新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。 平成29年度教員採用選考試験の最終合格者数が確定しました。教職支援室便り11月号では、現役生の 合格者数を7名(延べ11名)としましたが、その後、愛知県(中学校英語)の補欠者が合格になりました ので、現役生の最終合格者数は8名(延べ12名)となりました。 今年度は、現役生14名が選考試験を受験し、8名が12自治体に合格しました。現役生の合格率は、昨 年度の53.9%を上回り、57.1%(現役合格者数 8名/現役受験者数 14名)となり、記録の残っ ている平成13年度以降で最高となりました。 なお、文部科学省がまとめた「平成27年度公立学校教員採用選考試験の実施状況(最新のデータ)」で は、現役生の採用率(現役採用者数/現役受験者数)は、中学校14.8%、高等学校13.6%ですので、 本学の現役生の合格率は非常に高いといえます。 大学院修士課程又は教職大学院に在籍又は進学する第二次選考試験合格者には採用時の特例扱いがあり ます。合格者が教員としての資質及び能力の向上を目的として大学院の修学継続又は進学を希望する場合、 本人の申出により、「名簿登載による1年間又は2年間の採用延期」が認められます。多くの自治体が「大 学院修士課程在籍者又は進学者に対する特例」を設けています。 今回の合格者16名の内、2名(現役1、既卒1)が、名簿登載による1年間又は2年間の採用延期申請 を行いました。 3年生を中心に進めている山本塾生の教職教養の勉強会も既に15回終え、現在、発達障害者支援法に関 する問題を学習しています。夏に実施される第一次選考試験まで後6カ月です。例年、東京都、千葉県など は、4月下旬に実施要項が配布されるので、この1月中には受験自治体を確定する必要があります。 平成28年実施の第一次選考試験の日程は、下記の通りでした。日程は、地域単位でほぼ統一されている ので、今年の日程もほぼ同じと考えて良いと思います。 6月25日(土) 北海道 7月 2日(土)OR 3日(日) 7月 9日(土)OR10日(日) 栃木、新潟、大阪府(筆記) 、福岡市(筆記) 茨城、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、長野、静岡、奈良、 岡山 7月16日(土)OR17日(日) 富山、石川、福井、岐阜、三重、島根、広島、山口、香川、福岡、 佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄 7月21日(木) 高知、徳島 7月23日(土)OR24日(日) 宮城、秋田、山形、福島、滋賀、京都、兵庫、愛知、和歌山、鳥取 例年、受験自治体を決める際、競争倍率等を考えて、1人で3~4自治体を受験する塾生も多くいます。 自治体によっては、かなり高倍率の所もあるので、早く教員に採用されるよう、複数の自治体を受験するこ とを勧めます。また、教職教養や一般教養の出題内容を見たうえで自治体を選ぶのもよいと思います。 ※一般教養の出題がなく教職教養のみの自治体 宮崎県、熊本県、広島県、岡山県、岐阜県、東京都、福島県、宮城県、岩手県 文部科学省の中央教育審議会は、昨年12月21日、次期学習指導要領に向けた答申「幼稚園、小学校、 中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策について」を、文部科学大臣に 手交しました。小学校5、6年生で外国語(英語)を教科化し、中学校の英語の授業は原則英語で行うほか、 高等学校では18歳以上への選挙権年齢引き下げを受け、公民に必修科目「公共」を新設するなど大幅な科 目の再編が行われます。学習内容だけでなく、アクティブ・ラーニングを導入し、どのように学び、何がで きるようになるかも柱としました。 文部科学省は、今年度中に小中学校、来年度中に高等学校の改訂学習指導要領を告示し、小学校が32年 度、中学校が33年度から全面実施となります。高等学校は34年度から学年進行で実施されます。また、 小中学校は、30年度からの移行期間中、各校の判断で次期学習指導要領を全て、または一部を先行実施で きます。 答申では、学校と家庭、地域が連携する「社会に開かれた教育課程」の実現を目指し、これまでの改訂の 中心であった「何を学ぶか」(指導内容)の見直しにとどまらず、「何ができるようになるか」「どのよう に学ぶか」などの視点で学習指導要領を見直すべきだと指摘しています。 また、新しい時代に必要となる資質・能力として、「生きて働く『知識・技能』の習得」「未知の状況に も対応できる『思考力・判断力・表現力等』の育成」「学びを人生や社会に生かそうとする『学びに向かう 力・人間性等』の涵養」の3つの力を明示し、これらを育むために、小・中・高等学校に子供たちが主体 的に学ぶことに重点を置いた「アクティブ・ラーニング」をすべての教科で取り入れ、教員が一方的に 教えるのではなく、グループで議論をしたり発表させたりする学習方法を取り入れることにしています。 今後の学習指導要領改訂のスケジュール 28年度 周知・ 徹底 30年度 31年度 先 行 実 施 教科書検定 周知・ 採択・供給 32年度 徹底 教科書検定 33年度 34年度 32年度~全面実施 使用開始 33年度~全面実施 先 行 実 施 告 示 高 等 学 校 示 中 学 校 告 小 学 校 29年度 採択・供給 使用開始 34年度~年 先 行 実 施 次進行で実施 周知・徹底 教科書検定 採択・供給 使用開始 ●外国語に関して 各学校段階の学びを接続させるため、育成する資質・能力を「知識・技能」 、 「思考力・判断力・表現力等」、 「学びに向かう力・人間性等」の3つに整理した上で、国際的な基準であるCEFRなどを参考に、小・中・ 高等学校で一貫した「聞くこと」「読むこと」「話すこと(やり取り)」「話すこと(発表)」「書くこと」 の5領域別の目標が設定されます。 小学校では、3、4年生から「聞くこと」「話すこと」を中心とした外国語活動を導入し、5、6年生か ら段階的に文字を「読むこと」「書くこと」を加え、系統性を持たせた指導を行う教科とします。これを受 けて、平成30年度からの2年間を先行実施の移行措置とする旨の告示を、今年度末に行う見通しです。 中学校では、授業を英語で行うことを基本とします。高校では、発表や討論を通じて「聞く」「話す」「読 む」「書く」の4技能を育成します。 昨年9月2、3日、㈱ジャストシステムが同社のネットリサーチシステムによって実施した調査結果を 見ると、次期学習指導要領により平成32年度から小学校の英語授業が大きく変わることを、その改定内 容も含めて知っている母親は29.6%でした。「小学校5、6年生で英語が教科になる」ことに賛成の 母親は63.6%、「小学校3、4年生で外国語活動の授業が増える」ことに賛成の母親は68.0%で、 英語の教科化を概ね受け入れられているようです。 また、平成32年度に小学5・6年生になる子供(現在の小学1・2年生)がいて学習指導要領が改訂 されることを知っている母親のうち、英語の教科化にあたり「対策したい」と考えている世帯は50.3%、 「すでに対策を始めている」という世帯も6.4%ありました。 更に、英語が教科になるまでに、事前に習得させておきたいことについては、「英語のヒアリングをつ けておく」が53.0%で半数を超え、次いで「英語で挨拶や道案内など、簡単な会話ができるようにして おく」「聞く・読む・話す・書く、全ての基礎を身につける」が共に37.3%でした。 子供に英語学習をさせている母親が、子供が中学3年生になった時に臨む目標レベルは、「英検1級 (TOEIC900点前後)」が6.8%、「英検準1級(TOEIC750点前後)」が5.4%、「英検2級(TOEIC 600点前後)」が16.5%、「英検準2級(TOEIC450点前後)」が11.1%でした。約4割の母 親が中学卒業時の目安である英検3級よりも高い目標を掲げています。 【長崎県中学校英語:山本 愛さん】 私は、一去年の今頃から採用試験までの日々を不安と期待で入り混じりながら過 ごしました。教職専門のゼミに所属していなかった私は、何から手を付ければいい のか全く分かりませんでした。しかし、山本先生からいただく過去問を解いたり、 勉強会でのご指導を120%くらい吸収したりすることで、対策に関しては自信を もって採用試験に臨むことができました。また、山本塾生の皆がいつも熱心に勉強 していて、刺激を受けあえる環境にあったことも、とても強みになりました。さら に、公立大は民間の企業を目指して就活している学生が多いので、そのような友人 たちとも積極的に関わることで、人脈を広げられたことも良かったと思います。感謝することばかりです。 さて、これから益々、採用試験が現実味を帯びてくると思います。でも、勉強一筋にはならないほうが いいと個人的に思います。教育関係だけでなく、いろんな場所に出向き、いろんな人と関わりを持つこと が、教師として大事だと思うからです。あくまでも、採用試験に合格することではなく、自分の目指す教 師像に向かって頑張ってほしいと思います。私も、4月に対面する生徒たちの姿をイメージしながら、勉 強に励みます。 【神奈川県中学校英語:吉野全洋さん】 私は、 「効率」こそ、合格する上で最も大切だと感じました。野球や学友会に打 込んだ私は、授業や勉強会で見た問題や法律などをいかにその1回で頭に入れるか ということに注力しました。特に、山本先生の勉強会では、頻出の問題をピックア ップして下さるので効率よく進めることができました。膨大な知識を頭に入れなけ ればならないからこそ、いかに効率よく、多くの問題を解くことが大切ではないで しょうか。 私が勉強会に参加したのは、3年の12月末で一番遅かったです。しかし、効率 を重視し進めることで野球も教採も充実させることができました。後輩の皆さんも、是非、効率的に学習 を進め、合格を勝ち取って欲しいと思います。
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