大 名 の 数 寄 ― 茶の湯

第2展示室
徳川美術館
大 名 の 数 寄 ― 茶の湯 ―
平成29年1月4日(水)~4月9日(日)
A:1月4日(水)~2月5日(日) B:2月7日(火)~3月7日(火) C:3月8日(水)~4月9日(日)
お
す
き や
桃山時代に武将の間でも流行した「侘び茶の湯」は、江戸時代には「御数寄屋」の接待として、公式行事の一
部に組み入れられた。こうして固定された茶の湯は、「侘び茶の湯」の持っていた、美や新たな価値観をうち立て
お な り
て行く自由な創造の精神を失って武家故実となり、格式行事と化した。大名は邸に茶室を設け、将軍の「御成」
をはじめ、晴の行事に備えた。
す き し ゃ
茶の湯道具もまた格式道具となった。桃山時代に武将や上層町衆や数寄者が持っていた道具の大半は、江
戸時代には将軍や大名の秘蔵品となり、「名物」の道具は、時に一国一城にもあたるとされ、その所持、非所持
が家の格を表すとまで評された。
凡例:◎は重要文化財
※2/7~2/24と3/7~4/9で展示
指定 作品名
№
作者・所用者・寄贈者等
時代
世紀
期間
猿面の茶室
1
和歌懐紙「寄松祝」
徳川宗睦(尾張家9代)筆
江戸
18
A
2
二大字「雄嶋」
清巌宗渭筆
江戸
17
B
3
菜に蝶図
伝趙昌筆
明
14-15
C
4
染付高砂手花生
明
16-17
5
芦屋松竹梅文鐔付釜
桃山
16
6
青磁壺形水指
明
16-17
7
唐物丸壺茶入
南宋
13
8
竹茶杓 銘 鶯
件翁宗左(啐啄斎・表千家8代)作
岡谷家寄贈
江戸
18
AB
9
竹茶杓 共筒
良休宗佐(随流斎・表千家5代)作
江戸
17
C
10
徳川家康(駿府御分物)・
徳川義直(尾張家初代)所用
高麗雲鶴茶碗 歌銘 高浜
朝鮮王朝 17
【特集展示】徳川美術館の名碗
11 ◎ 白天目
武野紹鷗・武野仲定・
徳川義直(尾張家初代)所用 大名物
室町
15-16
A
12
三島茶碗 銘 三島桶
千利休・千道安・徳川家康・
徳川義直(尾張家初代)所用 大名物
朝鮮王朝 15-16
B
13
井戸茶碗 銘 大高麗
安宅冬康・荒木村重・徳川家康(駿府御分物)・
徳川義直(尾張家初代)所用 大名物
朝鮮王朝 16
C
山本春正作
江戸
天保11年
A
<1840>
溜塗鉋目折敷 十枚の内
江戸
19
A
15
呉須赤絵文字花蝶文皿 十枚の内
明
17
A
16
朱塗引盃
江戸-明治 19
A
17
黒塗利休形飯次・杓子
18
【特集展示】会席道具の用と美
14
黒塗利休形飯椀・汁椀
江戸
天保11年
A
<1840>
松竹梅蒔絵煮物椀
江戸
19
A
19
九曜星渦巻文鉢
明
16-17
A
20
青磁火変り大皿
明
15
A
21
染付葡萄葉形小鉢
明-清
17-18
A
22
瀬戸鉄釉下蕪形徳利
江戸
17
A
山本春正作
五口の内
第2展示室
№
徳川美術館
指定 作品名
作者・所用者・寄贈者等
時代
世紀
期間
清
17
A
明治
明治23年
A
<1890>
19
23
染付山水文猪口 八口の内
24
瀬戸焼盃
25
朱塗葎椀 五客の内
江戸
26
白磁編笠形鉢
朝鮮王朝 16-17
27
黒塗利休形湯次・湯子取
28
徳川義礼(尾張家18代)絵付
A
A
江戸
天保11年
A
<1840>
黒塗利休形湯盆
江戸
19
A
29
銅鑼
明
16-17
A
30
萩焼十文字花文俵形鉢
江戸
17
A
31
七宝菓子鉢
明
16-17
A
32
御深井焼三島写葵紋付菓子鉢
彫銘「以祖母懐□□造之」
江戸
19
A
33
梅花天目
南宋
12-13
34
黒樂茶碗 銘 横槌
35
珠光青磁茶碗 銘 翁
36
油滴天目(星建盞)
37
山本春正作
伝加藤春岱作
伝樂二代目長次郎作
桃山-江戸 16-17
南宋-元
13-14
伝千利休朱漆書
南宋
12-13
BC
灰被天目 銘 玉潤
伝千利休朱漆書
元-明
14-15
BC
38
古瀬戸釉筒茶碗
千利休在判
徳川光友(尾張家2代)・綱誠(同家3代)所用
桃山
16
※
39
青銅花生
伝千利休所用 名物
明
16
BC
40
竹一重切枝付花生
千利休作
徳川家康・徳川光友(尾張家2代)所用
桃山
16
B
41
青磁下蕪形花生
南宋
13
C
42
唐物茶壺 銘 判官
元-明
14-15
BC
43
古田織部書状 秦宗巴宛 正月十一日
江戸
17
A
44
福禄寿図
江戸
文化9年
A
<1812>
45
細川三斎書状 竹腰正武家中宛 七月廿五日 作品番号12 三島茶碗 附属
江戸
17
B
千利休在判
千利休・池田次兵衛・徳川家康(駿府御分物)・
徳川義直(尾張家初代)所用 大名物
田中訥言筆 大脇家寄贈
46 ≪初公開≫貝雛図
小田切春江筆
江戸
19
B
47
拾遺和歌集切「春たつと」
伝藤原定家筆
鎌倉
13
C
48
貝合わせ図
渡辺清筆
江戸
安政4年
C
<1857>
49
伯庵茶碗
千宗旦箱書 岡谷家寄贈
江戸
17
BC
50
竹茶杓 銘 二人静 一対
千宗旦作
江戸
17
BC
51
一閑張小棗
千宗旦在判 岡谷家寄贈
江戸
17
BC
【特別公開】泪の茶杓 2月25日(土)~3月5日(日)
竹茶杓 銘 泪 千利休作 名物
古田織部・徳川家康(駿府御分物)・徳川義直(尾張家初代)所持
桃山時代 16世紀
豊臣秀吉に切腹を命じられた千利休が自ら削り最後の茶会に用い、古田織部に与えた茶杓であ
る。その後、織部はこの茶杓用に、長方形の窓をあけた筒をつくり、その窓を通してこの茶杓を位
牌代わりに拝んだと伝えられる。
※毎年2月28日(利休忌)近くに、約10日間公開しています。