竹田市文化会館(仮称)管理運営基本計画(案)

4.市民参加 (P.20~23)
文化会館の事業や運営に参加・協力する市民を増やしていくことは、施設のサポーターとして活動
竹田市文化会館(仮称)管理運営基本計画(案)
を理解し支援する層を拡充し、文化芸術の裾野を広げていくことにつながります。市民が主体的に事
-概要版-
業や施設運営に参加でき、管理運営にも市民の意見が活かせるような市民協働のシステムづくりが必
平成 28 年 6 月 竹田市
要です。市民参加を積極的に推進していくためには、市民参加組織の位置付けや組織体制の整理が大
きな課題となるため、今後さらに検討を重ねていく必要があります。将来的には、市民や NPO、関係団
体等と行政の協働により、文化会館の魅力づくりに取り組んでいけるような仕組みについても検討し
ます。
【市民参加の基本方針】
・ 文化会館の事業や運営に参加する機会を提供し、市民の文化芸術活動への関心や理解を深めていきます。
・ 市民がもつ経験や専門知識等を活かし、文化会館の事業や運営を効果的・効率的に推進します。
・ 文化会館に関わる市民同士の交流によりネットワークが形成されることで、さらなる市民の文化芸術活動の活性化を
図ります。
5.収支 (P.24~25)
文化会館は、竹田市の文化振興施策を具現化するための施設であり、文化芸術と生涯学習による地域
の活性化やまちづくり(ひとづくり)を担う施設であることが望まれます。その活動を安定的に継続で
きるように、市は一定の経費を支出します。ただし、行政負担のみによるのではなく、経営的な視点を
持ち、外部からの資金調達にも努めていきます。
【収支計画の考え方】
・ 事業を継続的に展開するために必要な経費を予算化します。
・ 施設・設備等の状態を良好に保ち、文化芸術活動や生涯学習の拠点施設としての機能を維持するため、維持管理
に必要な経費を予算化します。
・ 経営的な視点を持ち、外部資金の調達を行うなど、自己財源比率の向上に努めます。
事業費
人件費
維持管理費
事務費
支出
文化会館が主催者等となる事業に係
る経費
文化会館を運営し、事業を展開してい
くために配置が必要な職員に係る経費
設備メンテナンス、警備、清掃、舞台
設備保守点検等に係る経費や光熱水
費など
各種機器のリース代や消耗品費、保険
等施設の運営業務に必要な経費
収入
自主事業収入
事業における入場料、事業参加費、
外部からの助成金など
チケット販売委託による収入、自動販
売機による収入など
その他
6.その他 (P.26~27)
本計画は文化会館において実施する事業や施設の管理運営方法等につい
ての基本的な指針を示したものです。管理運営実施計画では、施設整備の
進捗状況に合わせ、さらに詳細な検討を重ねていきます。
■整備スケジュール
平成27年度
施
設
整
備
計
画
等
事業認定等事前相談
基本設計
平成28年度
事前協議
実施設計
建築
確認
管理運営基本計画
【その他の検討事項】
・施設の名称について
・備品計画について
平成29年度
「基本構想」で掲げた基本コンセプトの実現に向けて、管理運営を実行していくための指針として、平成 27
年度実施の「竹田市新文化会館管理運営に関する市民ワークショップ」での議論を踏まえ、文化会館の役割
を以下のように定めます。
【基本コンセプト】 (基本構想 P20 より)
「感動」と「活力」を生む「学び」と「創造」の交流拠点
広く市民の文化創造活動と生涯学習活動を支え、「感動」と「活力」の源となり、何よりも市民自らが主体となって気軽に
利用でき、親しみを持ち笑顔になれる交流拠点とする。
◆観る・聴く
『音楽のまちにふさわしい「舞台環境と音響特性に優れた」音楽ホール』
◆出会う、感じる、創る 『本物に出会い感動できる「ギャラリー機能」の充実』
◆生涯学習の場として 『子どもからお年寄りまで、だれもが伸び伸びと学び、遊び、交流できる生涯学習の拠点施設』
多彩な文化芸術活動、人々の交流、生涯学習を通じて、
文化施設をつなぐ
市内の既存文化施設をつなぎ、地域の文化的アイデンティティを構築・蓄積する拠点
施設
地域をつなぐ
歴史と文化のある市内の各地域を結び、次世代を担う子どもにつなぐ
市民をつなぐ
世代や立場を超えて人と人を結び、市民が自らの積極的な参画を促す
習熟訓練
竣
工
管理運営実施計画
念や考え方を具現化するため、竹田市文化会館(仮称)の開館準備や開館後の運営について、基本的な考え
■文化会館の役割
平成30年度
建物建築工事
基本
計画
「竹田市文化会館(仮称)管理運営基本計画」は、「竹田市文化会館(仮称)基本構想」で定めた施設の理
方を整理し、事業、運営及び市民参加の方向性などを明らかにするものです。
施設提供事業における施設使用料、
付帯設備使用料
使用料収入
1.施設整備の目的と果たすべき使命 (P.1~4)
開
館
開館準備業務
竹田市の魅力を高め、外に向けて発信し、まちを活性化させる「まちづくりの拠点」となる
2.事業 (P.5~12)
3.管理運営 (P.13~19)
基本コンセプトを実現するため、文化会館に求められる事業を4つの体系に整理し、それぞれの具体的な方
向性を示します。
■実施する事業の方向性
事業体系
具体的な方向性
①鑑賞事業
観る・
聴く
②創造事業
出会う、感じる、創る
③ 施設提供事業
【鑑賞機会の提供】
文化芸術作品を観たり聴いたりする人、文化芸術に親しみ楽しむ人を増やしていくこと
を目指し、音楽を中心に、ミュージカル、舞踊、演劇、古典芸能など幅広い分野の文化
芸術作品を鑑賞する機会を広く提供していきます。
【交流の促進】
人が集まる機会を活用し、文化芸術を通じた新たなコミュニティが生まれ育つように、
地域の賑わいや交流を促進します。
【市民活動支援】
文化活動を行う個人や団体を支援し、活動をより充実したものにするとともに、新たに
文化活動を行う市民を増やすことで、地域の文化芸術活動の活性化を図ります。
【参加・体験事業】
すでに文化芸術活動を行っている個人や団体だけでなく、市民誰もが、文化芸術を身
近に体験できる体験型事業や、気軽に参加できる参加型事業を展開します。
【市民参加による作品創造】
子どもから高齢者まで年齢や属性などに関わらず、市民誰もが主体的に関わることが
できるように計画します。体験・参加経験の蓄積により、将来的には、市民とともに独自
の作品を創造することも視野にいれて、事業を展開していきます。
【文化資源の活用】
竹田市の歴史、育まれた文化等を活かした事業を継続・発展させていきます。
【市民活動の支援】
施設提供を通して、市民の文化活動、生涯学習活動の場を提供していきます。
【市の中核拠点として】
竹田市の文化芸術の拠点施設として、市内各地域の既存施設はもちろん、近隣の文
化施設等、様々な機関と連携し、多様な交流を促進していきます。
市民や興行組織等、施設の利用者にとって使いやすい、細やかなサービスを提供し、利用しやす
い施設として稼働率の向上を図っていきます。また、常に使いやすい施設として、運営のあり方を
見直せるよう、柔軟性のある管理運営を行います。
市民誰もが訪れやすく使いやすい開かれた施設としていきます。施設の建築・設備面でのユニバ
ーサルデザインの導入のほか、サービス面においてのきめ細かな対応や、設備の経年劣化・機能
劣化に対して先取りした対策や対応を行います。また、市民に広く、深く理解され、支援される施設
を目指します。市民が積極的に参画したいと思う施設とするために、様々な情報を公開し、透明性
を高めていきます。
文化会館は、舞台設備等の特殊設備が多く備わった施設であり、その運用が適切に行わなけれ
ば事故等の危険性を内在する施設でもあります。市民に対し、施設本来の機能を十分に活かした
安定的で継続的な施設運営を行っていくためには、施設や設備を適切に運用・維持管理できる十
分な経験と技能を備えた人材の配置が不可欠です。
管理運営には、自主事業等の実施と施設の貸し出し等のバランス、財源の確保、外部からの資金
調達等も含めた経営的な視点が必要です。公立施設の経営評価として、設置目的や基本理念に
沿った指針を設け、管理運営についてモニタリングや定期的な評価を行い、その内容を広く市民に
開示していくことが求められます。また、評価結果に応じて、事業計画等の見直しや新たな目標設
定を行うなど、今後に反映していくことができる仕組みづくりが必要となります。
① 柔軟で利便性の
高い管理運営
z 優れた文化芸術の鑑賞
機会を提供する
z 文化芸術を通してにぎわ
いや交流を生み出す
z 市民の文化活動を支援
する
z 市民が文化芸術を体験
できる機会を提供する
z 市民とともに作品を創造
する
② 開かれた管理運営
③ 継続性のある管理
運営
④ 評価により改善を
重ねる管理運営
z 竹田市の文化を活かし
た活動を行う
■管理運営母体の考え方
z 市内公民館等との連携
を図る
■管理運営組織の考え方
z 文化芸術への関心を広
げる
「公の施設」である公立文化施設の管理運営の方法は、市が直接管理運営を行う「直営」、または、特定の事業者を指定管
理者として指定し、管理運営業務を委任する「指定管理者制度」を導入するかのいずれかになります。基本理念に基づく事業
を展開するために適切な施設管理を行うことができ、運営組織に求められる人材を確保できる運営のあり方を検討していく必
要があります。
事業や施設運営を効果的に展開し、地域づくりにつなげていくためには、専門人材の能力を十分に発揮できる運営組織の
体制を築くことが重要です。事業の実施、施設の運営、施設や設備の適切な維持管理について専門性を備えたスタッフを確
保するとともに、展開していく事業の方向性を決め、実際の事業実施において責任を持つ専門家の配置を検討します。
【必要な業務とその内容】
z 文化芸術を通して人を
育てる
z 施設や事業を周知し、
経験を蓄積する
事業系
z 情報を収集・発信し、文
化芸術を通してまちづく
りの拠点施設となる
総務系
基本コンセプト実現のためには、事業を中長期的
■管理運営の考え方
業務統括
(
施設責任者)
④育成事業
生涯学習の場として
【普及・育成事業の実施】
育成事業では、文化芸術に親しみ楽しむ人や、文化芸術活動を行う人材の裾野を広
げていくことを目指していきます。特に、次世代を担う子ども世代が文化芸術に親しむた
めの事業を展開します。
【広報活動の実施】
文化会館の利用者や支援者、鑑賞者の拡大を図るために、市民を始めとするより多く
の人に施設や事業について周知する広報活動を積極的に展開します。
【情報の収集と発信】
情報を収集発信として、市内や近隣の公演情報をはじめ、文化芸術に関する活動、人
材、施設、設備、助成制度など、関連する様々な情報の収集を行ない、広く市民や来
訪者に提供します。
施設の管理運営については、以下のとおり基本方針を定め運営してくこととします。
行政との連絡調整、事
業計画・予算の策定と
事業の執行管理などの
総務全般
庶務
経理
施設管理
庶務担当業務
経理担当業務
施設の維持管理に関する業務
事業の 方針と プログ
ラムの作成・実施
営業
票券
広報
情報
企画制作
普及育成
施設提供
チケットセールス及び貸館利用の促進を図る
チケットの配券、予約、発券、代金管理
施設広報及び事業の広報に関する業務
情報関連事業の企画・推進に関する業務
自主事業の企画制作から実施に至る業務
友の会、ボランティア組織などの運営業務
貸館の受付調整業務、会議室などの管理業務
プログラムを実施するた
めの技術指揮と舞台機
構の安全確保
機構
照明
音響
技術調整
舞台設備(機構、照明、音響)の管理運営、大道具備品、舞台
照明備品、舞台音響備品の管理運営/技術に関する育成事
業/自主事業の舞台運営責任者
ホール以外の施設での舞台技術的な課題を担う
【中長期的な事業展開】
技術系
な視点で展開していくことが必要です。開館するまで
の間に行うプレ事業や開館を披露する機会となる開
館記念事業も展開を見据えて計画します。
■プレ事業及び開館記念事業の考え方
①プレ事業:文化会館が開館するまでの間に、新しい文化会館の理念や事業方針を早い時期から発信し、開館への期待を
高めていくために、プレイベントとして事業を行っていきます。
鑑賞事業やアウトリーチ活動、市民参加型の事業などと並行して、施設の整備段階から広報活動を計画します。
②開館記念事業:開館記念事業は、市内外に対して広く新しい文化会館を披露する重要な機会となります。
開館記念式典を実施するほか、平成 30 年度の全事業を開館記念事業として計画します。
市の地域特性を活かし、市民に親しみと愛着を感じてもらうとともに、市外への発信となる事業を展開していきます。
■管理運営システムの考え方
市民の文化芸術活動や交流がより活性化することを目的とし、柔軟で利便性が高く、開かれた施設運営を実現できるよう、
管理運営システムを構築します。
■評価の考え方
評価を行うことで、運営状況や課題等を把握し、サービス向上のための改善策を見いだすことを目的とします。また、評
価結果を運営状況や成果とあわせて広く公開することで、施設の設置目的、運営方針が実現されているか、公立施設とし
ての説明責任を果たします。評価にあたっては、文化芸術の振興、生涯学習の促進という短期的な結果が見えにくい目標
に取り組む施設であることから、中長期的視点から継続的に経年変化を把握できるような項目の設定が必要です。