2017年度 須磨学園中学校入学試験 国 語 第 2 回 (注 意) 解答用紙は、この問題冊子の中央にはさんであります。まず、解答用紙を取り出して、 受験番号と氏名を記入しなさい。 1.すべての問題を解答しなさい。 2.解答はすべて解答用紙に記入しなさい。 3.字数制限のある問題については、記号、句読点も1字と数えること。 4.試験終了後、解答用紙のみ提出し、問題冊子は持ち帰りなさい。 ※この紙は再生紙・大豆インクを使用しています。 一 次の各問いに答えなさい。 こと こと こ と 問一 次の語句を国語辞典に登場する語順に並び替えて番号で 答えなさい。 ごと 1 毎 2 言 3 事 4 古都 問二 次の「泣く」様子を表す語句のうち、最も程度がはなは だしいものを一つ選び、番号で答えなさい。 1 しくしくと 2 よよと 3 さめざめと 4 ぽろぽろと 問三 次のア~ウの各文は、 「悲しむ」場面をあらわしたもので す。その場面に最もふさわしい語句を、次の1~4の選 択肢の中からそれぞれ一つずつ選び、番号で答えなさい。 ア 偉人として、死後には多くの人々に惜しまれた。 友達に心ない言葉を言ってしまった。 イ 世界の飢えた子どもの写真を見た。 ウ あいとう つぶ 1 心が痛む 2 哀悼する 3 切ない 4 胸が潰れる 問四 次の①~③の意味に共通して推測される漢字一字を答え なさい。 ① あたる ② 二つのものの間 ③ なか・うち 問五 次のア~ウの各文で、敬語の使い方として、適切な文は 「○」 、不適切なところがある文は「×」と答えなさい。 ア 先生の本を拝読いたしました。 イ 了解しました。すぐにお持ちします。 ウ 少々お待ちください。母と電話を代わります。 すいさい が 問六 次の文章に過不足なく句読点を付けなさい。 しゅうさくあつか 小学校では見かねた父親が勝手に水彩画を代作しそれ が学校で秀作扱いされて困ったこともある (朝日新聞「天声人語」八月二十六日) ─1─ ─2─ 二 次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。 しんちょう注 こうきゅう き 難を少なくするかを慎重に攻究することであろうと思われ こうさく る。それには問題の吊橋のどの鋼索のどの辺が第一に断れて、 【 ② 】、どういう順序で他の部分が破壊したかという事故の れっしん えば三年半に一回のワリである。それが五年も休止状態にあっ いかと思われるのである。 て次の設計の改善に資するのが何よりも一番大切なことではな すで 烈震の多い土地で二十世紀になってからで 台湾は昔から相当 たのであるから、そろそろまた一つくらいはかなりなのが台湾 【 ③ 】多くの場合に、責任者に対する咎め立て、それに エ 物的経過を災害の現場について詳しく調べ、その結果を参考し 中のどこかに襲ってきても大した不思議はないのであって、そ 対する責任者の一応の弁解、ないしは引責というだけでその問 注 のくらいの予言ならば何も学者を待たずとも出来たわけであ d 題が完全に落着したような気がして、一番大切な物的調査によ 注 る。しかし今度襲われる地方がどの地方でそれが何月何日頃に がいねん とが まい ご る後難の軽減というガンモクが忘れられるのが通例のようであ オ 当るであろうということを的確に予知することは今の地震学で はなは る。 こ れ で は ま る で 責 任 と い う も の の 概 念 が ど こ か へ 迷 児 に とうてい でい は到底不可能であるので、そのおかげで台湾島民は烈震が来れ つぶ なってしまうようである。甚だしい場合になると、なるべくい 注 ば必ず潰れて、潰れれば圧死する確率の極めて大きいような泥 そうとく ふ わゆる「責任者」を出さないように、つまり誰にも咎を負わさ ど 注2 かこうりょく よ せないように、実際の事故の原因をおしかくしたり、あるいは Z してしまって、そうしてその問題を打切 ふ それでこの際そういう家屋の存在を認容していた総督府当事 とが 見て見ぬふりをして、何かしらもっともらしい不可抗力に因っ 注3 者の責任を問うて、咎め立てることも出来ないことはないかも ぜんぱい たかのように とうかつづく しれないが、当事者の側から言わせるとまた色々無理のない事 注4 事件に関して行われた実例が諸方面にありはしないかという気 注5 ヨウイではないらしい。何よりも困難なことには、内地のよう ひ かくてき 注 がする。そうすればそのさし当りの問題はそれで形式的には収 た おこ な木造家屋は地震には比較的安全だが、台湾ではすぐに名物の しろあり くりかえ まりがつくが、それでは、全く同じような災難があとからあと いく ど 白蟻に喰べられてしまうので、その心配がなくて、しかも熱風 から幾度でも繰返して起るのが当り前であろう。そういう弊の ぼうぎょ まぬが へい 起る原因はつまり責任の問い方が見当をちがえているためでは 注7 べにひ り さん が、生活程度の極めて低い土民に重宝がられるのは自然の勢い あ 総督府 … …… 台 湾総督が政務を行った役所。 注1 烈震 … ……… 激 しい地震。 (寺田寅彦「災難雑考」〈昭和十年〉による) カ ないかと思う。人間に免れぬ過失自身を責める代りに、その過 うわさ つぐな である。もっとも阿里山の紅檜を使えば、比較的あまりひどく しょうれい X つく 失を正当に償わないことを咎めるようであれば、こんな弊の起 く かんじん は白蟻に喰われないことが近頃わかってきたが、あいにくこの ころ c 注3 咎め立てる … 責 め立てる。 現代為政者のしそうなことと思われておかしさに涙がこぼれる。 注4 注2 それはとにかく、さし当ってそういう土民に鉄筋コンクリー 注5 内地 … ……… 日 本本国の土地。 ウ ト の 家 を 建 て て や る わ け に も い か な い と す れ ば、 何 と か し て 注6 い せいしゃ 現 在 の 土 角 造 り の 長 所 を 保 存 し て、 そ の 短 所 を 補 う よ う な、 注7 注 注 紅檜 … ……… タ イワンベニヒノキ。 ゴシップ … … 面 白半分の噂話。 為政者 … …… 政 治家。 仔細 … ……… 物 事の詳しい事情。 土民 … ……… そ の土地に住み着いている人々。 土角造り … … 土 と竹で家を造る、台湾の伝統的な工法。 【 ① 】 、費用のあまりかからぬ な建築法を研究して Y 注8 し さい 注 注 やるのが急務ではないかと思われる。それを研究するには、ま 注9 くわ ず土角造りの家がいかなる順序でいかに壊れたかを詳しく調べ 注 く当局者や各方面の専門学者によってそうした研究が既に着々 だれ 合理的に行われていることであろうと思われるが、同じような つりばし 注 ことは箱根の吊橋についても言われる。誰の責任であるとか、 ないとかいう後の祭りの咎め立てを開き直って仔細らしくする よりももっともっと大事なことは、今後いかにしてそういう災 注 なければならないであろう。もっとも自分などが言うまでもな 注9 れはゴシップではあろうが、とかく明日の事はカマわぬがちの 注8 棺桶などにまでこの良材を使わせたせいだという噂もある。こ かんおけ を合わせるために無茶苦茶にこの材木の使用を宣伝し奨励して む ちゃ く ちゃ てなくなったことがわかったそうである。政府で歳入の さいにゅう る心配はないはずであろうと思われるのである。 イ 防御に最適でその上に金のかからぬといういわゆる土角造り b りにしてしまうようなことが、吊橋事件などよりもっと重大な ア 注1 情があって、この危険な土角造りの民家を全廃することはそう にんよう 土の家に安住していたわけである。 a も既に十回ほどは死傷者を出す程度のが起っている。平均で言 注1 注1 事実がわかった頃には同時にこの肝心の材料が大方きり尽され 注6 注1 攻究 … ……… 深 く究めること。 引責 … ……… 自 ら責任を引き受けること。 後難 … ……… 今 後生じる危険性のある災難。 ………… 過 ちや罪。 咎 … ………… 悪 い習慣。 弊 … ─3─ ─4─ 注1 注1 10 11 12 13 14 15 注1 二 の設問 問一 線部a~dのカタカナを漢字で答えなさい。 問二 【 ① 】~【 ③ 】に入る語として最も適切なものを 一つずつ選び、番号で答えなさい。 【 ① 】 1 または 2 しかも 3 つまり 4 逆に 【 ② 】 1 結局 2 かつ 3 なお 4 それから 【 ③ 】 1 しかし 2 かつて 3 例えば 4 すなわち ちょうじり 問三 X ~ Z にあてはまる語句として最も適切な ものを一つずつ選び、番号で答えなさい。 X 1 歩調 2 費用 3 口裏 4 帳尻 Y 1 簡単 2 簡便 3 簡潔 4 簡易 Z 1 付会 2 納付 3 付属 4 付録 問四 線部ア「この際」とありますが、その内容につい ての説明として、最も適切なものを一つ選び、番号で答 えなさい。 1 地震を的確に予測できないことに甘んじて、何の対策 も取らず、台湾島民の安全を確保しない場合。 2 地震の予知が不可能なことに観念して、台湾島民が地 震に潰れやすい家に安住している場合。 3 明確に地震が予見できないために、圧死する可能性が 高い泥土の家をなかなか離れられない場合。 たいせい すず 台湾では、白蟻に耐性があり、涼しく安価な土角造り 号で答えなさい。 ですか。その説明として最も適切なものを一つ選び、番 問五 線部イ「自然の勢いである」とは、どういうこと 1 が貧困層に好まれるのが当然の成り行きだということ。 2 台湾では、防虫性や耐震性が高く、涼しく格安な土角 造りが貧困層に好まれるのは自然だということ。 3 台湾では、貧困層にとっては多少不安なことがあって も、安価な土角造りに飛びつくのは仕方がないという こと。 ふきゅう 4 台湾では、安価な上に、白蟻にも強く、涼しく過ごせ る土角造りが不可欠なのは当然だということ。 ひっ す 5 台湾では、内地のような耐震性のある木造家屋を普及 させていくことが必須であるということ。 線部ウ「涙がこぼれる」とありますが、それは何 さいにゅう 政府の歳入を増やすために、良質の木材をどこにでも つ選び、番号で答えなさい。 に対してですか。その説明として、最も適切なものを一 問六 1 使わせようとした為政者の必死さ。 おろ 2 土角造りの危険性を分かっていながら、目先の利益を 優先し、対策を先送りする為政者の愚かさ。 ぐ どん 地震に有効であることを知りながら、民衆の生活と引 3 き替えに、財源確保を優先した為政者の愚鈍さ。 あま 4 良質な材料があることを知りながら、耐震性が不十分 は あく な家屋への対策を怠る為政者の認識の甘さ。 なんじゃく 5 土角造りの家の問題点を把握しながら、島民からの反 発を恐れて行動できない為政者の軟弱さ。 問七 線部エ「一番大切なこと」とは、どういうことで すか。その説明として最も適切なものを一つ選び、番号 で答えなさい。 1 今まで普及している建築の欠点を洗い出し、次世代へ つな 4 正 確 な 地 震 予 測 の で き な い こ と に か ま け て、 地 震 に と繋げていくような研究開発を行っていくこと。 とうかい よって家屋が倒壊し、多く死傷者が生じた場合。 2 責任の所在を明確にするだけでなく、今後の災害に向 ち 5 いつ地震が来てもおかしくない状況を恐れつつも、緻 現存している建物を保存し、不具合を改善するための 責任者を追求することを止め、各方面の専門学者に事 研究を早急に行い、島民たちを災難から守ること。 けて論理的に原因を考察し、対策を講じていくこと。 みつ 3 密な予測を立てられず、台湾全体に大きな被害が起き る場合。 4 故原因の調査を依頼し、次の災害に備えること。 5 責任を咎めるのではなく、災難軽減のため、具体的に 事故の物的調査を行い、より良い設計に活かすこと。 二 の設問は裏面に続く ─5─ ─6─ 問 八 線 部 オ「 ど こ か へ 迷 児 に な っ て し ま う よ う で あ る」とありますが、これはどういう事態を例えた表現で すか。その説明として最も適切なものを一つ選び、番号 で答えなさい。 きょ ぎ 1 事故の責任者に対する非難ではなく、一番大切な物的 いつわ 調査による後難の軽減を求める事態。 しん し たんさく 2 事故の責任をごまかすために原因を偽ったり虚偽の報告 たんねん をしたりするのではなく、真摯に原因を探索する事態。 3 事故の原因を丹念に調べ、改善するべく熱心に研究す るのではなく、責任者をかばうように働きかける事態。 あいまい 4 物的調査による慎重な軽減策ではなく、感情的な追及 によって、責任の所在が曖昧になってしまう事態。 5 事故の被害を最小限にするため綿密に対策を立てるの ではなく、事故の原因と対策を大まかに把握する事態。 線部カ「こんな弊の起る心配はない」とは、どう 問九 いうことですか。 「過失」に対する筆者の考えに触れた 上 で、 本 文 全 体 の 内 容 を 踏 ま え つ つ、 一 〇 〇 字 以 上 一二〇字以内で説明しなさい。 ─7─ ─8─ 三 次の文章は、作者が九歳のとき、母が離婚し祖父と同居し た後の場面です。読んで、後の問いに答えなさい。 ねずみ 注3 ぎ ば ものとだけ信じて人にすすめるとはどういうことだ。昔、耆婆 しゃ か は釈迦の命が危かった時に秘薬を鼠に投げて釈迦の元へ走らせ ■ 注4 な た、なのにバカな猫がその鼠を食ってしまったから間に合わず はち けん 釈迦は亡くなったというが、しかし薬は劇薬でそれを飲んだた いく たくはつ つだったか、多分七十四か五くらいでは 翌年の冬、祖父が幾 あぶ 注5 めに命を縮めたという説もある。そもそも釈迦が死ぬような目 ひ ばち ばあ なかったかと思う。冬の寒気がきびしくなり、火鉢、手焙り、 あずき のど あ に逢ったのは、信心深い婆さんが托鉢の鉢のなかへ献じた食物 注1 せき 湯たんぽを総動員しても寒さを防ぎ切れず、七草が過ぎ小豆が や の中に毒きのこが入っていて、釈迦はそれを知っていながら承 おそ 自分がよいことをしたつもりで恐ろしいことを平気でやっての おろ ゆともなれば、病むではなく起きにくい日がつづき、咳が喉に 知で食べて、苦しみ死をしたとも言われている。愚かな者は、 で そろ からんではっきり風邪の症状が出揃ってくるそんな時であった。 きら 医者を呼ぶのを祖父は嫌う。 ア を渡されて、 ぼん ける、お前は自分のしていることを、どう考えているのだ」 りの先生で、この方は祖父には息子、母に とな しん 長年なじみのお隣 けっかく ただお盆 しげとよ は弟だった成豊が結核で発病した時からのお付き合いだが、診 「持ってって」 さつ 察してもらえば薬も飲まなければならなくなるし、そのために といわれて持って来て、何を叱られているのか解らないうち くる たばこ 胃の調子も狂う、飲んでも口に苦かろうが煙草も気ままには吸 に、自分は愚かなために祖父を苦しみ死させようとしている悪 者 に な り、 謝 ろ う に も、 何 を 謝 っ て い い の か わ か ら ず 悲 し く a いにくくなる。その上、楽しみにしているお酒まで取り上げら れてはかなわない。人から規制されるのが大嫌いだ。医者なん なってぽとぽと涙がこぼれる。 X ぞの言うことを聞かなくても、お風呂に入って気に入った一杯 何でも、はい、はいと言われるままに動けずにいると、母が おいはら で気持ちよく寝れば、風邪の神なんか追払ってやる。 入って来て、 と だな 気持ちはそう思っているのだが、体が食事の時に起きてみて 「行きなさい」 b ぎ も、じきに疲れて起き切れない。何てじれったく腹の立つこと Y 喝されペコッとお辞儀をして部屋を出て、お勝手の戸棚 じ と一 いっかつ ばかりだ。 ① して目の前に来るものがあれば何でもつっ にもたれてびそびそ泣いていた。 母はどう祖父を収めたのか、からになった盃を洗いながら、 注2 かかりたいのだ。 引っかからないように抜 母はそれを承知し切っているから、 「だからぐずぐずしているなって言ってるのに、余計、ご機嫌 イ け目なく出つ入りつし、何か言われそうだなと思うと私を使う。 さかずき 悪くなるじゃないの」 また 0 お盆に乗せた薬の小さいガラスの盃を見て、 0 「おや、又何か出て来たのか、それは何だね」 つ 私は何時もへまをやっては母に手数をかけるお定まりのパ い 今度は母から文句が出る。 ターンになって、二階の自分の部屋に逃げ込んで気が納まるま 「食間のお薬です」 「お隣りの先生がよこした薬かい」 で泣いていた。 今考えればばかばかしい。 「はい」 か 釈迦は毒きのこを承知で食べるなんて何て変な人なんだろ 「何のためのものか、おっ母さんは言っていたか」 「いえ、お上げしてくるようにって」 う、お陰で私が叱られるじゃないか。耆婆だって名医なのだか かげ 「うむ、それでお前は何も聞かずに持って来たのか」 ら 馬 に 乗 れ る 弟 子 の 一 人 や そ こ ら 居 て も い い だ ろ う に、 鼠 が とら はい、と言っても、いいえと言っても返事にはならない。 め 走ってゆくよりも、千里を行く虎の首につけてやれば虎なら食 だ き (青木玉『小石川の家』による) なぐ われもしなかろう、でも虎は他の生き物を食いたくなってお使 いっとき ② 又といった。はいも駄目、 こういう状態を母と私は たたみ いいえはなお、三つ目の、聞いて来ますの一時のがれも利かな ウ だま いを忘れるから駄目か、ぼんやりそんなことを考えて慰さんで しか いた。 い。どの道叱られる他はない、黙って畳のへりでもぼんやり見 ていれば、そこに返事が書いてあるのか、と突込まれ、口を利 うか かずに腰を浮せれば、返事もしないで座を立つことが出来るの か、ならば立ってみろ、と ③ 払いがかかる。 ま 注1 七草 … …………… 七 草がゆ。一月七日の朝に食べる。 だ げ出したい、先ずは謝って逃げようと、 何しろ逃 注2 つっかかりたい … 言 いがかりをつけたい。 に 「申し訳ありません、聞いて来ます」 「何を申し訳ないと思っているんだ、お前は何も考えないで、 注4 釈迦 … …………… 仏 教の開祖。 注3 耆婆 … …………… 医 者の名前。 エ ただふわふわしている、申し訳などどこにもありはしない。薬 注5 托鉢 … …………… 僧 が修行のため、鉢を持って施しを おそ 受けること。 というものは恐ろしいものだ、正しく使われれば命を救うが量 あた をあやまてば苦しみを人に与える。何の考えも無しに薬を良い ─9─ ─ 10 ─ 三 の設問 くつ 散歩に連れて行けなかった。 ① ~ ③ にあてはまる語句として最も適切な 4 彼の心ない言葉に、じれったく怒りがわいてきた。 いか 3 徹夜の仕事から家に帰ったので、じれったくて犬の てつ や かうまくいかず、見ていてじれったい。 2 幼い娘はいつも自分で靴をはこうとするが、なかな むすめ すく、聞いている者にとっては大変じれったい。 1 彼の話し方は非常にゆっくりとしていて聞き取りや b「じれったく」 (じれったい) らもあきらめきれない。 4 現実的に考えると絶対にかなわない夢だと知りなが やされてはかなわない。 3 ただでさえ締切りが近いのに、そのうえ仕事量を増 しめ き 2 天才選手の彼には、技術面ではかなわない。 1 この不況では就職もかなわない。 ふきょう a「かなわない」 切なものを一つずつ選び、番号で答えなさい。 問一 線部a・bの語句を使用した例文として、最も適 問二 ものを一つずつ選び、番号で答えなさい。 ① 1 だらだら 2 おどおど 3 じりじり 4 うじうじ ② 1 一 2 二 3 三 4 四 ③ こし 1 頭 2 顔 3 腰 4 足 問三 線部ア「医者を呼ぶのを祖父は嫌う」とあります しょうじょう が、それはなぜですか。理由の説明として、最も適切な ものを一つ選び、番号で答えなさい。 ぜ ひ ごろ 1 いくら医者を呼んでも、次から次に新しい症状が出て か くるのできりがないから。 うば 2 静養すれば完治する風邪くらいで、日頃の生活の楽し しんさつ みまで奪われてしまうから。 3 もともと胃が弱いのに、診察を受けるとどうしても薬 むすこ み を飲まなければいけなくなるから。 は 4 息子を診察してくれていた医者に診てもらうのはどこ となく恥ずかしい気がするから。 5 風呂に入って酒を飲めば、医者を呼ばなくても風邪く らいすぐに治ると信じているから。 問四 線部イ「引っかからないように抜け目なく出つ入 りつし」とは、「母」のどのような様子を表したもので すか。その説明として最も適切なものを一つ選び、番号 で答えなさい。 き げん 1 娘を使って薬を祖父に届けるのに一番良い時を、それ おこ とはなく見計らっている様子。 き づか 2 祖父に娘が怒られないよう、祖父の機嫌の良いときに すいじゃく 薬を届けさせようと祖父を観察している様子。 ふ き げん うかが しゅうとう 不機嫌な祖父の怒りをかわないよう、周到に部屋を出 あせ こちらの落ち度を見つけてすぐに文句を言ってくる祖 たり入ったりして、祖父の様子を窺っている様子。 い、少しでも祖父の心労を減らそうとする様子。 3 強がってはいるが確実に衰弱している祖父の体を気遣 4 父を焦ってなだめようとする様子。 線部ウ「いいえはなお」とありますが、それはど 薬嫌いの祖父に、事情を分かっていながらあえて薬を つ選び、番号で答えなさい。 ういうことですか。その説明として最も適切なものを一 5 問五 1 届けたことを認めるような返事は、より一層祖父を怒 らせてしまう点で、不適切だということ。 2 何のために飲む薬なのかを知らずに薬を祖父に届ける ことは、あまりに考えが浅はかなので、祖父を怒らせ るのも当然だということ。 うそ 3 薬の効き目を母親に聞いてきたように見せかけようと しても、祖父は目ざとく嘘を見破るので、祖父には事 実を言うしかないということ。 こわだか 薬について何も知らないわけではなく、薬のことをき が、その努力が逆に祖父を怒らせてしまうということ。 に訴えてなんとか祖父に飲んでもらおうと努力する 4 祖父が薬嫌いだと分かっていても、薬の必要性を祖父 5 そこ ちんと理解した上で持ってきたのだと祖父に声高に伝 えても、祖父の機嫌を損ねるだけだということ。 三 の設問は裏面に続く ─ 11 ─ ─ 12 ─ 問六 線部エ「お前は何も考えないで、ただふわふわし ている」とありますが、 「祖父」はどういうことを言い あきら たいのですか。その説明として最も適切なものを一つ選 び、番号で答えなさい。 なっとく 1 何を言っても怒られると諦めるのではなくて、少しで く ふう も人を納得させることができるようになんとか言い方 を工夫して自分の思いを伝えよ。 あやま 2 この場から逃げ出したいからといって、何が悪かった のかも分かっていないのにただ謝るなどということ は、何の反省にもなっていないということを自覚せよ。 3 正しく使えば人の命を救うこともあるのが薬なのに、 ま ちが その薬の効能も分からずただ飲めばよいと信じるのは 間違っているということに気付け。 4 劇薬だった場合は人を殺すことになるかもしれないの に、何の薬かも分からずに言われるままに薬を運んで きた理由を説明せよ。 ふ 5 薬 が 人 の 命 を 奪 う か も し れ な い も の だ と 少 し も 考 え ま ず、周囲から指示されるままに、無自覚に危険な振る 舞いをしているかもしれないことを反省せよ。 ちが むすめ 線部X・Yの気持ちの違いについて、八〇字以内 問七 で説明しなさい。 つづ 問 八 こ の 作 品 は、 筆 者 が、 自 分 の 娘 時 代 を 振 り 返 っ て 書 き 綴ったものですが、読み方によっては、実は、成人後も こんきょ 昔とあまり変わらない性格の人物なのではないかと読む こともできます。その根拠となる表現を五字以内で抜き 出して答えなさい。 ─ 13 ─ ─ 14 ─ 二〇一七年度 須磨学園中学校 第二回入学試験解答用紙 国語 ※枠内には記入しないこと。 ヨウイ カマ ガンモク ※ 問一 問二 ↓ 小 学 校 で は 見 か ね た 父 親 が 勝 手 に 水 彩 画 を 代 作 し そ れ ↓ が 学 校 で 秀 作 扱 い さ れ て 困 っ た こ と も あ る ワリ 氏名 問三 問四 c 問四 問五 5 問五 問六 問一 問六 問三 b ② Y 問二 問七 問三 問八 問九 問一 問四 問二 問五 ウ ウ ↓ イ イ ア ア a ① X ※ ※ 20 40 60 80 100 120 20 40 60 80 問六 問七 問八 d 受 験 番 号 ※ ③ Z ③ ※ ※ b ② ※ ※ a ① ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 一 二 三 ※
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