昭和44年11月28日 第三種郵便物認可 日刊(祭日・土日休刊) 平成29年1月25日(水) 12609号 加古川製鉄所第6号連続鋳造工場・2分塊新ラインの竣工式を実施 上工程集約に備えた新設備の建設工事が無事完了 神戸製鋼 神戸製鋼は、加古川製鉄所で第6号連続鋳造工場の 建設工事、および第2分塊工場の増強工事が完了し、 21日に竣工式を実施したと発表。竣工式には、施工会 社や関係協力会社など約220人が出席し、同社からは 尾上善則副社長、柴田耕一朗専務・加古川製鉄所長、 宮崎庄司執行役員・神戸製鉄所長らが出席した。 式典では、同社を代表して尾上副社長が「神戸製鉄 所の伝統と技術を加古川製鉄所で発展させ、これから さらに良い鋼材を造って参りたい」と挨拶した。同社 は、さらなる競争力強化を目的に、2017年10月末に 神戸製鉄所の上工程設備(高炉~連続鋳造)を休止 し、上工程を加古川製鉄所に集約予定。上工程集約に 向け た総投資額 は約655億 円、集約 効果額は年間 約 150億円を見込んでいる。今回、竣工式を実施した両 設備への投資はその一環で、両設備の完成により上工 程集約に向けた設備面での準備が整ったことになる。 今後は、品質確認及び需要家のアプルーバル取得作業 を進め、来る2017年11月に向けて準備を進めていく 考えだ。 第6号連続鋳造工場:▶設備の役割:溶けた鋼を鋳造 してブルーム(線材・条鋼向けの半製品)にする▶投 資内容:中断面ブルーム連続鋳造機一式新設▶設備仕 様 :5ス ト ラ ン ド、鋳 片 サ イ ズ(幅430mm、厚 300mm)は神戸製鉄所と同一。 既存の大断面ブルーム連鋳機に加えて新たに中断面 竣工式の様子 始動の儀で第6号連続鋳造機の始動を合図する尾上副社長 ブルーム連鋳機が備わり、顧客の厳しい要求品質にも 対応できる。また、中断面ブルーム連鋳機の建設に際 しては、神戸製鉄所で永年培った技術の粋を余すこと なく受け継いだという。 第2分塊工場:▶設備の役割:ブルームを圧延して線 材工場・棒鋼工場の素材であるビレットに加工する▶ 投資内容:圧延前にブルームを加熱する炉を1→2基へ 増強し、世界最大級の生産能力を持つ分塊工場に。 (1) (2) 日刊金属 平成29年1月25日(水) (第三種郵便物認可) マレーシア ペトロナスLNG9社 商業生産開始 JXエネルギー JXエネルギー(杉森務社長)は、同社がマレーシアで資本 参画しているPETRONAS LNG 9 SDN.BHD.(「ペトロナス LNG9社」)が1月から商業生産を開始したと発表。 同件は、マレーシアLNGティガ社に次ぐLNGプロジェクト であり、昨年6月、同社はマレーシア国営石油会社PETROLIAM NASIONAL BERHAD(「ペトロナス」)の子会社で あるペトロナスLNG9社の発行済み株式の10%を取得。今後、ペトロナスLNG9社は長期にわたって安全かつ安定的に LNGを生産していく。また、同商業生産開始により、ペトロナスLNG9社を含むペトロナスLNGコンプレックス全体 のLNG生産能力は約3000万トン/年に強化される。 調達部を設置 JX金属 JX金属(大井滋社長)は、JXプロキュアメント(以 下、JXPC)を吸収合併し、2017年4月1日付で、本社 技術本部内に「調達部」を設置すると発表した。 これまで同社グループにおける購買業務は、JXPC に業務委託していたが、今後は調達部による、より効 率的な操業資材および設備資材の調達を通じて、事業 所の安定操業、操業停止リスク低減等に貢献していく 考えだ。また、技術本部設備技術部との連携の強化を 図るとともに、同社が取り組む技術テーマに開発購買 の観点から積極的に携わることで同社がめざす「技術 立脚型事業」を展開していく意向だ。 トヨタ自動車株式を追加取得 住友金属鉱山 住友金属鉱山(東京都、中里佳明社長)はこのほ ど、トヨタ自動車の株式を追加取得した、と発表し た。これにより、同社が保有するトヨタ自動車の保有 株数は548万2500 株(保有割合 0.166%)となった。 同社は、事業戦略を進める上で、事業基盤の強化に 繋がると判断され、かつ、相手先が同社の事業および その戦略を理解し、中・長期に相応の同社株式を保有 することが期待できると判断した場合に限定し有価証 券を取得することを基本方針としている。 トヨタ自動車は、環境自動車のさらなる市場拡大が 見込まれる中、世界の先頭を切って開発・生産を進め ており、同社は、トヨタ自動車に対してこれらに搭載 される二次電池の正極材を供給している。同社は、電 池事業におけるトヨタ自動車との関係をさらに強固な ものとするため、2012年、2013年と2度にわたって株 式取得を実施してきた。 同社は、長期ビジョンとして「世界の非鉄リーダー &日本のエクセレントカンパニー」 を掲げ、資源、製 錬、材料の3つのコアビジネスで成長戦略を推進して いる。材料事業の分野では、とくに成長が見込まれる 二次電池正極材料を柱としてその拡大に注力してお り、有力な需要家であるトヨタ自動車との戦略的関係 を一層強化することが重要であると判断し、今回株式 を追加取得した。 平成29年1月25日(水) 日刊金属 (第三種郵便物認可) (3) 高 容 量 リ チ ウ ムイ オ ン 電池 用 ク ラ ッ ド 集電 箔 を 開発 日 立 金 属 ネ オ マテ リ ア ル 日立金属ネオマテリアルは、高容量リチウ ムイオン電池用クラッド集電箔を開発した、 と発表した。すでに公的研究機関や電池メー カーにおいても良好な電池特性が得られてい るという。2019年頃の量産を予定している。 リチウムイオン電池は、エネルギー密度が 高く、小型軽量という特長があるため、携帯 機器をはじめハイブリッド自動車や電気自動 車など幅広い分野で使われており、今後も大 きな成長が見込まれている。電気自動車で は、航続距離アップのため、リチウムイオン 電池のさらなる高容量化が求められている。 高容量化の手段の一つとして、負極活物質に 従来の炭素系材料と比べて充放電容量の大き いケイ素(Si)などの合金系材料を用いる方 法がある。一方、合金系材料は、炭素系材料 と比べ充放電時の体積変化が大きく、充放電 を繰り返すと集電箔に大きな力が加わるた め、シワ状に変形し活物質層にクラックが入 り、リチウムイオン電池の寿命が短くなる問 題があった。このため、充放電時の体積変化 高容量リチウムイオン電池用クラッド集電箔(上段左)、高容量リチウムイ オン電池用クラッド集電箔の断面写真(上段右)、リチウムイオン電池の構 に耐えられる強度の高い集電箔が求められて 造のイメージ図(下段) いる。 今回、同社が開発した高容量リチウムイオン電池用 れる電解銅箔や圧延銅箔に比べ、高い引張強度を持っ クラッド集電箔は、芯材を強度と圧延加工性に優れる ており、負極活物質に合金系材料を用いた際の体積変 Ni-Nb合金とし、表層材に低電気抵抗のCu(銅)を用 化に耐えられることから、リチウムイオン電池の高容 いた三層クラッド材。Ni(ニッケル)に5%程度のNb 量化に貢献できる。 (ニオブ)を添加することで高い引張強度を発現し、 今後、同社では、クラッド材をはじめとする電池用 Cuとクラッドすることにより低い電気抵抗を兼ね備え 材料事業の強化・拡大を中心とする成長戦略の実行に ることができる。また、一般的な負極集電箔に用いら より、2021年度までに売上360億円をめざす。 メキシコ:El Boleo多金属プロ ジ ェ ク ト の2016年 生 産 量、当 初計画を大きく下回る 2017年1月13日付け業界紙によると、Baja California Sur州のEl Boleo多金属プロジェクト(加Baja Mining 70%、韓国企業団30%の権益保有)の2016年 カソード銅生産量は14,284tとなり、2015年の生産量 を 上 回 る も 当 初 計 画22,574tを 大 き く 下 回 る 結 果 と なった。 同鉱山は、これまで資金繰り、操業プロセス等にお いて多くの問題を抱えており、2016年の生産量が計画 を下回った要因としては、ハリケーンNewtonによる 予期しない処理プラント停止、品位が予想を下回った こと等が上げられる。また、同鉱山では、コバルトと 硫酸亜鉛の商業生産も開始しており、2016年の生産量 はコバルトが419t、硫酸亜鉛が1,444tとなった。2017 年の生産計画では、カソード銅生産量を2016年比2倍 増となる30,000tと予測している。また、2017年の投 資額は45百万US$と見込んでおり、採掘機械の新規購 入、尾鉱(ズリ)管理施設拡張等をメインとするして いる。 メ キ シ コ :Orex Minerals社、Canasil Resources社とJV契約を締結 2017年1月16日付け業界紙によると、Orex Minerals社は、オプション権を行使しCanasil Resources社 とJV契約を締結したことを明らかにした。これによ り、Orex Minerals社は、Durango州Sandra Escobar 金プロジェクト(6,976ha)の55%の権益を保有する こととなる。 契 約 で は、Orex Minerals社 は、契 約 署 名 時 に 500,000C$をCanasil Resources社に支払い、同プロ ジェクトの探鉱・開発費として2百万US$以上を出資 することとなる。なお、探鉱費用は、各社の権益比率 に応じ支払う。 また、契約では、Orex Minerals社は、今後2年以内 に500,000C$をCanasil Resources社に支払い、2百万 US$の追加投資を行った場合、同プロジェクトの10% 権益をさらに取得することができる。 (4) 日刊金属 平成29年1月25日(水) (第三種郵便物認可) 錫建値は100円引き下げの3,750円 月内建値平均は3,840円 三 菱 マ テ リ ア ル は24日、高 純 度 錫 地 金 (99.99%= フォーナイン)の販売価格を100円引き下げの3,750円 と 発 表、同 日 よ り 適 用 し た。月 内 建 値 平 均 は3,840 円。直近6か月の価格推移は次の通り(円/キロ、カッ コ内は平均)。 2016年 □8月 3,250(1) 3300(25) 平均3,260 市中は閑散様子見続く 相場の地合い好転を為替が相殺 24日入電の海外相場は、LME銅相場のセツルメント で前週末比69.00ドル高の5,775.00ドルと反発。前週 末 のLME銅 のセ ツル メン ト は5,706.00ド ルだ った。 カーブ取引は5,794.00ドル~5,795.00ドルで、前週末 比46.00ドル高。直物後場買値は前週末比4.00ドル安 の5,780.00ド ル、前 日 は5,784.00ド ル だ っ た。NYC (ニューヨーク商品取引所)銅相場は1限月で前週末 の261.70セ ン ト よ り2.25セ ン ト 高 の263.95セ ン ト。 SHFE(上海先物取引所)の銅相場(2月限)は前週末 の4万6,340元より440元高の4万6,780元。LME公認倉 庫の銅在庫は、ほぼ横ばいのおよそ27万5,000トン。 24日の東京為替市場のTTSは前日比1.18円の円高 ド ル 安 で1ド ル が113.78円。NYカ ー ブLME先 物 比 は 8.50ドル高。この日入電の海外相場と同日の東京外国 為替市場米ドルTTSから計算した国内採算値は、前日 より2,000円高の69万7,000円。この日、電気銅建値は 69万円に据え置かれた。 為替動向 週明け23日のロンドン外国為替市場で円相場は大幅 に続伸。前週末20日の16時と比べ2.10円の円高ドル 安、1ドルが112.90円~113.00円で取引された。20日 □9月 □10月 □11月 □12月 2017年 □1月 3,350(1)3,450(8) 3400(16) 3,500(17) 3,600(1) 3,800(1) 3,900(19) 平均3,400 平均3,480 平均3,600 平均3,850 3,900(1) 3,850(16) 3,750(24)平均3,840 のトランプ米新大統領就任演説は大方の懸念通り保護 貿易色が強かったことから、ドルが主要通貨に対して 売られた。 23日のニューヨーク外国為替市場でも円相場は大き く続伸した。前週末比1.95円の円高ドル安、1ドル が112.65円~112.75円で取引された。トランプ新政権 の通商政策が保護主義に傾き景気を押し下げるとの警 戒感から、主要通貨に対してドル売りが優勢となっ た。トランプ大統領は23日、TPP(環太平洋経済連携 協定)離脱の大統領令に署名、NAFTA(北米自由貿易 協定)の再交渉も近く始める見通しで、新政権の保護 主義的な政策への警戒と先行きの不透明感からドルを 売る動きに拍車が掛かった。 24日午前の東京外国為替市場で円相場は伸び悩んで いた。10時時点で前日17時に比べ0.65円の円高ドル 安、1ドルが112.80円~112.83円の水準で推移。日経 平均など株価の底堅い推移が円の上値を重くした側面 もある。 2017年1月16日~20日(現地) 平成29年1月25日(水) 日刊金属 (第三種郵便物認可) (5) LME銅公式値は反発 COMEX銅も続伸 LME非鉄は錫を除き全面高 錫は3営業日の続落 アルミは3営業日の続伸で3.5%~3.8%高 非鉄相場は概ねドル安に好感も先行き懸念消えず 24日入電の海外相場は、銅の直物がLME(ロンドン 金属取引所)の公式値ベースで、前週末の5,705.75ド ルより68.75ドル高の5,774.50ドル。3か月物は前週 末 の5,732.50ド ル よ り61.50ド ル 高 の5,794.00ド ル。 LME公認在庫銅は、前週末よりほぼ横ばい、およそ27 万5,000トン。 COMEX(ニューヨーク商品取 引所)銅相場(1月 限)は、前 週 末 比 で2.25セ ン ト 高 の263.95セ ン ト。 カーブ取引は前週末比46.00ドル高の5,794.00ドル~ 5,795.00ドル。SHFE(上海先物取引所)の銅相場(2 月限)は前週末の4万6,340元より440元高の4万6,780 元。 錫は3営業日の続落 およそ6%の下落で2万ドルの大 台割れ LME錫相場の直物は、前週末の2万0,187.50ドル より325.00ドル安の1万9,862.50ドル。3か月物も前 週 末 の2万0,175.00ド ル よ り237.50ド ル 安 の1万 9,937.50ドル。直近の3営業日で直物、3か月物共に 約6%の下落、およそ3か月ぶりに2万ドルの大台を割 り込んだ。 鉛は反発 LME鉛相場の直物は、前週末の2,308.75ドルより 41.50ド ル 高 の2,350.25ド ル。3 か 月 物 も 前 週 末 の 2,298.00ドルより37.50ドル高の2,335.50ドル。 亜鉛も反発 LME亜鉛相場の直物は、前週末の2,736.25ドルよ り45.50ドル高の2,781.75ドル。3か月物も前週末の 2,746.50ドルより52.25ドル高の2,798.75ドル。 アルミ、アルミ合金、北米特殊アルミ合金も続伸 LMEアルミ相場の直物は前週末の1,838.75ドルよ り30.25ドル高の1,869.00ドル。3か月物も前週末の 1,832.50ドルより29.50ドル高の1,862.00ドル。LMEア ル ミ 合 金 相 場 の 直 物 は 前 週 末 の1,595.00ド ル よ り 10.00ド ル 高 の1,605.00ド ル。3か 月 物 も 前 週 末 の 1,610.00ドルより10.00ドル高の1,620.00ドル。 LME北 米 特 殊 ア ル ミ 合 金 相 場 の 直 物 は 前 週 末 の 1,750.00ドルより27.00ドル高の1,777.00ドル。3か月 物も前週末の1,770.00ドルより27.50ドル高の1,797.50 ドル。アルミのLME公式在庫は、前週末のおよそ229 万9,000トンより約9,000トン減の229万トン。 ニッケルは5営業日ぶりに反発 LMEニッケル相場の直物は前週末の9,732.50ドル より35.00ドル高の9,767.50ドル。3か月物も前週末 の9,795.00ドルより30.00ドル高の9,825.00ドル。 2017年1月16日~20日(現地) (6) 平成29年1月25日(水) 日刊金属 (第三種郵便物認可) 平成29年1月25日(水) 日刊金属 (第三種郵便物認可) (7) (8) 平成29年1月25日(水) 日刊金属 (第三種郵便物認可)
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