生活・運動習慣等調査結果について(概要)

平成 28 年度東京都児童・生徒体力・運動能力、生活・運動習慣等調査結果について(概要)
1 調査の概要
(平成 23 年度から全児童・生徒を対象として全校で実施
(1) 調査時期 平成 28 年6月
(2) 調査対象 (都内公立学校 全児童・生徒)
小学校 1,286 校(564,301 名)、中学校 620 校(222,485 名)、中等教育学校6校(5,481 名)、高等学校全日制 173 校
(124,043 名)、定時制・通信制 55 校(10,793 名)、特別支援学校 44 校 (6,685 名)
計 2,184 校 計 933,788 人
(3) 調査内容
①児童・生徒に関する調査
ア 体力・運動能力調査(文部科学省指定 新体力テスト実技8種目)
握力、上体起こし、長座体前屈、反復横とび、持久走・20mシャトルラン、50m走、立ち幅とび、ハンド(ソフト)ボール投げ
イ 生活・運動習慣等の実態に関する質問紙調査
②学校に対する質問紙調査
男子…実線
女子…点線
中2
握力
100
上体起こし
100
屈
50
屈
50m走
上体起こし 長座体前屈 反復横とび
持久走
シャトルラン
50m走
立ち幅とび ボール投げ
握力
上体起こし 長座体前屈 反復横とび
持久走
シャトルラン
50m走
立ち幅とび ボール投げ
中2男子
中2女子
高2男子
平成 28 年度総合評価と回答との相関
0%
上体起こし
屈
50
20mシャト
B
85.3
69.3
44.9
24.5
36.5
好き
やや好き
20mシャト
20%
23 年度都平均
39.1 点
4
28 年度都平均
41.0 点
~
平成 23 年度
E
平成 28 年度
(折れ線グラフ)
(棒グラフ)
2
D
C
5
段
階
の
総
合
評
価
A
B
20
40%
25
30
35
40
45
50
40%
60%
80%
100%
60.8
28.2
7.4 3.6
62.8
26.7
63.1
26.0
7.0 3.6
7.2 3.7
63.5
25.1
7.0 4.4
63.1
25.1
7.3 4.5
63.8
25.1
7.0 4.1
好き
やや好き
ややきらい
平成 23 年度から平成 28 年度の回答の推移
60%
45.2
23.5
23.9
19.1
2時間以上
0%
100%
20%
H23
H24
17.5 4.5 3.0
H25
22.2
6.6 7.7
H26
20.1
10.8
H27
42.5
H28
63.5
E
80%
14.9
1-2時間
30分-1時間
40%
60%
きらい
30分未満
80%
100%
58.7
20.9
8.9 13.4
8.3 12.1
58.5
21.7
7.9 11.9
7.9 12.0
7.7 13.0
7.9 13.0
56.0
13.9 2.6 1.1
75.0
55
60
平成 28 年度総合評価と回答との相関
0%
A
B
C
20%
27.8
28.7
27.9
65
70
75
80
(点)
40%
60%
80%
35.5
19.6
33.8
20.6
32.3
D
25.1
28.8
E
26.6
24.1
1時間未満
0
15
20%
21.8
59.7
20.5
58.9
20.4
58.5
20.7
2時間以上
1-2時間
30分-1時間
30分未満
【中学2年生男子の例】1日の携帯電話(スマートフォン)等の使用時間
A
E
0%
H24
12.2 1.6 0.9
H25
24.6 4.1 2.0
H26
12.0
6.1
37.0
H27
22.3
16.7
H28
ややきらい
きらい
82.3
D
● 東京都統一体力テストを開始した平成 23 年度と比べると、全学年共
に向上傾向を示しており、体力合計点平均値も上昇している。
平成 23 年度から平成 28 年度の回答の推移
【中学2年生男子の例】1日の運動・スポーツ実施時間
B
持久走
ルラン
100%
7.7 1.4 0.5 H23
90.4
C
中2男子 80 点満点
80%
反復横とび
ルラン
(2) 体力合計点の分布状況
60%
平成 28 年度総合評価と回答との相関
50m走
持久走
ルラン
20mシャト
1
40%
A
E
長座体前
立ち幅とび
反復横とび
20%
A
反復横とび
10
握力
● 小学生は男女共に、「長座体前屈」の値
が低下。男子は「握力」「ソフトボール投げ」
の値が低下。
● 中学生は男女共に、各種目の値が向上。
● 高校生は、女子は、「20m シャトルラン」の
値が低下。男子は、「上体起こし」「長座体
前屈」「立ち幅とび」の値に大きな変化はな
く、「握力」「20m シャトルラン」「ハンドボール
投げ」の値が低下。
立ち幅とび ボール投げ
50m走
小5女子
D
100
投げ
長座体前
50m走
5
上体起こし 長座体前屈 反復横とび シャトルラン
小5男子
0%
3
握力
C
握力
ハンドボール
上体起こし
投げ
立ち幅とび
長座体前
50
高2
握力
ハンドボール
投げ
5
(%)
部
【中学2年生男子の例】運動・スポーツの好き・嫌い
● 全ての種目において、目標値を下回っており、いずれの校種においても「20mシ
ャトルラン」「ボール投げ」の値が低い傾向。
● 中学生・高校生は「握力」の値が低い傾向。
● 高校生男子においては「上体起こし」の値が低い傾向。
具体的目標値を 100 とする
立ち幅とび
導
(4) 運動習慣や意欲の状況~総合評価との関係~
(1) アクティブプラン to 2020 体力テストにおける具体的目標値との比較
(1) た
ソフトボール
指
~平成 27 年度東京都統一体力テストとの比較~
高2女子
2 結果の概要
小5
(3) 種目別傾向
通称「東京都統一体力テスト」)
平成 29 年1月 12 日
1-2時間
20.3
20.3
19.1
2-3時間
100%
平成 26 年度から平成 28 年度の回答の推移
0%
20%
40%
60%
80%
100%
17.0
H26
16.9
H27
27.5
30.8
20.1
21.6
H28
26.9
30.7
20.3
22.1
19.6
25.7
28.5
1時間未満
29.4
1時間-2時間
19.4
2-3時間
22.6
3時間以上
30.2
3時間以上
● 運動・スポーツが好きな児童・生徒、運動の実施時間が多い児童・生徒ほど、総合評価が高いが、平成 23 年度からの回答の
推移に大きな変化はない。運動の意欲向上や生活習慣の改善が課題。
● 1日の携帯電話(スマートフォン)等の使用時間が長い児童・生徒ほど、総合評価下位層(D・E 層)が多い。
1
3 今後の取組~アクティブプラン to 2020 の推進~
(5) 体力合計点平均値の推移・都道府県別順位~全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果より
~
小5男子…◆ 小5女子…■ 中2男子…▲ 中2女子…●
※平成 23 年度は「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」が中止となった。
東京都の都道府県別順位(体力合計点平均値)
体力合計点平均値の推移(東京都と全国の差)
1.0
1
0.3
0.3
0.3
0.0
(
差
)
0.0
全国平均
-1.0
0.3
0.1
-1.1
小5男子
-1.8
-2.9
-2.9
37
40
-3.2
41
-2.9
-4.0
H20
H22
H24
H25
H26
H27
44
45
43
43
H20
H28
41
41
42
44
H21
中2女子
38
-3.1
中2女子
27
33
34
-3.0
23
25
35
-1.9
-2.2
-2.2
-2.4
29
32
31
-1.9
中2男子
小5女子
-1.3
-2.1
小5女子
22
-1.6
-1.1
-1.6
18
23
21
-0.8
-1.5
小5男子
18
18
-0.3
-1.1
-2.0
11
0.2
0.0
-0.8
-0.9
(
順
位
)
0.1
46
46
47
47
H21
H22
H24
H25
47
46
H26
43
中2男子
H27
H28
総合評価の比較
0%
小5男子
20%
40%
都(H28)
11.6
25.7
全国(H28)
11.7
25.1
8.2
都(H20)
40%
15.0
28.2
全国(H28)
15.4
27.2
中2男子
8.2
0%
都(H28) 5.2
全国(H28)
7.7
都(H20) 2.5
中2女子
都(H28)
22.0
60%
34.2
28.5
14.8
10.0
80%
32.4
100%
26.4
34.1
B
6.7
29.4
30.2
A
7.4
30.9
40%
23.0
全国(H28)
都(H20)
37.8
20%
100%
25.3
38.8
0%
7.4
80%
39.7
17.8
5.5
24.5
60%
25.8
4.5
18.1
37.5
22.5
100%
17.3
33.8
40%
9.2
80%
34.9
20%
9.1
23.1
60%
22.5
7.9
20.6
37.2
20%
100%
20.4
33.5
都(H28)
都(H20)
80%
34.4
22.3
0%
小5女子
60%
C
11.5
1.8
10.8
2.0
17.7
D
3.2
E
● 小学5年生は男女共に全国平均値との差を広げ、中学2年生は男女共に差を縮めた。
● 前年度と比較して、小学5年生・中学2年生、男女共に全国順位を上げた。
● 小学5年生男女は、全国の分布状況に比べると、上位層(A・B 層)は同等、下位層(D・E 層)は少ない。中学2年生
男子は、上位層(A・B 層)は少なく、下位層(D・E 層)は多い。女子は、上位層(A・B 層)は少なく、下位層(D・E
層)は同等である。
●小学5年生男女、中学校2年生男女共に、平成 20 年度の東京都の値と比べると、上位層(A・B 層)が増え、下位層
(D・E 層)が減少している。
(1) 成果と課題
◇ 東京都統一体力テストを開始した平成 23 年度と比較すると、全学年共に向上傾向にあり、体力合計点
平均値も上昇している。
◇ 中学2年生の体力合計点平均値は男女共に最低水準であったが、平成 28 年度は、男女共に順位を上
げている。小学5年生の体力合計点平均値は、男女共に全国平均値を上回り、順位を上げている。特に、
女子は過去最高の順位となった。
◆ 平成 23 年度から、子供たちの運動習慣及び生活習慣に大きな変化は見られていない。
◆(5)運動習慣や意欲の状況
どの校種においても、各種目の平均値及び体力合計点平均値は向上傾向であるが、「握力」「ボール投
げ」については、依然として低い状況である。
◆ 「ボール投げ」については、全ての学年で全国平均(平成 26 年度)を下回っている。
◆ 体力テストを6月に実施した学校は、体力合計点平均値が高い傾向にあり、事前指導を充実させた成果
と考えられる。しかし、実施率は、小学校では 64.6%、中学校では 42.2%、高等学校(全日制)では
16.2%と十分ではなく、さらに6月実施を推進する必要がある。
(2) 目標
平成 32 年度までの具体的な目標
○ 東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会開催都市にふさわしい運動・スポーツに親しむ元気な児童・
生徒を育成
○ 区市町村教育委員会・学校と連携した体力向上の推進
○ 基本的生活習慣の改善・定着
○ 体力合計点平均値の向上(小学生は都道府県別の上位、中学生・高校生は全国平均値程度)
○ 低下傾向を示す「握力」「ボール投げ」の向上
(3) 平成 29 年度における重点的取組
① 中学生の体力向上
○ 健康教育のモデル校の「アクティブライフ研究実践校」(小学校 20 校)における、優れた取組や成果を広
く発信し、都内全小学校の健康教育の充実を図ることで、小学校段階から、基本的生活習慣の定着・改善
等を推進する。(学校ごとに中間報告会を実施)
○ 「アクティブスクール」として位置付けた全中学校において、自校の目標(値)や取組内容を定めた「体力
向上推進計画」の作成、取組を強力に推進していく。
○ 体力向上のモデル校の「スーパーアクティブスクール」(中学校 62 校)において、体力を向上させるための
指導法の工夫や運動部活動加入の推進等の、体力向上の取組をさらに充実させ、その成果を全中学校へ
発信する。(学校ごとに中間報告会を実施)
② 投げる力等の向上
○ 「基礎体力の向上」「投げる力の強化」に向けて、学習方法や運動内容等、体育授業や運動部活動にお
いて活用できる「体力を高める運動ガイドライン」を作成し、全公立学校へ配布する。
○ 本ガイドラインを活用した研修会を実施し、内容の普及を図る。
③ 体力テストの効果的な実施
○ 体力テストの意義や目的、一人一人の目標値の設定、各種目の実施方法等を、確実に指導することや十
分な準備期間を確保することについて、体育担当指導主事連絡協議会、中学校及び高等学校体育主任
連絡協議会等の機会を通して周知し、6月実施を推進する。
2