しん げ か い 社会福祉法人 心華会 宇治市 仕事と子育ての両立の鍵は「短時間勤務」。変則勤務の職場だからこそ、子育て中の職員が毎日 定時に帰るために、工夫し助け合っています。経験を積んだ子育て中の保育士がいることで、保護 者との信頼関係も一層深まっています。 ●中堅保育士のキャリア継続をめざして 平成 20 年、中堅の保育士 2 名が妊娠し「これまでどおりの勤務を続けられない ので、パート勤務に変更したい。」という申し出がありました。以前にも自分の 子育てと保育所の仕事を両立させていた保育士はいたのですが、延長保育などで 保育士の負担が増えていたため、子育てと仕事の両立に不安を感じていたのです。 しかし、保育所としてはベテランの保育士は貴重な人材。是非この 保育所で正 職員として働き続けてほしかったので、子育てと仕事を両立できるよう環境を整 えました。 ●子育て中の職員も、周りの職員も制度を意識 育児休業後、子どもが小学校に入学するまでの希望する期間、短時間勤務制度が利用できます。よい保育を するためには保育士の心の安定が大切ですので、保育士自身が余裕をもって子育てできるよう、勤務時間を 午前9時から午後5時までに固定し早出・遅出の勤務と土曜日の出勤を免除しています。なお、他の職員の 負担が重くならないよう、早朝と夜間に勤務する保育士を雇用し、夜間にパート保育士を配置する工夫をし ています。短時間勤務制度を利用する保育士にとって、担当する児童がまだ保育所にいて他の職員が忙しく 働いているなかで、5時にピタッと帰るのは難しいのですが、それでは制度を作った意味がありません。そ こで、勤務時間の短縮に応じて給与を減額することで、制度を利用する本人も、他の職員も「5時に帰るの が当たり前」になるよう意識付けしました。 ● 子育て中の保育士がいることで保育が充実 子育て中の保育士がいることで、妊娠や出産、乳児の子育ての最新情報を「親」 の立場も考慮して提供できるほか、懇談会の場などで保育士が自身の体験も話 すなど、保護者が保育士に気軽に相談できる関係ができています。若い職員も 「自分も将来出産しても仕事を続けられる」と一層仕事に前向きに取り組むな ど、よい影響がありました。 法人として認証を受けたことで、さらに職員の子育て支援に取り組んでいこうと思います。また、保育所 で子どもと接していて、企業に対しては「夕方は親子がふれあう貴重な時間なので、できるだけ残業は減ら してほしい。」 「子どもが病気の時は、治りかけで無理して出勤せず、せめてもう 1 日休ませてほしい。 」と感 じます。また、保育所に入所して1,2ヶ月の子どもは発熱することが多いのですが、そういうことを親も 職場の方も予備知識として知っていれば、慌てたり自信をなくしたりせずに仕事に復帰できるのではないで しょうか。 社会福祉法人 心華会 理事長 中田 純子/保育所 「ひいらぎ保育園」と「槇島ひいらぎ保育園」を運営。特に低年齢児を受け入れている。
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