再び低下した「オフィスビル空室率」(日本)

2017年1月13日
(No.1,985)
〈マーケットレポートNo.5,204〉
再び低下した「オフィスビル空室率」(日本)
「オフィスビル空室率」は、オフィスビル仲介大手の三鬼商事が、毎月中旬頃にホームページに公表しています。
空室率のほか、オフィスビルの平均賃料や棟数なども公表されており、オフィスビル市場を見る上で有益です。札
幌、仙台、東京、横浜、名古屋、大阪、福岡の7つのビジネス地区について、新築、既存ビルに分けられた
データとなっています。
12月の都心5区の空室率は3.61%
賃料は都心5区全てで上昇し、前月比+0.35%と36カ月連続の上昇
 1月12日に発表された三鬼商事の都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の12月の「オフィスビル空
室率」は、前月比▲0.14ポイントの3.61%となりました。空室率は11月に前月から小幅に上昇しましたが、
12月に再び低下に転じ、2008年以来の低水準を更新しました。
 また、12月の都心5区の平均賃料は、坪当たり18,540円でした。前年同月比+4.79%、前月比
+0.35%と、36カ月連続の上昇となっています。12月は5区全ての平均賃料が前月比で上昇しました。
満室稼働率は上昇
空室在庫の品薄感が強まる
 今回は、都心5区の主要貸事務所ビル2,586棟の
稼働状況も発表され、2016年12月時点では前年
比+2.48ポイントの72.74%のビルが満室稼働とな
りました。また、空室面積は2012年以降減少傾向と
なっていますが、2016年12月は前年比での減少幅
が、それまでに比べて小幅にとどまりました。
 都心5区のオフィスビル市場では大型の解約が少なく
なってきており、空室在庫の品薄感が強まっています。
2017年は新規供給量が減少し、賃料上昇も続く見込み
 空室率が低水準なうえ、2017年の新規のオフィ
スビルの供給が減少する見込みであることから、大
型の空室はさらに品薄感が強まりそうです。一方、
テナントのコスト意識も依然として高く、募集賃料
の値上げの動きは一部で停滞しながらも、今後も
平均賃料は小幅な上昇が続くと見込まれます。
 こうした空室率の低下や賃料の上昇は、オフィスビ
ルに特化したものが多い日本のリート市場には追い
風と見られます。また、米国では先月利上げが実
施され、今後も利上げが見込まれますが、日本で
は当面金融緩和が続く見込みであることも、日本
のリート市場にとってはプラスと考えられます。
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