地球のリンの歴史

地球 46億年
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5.4億年前―リン鉱石の生成
陸上のリン鉱床のほとんどは、カンブリア紀、古⽣代オ
ルドビス紀およびペルム紀、中⽣代のジュラ紀および白
亜紀と新⽣代の一部に限られる。リン鉱石の⽣成は⽣命
のカンブリア大爆発と関係すると言われている。
300年後―リン鉱石枯渇
耐⽤年数からみてあと300年でリン鉱石が枯渇するとすれば、
46億年の地球の歴史の中で約5億
年前のカンブリア紀に多く⽣成し
たリン鉱石を、⼈類はわずか450
年で使い尽くすことになる。 ⼈ 類 に
とって安価で安全なリン鉱石は、ほんの一瞬だけ自然が与えてくれ
た恵に過ぎないのかもしれない。リンは様々な⼯業製品に薄く広く
利⽤されており、⾦属の様に姿かたちを⾒ることができない。⼈々
がことの重大さに気づく前に、この貴重な自然の恵みを使い尽くす
ことのないよう、持続的リン利⽤への取組みを急ぐ必要がある。
350年前―リンの発⾒
1669年、ドイツの錬⾦術師 Henning Brandt は、銀を⾦に変
える「賢者の石」を求めて、⼈の尿を腐敗させ⽔分を蒸発さ
せるなどして、暗闇でも光る物質-リンを発⾒した。
150年前―リン鉱石の発⾒
現在―年間2.2億トン採掘
今から約150年前の1859年、米国南カロライナ州チャールス
トンでリン鉱石が発⾒された。チャールストンに⼈が住み始
めてから200年の間、町中どこにでもあって農作業の邪魔に
なる臭い石の資源価値には誰も気がつくことがなかった。
リンは⾷料⽣産に絶対的に必要であるが、⼯業分野でも⾼純度リン素材が使われている。
とくに⼯業分野ではリンが広く薄く利⽤されているため、誰もその
重要性と素材供給の危機に気がつかなかった。
早稲田大学総合研究機構リンアトラス研究所