類に応じた整備基準 ・・・・オープンスペースの種類に応じて適用します (1) 歩道状空地 [歩道状空地創出の効果をさらに高める取組] [歩道状空地創出の効果をさらに高める取組] ・・・・取組を⾏う場合のみ適用します ■誘導用途※3 と一体的に機能する歩道状空地の整備 ■特定誘導路線※4 と一体的に機能する歩道状空地の整備 ■屋外の屋根で覆われた歩道状空地の整備 (2) 敷地内貫通通路 [敷地内貫通通路創出の効果をさらに高める取組] [敷地内貫通通路創出の効果をさらに高める取組] ・・・・取組を⾏う場合のみ適用します ■誘導用途と一体的に機能する敷地内貫通通路の整備 ■特定誘導路線と一体的に機能する敷地内貫通通路の整備 ■屋外の屋根で覆われた敷地内貫通通路の整備 ■屋内の敷地内貫通通路の整備 (3) 公共駐輪場 (4) 滞留のための広場 [広場創出の効果をさらに高める取組] [広場創出の効果をさらに高める取組] ・・・・取組を⾏う場合のみ適用します ■誘導用途と一体的に機能する広場の整備 ■特定誘導路線と一体的に機能する広場の整備 ■屋外の屋根で覆われた広場の整備 ■屋内の広場の整備 ■地下鉄駅等へ接続する建築物内の広場の整備 ■交差点に面する広場の整備 ■バス等の待合機能を備えた広場の整備 3.オープンスペースの維持管理及び活用に関する基準 ・・・・全てのオープンスペースに適用します ※3 誘導⽤途:運⽤方針 第3章 3-2 別表のとおり 12 ※4 特定誘導路線:運⽤方針 別図のとおり 1. 1.オープンスペースの整備に関する基本的な基準 以下に示す整備基準等は、オープンスペースの種類にかかわらず、全てのオープンスペースに適 ⽤するものです。ただし、公共駐輪場への適⽤は整備基準のみとします。 a オープンスペース周りのしつらえ 整備 基準 ・ 特定誘導路線に⾯する部分は、路線沿線のにぎわいを分断させないよう、しつらえてくだ さい。 協議 ・ オープンスペースに⾯する建築物及びその他の部分は、オープンスペースが利⽤者にとっ 事項 て居⼼地のよい空間となるように、しつらえてください。 ・ オープンスペースに⾯する建築物の部分は、物販店舗や飲食店(カフェ等)を配置するな ど、オープンスペースに⼈を呼び込む仕掛けや魅⼒のあるファサードとしてください。 ・ 駐⾞場、⾞路、機械設備、ゴミステーション、派手な自動販売機などが直接オープンスペ ースと⾯するなど、利⽤者の居⼼地を損ねるような配置計画にしないでください。 ・ 駐⾞場や駐輪場(「公共駐輪場」として整備されたものを除く)としてオープンスペースが 利⽤されてしまうことを防ぐため、整備後にも本来のオープンスペースの機能が維持され るよう、あらかじめ考慮したしつらえとしてください。 設計のポイント ◆ガラスファサードの効果 ショーウィンドウ等により壁⾯が演出さ れていたり、開口部から建物内部の様⼦が ⾒えるなど、ガラスファサードはオープン スペースの魅⼒を⾼めます。ただし、プラ イバシーの観点から、ガラスを挟んで建物 内外の⼈が近づき過ぎないようにする配 慮が必要です。 ◆オープンスペースの機能を高める用途 ◆植栽による修景 カフェ等をオープンスペース側に開いて設け ることは、オープンスペースの魅⼒向上のた めにとても有効です。 やむを得ず、駐⾞場などの居⼼地を損ねるものをオー プンスペースに⾯して設ける場合には、目隠しとなる 植栽を設けるなどの工夫により、修景しましょう。 13 ◆夜間におけるショーウィンドウの効果 ◆ゴミステーションの留意点 ガラスファサードのショーウィンドウは、夜間でもオ ープンスペースを明るく照らす効果があり、場の演出 だけでなく防犯上の観点からも有効です。 オープンスペースに⾯してゴミステーションを 設ける場合は、扉や屋根を設けるなど修景を図 り、周辺環境に配慮して適切な措置を⾏いまし ょう。 ◆防犯上の効果 にぎわいを創出する⽤途をオープンスペースに ⾯して配置することで、⼈目を確保できること から、防犯効果も期待できます。 ◆人を呼び込む仕掛けや魅力のあるファサード オープンスペースに⾯する建築物の部分が、やむを得 ず開口のない壁⾯となるなど、閉鎖的な印象になって しまう場合には、壁⾯のデザインの工夫等により、居 ⼼地のよい空間を創出しましょう。 例えば、アートや植栽による壁⾯の演出が有効です。 コラム 透明感のあるファサードで オープンカフェが設けられている例 ≪広場レイアウトのポイント≫ ◆オープンスペースに面する部分のアクティビティ 国⼟交通省が実施した実証実験の結果から、 「テイクアウト可能な飲食店の近くは、よく利⽤される空 間となる」ということが分かりました。 14 b オープンスペースの配置等 整備 ・ オープンスペースの⾞路等による分断は必要最⼩限の範囲としてください。 基準 協議 ・ 敷地周辺の特性に応じて、整備の効果がより高まる位置や形状とし、連続的に歩⾏空間や 事項 滞留空間が創出されるよう、敷地周辺の既存のオープンスペースとの調和と一体化に努め てください。 ・ 天候に左右されない居心地のよいオープンスペース拡充のため、特に屋内や屋根で覆われ たオープンスペースの連続化に努めましょう。 c 工作物の設置 協議 ・ オープンスペースの魅⼒や機能の向上に寄与しない⼯作物は、原則としてオープンスペー 事項 ス内に設けないでください(例:派⼿な⾃動販売機、さらされたゴミステーションなど)。 ・ ⼯作物をオープンスペース内に設置する場合には、デザインの質が高く、配置も含めて、 魅⼒や機能の向上に寄与するものとしてください。 ・ 広告・看板等を設置する場合は、建築物のデザインや街並みへの影響を考慮するとともに、 できる限り集約化を図ってください。 ・ イベント等によるオープンスペースの活⽤を⾏うための電源設備等は、整備の際にあらか じめ設けるようにしましょう。 設計のポイント ◆工作物や植栽の効果的な配置 オープンスペースの魅⼒や機能の向上に寄与する⼯ 作物等は、植栽、ベンチ、テーブル、照明、サイン、 彫刻等のアートなど多様に考えられます。 オープンスペースの種類や想定される使われ方を踏 まえて、より居心地のよい空間となるよう、どのよ うな⼯作物等を設けるのがよいか検討しましょう。 また、設ける際には、より良い配置を考えましょう。 15 ◎参考例 【工作物等のデザイン】 ポイント:人を惹きつける⾒た目の楽しさ、滞留空間全体のデザインとの調和、 複数の機能を組み合わせたデザイン 植栽や椅子と一体となったサイン 植栽やサインによる障害物の目隠し 隣地を修景する壁面緑化やサイン 椅子やテーブル、植栽と一体となった場 小休憩できるカウンター テーブルと一体となった照明や緑陰の場 椅子と一体となった照明デザイン リズムや方向性をつくる照明計画 16 d オープンスペース標示サイン 整備 基準 ・ オープンスペースは建物利⽤者に限らず、誰もが利⽤できる ものであることをわかりやすく伝え、オープンスペース内に ⼈を誘導するため、右に示すマークと”誰でも利⽤可能な旨” を表示したオープンスペース標示サイン(以下「サイン」 という。)を⾒やすい位置に設置してください。ただし、歩 道状空地及び公共駐輪場を整備する場合は除きます。 協議 事項 オープンスペースのマーク ・ サインの掲出⽅法については、建築物やオープンスペースのデザインと調和した質の⾼い ものとしてください。 ・ 標示板の形態について、素材や大きさは規定しませんが、質の⾼いデザインで経年変化に 強く、場になじむよう工夫してください。 ・ サインが空間を独占しないよう適切な大きさ・表示内容としてください。 ・ サインのデザインは、オープンスペースのマークが⾒やすいものとしてください。 ・ 歩⾏空間や滞留空間の機能を妨げない位置に設けてください。 ・ 他の法令等に基づき設置する標示板等と併⽤することができます。 ・ オープンスペースのマークの色彩は、 「札幌の景観色 70 色」の中から、 『三角山(さんかく やま)』近似色としてください。 ・ 多くの⼈に情報が正確に伝わるよう、カラーユニバーサルデザインの観点から、サインの 標示は誰にでも分かりやすい色を使うようにしましょう。 ・ サインは、極端に華美な印象とならないよう、動光を伴う標示は避けるようにしましょう。 設計のポイント サイン標示の例 ◆マークの重要性 本ガイドラインに沿って整備されたオープンスペースの近くにいる歩⾏者に、そのオープン スペースは誰でも使える場であることを認識してもらうことが、オープンスペースの利⽤を 向上させることにつながります。 17 e 色・素材等 協議 ・ オープンスペースと敷地内の建築物、工作物等とが⼀体的なデザインとなるよう配慮して 事項 ください。 ・ オープンスペース内で使う色や素材の種類があまり多くならないように配慮し、アクセン トとなる色は⾯積を抑えた効果的な使い⽅をするなど、まとまりのあるデザインとしてく ださい。 ・ オープンスペースを構成する素材は、使われ⽅を想定し、慎重に選定してください。舗装 であれば歩きやすさ、椅⼦等のファニチャーは⼈が触れるものであることを考慮しましょ う。 設計のポイント ◆地域特性に応じた素材 レンガや札幌軟石などの地域産材を活 ⽤しましょう。地域ならではの素材を取 り⼊れると、地域住⺠からの愛着が得ら れたり、地域らしい景観の形成につなが ります。 ◆舗装材の留意点 真っ白なタイルなど照り返しの強い色 や素材を避け、雨や雪などで濡れた場合 でも、歩きやすいよう、滑りにくい素材 を使⽤しましょう。 ◆メリハリのある色・素材 アースカラーをベースに、アクセントとなる色や素材 を組み合わせることで、メリハリのある空間づくりが ⾏えます。 18 ◎参考例 【舗装デザイン】 ポイント:境界のデザイン、歩きやすさ、親しみやすさ、色や素材、地域産材の活⽤など 温かみのあるデッキ舗装 領域感と素材感を現す石貼舗装 舗装の色で境界を明示 歩行空間にリズムをつくるパターン 19 f 安心・安全 協議 ・ 昼夜を問わず誰もが安⼼して利⽤できるオープンスペースとなるよう、⾒通しや⼈目の確 事項 保など、利⽤者の安⼼・安全に配慮したしつらえとしてください。 ・ 自然光や照明により、安⼼感のある明るさを保ってください。 ・ ユニバーサルデザインの視点にたち、誰もが安⼼かつ快適に利⽤できるものとしてくださ い。 設計のポイント ◆人目の確保 にぎわいを創出する⽤途を配置するなど、オー プンスペース内外に⼈目を増やすよう配慮しま しょう。オープンスペースの周囲に配置する⽤ 途を多様化すれば、昼夜にわたり⼈目を確保す ることができます。 ◆照明による演出 オープンスペースの種類に適した採光や照明の 確保により、昼夜問わず明るく安⼼感のある空間 を創出できます。夜間のライトアップや建物から 漏れる灯りで演出するのも効果的です。 ◆見通しを阻害しない植栽 ◆死角の無い空間づくり ⾒通しが確保されるように植栽を設ける場合には、低木 は⼈の目線よりも低い⾼さ、⾼木は樹冠が目線より⾼く なるよう樹種を選定しましょう。剪定など計画的な管理 も重要です。 ⾒通しが良く、死角のない空間とするために は、道路などからオープンスペース内が⾒渡 せるようにしましょう。 ◆道路沿い部分のしつらえ オープンスペースのうち道路沿いの部分に は、⾒通しを阻害するような物理的な障害を 設けないようにしましょう。 ◆ユニバーサルデザインの視点 段差の明示やスロープの設置、舗装材には滑 りやすいものを使⽤しない等、あらかじめ誰 にでも優しいデザインとすることが大切で す。 20 g 雪対策 協議 ・ オープンスペース内においては、建物の出⼊口周辺や歩道と建物とを結ぶアプローチ部分 事項 など、⼈が歩く部分への吹き溜まりや落雪がないように対策をしてください。 ・ ⼈が歩く部分は、冬期間も通⾏できるようにするため、雪が溜まらないよう、ロードヒー ティングや屋根を設けるように努めてください。 ・ 冬期間も⼈が通⾏できるようにしつらえる幅は、2.0m以上としてください。 設計のポイント ◆落雪への対策 屋根や庇に溜まった雪がオープンスペー ス内に落ちると危険です。 落雪スペースの確保や、⼈が歩くところ に雪庇が出来ない構造など、落雪の危険 防⽌のための措置を⾏いましょう。 ◆冬の快適性 雪の美しさを⾒せる仕掛けを検討するな ど、積雪寒冷地である特色を⽣かしまし ょう。 ◆雪堆積の留意点 ◆誰もが通行しやすい幅員の除雪・融雪 道路際に雪を堆積して、⾒通しや歩⾏環 境等の悪化を引き起こさないようにしま しょう。 冬期間も⼈が通⾏できるよう確保する最低幅員 2.0 mは、⼈と⼈がすれ違うことのできる幅を想定して います。 21 h 植栽 協議 ・ 敷地内の緑化計画については、植栽をオープンスペースの中やオープンスペースに⾯する 事項 部分へ配置するなど、⼈々の目に触れるような配置としてください。 ・ 植栽を設ける場合には、オープンスペースの種類に応じて、質や魅⼒を⾼めるような種類 やレイアウトを計画してください。 ・ 将来にわたって植栽が維持されるよう、環境の特性を把握したうえで、植栽位置、樹種の 選定、植栽間隔・密度、植栽基盤の改良などについて、慎重に検討してください。また、 樹種に応じて将来の成⻑を⾒越した計画としましょう。 設計のポイント ◆状況に応じた樹種の選定 オープンスペースの⾒通しを確保しながら樹木を植栽するた めには、⾒通しを遮る低い位置に下枝がない樹種や、枝や葉が 密集しない樹種を選定しましょう。 ⼀⽅で、目隠しとして植栽を設けたい場合には、下枝が張り、 密な枝葉の樹種を選ぶと効果的です。 ◆季節感や彩りの視点 花や果実のなる樹種や、多様な色彩や⾹りの良い植 栽により、季節の変化を感じたり、空間に自然な彩 りが加わります。花の種類を選ぶ際には、⼀年草と 宿根草を組み合わせることにより、季節の変化によ り彩りにも多様性が⽣まれます。 ◆既存のみどりとの連続 敷地の周囲にまとまりのある緑地等がある場合には それらと連続的に⾒える配置などを工夫しましょ う。 ◆グリーンインフラの取組 環境配慮型の社会基盤整備の手法であるグリーンイ ンフラの考え⽅に基づき、自然の⼒を利⽤した維持 管理を想定した植栽基盤の整備(例:植栽桝の地盤 を低くして雨⽔浸透花壇とする等)を⾏うことは、 環境配慮につながります。 樹木のある敷地内貫通通路 22 ◆立体感のある植栽デザイン ◆植栽桝のデザインの工夫 ⾼さや樹形の異なる樹木、地被類などを 組み合わせると、みどりに⽴体感がうま れ、⼈々の目に⼊るみどりの量(緑視量) を増加させることができます。 植栽桝の⽴上りの ⾼さを 50 ㎝程度 に抑え、腰掛など の他の機能と⼀体 として活⽤できる ようにするなど、 工作物を効率よく 利⽤することで、 空間にゆとりが⽣ まれます。地盤の 傾斜を活⽤した植 栽桝のデザインも 有効です。 ◆空間活用に留意した植栽デザイン 透⽔性を備えた舗装材やツリーサークル等を使⽤した 上で歩⾏の妨げとなる⾼さに枝のない⾼木を配置した り、自由に⼊ることのできる芝⽣を設けることなどに より、敷地内の空間を効率良く活⽤して植栽を増やす ことができます。 ◆植栽の健全な成長と維持管理 植栽が良好に保たれ、将来にわたって維持できるよう、緑化 計画の際には、本市作成の「緑化の留意点と参考となる事例」 を参考にしてください。 樹木のある歩道状空地 23 ◎参考例 【植栽デザイン】 ポイント:快適な緑陰と⾒通しの良さを確保する滞留空間、多様な植栽による明るく潤いある空間、 壁⾯緑化や⽴体感のあるみどりによる緑視量の向上 十分な緑量の確保 見通しの良い緑陰空間づくり バランスの良い高木植栽の配置 壁面緑化と一体となった緑視量の向上 季節感ある立体的な緑の配植 椅子と一体となった緑のボリュームづく り 24 i 利用・滞留を促すソフトの取組 協議 事項 ・ オープンスペースの多⾯的な利活⽤のため、イベントによる活⽤等を⾏うことを想定して いる場合には、オープンスペース内の工作物等はあらかじめレイアウト変更が可能なもの とし、収納のための倉庫や電源設備などを備えましょう。 ・ オープンスペースについて⼀時的に営利目的の活⽤を⾏う場合には、⼈が集まる場として の魅⼒の向上に寄与するようなものとしてください。 設計のポイント ◆イベント実施等による活用 オープンスペースの多⾯的な利⽤や活⽤を促す、 イベントなどのソフト事業の実施は、オープンス ペースの魅⼒を⾼めることにつながります。 25 1.2.オープンスペースの種類に応じた整備基準 2.オープンスペースの種類に応じた整備基準 以下に示す整備基準等は、前頁まで示した基本的な基準に加えて、整備を⾏うオープンスペース の種類に応じて適用するものです。 (1)歩道状空地 a 基本要件 にぎわいやみどりを感じながら安⼼して歩くことができる、ゆとりある快適な歩⾏空間を 創出するため、道路沿いに計画するものであること。 b 形状・規模等 整備 基準 ・ 歩道と⼀体的に通⾏が可能なものとして、道路に沿って設けてください。なお、当該歩道状 空地は、敷地の道路に接する部分の全⻑にわたって整備するものとしてください。ただし、 複数の道路に接する敷地の場合には、整備の必要性は接する道路ごとに検討してください。 ・ 歩道状空地の幅は、隣接する歩道等の状況に照らして歩⾏環境の向上に必要な幅としてく ださい。 ・ 冬期間も歩⾏空間としての機能が維持できるように、しつらえてください。 ・ 歩道と⼀体的な歩道状空地とするため、歩道との段差は設けないでください。 協議 事項 ・ 歩道状空地の幅は、歩道と合わせた歩⾏空間の幅員が、下に示す「札幌市歩道施工ガイドラ イン」の歩道又は自歩道の最低幅員に定める数値以上となるように設定しましょう。この場 合、植樹帯等の部分を除いた主に歩⾏の用に供する部分(有効幅員)を歩⾏空間と考えます。 ・ 歩道状空地の内、上記の最低幅員に含まれる部分には工作物を設置せず、主に歩⾏に供する 部分として確保してください。 ・ 歩⾏空間が、にぎわいやみどりを感じる快適な空間となるために必要な場合には、必要な幅 を上記の歩⾏空間に加えて設けましょう。 ・ にぎわいやみどりを感じる快適な歩⾏空間創出のため、歩⾏空間の最低幅員に加えて設ける 歩道状空地の幅は、特定誘導路線及び歩⾏者交通量が多い道路(札幌市歩道施工ガイドライ ン参照)においては 1.5m、その他の道路では 0.5mを目安としてください。 <札幌市歩道施工ガイドライン【歩道幅員】>(抜粋) ※5 ※6 ※5 ※6 自歩道: 歩行者と少数の自転車が混在して通行する道路(自転車歩行者道)をいう。 歩行者の交通量が多い道路: 500~600 人/日以上を目安とする道路をいう。 26 ・ 歩道状空地のうち、主に歩⾏の用に供する部分を除いた部分を整備する場合は、歩⾏空間の 質を向上させるようなしつらえを工夫し、豊かな歩⾏空間となるよう検討しましょう。 ・ 歩道状空地を活用して、⼀時占用的な利用を⾏う場合には、主に歩⾏に供する部分を除いた 部分で⾏うこととしてください。 設計のポイント ◆ベンチや植栽等の効果 ◆バリアフリーの観点 快適な歩⾏空間の創出のために設ける休息のためのベン チや、空間にうるおいを与える植栽などは、歩⾏空間の 質を向上させることができます。 滑りにくい舗装や、緩やかな勾配(縦断 方向 5%以下、横断方向 2%以下)とす ることにより、歩⾏者や⾞いすを利用す る方などが安全かつ円滑に通⾏すること ができます。 ◆一時占用的な利用 ⼗分な歩⾏空間を確保した上で、歩道状 空地を活用して⼀時的なカフェスペース を設けるなど、ゆとりをもって整備され た歩道状空地の有効活用を⾏うことによ り、にぎわいやみどりを感じる快適な歩 ⾏空間の創出につながります。 歩道と一体的な歩道状空地と建物・植栽の関係の例 27 ■歩道状空地創出の効果をさらに高める取組■ ⅰ 誘導用途と一体的に機能する歩道状空地 a 基本要件 地域交流拠点の主要な路線に⾯して⽣活を⽀える機能やにぎわいを⽣む機能を配置し、こ れと⼀体的に機能するよう整備した歩⾏空間であること。 b 形状・規模等 整備 基準 ・ 特定誘導路線に接する敷地において、当該路線に⾯して設けられた誘導用途(運用方針第 3 章 3-2 の別表に定める用途)に供する部分に⾯して、これと⼀体的に機能する歩道状空地 としてください。 ・ 誘導用途に供する部分は、建築物の 1 階部分に設けるものとし、その⾯積は敷地⾯積の 10% 以上としてください。 ・ 誘導用途に供する部分の出入口は、歩道状空地の機能を高める位置に設けてください。 ・ 建築物 1 階の特定誘導路線に⾯する部分には、住室又は住⼾を設けないでください。なお、 隅切り部も特定誘導路線に⾯する部分とみなします。 協議 ・ 誘導用途に供する部分は、ガラスのファサードとするなど、建物内部の様⼦が歩⾏者から⾒ 事項 えるようなデザインとしましょう。 ⅱ 特定誘導路線沿いの歩道状空地 a 基本要件 にぎわいの連続を特に積極的に進めるため、特定誘導路線に⾯して整備した、人が集まる 場所としての地域交流拠点の魅⼒を高める歩⾏空間であること。 b 形状・規模等 整備 ・ 建築物 1 階の特定誘導路線に⾯する部分には、住室又は住⼾を設けないでください。 基準 ・ 路線沿線のにぎわいを分断させず、オープンスペース内での居⼼地を損ねることのないよう、 しつらえてください。 28 ⅲ 屋外の屋根で覆われた歩道状空地 a 基本要件 季節や天候を問わず快適に移動できる歩⾏空間であること。 b 形状・規模等 整備 基準 ・ ピロティや雪よけの庇等が設けられた空間など、原則として全幅員が屋根で覆われた歩道状 空地としてください。 ・ 季節や天候を問わず快適に利用できるしつらえとしてください。 協議 事項 ・ 快適な歩⾏環境創出のため、天井の高さは 3.0m以上、屋根で覆われた部分の最低幅は 2.0 mとしてください。 ・ 歩道状空地の内、⼀部にのみ屋根を設ける場合も有効です。ただし、屋根を設ける部分が⼀ 部の方が快適な歩⾏空間の創出に寄与すると認められる場合に限ります。 ・ 歩道状空地内に柱を設ける場合には、歩⾏空間の機能を妨げない位置や大きさとしましょう。 設計のポイント ◆維持管理のしやすい屋根 屋根は安全性に配慮されたもので、経年変化に強く、 維持管理がしやすいものとすることにより、天候に 左右されない快適な歩⾏環境を維持することができ ます。 ◆屋根の高さ 屋根の高さは、歩⾏者が感じる空間の広がり感に影 響を与えます。天井が高く開放的な歩⾏空間とする ことにより、快適な歩⾏環境の創出につながります。 29 屋根のある歩道状空地の例 (2)敷地内貫通通路 a 基本要件 にぎわいやみどりを感じながら、快適に敷地内を通り抜けできる歩⾏空間を創出するため に計画するものであること。 b 形状・規模等 整備 ・ 敷地を貫通して道路、公園、オープンスペース等を相互に有効に連絡し、歩⾏者が自由に、 基準 かつ、快適に通り抜けできるものとしてください。 ・ 敷地内貫通通路(以下「通路」という。)の幅員は、有効幅員 2.0mを最低限設けた上で、 当該通路が接する部分や周辺建物⽴地状況に照らして、歩⾏環境の向上に必要な幅としてく ださい。 ・ 公共的な通路であることが容易に認識できるしつらえとしてください。 ・ 端から端を⾒通すことができる通路としてください。 ・ 原則として道路、公園、オープンスペース等との段差や通路内における段差は設けないでく ださい。 協議 ・ 通路の機能を高めると認められる場合には、段差を設けても良いこととします。 事項 ・ 通路の内、有効幅員 2.0mの部分には工作物を設置せず、主に歩⾏に供する部分として確保 してください。 ・ 上記の最低幅員を満たした上で、にぎわいやみどりを感じる快適な歩⾏空間を創出するため に必要な幅について、主に歩⾏に供する部分と併せて幅 4.0mを目安に検討してください。 ・ 通路を建物内に設ける場合は、舗装材や誘導サインなどにより、公共的な通路であることが 容易に分かるしつらえとしましょう。 ・ 通路を活用して、⼀時占用的な利用を⾏う場合には、主に歩⾏に供する部分を除いた部分で ⾏うこととし、占用利用を想定している場合には、そのためのしつらえに⼗分留意して整備 をおこなってください。 設計のポイント ◆快適な通路のしつらえ 通路のうち、歩⾏空間として確保する最低幅 2.0mを除いた部分は、快適な通路となるよ う、空間の質を高めるような樹木やベンチな どをしつらえると効果的です。 また、通路の壁⾯にアートを設けたり、照明 による空間の演出をすること等により、歩い て楽しい空間となります。 30 ■敷地内貫通通路創出の効果をさらに高める取組■ ⅰ 誘導用途と一体的に機能する敷地内貫通通路 a 基本要件 地域交流拠点の主要な路線に⾯して⽣活を⽀える機能やにぎわいを⽣む機能を配置し、こ れと⼀体的に機能するよう整備した歩⾏空間であること。 b 形状・規模等 整備 基準 ・ 特定誘導路線に接する敷地において設ける敷地内貫通通路(以下「通路」という。)で、誘 導用途(運用方針第 3 章 3-2 の別表に定める用途)に供する部分に⾯して、これと⼀体的 に利用できるものとしてください。 ・ 誘導用途に供する部分は、建築物の 1 階部分に設けるものとし、その⾯積は敷地⾯積の 10% 以上としてください。また、原則として特定誘導路線に⾯して設けるものとしてください。 ・ 誘導用途に供する部分の出入口は、通路の機能を高める位置に設けてください。 ・ 建築物 1 階の特定誘導路線に⾯する部分には、住室又は住⼾を設けないでください。なお、 隅切り部も特定誘導路線に⾯する部分とみなします。 協議 ・ 誘導用途に供する部分は、ガラスのファサードとするなど、建物内部の様⼦が歩⾏者から⾒ 事項 えるようなデザインとしましょう。 ・ 誘導用途に供する部分の出入口は、通路に⾯して設けるようにしてください。また、誘導用 途に供する部分が特定誘導路線に⾯している場合には、原則として特定誘導路線に⾯する部 分にも出入口を設けるようにしてください。 ・ 特定誘導路線に⾯していない位置に誘導用途を設ける場合は、特定誘導路線からの視認性が 高く、アクセスしやすい配置としてください。若しくは、屋内の通路沿いに誘導用途に供す る部分と⼀体的に設け、かつ、敷地外から容易に視認できる位置に誘導サインを設けてくだ さい。 設計のポイント ◆特定誘導路線に面していない誘導用途の例 (1)特定誘導路線からの視認性・アクセス性が高い場合 31 (2)屋内の通路と⼀体的に設ける場合 ⅱ 特定誘導路線に接続する敷地内貫通通路 a 基本要件 にぎわいの連続を特に積極的に進めるため、特定誘導路線に接続する、人が集まる場所と しての地域交流拠点の魅⼒を⾼める歩⾏空間であること。 b 形状・規模等 整備 ・ 建築物 1 階の特定誘導路線に⾯する部分には、住室⼜は住⼾を設けないでください。 基準 ・ 路線沿線のにぎわいを分断させず、オープンスペース内での居心地を損ねることのないよう、 しつらえてください。 ⅲ 屋外の屋根で覆われた敷地内貫通通路 a 基本要件 季節や天候を問わず快適に移動できる歩⾏空間であること。 b 形状・規模等 整備 ・ ピロティや雪よけの庇等が設けられた空間などの屋根で覆われた敷地内貫通通路としてく 基準 ださい。 ・ 季節や天候を問わず快適に利⽤できるしつらえとしてください。 協議 ・ 快適な歩⾏環境創出のため、天井の⾼さは 3.0m以上、屋根で覆われた部分の最低幅は 2.0 事項 mとしてください。 ・ 敷地内貫通通路の全幅員の内、一部にのみ屋根を設ける場合も有効です。 ・ 敷地内貫通通路内に柱を設ける場合には、歩⾏空間の機能を妨げない位置や大きさとしてく ださい。 設計のポイント ・ ◆屋根の高さ ◆維持管理のしやすい屋根 ・ 屋根は安全性に配慮されたもので、経年変化に強く、維 持管理がしやすいものとすることにより、天候に左右さ れない快適な歩⾏環境を維持することができます。 32 屋根の⾼さは、歩⾏者が感じる空間の広がり 感に影響を与えます。天井が⾼く開放的な歩 ⾏空間とすることにより、快適な歩⾏環境の 創出につながります。 ⅳ 屋内の敷地内貫通通路 a 基本要件 季節や天候を問わず快適に移動できる歩⾏空間であること。 b 形状・規模等 整備 ・ 建物内を貫通する空間など、屋内の敷地内貫通通路としてください。 基準 ・ 季節や天候を問わず快適に利用できるしつらえとしてください。 協議 ・ 快適な歩⾏環境創出のため、天井の高さは 3.0m以上としてください。 事項 ・ 通路部分の舗装材やサインによる誘導などにより、公共的な通路であることが容易に認識で きるように、しつらえましょう。 ・ 冬期間も暖かく快適に利用できる空間としてください。 ・ 設計のポイント ◆快適な屋内型通路 屋内型の通路を利用する際には、通路の明るさや ⾒通しに配慮するとともに、充分な幅と高さの通 路とすると、安⼼感が得られます。また、通路と しての機能に留まらず、楽しみながら歩くことの できる工夫など、空間の質を高めるようなしつら えを検討することも大切です。 ◆天井の高さ 天井の高さは、歩⾏者が感じる空間の広がり感に 影響を与えます。天井が高く開放的な歩⾏空間と することにより、快適な歩⾏環境の創出につなが ります。 屋内の敷地内貫通通路の例 33 (3)公共駐輪場 a 基本要件 地下鉄駅等の周辺において、放置されている多数の自転⾞やそれらの自転⾞による通⾏の ⽀障を解消し、ゆとりある歩⾏空間を形成するために計画するものであること。 b 形状・規模等 整備 ・ 本市の駐輪対策部局※7 と協議のうえ設ける、⼀般公共の用に供する自転⾞等駐⾞場(以下 基準 「公共駐輪場」という。 )としてください。 ・ 敷地周辺の駐輪場充⾜状況に応じた⼀定規模以上のものとしてください。 ・ 位置・構造・出入口について⼀般利用に配慮がなされているものとしてください。 協議 ・ 構造については、本市の駐輪対策部局と協議してください。 事項 ・ 公共駐輪場の出入口及びアプローチによる歩⾏空間や滞留空間の分断は、必要最⼩限の範囲 としてください。 ・ 公共駐輪場サインは、適度な大きさ・表示内容とするとともに、視認性の良い配置やデザイ ンとしましょう。 ・ 公共駐輪場の設置により、新たな通⾏の⽀障や景観上のマイナス要素を⽣み出すことのない よう、配慮しましょう。 設計のポイント ◆公共駐輪場と歩行空間の関係 ◆公共駐輪場の配置における留意点 敷地際に公共駐輪場を設ける際には、歩⾏空間へ の⼲渉による新たな通⾏の⽀障が懸念されます。 あらかじめ懸念事項への配慮を⾏うことが快適 な歩⾏空間の創出につながります。 公共駐輪場は、視認性がよく、利用しやすいこと が重要である⼀方で、通りとしての賑わいの連続 性などを分断する要素にもなり得ることから、そ れらのバランスを⾒極めることが重要です。 ◆景観上の配慮 公共駐輪場に上屋を設ける場合に、敷地内の建築物のデザインと相反しないようにすることにより、景 観上、建築物等と⼀体的な空間形成が期待できます。また、駐輪ラックを設置するなど、雑多な印象と ならないよう景観上の配慮を⾏うことが大切です。 ※7 駐輪対策部局: 札幌市建設局総務部自転⾞対策担当課(平成 29 年 1 月現在) 34 (4)滞留のための広場 a 基本要件 誰もが自由に座り、滞留できる質の高い多様な空間などのにぎわい・交流が⽣まれる場を 充実していくために計画するものであること。 b 形状・規模等 整備 ・ 屋外に設ける広場の場合には、原則として敷地が接する道路に広場の⼀辺以上が接するよう 基準 に計画してください。ただし、当該道路に沿って歩道状空地が設けられている場合には、当 該歩道状空地に接して設けるものとしてください。 ・ ⼀の広場の⾯積は、原則として敷地⾯積の 10%以上としてください。 ・ 誰でも自由に利用できる広場であることが、容易に認識できるしつらえとしてください。 ・ 質の高い滞留空間とするため、広場の機能や形態等に応じて、⼗分な椅⼦と植栽を効果的に 配置してください。 ・ 原則として、接する道路や歩道状空地(以下「道路等」という)との段差は設けないように してください。 協議 ・ 屋外に設ける広場は、最も幅員の広い道路(特定誘導路線に⾯する場合は特定誘導路線)に 事項 接して設けてください。ただし、敷地周辺の特性等を踏まえ、広場を最も幅員の広い道路に 接して設けない方が、広場の機能や魅⼒を高める場合はこの限りではありません。 ・ 屋内に設ける場合には、誘導サインなどで誰もが利用できる広場であることが容易に分かる ようにしてください。 ・ 広場の機能を高めると認められる場合には、道路等との段差を設けても差し⽀えありません。 ・ 道路等又は敷地内貫通通路に、広場の全周の 8 分の 1 以上が接するようにしてください。 ただし、屋内に設ける場合は、この限りではありません。 ・ 道路等との境界線から 2.0m 以上の奥⾏きを確保しましょう。また、幅が 4.0m以下となる 部分のない形状としてください。ただし、屋内に設ける場合における、広場の幅や奥⾏きは この限りではありません。 ・ 幅員 2.0mを目安に道路に沿って設けられ、通りを歩く人が気軽に⽴ち寄って憩える魅⼒的 な広場である場合に限り、⼀の広場の⾯積は敷地⾯積の 10%に満たなくても差し⽀えあり ません。 ・ 広場に⾯する建築物の1階部分には、原則として住室又は住⼾を配置しないでください。 ・ 広場を活用して、⼀時占用的な利用を⾏う場合には、そのためのしつらえに⼗分留意して整 備をおこなってください。 35 設計のポイント ◆心地良いと感じるスケール感 幅 ひとまとまりの滞留空間は、空間を分節するなど、利用 者の利用目的を想定したスケール感を検討することで、 リラックスできる居⼼地のよい空間となります。なお、 椅⼦や植栽の配置により領域性を高めた囲まれた空間 とするなど、適切なスケール感とすることで、ゆっくり とくつろげる空間を創出できます。 ◆敷地外の機能との一体化 ◆使われ方を想定したデザイン カフェ等の用途が隣地の1階部分に設けられて いる場合には、それら敷地外の部分と⼀体的又は 連続的に機能するよう広場を設けることが広場 の機能や魅⼒の向上につながります。 休憩や会話、イベントの開催など、多様な利用を 想定し、利用者が快適で⼼地よいと感じられる空 間となるよう計画しましょう。 ◆工作物の効果的な配置 ◆プライバシーへの配慮 広場に⾯する部分に、やむを得ず住室又は住⼾を 設ける場合には、目隠しとなる植栽を設けるなど の工夫により、プライバシーを確保しましょう。 広場をより居⼼地のよい空間とするため、広場の 利用者や使い方に合わせて、広場の機能や魅⼒を 高める工作物を設置しましょう。なお、工作物を 設ける場合には、広場の出入口付近への配置を控 えるなど、広場への入りやすさを考慮しましょう。 ◆空間構成の工夫による魅力的な空間づくり ◆広い道路に面した配置 ゆるやかに床の高さを変えたり、樹木を配置する ことなどにより空間を区画することや、段を設け て⽴体的に空間構成することにより、壁などの仕 切りを設けずに魅⼒的な空間ができます。 歩⾏者量が多く、幅員の広い道路に接して設ける ことで、多くの人が利用しやすい広場となります。 36 コラム ≪広場レイアウトのポイント≫ ◆領域性の高い空間の効果 国⼟交通省が実施した実証実験から「領域性の高い囲まれた空間の方が、多く利用される」という ことが分かりました。 また、 「領域性の高い空間の方が通り抜ける人が少なく、ゆっくりとくつろげる空間」となるという ことも分かりました。 37 ◆広場の出入口付近への配置の効果 「広場の出入口近くの空間は、短時間ではあるが多くの人が利用する」ということが分かりました。 38 c 椅子 協議 ・ 広場の⾯積 6 ㎡当たり 1 人分のベンチ等の椅⼦を設置してください(1 人分当たり座⾯幅 事項 60 ㎝を目安)。 ・ 椅⼦の種類(デザイン)は 2 種類以上としましょう。 ・ 椅⼦の種類は、広場の利用者や利用の目的を想定して計画してください。 設計のポイント ◆椅子のデザインの多様性 ◆他の機能と一体となった椅子 利用者の目的に応じて利用できる、様々な種類の椅 ⼦を設置することにより、滞留空間での多様な過ご し方を引き出すことができます。 整然と椅⼦だけが設置されていると、利用者がい ない時に淋しさや歓迎されていない感じを受け ることがあります。植栽桝の⽴ちあがりなどの他 の機能と⼀体となった椅⼦のデザインにより、利 用者の少ない時でも、淋しく⾒えないよう工夫す ることができます。 ◆背もたれのある椅子 椅⼦の種類を検討するにあたって、⻑時間の落ち着 いた利用を促すためには、背もたれのある椅⼦を選 ぶと効果的です。また、背中が守られることにより 安⼼感が得られます。 ◆椅子の種類 椅⼦は、デザインや使われ方により様々な種類があり、椅⼦以外の機能を持った工作物について、座る ことも出来るようにデザインされているものがあります。 椅子の種類の例 可動椅子(&テーブル)、スツール、ベンチ、縁台など 他の機能と一体となった 椅子の例 可動椅子 縁台 座るためにデザインされた植栽桝の立ち上がり、座れる段(ステップ)など スツール 植栽桝の立ち上がり 39 背もたれのあるベンチ 座れる段 ◆椅子の大きさの目安 椅⼦の幅: ・1人掛け用 幅 40 ㎝以上 (可動イスはテーブルとセットで配置) ・2人掛以上:1 人分当り幅 60 ㎝以上 座⾯高さ:40〜50 ㎝ 奥⾏き:40 ㎝以上(植樹脇では 50 ㎝以上) ◆テーブル席設置の留意点 テーブル席は相席利用されにくいため、椅⼦とテ ーブルの数のバランスに留意しましょう。 40 コラム ≪椅子とテーブルのバランス≫ ◆テーブル席の効果 国⼟交通省が実施した実証実験から「ベンチよりも可動椅⼦とセットになったテーブル席の方が⻑時間 利用される」ということが分かりました。 ◆テーブル席設置の留意点 「テーブル席を利用するグループは平均 1.6 人であり、椅⼦とテーブルの数のバランスを考えないと 使われない椅⼦が増えてしまう」ことも分かりました。 41 協議 ・ 椅⼦の位置、配置の仕方については、広場の利用者や利用の目的、日照等の条件を想定した 事項 上で計画してください。 ・ 歩道との境界付近や広場が⾯する建物の出入口付近など、広場の主要な出入口となる部分に は、椅⼦を配置するようにしてください。 設計のポイント ◆歩道境界エリアの利用のされ方 ◆利用者を想定した配置や椅子の種類 歩道境界エリアは 1 人で利用する人が多いと言わ れています。通⾏人を眺めたり、携帯電話を操作 したり、バスの待ち合わせをするなど、使い方を 想定して椅⼦をデザインしましょう。1 人での利 用者には、ちょっとした腰掛や、プライバシーが 保たれる横並びに座れる椅⼦が望まれます。 何名かのグループで利用する人たちは、上図「憩い エリア」のように、歩道から離れた広場の奥側を好 むと言われています。椅⼦を向かい合わせや直角に 並べたり、自由に動かせる椅⼦を配置することで、 グループでの利用に適した環境を創出できます。 ◆歩道付近への椅子の配置 ◆居心地向上のための領域づくり 滞留空間の形態や植栽などのデザインに合わせ て、窪みやコー ナーを上⼿く利 用することで、 居⼼地のよい椅 ⼦の配置が可能 です。 広場の内、歩道との境界付近へ椅⼦を配置すること で、通りすがり の人を滞留空間 へ誘い込むこと ができます。ま た、歩道付近に 滞留する人がい ることで、通り としての活気が 創出されます。 ◆微気候や環境に配慮した椅子の配置 季節ごとに日向や日陰になる場所を予測し、気候条件に合わ せて利用者が快適に座れる場所への椅⼦の配置や、緑陰を感 じられる樹木の配置を検討しましょう。 また、ビル風、騒⾳、粉塵など不快な影響が予想される場所 では、軽減策を検討する必要があります。 42 協議 ・ 椅⼦に座ったときの眺めや座り⼼地を想定し、利用者の居⼼地を高める椅⼦の配置やデザイ 事項 ンとなるように計画しましょう。 設計のポイント ◆椅子からの見通しの確保 樹冠が目線より高い樹木を配置するなど、領域 性の高い囲まれた空間とのバランスを考慮し た上で、椅⼦から眺める対象物への⾒通しを確 保しましょう。 ◆眺めのよい椅子の配置 通⾏人、樹木や街並み、遠景の山並みなどを眺め られるように椅⼦を配置すると、座った人が眺め を楽しむことができます。 また、床の高さを変えたり、座れる段を設けると、 普段とは違った眺めを楽しむことができます。 ◆座る領域の確保 ◆椅子の素材の留意点 歩⾏者の動線上に配置された椅⼦では、座っていても落ち着か ないものです。座った時に背中が背もたれや壁などに守られ、 横にも植栽などが配置 され、座る領域が確保 されていると安⼼して 座ることができます。 舗装材の違いなどによ り、⾜元の領域が歩⾏ 空間と分けられている と、より落ち着いて座 ることができます。 椅⼦は人が触れるものであること を踏まえ、座りやすさを想定して デザインすることが大切です。大 きさだけでなく、素材にも配慮し ましょう。木など暖かみのある材 質や、メンテナンスのしやすい材 質が望まれます。 43 ◎参考例 【広場における椅子の配置・デザイン】 ポイント:多様なニーズに対応したデザインと配置、滞留空間に調和したデザイン、 座りやすい高さや角度・素材 広場を見渡すことが可能で植栽と一体と なった滞留しやすいベンチ オープンカフェと一体となった広場に 自由に動かすことの出来る椅子 広場には多様なデザインの椅子を配置 囲まれ感と高低差のある広場に アクセントカラーが映える椅子を配置 店舗、椅子、植栽をバランスよく配置 植栽と一体となった背もたれのある木製 のロングベンチ 44 d 植栽 整備 ・ 広場の機能や魅⼒の向上のため、⼀般の利用を妨げない範囲で、質の高い充分な植栽を広場 基準 内に積極的に設けましょう。 協議 ・ 広場に設ける植栽は、広場の整備⾯積に対して、原則として緑化率 40%以上を整備してく 事項 ださい※8。なお、緑化率の算出については、別表(P47)の緑化率算定式及び緑化⾯積換算 表(「札幌市緑の保全と創出に関する条例」に定めるものとは異なります。)を用いて⾏うこ ととします。 設計のポイント ◆滞留空間における緑陰づくり 風や日差しを程よく和らげてくれる植栽の配置は、人々 が腰かける場所を選ぶ際の要素のひとつです。日向、緑 陰を感じられる場所、屋根などによる日陰など、滞留空 間として様々な表情をもつ広場は、滞留する場所の選択 ⾏動を促します。 ◆植栽帯や植栽桝のデザイン 植栽帯や植栽桝の⽴ち上がりを腰掛の機能と⼀体とな った椅⼦としてデザインするなど、広場空間の良好なデ ザインのため、多様なしつらえを検討しましょう。 ※8 「札幌市緑の保全と創出に関する条例」に定める緑保全創出地域内における現状変更⾏為の許 可の基準は別途満たす必要があります。 45 コラム ≪広場レイアウトのポイント≫ ◆滞留空間における植栽の効果 国⼟交通省が実施した実証実験から「植栽に近接するイスの方が滞留時間が⻑い」ということが分か りました。 46 別表 [オープンスペースに係る緑化率算定式] 広場における緑化率=緑化⾯積÷広場⾯積×100(%) [緑化⾯積換算表] 〜「札幌市緑の保全と創出に関する条例」に定めるものとは異なります。 自然的要素の種類 単位 係数値 屋内緑化の係数値 高さ 10m以上の樹木 本 25 75 高さ 6m以上 10m未満の樹木 本 10 30 高さ 4m以上 6m未満の樹木 本 8 24 高さ 2m以上 4m未満の樹木 本 5 15 高さ 1m以上 2m未満の樹木 本 1 3 高さ 1m未満の樹木 株 0.5 1.5 生 垣 延長距離(m) 1 3 ツ タ 類 延長距離(m) 1 3 壁面緑化(補助資材を設置するも 補助資材設置部分面積 1 3 の) (㎡) 芝 生 水平投影面積(㎡) 0.5 1.5 池その他これに類するもの 水平投影面積(㎡) 0.5 1.5 花 水平投影面積(㎡) 1 3 庭 石 類 水平投影面積(㎡) 0.2 0.6 その他魅力あるみどりを創出する 協議による 協議による 協議による もの [緑化⾯積の換算方法] 1 緑化⾯積は、表の左欄に掲げる自然的要素の本数、株数、延⻑距離又は⾯積にそれぞれの自然的 要素ごとに表に掲げる係数値を乗じて換算することとします。なお、その単位は平方メートルとし ます。 2 建築物の屋内に設ける自然的要素については、表の右欄に掲げる屋内緑化の係数値を乗じて得た 数値を当該屋内緑化における緑化⾯積として算出することとします。 3 自然的要素の保全と創出を促進するため、原則として地植えのものを緑化⾯積換算の対象とする が、可動式植栽桝による植栽についても、恒久的に魅⼒あるみどりの創出に寄与すると認められる ものに限り、自然的要素の種類に応じて、緑化⾯積換算の対象とするものとします。 4 「札幌市緑の保全と創出に関する条例」に定める緑保全創出地域内における現状変更⾏為の許可 の基準は別途満たす必要があります。なお、広場における緑化⾯積換算表は条例に定めるものとは 異なります。 47 [自然的要素の説明] 樹木 ・樹高30㎝以上の樹木をいいます。 ・樹木の高さは、新たに植栽をする場合は植栽時の高さをいいます。 (本頁下段に規定するシンボルツリーとして植栽する場合を除き ます。) 生垣 ・新植する場合は、樹高 50 ㎝以上で1m当たり3本程度の植栽をす るものをいいます。また、原則として四つ目垣等の垣根で補助し てください。 ・生垣を二重に配置したときは、原則として、二重になっている部 分を生垣ではなく個々の樹木として緑化面積の算出の対象としま す。 ツタ類 ・新植する場合は、壁面の長さに対して1m当たりに1株の植栽を するものをいいます。 壁面緑化 ・壁面緑化については、既に植栽で覆われた部分の面積又は植栽で 覆うための補助資材を設置した部分の面積を1㎡当たり換算面積 1㎡として換算することができます。 芝生 ・張芝、種子吹付、播芝、コケ類をいいます。 池その他これに類するもの ・遊水路を含みます。 花 ・花壇(1年草や宿根草などの草花が植栽されていること、又は草 花が植えられる状態になっていること。)、地被植物(ササ類を含 む。)及び畑をいいます。 ・宿根草及び地被植物の定義はそれぞれ下記のとおりとします。 ・宿根草 :生育後、開花、結実しても枯死せず、植物体の全 体あるいは地下部が残り越冬するもので、周辺地 域との調和が図られる植物。 ・地被植物:一般的な用途として地表面を低く被覆する植物を さし、次の条件のいずれかが含まれるもの。 (ア)植栽時の樹高が 30 ㎝未満の樹木 (イ)流通規格が一般的にポット苗のもの 庭石類 ・庭石、飛び石、敷き石等の自然石(砂利、砕石、砂、インターロ ッキング等は含まない。 )で、植栽と一体となり、庭の一部を構成 している状態のものをいいます。 ・庭石類を敷き詰める場合は、乱張りとし、目地をモルタル等でふ さがないものであり、かつ、駐車場、通路等としての利用がない ものに限ります。 ≪シンボルツリーとして植樹する場合≫ 大径木に育てることを前提として、⼗分な⽣育空間の確保や植栽基盤の確保など、下記の条件を満た せば、⽣育後の樹木の大きさ(高さ6m〜10m)で緑化⾯積に反映させることができます。 ・新植時の髙さが3m以上であること。 ・大きくなる樹種であること。(「緑化の留意点と参考となる事例」に記載の中樹冠・大樹冠となる 高木性の樹種。その他の樹種については応相談。) ・植える樹木を中⼼として半径 2.5m以内に、建築物や工作物、駐⾞桝等の樹木の⽣⻑に差⽀えるもの がなく、良好な植栽基盤も同様に確保すること。 (グランドカバー等は植栽しても問題ありません。) 48 ■広場創出の効果をさらに高める取組■ ⅰ 誘導用途と一体的に機能する広場 a 基本要件 地域交流拠点の主要な路線に⾯して⽣活を⽀える機能やにぎわいを⽣む機能を配置し、これ と⼀体的に機能するよう整備した滞留空間であること。 b 形状・規模等 整備 ・ 特定誘導路線に接する敷地において設ける広場で、誘導用途(運用方針第 3 章 3-2 の別表に 基準 定める用途)に供する部分に⾯して、これと⼀体的に利用できるものとしてください。 ・ 誘導用途に供する部分は、建築物の 1 階部分に設けるものとし、その⾯積は敷地⾯積の 10% 以上としてください。また、原則として特定誘導路線に⾯して設けるものとしてください。 ・ 誘導用途に供する部分の出入口は、広場の機能を高める位置に設けてください。 ・ 建築物 1 階の特定誘導路線に⾯する部分には、住室又は住⼾を設けないでください。なお、 隅切り部も特定誘導路線に⾯する部分とみなします。 協議 ・ 誘導用途に供する部分は、ガラスのファサードとするなど、建物内部の様⼦が歩⾏者から⾒ 事項 えるようなデザインとしましょう。 ・ 誘導用途に供する部分の出入口は、広場に⾯して設けるようにしてください。また、誘導用 途に供する部分が特定誘導路線に⾯している場合には、原則として特定誘導路線に⾯する部 分にも出入口を設けることとします。 ・ 特定誘導路線に⾯していない位置に誘導用途を設ける場合は、特定誘導路線からの視認性が 高く、アクセスしやすい配置としてください。 設計のポイント ◆特定誘導路線に面していない誘導用途の例 ・視認性やアクセス性が高い場合 49 ⅱ 特定誘導路線沿いの広場 a 基本要件 にぎわいの連続を特に積極的に進めるため、特定誘導路線に⾯して整備した、人が集まる場 所としての地域交流拠点の魅⼒を高める滞留空間であること。 b 形状・規模等 整備 ・ 建築物 1 階の特定誘導路線に⾯する部分には、住室又は住⼾を設けないでください。 基準 ・ 路線沿線のにぎわいを分断させず、オープンスペース内での居⼼地を損ねることのないよう、 しつらえてください。 ⅲ 屋外の屋根で覆われた広場 a 基本要件 積雪寒冷地にふさわしい四季を通じて活用ができる滞留空間であること。 b 形状・規模等 整備 ・ ピロティや雪よけの庇等が設けられた空間などの屋根で覆われた広場としてください。 基準 ・ 季節や天候を問わず快適に利用できるしつらえとしてください。 協議 ・ 快適な滞留環境創出のため、天井の高さは 3.0m以上、屋根で覆われた部分の最低幅は 2.0 事項 mとしてください。 ・ 広場の内、⼀部にのみ屋根を設ける場合も有効です。 ・ 広場内に柱を設ける場合には、滞留空間の機能を妨げない位置や大きさとしてください。 設計のポイント ◆維持管理のしやすい屋根 ◆屋根の高さ 屋根は安全性に配慮されたもので、経年変化に 強く、維持管理がしやすいものとすることによ り、天候に左右されない快適な滞留空間を維持 することができます。 屋根の高さは、利用者が感じる空間の広がり感に 影響を与えます。天井の高い印象的な滞留空間と することにより、開放的な環境の創出につながり ます。 50 ⅳ 屋内広場 a 基本要件 積雪寒冷地にふさわしい四季を通じて活用ができる滞留空間であること。 b 形状・規模等 整備 ・ アトリウムなど、屋内に設けられた広場としてください。 基準 ・ 原則として、屋内広場の配置は、道路に⾯する位置に設けるなど、敷地外から容易に視認で きるようにしてください。 ・ 季節や天候を問わず快適に利用できるしつらえとしてください。 ・ 広場の⾯積は、敷地⾯積に関わらず 50 ㎡以上あれば良いこととします。 協議 ・ 快適な滞留環境創出のため、天井の高さは 3.0m以上としてください。 事項 ・ サインによる誘導などにより、誰もが利用できる広場であることが容易に認識できるように、 しつらえましょう。 ・ 広場内に柱を設ける場合には、滞留空間の機能を妨げない位置や大きさとしてください。 ・ 冬期間も暖かく快適に利用できる広場としてください。 設計のポイント ◆屋内広場の位置例 ・道路に⾯する位置に設け、敷地外から容易に視認できる場合 51 ◆吹抜けのある屋内広場 建物の 2 階部分までを吹抜けでつなぐ屋内広 場は、⾯積が⼩さい広場であっても、利用者 が空間を広く感じられるなどのメリットがあ ります。 ◆屋内広場の植栽 屋内に設ける植栽は、⽣育上の観点から、日 照条件や維持管理計画を踏まえた上で、適切 な植栽の種類や基盤を検討しましょう。 ◆屋根の高さ 屋根の高さは、利用者が感じる空間の広がり感に影響 を与えます。天井の高い印象的な滞留空間など、空間 形成の目的に応じたしつらえを検討しましょう。 屋内緑化と滞留空間 52 ⅴ 地下鉄駅等へ接続する建築物内の広場 a 基本要件 地下鉄駅等と接続した建築物内において、移動環境としての魅⼒や利便性を向上させるため に計画する滞留空間であること。 b 形状・規模等 整備 ・ 地下鉄等の駅へ接続するエレベーター等を備えた建築物内に整備してください。 基準 ・ 原則として、広場の配置は地下鉄等の駅へ接続する広く⼀般の用に供する通路に接すること とし、地下鉄等との接続部から広場を容易に視認できるようにしてください。 ・ 季節や天候を問わず快適に利用できるしつらえとしてください。 ・ 建築物と駅との接続の効果を高める位置や形状としてください。 ・ 広場の⾯積は、敷地⾯積に関わらず 50 ㎡以上あれば良いこととします。 協議 ・ 快適な滞留環境創出のため、天井の高さは 3.0m以上としてください。 事項 ・ サインによる誘導などにより、誰もが利用できる広場であることが容易に認識できるようし つらえてください。 ・ 地下鉄駅と接続した建物内の地下階に広場を設ける場合、採光には特に配慮しましょう。 設計のポイント ◆開放的な地下広場 地下と地上とを吹抜けでつなぐ地下広場 は、地上から自然光を取り入れられること や、⾯積が⼩さい広場であっても利用者が 空間を広く感じられることなどが期待でき ます。 ◆駅利用者の利便性を高める広場の配置 地下鉄駅のコンコースやJR駅の空中歩廊 等から直接⾒える位置に広場があると、駅 利用者が休憩や待ち合わせに利用するなど の活用が期待できます。 53 ⅵ 交差点に面する広場 a 基本要件 街角のにぎわいを創出する滞留空間であること。 b 形状・規模等 整備 基準 ・ 街区の角にある敷地の角部分に設けてください。 協議 事項 ・ 原則として接する2⾯の道路の通り抜けができるようにしてください。ただし、広場の使わ ・ 2⾯の道路に接する特性を⽣かした形状やしつらえとしてください。 れ方が想定され、そのしつらえが広場の機能と魅⼒を高める場合はこの限りではありません。 ・ 両方の通りに向けた顔づくりをし、街並みの表情づくりのポイントとして、街角の印象を高 めるしつらえとしてください。 設計のポイント ◆街区の角の活用 交差点に⾯した部分に設けるオープンスペース であることから、多様な活用が期待できます。 例えば、信号待ちの際に滞留するスペースとし て活用できます。また、庇や植栽の配置を工夫 すると、雨避けや日陰が作られ、天候を問わず 快適な待合空間を創出することができます。 ◆見通しの向上 道路の曲がり角をあけることで、双方の道路の ⾒通しが良くなり、街並みの印象が高まります。 通り抜けができる敷地の角部分 54 ⅶ バスなどの待合機能を備えた広場 a 基本要件 交通結節点としての乗継等の利便性を向上させるため、移動環境の向上に寄与する待合空 間を計画するものであること。 b 形状・規模等 整備 基準 ・ バス停留所やタクシー乗り場(以下「停留所等」という)のある歩道に近接して設けてくだ さい。 ・ バスやタクシー等の待合のための機能を備え、必要なベンチを置くなど、待合空間としての 利用に適したものとしてください。 ・ 停留所等から容易に視認できる広場としてください。 ・ 季節や天候を問わず利用できるよう、整備する広場のうち、バス待ち等にふさわしい規模の 屋根又は屋内の部分を確保してください。⼀体として機能すると認められた広場全体を、待 合機能を備えた広場とみなします。 ・ 広場の⾯積は、敷地⾯積に関わらず 50 ㎡以上あれば良いこととします。 協議 ・ 快適な待合環境創出のため、屋根で覆われた部分の最低幅は、2.0mとしてください。 事項 ・ 停留所等へ安全かつ円滑に移動できるよう、動線上の障害等が無いようにしつらえてくださ い。 ・ 停留所等の利用状況に応じて、ベンチの数や配置、時刻表の設置などを検討しましょう。 55 2.3.オープンスペースの維持管理及び活用に関する基準 3.オープンスペースの維持管理及び活用に関する基準 以下に示す維持管理基準等は、前頁まで示した整備基準等に加えて、全てのオープンスペース に適用するものです。 維持管理基準 ・ 維持管理責任者は、誰もが快適にオープンスペースを利用できる状態を保ってください。 ・ オープンスペースが継続的に活用されるよう、維持管理計画を作成し、適切な維持管理を⾏ ってください。 ・ 維持管理の責任者を明記した標示板を設置してください。ただし、他の法令等に基づき設置 する標示板等があるときは、他の法令等の規定で併用が禁⽌されている場合を除き、それら を併用することができます。 ・ 歩⾏空間を整備する場合には、冬期間であっても歩⾏空間としての機能を保つため、ロード ヒーティングの敷設又は除雪による管理を⾏ってください。 協議 事項 ・ 維持管理方法検討の際には、将来的にも質の高いオープンスペースが保全されるよう、工作 物や植栽等の維持管理の体制や、将来的な修繕・更新の⼿法や費用について検討してくださ い。 ・ 標示板は、第 2 章の「オープンスペース標示サイン」及び他の法令等に基づき設置するもの と併用することができます。 ・ 工作物や柵・チェーン等の配置による⽴ち入り制限、駐⾞場・駐輪場(あらかじめ整備され たものを除く。)としての利用などが⾏われないようにしてください。 ・ オープンスペースの開放時間は、終日を原則としますが、屋内に整備する場合や維持管理上 やむを得ないと認められる場合には深夜等に閉鎖することができます。 ・ 椅⼦や照明器具等の工作物は良好な状態に保ち、破損・紛失した場合は速やかに修理・補完 を⾏ってください。 ・ 植栽は⼿入れを適切に⾏い、豊かなみどりの維持・保全を⾏ってください。 ・ 利用されるオープンスペースであることは、良好な維持管理につながります。日常的な利用 に留まらず、イベントなど⼀時的な利用についても積極的に検討しましょう。また、継続的 にソフト事業を実施できる体制や仕組みづくりも重要です。 ・ ⼀時占用の際に、⼀般の人の利用を妨げることのないようにしてください。 設計のポイント ◆イベント実施等による活用 ◆速やかな補修の効果 オープンスペースの多⾯的な利用や活用を促す、 イベントなどのソフト事業の実施は、オープンス ペースの魅⼒を高めることにつながります。 工作物の破損や落書き、植栽の枯損などを放置 することなく、速やかな原状回復を⾏うことで、 更なる質の低下を防ぐことができます。 56 札幌市まちづくり政策局都市計画部地域計画課 〒060-8611 札幌市中央区北1条西2丁目 TEL 011-211-2545 FAX 011-218-5113 URL http://www.city.sapporo.jp/keikaku/kyoten.html さっぽろ市 01-B03-16-2086 28-1-163
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