所得税の計算の仕組み

2
-2
● 所得税の基礎知識
◆ 第2段階(所得控除を行い、課税所得を求める)
所得控除とは、納税者の家族構成、医
所得税には14種類の所得控除がありま
療費や保険料の支出等の個人的な事情を
す(くわしくは31ページ「所得控除」
考慮して、一定の金額を所得から差し引
を参照して下さい)。
所 得 税
所得税の計算の仕組み
き(控除し)、税負担を調整するものです。
◆ 第3段階(税率を確定する)
■ 所得税計算の全体像 次に、所得税の計算方法を見てみまし
税率を適用し、
(4)所定の税額控除を行
所得控除を行った後の金額を課税所得
ところで、税額の計算の過程では「課
ょう。最も基本的な仕組みは下の式で表
い、所得税額を求めます。
(5)既に納め
金額といいます。税率は前ページの①〜
税標準」という言葉も登場します。これ
現できます。つまり、
(1)所得を求め、
ている源泉徴収税額や予定納税額を差し
⑦の課税所得金額それぞれについて別個
は所得に損益通算や損失の繰越控除を行
(2)所得から所得控除を差し引いて課税
引いた残額が確定申告時の納付税額(マ
に適用します。①は総合課税、②〜⑦は
った後の金額をいいます。つまり、用語
所得を算出し、
(3)課税所得に対応した
イナスの場合は還付税額)となります。
申告分離課税です。くわしくは40ペー
の関係は下の図のようになります。
(所得−所得控除)×税率−税額控除=所得税額
課税所得
所得税額−源泉徴収税額等=確定申告時の納付税額
(還付税額)
◆ 第1段階(所得を求める)
所得の金額は、次の①〜⑦のグループ
ごとに合計して算出します。また、必要
ジ「所得税の税率」を参照して下さい。
所得
課税標準
損益通算・損失の繰越控除
課税所得金額
所得控除
◆ 第4段階(税額控除を行う)
います(28ページ「損益通算と損失の繰
越控除」を参照)
。
に応じて損益通算や損失の繰越控除を行
税額控除とは、第3段階までに計算し
や複雑になりました。まず、「外国税額
た税額から一定額を差し引くことです。
控除以外の税額控除」を差し引いた後の
税額控除には配当控除、外国税額控除
仮の税額(基準所得税額)を求めます。
などがあります。詳細は41ページ「税
①総所得金額
山 林所得と退職所得以外の8種類の所得で、総合課税となるものの合計額
(26ページの図を参照)。
②土地・建物等の譲渡所得の金額
土地や建物等を譲渡した場合の譲渡所得。
③分離課税の上場株式等に係る配当所得等の金額
上場株式等の配当所得および利子所得。
④株式等に係る譲渡所得等の金額
株式等を譲渡した場合の譲渡所得、事業所得および雑所得。
⑤先物取引に係る雑所得等の金額
商品先物取引や有価証券先物取引等(金融先物取引を含む)の差金等決済を
行った場合の事業所得および雑所得。
⑥山林所得金額
⑦退職所得金額
額控除」を参照して下さい。
平成25年から、第4段階で復興特別
所得税の計算を行うため、計算過程がや
基準所得税額に対し、税率2.1%をか
けて復興特別所得税額を求めます。
基準所得税額から外国税額控除を差し
引いて所得税額を求めます。
◆ 第5段階(源泉徴収税額等の精算を行い、所得税額を確定する)
確定申告の際には、すでに天引きされ
ている源泉徴収税額(源泉分離課税は除
く)、予め納付した予定納税額(51ペー
とになります。
そして、平成25年から、復興特別所
得税額の精算も行われています。
ジを参照)を精算する必要があります。
つまり、第4段階で求めた金額から、
以上が所得税の金額を求める際の大ま
源泉徴収税額・予定納税額を差し引いた
かな流れです。この流れをまとめたのが
金額が、確定申告時に納付する所得税額
次ページの図表です。
(または還付される所得税額)というこ
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25
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■ 退職所得と山林所得の税額の計算方法(分離課税)
●所得税計算の流れ(平成28年分)
合計所得金額※4
課税標準
課税所得金額
税額
[総 合 課 税]
利子所得
益
譲渡所得
短期
長期
通
一時所得
雑
所
得
1/2
失
総
の
所
繰
得
越
金
控
額
率
得
額
=
控
損
失
の
繰
越
控
除
各
所
得
の
金
額
除
各
課
税
所
得
金
額
各
×
損
益
通
算
所
税
算
譲 渡 所 得 短期
(土地・建物) 長期
配当所得
(申告分離課税分)
−
得
山林所得
利 子所得
(申告分離課税分)
税
除
退職所得
譲渡所得等
(株 式 等)※2
所
課
税
総
所
得
金
額
×
事業所得
給与所得
※4
※5
合は確定申告によって還付を受けること
独自に税額の計算が行われます。ここで
ができます。
は、退職所得と山林所得の所得税の計算
◆山林所得
山林所得は5分5乗方式により計算し
ます。5分5乗方式とは、損益通算や所
退職所得は申告分離課税ですが、税率
得控除を行った後の課税山林所得を5分
は超過累進税率です。通常は支払時に源
の1にし、対応する税率を適用して求め
泉徴収が行われます。支払者である企業
た金額を5倍にするものです。山林所得
等は退職者から「退職所得の受給に関す
には超過累進税率(所得が多いほど税率
る申告書」の提出を受け、その内容にし
が高くなります。40ページを参照)が
たがった源泉徴収を行います。一方、こ
適用されますので、5分5乗方式によっ
の申告書を提出しない場合は支給額の20
て実質的に税負担は軽減されることにな
%を源泉徴収されることになり、本来支
ります。長期間にわたる山林経営によっ
払うべき税額と異なることもあります。
て発生した所得であることに配慮した制
その結果、正規の税額よりも少なかった
度といえます。
場合は確定申告が必要です。また、正規
控
税
除
額
税 −
山林所得の所得税額の計算例(平成28年分)
山林所得の所得税額=[課税山林所得×1/5×超過累進税率]×5
[前提]
・課税山林所得金額5,000万円、税額控除はないものとします。
率
雑所得等
(先物取引)※3
※1
※2
※3
ており、他の所得と合算せず、それぞれ
◆退職所得
損
損
不動産所得
の税額よりも多く源泉徴収されていた場
方法の特徴について説明します。
※1
配当所得
退職所得と山林所得は分離課税とされ
所 得 税
所得の種類
● 所得税の基礎知識
一部の特殊なものを除き、利子所得は原則として分離課税となります。
株式等を譲渡した場合の譲渡所得、事業所得および雑所得をいいます。
商品先物取引や有価証券先物取引、金融先物取引等の差金等決済を行った場合の事業所得、および雑所得
をいいます。
合計所得金額については、39ページを参照して下さい。
平成25年以後、別途復興特別所得税の課税が行われています(45ページ参照)。
・税率は所得税速算表(40ページ参照)を使用します。
・山林所得は申告分離課税ですので、他の所得からは独立して所得税額を計算
します。
所得税額=[5,000万円×1/5×33%−153万6千円]×5=882万円
仮に5分5乗方式ではなく、通常の計算方式を適用すると、
所得税額=5,000万円×45%−479万6千円=1,770万4千円
となります。つまり、5分5乗方式によって差引き888万4千円の税負担が軽
減されていることになります。
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◆グループ内の通算
損益通算の対象となる損失は、Aグル
ゴルフ会員権の売却を考えています。ゴルフ会員権は
株式のようなものだと聞いたことがあるのですが、どの
ように課税されるのでしょうか?
態、預託金証書形態の2種
ープでは総合課税の不動産・事業所得の
ープ内の所得と通算する際は、①短期譲
渡所得→②長期譲渡所得→③一時所得の
順序で通算します。
損失、Bグループでは総合課税の譲渡所
なお、長期譲渡所得・一時所得と通算
得の損失です。それぞれグループ内の他
する場合は、各々1/2にする前の金額
の所得から控除することができます。
と通算します。
◆グループ間の通算
◆山林所得・退職所得について
グループ内の通算で差し引けない損失
山林所得の損失がある場合は、①Aグ
譲渡が行われている場合は、事業所
がある場合には、他のグループの所得と
ループの所得→②短期譲渡所得→③長期
得または雑所得となります。
通算することができます。Aグループ内
譲渡所得→④一時所得→⑤退職所得の順
序で通算します。
類のタイプがありますが、ゴルフ場
ゴルフ会員権の売却によって発生
で通算しきれない損失が残った場合はB
の優先利用権という実体を有するも
した譲渡損失は、他の所得との損益
グループ内の所得と、Bグループ内で通
また、AグループとBグループ間で通
のはいずれも譲渡所得として総合課
通算及び雑損控除を適用することが
算しきれない損失が残った場合はAグル
算できなかった損失については、①山林
税の対象になります。所有期間が5
できません。
ープ内の所得と通算します。
所得→②退職所得の順序で通算します。
年以内であれば短期譲渡所得とな
なお、譲渡所得には50万円の特別
り、5年超であれば長期譲渡所得に
控除がありますが、譲渡益が50万円
なります(計算式は23ページを参
未満の場合は、その金額が特別控除
照)。ただし、営利目的で継続的に
額となります。
所 得 税
ゴルフ会員権の税金
ゴルフ会員権には株式形
● 所得税の基礎知識
ただし、Aグループ内の損失をBグル
・Aグループ・・・総合課税の利子・配当・不動産・事業・給与・雑の各所得
・Bグループ・・・総合課税の譲渡(短期・長期)所得・一時所得
■ 損失の繰越控除 損益通算と損失の繰越控除
損失の繰越控除とは、損益通算を行っ
た後になお損失が残っている場合に、一
定の要件の下で、以後3年間に繰り越し
■ 損益通算 て控除(繰越控除)を行うことです。
ます。次ページのCheck Point!を参照)。
◆(2)雑損失の繰越控除
災害・盗難などによる生活用資産の損
失を雑損失といい、一定額を所得から控
1年の間には、利益が出ることもあれ
ことができます。これを損益通算といい
ここでは、純損失の繰越控除と雑損失
除することができます。雑損失について
ば損失が出ることもあります。同一の所
ます。ここでは総合課税の対象となる所
の繰越控除について説明します(上場株
も、その年に控除できなかった損失の金
得内で通算しきれない損失がある場合に
得の損益通算について説明します。
式等の譲渡損失の繰越控除については
額は、期限内に確定申告書を提出し、以
77ページを参照)。
後も連続して確定申告書を提出している
◆(1)純損失の繰越控除
場合には、その年の翌年以降3年間にわ
は、一定の条件下で他の所得と通算する
◆(1)損益通算の対象
損益通算には、対象や順序などにルー
ルがあります。まず、損益通算の対象と
損益通算の結果残った損失を純損失と
なる損失は、次の4つの所得に係る損失
いいます。純損失の生じた年に青色申告
したがって、その年の総所得金額、山
です。
書を申告期限内に提出し、その後も連続
林所得金額、退職所得金額を計算する際
して確定申告書を提出している場合は、
には、前年以前3年内に生じた純損失の
青色申告をしている年分の純損失に限
金額・雑損失の金額のうち、前年以前に
り、翌年以降、3年間の所得の金額から
繰越控除を受けなかった金額を差し引い
繰越控除を行うことができます(白色申
て計算します。
・事業所得
・不動産所得(土地等を取得するための借入金の利子に相当する部分は除きます)
・譲渡所得
たって繰越控除を受けることができます。
(原則として総合課税のもののみ認められます)
・山林所得
告者の場合は、変動所得(注)などに限られ
◆(2)損益通算の順序
損益通算は、下のグループ分けにした
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16税金読本̲p017-052̲02.indd 28-29
がって、一定の順序で行います。
(注)変動所得とは、事業所得や雑所得のうち、漁
獲やのりの採取による所得、はまちやほたて
貝など一定の品目の養殖による所得、印税や
原稿料による所得などをいいます。
29
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◆(3)繰越控除の順序
失」をBとすると、下の表の順序になり
ます。
繰り越された損失の金額は、古い年分
事項を記帳しておかなければなりません(平成26年分の所得税より、所得
●純損失の繰越控除の順序
た、同じ年に純損失の金額と雑損失の金
所得の種類
額があるときは、純損失の金額から先に
差し引きます。各々の控除順序は次のよ
うになります。
の合計額が300万円以下であっても記帳が義務づけられるようになりまし
B
総所得金額
1
5
青色申告をする場合は、その年の3月15日までに「青色申告承認申請書」
山林所得金額
3
2
や「青色事業専従者給与に関する届出書」などを所轄の税務署長に提出しな
退職所得金額
4
6
下の図の順序で控除します。
をA、「山林所得金額の計算上生じた損
●雑損失の繰越控除の順序
→
退職所得金額
→
山林所得金額
→
雑所得等の金額
先物取引に係る
→
渡所得等の金額
株式等に係る譲
配当所得等の金額
申告分離課税の
譲渡所得金額
分離課税の長期
譲渡所得金額
分離課税の短期
総 所 得 金 額
→
ければなりません(その年の1月16日以後に開業した場合などは、その日か
ら2ヵ月以内)。
②雑損失
「総所得金額の計算過程で生じた損失」
→
た。
)
A
①純損失
→
山林所得を生ずべき業務を行う全ての人は、総収入金額と必要経費に関する
所 得 税
の損失の金額から順次差し引きます。ま
● 所得税の基礎知識
所得控除
損益通算や損失の繰越控除を行うと、
に対する備え(生命保険や損害保険への
課税標準となる総所得金額や分離課税の
加入など)といった個人的事情に配慮す
各所得金額が確定します。続いて行う作
ることを目的としています。
所得控除は全部で14種類あります。控
業は所得控除です。
所得控除とは、課税標準となる所得金
額から一定額を控除するもので、納税者
除の適用順序については、39ページのQ
&Aを参照してください。
の家族構成や医療費の支出、不測の事態
青色申告と白色申告
●所得控除の一覧表(平成28年分)
所得控除の
種
類
わが国では申告納税制度が採用されており、納税者自身が所得と税額を計
算することになっています。所得と税額を計算するためには収入金額や必要
経費を記録する帳簿が必要です。正確な帳簿を備えていれば申告内容の精度
も高まることになり、結果的に税務行政に資することになります。そこで所
定の申請を行い、承認を受けた者に対して、税務上の特典を与えようとする
のが青色申告制度です。
対象となるのは不動産所得、事業所得、山林所得のある人で、これらの所
得の金額を正確に計算できるよう記帳し、原則として正規の簿記の原則にし
たがって貸借対照表や損益計算書を作成することが必要です(より簡易な方
法によることも認められています)
。
特典には、①青色申告特別控除を受けられること、②青色事業専従者(家
族従業員)の給与額を適正額まで必要経費に算入できること、③一部の貸倒
引当金等を必要経費へ算入できること、④純損失の繰越控除と繰戻還付を受
適用される条件・場合
りも簡易な方法によることが認められていますが、不動産所得、事業所得、
30
16税金読本̲p017-052̲02.indd 30-31
備
考
雑 損 控 除 納税者または納税者と生計を一にする
総所得金額等が38万円以下の配偶者そ
の他の親族の有する生活に通常必要な
住宅家財等について災害・盗難・横領
による損失が生じた場合(損失金額に
は「災害関連支出金額」を含む)
◦災害関連支出金額とは、その災
害・盗難・横領に関連して納税
者がやむを得ず支出した金額で
一定のものをいう
例)
◦住 宅家財等が損壊した場合
の、取壊しや除去のための
支出
損失金額−総所得金額等×10%
◦住 宅家財等につき、まさに
①損失金額のうち災害関連支出金額が
被害が生ずるおそれがある
5万円以下の場合
と見込まれる場合の被害防
止のための支出(豪雪の場
②損失金額のうち災害関連支出金額が
(災害関連支出金額−5万円)
と
合の雪おろし費用など)
5万円超の場合
(損失金額−総所得金額等×10%) ◦盗難等による損失が生じた住宅
とのうち多い金額
家財等の原状回復等のための支
出は損失金額に含まれるが、災
(損失金額−5万円)
害関連支出金額には含まれない
③損失金額がすべて災害関連支出金額
◦保険金・損害賠償金等により補
である場合
と
(損失金額−総所得金額等×10%)
てんされる金額は損失金額より
除かれる
※ 34ページのQ&Aも参照
とのうち多い金額
医療費控除 ①納税者または納税者と生計を一にす
る配偶者その他の親族のために、通
常必要であると認められる医療費を
支払った場合
◦保険金・損害賠償金等(医療費
の支出を給付原因として支給を
(支払った医療費の額−
受ける健康保険・国民健康保険
総所得金額等×5%
〈最高10万円〉
)
等を含む)による補てん金額は
〈最高200万円〉
支払った医療費より除かれる
◦詳細は37ページのQ&Aを参照
②特定健康診査、予防接種、定期健康
診断等のいずれか(医師の関与があ
るものに限る)を受けている納税者
が、自己または自己と生計を一にす
る配偶者その他の親族に係るスイッ
◦スイッチOTC医薬品とは、要指
導医薬品および一般用医薬品の
うち、医療用から一般用に転用
(スイッチ)されたものをいう
けられることなどがあります。
一方、青色申告者以外の人が行う場合を白色申告といいます。青色申告よ
控除される金額
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医療費控除
社会保険料 納税者または納税者と生計を一にする
控
除 配偶者その他の親族のために社会保険
料を支払った場合、または給与から控
除される場合
小規模企業 納税者が小規模企業共済等掛金を支払
共済等掛金 った場合
控
除
生命保険料 ①新契約に係る一般生命保険料を支払
控
除
った場合
支払った保険料
20,000円以下
20,000円超
40,000円以下
40,000円超
80,000円以下
80,000円超
②新契約に係る個人年金保険料を支払
った場合
支払った保険料
20,000円以下
20,000円超
40,000円以下
40,000円超
80,000円以下
80,000円超
特例の適用なし
12,000円を超える金額
88,000円
支払額または控除額の全額
(社会保険料の全額)
◦社会保険料とは、健康保険・国
民健康保険・後期高齢者医療制
度・介護保険・雇用保険・国民
年金・厚生年金保険等の保険料
や国民年金基金・厚生年金基金
等の掛金をいう
◦給与または年金から天引きされ
ている保険料については、社会
保険料控除を受けられるのは天
引きされている本人のみである
支払った掛金の全額
◦小規模企業共済等掛金とは、小
規模企業共済法の共済契約に基
づく掛金、個人型確定拠出年金
の加入者掛金、企業型確定拠出
年金の加入者掛金、地方公共団
体が実施する心身障害者扶養共
済制度の掛金をいう
支払った保険料の全額
支払った保険料×1/2+10,000円
支払った保険料×1/4+20,000円
40,000円(※1)(※2)
支払った保険料の全額
支払った保険料×1/2+10,000円
支払った保険料×1/4+20,000円
40,000円(※1)(※2)
③新契約に係る介護医療保険料を支払
った場合
支払った保険料
20,000円以下
20,000円超
40,000円以下
40,000円超
80,000円以下
80,000円超
支払った保険料の全額
支払った保険料×1/2+10,000円
支払った保険料×1/4+20,000円
40,000円(※1)(※2)
④旧契約に係る一般生命保険料を支払
った場合(経過措置)
25,000円以下
25,000円超
50,000円以下
50,000円超 100,000円以下
100,000円超
支払った保険料の全額
支払った保険料×1/2+12,500円
支払った保険料×1/4+25,000円
50,000円(※2)(※3)
⑤旧契約に係る個人年金保険料を支払
った場合(経過措置)
25,000円以下
25,000円超
50,000円以下
50,000円超 100,000円以下
100,000円超
支払った保険料の全額
支払った保険料×1/2+12,500円
支払った保険料×1/4+25,000円
50,000円(※2)(※3)
地震保険料 ①地震保険契約等の保険料のみ支払っ
控
除
た場合
②平成18年12月31日までに締結した長
期損害保険契約等(契約期間10年以
上で満期返戻金を支払う旨の特約の
ある保険契約)の保険料のみ支払っ
た場合(経過措置)
32
16税金読本̲p017-052̲02.indd 32-33
◦平成29年1月1日から平成33年
12月31日までの間に購入した対
価について適用
◦①の医療費控除との併用は不可
支払った保険料の全額
〈最高5万円〉
◦新契約とは平成24年1月1日以
後に生命保険会社又は損害保険
会社等と締結した保険契約等
◦旧契約とは平成23年12月31日以
前に生命保険会社又は損害保険
会社等と締結した保険契約等
◦新契約については、主契約又は
特約の保障内容に応じ、その保
険契約等に係る支払保険料等を
各保険料控除に適用する
◦異なる複数の保障内容が一の契
約で締結されている保険契約等
は、その保険契約等の主たる保
障内容に応じて保険料控除を適
用する
◦剰余金の分配等(剰余金の分配
や割戻金の割戻し)について
は、主契約と特約のそれぞれの
支払保険料等の金額の比に応じ
て剰余金の分配等の金額を按分
し、それぞれの支払保険料等の
額から差し引く
◦新契約に係る一般生命保険料控
除は遺族保障等を対象とし、旧
契約に係る一般生命保険料控除
は遺族保障、介護保障、医療保
障等を対象としている
(※1)①〜③は別枠である
(※2)
複数の契約がある場合の各
保険料控除の合計適用限度
額
・新契約のみの場合:上限4万円
・旧契約のみの場合:上限5万円
・新旧契約両方の場合
:上限4万円
・介護保険料と生命保険料と年金
保険料の合算
:上限12万円
(※3)④と⑤は別枠である
◦平 成19年分の所得税からは損害
保険料控除は地震保険料控除へ改
組された
◦損害保険契約等には、一定の偶
然の事故によって生ずることの
ある損害を補てんする損害保険
契約等のほか、身体の傷害に基
因して保険金が支払われる保険
支払った保険料
10,000円超
10,000円以下
20,000円以下
20,000円超
支払った保険料の全額
支払った保険料×1/2+5,000円
15,000円
③①と②の2つの保険に加入している 両方の保険料を合わせて最高5万円
場合
まで控除が認められる。この場合、
長期損害保険料の控除限度額は最高
1万5千円
約で、生命保険会社等または
契
損害保険会社等と締結したもの
(いわゆる第三分野の保険契約)
も含まれる
所 得 税
OTC医薬品の購入の対価を支払っ
チ
た場合
対価の合計額
12,000円以下
12,000円超
100,000円以下
100,000円超
● 所得税の基礎知識
④②に新たに①を付帯させた場合など ①あるいは②のいずれかを選択適用
1つの保険に①と②が備わっている
場合
寄附金控除 納税者が特定寄附金を支出した場合
障害者控除 ①納税者、控除対象配偶者、扶養親族
が障害者である場合
②納税者、控除対象配偶者、扶養親族
が特別障害者である場合
③控除対象配偶者、扶養親族が同居の
特別障害者である場合
寡婦(寡夫) ①納税者が寡婦の場合
控
除
(
「特定寄附金の支出額」と
「総所得金額等×40%」とのうち
少ない金額)
−2,000円
◦特定寄附金の内容については36
ページのQ&Aを参照
◦ふるさと納税のワンストップ特
例制度については62ページを参
照
1人につき27万円
◦障害者とは心神喪失の常況にあ
る者、失明者その他の精神また
は身体に障害がある一定の者
◦特別障害者とは障害者のうち、
精神または身体に重度の障害が
ある者で一定の者
1人につき40万円
1人につき75万円
27万円
②納税者が特定の寡婦の場合
35万円
③納税者が寡夫の場合
27万円
◦寡婦とは、以下のいずれかの者
①夫と死別・離婚等した女性で、
扶養親族等がいる者
②夫と死別等した女性で合計所得
金額500万円以下の者
◦特定の寡婦とは、寡婦のうち扶
養親族である子を有し、合計所
得金額が500万円以下の者
◦寡夫とは、以下のすべての要件
を充たす者
イ.妻と死別、離婚したこと等
ロ.総所得金額等が38万円以下の
生計を一にする子を有すること
ハ. 納税者の合計所得金額が500
万円以下であること
勤労学生控除 納税者が勤労学生の場合
27万円
◦勤労学生とは、合計所得金額が
65万円以下であるなど一定の者
配偶者控除 ①控除対象配偶者がいる場合
38万円
◦控除対象配偶者とは、納税者と
生計を一にする配偶者で、合計
所得金額が38万円以下の者
◦老人控除対象配偶者とは、控除
対象配偶者のうち年齢が70歳以
上の者
②老人控除対象配偶者がいる場合
48万円
配 偶 者 納税者の合計所得金額が1,000万円以
特 別 控 除 下で生計を一にする配偶者がいる場合
配偶者の合計所得金額により区分
次のページの一覧を参照
扶 養 控 除 ①控除対象扶養親族がいる場合
②特定扶養親族がいる場合
③老人扶養親族がいる場合
④老人扶養親族のうち、納税者または
配偶者の直系尊属で、納税者または
配偶者のいずれかとの同居を常況と
している者
(同居老親等)
がいる場合
1人につき38万円
1人につき63万円
1人につき48万円
1人につき58万円
基 礎 控 除 すべての納税者
※1
※2
◦扶養親族とは、納税者と生計を
一 に す る 親 族 等( 配 偶 者 を 除
く)で、合計所得金額が38万円
以下の者
◦控除対象扶養親族とは、納税者
と生計を一にする16歳以上の親
族等(配偶者を除く)で、合計
所得金額が38万円以下の者
◦特定扶養親族とは、控除対象扶
養親族のうち19歳以上23歳未満
の者
◦老人扶養親族とは控除対象扶養
親族のうち、年齢70歳以上の者
◦平成28年分の所得税より、国外
扶養親族の扶養控除について
は、年末調整や確定申告の際、
親族関係や送金関係の事実を証
する書類の添付が必要
38万円
表中の「合計所得金額」については、39ページのCheck Point!を参照して下さい。
表中の「総所得金額等」とは、合計所得金額に損失の繰越控除を適用して計算した金額です。
33
16.10.31 4:48:48 PM
● 所得税の基礎知識
●配偶者の収入金額と配偶者控除・配偶者特別控除の額
その者と生計を一にする配偶者その
◆損失が控除しきれない場合
他の親族で、その年分の合計所得金
配偶者控除の額
配
偶
者
特別控除の額
103万円以下
38万円
0
103万円 超 〜105万円未満
0
38万円
105万円以上〜110万円未満
0
36万円
110万円以上〜115万円未満
0
115万円以上〜120万円未満
0
120万円以上〜125万円未満
0
21万円
125万円以上〜130万円未満
0
16万円
130万円以上〜135万円未満
0
11万円
135万円以上〜140万円未満
0
6 万円
140万円以上〜141万円未満
0
3 万円
141万円以上
0
0
災害にあった場合に所得税を減免
配偶者の収入金額は給与所得控除額(上記金額の場合は65万円)を差し引く前の金額です。
する制度としては、雑損控除のほか、
災害にあった年の所得から雑損控
額が基礎控除額以下である者が所有
除額を控除しきれなかった場合は、
する常時起居する住宅または日常生
31万円
残りの額について、雑損失の繰越控
活に通常必要な家具、什器、衣服、
26万円
除を受けることができます。雑損失
書籍その他の家庭用動産をいいま
の繰越控除は、翌年以降3年間の所
す。
得から控除を受けられるものです
2.災害減免法
となりますが、災害減免法の場合に
減・免除する制度があります。
具体的には、災害のあった年分の
合計所得金額が1,000万円以下の場合
災害にあって損害を受けた場合に、所得税の軽減などを
受ける制度があると聞きました。どのような制度がある
のか教えてください。
地震、火災、風水害などの
下の配偶者やその他の親族が所有
災害にあって、住宅や家財
者であること
などに損害を受けた場合には、確定
②生 活に通常必要な住宅、家具、衣
申告を行うことで所得税法の雑損控
類などの資産であること(別荘や
除(くわしくは31ページ参照)を受
事業用の資産、書画、骨とう、貴
けることができるほか、災害減免法
金属等で1組または1個の価額が
の適用を受けることにより税金の軽
30万 円 を 超 え る も の は 除 か れ ま
減または免除ができます。納税者は、
す)
所得税法の雑損控除か災害減免法の
適用のいずれか有利な方法を選ぶこ
1.雑損控除
申告書を提出することになっていま
◆対象となる資産
す。また、災害等に関連して支払っ
は、その領収書を添付、もしくは提
①納 税者本人、もしくは納税者と生
示する必要があります。
16税金読本̲p017-052̲02.indd 34-35
雑損控除と同様です。
雑損控除と異なり、その年に控除
しきれなかった損失額を繰り越すこ
とはできません。
で、災害により受けた損害額が住宅
災害減免法の適用を受けるために
または家財の1/2以上で、かつ、雑
は、確定申告書に適用を受ける旨、
損控除の適用を受けない場合は、以
被害の状況及び損害金額を記載し
下の所得金額に応じて所得税額が軽
て、原則として確定申告期限内に、
減・免除されます。
納税地の所轄税務署長に提出するこ
住宅または家財とは、自己または
合計所得金額
とが必要です。
所得税の軽減・免除額
500万円以下
全額
500万円超
750万円以下
1/2
750万円超
1,000万円以下
1/4
たやむを得ない支出がある場合に
象となります。
34
別荘などが対象から除かれるのは
控除に関する明細書を添付し、雑
損控除に関する事項を記載した確定
計を一にする総所得金額38万円以
は、住宅、家財に限られます。
◆雑損控除を受けるための手続き
とができます。
次の2つの条件を満たす資産が対
雑損控除の場合には、棚卸資産等
特定の資産を除く一切の資産が対象
(29ページを参照)。
災害減免法に基づいて所得税額を軽
災害等にあったとき
所 得 税
※
31ページの表を参照して下さい。
配偶者の収入金額
(給与収入)
控除される金額の計算については
35
16.10.31 4:48:48 PM
● 所得税の基礎知識
医療費控除の対象となる医療費
寄附金控除の対象となる特定寄附金には、どのようなも
のがありますか。
納税者が国や地方公共団体、
確定申告をして医療費控除の適用を受けると税金が還付
されると聞きました。この医療費控除の対象となる医療
費にはどのようなものが含まれるのですか?
きます。
特定寄附金には、たとえば、以下
特定公益増進法人などに対
し、「特定寄附金」を支出した場合
医療費控除の対象となる医
度の下で提供される一定の施設・居
療費は、病状などに応じて
宅サービスの対価も含まれます。一
一般的に支出される水準を著しく超
方で、健康診断の費用や、健康増進
えない部分の金額となります。
のための栄養剤などの費用は医療費
のものなどがあります。
には、寄附金控除を受けることがで
医療費控除の対象には、治療を受
⑴
国、地方公共団体への寄附金
⑵
公益社団法人、公益財団法人等への寄附金で、財務大臣が指定した
けるための通院費が含まれるほか、
もの
医療サービスだけでなく介護保険制
⑶
独 立行政法人、学校法人等、社会福祉法人、更生保護法人などのう
ち一定のものに対する寄附金
⑷
特定公益信託のうち一定のもの
⑸
一定の政治献金
⑹
一定の認定NPO法人に対する寄附金
⑺
特定新規中小会社により発行される特定新規株式を払込みにより取
得した場合の特定新規株式の取得に要した金額のうち一定の金額
(1,000万円が限度となります)
ただし、学校への入学に際して納
きる場合があります。
入する寄附金や、寄附をした納税者
寄附金控除の適用を受けるために
に特別の利益が及ぶ寄附金、政治資
は、確定申告書に寄附した団体など
金規正法に違反する政治献金、宗教
から交付を受けた領収書などを添付
法人に対する寄附金などは、特定寄
する必要があります。⑸一定の政治
附金から除かれます。
献金の場合には、選挙管理委員会等
また、上記のうち、⑵および⑹に
ついては税額控除を選択でき、⑶お
よび⑸についても税額控除を選択で
の確認印のある「寄附金(税額)控
除のための書類」が必要です。
医療費控除の対象
は、以下の表を参照してください。
控除の対象に含まれるもの(例示)
控除の対象に含まれないもの
(例示)
・容姿を美化し、容ぼうを変えるな
どの目的で行った整形手術の費用
・健康診断の費用
・自家用車で通院する場合のガソリ
ン代や駐車料金
・治療を受けるために直接必要とし
ない、近視や遠視のための眼鏡等
の購入費用
・保健師や看護師、准看護 ・左記以外で、療養上の世話を受けるために
師による療養上の世話の
特に依頼した人に支払う療養上の世話の対 ・親族に支払う療養上の世話の対価
対価
価
・治療や療養に必要な医薬
品の購入の対価
・かぜの治療のために使用した一般的な医薬
品の購入費用
・疾病の予防または健康増進のため
・医師等の処方や指示により、医師等による
に供されるものの購入費用
診療等を受けるため直接必要なものとして
購入する医薬品の購入費用
・病院、診療所または助産
・病状からみて急を要する場合に病院に収容
所などへ収容されるため
されるための費用
の人的役務の提供の対価
※2
※3
※4
※5
16税金読本̲p017-052̲02.indd 36-37
控除の対象となりません。くわしく
◦医師等による診療等を受けるために直接必
要なもので、次のような費用
・医師、歯科医師による診
・通院費
療や治療の対価
・入院の対価として支払う部屋代や食事代
・治療のためのあんまマッ
・医師等の送迎費
サージ指圧師、はり師、
・医療用器具の購入や貸借のための費用
きゅう師、柔道整復師な
・義手、義足、松葉づえや義歯等の購入の
どによる施術の対価
費用
・助産師による分べんの介
・身体障害者福祉法などの規定により、都
助の対価
道府県や市町村に納付する費用のうち、
・医師等による一定の特定
医師等の診療費用などに当たるもの
保健指導の対価
・6ヵ月以上寝たきりの人のおむつ代で、
・介護福祉士等による喀痰
その人の治療をしている医師が発行した
吸引等の対価
証明書
(
「おむつ使用証明書」
)
のあるもの
◦介 護保険制度の下で提供される一定の施
設・居宅サービスの対価
※1
36
所 得 税
特定寄附金とは
・親族などから人的役務の提供を受
けたことに対し支払う謝礼
間ドックなどの健康診断や特定健康診査の費用は控除の対象となりませんが、健康診断の結果、重大な疾
人
病が発見された場合で、引き続き治療を受けるとき、または特定健康診査を行った医師の指示に基づき一定
の特定保健指導を受けたときには、健康診断や特定健康診査の費用も医療費控除の対象となります。
おむつ代について医療費控除を受けることが2年目以降で、介護保険法の要介護認定を受けている一定の人
は、市町村長等が交付するおむつ使用の確認書等を「おむつ使用証明書」に代えることができます。
医療費は、その年に実際に支払ったものに限って控除の対象となります。未払となっている医療費は、実際
に支払った年の医療費控除の対象となります。
医療費控除の対象となる介護保険制度の下で提供される一定の施設・居住サービスの対価については、国税
庁ホームページまたは税務署で配布している「医療費控除を受けられる方へ」という冊子に説明されています。
(出所:国税庁「平成27年分所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き」および改正税法により作成)
「スイッチOTC医薬品」
に該当するものについては、購入の対価が平成29年1月以降において控除の対象とな
ります(31ページ参照)
。
37
16.10.31 4:48:48 PM
同居している、親の後期高齢者医療制度の保険料につい
て、社会保険料控除を受けることはできますか? 後期
高齢者医療制度について詳しく教えてください。
所得控除の順序
所得控除は14種類もありますが、適用する順序に決まり
はあるのでしょうか?また、所得控除を受ける所得の順
序に決まりはあるのでしょうか?
所得控除を適用するとき(各
また、控除を受けるとき(各所得
後期高齢者医療制度は、平
について子が社会保険料控除を受け
所得控除額を所得から差し
から所得控除額が差し引かれると
成20年4月より始まった、
られるのは、子の口座からの振替に
引くとき)は、最初に雑損控除を行
き)は、総所得金額から優先的に控
75歳以上の高齢者および65歳以上の
より支払う場合のみです。親の年金
い、続いて残りの控除を行います。
除されます。総所得金額で控除しき
一定の障害者が加入する医療制度で
から天引きにより徴収された社会保
雑損控除を一番に差し引くこと以
れない場合は、次の順序で控除され
険料については、親に社会保険料控
外、順番に決まりはありません。
る決まりになっています。
す。
75歳以上の高齢者は、子どもや配
除が適用されます。
偶者に扶養されているか否かや職業
親の年金に対して所得税や住民税
等にかかわらず全員が同じ医療制度
が課税されていない場合は、後期高
となっています。
齢者医療制度の保険料の支払方法を
後期高齢者医療制度の保険料は、
子の口座からの振替にすることで、
個人単位となり、一人当たり定額の
子に社会保険料控除が適用され、子
保険料(均等割)と所得に応じた保
の税負担が軽減されます。
①土地・建物等の短期譲渡所得の金額
②土地・建物等の長期譲渡所得の金額
③申告分離課税を選択した配当所得等の金額
(上場株式等の譲渡損失の通算後)
④株式等に係る譲渡所得等の金額
⑤先物取引に係る雑所得等の金額
⑥山林所得金額
⑦退職所得金額
険料(所得割)の合計です。原則と
また、親の年金に対して所得税や
して年金からの天引きにより徴収さ
住民税が課税されている場合でも、
れますが、申請により本人または本
親より子に適用される税率が高けれ
人と生計を一にする配偶者その他の
ば、後期高齢者医療制度の保険料の
親族の口座からの振替により支払う
支払いを子の口座からの振替にする
合計所得金額とは、総所得金額、特別控除前の分離短期・長期譲渡所得の
ことができます。
ことで世帯全体での税負担が軽減さ
金額、申告分離課税を選択した配当所得等の金額(上場株式等の譲渡損失の
れます。
通算後)、株式等に係る譲渡所得等の金額、先物取引に係る雑所得等の金額、
親の後期高齢者医療制度の保険料
所 得 税
後期高齢者医療制度と社会保険
料控除
● 所得税の基礎知識
合計所得金額
山林所得金額および退職所得金額の合計額をいいます。
ただし、純損失や雑損失の繰越控除、その他一定の損失の繰越控除の特例
の適用を受ける場合には、適用前の金額をいいます。26ページでは、「損失
の繰越控除」の手前上段に「合計所得金額」を表示しています。
また、源泉徴収口座で申告不要を選択した株式譲渡益や配当等、申告不要
制度の適用を受ける配当、収益分配金等は除外されます(申告不要のもので
あっても、確定申告を行えば合計所得金額に含まれます。108ページ参照)。
合計所得金額は、寡婦(寡夫)控除・勤労学生控除・配偶者控除・配偶者
特別控除・扶養控除などの所得控除や、税額控除(41ページの「住宅ローン
減税」を参照)の適用の有無を判定する際に使用します。
38
16税金読本̲p017-052̲02.indd 38-39
39
16.10.31 4:48:48 PM
所得税の税率
た後の金額を課税所得金額といいます。
税額控除
租税負担能力を考慮した税率の構造であ
り、超過累進税率といいます。
課税所得金額に税率を適用すると、税
としての借入金等があったりする場合に
額が算出されます。しかし、これで最終
は、算出した税額から一定の金額を控除
課税所得金額が確定したら、この金額に
次の計算例のように課税所得金額
的に納付する所得税額が確定するわけで
することが認められます。これを税額控
税率を適用します。所得税の税率は、所
2,000万円に見合う税率をそれぞれ適用
はありません。もし、総所得金額のなか
除といいます。以下では、主な税額控除
得が多くなればなるほど税率が高くなる
すると、算出税額520万4千円が求めら
に配当所得が含まれていたり、すでに外
について説明します。
仕組みになっています。これは納税者の
れます。
国で課税されていたり、住宅の取得資金
所 得 税
所得金額から所得控除の額を差し引い
● 所得税の基礎知識
◆(1)配当控除
課税所得金額2,000万円の場合の計算例
配当所得の10%(公募株式投資信託の
当、外国株式の配当(外国株式投資信託
収益分配金については最大5%) 相当
の収益分配金を含む)などについては配
(注)
195万円以下の部分
195万円×5%=
97,500円
額を税額から控除します。ただし、申告
当控除が認められません。くわしくは
「株
195万円超〜 330万円以下の部分
135万円×10%=
135,000円
不要制度(19ページ参照)および申告
式投資と税金―譲渡益・配当課税の原則
分離課税の適用を受けた上場株式等の配
―」「投資信託と税金」で説明します。
330万円超〜 695万円以下の部分
365万円×20%=
730,000円
695万円超〜 900万円以下の部分
205万円×23%=
471,500円
900万円超〜1,800万円以下の部分
900万円×33%= 2,970,000円
1,800万円超〜2,000万円以下の部分
200万円×40%=
税額合計
800,000円
5,204,000円
◆(2)住宅ローン減税
住宅借入金等を有する場合の特別税額
した者が、一定期間内の従前の住宅(敷
控除(以下「住宅ローン減税」)は、(原
地を含む)の譲渡について「居住用財産
則として)期間10年以上の住宅ローンを
の軽減税率の特例」などの適用を受ける
もっとも、実際に税額を求める場合は、
を用いて計算した場合も同じ結果になり
利用した場合に、住宅ローンの年末残高
(受けた)場合は、住宅ローン減税は適
下の速算表を用いて計算します。速算表
ます。
の合計額をもとに算出する金額を一定期
用されません。ただし、居住用財産を買
間にわたって所得税額から控除するもの
換え等のために譲渡し譲渡損失が出た場
です。納税者が平成31年6月30日までの
合には、譲渡損失の繰越控除制度との併
間に住居として新築住宅や既存住宅を取
用が認められています。
●所得税速算表
課税所得金額(千円未満切捨て)
税率
速算控除額
195万円以下
5%
0円
195万円超
330万円以下
10%
97,500円
330万円超
695万円以下
20%
427,500円
695万円超
900万円以下
23%
636,000円
900万円超
1,800万円以下
33%
1,536,000円
4,000万円以下
40%
2,796,000円
45%
4,796,000円
1,800万円超
4,000万円超
得し居住したとき、または住んでいる家
この住宅ローン減税については、居住
屋の増改築を行ったときに、合計所得金
の用に供した日や住宅の種類などによっ
額3,000万円以下の年に限り認められま
て、所得要件や適用対象となる借入金な
す。
どの範囲、各年分の控除額や控除期間な
なお、新築住宅または既存住宅を取得
どが異なります。
◆ (3)住宅関連の投資型減税
住宅関連費用を支払った場合、住宅ロ
ーン減税に代えて工事費等の金額を基準
(注)課 税総所得金額等が1,000万円を超える部分
については、控除率が1/2になります。また、
公募株式投資信託のうち、投資信託約款等に
記載されている株式以外の資産や外貨建資産
の運用割合が高いものについても、割合に応
じて控除率が低くなります(詳細は171ペー
ジ参照)。
●課税所得金額2,000万円の場合の計算例
2,000万円×40%−2,796,000円=5,204,000円
40
16税金読本̲p017-052̲02.indd 40-41
41
16.10.31 4:48:48 PM
として税額控除を受けられる「投資型減
(注)
税」を選択することができます
。
省エネ改修、バリアフリー改修、耐震改
それぞれ適用される期間や適用条件や控
ての寄附金控除、上記の政治活動に関す
除額などが異なりますので、詳細につい
る寄附をした場合の特別控除と合わせ
て、判定します。
て は361ペ ー ジ か ら の「 住 宅 ロ ー ン 減
税・投資型減税」を参照して下さい。
修、多世帯同居改修の5種類があります。
所 得 税
投資型減税には、長期優良住宅の新築、
● 所得税の基礎知識
◆(6)外国税額控除
の金額を控除する外国税額控除が認めら
日本国内に住所がある個人、または1
◆(4)政治活動に関する寄附をした場合の特別控除
政治活動に関する寄附で一定のものは
25%相当額が限度となります。
れています(注)。
年以上居所がある個人を居住者といいま
す(44ページQ&Aを参照)。居住者の
所得税額から控除しきれない場合は、
場合、国内で生じた所得のほか、外国で
①復興特別所得税(控除限度額は46ペ
所得控除の対象となっていますが、政党
ただし、所得控除の適用を受ける寄附
生じた所得(国外所得)についても課税
ージ参照)②道府県民税額(所得税の控
や政治資金団体に対する寄附金について
金がある場合には、所得控除を受ける寄
されます。しかし、国外所得について既
除限度額の12%まで)、③市町村民税額
は税額控除も認められています。納税者
附金と税額控除を受ける寄附金の合計額
に外国で所得税等が課されている場合
(所得税の控除限度額の18%まで)の順
は所得控除と税額控除の有利な方を選択
が総所得金額等の40%相当額を超えな
は、二重に課税することになってしまい
で控除することができます。具体的には
することができます。この場合の税額控
いよう調整する措置が設けられていま
ます。そこで、この二重課税を調整する
次の算式で求められた金額(控除限度額)
除の金額は、原則として下のようになり
す。下の算式の「2,000円」についても、
ため、算出した税額から外国の所得税等
の範囲内で控除することができます。
ます。税額控除の金額は、所得税額の
一定の調整が加えられます。
(その年中の政党等に対する寄附金額※1−2,000円)
×30%
=税額控除額※2
※1
※2
総所得金額等の40%相当額を限度
所得税額の25%相当額を限度
●所得税の控除限度額の計算式
控除限度額=その年分の所得税の額×
◆外国税額の繰越控除
◆(5)認定NPO法人、公益社団法人等への寄附
認定NPO法人や所得控除としての寄
場合、33ページの寄附金控除のほかに、
附金控除の対象となっている公益社団法
税額控除を選択することができます。納
人、公益財団法人、学校法人、社会福祉
税者はいずれか有利な方を選択します。
法人、更生保護法人のうち、一定の法人
税額控除の金額は、次の算式で計算しま
に対して、2,000円を超える寄附をした
す。
外国税額控除は、翌年以降3年間の繰
越しが認められています。
その年分の国外所得総額
その年分の所得総額
◆外国税額が減額された場合
外国税額控除の適用を受けた翌年以後
に対象となる外国所得税額が減額された
場合は次のような調整が行われます。
●外国税額が減額された場合の調整
①減 額されることとなった日の属する年(減額に係る年)に納付する外
国所得税から減額分を差し引き、その残額について外国税額控除を適
用する
(寄附金額※1−2,000円)
×40%=税額控除額※2
※1
※2
総所得金額等の40%相当額を限度
所得税額の25%相当額を限度
税額控除額は所得税額の25%相当額を
③減 額分のうち、①②によって調整できない金額がある場合は、減額に
最大で50%までの税額控除が可能です。
また、控除の対象となる寄附金額(総
する寄附をした場合の特別控除とは別枠
所得金額等の40%相当額)および控除適
で判定します。住民税と合わせた場合は、
用下限額(2,000円)は、所得控除とし
42
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国所得税額が減額された外国所得税額を下回る場合は、過去3年以内
の繰越控除を受けた金額から差し引く
限度とされますが、上記の政治活動に関
(注)耐震改修の投資型減税については、住宅ロー
②減 額に係る年に納付する外国所得税額がない場合、または納付する外
ン減税と併用することができます。
係る年分の雑所得の計算上、総収入金額に算入する
(注)外国債券の利子については、平成27年12月31
日までは源泉徴収の段階で一定の外国税額が
差し引かれているため、確定申告時にさらに
外国税額控除を受けることはできません。平
成28年1月1日以後は、特定公社債で申告分
離課税を選択すれば、外国税額控除を受ける
ことができます(214ページ参照)。
43
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● 所得税の基礎知識
復興特別所得税
海外へ転勤することになりました。海外在住者の税金は
どのような仕組みになっているのでしょうか?
興特別所得税として所得税と併せて納付
平成23年度の税制改正により、東日
する義務があります。
本大震災の復興施策に必要な財源を確保
復興特別所得税の税収は、全額、復興
するために、復興特別所得税を設けるこ
費用または復興債の償還費用に充てられ
とが定められました。
ます。
平成25年分から平成49年分まで、所
海外に転勤した給与所得者
得控除については雑損控除、寄附金
得税を納める者は、所得税の2.1%を復
は、通常はいわゆる非居住
控除、基礎控除の3種類に限定され
者となります。非居住者とは居住者
ています。非居住者にはわが国の外
■ 復興特別所得税の源泉徴収
以外の個人を指します。居住者とは、
国税額控除は適用されません。
ます。
復興特別所得税は、通常の所得税と同
国内に住所がある、または現在まで
海外の居住国では、現地の法令等
継続して1年以上居所がある個人の
により、所得税等が課税されます。
ことをいいます。住所とは「個人の
その際、日本で支払った所得税等に
平成25年以後においては、上場株式
く)は、復興特別所得税を考慮しないと、
生活の本拠」であり、居所は「
(住
ついて海外の居住国で現地の法令等
等の配当を受け取ったとき、会社から給
20%(所得税率15%・住民税率5%)
所ではないが)現実に居住している
により外国税額控除が適用できる場
与を受け取ったとき、年金を受け取った
で す。 こ の う ち、 所 得 税 率 の 部 分 が
場所」です。
合があります。
ときなどに、所得税と併せて復興特別所
1.021倍になりますので、復興特別所得
得税も源泉徴収されています。
税を考慮した税率は20.315%(所得税+
当に対する源泉徴収税率(大口株主を除
ります。
租税条約を締結している国に関し
源泉所得」について所得税が課税さ
ては、租税条約によって異なる定め
源泉徴収される復興特別所得税の金額
れます。国内源泉所得とは、日本国
がなされている場合があります。そ
は「所得税額の2.1%」となります。税
内で生じた所得のうち事業・資産に
の場合は条約が優先されることにな
額が2.1%増えるわけですから、税率に
よる所得、土地建物による所得、人
ります。
直すと、所得税の税率が1.021倍になり
なお、平成27年7月1日以後の国
預貯金の利子等などを指します。こ
外転出から、国外転出時に1億円以
れらの所得については、原則として
上の有価証券等を所有している者
所得税の源泉徴収がなされます。た
で、一定の期間(原則として転出前
だし、公社債の利子等など一定のも
10年以内において5年超)居住して
のについては源泉分離課税になるな
いた者について、課税されることが
ど、実際には対象者や対象となる所
あります(国外転出時みなし譲渡益
得によって細かく規定されています
課税の特例)
。くわしくは405ペー
(89ページのQ&A参照)。また、所
納税者の区分
平成28年に受け取る上場株式等の配
じく、源泉徴収と申告納税の2種類があ
非居住者には、わが国では「国内
的役務の提供による所得、公社債や
所 得 税
海外に転勤する場合の税金
復興特別所得税の税率15.315%・住民税
率5%)となります。
この他、各種所得に対する源泉徴収税
率は、以下の図表のようになります。
●主な源泉徴収税率(平成28年現在)
復興特別所得税を考慮しない税率 復興特別所得税を考慮後の税率
所得税
上場株式等の配当の源泉税率
未公開株式等の配当の源泉税率
預貯金・公社債の利子の源泉税率
報酬・料金等の源泉税率(原則)
15%
20%
15%
10%
住民税
5%
−
5%
−
合計税率 所得税+復興特 住民税
別所得税
20%
15.315%
5%
20%
20.42%
−
20%
15.315%
5%
10%
10.21%
−
合計税率
20.315%
20.42%
20.315%
10.21%
ジを参照して下さい。
課税所得の範囲
居住者
・国内に住所を有する個人
・すべての所得
・現在まで継続して1年以上居所がある個人
非永住者
・居住者のうち、日本国籍を有しておらず、 ・国内源泉所得
かつ過去10年以内において国内に住所又は ・国内源泉所得以外で、日本国
居所を有していた期間の合計が5年以下で 内で支払われたもの、または
ある個人
日本国内に送金されたもの
非居住者
・居住者以外の個人
・国内源泉所得のみ
(注)平成25年から、所得税と併せて復興特別所得税も課税されています。
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■ 復興特別所得税の申告納付
平成25年分以後の所得税の確定申告
の際には、所得税と併せて復興特別所得
税も納付されています。
申告時の復興特別所得税は、基準所得
税額に対して2.1%となります。基準所
確定申告の仕組み
率が1.021倍になるものといえます。
◆外国税額控除
-3
所 得 税
◆基準所得税額
2
● 所得税の基礎知識
平成25年以後においては、外国税額
控除はその他の税額控除とは異なる取扱
いをします。
外国税額控除の適用がある場合、
まず、
所得税では、1月1日から12月31日ま
確定申告は、所得と税額を確定させる
得税額とは、外国税額控除以外の税額控
控除限度額の範囲(43ページ参照)で
での1年間の収入に対し、所得を確定さ
とともに、源泉徴収された税金や、予定
除を行った後の所得税額です。
所得税から控除します。控除し切れない
せ、税額を計算して申告と納税を行いま
納税した税金と実際の税額との差額を精
復興特別所得税を考慮すると、基本的
残額がある場合は、以下の控除限度額の
す。この申告のことを確定申告といい、
算するという役割も果たしています。ま
には、図表のようにあらゆる所得税の税
範囲で復興特別所得税から控除します。
翌年の2月16日から3月15日までの間に
た、損失が発生した場合には損失申告、
行うことが必要です。平成28年分の確定
申告内容に誤りがあった場合には、税務
申告書(提出は平成29年)からは、個人
署の指摘前であれば修正申告を行うこと
番号(マイナンバー)の記入が必要とな
ができます。
●復興特別所得税からの外国税額控除の限度額
控除限度額=その年分の復興特別所得税の額×
その年分の国外所得総額
その年分の所得総額
復興特別所得税から控除しても、控除
納めるべき税額がある場合は、確定申
し切れない残額がある場合は、住民税か
告時に所得税額と復興特別所得税額を併
ら控除できます(43ページ参照)。
せて納付します。
◆予定納税
ります。
確定申告の必要な人、確定申告ができる人
◆ 確定申告の必要な人
納めすぎとなっている場合は、確定申
確定申告をしなければならない人につ
っても所得税の計算結果が還付となる場
告時に所得税額と復興特別所得税額が併
いては、たとえば次のような人が該当し
合は、2月16日を待たず、1月1日から還
併せ、復興特別所得税の分も予定納税を
せて還付されます。
ます。なお、これらに該当する場合であ
付申告書を提出することが可能です。
行います。予定納税については51ペー
◆延納
平成25年以後においては、所得税に
ジを参照して下さい。
◆確定申告
平成25年以後において、所得税の延
納をする場合には、併せて復興特別所得
平成25年分以後の所得税の確定申告
税も延納することができます。所得税の
では、所得税額および復興特別所得税額
延納については50ページを参照して下
について、源泉徴収額・予定納税額を考
さい。
慮した精算を行います。
●主な申告時の税率(平成28年分)
復興特別所得税を考慮しない税率 復興特別所得税を考慮後の税率(※)
住民税
合計税率
所得税
住民税
合計税率 所得税+
復興特別所得税
総合課税の各種所得の税率(給与所得、雑所得、 5%〜45%
10%
15%
5.105%
10%
15.105%
事業所得など)
〜55%
〜45.945%
〜55.945%
総合課税を選択した株式等の配当等の実質的な 0%〜40%
7.2%〜
7.2%〜
0%
7.2%〜
7.2%〜
税率(配当控除を考慮)
8.6%
48.6%
〜40.84%
8.6%
49.44%
申告分離を選択した上場株式等の配当等と譲渡
15%
5%
20%
15.315%
5%
20.315%
所得の税率
一般株式等の譲渡所得の税率
15%
5%
20%
15.315%
5%
20.315%
先物取引等の雑所得
15%
5%
20%
15.315%
5%
20.315%
※
配当控除以外の税額控除や、損益通算などを考慮しない税率です。
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一般の人
各種所得金額の合計額から所得控除を行い税率を適用して計算した税額
年金受給者※ が、配当控除及び年末調整による住宅ローン控除額の合計額より多い人
給与所得者 給与収入が2,000万円超などの一定の人
退職所得者
「退職所得の受給に関する申告書」を提出しなかった人などで一定の人
(27ページを参照)
※ ただし、例外的に年金等の収入金額が400万円以下で、雑所得以外の所得金額が20万円以下の場合は所得
税の申告は不要です(252ページ参照)。
◆ 確定申告ができる人
確定申告の義務のない人でも、予定納
している場合には、還付を受けられるな
税額や源泉徴収税額などを考慮した結
ど確定申告した方が有利な場合もありま
果、実際に支払うべき税額を超えて納付
す。たとえば次のような場合です。
①雑損控除、医療費控除、寄附金控除(ワンストップ特例を除く)、住宅
ローン減税を受けられる場合
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