世界経済の潮流 2016年Ⅱ <2016年下半期 世界経済報告> −先進国の低金利・低インフレ 中国の地域間格差− 2017年1月 内閣府 政策統括官(経済財政分析担当) 目 次 第1章 先進国における低金利・低インフレ 第1節 低金利・低インフレとは 第2節 マクロ経済政策に関する昨今の議論のサーベイ 第3節 金融政策の評価に関する実証分析 第2章 主要地域の経済動向と構造変化 第1節 第2節 第3節 第4節 第5節 世界の経済動向と課題 アメリカ経済 ヨーロッパ経済 アジア経済 国際金融資本市場と商品市場の概況 第1章 先進国における低金利・低インフレ 先進国を中心に低金利・低インフレが進行。 その背景には投資の減少などを通じた貯蓄・投資のバランスの変化が挙げられる。 1−1図 先進国・地域の実質経済成長率、インフレ率 (前年比、%) 6 5 4 3 2 1 0 -1 インフレ率 -2 -3 -4 1990 95 2図 先進国・地域の貯蓄と投資 (GDP比、%) 26 投資 貯蓄 24 22 実質経済成長率 2000 05 15 16(年) 10 20 1−2図 G7各国の10年国債利回り (%) 16 フランス ドイツ 14 カナダ イタリア 12 日本 英国 10 18 95 2000 05 10 15 16(年) (備考)先進国・地域は、IMFの分類による(OECDに加盟する35か国 からチリ、ハンガリー、メキシコ、ポーランド、トルコの5か国を除 いた30か国及びキプロス、香港、リトアニア、マルタ、マカオ、プ エルトリコ、サンマリノ、シンガポール、台湾)。 アメリカ 8 1990 6 4 2 0 -2 1990 95 2000 05 10 1 5 1 6(年) 2 第2章 主要地域の経済動向と構造変化 (アメリカ経済) アメリカ経済は回復を続けている。ベンチャーキャピタル投資額が近年再び増加し ているほか、売上高上位の企業に占める社齢の若い企業の割合も高いなど、企業の 新陳代謝もアメリカ経済の成長を支えている。 3図 ベンチャーキャピタル投資額 4図 日米の社齢別企業数(売上高上位500社) (企業数) ( 億ドル ) 140 1,200 ソ フトウ ェア メ ディア ・ エ ンター テイメ ント 1,000 日本 120 アメリカ 100 800 消 費者向 け製品 及びサ ービス 80 バ イオテ クノロ ジー 60 600 400 40 200 20 13 14 15 ( 年) 0 91-100年 12 81-90年 11 71-80年 10 61-70年 09 51-60年 08 41-50年 07 31-40年 06 21-30年 05 11-20年 1995 2000 1-10年 0 (社齢) 3 (ヨーロッパ経済) ユーロ圏の中で比較的好調に推移するドイツ経済は、2000年代前半の労働市場改革 により、雇用の多様化が進んだ。パートタイム比率は上昇したものの、非自発的 パートタイム労働者比率は低位で推移。 労働市場改革により、人口減少下においても労働力の増加が経済成長に寄与。 5図 ドイツの就業構造の変化 6図 (%) ドイツの実質経済成長率の要因分解 (%) 50 48 40 46 (経済成長率及び寄与、%) 30 44 50歳以上の比率 20 4 3 42 パートタイム比率 労働の質 労働の量 ICT資本投資 非ICT資本投資 TFP 経済成長率 2 女性比率(目盛右) 40 10 1998 2000 02 04 06 08 10 12 14 (年) (非自発的パートタイム比率) (%) 70 1 0 ドイツ フランス イタリア スペイン オランダ 60 50 -1 40 -2 30 1991-95年 96-2000年 01-05年 06-10年 11-14年 20 10 0 2000 02 04 06 08 10 12 14 (年) 4 (中国経済) 中国では地域別の産業構造に大きな違いがみられる。 北部・東北部には石炭、鉄鋼等の構造不況業種が集積。一方、東部・中南部には自 動車産業やハイテク産業が集積。 7図 業種別地域別生産量シェア(15年、対全国) 西南部・ 西北部 石炭 粗鋼 8% 1% (参考)今回の分析における地域区分 6% 29% 14% 40% 56% 東部・ 中南部 46% 北部・ 東北部 自動車 携帯電話 直轄市 4% 3% 23% 31% 2% 48% 18% 72% 5
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