iv 平 成 27 年 度 山 梨 県 医 師 会 優 秀 賞 受 賞 記 念 講 演 要 旨 定位放射線治療後の局所再発の予測能についての Thallium-201 single photon emission tomography(Tl-SPECT)と F-18 fluorodeoxyglucose positron emission tomography(FDG-PET)の比較 冨永 理人 山梨大学放射線科 虎の門病院放射線科 【研究の目的】本研究の目的は,FDG-PET と Tl-SPECT の delayed ratio と RI で,Mann- Tl-SPECT を比較し,Tl-SPECT の有用性を明 Whitney の U 検 定 お よ び Cox 回 帰 分 析 に て らかにすること。 有意差を認め,局所再発群で,RI が有意に高 【方法】2007 年 1 月∼ 2011 年 12 月肺癌に対す 値であった。照射野外再発および全再発では, る定位放射線治療を施行した患者で,プロト FDG-PET の early SUV と delayed SUV で 集 コール検査として FDG-PET および Tl-SPECT 積と再発の関係で Cox 回帰分析で有意差を認 を施行した患者 78 名を対象とした。FDG-PET め,照射野外再発,全再発例において有意に集 では 1 時間後に early SUV を測定,2 時間後に 積が高値であった。 delayed SUV を 測 定 し retention index(RI) FDG-PET および Tl-SPECT の集積と局所再 を 算 出 し,Tl-SPECT で は,15 分 後 に early 発の有無,照射野外再発の有無,全再発の有無 ratio を測定,3 時間後に delayed ratio を測定し, と FDG-PET の各々のデータおよび Tl-SPECT RI を算出した。 の各々のデータと性別,年齢,組織型との多変 局所再発の判断は, (1)腫瘤長径が 2 割以上 量の Cox 回帰分析では,Tl-SPECT の RI で有 増大(2)腫瘤長径の増大が 2 割以内でも増大 意差をもって局所再発に関連性が認められた。 傾向を示し,FDG-PET にて SUVmax3 以上集 照射野外再発では FDG-PET の early SUV で, 積を認めることを再発の根拠とし,(3)2 年以 集 積 が 高 値 で あ っ た。 全 再 発 群 で は,FDG- 上最終観察日まで前述の所見がないもの,もし PET の early SUV と delayed SUV で,有意差 くは,(4)観察期間が 2 年以内の場合は 2012 を認めた。 年 9 月までに前述の所見のないものを無再発例 【結論】定位放射線治療前に Tl-SPECT および とした。また,照射野外再発として,照射野外 FDG-PET を施行することにより , 局所再発の において画像検査により(1),(2)を照射野外 予見や,全再発の予見が出来,個々の症例にお 再発とした。 いて治療をカスタマイズ出来る可能性がある。 【結果】局所再発と集積・RI の関係において,
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