第1章 5 上里町の概況 1.本町の概況 (1)位置・交通条件 ・本町は埼玉県の最北端に位置し、北西部は神流川、烏川を隔てて群馬県と接し、南東部は本庄市、 神川町と接する東京から約 85km の地域です。 ・本町の広域交通網は、上里サービスエリアに設置されている上里スマートインターチェンジを通 じてアクセスできる関越自動車道があり、東京方面や新潟・長野方面と連絡しています。主要な 幹線道路は、国道 17 号、国道 254 号があり、国道 17 号バイパスの整備が進められています。 ・鉄道網については、上越新幹線とJR高崎線が通っており、町内には高崎線の神保原駅が設置さ れています。新幹線の利用は隣接する本庄市の本庄早稲田駅で利用することができます。 <上里町の位置> 6 (2)人口・世帯 ・本町の平成 27 年(国勢調査)の人口は 30,565 人、世帯数は 11,225 世帯、世帯人員は 2.7 人/ 世帯となっています。 ・総人口は、平成 22 年まで増加を示していましたが、平成 27 年の調査で減少に転じました。 ・世帯数は、増加を続けており平成 27 年の調査でも増加を示しました。 ・本町の平成 27 年(国勢調査)の年齢階層別人口は、年少人口(0~14 歳)が 4,727 人、生産年 齢人口(15~64 歳)が 20,428 人、老年人口(65 歳以上)が 5,811 人となっています。 ・経年変化をみると、年少人口が減少し、老年人口が増加する傾向が顕著となっています。埼玉県 全体の割合と比較すると、少子高齢化の進行は埼玉県全体よりは緩やかですが、着実に進行して います。 図.人口・世帯 12,000 35,000 28,514 30,000 30,565 10,000 24,626 25,000 ) 人 8,000 世 帯 数 6,000 世 帯 ( ( 人 口 30,998 30,855 30,126 20,000 10,199 9,531 8,679 11,225 4,000 6,959 10,000 ) 15,000 10,887 2,000 5,000 0 0 H2 H7 H12 H17 世帯数 H22 人口 H27 資料:国勢調査 図.年齢構成別人口 凡例 生産年齢人口 年少人口 H2 17.1 H17 16.2 H22 15.3 H27 13.9 H27(埼玉県) 12.6 0% 11.9 68.9 19.1 H12 11.1 67.8 21.0 H7 老年人口 13.9 69.0 16.0 67.9 18.8 66.0 23.8 62.3 24.8 62.6 20% 40% 60% 80% 100% 資料:国勢調査 7 (3)産業構造 ・産業分類別の就業人口の推移をみると、第1次 図.産業3部門就業者の割合 産業及び第2次産業就業者比率が一貫して減 H2 13.8 44.7 41.4 0.1 少する一方で、第3次産業就業者比率が増加し ています。 ・平成 22 年の就業者比率状況を埼玉県全体と比 H7 10.2 H12 8.9 H17 8.1 H22 6.5 44.2 45.5 41.9 0.1 45.5 3.7 較すると、第1次産業及び第2次産業就業者比 率は高いものの、第 3 次産業就業者比率は低く なっています。 37.5 52.8 34.4 H22(埼玉県) 1.7 52.9 23.5 0% 1.6 6.2 67.5 20% 40% 第1次 第2次 60% 第3次 分類不能 7.3 80% 100% 資料:国勢調査 (4)土地利用 ・本町全体の土地利用の状況は、 表.土地利用現況 用途地域内 都市的土地利用が 40.0%、自然 的土地利用が 60.0%となってお り、自然的土地利用が多くなっ ています。 ・それぞれの内訳をみると、都市 (ha) 自 然 的 土 地 利 用 用途地域外 構成比 (ha) 町全体 構成比 (ha) 構成比 田 6.9 1.8% 587.2 23.0% 594.1 20.3% 畑 56.6 15.2% 591.7 23.2% 648.3 22.2% 農地 計 63.5 17.0% 1,178.9 46.3% 1,242.4 42.5% 山林 2.4 0.7% 10.9 0.4% 13.3 0.5% 水面 1.9 0.5% 149.4 5.9% 151.2 5.2% その他自然地 3.2 0.8% 343.8 13.5% 347.0 11.9% 計 71.0 19.0% 1,682.9 66.0% 1,753.9 60.0% 的土地利用では住宅用地が最も 住宅用地 127.1 34.1% 323.4 12.7% 450.5 15.4% 商業用地 30.1 8.1% 39.4 1.5% 69.4 2.4% 多く、次いで道路用地、工業用 工業用地 56.0 15.0% 68.2 2.7% 124.2 4.3% 宅地 計 213.2 57.1% 430.9 16.9% 644.1 22.1% 公益施設用地 9.6 2.6% 56.5 2.2% 66.1 2.3% 公共空地 3.6 1.0% 77.6 3.0% 81.2 2.8% 道路用地 53.9 14.5% 245.7 9.6% 299.6 10.3% 地、公共空地と続いています。 また、自然的土地利用では田及 び畑の農地と烏川や神流川の自 然地が大半を占めており、山林 はわずかな状況にあります。 都 市 的 土 地 利 用 交通施設用地 2.6 0.7% 10.0 0.4% 12.6 0.4% その他公的施設用地 0.0 0.0% 0.0 0.0% 0.0 0.0% その他空地 19.3 5.2% 44.3 1.7% 63.6 2.2% 計 302.1 81.0% 865.1 34.0% 1,167.1 40.0% 合 計 373.0 100.0% 2,548.0 100.0% 2,921.0 100.0% 資料:平成23年都市計画基礎調査 8 2.町を取り巻く社会動向の変化 (1)人口減少社会の到来 ・国勢調査によると、日本の総人口は平成 17 年から減少に転じました。合計特殊出生率は平成 25 年では 1.43 となっており、近年では増加傾向にありますが、将来にわたって人口を維持するた めに必要な 2.08 よりも下回っています。 ・本町においても平成 27 年の国勢調査人口で、はじめて減少に転じました。 「上里町人口ビジョン」 によると、本町の合計特殊出生率は平成 26 年において 1.05 となっており、全国平均の 1.42、埼 玉県平均の 1.29 よりも下回っております。 (2)少子高齢社会の進行 ・日本では、出生率の低下や平均寿命の伸張などがあいまって、少子高齢化が急速に進行していま す。 ・本町においては少子高齢化の進行は埼玉県全体よりは緩やかですが、着実に進行しています。生 産年齢人口比率は緩やかな減少傾向にあり、埼玉県全体の比率とほぼ同率となりつつあります。 (3)コンパクトなまちづくりへの転換 ・これまでのまちづくりは、人口増加やモータリゼーションの進展等を背景として、住宅や商業施 設、公共公益施設が郊外に立地する、市街地拡大型のまちづくりでした。しかし、人口減少社会 に移行し、中心市街地から郊外への人口流出に伴う中心市街地の衰退、拡大した市街地の整備・ 維持にかかる財政負担の増大などが問題となっています。本町においても、郊外に住宅や大規模 商業施設の立地が進んでおり、神保原駅を中心とした中心市街地の空洞化が進んでいます。この ような都市構造上の問題に対応するため、都市計画においては、生活に必要な都市機能が身近に ある、コンパクトな都市構造の実現に考え方が変わっています。 (4)価値観・生活様式の多様化 ・社会経済情勢の変化や家族形態の変化、人々の価値観や生活様式の多様化により、生活の豊かさ を求める姿勢が変化しており、これらの変化を捉えたまちづくりへの転換が必要です。 (5)地球環境問題の顕在化 ・日本では、温室効果ガスの排出量の削減に向け、産業構造や社会構造の抜本的な見直しなど、低 炭素型社会に転換するための様々な取り組みが模索されています。また、限りある資源を有効利 用していこうとする資源循環型社会への意識も高まっています。 9 (6)自然災害への対応 ・今後発生が予測されている東日本大震災級の大地震による建築物の倒壊や火災、想定を超えた台 風等の豪雨による水害などから町民の生命・財産への被害をできる限り減少させる防災・減災の まちづくりが求められます。 10
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