理 科 - 須磨学園

2017年度 須磨学園中学校入学試験
理 科
第 2 回
(注 意)
解答用紙は、この問題冊子の中央にはさんであります。まず、解答用紙を取り出して、
受験番号と氏名を記入しなさい。
1.すべての問題を解答しなさい。
2.解答はすべて解答用紙に記入しなさい。
3.試験終了後、解答用紙のみ提出し、問題冊子は持ち帰りなさい。
※この紙は再生紙・大豆インクを使用しています。
1 次の文を読んで、あとの問いに答えなさい。
最近、いろいろな地方でホタルの保護が行われています。数十年前までは川辺に
ゲンジボタルが群れをなして飛ぶ光景が、日本のどこででも見られました。しかし、
こうがい
現在では郊外か、または都市部で保護を行っているところでしか見られなくなりました。
日本の代表的なホタルであるゲンジボタルは、6月の初めになると川岸の土の
う
か
中でサナギから羽 化 します。そして暗い川辺で成虫がオスとメスで異なる光り方
こう び
をしながら飛び、交 尾 相手をさがします。そして交尾後、メスの成虫は川辺の
げ じゅん
コケに数百個の卵を産んで死にます。卵は6月下 旬 に幼虫にかえり、幼虫は水の
中のカワニナという巻き貝を食べて育ちます。このカワニナをたくさん食べて
大きくなったホタルの幼虫は、3月ごろ水からあがり、川岸の土の中でサナギになり
ます。
ホタルの幼虫が大きくなるためには、カワニナがたくさんいることが必要です。
カワニナは、流れのあるきれいな水にしかすむことができません。また、川の底が
平らであったり、流れが強すぎたりすると、川底を転がって流されてしまうので、
その地域にすむことができません。ゲンジボタルを保護するためには、カワニナが
かんきょう
暮らすことのできる環境とホタルが暮らすことのできる環境の両方が必要です。
─1─
問1 ホタルはこん虫です。次の文章は、こん虫のからだの特ちょうについて説明した
ものです。空らん( ア )〜( オ )に当てはまる語句や数をそれぞれ答えなさい。
こん虫のからだは、大きく分けて、頭部・( ア )部・( イ )部の3部に
わかれています。あしは( ウ )本あり、からだの( ア )部から出ています。
こん虫の目はヒトの目とはちがい、
( エ )という、小さな単眼と呼ばれるもの
が集まった構造をしています。また、( オ )でにおいを感じ取り、エサを
探すことができます。
問2 こん虫の成長のしかたについて、あとの問いに答えなさい。
えが
(1)
ゲンジボタルの幼虫を描いたものとして正しいものを、次の図の①〜⑤より
1つ選び、記号で答えなさい。
①
②
④
⑤
③
(2)
幼虫からサナギ、サナギから成虫といったホタルと同じ成長のしかたをする
こん虫を次の①〜④より1つ選び、記号で答えなさい。
① エンマコオロギ ② シオカラトンボ
③ イエバエ ④ アブラゼミ
─2─
ほたる
問3 卒業式などでよく歌われる唱歌「蛍の光」に残っているように、電灯のない時代
の人は本を読むのにホタルの光を使おうとしたと言われています。これについて、
次の問いに答えなさい。
(1)
読書をするために必要な光は最低150ルクスです。この光を確保するには
ゲンジボタルの成虫が50匹必要であるとします。
ひき
また、ゲンジボタルの幼虫は成虫になるまでに、カワニナを25匹 食べると
つか
します。幼虫が出会って捕 まえることのできるカワニナは4匹に1匹の割合
だとすると、読書をするために必要な数のゲンジボタルの成虫が育つため
には、カワニナは最低何匹生息していることが必要になりますか。整数で答え
なさい。
から
(2)
カワニナは殻の大きさが1mm大きくなるまでに60%が魚やザリガニ、ホタル
の幼虫に食べられて死ぬと言われています。この場合、殻の大きさ6mmの
カワニナが1000匹生息するためには、殻の大きさ3mmのカワニナが殻の大きさ
6mmのカワニナのおよそ何倍生息している必要がありますか。もっとも適切
なものを次の①〜④より1つ選び、記号で答えなさい。
① 0.2倍 ② 5倍 ③ 16倍 ④ 216倍
─3─
問4 ゲンジボタルの成虫は、同じ仲間のホタルに求愛を行うために発光します。しかし、
じょうきょう
幼虫の場合はそれ以外の状況でも発光することがあります。次の【実験1】〜【実験10】
は、ゲンジボタルではない別の種のホタル(「ホタルA」とします)の幼虫の発光
の原因となる状況を調べたものです。次の結果から、ホタルAの幼虫のオスが発光
する条件についてどのようなことが考えられますか。適切なものをあとの①〜⑦より
2つ選び、記号で答えなさい。ただし、
【実験1】〜【実験10】は、実験をくり返し、
毎回同じ結果が出たものとします。
【現在わかっていること】
ほ しょく
・ホタルAの幼虫にカワニナをあたえると、幼虫がカワニナを捕食する。
・ホタルAの幼虫にイトヨ(川魚)を近づけると、イトヨが幼虫を捕食する。
【実験1】
ホタルAの幼虫のオス1匹を水草のある川辺に移すと、発光した。
【実験2】
ホタルAの幼虫のオス1匹を水のみの水そうに移すと、発光しなかった。
【実験3】
ホタルAの幼虫のオス1匹を水草のある水そうに移すと、発光しなかった。
【実験4】
ホタルAの幼虫のオス1匹とカワニナを水のみの水そうに移すと、発光しな
かった。
【実験5】
ホタルAの幼虫のオス2匹とカワニナを水草のある水そうに移すと、発光した。
【実験6】
ホタルAの幼虫のオス2匹を水草のある水そうに移しても、発光しなかった。
【実験7】
ホタルAの幼虫のオス10匹とカワニナの群れを水のみの水そうに移すと、一部
の幼虫だけが発光した。発光したものは2匹以上で近くにおり、発光していない
ものは1匹でいた。
【実験8】
ホタルAの幼虫のオス1匹とゲンジボタルの幼虫のオス1匹とカワニナを水そう
に移すと、発光した。
【実験9】
ホタルAの幼虫のオス1匹のいる水そうにイトヨを移すと、発光した。
【実験10】
ホタルAの幼虫のオス1匹をホタルAの幼虫のメス1匹に近づけても、どちら
も発光しなかった。
① ホタルAの幼虫は求愛を行うために発光する。
② ホタルAの幼虫は同種間のエサ争いのために発光する。
③ ホタルAの幼虫は同種間のすみか争いのために発光する。
④ ホタルAの幼虫は異種間のエサ争いのために発光するとは考えられない。
⑤ ホタルAの幼虫は水草に付着すると発光する。
⑥ ホタルAの幼虫は天敵(ホタルを捕食する生物)から身を守るために発光する。
⑦ ホタルAの幼虫はエサを見つけると遠くにいる仲間にエサがあることを知ら
せるために発光する。
─4─
かんきょう
問5 ゲンジボタルを保護するためには、どのような環境が必要だと考えられますか。
もっとも適切なものを次の①〜⑤より1つ選び、記号で答えなさい。
おうとつ
① 凹凸のないコンクリートが川底に整備されている環境
② 成虫の休息場所となる木かげがあり、あまり風が強くない環境
③ 水が流れやすく、その流れの強さでゴミを洗い流してくれるような環境
④ 外灯が川の周辺に多く設置されていて、カワニナがエサを見つけやすい環境
⑤ 栄養分が豊富でにごりが多く、外敵から見つかりにくい「ため池」のような
環境
─5─
( 続 く )
─6─
2 次の文を読んで、あとの問いに答えなさい。
水を冷やしていくと温度が下がっていき、0℃で氷ができはじめます。0℃を水の
ぎょう こ てん
凝固点といいます。また、0℃よりも低い温度には−(マイナス)という記号を温度
の数字の前につけます。たとえば、−5℃というのは0℃よりも5℃低い温度という
れい きゃく
意味になります。(図1)は、液体の水を冷やしていったときの冷却時間と温度変化
の関係を表したグラフです。
こお
ようばい
麦茶を冷やしていくと凍り始めます。このときできた氷は麦茶中の水(溶媒)のみが
ようしつ
凍ったものであり、麦茶に溶けている成分(溶質)は凍らずに麦茶中に残っています。
こ
そのため氷ができた後に残っている麦茶はもとの麦茶よりも濃くなっており、飲むと
味が濃いと感じます。
すいようえき
また、水溶液を冷やしていき水溶液中の水(溶媒)が凍り始める温度を「水溶液の
のう ど
凝固点」といいます。
「水溶液の凝固点」は0℃よりも低く、濃度が濃いほどその温度
は低いことがわかっています。
温度
4℃
0℃
A
B
C
D
E
F
−5℃
時間
(図1)
─7─
問1 (図1)のC点、E点では、どの状態の水が存在していますか。次の①〜③より
それぞれすべて選び、記号で答えなさい。
① 固体 ② 液体 ③ 気体
問2 (図1)のA点からD点までの水の密度と温度の関係を正しく表しているグラフ
はどれですか。次の①〜④より1つ選び、記号で答えなさい。
①
A
1.0000
0.9998
0.9168
D
0.9168
4℃
温度
A
1.0000
D
0℃
0℃
④
密度(g/cm3 )
B
B
0.9170
D
0℃
1.0000
1.0000
密度(g/cm3 )
B
0.9168
③
②
密度(g/cm3 )
0.9168
4℃
温度
─8─
A
4℃
温度
密度(g/cm3 )
D
B
0℃
A
4℃
温度
すいようえき
塩化ナトリウム水溶液を冷やしていったときの温度変化のグラフは、次の(図2)
のようになります。
温度
15℃
6℃
−3℃
G
−12℃
H
−21℃
−30℃
※
−39℃
時間
(図2)
問3 (図2)のG点とH点では、どの状態の水が存在していますか。次の①〜③より
それぞれすべて選び、記号で答えなさい。
① 固体 ② 液体 ③ 気体
(マイナス)何℃ですか。
問4 (図2)より、水溶液の最低温度は −
問5 (図2)の※の部分で、温度が一定なのはなぜですか。その理由としてもっとも
適切なものを、次の①〜⑥より1つ選び、記号で答えなさい。
① 水と氷が同時に存在している状態だから。
② 水がすべて氷になっている状態だから。
ゆうかい
③ 氷の融解が起こり始めているから。
のう ど
④ 塩化ナトリウム水溶液の濃度が一定になっているから。
⑤ 塩化ナトリウム水溶液の濃度が下がりつづけているから。
⑥ 塩化ナトリウム水溶液の濃度が上がりつづけているから。
─9─
ぎょう こ てん
すいようえき
問6 次の(表1)は、水の凝固点とブドウ糖水溶液の凝固点の関係を示しています。
ようばい
この表から、水の凝固点とブドウ糖水溶液の凝固点との差は、溶媒(水)の質量に
ようしつ
対する溶質(ブドウ糖)の質量の割合に比例していることがわかります。このこと
から、表中の空らん ア 〜 ウ にあてはまる数値をそれぞれ答えなさい。ただし、
答えが割り切れない場合は小数第3位を四捨五入し、小数第2位まで答えなさい。
溶媒(水)の質量
溶質(ブドウ糖)の質量
凝固点
1000g
0g
0℃
1000g
18g
−0.185℃
1000g
27g
−0.2775℃
1000g
36g
− ア ℃
400g
イ g
−0.185℃
ウ g
13.5g
−0.37℃
(表1)
と
問7 水800gにブドウ糖54gを溶かしたブドウ糖の水溶液854gを冷やしていきました。
氷が60gできたときの水溶液の温度は−(マイナス)何℃ですか。ただし、水に
溶けているブドウ糖の質量は変わらなかったものとします。なお、答えが割り切れ
ない場合は小数第3位を四捨五入し、小数第2位まで答えなさい。
─ 10 ─
3 次の会話文を読んで、あとの問いに答えなさい。
すまお:
「先日、テレビのコマーシャルで、走っている自動車のタイヤが逆回転したり、
ふ つう
止まっていたり、ゆっくり回転したりするように見えました。普 通 に外で
走っている自動車のタイヤを見ていても、そういう現象は起こらないのに、
なぜテレビの自動車のタイヤではそんなことが起こるのですか。」
先 生:
「おもしろいことに気がつきましたね。それは、テレビの映像のしくみに
ヒントがあります。テレビの映像は普通、1秒間に30枚の静止した画像を
なめ
順番に表示しています。人の目ではそれが滑 らかな動きとして感じるよう
です。」
かたすみ
まん が
すまお:
「ノートの片隅に書いたパラパラ漫画みたいですね。」
いっ しょ
先 生:
「そのとおり。ちょうど理科室にストロボ装置(図1)があるので、一緒に
いっ しゅん
かん かく
実験してみましょう。この装置を使うと、一 瞬 の強い光を一定の時間間 隔
で発生させることができます。ピカッと
光ってから次にまたピカッと光るまでの
時間は、自由に変えることができます。
このストロボ装置の光をあてたときに、
動いている物がどのように見えるのか
調べてみましょう。」
(図1) ストロボ装置
さつえい
まず、ストロボ装置の光をあてながら、動いている物を撮影しました。(図2)の
(A)〜(C)は、ボール、模型自動車、模型飛行機が動いているようすを撮影した
ものです。
(A)
(B)
②
(C)
①
③
(図2)
─ 11 ─
問1 (図2)の(A)〜(C)はどのような運動を表していますか。正しいものを
次の①〜④よりそれぞれ1つずつ選び、記号で答えなさい。
① 向きも速さも変わらない運動
② 向きも速さも変わる運動
③ 速さだけが変わる運動
④ 向きだけが変わる運動
問2 (図2)の(A)の①〜③の区間のうち、ボールの速さがもっとも速いのはどの
区間ですか。正しいものを(A)の①〜③より1つ選び、記号で答えなさい。
ふ
さつ えい
問3 ストロボ装置の光をあてながら、振り子の運動を撮影しました。このときのようす
を表したものとして正しいものを、次の①〜④より1つ選び、記号で答えなさい。
①
②
③
─ 12 ─
④
次に、
(図3)のように、円板に1本の線を引き、モーターに取りつけて回転させ
ます。円板は時計回りに、1秒間に6回転します。この円板にストロボ装置の光を
あてて、円板上の線がどのように見えるかを観察しました。
円板
ストロボ装置
線
モーター
(図3)
問4 次の(1)、(2)の条件で観察するとき、円板上の線はそれぞれどの位置に見え
ますか。正しいものをあとの①〜⑤よりそれぞれ1つずつ選び、記号で答えなさい。
(1)
ストロボ装置を、1秒間に6回発光させたとき
(2)
ストロボ装置を、1秒間に24回発光させたとき
①
②
③
─ 13 ─
④
⑤
問5 次のX、Yの条件で観察すると、いずれの場合も、円板上の線は、(図4)の
(あ)〜(う)の位置に見えました。
X 円板が1回転する間に、ストロボ装置を3回発光させたとき
Y 円板が2回転する間に、ストロボ装置を3回発光させたとき
(1)
X、Yのそれぞれの場合、ストロボ装置は、1秒間
(あ)
に何回発光させていますか。
(2)
X、Yのそれぞれの場合、円板上の(あ)〜(う)
の位置に線が見える順番の組み合わせとして正しい ( う )
ものを、次の①〜④より1つ選び、記号で答えなさい。
(い)
(図4)
X
Y
①
(あ)→(い)→(う)
(あ)→(い)→(う)
②
(あ)→(い)→(う)
(あ)→(う)→(い)
③
(あ)→(う)→(い)
(あ)→(い)→(う)
④
(あ)→(う)→(い)
(あ)→(う)→(い)
問6 ストロボ装置を1秒間に7回発光させると、円板上の線が、反時計回りに回って
いくように見えます。円板上の線が反時計回りに1回転するのにかかる時間は、何秒
ですか。ただし、答えが割り切れない場合は小数第1位を四捨五入し、整数で答え
なさい。
─ 14 ─
ふ
以上の観察を踏 まえ、最後に、1秒間に30枚の静止した画像を順番に表示する
テレビで、走っている車のタイヤがどのように見えるかを考えます。
h
この車のタイヤは、実際は時計回りに回転しています。
a
(図5)のように、タイヤの内側には円を8等分した g
b
棒状のもようがあり、タイヤと共に回転しています。
また、それぞれのもようの間の部分を、a〜hと呼ぶこと
にします。
c
f
(図5)は、テレビの30枚の静止画像のうち、
「1枚目」
の画像です。
(図5)でaの位置にあった部分は、
「2枚目」
の画像ではちょうどbの位置にあり、
「3枚目」の画像
d
e
(図5)
ではちょうどcの位置にありました。
問7 テレビでは、この車のタイヤはどのように見えますか。
問8 この車のタイヤの実際の回転のようすを考えます。問7のように見えるとき、
おそ
この車の速さがもっとも遅い場合を考えると、タイヤは4秒間に何回転していますか。
ただし、答えが割り切れない場合は小数第1位を四捨五入し、整数で答えなさい。
─ 15 ─
( 続 く )
─ 16 ─
4 次の文を読み、あとの問いに答えなさい。
世界には多くの火山がありますが、(a)現在も活動している火山や今後活動しそうな
ふく
火山は約1500にものぼります。なかでも、日本を含む太平洋周辺部にはたくさんの
かんたいへいよう
火山が分布しており、この一帯を環太平洋造山帯と呼びます。
火山は、いったいどのようにしてできるのでしょうか。火山がどのようにしてできるか
を知るには、地球の構造を理解しなければなりません。
がん ばん
地球の表面は、十数枚の厚い岩 盤でおおわれているといわれており、この岩盤を
プレートと呼びます。プレートの下にはマントルと呼ばれる固体の層があります。
えいきょう
温度や圧力の影響により、マントルやプレートが液体状になったものをマグマと呼び
ます。
固体のマントルにはかんらん岩と呼ばれる岩石をはじめとする(b)さまざまな岩石
が含まれていますが、これらの岩石がとけることによりマグマが生じます。(図1)
ゆうかい
は、地温曲線と融解曲線を示しています。地温曲線は地表からの深さと岩石の温度の
関係を表しています。また、融解曲線は岩石がとけてマグマになる境界を表して
おり、岩石の近くに水が含まれているかどうかで曲線が変化します。
温度[℃]
0
1000
500
地表からの深さ
地温曲線
50
1500
融解曲線︵水なし条件︶
0
[km]
100
融解曲線
(水あり条件)
150
(図1)
(図1)から分かるように、
「水なし条件」では地下で岩石がとけることはありません。
しかし、地表からの深さは変わらなくても岩石の温度が( ア )なるか、岩石の
温度が変わらなくても地表から約( イ )km以上の深さで岩石に水が加わると、
岩石がとけはじめ、マグマがつくられます。
─ 17 ─
そうしょう
問1 下線部(a)のような火山を総称して何と呼びますか。漢字3文字で答えなさい。
問2 下線部(b)について、岩石は温度によって変化を受けます。岩石に起こるこの
し せつ
変化を変成作用と呼びます。公共施設やデパートの内装などに利用されている大理石
も、ある鉱物が変成作用を受けて変化したものです。これについて、次の問いに
答えなさい。
ふく
(1)
大理石には、(図2)のような生物の化石が含まれていることがあります。
めいしょう
この生物の名称を答えなさい。
(図2)
(2)
大理石にうすい塩酸をかけると、ある気体が発生します。この気体の名称を
答えなさい。
(3)
(1)・(2)より、変成作用を受けると大理石に変化すると考えられる岩石
は何ですか。次の①〜④より1つ選び、記号で答えなさい。
せっかいがん
げん ぶ がん
① 石灰岩 ② 安山岩 ③ 玄武岩 ④ チャート
ちょう こく
ひ がい
(4)
大理石は彫 刻などにも利用されますが、屋外の大理石の彫刻がとける被 害
かんきょう
が報告されています。その理由を、環 境 問題に関連させて、20字以内で説明
しなさい。
問3 空らん( ア )に当てはまる語句を、「高く」「低く」のいずれかから選んで
答えなさい。
問4 空らん( イ )に当てはまる数値を、
(図1)から読み取り、整数で答えなさい。
─ 18 ─
ふん しゅつ
(図3)は、日本
火山とは、マグマが噴出する場所にできた地形のことを表します。
にある火山(▲)の位置と、日本付近にある4枚のプレートを表したものです。日本
には火山が帯状に並んでいる部分が2か所あり、それぞれ東日本火山帯、西日本火山帯
えい きょう
と呼ばれています。火山帯の配置は、これらのプレートに影響を受けていることが
わかります。
北米プレート
k
300
m
200
km
400k m
10
0k
m
日本海溝
ユーラシアプレート
太平洋プレート
フィリピン海プレート
気象庁のデータより加工して作成
※点線は日本海溝からの
距離を表しています
(図3)
プレートの境界では、一方のプレートの下に他方のプレートがもぐりこむ現象が
ふく
見られる場所があります。プレートにはいろいろな鉱物が含まれていますが、その中
がん すい
でも、水を多く含んでいる鉱物のことを「含水鉱物」といいます。プレートが地下深く
もぐりこむと、もぐりこんだプレートに含まれる含水鉱物が、熱と圧力によって
含んでいる水を放出します。含水鉱物が水を放出する深度は、その鉱物の種類によって
異なります。放出された水はプレートのすぐ上の固体のマントルにとけこみますが、
(図1)に示したように、水を含む岩石はとけやすいため、マントルは液体のマグマに
じょうしょう
変化し、地表へと上 昇 します。これが噴出することで、火山ができると考えられて
います。
─ 19 ─
かい こう
問5 東日本火山帯の火山の分布を見ると、日本海 溝 からおよそ120kmのところと、
およそ170kmのところに火山が列をなしています。このように、火山が列をなして
いるところが2列見られる理由としてもっとも適切なものを、次の①〜④より1つ
選び、記号で答えなさい。
① 地下深くでできたマグマが2か所に分かれて噴出しているから。
② 地表からの深さで温度が急に変わるところがあるから。
③ 海溝に近いところほど、マグマができやすいから。
がんすい
④ 含水鉱物の種類によって水を放出する深度が異なるから。
ほくべい
問6 東日本火山帯は北米プレートの下に太平洋プレートがもぐりこんでできたと考え
られています。(図3)を参考にすると、東日本のプレートはどのように重なって
いると考えられますか。プレートが上から順に正しく並んでいるものを次の①〜③
より1つ選び、記号で答えなさい。
① フィリピン海プレート、北米プレート、太平洋プレート
② 北米プレート、フィリピン海プレート、太平洋プレート
③ 北米プレート、太平洋プレート、フィリピン海プレート
─ 20 ─
ふん か
ふん しゅつ
火山が噴火すると、噴出する岩石や火山灰などで、人命や生活、農業などにも大きな
えいきょう
あた
おん けい
影響を与えることがあります。その一方で、私たちは、火山からさまざまな恩恵も
あずかっています。たとえば、温泉のなかには、火山のマグマによって地下水があたため
られたものもあり、私たちの健康やレジャーを豊かなものにしてくれています。
火山からの恩恵の一つに、発電があります。(c)火山のマグマから発生する熱を利用
かんきょう
して行うこの発電は(d)再生可能エネルギーを利用した発電として、地球環境保全の
観点から注目をされていますが、(e)日本では現状、なかなか発電量を増やせないこと
が課題となっています。
問7 下線部(c)のような発電を何といいますか。
問8 下線部(d)のような発電の他の例として太陽光発電が挙げられますが、問7の
すぐ
発電が太陽光発電よりも優れている点を1つ挙げ、20字以内で説明しなさい。
問9 下線部(e)について、なぜ日本ではなかなか発電量を増やせないのですか。
その理由としてもっとも適切なものを、次の①〜④より1つ選び、記号で答えなさい。
はい き
① 発電を行うことで有害なガスが大量に発生するため、排気ガスの十分な管理が
必要だから。
② 日本のマグマの温度は低すぎるため、十分な発電量を確保するのに適さないから。
③ 日本の火山一帯は国定公園や国立公園などに指定されていることが多く、大規模
な開発が困難だから。
④ 発電に大量の水を必要とするため、必要な量の水を得られる場所が限られて
いるから。
─ 21 ─
( 余 白 )
─ 22 ─
受
験
番
号
氏名
2017年度 須磨学園中学校 第2回入学試験解答用紙 理科
1
(※の欄には、何も記入してはいけません)
問1
ア
イ
エ
ウ
オ
問3 問5
問2 問4
(1)
(2)
と
(1)
匹
(2)
※
E点
問3
問2
C点
G点
H点
問5
− ℃
ア
イ
問7
問1 問4 問6
2
ウ
− ℃
※
(C)
(2)
問7
秒
問5 X
(1)
回
問3
(1)
(B)
問2
(A)
問5
回 (2)
Y
※
回転
(2)
問5
(3)
問2
(1)
問4
問2
問1
4
問1 問4 問6 問8
3
(4)
問6
問3 問7
問
8
問9
※
※