日本郵政株式に係る審査要領について

資料2
日本郵政株式に係る審査要領について
平成29年1月16日
財務省理財局
郵政民営化の経緯
2005(平成17)年10月14日
「郵政民営化法」成立
2007(平成19)年10月1日
「郵政民営化法」施行
2011(平成23)年11月30日
「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」(以下、
復興財源確保法)成立
2011(平成23)年12月2日
「復興財源確保法」施行
2012(平成24)年4月27日
「改正郵政民営化法」成立
2012(平成24)年10月1日
「改正郵政民営化法」施行
2013(平成25)年1月29日
復興推進会議において日本郵政株式の売却収入4兆円程度を復興財源に充当することを決定
2014(平成26)年4月14日
「日本郵政株式会社の株式の処分について」を財政制度等審議会に諮問
2014(平成26)年6月5日
「日本郵政株式会社の株式の処分について」を財政制度等審議会から財務大臣に答申
2014(平成26)年8月4日∼6日
日本郵政株式会社株式の新規公開に係る主幹事証券会社審査要領を財政制度等審議会に報告
2014(平成26)年8月7日
日本郵政株式会社株式の新規公開に係る主幹事証券会社の選定開始
2014(平成26)年10月1日
日本郵政株式会社株式の新規公開に係る主幹事証券会社の決定
2014(平成26)年12月26日
日本郵政株式会社が「日本郵政グループ3社の株式上場について」を公表
2015(平成27)年4月1日
日本郵政株式会社が「日本郵政グループ中期経営計画」を公表
2015(平成27)年9月10日
財務省、日本郵政株式会社から日本郵政グループ3社の上場をローンチ(上場に向けた手続き開始を公表)
2015(平成27)年11月4日
日本郵政グループ3社上場
1
日本郵政グループについて
政府
●郵政民営化法
第七条 政府が保有する日本郵政株式会社の株式がその発行済株式の総数に占める割合は、できる限り早期に減ずるものとする。ただし、その割
合は、常時、三分の一を超えているものとする。
●日本郵政株式会社法
附則第三条 政府は、その保有する会社の株式(第二条に規定する発行済株式をいい、同条の規定により保有していなければならない発行済株式
を除く。)については、できる限り早期に処分するものとする。
日本郵政
●日本郵政株式会社法
第六条 会社は、常時、日本郵便株式会社の
発行済株式の総数を保有していなければな
らない。
日本郵便
●郵政民営化法
第七条 (略)
2 日本郵政株式会社が保有する郵便貯金銀行及び郵便保険会社の株式は、その全部を
処分することを目指し、郵便貯金銀行及び郵便保険会社の経営状況、次条に規定する責
務(注:ユニバーサルサービス責務)の履行への影響等を勘案しつつ、できる限り早期に、
処分するものとする。
ゆうちょ銀行
かんぽ生命
●復興財源確保法
第七十二条 (略)
3 次に掲げる株式の処分により平成三十四年度までに生じた収入は、償還費用の財源に充てるものとする。
四 第五条の二及び特別会計法附則第十二条の二の規定により国債整理基金特別会計に所属替をした日本郵政株式会社の株式
附則
第十四条 政府は、前条第一項各号に掲げる措置のほか、租税収入以外の収入による償還費用の財源を確保するため、日本郵政株式会社の株式
(日本郵政株式会社法(平成十七年法律第九十八号)第二条の規定により政府が保有していなければならない株式を除く。)について、日本郵政
株式会社の経営の状況、収益の見通しその他の事情を勘案しつつ処分の在り方を検討し、その結果に基づいて、できる限り早期に処分するものと 2
する。
附帯決議
●郵政民営化法等の一部を改正する等の法律案に対する附帯決議(抄)
(平成24年4月26日 参議院総務委員会)
政府は、本法の施行に当たり、次の事項についてその実現に努めるべきである。
二、金融二社の株式について、その全部を処分することを目指し、金融二社の経営状況、ユニバーサルサービスの確保
に係る責務の履行への影響等を勘案しつつ、できる限り早期に、処分するものとするとの規定に基づき、日本郵政株
式会社がその処分に向けた具体的な説明責任を果たすこととなるよう努めること。また、日本郵政株式会社の株式も
含め、これらの株式が国民全体の財産であることに鑑み、その処分に当たっては、ユニバーサルサービスの確保に
配慮しつつ、可能な限り株式が特定の個人・法人へ集中することなく、広く国民が所有できるよう努めること。
右決議する。
3
日本郵政グループの上場について
○ 平成27(2015年)年9月10日、政府が日本郵政株式、日本郵政が金融2社(ゆうちょ銀行・かんぽ生命)株式を
ローンチし、11月4日、3社株式が東京証券取引所に上場(①)
⇒政府は、日本郵政株式の売却収入を復興財源に充当(②)
⇒日本郵政は、金融2社株式の売却収入を政府保有の自己株式の取得に活用し、復興財源に充当(③)
(注)日本郵政は、金融2社株式の売却収入を、日本郵政の企業価値及び株式価値の維持・向上に活用
復興財源
② 売却収入
6,808億円
7,302億円
11.0%
8.5%
政
府
⇒約1.4兆円
1/3超保有義務(法定)
① 売出し
日本郵政株式
日本郵政
【売出価格】
1,400円
【売却収入】
6,808億円
【売出価格を基にした
時価総額】
6兆3,000億円
(ブックビルディング方式)
一般株主
③ 自己株式の取得(12月3日) ※前日終値(1,907円)で取引
・売却収入 ※8億円は政府以外の一般株主が取得
③ 売却収入
7,310億円
日 本 郵 政
11.0%
ゆうちょ銀行株式
11.0%
かんぽ生命株式
① 売出し
(ブックビルディング方式)
まずは保有割合50%程度となるまで段階的に売却
日本郵便株式(100%保有義務(法定))
ゆうちょ銀行
【売出価格】
1,450円
【売却収入】
5,882億円
【売出価格を基にした
時価総額】
5兆4,367億円
かんぽ生命
【売出価格】
2,200円
【売却収入】
1,428億円
【売出価格を基にした
時価総額】
1兆3,200億円
●郵政民営化法
第七条 政府が保有する日本郵政株式会社の株式がその発行済株式の総数に占める割合は、できる限り早期に減ずるものとする。ただし、その割合は、常時、三分
の一を超えているものとする。
2 日本郵政株式会社が保有する郵便貯金銀行及び郵便保険会社の株式は、その全部を処分することを目指し、郵便貯金銀行及び郵便保険会社の経営状況、次条 4
に規定する責務(注:ユニバーサルサービス責務)の履行への影響等を勘案しつつ、できる限り早期に、処分するものとする。
※ 株価は、各日の終値ベース
29年1月
28年12月
28年11月
28年10月
28年9月
28年8月
28年7月
28年6月
28年5月
28年4月
28年3月
28年2月
28年1月
27年12月
2,200
27年11月
日本郵政株式の株価推移
( 円)
2,000
1,800
1,600
1,400
1,200
1,000
5
日本郵政グループ3社株式の株価推移(指数)
180
日本郵政(売出価格1,400円)
ゆうちょ銀行(売出価格1,450円)
160
かんぽ生命(売出価格2,200円)
日経平均
140
120
100
80
(注1)日本郵政グループ3社の売出価格を各々100として指数化
日経平均は、3社の上場日である27年11月4日の始値(18,941円)を100として指数化
(注2)株価は、各日の終値ベース
29年1月
28年12月
28年11月
28年10月
28年9月
28年8月
28年7月
28年6月
28年5月
28年4月
28年3月
28年2月
28年1月
27年12月
27年11月
60
6
日本郵政株式会社の株式の処分について
(平成26年6月5日 財政制度等審議会 答申)(抜粋)
主な内容
3.売却実施に当たり留意すべき事項
・第二次売却以降では市場価格が形成されているが、その際、過去の政府保有株式売却や一般企業の時価発行
増資の場合と同様に、市場価格を基準価格としてそれを若干割り引いた価格を売却価格とすることは差し支
えない。
5.主幹事証券会社の選定について
・選定に当たっては、主幹事証券会社には様々な役割があることに鑑み、国内証券会社はもとより外国証券会
社を含む多くの証券会社を対象に、過去の実績等の定量的要素と、売出しに関する提案の内容等定性的な要
素の両者を勘案。
・証券会社の引受け能力等を総合的に判断し、公平・公正に選定する必要。
・最終的な主幹事証券会社の選定に当たっては、書類審査における評点と口頭審査における評点の両者を総合
的に勘案した上で、最もふさわしい社を選定することが適当。
・選定する主幹事証券会社の数、引受団の編成等については、基本的には、売却時における市場環境、日本郵
政株式売出しを巡る状況、その時点における市場慣行を踏まえ適切に判断すべき。
・売出しにおいて、国内証券会社たる主幹事と外国証券会社たる主幹事との果たすべき役割の相違に鑑み、国
内証券会社と外国証券会社とで評価すべき項目に若干の差異を設けることは差し支えない。
・書類審査においては、以下の項目を基準とすることが適当。
E 日本郵政株式への取組みについての実績(新規公開時を除く)
(A)日本郵政株式の取扱い実績・保護預り株式数
7
主幹事証券会社について
売出人(財務省)
幹事
主幹事
グローバルコーディネーター
グローバルコーディネーター
国内日系
国内トランシェ
外資系
海外
グローバルコーディネーター
・
ディール全体を束ねる役割
・
全体的な作業の運営、販売戦略の検討・提案、
スケジュールの管理
・
両トランシェの需要結果を踏まえて、全体の配分を
検討・提案
海外トランシェ
国内/海外ブックランナー
国内ブックランナー
国内引受団証券会社
海外ブックランナー
海外引受団証券会社
・
各トランシェにおいて、計画通りの販売を達成するため
に引受団を運営
・
投資家の購入需要・購入希望価格等を調査・集計
・
各トランシェ内での配分権限を有する
→ 国内リテール投資家
引受団メンバー ごとに 配分を決定
→ 国内/海外機関投資家
個別投資家ごとに 配分を決定
8
日本郵政株式会社株式の売出しに係る主幹事証券会社審査要領
(注) この文書は、日本国内におけるいかなる有価証券の売付けの申込み又は買付けの申込みの勧誘(以下、「勧誘行為」という。)を構成するものでも、勧誘行為を行うため
のものでもありません。日本郵政株式の実際の売却を行う際には、金融商品取引法等の関連法令上必要な手続に従って、これを行うこととなります。また、この文書は、米国
における証券の募集を構成するものではありません。上述の証券は1933年米国証券法に従って登録がなされたものでも、また今後登録がなされるものでもなく、1933年米国
証券法に基づいて証券の登録を行い、又は登録の免除を受ける場合を除き、米国において証券の募集又は販売を行うことは許されません。
財務省理財局
9
日本郵政株式会社株式の売出しに係る主幹事証券会社審査要領
1.基本方針
(1) 国内区分応募会社から4社程度、海外区分応募会社から2社程度を主幹事証券会社(グローバルコーディネー
ター及びブックランナー)として選定することを基本とする。
(2) 書類審査の段階で、口頭審査の対象とする証券会社を、国内区分応募会社及び海外区分応募会社4∼6社程度
に絞り込む。
(3) 平成26年6月5日財政制度等審議会答申「日本郵政株式会社の株式の処分について」5.(2)ロ(ハ)欠格条項に該
当する社を除外する。
2.書類審査
(1) 項目毎の評点の割り振りは国内区分応募会社及び海外区分応募会社のグループ毎に以下のとおりとし、各項目
の下の小項目に更に評点を割り振る。
国内区分応募会社
海外区分応募会社
・民営化陸運(郵便又は宅配便事業を営む会社に限る。以下同
じ)、銀行及び保険案件における主幹事等の実績
・上記以外の民営化案件における主幹事等の実績
5
5
5
10
・非民営化陸運、銀行及び保険案件における主幹事等の実績
5
5
・日本株式案件における主幹事等の実績
10
10
・日本郵政株式への取組みについての実績
5
5
・その他国内及び海外における販売力等を示す指標
10
5
(2) 評点については、小項目毎に、(国内区分・海外区分それぞれのグループ内で)1位の社を満点とし、2位以下の
社は、各小項目に係る計数の1位の社の計数に対する比率で換算し、小数第2位を四捨五入する。
(3) 各項目(小項目)の評点を合計した数値を書類審査における合計評点とする。
10
日本郵政株式会社株式の売出しに係る主幹事証券会社審査要領
3.口頭審査
(1) 評定者は、理財局次長(国有財産担当)、国有財産企画課長及び政府出資室長の3名とする。
(2) 項目毎の評点の割り振りは次のとおりとする。
国内・海外区分応募会社
・日本郵政株式に関する調査・分析の内容等
20
・引受団の編成等についての考え方
20
・売出日程についての考え方
20
・日本郵政株式の販売戦略
30
・投資需要の見込み方
20
・需要積み上げの方法等
20
・手数料の水準等
30
・内部体制
30
・その他引受姿勢等
10
(3) 項目毎にいくつかのチェックポイントを設け、チェックポイント毎に評点を割り振る。
(4) 各項目の評点を合計し、各評定者による当該合計値を平均した数値を口頭審査における合計評点とする。
4.総合評価
(1) 書類審査の合計評点(40点満点)と口頭審査の合計評点(200点満点)とを単純合算したものを総合評点(240点
満点)とする。
(2) 原則として、国内区分応募会社及び海外区分応募会社の中でそれぞれ総合評点の順位に基づき主幹事証券会
社とする。
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