第10次 茨城県卸売市場整備計画 【概要版】

第10次 茨城県卸売市場整備計画 【概要版】
関係法令
卸売市場法第 6 条(要約)
1 都道府県は,当該都道府県における卸売市場の整備を図
るための計画を定めることができる。
2 都道府県整備計画の内容は,卸売市場整備基本方針及び
中央卸売市場整備計画に即するものでなければならない。
第1 整備及び運営に関する基本的事項
1 目標年度 ・目標年度:H32(計画期間:H28~H32)
1 目標年度 ・基準年度:H26
2 基本的な考え方
卸売市場の有する機能・役割を強化・高度化していくた
め,以下を基本に,その整備及び運営を行う。
① 卸売市場における経営戦略の確立
② 立地・機能に応じた市場間における役割分担と連携強化
③ 産地との連携強化と消費者,実需者等の多様化するニー
ズへの的確な対応
④ 卸売市場の活性化に向けた国産農林水産物の流通・販売
に関する新たな取組の推進
⑤ 公正かつ効率的な売買取引の確保
⑥ 卸売業者及び仲卸業者の経営体質の強化
⑦ 卸売市場に対する社会的要請への適切な対応
3 卸売市場における経営戦略の確立
市場関係者が一体となり,卸売市場のあり方等を明確化
した経営展望を策定し,経営戦略を確立。
経営展望 = 基本戦略(市場のあり方等)+行動計画
※定期的なレビュー,必要に応じて見直し
4 産地との連携強化と消費者,実需者等の多様化する
ニーズへの的確な対応
・県内卸売市場:生鮮食料品等の基幹的な流通拠点
→各卸売市場:地場産品の集荷の強化,魅力的かつ特色
ある商品の品揃えの充実による他市場との差別化
→地域拠点市場:生鮮食料品等の安定供給,集荷・分
荷,価格形成などの機能発揮,新たな需要開拓への取組
→卸売業者及び仲卸業者:産地や実需者との関係強化,
安定した品質・量の商品確保,安定的な売り場(販売
先)の確保による販売力の強化
第2
適切な配置の方針
1 卸売市場の現状と見通し
(1) 需要の現状とその見通し
・人口の減少:H21 297 万人 → H26 292 万人
・高齢化の予測(65 歳以上):H27 77 万人 → H32 84 万人
・国民 1 人・1 年当たりの供給純食料の減少
(2) 供給の現状とその見通し
・農家戸数:H21 103 千戸 → H26 88 千戸
・耕地面積:H21 176 千 ha → H26 171 千 ha
・担い手の育成や確保が課題
(3) 卸売市場流通の現状とその見通し
・卸売市場数:H24.4 月 40 市場 → H28.4 月 39 市場
・市場外流通の増加
基準年度(H26年度)
区分
需要量 市 場 流 通 量 市 場 供 給 率
品目
(t)
(t)
(%)
野 菜
324,523 209,604
64.6
果 実
115,964 49,877
43.0
水産物
146,926 76,218
51.9
食 肉
87,630 17,704
20.2
花き・切花 119,062 67,900
57.0
鉢 物
21,284
2,900
13.6
目標年度(H32年度)
需要量 市 場 流 通 量 市 場 供 給 率
(t)
(t)
(%)
317,429 191,263
60.3
108,500 42,514
39.2
135,964 71,028
52.2
87,990 18,448
21.0
111,366 63,005
56.6
20,018
2,366
11.8
2 卸売市場を取り巻く環境の変化への対応
(1) 卸売市場を取り巻く環境と新たな動き
・食の安全,品質への関心の高まり
・地産地消の広がりや食育への期待
(2) 食品の表示に関する動き
・食品表示関連法の統合,機能性表示食品制度の創設
3 品目別流通圏の設定 県内一円(全品目)
4 卸売市場配置計画
(1) 卸売市場配置方針
・地域拠点市場:水戸市公設地方卸売市場
→経営展望の策定による市場機能の強化
→産地や実需者,他市場と連携した集荷・販売
・地域拠点市場と有機的連携のもとに他市場を配置
・特段の事情が認められる市場の再編に配慮
(2) 卸売市場配置計画
・特段の事情が認められない限り「存置」の方針
・災害時等においても業務を確実に継続できるような体制の確立,事業継続計画(BCP)の策定
第6
その他 ・卸売市場への理解の醸成,「食」等に関する知見の提供,イベントや市場見学会等の機会の確保
・青果物産地市場:集荷機能の維持や消費地市場との連携強化,各市場の役割に応じた物流機能の向上
第3
1
2
3
4
立地,施設の配置等に関する指標
立地に関する事項
施設の種類に関する事項
施設の規模に関する事項(国の算式を準用)
施設の配置,運営及び構造に関する事項
・経営戦略に即した計画的な整備等の推進
・貯蔵施設や搬送施設等の整備・配置の推進
・コールドチェーンシステムの確立のための低温管理施
設や HACCP 導入による品質管理
・輸出先が求める品質管理や施設整備
→県:輸出に関する情報提供及び機運醸成
第4
取引,物品の保管等の合理化等に関する事項
1 取引の合理化に関する事項
・バリューチェーンの構築等による市場流通の効率化
・市場間,産地や実需者との連携による取引の活性化
・電子商取引の推進,事務手続きの柔軟な運用や簡素化
・食品衛生上不良食品への検査体制の充実
2 物品の荷さばき,保管等の合理化に関する事項
3 物品の品質管理の高度化に関する事項
・品質管理高度化規範の策定,HACCP による品質管理
第5
卸売業者及び仲卸業者の経営強化の目標
1 卸売業者及び仲卸業者に共通する事項
・学校給食等と連携した地場産品の利用促進,
「茨城をた
べよう」運動とも連動した地産地消の推進
・国内農林水産物の供給体制の確立,情報受発信の強化
・産地に対する営農指導,地域特産物のブランド化,リ
テイルサポート等の強化による実需者との連携強化
・輸出業者等のニーズに応じた輸出等への取組
・生産者が行う 6 次産業化の取組に対する積極的な参画
2 卸売業者
・財務体質の強化,県や専門家等の助言による経営改善
・財務基準を参考に,経営の健全性を確保
① 流動比率が1を下らないこと
② 自己資本比率が0.1を下らないこと
③ 連続3以上の事業年度で経常損失が生じないこと
※「中央卸売市場における業務運営について」
3 仲卸業者
(農水省通知)を準用
・財務体質の強化,経営状況の評価と早期改善