調 査 Research

調 査
Research
県内経済界トップアンケート「新年(2017年)の経済見通し」
<トップアンケート>
ご
回
答
者
名
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
国内経済−やや回復する
一時的である可能性もあるが、トランプ氏大
統領選当選による好調な米国経済の影響を受
けて、日本経済も好転すると思う。
〔医療機器販売業〕
アイティーアイ株式会社
代表取締役 市 川 雅 夫
〔機械器具卸売業〕
安達株式会社
代表取締役社長 安 達 賢一郎
業
昨年の実績
績
平成29年の見通し
対前期比としては微増で推移している
が、対予算比としてはまだまだ足りて
県内経済−やや悪化する
三菱重工業の大型客船事業からの撤退の影響 いないため。
が少なからず出ると思われる。
平 成 29 年 の 見 通 し
1.売上げ・生産動向
やや増加する
やや好転する
左記に同じ。
社員一人一人の業績改善へ
のモチベーションアップが、
平成29年の増加に繋がると
期待する。
増加する
国内経済−やや回復する
政府による経済対策予算の増加。
やや増加する
県内経済−横這い
三菱重工造船関連の業種が不透明。
その他の業種は、やや回復。
平成29年の見通し
変わらない
経営上の問題点
低価格化
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
人材不足、従業員の高齢化
経営上の問題点
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
対 応 策
事務の効率化に向けたIT化を進めるととも
に、社会経済情勢の変化に必要となるコスト
については、積極的に対応していく。
変わらない
人材不足が足かせとなる。
新産業やベンチャー
企業の育成・支援
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
経営上の問題点
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
設備の老朽化
人材不足、従業員の高齢化
経済特区の新設など
規制緩和・規制改革
企業誘致の促進
人材の育成と定着
企業誘致の促進
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
県央地域の再開発が活発化。
対 応 策
後継者の育成。
地域活性化による売上の確保。
〔経済団体〕
諫早商工会議所
会頭 黒 田 隆 雄
国内経済−横這い
米国経済動向に注視したい。
本県経済の活性化策
3.経営上の問題点とその対応策
対 応 策
病院の経営改善の一環として今後も低価格化
が進むと思われるので、サービス内容の充実
と新規商品の開拓、営業エリアの拡大を進め
ていく必要がある。
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成29年の見通し
直近の設備投資計画では、若干の上方修正の傾向
がみられるが、世界経済の不透明感は強く、当面
慎重な投資姿勢となるとみられる。ただ、米大統
領選挙後からの円安・株高は、トランプ政権の政
策運営に不透明な要素が多いとはいえ、国内経済 現在の円安傾向が継続すれば、輸出型
の回復に追い風となると思われる。
製造業を中心とした回復基調が望め、
当社としてもプラス要因となることを
県内経済−やや回復する
長崎県の主要産業である観光については、熊本地 期待している。
震の影響の収束による国内観光客の増加とともに、
クルーズ船の寄港予定も400隻近くが見込まれる
など、県内経済の回復に寄与するものと思われる。
昨年の実績
2.採 算 状 況
昨年の実績
平成29年の見通し
増加する
左記理由による。
好転する
左記理由による。
経営上の問題点
為替相場
経済のグローバル化による競争激化
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
県内経済−悪化する
快晴でなく晴れ。
新製品の評価が高く、受注好調。
対 応 策
全ての対策をとる。
〔半導体設計・製造・販売〕
イサハヤ電子株式会社
代表取締役会長兼社長 井 嵜 春 生
国内経済−やや回復する
安定した安倍自民党政権の元、大手企業の業績回復を受けて
雇用や所得の改善が続くことで個人消費も増え、設備投資も
緩やかな回復基調となると思われる。但し、米国大統領の政
策によっては日本は経済リスクを負うことが考えられる。
〔事務機器販売〕
株式会社 イシマル
代表取締役社長 石 丸 利 行
県内経済−横這い
県内の人口減少が進むなか、基幹産業の造船事業の縮小は深
刻な問題。観光産業においては、昨年はインバウンドの増加
やねんりんピック・デスティネーションキャンペーン等のイ
ベントにより来県者数は増加した。本年も維持できるか未知
数だが、引き続き夜景観光や2つの世界遺産を含め観光に期
待したい。
昨年の実績
平成29年の見通し
民間のオフィスの設備投資は未だ低迷
しており、低価格化が進行している。
官需においては、県庁移転をはじめこ
れからいくつか大きなプロジェクトが
見えているが、それが業績に貢献する
ものか見通しが立っていない。
やや増加する
変わらない
経営上の問題点
低価格化
市場拡大へ先行投資を続け
売上の増加は見込めるが、
ており、目標にはまだ遠い
人件費等の増加により経費
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
が一定の成果が見込まれる。 増が考えられる。
人材不足、従業員の高齢化
企業誘致の促進
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
対 応 策
社員のスキルアップ、CS向上、新市場拡大、
新規事業の確立。
:快晴 :薄日 :曇り :小雨 :本降り
(掲載は50音順)
18
ながさき経済 2017. 新年号
ながさき経済 2017. 新年号
19
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県内経済界トップアンケート「新年(2017年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
国内経済−横這い
先行き不透明感があり、昨年同様、消費は大
きく伸びないのではないか?
〔小売業〕
株式会社 イズミ ゆめタウン夢彩都
支配人 皿 谷 尊 正
〔食品製造販売〕
有限会社 和泉屋
代表取締役 井 上 確
県内経済−横這い
クルーズ船の寄港がさらに増えるそうだが、
一部が恩恵を受けるだけで、三菱造船の大型
客船の事業撤退発表で県内の停滞ムードが広
がるのではないか?
〔きのこ栽培・麺加工食品製造販売〕
株式会社 雲仙きのこ本舗
代表取締役 楠 田 喜 熊
〔食品小売業〕
株式会社 エレナ
代表取締役社長 中 村 浩
20
ながさき経済 2017. 新年号
昨年の実績
績
平成29年の見通し
平 成 29 年 の 見 通 し
1.売上げ・生産動向
やや増加する
28年度は食品フロアの活性化により売
上を底上げすることができたが、他の
業種は大きくは伸ばすことはできてな
い。
国内経済−横這い
昨年の実績
平成29年の見通し
人員不足による雇用所得環境の改善、経済政
策に伴う公共投資の増加がプラス要因とみら
れるが、米国の新政権が保護主義的な貿易政
策を打ち出すことも考えられ、この場合マイ
28年は熊本地震の影響で売上高では苦
ナス要因に。
戦を強いられたが、その影響も軽減さ
れつつあり、29年の売上げは回復基調
県内経済−横這い
非製造業は熊本地震の影響から脱し、回復基 で推移すると思われる。
本県経済の活性化策
2.採 算 状 況
3.経営上の問題点とその対応策
好転する
28年度は食品フロア活性化
の大きな投資があった。29
年度は大きな投資はないの
で収益面では改善する。
経営上の問題点
仕入価格、原材料価格の値上がり
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
人材不足、従業員の高齢化
企業誘致の促進
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
対 応 策
業務カイゼンによる生産性アップとコストダ
ウンを図る。
やや増加する
やや好転する
経営上の問題点
新工場(第一期分)の稼働
新工場の稼働により効率性
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
人材不足、従業員の高齢化
がフル寄与することから、
が高まり、省エネ設備も充
生産は増加が見込まれる。
実していることから、経費
削減に寄与するとみている。 対 応 策
経費の増大は減価償却の増加が主因。
人員不足、従業員の高齢化については、2年
前より新卒の定期採用に注力中。
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
調で推移するものと思われるが、製造業(造
船業)の実態経済に与える影響が気がかり。
国内経済−やや回復する
輸出企業が円安により利益が上がり末端まで
お金が回りだす。それにより景気が徐々に回
復していく。
〔角煮まんじゅう製造販売〕
株式会社 岩崎食品
代表取締役 岩 崎 栄 司
業
増加する
震災のマイナス時期(6月
∼9月)がプラスに転じる
ので28年に比べてプラスに
出来ないと企業努力が足り
ないことになる。
好転する
現在より売り上げを上げる
ことが出来れば損益分岐点
を超える売り上げが積み重
なるので利益は好転する。
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成29年の見通し
円安に伴い、しばらくは、株価が安定して成
長すると考える。オリンピックによりあと3
年は、建設関係も好調に推移し、デフレ要因
が解消すれば、オリンピック前までは、この
まま行くものと考える。
平成28年度は、生産性向上等による設
備投資を実施するが、加工食品は売上
県内経済−やや回復する
を伸ばしたものの、きのこの単価が予
クルーズ船の入港増により、外国人観光客が
増え、観光業界は今後も安定した成長が見込 想を下回り、全体では、売上が少しマ
まれるが、円安が今後進んだ場合、石油価格 イナスになった。平成29年度は設備投
も高騰する恐れがあり、地方経済は大きく落 資の効果により、生産性が上がり、大
きく売上を伸ばすことが期待できる。
ち込む恐れが懸念される。
増加する
28年度の設備投資の効果が
現れる。
好転する
経営上の問題点
仕入価格、原材料価格の値上がり
キノコの栽培瓶を改良する
設備の老朽化
ことで生産を増やし、生産
人材不足、従業員の高齢化
性向上のため、品種の一元
化や栽培工場を再編するこ 対 応 策
原料の一括管理を行うことで、仕入れコストを下げた
とで、既存の設備で品種を
増やし収益増が可能になる。 り、包材を簡素化することで包材コストを下げる。
設備の老朽化については、古い設備から計画を立てて
入替える。
従業員の高齢化については、新卒者の採用を継続して
行ったり、省力化機械の導入なども含め進めていく。
国内経済−やや回復する
現在のやや円安傾向の為替レートが維持でき
れば、国内企業にとってはメリットがあると
思う。
やや増加する
新 規 出 店・ 既 存 店 舗 リ
ニューアルなど設備投資を
継続し、売上高の漸増を目
指したい。
やや悪化する
固定費・変動費とも上昇傾
向で収益性の改善が課題。
昨年の実績
平成29年の見通し
28年度6月から9月までマイナスだっ
たがいろんな対策により11月累計でプ
県内経済−やや回復する
28年の震災の影響で4月以降観光は低調だっ ラスに転じた。29年度はこれまで以上
今できることを実行していき快晴にし
たため、29年度はプラスに転じる。
ていく。
昨年の実績
平成29年の見通し
異業態・県外ディスカウンターの参入
が続いており、収益性の維持が難しい
県内経済−横這い
世界遺産の登録など明るい話題はあるが、人 局面にある。
口減少は続いており、さらなる消費拡大は望
めない。
経営上の問題点
仕入価格、原材料価格の値上がり
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
対 応 策
仕入れ価格などの値上がりがあれば価格を上
げるか売り上げ増大による利益確保のどちら
かが必要になる。
物流の作業効率を上げることにより経費を削
減していく。
経営上の問題点
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
対 応 策
店舗のリニューアルを進め、LED照明やオー
プンケースなどの省エネ化により、人件費の
増加をカバーしていきたい。
経済特区の新設など
規制緩和・規制改革
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
官から民への移行
(PFI、PPP等)
地場産業の再生・振
興支援
地場企業の上場支援
ながさき経済 2017. 新年号
21
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Research
県内経済界トップアンケート「新年(2017年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
〔建設コンサルタント・情報通信業〕
扇精光グループ
代表取締役社長 池 田 久美子
〔鋼管製造及び販売業〕
大阪鋼管株式会社
代表取締役 坂 根 康 伸
〔造船業〕
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
業
績
平 成 29 年 の 見 通 し
1.売上げ・生産動向
2.採 算 状 況
国内経済−横這い
昨年の実績
平成29年の見通し
国内主要企業の収益状況は最近の円安効果も
あり堅調。しかしながら、次期大統領にトラ
ンプ氏が就く米国、英国のEU離脱問題、中
国経済の不透明など、海外経済に不安要素が
多い。貿易面・防衛面を始め、状況によって 建設コンサルタント業においては公共
は国内予算が削られる可能性がある。
事業の発注件数の減少、情報通信業に
おいては大手の参入により、各事業会
県内経済−横這い
世界遺産登録や駅周辺再開発事業により一定 社ともに受注環境は厳しい。今年も現
の経済効果は見込めると思われるが、特定の 環境の継続が予想されるが、新技術等
業種に偏り、県内全域への波及効果は望めな
い。また、三菱重工業の大型客船事業からの の活用、自社開発部門の強化など企業
撤退、進む人口流出など、影響がどの程度な 努力により収益確保に努めたい。
のか気になるところ。また国境離島新法につ
いて、具体的アイデアが聞こえてこない。
変わらない
左記に同じ。
変わらない
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
受注競争が激化し売上面で
の極端な伸びは望めないが、 経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
人材不足、従業員の高齢化
収益面は企業努力で現状維
持できるとみている。また、
労働環境の改善にも取り組 対 応 策
新技術の導入・活用、特異分野の増強により
んでおり、収益確保は経営
「品質向上」「新規事業開拓」に繋げ受注拡大
の最重要課題としている。
を目指す。
人材不足については、社員教育による既存社
員の成長、優秀な職員の確保に注力し、生産
性向上に向けた改善に取り組む。
公共投資の増額など
財政出動
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
国内経済−横這い
昨年の実績
平成29年の見通し
国内の復興需要や東京五輪を目指す動きはあ
るものの、世界的には低調な流れが続くと思
われる。鉄鋼業界も中国の過剰生産は変わら
ず、鉄鉱石や石炭の上昇傾向もあり、上向い 平成28年は設備投資を含み全体的に精
ていく要素は見当たらない。
彩を欠き落ち込みを見せたが、鉄鉱石
や石炭の価格上昇に伴い鉄の価格も上
県内経済−やや回復する
昇し、転嫁できれば売上増とはなるも
県内主力産業である造船業は足元の受注は確 のの、需要はあまり見込めない。
保されているが、再編等の検討を続けられて
いる。爆買いは無くなったがクルーズ船の入
港は続いており、熊本地震からの回復もあり
観光は好転すると思われる。
変わらない
左記の通り、価格上昇はあ
るものの需要は弱く、厳し
い状況は続く。
変わらない
経営上の問題点
純粋な売上増は見込めず、
売上げ・受注の不振
厳しい状況は続く。
仕入価格、原材料価格の値上がり
人材不足、従業員の高齢化
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
国内経済−横這い
昨年の実績
平成29年の見通し
国際的には前年に続き、ポピュリズムや保護主義の
台頭などで、先々の不透明性が強まる一方で、国内
では安定政権下での財政・金融のバランスの取れた
経済運営により、ファンダメンタルズの向上が期待
できる。
昨年以上に、低船価の影響が増してく
る。
県内経済−やや悪化する
やや減少する
生産量は若干減少し、売上
げは各船の船価低下分だけ
更に減少。
対 応 策
生産性向上と高付加価値化を進め、採算性を
向上させる。
社内教育(手塩教育)を継続し、人的資源を
強化する。
企業グループ全体での収益力向上を目指す。
継続して海外展開を推進する。
経営上の問題点
やや悪化する
為替の影響は若干残るも、
売上げ・受注の不振
それ以上に低船価の船の引
低価格化
渡しの影響が増える。
人材不足、従業員の高齢化
常務取締役工場長 堀 口 兵 栄
国内経済−横這い
米国経済回復による輸出増加などで成長は見
込めるが、個人消費が昨年まで好調だった反
動で落ち込み、全体での成長は「良くも悪く
もない状況が持続」。
昨年の実績
平成29年の見通し
企業誘致の促進
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
対 応 策
従来の中型バルカーに特化した製品構成に小
型コンテナ船を加え、受注の門をやや広げる。
生産規模のみに頼らない、競争力あるコスト
の獲得。
外国人、外注の活用。社内教育訓練の充実と
個性的なリクルート活動の実施。
観光やインバウンド関連の業種は引き続き一定の成
果を得そうだが、秋の県庁移転以外に大きなイベン
トも無く、消費全体は低調。製造業は為替影響を除
いても、昨今の受給のアンバランスによる低価格化
と原材料費アップの影響が表面化してくる。
株式会社 大島造船所
〔経済団体〕
本県経済の活性化策
3.経営上の問題点とその対応策
やや増加する
やや好転する
経営上の問題点
設備の老朽化
人材不足、従業員の高齢化
対 応 策
人材の県外流失の防止。
新産業やベンチャー
企業の育成・支援
企業誘致の促進
地場産業の再生・振
興支援
県内経済−やや回復する
県内の中小企業の景況は、先行き懸念がある
が、穏やかに回復する。
大村商工会議所
会頭 中 村 人 久
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ながさき経済 2017. 新年号
ながさき経済 2017. 新年号
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県内経済界トップアンケート「新年(2017年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
〔航空運送業〕
オリエンタル エアブリッジ株式会社
代表取締役社長 小 澤 美 良
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
業
績
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成29年の見通し
現在の円安状況がどこまで続くか、トランプ
次期米国大統領の政策と相まって、極めて不
透明。また、OPECの減産の影響による原油
高についてもどこまでのレベルか不安定な要
収入面では、東京からの乗継旅行需要
素は多いが、安倍首相の規制改革に期待。
が増加しているが、費用面で原油価格
の上昇・円安によるパーツコストの上
県内経済−やや回復する
熊本地震の影響から脱し、観光需要の回復は 昇がマイナス面となる。
平 成 29 年 の 見 通 し
1.売上げ・生産動向
2.採 算 状 況
本県経済の活性化策
3.経営上の問題点とその対応策
やや悪化する
経営上の問題点
増加する
平成29年11月より、福岡か
売上高は40%増加するが、
為替相場
設備の老朽化
らの新規路線参入を計画し
初期投資費用によって単年
ており、計画通りに進めば、 度収支は悪化する。
資金の調達難、資金コストの上昇
約40%の売上増予定。
対 応 策
新規路線の参入に伴う財政基盤の安定化。
既存機材、後継機の決定。
地方への税源や権限
の移譲
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
変わらない
変わらない
変わらないなら実質プラス、 前述通り。
の積りでいる。
公共投資の増額など
財政出動
企業誘致の促進
観光客の誘致促進
期待できるが、円安・原油高が県内経済に与
える影響は不透明。
国内経済−横這い
昨年同様、本年も予想外の色々なことが起き
ると考える。回復も悪化も含めて、国内全体
では最終「横這い」的な感興になると思う。
昨年の実績
平成29年の見通し
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
私の老朽化
毎年「今年こそ!」と頑張ってはいる
〔建設下請業〕
川添硝子株式会社
代表取締役 川 添 研 太
〔事務機器販売・ホテル業〕
九州教具株式会社
代表取締役社長 船 橋 修 一
〔海運業〕
九州商船株式会社
代表取締役 美 根 晴 幸
のだが。
県内経済−横這い
県外からのお客さんに沢山来て頂きましょう。
繰り返し来てもらえるようにしましょう。
国内経済−やや悪化する
昨年の実績
平成29年の見通し
日本国内の経済は悪化する傾向にあると思わ
れる。それは日本自身がポスト産業資本主義
に対応していないからである。いまだモノづ
くりの効率化という形式知的な発想しかうか
ばず、付加価値という見えない暗黙知に対し ホテル事業部は独自のマーケティング
てはなすすべもないという段階だからである。
が功を奏し増収増益、ソリューション
事業部(事務機)は販路拡大と、ICT
県内経済−やや悪化する
三菱重工の客船撤退と今後の不安材料、地銀 化の浸透で増収増益であった。
の合併問題で投資マインドが低下する。地場
企業の極端な内向き志向が成長のブレーキと
なるだろう。
増加する
当社はポスト資本主義(文
化の時代)を見据え、新た
なる付加価値の構築をミッ
ションとして増収増益を目
指す。
好転する
世の中はいまのところ、予
想通りに進捗しており採算
状況は好転するものと思っ
ている。
国内経済−横這い
昨年の実績
平成29年の見通し
昨年末からの円安基調は続き、輸出企業を中
心に業績は堅調に推移するだろう。政府・日
銀の政策効果も徐々にみえてくると思うが、
米国次期大統領の対外政策や、欧州の政治的
混乱が世界情勢を不安定化させ、景気を押し 業況としては横這いを見込む。
下げるリスクがある。
やや増加する
昨年10月の長崎有川航路開
設や、貨物船子会社の事業
効率化による定期船への物
流のシフト、および旅行者
数の持ち直しにより売上高
はやや増加する。
やや悪化する
経営上の問題点
原油価格が上昇傾向にあり、 仕入価格、原材料価格の値上がり
設備の老朽化
採算はやや悪化を見込む。
島の過疎化への取組、競争力強化
県内経済−やや回復する
昨年は熊本地震の影響が観光にとって大きな
打撃となったが、旅行者数の持ち直しが消費
にはプラスとなる。その他生産関連について
は横這いを見込む。
国内経済−横這い
昨年の実績
平成29年の見通し
年初は米国トランプ新大統領誕生によりドル高・
円安、日経平均株価も漸増すると予測するが、初
夏以降内向き指向の保護政策が米国で本格化する
と思われるため、世界の海上貿易も沈静化してい
き、結局昨年並の水準で落ち着くものと予想する。 造船業は昨年、今年とそこそこの生産
〔金属製品加工業〕
株式会社 九州スチールセンター
代表取締役社長 松 村 栄 人
24
ながさき経済 2017. 新年号
対 応 策
考えが硬直化するのをどうにかせねば、と思
う。
高を維持しているが、低船価受注船が
県内経済−やや回復する
県内造船業は2年程度の受注残を確保しており、 多く、採算は厳しい状況が続いている。
昨年並の生産高と予想。観光は今年出島表門橋や
対岸部分の整備も完了する見通しであり、新たな
観光資源としてクルーズインバウンドに加え昨年
以上に回復することが期待される。
経営上の問題点
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
資金の調達難、資金コストの上昇
長崎と日本国の老化
官から民への移行
(PFI、PPP等)
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
対 応 策
徹底したICTで削減できるものは徹底して削
減する。
ICT化で社員の潜在能力を引き出す。
活動の場を県外と海外にシフトしていく。
変わらない
やや悪化する
左記に記載のとおり、当面
昨年に引き続き低船価船が
続くため、造船所からの発
売上げ・生産は昨年並のレ
ベルが続くものとみている。 注単価がより厳しくなるも
のと予想。
企業誘致の促進
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
対 応 策
4月には国境離島新法が施行されるが、基本方針に
基づき関係自治体と連携しながら、航路事業者とし
ての役割を果たしたい。また、島の過疎化への取組
として、会社としても独自に滞在型事業を行ってお
り、昨年は、より魅力ある商品を開発するため、島
民の中からコーディネーターを募集し10名を採用し
た。長期的な視点で事業を継続していく。
経営上の問題点
低価格化
為替相場
対 応 策
更なる生産性向上によるコスト低減。
経済特区の新設など
規制緩和・規制改革
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
ながさき経済 2017. 新年号
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調 査
Research
県内経済界トップアンケート「新年(2017年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
国内経済−横這い
各国の状況が混沌としているため、輸出の伸
びが期待できない。
業
昨年の実績
績
平成29年の見通し
平 成 29 年 の 見 通 し
1.売上げ・生産動向
やや増加する
高周波の製品に期待してい
る。
2.採 算 状 況
やや好転する
県内経済−横這い
造船の影響がどの程度なのか不透明。
本県経済の活性化策
3.経営上の問題点とその対応策
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
設備の老朽化
対 応 策
高い周波数のものに積極的に取り組んでいき
たい。
新産業やベンチャー
企業の育成・支援
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
〔製造業〕
九州電通株式会社
代表取締役 角 谷 省 一
国内経済−やや回復する
日銀の金融緩和の強化や政府の経済対策等の
効果が現われ、景気が回復することを期待し
ている。
〔電力事業〕
県内経済−やや回復する
インバウンド等の観光客増加への期待や、サ
ミット等で取り組む対策の効果が現われ、景
気が回復することを期待している。
昨年の実績
平成29年の見通し
無回答
現在、平成29年度計画を作
成中であることから「無回
答」。
原油価格や円安の影響により、燃料費
負担額が増加すること、また玄海原子
力再稼働が遅れていることから、依然
として厳しい収支・財務状況が継続す
る。
無回答
玄海原子力3、4号機の再
稼働に関する見通しが不透
明な状況であり、業績予想
が困難であることから「無
回答」。
執行役員長崎支社長 谷 口 悟
九州旅客鉄道株式会社 長崎支社
支社長 深 田 康 弘
〔建設業〕
協和機電工業株式会社
代表取締役社長 坂 井 秀 之
26
ながさき経済 2017. 新年号
新産業やベンチャー
企業の育成・支援
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
対 応 策
昨年に引き続き、原子力発電所の安全対策を
徹底し、地域の皆さまのご理解や安心が得ら
れるよう丁寧な説明を行うなど、玄海原子力
発電所の早期再稼働に向けた取組みを進めて
いく。また、可能な限りの経営効率化を引き
続き行っていく。
九州電力株式会社 長崎支社
〔運輸業〕
経営上の問題点
規制緩和による競争激化
原油価格や円安の影響による燃料単価の高騰
および玄海原子力発電所停止に伴う燃料調達
量増大の継続
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成29年の見通し
緩和的な金融環境や政府の大型経済対策によ
る財政支出などを背景に国内需要は増加する
と考えられると共に、オリンピック関連需要
が本格化することで、設備投資においても緩
やかな増加基調を維持することが予想される。平成28年については、熊本地震の影響
等による旅行の出控えもあり、鉄道を
利用するお客さまが減少した。平成29
県内経済−やや回復する
年については、大詰めを迎える出島の
平成28年度に実施した長崎デスティネーショ
復元事業や「長崎と天草地方の潜伏キ
ンキャンペーンや「長崎と天草地方の潜伏キ リシタン関連遺産」の平成30年の世界
リシタン関連遺産」の平成30年の世界遺産登 遺産登録に向けた様々な動きから、長
録に向けた様々な動きにより、長崎が脚光を 崎が脚光を浴び、観光客の増加が見込
浴びることで、熊本地震の影響で減少してい まれる。よって、鉄道部門のみならず、
た観光客の流入が増加し、観光業を中心に 駅ビル部門、ホテル部門等幅広く業績
が上向くことが期待される。
徐々に回復する。
やや増加する
左記に同じ。
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成29年の見通し
楽観的に言えば、トランプノミクスが米国内
で定着し活性化すれば、現状の円安が継続し、
日本経済にも輸出型企業の収益向上をもたら
すと同時に、製造業の日本回帰がもたらされ
前年度繰越受注があり、売上高は横這
る。一方、トランプノミクスが失望するよう
いだが、当期受注が前期比減のため収
なことがあれば、一気に悪化する恐れがある。
益減の見込み。トランプノミクスが国
内経済にどう影響するかで受注環境に
県内経済−やや悪化する
基幹製造業である造船業の構造改革に伴うマ 影響が出る。
イナス局面が平成29年度に一時的に発生する。
観光拡大・農水産物輸出等のサービス業、県
庁市役所新幹線等の建設業等の拡大ではマイ
ナスを全体としてカバーできない。
変わらない
やや好転する
左記に同じ。
経済特区の新設など
規制緩和・規制改革
観光客の誘致促進
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
人材不足、従業員の高齢化
経済のグローバル化による競争激化
対 応 策
平成28年度の長崎デスティネーションキャン
ペーンを通じて発掘した長崎の魅力を発信し
続けることで、再び脚光を浴びる長崎を訪問
する観光客を増やしたい。また海外のお客さ
まをお出迎えするための体制づくりにも努め、
伸び行くインバウンド需要にも対応していき
たい。
やや悪化する
業績見通しに理由を記入し
たが、経営的には厳しい見
方で考えた方が適切な局面
である。
経済特区の新設など
規制緩和・規制改革
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
設備の老朽化
経済のグローバル化による競争激化
対 応 策
競合相手によるプラント機器の海外調達に対
する競争力を抜本的に向上させる。当社の海
外拠点(中国・ベトナム・マレーシア)を組
み込んだSCMを作って、IoTを使ったもの造
りのフローと拠点役割を最適化する。
ながさき経済 2017. 新年号
27
調 査
Research
県内経済界トップアンケート「新年(2017年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
国内経済−やや回復する
米国大統領の影響で円安傾向で動いているの
で輸出関連企業が伸び、引っ張っていくので
は。
〔総合卸商社〕
協和商工株式会社
代表取締役社長 加 城 一 成
〔製造業〕
玄海酒造株式会社
取締役会長 山 内 賢 明
〔輸送機器・製造・修繕〕
佐世保重工業株式会社
代表取締役副社長 加 藤 陽 一
28
ながさき経済 2017. 新年号
平成29年の見通し
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成29年の見通し
企業業績及び雇用・所得環境の改善と海外経
済の回復を背景として、緩やかな回復基調が
続いていくものと思われるが、欧米による保
前年以上の実績を残せるよう品質の向
護貿易主義の拡大がリスク要因となる。
上に努め、食の安全を第一に、こだわ
りの本格焼酎造りに一層の努力を重ね
県内経済−やや回復する
国境離島新法の施行、大型クルーズ船の寄港 ていく。東京・福岡といった大都市圏
増加などによって、持ち直しの動きが続いて の開拓に注力する。
平 成 29 年 の 見 通 し
1.売上げ・生産動向
変わらない
大口得意先のM&Aによる
売上減が影響している。
2.採 算 状 況
県内経済−やや悪化する
為替の動きは輸出や海外観光客の影響が及ぶ
が外国の政治の動きが読めない、国内経済は
原油価格や円安の影響で物価が上昇しそうな
状況もあり、観光や消費にマイナスの影響が
出そう。
昨年の実績
平成29年の見通し
平成29年の見通し
平成29年度はガス小売り全面自由化と
いう新たな競争環境における見通しの
県内経済−やや回復する
本年もクルーズ船の寄港回数の増加が見込ま 不透明感。
れ、平成30年には潜伏キリシタン関連遺産の
世界遺産登録に向けた本県観光業への期待。
国内経済−やや悪化する
昨年の実績
平成29年の見通し
円高進行による企業収益の悪化が懸念される
なか、中国を始めとするアジア新興国や資源
国等の景気減速、英国のEU離脱決定などの
景気下振れリスクも残存しており、依然とし ・為替相場の急激な円高進行。
・依然として厳しい受注環境による手
て先行き不透明な状況であると考える
持工事量の減少。
・名村造船所との統合によるシナジー
県内経済−やや回復する
効果発揮。
世界遺産登録や日本遺産など観光関連事業を
地方への税源や権限
の移譲
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
対 応 策
条件交渉(仕入価格)のレベルアップと低年
齢層のゲットと高齢者の活用。
やや増加する
変わらない
平成28年上期は円高及び熊
特長ある商品を揃え、売上
を伸ばし、採算面での効果
本地震などの影響により、
個人消費は弱含んだが、年
を生み出したい。
明け以降は、ゆるやかに改
善していく。
経営上の問題点
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
設備の老朽化
経済のグローバル化による競争激化
変わらない
窯元の生産量は限界にきて
おり、生産量が増える見込
みがない。
経営上の問題点
為替相場
設備の老朽化
人材不足、従業員の高齢化
やや悪化する
販売量が伸び悩み、人件費
や原材料費の増加により採
算状況は悪化。
28年度は波佐見焼の知名度の向上に伴
い、産地全体の売上げも伸びてきた。
高齢化やこれまでの製造ラインの合理
化に伴い生産量が増えず、今後に課題
が残っており、燃料費や人件費の増加
等、収益性に厳しさがみえる。
昨年の実績
本県経済の活性化策
3.経営上の問題点とその対応策
好転する
経営上の問題点
低価格化
左記に述べたように、粗利・
在庫・商品統一に時間をか
仕入価格、原材料価格の値上がり
人材不足、従業員の高齢化
けてきたので。
いく。
国内経済−やや回復する
雇用・所得情勢の改善を背景にした個人消費
の持ち直し、あるいは米国をはじめとする海
外経済の回復等に対する期待。
〔ガス業〕
西部ガス株式会社 長崎支社
執行役員長崎支社長 辻 裕 伸
昨年の実績
績
売上重視から営業利益確保に時間を費
やしてきた結果が出始めている。
県内経済−横這い
食材・資材等々の輸入による価格が上がるた
め厳しくなると思う。
国内経済−横這い
海外情勢に不安定さがあり、国内状況も不透
明感がある。
〔卸売業〕
西海陶器株式会社
代表取締役 児 玉 盛 介
業
公共投資の増額など
財政出動
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
対 応 策
我々弱小メーカーは、価格競争に巻き込まれ
ないために、特長ある商品を揃えて対抗しな
ければならないが、元々そのような方針で経
営してきたので、あまり悲観していない。
新産業やベンチャー
企業の育成・支援
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
対 応 策
設備の改修時期に入っており、計画的な改修
を行うとともに、人材については県外へも採
用を広げる。
やや増加する
自由化等の厳しい競争環境
においても、工業用のお客
さまを中心に新たな需要獲
得を推進。
変わらない
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
低価格化
規制緩和による競争激化
企業誘致の促進
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
対 応 策
くらしやビジネスに役立つ新たなソリュー
ションサービスの検討、提供(新たなお客さ
ま価値の創造を追及)。
財務体質の改善等を通した価格競争力の向上。
やや減少する
・現在の新造船受注分の消
化。
・機械事業における売り上
げ減少。
悪化する
円高進行による収益の悪化
が懸念される。
資源価格の高騰による材料
費の上昇から採算悪化が予
想される。
経済特区の新設など
規制緩和・規制改革
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
低価格化
為替相場
対 応 策
建造コスト、経費の削減、新製品の市場投入。
中心に好転することを期待したい。
ながさき経済 2017. 新年号
29
調 査
Research
県内経済界トップアンケート「新年(2017年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
〔経済団体〕
佐世保商工会議所
会頭 前 田 一 彦
〔半導体シリコンウエーハ製造〕
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
業
績
平 成 29 年 の 見 通 し
1.売上げ・生産動向
2.採 算 状 況
本県経済の活性化策
3.経営上の問題点とその対応策
国内経済−横這い
昨年の実績
平成29年の見通し
設備投資や公共工事の増加、米国大統領選後の円安
株高の進展に期待する声が聞かれる一方、消費低迷
の長期化や人手不足の影響拡大、米国の次期大統領
の政策の影響、海外経済の動向など、景気の不透明
感を懸念する声は多いようであり、過度な期待はで これまで消費増税後に下降し持ち直し
きず、見通しは慎重な見方が続くと思われる。
た後、暫く横這いの動きが続いていた。
しかし28年熊本震災の影響がみられ、
県内経済−横這い
全体的に大きく下降に転じた。直近の
28年は熊本震災の影響が見られたものの、佐世保港
へのクルーズ船の寄港増加など明るい話題もあった。 調査では改善もみられたが、依然とし
全体的には緩やかな回復基調が窺えるが、依然とし て慎重な見方が続いており、全国的に
て震災の影響を悪化要因とする声や公共工事の減少、 も業況感は足踏み状況にあるため、外
外部環境を懸念する声も聞かれるため、先行きに改 部環境の好転に期待したい。
善を見込むも、慎重な見方が続くと思われる。
やや増加する
28年は特に観光関連産業を
中心に熊本震災によるキャ
ンセルが相次ぎ、大きく売
上減少に転じているが、29
年は持ち直しによる売上増
加が期待される。さらに海
外景気の回復や円安株高の
進展に伴う輸出競争力の向
上による受注・生産の増加
に期待したい。
経営上の問題点
変わらない
売上げ・受注の不振
人手不足の影響拡大による
仕入価格、原材料価格の値上がり
労務費や原材料の仕入価格
人材不足、従業員の高齢化
上昇、価格競争といった懸
念材料は多く、28年と同様
の環境が続くと予想される。 対 応 策
域外への販路拡大や域内の需要獲得、付加価
またこれまでの経費削減に
値を生む人材の確保・育成、生産体制の効率
よる経営改善が難しいこと
化による問題点の解決が求められるが、地場
が予想されるため、売上動
企業では、経営資源も乏しく現状では難しい。
向の回復による採算性の好
商工会議所では経営者の身近な相談先として、
転に期待したい。
各種助成制度等の案内も行い、企業の持続的
な経営支援に注力したい。
国内経済−横這い
昨年の実績
平成29年の見通し
米大統領の交替や仏・独で予定されている重
要な政治イベントなど、今後の経済に及ぼす
影響への不透明感も強く、昨年からほぼ横這
昨年は、急激な円高影響は受けたもの
いの推移を予想する。
の、年後半にかけてスマートフォン・
車載向け等を中心とした半導体市場の
県内経済−横這い
海外からの観光客の購買力の陰り、また熊本 堅調な需要により業績は概ね好調に推
地震に伴う九州観光客減少の影響も残り、県 移した。現時点では、今年もほぼ昨年
内経済情勢は昨年からほぼ横這いと予想する。と同等の業績を見込む。
変わらない
現時点では今年も半導体市
場の好況は継続すると予想
しており、売上・生産面で
の堅調な推移を見込む。
変わらない
今後の為替動向などの不確
定要素はあるが、現時点で
は昨年とほぼ同等の採算性
を見込む。
経営上の問題点
為替相場
人材不足、従業員の高齢化
国内経済−横這い
米国の具体的な動向次第で変化する。
やや増加する
事業の細分化、多角化によ
り売上を伸ばす。
やや好転する
売上増により採算は好転す
る。
経営上の問題点
為替相場
公共投資の増額など
財政出動
観光客の誘致促進
IRの誘致推進
公共投資の増額など
財政出動
企業誘致の促進
観光客の誘致促進
対 応 策
円高などのマイナス要因に際しても十分な利
益を確保すべく、今後も全社的なコスト合理
化を継続的に推進する。
SUMCO TECHXIV株式会社
代表取締役 佐 伯 幸 洋
昨年の実績
平成29年の見通し
県内経済−やや悪化する
観光依存の体質を強化する一方、他産業の展 海外事業は堅調であるが、県内事業の
先行きがみえない。
開を急がねば悪化していく。
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
資金供給の円滑化
対 応 策
為替の変動を注視し、対応を早め早めに展開
する。
〔船舶代理店業〕
株式会社 澤山商会
代表取締役 澤 山 精一郎
国内経済−横這い
海外情勢、TPP等アメリカとの関係性の不透
明性による。
〔旅行業〕
県内経済−やや回復する
非常に厳しい状況は変わらないが、世界遺産
登録に向けた取組みが一歩進むこと、人口流
出という課題に対する産官学での取組みへの
期待から。
昨年の実績
平成29年の見通し
海外情勢の悪化により、H28は海外需
要が大きく落ち込み、近年にない厳し
い年であった。状況が大きく変わる見
込みはないものの、少しずつ改善に向
かって欲しいという期待から。
やや増加する
左記に同じ。
変わらない
売上げは期待も込めてやや
好転とするものの、国内に
おける主要都市をはじめと
したインバウンド需要拡大
に伴う仕入価格増が続くと
の懸念から。
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
仕入価格、原材料価格の値上がり
地方への税源や権限
の移譲
観光客の誘致促進
株式会社 JTB九州 長崎支店
支店長 松 尾 俊 裕
30
ながさき経済 2017. 新年号
ながさき経済 2017. 新年号
31
調 査
Research
県内経済界トップアンケート「新年(2017年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
国内経済−横這い
大企業中心に回復すると思われるが、中小企
業特に地方は先行き不透明さが懸念される。
業
昨年の実績
績
平成29年の見通し
平 成 29 年 の 見 通 し
1.売上げ・生産動向
やや減少する
左記に同じ。
本県経済の活性化策
2.採 算 状 況
3.経営上の問題点とその対応策
やや悪化する
賃金等経費の増大により悪
化する。
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
人材不足、従業員の高齢化
28年1月に大型店オープン、29年7月
県内経済−横這い
自然災害等で回復にはもう少し時間がかかる にも1,500㎡のディスカウントショッ
プがオープン予定で大変厳しい。
と思われる。
企業誘致の促進
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
対 応 策
新規就職者の地元企業への誘致促進。
〔経済団体〕
島原商工会議所
会頭 満 井 敏 隆
国内経済−横這い
世界経済と政治情勢が不透明で横這い。
昨年の実績
平成29年の見通し
県内経済−横這い
世界遺産効果やクルーズ船等で観光客の増加 熊本地震の影響で悪化した収益は徐々
が予想されるが、県内の主要企業が安定しな に持ち直しの方向。
いと全体としては横這い。
変わらない
やや好転する
熊本地震の影響による収入
熊本地震の影響で悪化した
減が持ち直す見込みだが、
分、反動でやや好転する。
沿線人口の減少が続くなか
売上げは変わらない。
やや増加する
各チャネル毎、商品カテゴ
リー毎にやるべきことが明
確になっているため、今期
は丁寧に進めていくことで
全体の数字の改善ができる
と考える。
やや好転する
働き手の環境改善や人材確
保に投資を進める計画があ
るが、それ以上に生産性を
高めることで採算の改善を
見込んでいる。
経営上の問題点
仕入価格、原材料価格の値上がり
人材不足、従業員の高齢化
増加する
売上げについては前年より
増加する。
好転する
売上増により採算は好転す
るが、民間建築工事につい
ては個別の利益率は低下傾
向にある。施主の工事予算
と見積額とのギャップが大
きい。
経営上の問題点
低価格化
仕入価格、原材料価格の値上がり
人材不足、従業員の高齢化
〔建設業〕
株式会社 上滝
代表取締役 上 瀧 満
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成29年の見通し
28年後半から為替の円安と株式の上昇により、
大企業の業績については当初年度予測を上回
る可能性がある。ただ個人消費については盛
り上がりに欠ける。大企業が集中する都市部
においてはそれなりの景気回復はあるかと思 手持ち工事が増加し、今年度売上げに
うが、地方は景気回復には至らない。
ついては前年度を上回ることにより収
益は改善する。
県内経済−横這い
熊本地震の影響も薄れ、インバウンド効果に
よる海外からの観光客の増加など観光業に
とってはプラスとなる。但しその他の業種に
おいては景気回復状況にはない。
変わらない
円安と言えど輸出環境は好
転せず、国内向け新製品の
開発・量産化に傾注し、生
産品目のアイテムを増やし
対応する。
やや悪化する
製鉄所向け製品の生産・販
売数量が低下し、高付加価
値製品の販売は維持拡大す
るも、全体の採算は若干悪
化する。
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
設備の老朽化
人材不足、従業員の高齢化
〔製造業〕
滲透工業株式会社
代表取締役社長 西 亮
国内経済−横這い
昨年の実績
平成29年の見通し
中国経済停滞・途上国の中折れ・米国の保護
主義の台頭に依り円安傾向なるも輸出が停滞
し、更に大企業の収益悪化・個人消費停滞や
物価上昇も期待出来ず、実質的GDPの上昇
中国安値鋼材の無秩序な輸出により世
幅も小さく横這いとなる。
界中の鉄鋼生産が乱調となっており、
国内では原料値上げによる収益悪化・
県内経済−横這い
基幹製造業の受注環境が厳しくなり、中小製 減産が続く。鉄鋼向け以外の製品の国
造業への影響が出る。観光面は一定の水準を 内販売増でカバーするが厳しい状況が
維持出来るが、全体としては横這いとなる。 続く。
〔通信販売業〕
株式会社 ジャパネットたかた
代表取締役社長 髙 田 旭 人
32
ながさき経済 2017. 新年号
昨年の実績
平成29年の見通し
グループ会社を挙げて、お客様に提供
県内経済−横這い
インバウンド消費の低迷、熊本地震の九州経 する商品・サービスを磨き上げるとい
う取組みが形になってきたと感じてい
済への影響が残るのではないか。
る。今年もお客様に喜んでいただける
施策を計画している。
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
資金供給の円滑化
対 応 策
経営構造の改革、人材の確保、地域全体での
利益という視点。
〔運輸業〕
島原鉄道株式会社
代表取締役社長 本 田 哲 士
国内経済−やや回復する
株高や賃上げ、働き方改革による消費の回復
がみられる年になることを期待する。
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
設備の老朽化
人材不足、従業員の高齢化
人材の育成と定着
対 応 策
販売や付帯サービスを丁寧に行うことで値上
がり分をカバーする。
労働条件の改善により、より良い人材の確保
を進める。
公共投資の増額など
財政出動
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
対 応 策
管理技術者の採用増は勿論、品質を最優先と
考え、技術者の能力の向上を図ることにより、
さらに施工体制を充実させ企業価値を高める。
対 応 策
新製品開発及び新分野への展開を加速する。
生産合理化のための設備投資を行う。
営業・製造・新製品開発のための技術部門強
化へ、新卒、若年者、中途採用者の雇用を拡
げる。
公共投資の増額など
財政出動
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
ながさき経済 2017. 新年号
33
調 査
Research
県内経済界トップアンケート「新年(2017年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
業
績
製缶陸運株式会社
代表取締役会長 塚 本 政 治
〔食肉販売及び食肉加工製造販売〕
株式会社 大光食品
代表取締役社長 山 中 数 浩
〔建設業〕
大進建設株式会社
代表取締役 中 村 知 也
〔食品加工〕
株式会社 大洋食品
2.採 算 状 況
本県経済の活性化策
3.経営上の問題点とその対応策
変わらない
ドライバー不足が顕著、稼
働可能な車両減少により売
上げは減少傾向にある。取
扱い業部門・倉庫事業部門
等で売上げ確保しカバーす
る。
経営上の問題点
変わらない
仕入価格、原材料価格の値上がり
原油価格の上昇と円安が燃
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
料価格の上昇要因となる。
人材不足、従業員の高齢化
また、ドライバー不足は賃
金上昇要因となり、輸送価
格への転嫁は困難な現状で、 対 応 策
経営資源を見直し、事業の多角化を検討、ビ
採算環境は一段と厳しくな
ジネスチャンスをつかむ。
る。運行の効率化等企業努
力により収益確保を維持す
若年層から人材育成する中・長期計画を検討
る。
する。
公共投資の増額など
財政出動
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成29年の見通し
輸出・生産面に鈍さが残るとみられるが、家計・企業の両部
門において所得から支出への前向きの循環メカニズムが持続
するもとで、国内需要が増加基調をたどるとともに、輸出も、
新興国経済が減速した状態から脱していくことなどを背景に、
平成28年度に関しては惣菜などの中食
緩やかに増加するとみられる。このため、わが国経済は、基
需要を中心に売上・収益共順調な伸び
調として緩やかに拡大していくと考えられる。
を示している。平成29年度に関しては
労働力不足などに伴い人件費や輸配送
県内経済−やや悪化する
離島地域を中心に長崎県内の人口減少が続いており、人口減 コストが引き続き上昇するが、昨年に
少による地域経済の衰退に一層拍車が掛かる。若年層の県外 引き続き惣菜などの中食需要を中心に
への流出が続くという大きな課題にますます直面して行く。 売上を伸ばす事ができると予想する。
また、消費税率引上げ分を含む物価の上昇に所得の増加が追
いつかず、消費は一層落ち込むと予想する。
やや増加する
食肉及び食肉加工品の売上
は堅調に推移しており売上
は増加の見込みである。
やや好転する
経営上の問題点
食肉加工業界は徐々に収益
低価格化
仕入価格、原材料価格の値上がり
性を取り戻すと予想する。
畜産の病気によるマイナス
設備の老朽化
要因の発生の可能性は低く
なり、大きな不安要素も解 対 応 策
技術開発力・生産技術力の向上。
消される見込みである。
人材の確保。
新販路の開拓。
製・商品、サービスの高級化、高付加価値化。
省力化の大幅な推進。
新産業やベンチャー
企業の育成・支援
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
国内経済−横這い
昨年の実績
平成29年の見通し
個人消費の不振で物価は低迷している。大規模な金
融緩和政策も手詰まり状態にあり、日銀は2%の物
価上昇目標を2018年頃へと後退させた。ただ雇用情
勢は幾分改善しておりプラス部分もある。今後の国
内経済は、米国大統領交代による世界情勢の動向、 県内の公共投資は減少傾向で推移して
日米同盟やTPPの行方等、日本へどのような影響を
おり、公共建築物件も競争激化であま
もたらすかに左右される。
り期待が持てないところである。民間
県内経済−やや回復する
需要においても新規設備投資に慎重姿
雇用情勢も緩やかな改善が続いており、観光関連の 勢があり、維持補修等のメンテナンス
持ち直しや中小造船も高水準の受注残を確保してい
る。クルーズ客船寄港の順調な推移や大型観光施設 工事が主流となりつつある。現在の建
の堅調な集客、また「長崎と天草地方の潜伏キリシ 築市場に鑑みれば業績としてはあまり
タン関連遺産」(改称)も2018年世界文化遺産登録 多くを望めず厳しい状況にある。
候補となり、県内の全般的な気運は醸成されている。
変わらない
景気回復の遅れの影響もあ
るが、左記のとおり建築需
要が新築物件より改築や維
持補修等がメインとなりつ
つあるため、売上(施工高)
としては厳しくなるが、何
とか営業努力で件数を獲得
し現状売上を維持したい。
変わらない
民間主体のため過当競争に
よる低価格受注や専門職種
の技能工不足に伴う労務賃
金等工事単価の上昇が考え
られ採算はより厳しいもの
になると思うが、工程管理
や原価管理を徹底し現状の
採算を維持したい。
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
低価格化
公共投資の増額など
財政出動
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成29年の見通し
アメリカ新大統領1月就任以降の日本経済へ
の影響については不透明感があるものの平成
28年秋からの円安、株高が今後も続けば国内
経済も良い方向へ向くのではないかと思われ 平成28年度は前年度比では大幅な好転
になりそうで、現段階では次年度平成
る。
29年度も若干ながら更に上向き傾向を
予想。
県内経済−やや悪化する
やや増加する
新製品による増産で売り上
げ増の予想。
やや好転する
左記新製品の増産による。
経営上の問題点
仕入価格、原材料価格の値上がり
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
人材不足、従業員の高齢化
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成29年の見通し
米国大統領トランプ就任により不確定要素は
あるものの、輸出国であるわが国にとって円
安は好材料となる。OPECの減産合意の影響
ドライバー不足と高齢化の進行および
が穏やかな上昇に留まれば回復。
安全コスト・安全基準の厳格化によっ
て稼働率が低下傾向。効率化等企業努
県内経済−横這い
三菱長崎造船所再編の県内経済への影響は大 力により収益確保を維持する。
〔運送業〕
平 成 29 年 の 見 通 し
1.売上げ・生産動向
きく、地場下請中小企業の業績悪化要因。新
幹線・高速道路工事等大型公共投資は好調を
維持し、観光産業拡大への期待感から、全体
としては横這い。
長崎経済の主要産業である造船事業の縮小、
また観光都市としてのインバウンド需要の内
容変化等によりやや低迷傾向か。
対 応 策
公共工事発注見通し情報、開発物件情報、建
築確認情報等の情報収集と営業力強化。新技
術、新工法、新材料等の調査研究。原価管理
の徹底。品質確保法の趣旨説明に努め、施主
へ適正価格での発注に理解を得る。
公共投資の増額など
財政出動
新産業やベンチャー
企業の育成・支援
人材の育成と定着
対 応 策
原料入札価格の見極めと製品価格への転嫁。
物流経費については貨物の集約化。
人材不足、高齢化対策は就労年齢延長と逐次
新規雇用の二本立て。
代表取締役社長 鶴 田 正 則
34
ながさき経済 2017. 新年号
ながさき経済 2017. 新年号
35
調 査
Research
県内経済界トップアンケート「新年(2017年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
〔運輸業〕
タカラ長運株式会社
代表取締役社長 鈴 木 正 直
〔総合建設業〕
宅島建設株式会社
代表取締役 宅 島 寿 孝
〔建設業〕
株式会社 谷川建設
代表取締役 谷 川 喜 一
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
業
績
平 成 29 年 の 見 通 し
2.採 算 状 況
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成29年の見通し
先進主要国の動向に不透明感が強く、今後の
動向に注視が必要だが、国内は大型経済対策
効果による景気の押し上げが本格的に表れ、
昨年は、事業の柱である輸送部門にお
回復基調は続くものと思われる。
いて、荷動きが悪く大きく減少となっ
たが、地元企業の高操業に対応した作
県内経済−やや回復する
大型公共事業の進捗や昨年実施したデスティ 業部門の取り組みと軽油価格の低水準
ネーションキャンペーンによるリピート客の での推移がプラスに働いた。昨年末か
増加などにより、地域のさらなる活性化に期 らの軽油価格の上昇もあり動向が不透
明であるが、今年も、昨年と同水準を
待する。
見込む。
変わらない
昨年同様、高操業が見込ま
れる地元企業の対応に継続
して取り組み、既存取引先
のシェア拡大や新規取引先
の開拓など低調な事業の盛
り返しに注力する。
変わらない
昨年末からの軽油価格の上
昇や人手不足等による仕入
価格のコストアップが懸念
される。
国内経済−横這い
昨年の実績
平成29年の見通し
アメリカ合衆国大統領の交替、韓国大統領疑
惑問題、TPPの発効問題等日本を取巻く外部
環境は不透明さが漂うなか、一進一退の状況
にある国内景気が急激に好転するとは考え辛 実績∼安定した受注と利益率の改善で、
い。現時点の踊り場局面から脱することは容 売上・収益とも前年を上回った。
見通し∼受注実績、今後の見込案件か
易ではなく、当面現状維持ではないか。
ら売上は前年を若干上回るが、収益は
減少すると予想。
県内経済−やや回復する
変わらない
当社のキャパシティーから
フルの受注状況にあり、売
上高(完成工事高)は若干
上回る見込み。
変わらない
経営上の問題点
人材不足、従業員の高齢化
発注条件は年々厳しさが増
している。収益環境はここ
収益力の強化
数年低位で推移しており、
業務の効率化、採算管理の 対 応 策
業務の効率化による生産コストの削減。
徹底で収益向上を追求して
計画的な採用、育成制度の確立(生え抜きの
いく以外にない。
社員育成)。
3.経営上の問題点とその対応策
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
仕入価格、原材料価格の値上がり
人材不足、従業員の高齢化
企業誘致の促進
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
対 応 策
自社の労働生産性の向上・パートナー企業と
の連携による受注拡大。
原価管理体制の強化。
社員教育の強化、技能職の多能工化の推進、
積極的な採用活動。
地方への税源や権限
の移譲
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
熊本地震の影響が多かった観光産業の回復は
期待できるが、その他の産業は現状維持とみ
る。
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成29年の見通し
緩やかな景気回復の動きが続くと予想する。
2016年度第2次補正予算効果、トランプ効果に
よる円安効果、原油価格の回復、企業業績の回
復、雇用・所得情勢の改善が続き個人消費の持
ち直し、海外景気の回復から輸出も増加するも 28年度:住宅部門は、福岡地区・長崎
のと予想する。但し、トランプ効果が剥落する 地区を中心に受注・完工が増加、熊本
2017年中旬頃には、流れが変わるリスクもある
は、震災で一時的な落ち込みの後は、
と予想する。
受注は回復し、増加傾向で推移し、全
県内経済−やや回復する
体として業績改善。
全体として緩やかな回復基調が続くと予想する。29年度:住宅部門の受注残が前年より
公共投資は、大型案件を中心に増加する。観光
多く、完工は増加予想。受注も低金利
関連・住宅投資は、持ち直しが継続する。個人
消費は、雇用・所得情勢で労働需給は緩やかな の影響から、福岡地区を中心に増加傾
向が続くと予想される。
改善が続いているが、横這いとなる。
やや好転する
増加する
住宅部門の受注残が前年よ
受注残増加により、完工増
り多く、完工は増加予想。
加・増収予定。原価・経費
増加を抑えることにより好
受注も低金利・景気回復基
調・消費税率アップ前など
転する見込み。
の経済環境により、福岡地
区・熊本地区を中心に増加
傾向が予想される。
経営上の問題点
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
人材不足、従業員の高齢化
国内経済−横這い
政府の景気対策が景気を底支えしているが、
個人消費の先行き不透明感から弱含みで推移
する。
やや増加する
各流通チャネルへの積極的
な取組みおよび海外輸出。
経営上の問題点
低価格化
為替相場
設備の老朽化
昨年の実績
平成29年の見通し
変わらない
外部環境の変化、競争の激
化に対し、企業努力で対応
し成長戦略を実行する。
企業誘致の促進
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
対 応 策
中途採用活動の強化。
社内部門間の人事異動。
原料高騰への対応が求められる。
県内経済−横這い
公共投資ならびに観光需要が底支え。
〔食品製造業〕
本県経済の活性化策
1.売上げ・生産動向
新産業やベンチャー
企業の育成・支援
企業誘致の促進
地場産業の再生・振
興支援
対 応 策
商品開発力の強化。
原価低減活動への取組み。
計画的更新投資の実行。
株式会社 たらみ
代表取締役社長 八 尾 雅 幸
36
ながさき経済 2017. 新年号
ながさき経済 2017. 新年号
37
調 査
Research
県内経済界トップアンケート「新年(2017年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
〔民間放送〕
株式会社 テレビ長崎
代表取締役社長 永 井 譲 二
〔電機品製造〕
東芝三菱電機産業システム株式会社
長崎事業所所長 鶴 和 正 弘
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
業
績
平 成 29 年 の 見 通 し
1.売上げ・生産動向
2.採 算 状 況
変わらない
売上は徐々に減少する環境
下にあるが、自助努力で現
状を維持したい。
国内経済−横這い
昨年の実績
平成29年の見通し
米国の景気は上向きに振れ、輸出産業には回
復基調となると考えられるが、トランプ政権
の政策動向次第では日本への恩恵は極めて少
ないものになる可能性がある。特にしばらく
は為替の動きが読みづらく、国内への設備投 昨年は海外メーカとの競争が益々激化
資の動きも復調は難しいと考えられる。
し、期待したほどの受注が得られず、
苦戦を強いられた。今年は現在進めて
県内経済−横這い
いる製品開発と製造現場の革新効果で
観光事業は大型クルーズ船入港数が増加する
が、中国景気の減速もあり、以前に比べ購買 競争力を高め、(期待を込めて)業績
力も減ってきているため、大きな伸びは期待 を好転させたい。
できない。一方、県内各製造業も益々競争が
厳しくなっており、現状維持が継続するもの
と思われる。
変わらない
変わらない
海外のエネルギー関連市場
継続して、機種開発、VA
は堅調に伸びているものの、 活動、製造革新等の自助努
力はするものの、グローバ
世界的にOil&Gas市場の動
きはまだ鈍く、現在の引合
ルなライバル企業も同様に
数からみても、本格的な回
競争力を高めており、平均
復はH30年以降ではないか
して採算状況は変わらない
と考える。
と考える。
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
為替相場
経済のグローバル化による競争激化
国内経済−横這い
世界経済の動向に左右される可能性があり、
不透明さは残るため。
やや増加する
社内努力により。
経営上の問題点
低価格化
仕入価格、原材料価格の値上がり
人材不足、従業員の高齢化
平成29年の見通し
社員の努力により改善が進んだ。今後
県内経済−やや回復する
世界遺産登録が実現することにより、長崎の もたゆまぬ努力を継続する。
大きな柱である観光に弾みがつく。
新産業やベンチャー
企業の育成・支援
企業誘致の促進
地場産業の再生・振
興支援
経営上の問題点
やや悪化する
低価格化
売上が現状維持であれば、
採算状況は当然悪化する。
設備の老朽化
経費削減で対応するしかな
過当競争の激化
い。
対 応 策
経費削減。
設備投資計画の厳格化。
国内経済−横這い
昨年の実績
平成29年の見通し
トランプ氏の米大統領就任、韓国朴槿恵大統
領の辞任など、世界にとっての大きな出来事
が予定されているが、そのことが日本にどう
いう影響をもたらすか不透明であるので、先 ローカル地上波が、今後伸びるという
がみえない状況である。よって日本経済も予 ことは考えにくい環境である。自社努
測できない。
力によって、現状維持を確保すること
が精一杯だと思う。
県内経済−横這い
28年4月の熊本地震から一年がたち、観光客
は増えると思うが、一部の業界への貢献であ
り、全体的には横這いではないかと感じる。
三菱重工の動向も気になる。
昨年の実績
本県経済の活性化策
3.経営上の問題点とその対応策
やや好転する
企業誘致の促進
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
対 応 策
継続的な競争力強化活動。
グローバルな生産拠点の設立とその有効活用。
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
対 応 策
すべて社員一丸となった努力で乗り越えるし
かない。
〔百貨小売業〕
株式会社 東美
代表取締役社長 佐々木 達 也
国内経済−やや回復する
アメリカの利上げに伴う円安から、輸出関連
企業を中心に業績は回復する。
県内経済−やや回復する
大型クルーズ船寄港回数の増加や、「潜伏キ
リシタン関連遺産」の世界遺産登録等、観光
需要の増加が見込まれる。
昨年の実績
平成29年の見通し
平成28年は大型まき網物の漁獲少なく、
水揚高は前年比1割減となった。平成
29年は好調な海外輸出を中心に利益率
向上に努める。
やや増加する
やや好転する
経営上の問題点
水産資源の回復に期待する。 不要な経費の節減に努める。 経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
設備の老朽化
人材不足、従業員の高齢化
経済特区の新設など
規制緩和・規制改革
新産業やベンチャー
企業の育成・支援
観光客の誘致促進
対 応 策
人材の有効活用。
〔卸売業〕
長崎魚市株式会社
代表取締役社長 川 元 克 明
38
ながさき経済 2017. 新年号
ながさき経済 2017. 新年号
39
調 査
Research
県内経済界トップアンケート「新年(2017年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
〔水産加工業〕
長崎蒲鉾水産加工業協同組合
代表理事組合長 石 橋 道 康
〔製造業〕
長崎キヤノン株式会社
代表取締役 島 貫 智 則
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
業
績
変わらない
経営上の問題点
採算については、原料魚を
売上げ・受注の不振
海外に依存する部分があり、
円高円安による輸入原料価 対 応 策
売上については、雇用・所得の改善が進み、
格の動向がカギとなる。
個人消費が緩やかにでも回復することを期待
している。製品については、新規製品の開発
の必要がある。
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成29年の見通し
米国のトランプ大統領就任の影響がどのよう
に国際経済へ出てくるかは推測できないが、
少なくとも積極的な日本政府の経済・金融政
策により、2020年の東京オリンピックまでは 平成28年は熊本地震影響により部品不
足が発生して、生産が減少。平成29年
国内経済は好転・回復すると期待する。
は新モデルの生産増加により、やや業
績は持ち直すと期待。
県内経済−やや回復する
増加する
左記に同じ。
やや好転する
売上増加により採算好転を
期待。
企業誘致の促進
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
昨年の実績
平成29年の見通し
が4月の熊本地震以降、前年より落ち
県内経済−横這い
込んでおり、また回復が鈍く前年に届
県内経済は持ち直しつつあるとされているが、かない状況である。今年の見通しにつ
中国等の海外景気の下揺れによるリスクは残 いてはソウル線の再開をはじめ、「長
崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺
る。
産」の世界遺産登録に向けた動きなど、
乗降旅客数の回復が期待される。
昨年の実績
やや増加する
航空機利用者の増減が売上
げと密接に関わりのある当
社においては、今年は熊本
地震の影響も和らぎ、
「長
崎と天草地方の潜伏キリシ
タン関連遺産」の世界遺産
への登録に向けた動きで再
び注目を浴び旅客数の増加
要因となることが期待され
ることから、売上げについ
ては前年よりやや増加とみ
ている。
やや好転する
経営上の問題点
国際路線の誘致、採用環境の悪化
旅客の増加も期待でき、館
内イベントでの誘客や空港
での食事、お土産の購入、 対 応 策
「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」
また展望デッキの整備等を
の世界遺産登録への期待など、長崎には訪日
通じ地元の方々にも足を運
客を呼び込む話題は多い。訪日客を迎える空
んで頂く取組みを進めてお
港施設のさらなる受入体制の強化と訪日客へ
り、改善を期待している。
の環境整備の観点から24時間化の実現に向け、
それを支える人材についても、長期的な育成、
確保を目指し対応していく。
経営上の問題点
設備の老朽化
人材不足、従業員の高齢化
リピーター対策、九州ふっこう割の反動減対
策
平成29年の見通し
〔観光業〕
一般社団法人 長崎県観光連盟
会長 宮 脇 雅 俊
本県観光については基本的にフォロー
県内経済−やや回復する
公共投資は、大型案件を中心に増加しており、の風が吹いているが、熊本地震の影響
により国内外の観光客の減少が見られ
個人消費も底堅く推移している。
る。九州ふっこう割により回復傾向に
あるものの、事業終了による反動減も
懸念される。
〔水協法による事業〕
長崎県漁業協同組合連合会
代表理事会長 川 端 勲
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成29年の見通し
国内経済は円安による輸出産業の収益の増加
や企業業績の上振れから雇用も改善がみられ
ているが、個人消費の拡大にまではいたって
おらず、地域産業の活性化が重要と思われる。
魚価の低迷や燃油等による生産コスト
の増大により漁家経営は大きく圧迫さ
県内経済−横這い
雇用情勢や企業の業績もやや持ち直している れ、業績改善は容易なものではなく、
ものの、人口減少や造船業等の状況等の懸念 水産業の構造改革に向け更なる施策が
材料があり、景気回復とまでは至っていない 望まれる。
と思われる。
経営上の問題点
仕入価格、原材料価格の値上がり
為替相場
対 応 策
仕入れ価格値上がりの問題は、為替相場(円
安)の問題と関連し、弊社の海外からの部
品コストUPに影響。このため、弊社内での
VE,VA活動をさらに推進。
熊本地震の影響が解消されて、観光関係は大
きな好転を期待。
国内経済−やや回復する
・インバウンドの増加による経済効果。
・政府の景気対策。
ながさき経済 2017. 新年号
本県経済の活性化策
3.経営上の問題点とその対応策
やや減少する
売上については、長期減少
傾向が続いている。29年度
も、売上・生産は、やや減
少傾向が続くと思われる。
平成28年の実績については乗降旅客数
40
2.採 算 状 況
国内経済−横這い
昨年の実績
平成29年の見通し
国内経済は、緩やかな回復基調にあると言わ
れているが、その回復の勢いは力強さを感じ
られない。平成29年度も海外経済の動きに影
響を受けることが予想されるが、ほぼ横這い
の状態が続くと考えている。
水産業においては、原料魚水揚げの減
少傾向が続いており、漁業者、加工業
県内経済−やや悪化する
県内経済は、主力の造船業に陰りが見られる。者ともに厳しい経営環境が続いている。
また、熊本地震による影響を受け、観光客の
低下傾向が続いている。それらの影響は、平
成29年も続くと考えられ、県内経済は、やや
悪化する。
国内経済−やや回復する
世界経済の動向が不透明な面もあるが、企業
の業績改善をはじめ、緩やかな景気回復の動
きが続くと思われる。
〔空港ターミナル事業〕
長崎空港ビルディング株式会社
代表取締役社長 中 村 昭 彦
平 成 29 年 の 見 通 し
1.売上げ・生産動向
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
新産業やベンチャー
企業の育成・支援
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
対 応 策
食やおもてなしの充実。
世界遺産登録に向けた気運の醸成。
変わらない
温暖化等の影響もあり、大
幅な水産物の資源回復は見
込めず、また、生産コスト
(漁業用燃油や養殖用餌料
等)の高騰から、厳しい経
営が続いている。
変わらない
生産コストが魚価に転嫁で
きない状況に加え物流コス
トの増加など厳しい状況が
続いている。
経営上の問題点
低価格化
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
設備の老朽化
地場産業の再生・振
興支援
離島再生・振興支援
対 応 策
水産施策の積極的な取入れ。
漁業用燃油の安定供給。
養殖用餌料の安定供給。
ながさき経済 2017. 新年号
41
調 査
Research
県内経済界トップアンケート「新年(2017年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
〔経済団体〕
長崎県商工会連合会
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
業
績
平 成 29 年 の 見 通 し
本県経済の活性化策
1.売上げ・生産動向
2.採 算 状 況
3.経営上の問題点とその対応策
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成29年の見通し
政府の経済対策・小規模事業施策の効果によ
り、景気や企業の生産性の持ち直しが見られ、
緩やかな回復傾向が続く。
小規模企業振興基本法が平成26年に成
立し、補助金の拡充や税制の見直しな
県内経済−横這い
県内商工会地域は、人口減少・高齢化をはじ ど小規模企業の振興に必要な施策が重
めとする構造変化に直面し、売上や事業者数 点的に実行され、効果が出つつある。
の減少、経営者の高齢化などの多くの課題を 本県においては、特に観光面で昨年の
かかえている。都市部の景況感より若干弱い 熊本震災からの持ち直しと潜伏キリシ
タン関連遺産の好影響に期待したい。
見通しとする。
やや増加する
個人消費の底堅さや住宅関
連投資の堅調な推移で企業
の売上はやや増加すると考
える。
変わらない
原材料や人手不足による人
件費等コストの上昇で売上
上昇分は相殺されると考え
る。特に立場が弱い小規模
事業者は、コスト増を価格
に転嫁することができない
懸念がある。
経営上の問題点
仕入価格、原材料価格の値上がり
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
人材不足、従業員の高齢化
国内経済−横這い
昨年の実績
平成29年の見通し
国内景気は、一部弱い動きが見られるが、緩
やかに持ち直している。雇用環境は人手不足
などを背景に引き続き良好であるものの、個
人消費には力強さがなく、緩やかな回復見通
真珠流通市場では、これまで好調だっ
しで実感がなく、先行き不透明である。
た国内外の宝飾展においても、国内の
景気回復の遅れと円高傾向により、特
県内経済−横這い
県内大手造船業では、巨額損失による今後の に内販は厳しい状況にある。今後は米
事業再編や撤退などを進めており、県内経済 国経済の景気動向にもよるが、昨年よ
への何らかの影響も懸念される。外国人客を りやや収益減少が予想される。
含む個人消費や雇用環境も緩やかな改善が見
られるが、しばらくは停滞が予想されると思
われる。
変わらない
やや減少する
真珠養殖現場では、これま
真珠生産業界の販売体制を
強化し、良好な価格維持に
でも継続して養殖管理の効
努めているところであるが、 率化を図り、経費節減等を
生産量はやや増加が予想さ
実施しており、近年の流通
市場における価格回復によ
れているものの、円高が継
り現状維持ができるものと
続すれば売上高はやや減少
になると思われる。
思われる。
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成29年の見通し
日本経済は倒産、雇用など全体として改善してい
る。一方、地域、規模、災害の影響によりバラつ
きがある。雇用、賃金の改善はあるものの、将来
不安から消費マインドは力強さを欠き金融緩和が
平成28年は、保証承諾、保証債務残高
継続する。海外経済の影響は不透明。
ともに前年度を下回った。また、代位
県内経済−やや回復する
弁済は引き続き低水準で推移している
県内経済は緩やかな回復基調を続けてきたなかで、
が、県内の中小企業・小規模企業者の
平成28年は熊本地震の影響により観光関連業が打
撃を受けたものの、持ち直してきている。労働需 景況感は弱めの動きとなっており、平
給の緩やかな改善に伴う人手不足感や、造船関連 成29年もやや悪化を見込む。
業の長期的見通し、中小企業の弱めの景況感等の
懸念材料はあるが、総体的にみて、引き続き緩や
かな回復が継続されるものと考える。
やや減少する
貸付利率が低金利となって
いる状況下、相対的に保証
料が割高にみえるため、保
証承諾、保証債務残高とも
にやや減少を見込む。
国内経済−横這い
昨年の実績
平成29年の見通し
景気は緩やかな回復基調が続いているが、地方を中心とした多くの中
小企業は人手不足や人件費の増加、円安による資材価格の上昇、長引
く消費の低迷によって苦戦しており、未だ景気回復を実感していると
はいえない。政府による強力な地方創生への一層の支援と消費拡大策
の実施等を期待して景気は横這いに推移するものと思われる。
県内の中小企業の景況は、熊本地震の影
響で観光客が減少し、サービス業におい
県内経済−横這い
て売上、収益が大幅に落ち込む形となっ
県内の造船業は、三菱重工業が大型客船事業からの撤退を発表し、コ たものの、
「ふっこう割」、
「ねんりんピッ
スト削減に向けた動きが活発化しており、先行き不透明感は否めない。 ク」等で徐々に回復し、落ち着きを取り
しかし、引き続き受注環境は厳しいなか、過去の受注残を背景として 戻している。小売業においては、気候の
操業度は高い状態が続いている。大型クルーズ船の寄港入港隻数は増 関係で季節商材の売れ行きが悪かった。
加しているものの、中国での関税引上げを受け、モノ消費から体験型 全体としては、人手不足や原材料・仕入
の消費が多くなってきた。また、今秋予定の新県庁舎工事完成後は、 価格、燃料費の上昇による経費増等、依
建設需要が減少することが予想されるなど、先行きの不安が拭えない 然厳しい状況が続くとみられ、先行き不
安が払えない状況が続くと思われる。
状況が続くと思われる。
変わらない
やや悪化する
全業種とも熊本地震による影
業種により若干のバラつき
響はみられたものの、持ち直
はあるものの、全体的に受
している。業種により若干の
注、操業は堅調に推移して
バラつきはあるものの、全体
的に売上、生産動向は堅調に
いる。しかし、資材価格の
推移している。これら、雇用・
上昇や人件費の増加、光熱
所得環境の改善が続くなかで、
費の上昇等、価格への転嫁
全業種的に人手不足となって
おり、一部では募集をかけて
が厳しく利益を圧迫してお
も人が集まらない状況も散見
り、採算状況は厳しい状況
され、その解消に向けた取り
が続くものと思われる。
組みとして、給与の引上げ等
コ ス ト 増 の 要 因 に つ な が り、
引き続き厳しい状況が続くも
のと思われる。
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
対 応 策
高付加価値、品質の良さをアピールし、売上
価格と量の向上を図る。
商品力の向上と地道な販路開拓で企業経営の
持続的発展を目指す。
会長 宅 島 壽 雄
〔真珠養殖業〕
長崎県真珠養殖漁業協同組合
代表理事組合長 藤 田 哲 也
〔信用保証業〕
長崎県信用保証協会
会長 田 中 桂之助
〔経済団体〕
長崎県中小企業団体中央会
会長 石 丸 忠 重
42
ながさき経済 2017. 新年号
経営上の問題点
設備の老朽化
資金の調達難、資金コストの上昇
人材不足、従業員の高齢化
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
資金供給の円滑化
対 応 策
安定した生産体制を継続しながら、組合員事
業所間の連携を密にし、高品質真珠生産を目
指すとともに、販売対策による価格形成並び
に維持に努める。
やや悪化する
経営上の問題点
保証債務残高の減少により、 売上げ・受注の不振
保証料収入は減少するため、
採算状況はやや悪化を見込 対 応 策
む。
「公的な保証機関」としてはもちろん「公的
な支援機関」としての職務をさらに強化し、
地方公共団体や金融機関、商工団体等の皆さ
まとの連携を強めて、中小企業・小規模事業
者への支援・サポートを引き続き行い、保証
利用の増加に努める。
経営上の問題点
仕入価格、原材料価格の値上がり
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
人材不足、従業員の高齢化
経済特区の新設など
規制緩和・規制改革
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
資金供給の円滑化
対 応 策
地域の特産品・資源活用による新事業展開支援。
農業・林業・漁業の多角化に向けた6次化サポー
ト。
ものづくり、商業、サービス業の競争力強化支援。
商店街等への活性化支援。
雇用環境の整備支援。
ながさき経済 2017. 新年号
43
調 査
Research
県内経済界トップアンケート「新年(2017年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
業
績
平 成 29 年 の 見 通 し
1.売上げ・生産動向
2.採 算 状 況
やや減少する
農産物の生産量は天候に左
右されやすく、需給バラン
スで価格も変動するため予
測が難しい。各事業につい
ては28年度と比べ、若干の
減少があると思われる。
やや悪化する
事業量の拡大がなければ厳
しい状況だが、高齢化、人
口減少等により取扱高が減
少傾向にある。
〔農業団体〕
長崎県農業協同組合中央会
会長 山 中 勝 義
国内経済−横這い
昨年の実績
平成29年の見通し
国内景気の回復は内需拡大がカギだと思うが、政府の
経済対策の効果が今ひとつ、少なくとも地方では感じ
られない。また、新大統領のもとでの大国アメリカの
動向、世界経済や国内に与える影響等、予測できない
要素が多いため。
組合員の高齢化、地域人口の減少等に
より県下JAの事業取扱高は減少傾向。
県内経済−横這い
人口減少、消費金額の伸び悩みなど本県の構造的な問 当面はこの傾向が続くと思われる。
題が解消されなくては景気回復は難しいと考える。一
方で金融機関や造船など業界再編の動きが進むと思う
が、本県経済に及ぼす影響はどのようになるのか注視
したい。当面は横這いの状況が続くのではないか。
変わらない
利用者の少子高齢化による
減少や消費意欲・売上げ利
益の低下など、業界の将来
は色々な問題点で先行き不
明。
変わらない
左記に同じ。
〔サービス業〕
長崎県料理業生活衛生同業組合
理事長 内 田 一
国内経済−横這い
昨年の実績
平成29年の見通し
現政治政策では景気回復に期待が持てず、
色々な業界で格差が広がっていき業界によっ
ては厳しい状態が続くと思われる。また、ア
メリカ大統領が交代した後の政治政策がカギ
観光産業は回復に向かっても、消費者
に?
の宴会低価格傾向が続くと先行きは不
県内経済−横這い
安。
観光船増加や世界遺産の効果による観光客の
増加は期待できるが、それが飲食業界の売上
げに反映するとは思えないので、まだまだ厳
しい経済状態が予想される。
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成29年の見通し
雇用・所得の改善継続を背景に個人消費は緩
やかながらも底堅く推移、企業収益も業績改
善が予測されており景気を下支えする。海外
発の経済リスクはあるが、緩やかな景気回復
民需は力強さを欠いて景気回復のペー
の動きが続くとみられる。
スは緩慢となり、スポット広告費の地
区投下量は縮小した。地区投下量の回
県内経済−横這い
国内経済の回復傾向に連れて底堅く推移する 復が不透明である。
変わらない
国内経済の緩やかな持ち直
しを見込むが、スポット広
告費の地区投下シェアの後
退が懸念される。
やや悪化する
大型設備の更新計画が始ま
る。
〔民間放送〕
株式会社 長崎国際テレビ
代表取締役社長 位 寄 雅 雄
本県経済の活性化策
3.経営上の問題点とその対応策
地方への税源や権限
の移譲
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
人材不足、従業員の高齢化
規制緩和による競争激化
対 応 策
各事業の機能をさらに高め、地域に貢献し
必要とされるJAづくりを進めているところ。
また、農産物の生産体制・販売戦略強化等に
より農家所得の向上に努めたい。
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
低価格化
仕入価格、原材料価格の値上がり
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
対 応 策
組合員が団結して諸問題に取り組み解決策を
検討する。
経営上の問題点
低価格化
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
設備の老朽化
企業誘致の促進
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
対 応 策
中長期設備更新計画の水平化。
企画セールスの推進。
が、景気を押し上げる個別要因は弱い。イン
バウンド観光の伸長を期待したい。
国内経済−やや悪化する
熊本震災の影響が残る。自然災害が気になる。
アメリカの大統領の動きが気になる。
県内経済−やや悪化する
三菱重工の問題。自然災害の影響。
昨年の実績
平成29年の見通し
やや減少する
やや悪化する
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
設備の老朽化
人材不足、従業員の高齢化
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
資金供給の円滑化
やや減少する
人口減少に伴い、売上は減
少傾向にある。
やや悪化する
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
売上高が減少傾向にあるな
仕入価格、原材料価格の値上がり
か、燃料価格の上昇や安全
人材不足、従業員の高齢化
対策コストの増加により、
採算はやや悪化する。
対 応 策
不動産事業を中心とした関連事業に注力し、
路線バス事業の収益減少を補う。
人材(運転者)不足に関しては、大型2種免
許の取得支援等、行政や関係機関と連携した
取り組みが必要。
観光面では熊本震災の関連で回復が難
しい。
〔組合〕
長崎市旅館ホテル連合会
会長 村 木 營 介
〔旅客自動車運送業〕
長崎自動車株式会社
代表取締役社長 嶋 崎 真 英
44
ながさき経済 2017. 新年号
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成29年の見通し
イギリスのEU離脱や米国のTPPに対する方針転換の可
能性など、日本経済への影響が不安視される問題がある。
一方で、米金利引き上げの影響から、円安ドル高の傾向
が続くことが予想され、輸出業やインバウンド需要を中
平成27年に実施した運賃改定の効果も
心に国内経済の回復には一定の期待が持てる。
あり、平成28年の収支は改善した。し
かし、人口減少に伴う路線バス利用者
県内経済−横這い
昨年は熊本地震の影響をうけ、県内経済は観光業を中心 の減少に歯止めがかからない現状では、
に大きなダメージを受けた。本年は、回復が期待される 運賃改定効果も複数年に渡るものでは
ものの『九州ふっこう割』の効果も限定的なものであり、 ない。また、原油価格が再び高騰する
可能性もあり、見通しは明るくない。
本格的な回復まではまだ時間を要すると思われる。
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
ながさき経済 2017. 新年号
45
調 査
Research
県内経済界トップアンケート「新年(2017年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
績
平 成 29 年 の 見 通 し
1.売上げ・生産動向
2.採 算 状 況
本県経済の活性化策
3.経営上の問題点とその対応策
やや増加する
「平成28年熊本地震」の影
響により一旦は落ち込んだ
ものの、客足は戻りつつあ
る。今年は引き続き緩やか
に改善すると考える。
経営上の問題点
やや悪化する
売上げ・受注の不振
円安の進行による原材料・
仕入価格、原材料価格の値上がり
仕入れ価格の上昇や、人材
人材不足、従業員の高齢化
不足・人件費の増加などの
要因が経営を圧迫している。 対 応 策
小規模企業に対する経営力強化支援。
昨 年 に 続 き、 中 小 企 業 に
商談会等による地域中小企業への販路拡大支
とっては厳しい採算状況が
援。
地場産業振興対策の実施。
続くものと考える。
情報発信強化等による観光振興対策の推進。
観光消費を誘発する交流人口拡大策の推進。
事業承継の円滑な推進。
新産業やベンチャー
企業の育成・支援
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
〔経済団体〕
長崎商工会議所
会頭 宮 脇 雅 俊
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成29年の見通し
企業業績の改善が続くことで設備投資が増加
するとともに、雇用・所得環境も改善し、個
人消費が緩やかに上昇、全体として回復基調
になると考える。また、訪日外国人は毎年過
去最多を更新しており、今年も更なるインバ 売上額の伸び悩みに加え、従業員の確
ウンド効果が期待できると考える。
保難、人件費の増加などの経営課題は
依然としてあるものの、今後は緩やか
県内経済−やや回復する
世界遺産や夜景観光などの推進、国際観光ク に改善すると考える。
ルーズ船のさらなる増加などにより好調な観
光関連業がけん引役となり、全体として緩や
かに回復すると考える。
変わらない
昨期は受託印刷の獲得で売
上増となったが、収入の柱
である広告収入の行方がま
だみえてこない。地場の広
告増が売上を左右するとみ
ており、魅力ある企画提案
ができるよう努めるつもり
だ。
変わらない
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
販売、広告とも収入部門に
厳しさはあるものの、おお
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
むね想定の範囲内で推移す
るだろう。上積みを図り、 対 応 策
自社の強みにさらに磨きをかけて、それを力
少しでも良い方向へ向かわ
せたい。
にしていくほかない。わが社の強みの発信力、
配達網などを生かしながら、収入の柱である
販売収入、広告収入を維持拡大する。
新産業やベンチャー
企業の育成・支援
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
〔新聞業〕
株式会社 長崎新聞社
代表取締役社長 才 木 邦 夫
国内経済−横這い
昨年の実績
平成29年の見通し
トランプ大統領の下での米国がどのような対応を
とるのか、が世界経済に影響を与えそう。ブロッ
ク経済的、保護主義的な動きが強まれば、対米輸
出の多い日本経済に影響がまったく出ないとはい
えないだろう。
新聞を取り巻く環境は厳しく、とても
晴れやかとは言いづらい。とはいえビ
県内経済−横這い
ジネスモデルは強固だけに、まずは足
高齢化、人口減など地方の課題を多く抱える 元の販売部数と広告収入の維持拡大に
なか、振興に向けた妙手はなかなかみえてこない。 努め、堅調を保ちたい。今年はジブリ
国際観光船をはじめとするインバウンドは全国的 大博覧会等の魅力あるイベントを展開
に拡大基調を続けているが、本県がその取り込み 予定であり、事業収入増も図っていき
たい。
を十分になしえているかは微妙だとみている。
国内経済−横這い
昨年導入された日銀のマイナス金利政策やそ
の後の「長短金利操作付き量的・質的金融緩
和」政策は経済の下支えとなるが、国内消費
の盛り上がりに欠けると想定されるため。
減少する
長崎の客船や県外の海洋構
造物などの大型特殊案件が
終了し、一般商船等も建造
隻数が減少する傾向にある
ため。
やや悪化する
売上高が減少するほか、人
件費等の費用の増加が見込
まれるため。
公共投資の増額など
財政出動
経済特区の新設など
規制緩和・規制改革
観光客の誘致促進
やや増加する
変わらない
経営上の問題点
売上げがやや上回ると思わ
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
れるが、人件費等の高騰で、 テナント従業員不足
採算的には変わらないと思
われる。
対 応 策
徹底したコスト削減と業務の効率化。
新産業やベンチャー
企業の育成・支援
企業誘致の促進
観光客の誘致促進
変わらない
変わらない
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
観光客の増加は見込まれる
軌道修繕等の設備投資によ
ものの、人口減少や少子高
り、引き続き厳しい採算状
設備の老朽化
齢化の影響により前年並み
況となることが予想される。
で推移するものと思われる。
対 応 策
乗客ニーズに対応した運行と施設・設備の整
備による安全性の向上を図ることにより、利
用客減少の鈍化を図る。
公共投資の増額など
財政出動
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
〔製造業(船舶造修業)〕
長崎船舶装備株式会社
代表取締役社長 秋 吉 和 隆
〔不動産賃貸業〕
長崎ターミナルビル株式会社
代表取締役社長 末 永 清 和
〔運輸業〕
長崎電気軌道株式会社
代表取締役社長 中 島 典 明
ながさき経済 2017. 新年号
昨年の実績
平成29年の見通し
海運業界・造船業界については、長期
低迷状況に陥る可能性がある。当社の
県内経済−横這い
世界遺産登録関連や大型クルーズ船寄港によ 御取引先も生き残りを懸けた事業再編
る観光客については、引き続き堅調に推移す や業務提携などに打って出ることが想
るが、県内造船関連業など製造業の勢いが鈍 定され、これまでより厳しい環境に置
かれると思われるため。
化すると想定されるため。
国内経済−やや回復する
次期米大統領の選出に伴う世界情勢の変化が、
国内経済に影響を及ぼすと思われる。
46
業
昨年の実績
平成29年の見通し
平成28年度は、地震の影響があったも
県内経済−やや回復する
長崎駅周辺の再開発や観光客の増加等による のの、観光客数の回復により、前年並
みの成績になるものと思われる。平成
景況感の好転に期待している。
29年度は、左記により、今年度をやや
上回ると思われる。
国内経済−横這い
昨年の実績
平成29年の見通し
米国経済の成長が日本経済へはプラスに働く
可能性はあるが、世界経済の停滞が輸出の下
振れ要因となるリスクもある。いずれにして
熊本地震等の影響による利用客減少や
も先行き不透明感が強い。
老朽化設備の更新により、収益は厳し
い状況で推移している。本年は観光客
県内経済−横這い
緩やかな回復傾向を維持し、観光面において の増加に期待したい。
経営上の問題点
仕入価格、原材料価格の値上がり
人材不足、従業員の高齢化
経済のグローバル化による競争激化
対 応 策
仕入先の拡大。
積極的な新卒・中途採用。
工法・作業等改善・新素材の研究開発。
持ち直しが見られるものの、県内経済は依然
として厳しい状況が続くと予想される。
ながさき経済 2017. 新年号
47
調 査
Research
県内経済界トップアンケート「新年(2017年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
〔自動車販売・整備業〕
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
業
績
平 成 29 年 の 見 通 し
1.売上げ・生産動向
2.採 算 状 況
本県経済の活性化策
3.経営上の問題点とその対応策
国内経済−横這い
昨年の実績
平成29年の見通し
Brexitや米国の次期政権による政策運営など、
世界各地で政治・経済の両面で不透明な要因
が増えており、企業マインドはやや慎重にな
昨年はマーケットニーズの高い商品に
ると思われる。
恵まれたこととバリューチェーン商品
に力を入れたことにより目標通りの実
県内経済−横這い
震災後落ち込んだ観光については回復してく 績を残すことが出来た。今年も昨年末
ると思われるが、その他に明るい話題が見当 に投入された商品などを中心に昨年以
上の実績を目指したい。
たらない。
やや増加する
昨年末の五島店開設、保有
ビジネスの引き上げ、新商
品による若年層の開拓など
により実績を伸ばしていき
たい。
経営上の問題点
変わらない
人材育成
人材確保と労働環境の改善
を進めており変わらないが、
改善活動による生産性の向 対 応 策
これまで以上に教育研修に力をいれるしかな
上を図っていきたい。
い。
企業誘致の促進
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
国内経済−横這い
昨年の実績
平成29年の見通し
トランプ次期米大統領の登場、欧州や韓国など東アジア
の政情不安、経済の低迷で世界的に政治、経済の先行き
に対する懸念材料が増えている。国内経済は輸出や雇用
の回復などで緩やかな回復基調にあるとはいうものの、
人口の減少、少子高齢化の進展により、格差の拡大、地 平成28年度については広告出稿の地区
方の衰退が続いており、先行きの不透明感は否めない。 投下減少による売上減、設備更新の負
担増などで減収減益の基調で推移して
県内経済−横這い
いる。29年も引き続き業況は厳しい。
基幹産業の造船業は構造改革、再編が進んでおり、関連
産業をはじめとした地場企業への影響が心配される。観
光業もクルーズ船の寄港の増加に伴い、海外客が増えて
いるものの、ほとんどが日帰りで、海外客の買い物など
もネット通販へと移っており、効果も次第に限定的にな
りつつあり、景況を上向きにする材料も乏しい。
やや増加する
地区投下の動向にすばやく
対応し、徹底した顧客管理
と 企 画 提 案 型 営 業、 ア プ
ローチを進め、売上増、シェ
アアップを図る。
やや好転する
費用対効果を念頭に、適切
な予算の執行と、全社的な
経費の圧縮を推進し、収支
の改善を図る。
地方への税源や権限
の移譲
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成29年の見通し
中国をはじめとする新興国や米国の経済動向
が懸念されるものの、国内ではオリンピック
関連の需要が本格化するため、企業の設備投
資、公共投資ともに増加すると思われる。一
方で個人消費も雇用者所得の改善に伴い、増 平成28年度上期はオリンピックなどの
加していくと考えられることから、基本的に ため、広告費が東京に集中し、地方ま
はやや回復していくものと思う。
で広がらなかったが、下期に入り回復
傾向にあること、また、視聴率も上向
県内経済−横這い
雇用環境および所得環境が改善し続けている いていることから平成29年度はやや回
ことから、景気回復が期待されるものの、一 復するものと考える。
方で、個人消費に力強さが見られないこと等
から、基本的には横這いで推移するものと考
える。
やや増加する
テレビ・ラジオの広告費の
持ち直しに期待しているも
のの、インターネットや衛
星メディアなどへの広告費
が伸展し続けていることか
ら、大幅な業績向上は難し
いと思われる。
やや好転する
経費の効率的運用に努める
ことで、採算としてはやや
好転するものと思う。
国内経済−横這い
昨年の実績
平成29年の見通し
依然として企業の設備投資は抑制されており、
個人消費も停滞状態である。平成29年は海外
景気が好転すれば輸出も緩やかに回復し、個
人消費も多少持ち直すと思われるが、見通し 平成28年度は営業方法の転換(コラボ
営業)が順調に推移しコスト抑制と相
としてはほぼ横這いと考える。
まって好転兆しにあるものの、平成29
年度は収入単価の減少により横這いと
県内経済−横這い
観光活性化となるキリシタン関連の世界遺産 考える。
変わらない
引き続き光純増を目指して
いくが、コラボ光へのシフ
トにより売上げは横這いと
考える。
変わらない
引き続き光純増を目指して
いくが、コラボ光へのシフ
トにより採算についても横
這いと考える。
長崎トヨペット株式会社
代表取締役社長 馬 場 政 隆
〔民間放送〕
長崎文化放送株式会社
代表取締役社長 壹 岐 正
〔民間放送〕
長崎放送株式会社
代表取締役社長 東 晋
〔通信業〕
西日本電信電話株式会社 長崎支店
支店長 横 井 幸 博
48
ながさき経済 2017. 新年号
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
設備の老朽化
対 応 策
策定(一部実施)中の中長期経営計画(ビジョ
ン)の着実な実施。
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
設備の老朽化
企業誘致の促進
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
対 応 策
グループ企業との連携を強化しつつ、県民の
皆様に信頼される番組制作・事業活動に一層
取り組んでいくとともに、引き続き、経費の
効率的運用に努めていく。
経営上の問題点
設備の老朽化
対 応 策
お客様にサービス移行(マイグレーション)
をお願いし、最新のサービスをご利用いただ
くように対応していく。
企業誘致の促進
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
登録も平成30年の登録を目指していることか
ら、直近で県内経済活性の目玉となる施策が
ないため横這いと考える。
ながさき経済 2017. 新年号
49
調 査
Research
県内経済界トップアンケート「新年(2017年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
国内経済−やや回復する
世界情勢に不透明感が強く、経済環境が激変
するリスクはあるものの、政府・日銀による
景気対策及び金融緩和策の継続を背景に国内
経済は緩やかに回復するものと考える。
〔製造業・環境エネルギー業〕
株式会社 日本ベネックス
代表取締役社長 小 林 洋 平
県内経済−やや回復する
国内経済と連動して、県内経済も緩やかに回
復すると考える。観光業は一時期の勢いはな
いが、引き続き世界遺産効果、クルーズ客船
の寄港を背景に好調を維持するものと思われ
る。
国内経済−やや回復する
米国のトランプ候補勝利に伴う株高・円安基
調が継続するか注目される。
業
昨年の実績
績
平成29年の見通し
平成27年は受注の持ち直しに加え、メ
ガソーラー請負工事の完工もあり概ね
堅調に推移した。平成28年は昨年以上
の業績を目指すと共に、将来の業績向
上のための先行投資も行い社会に提供
する中長期的な付加価値の最大化に努
めたい。
昨年の実績
平成29年の見通し
平 成 29 年 の 見 通 し
1.売上げ・生産動向
2.採 算 状 況
変わらない
既存顧客へ提供する付加価
値の強化、新規顧客の開拓
を行い受注・売上増を目指
す。環境エネルギー事業に
おいては発電所建設はやや
減少するが、自社発電所の
売電売上の増加を見込む。
やや好転する
改善活動のさらなる強化や
設備投資による採算性の向
上を目指すと共に、自社発
電所の新設・増設を行い収
益性を向上させる。
経営上の問題点
低価格化
人材不足、従業員の高齢化
減少する
やや悪化する
経営上の問題点
仕入価格、原材料価格の値上がり
人材不足、従業員の高齢化
県内経済−やや悪化する
経済特区の新設など
規制緩和・規制改革
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
対 応 策
一人ひとりが当事者意識をもった改善活動の
積み重ね。
採用活動の強化、働き方の見直し
対 応 策
昨年のOPEC減産合意により、原油価格の上
昇に連動する燃料油価格値上がりを危惧。一
企業の対策には限界があるので、原油価格の
上下に大きく左右されない安定化施策がない
ものか。
〔海運業〕
野母商船株式会社
代表取締役 村 木 昭一郎
国内経済−横這い
本県経済の活性化策
3.経営上の問題点とその対応策
昨年の実績
平成29年の見通し
増加する
左記に同じ。
好転する
左記に同じ。
経営上の問題点
人材不足、従業員の高齢化
県内経済−横這い
対 応 策
マルチタスクとスキルアップによる業務効率
化の推進。
前期は震災の影響を受け現経営体制下
で初の減収減益となった。足元も若干
の影響を感じる状況ではあるものの新
規展開の実施や業務効率化の推進等の
取り組みで再び増収増益基調に回復さ
せていく。
〔サービス業〕
ハウステンボス株式会社
代表取締役社長 澤 田 秀 雄
国内経済−横這い
国内の景気は依然として不透明で、世界情勢
も不安定な部分が多い。
県内経済−横這い
国内情勢と同様。
昨年の実績
平成29年の見通し
一部の事業所では好調なところもある
ようだが、業界的には厳しい状態が続
いている。
〔事業協同組合〕
波佐見陶磁器工業協同組合
理事長 松 尾 慶 一
国内経済−やや回復する
為替変動による製造拠点の国内回帰、国内イ
ンフラ整備および東京五輪へ向けた整備等に
より回復すると考える。
昨年の実績
平成29年の見通し
変わらない
産地としての知名度は徐々
に高くなり、来町されるお
客様は増加している。しか
し産地全体が潤うまでには
至っておらず、今後一層の
PRが必要となっている。
やや悪化する
原材料費、特に燃料費の価
格上昇が懸念されるところ
である。
地方への税源や権限
の移譲
公共投資の増額など
財政出動
地場産業の再生・振
興支援
経済特区の新設など
規制緩和・規制改革
新産業やベンチャー
企業の育成・支援
観光客の誘致促進
新産業やベンチャー
企業の育成・支援
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
経営上の問題点
仕入価格、原材料価格の値上がり
設備の老朽化
人材不足、従業員の高齢化
対 応 策
従事者の高齢化、若年層の人材不足は産地全
体の問題となっており、行政とも連携しなが
ら対応しているものの、今後も時間をかけた
取り組みが必要となっている。
変わらない
変わらない
経営上の問題点
主要取引先からの情報から
原価上昇に対する価格転嫁
低価格化
来年度も横這いと推測する。 が困難であるが生産性向上、 人材不足、従業員の高齢化
コスト削減で補う。
経済のグローバル化による競争激化
企業誘致の促進
人材の育成と定着
前年度比ほぼ横這いであるため。
〔製造業〕
服部産業株式会社
代表取締役社長 服 部 一 弘
50
ながさき経済 2017. 新年号
県内経済−横這い
主要客先からの来年度情報によりほぼ横這い
ではないかと予測する。
対 応 策
新卒者の募集および各雇用促進機関への依頼。
ながさき経済 2017. 新年号
51
調 査
Research
県内経済界トップアンケート「新年(2017年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
業
国内経済−横這い
アメリカ・ヨーロッパの政治情勢等、不透明
さがあり、見通し難しい。
昨年の実績
績
平成29年の見通し
平 成 29 年 の 見 通 し
1.売上げ・生産動向
2.採 算 状 況
経営上の問題点
変わらない
変わらない
①単価ダウン。
「省エネ対策」
「大規模修繕」
売上げ・受注の不振
②他県、他業種との競合、
など、経費の増大が予想さ
低価格化
れる。
人材不足、従業員の高齢化
激化。
①消費マインドの低迷。
県内経済−横這い
「観光」は大型クルーズが予想できるが、流 ②国際情勢の変化が心理的不安を招く。
通業界は厳しい。
変わらない
個人消費の上昇要因が見ら
れず、昨年まで増加を続け
ていたインバウンド需要も
鈍化がみられる。あわせて
円安による輸入品の仕入れ
価格上昇など収益圧迫要因
もあり、引き続き厳しい状
況が続く。
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
仕入価格、原材料価格の値上がり
設備の老朽化
変わらない
売上の伸びは期待できない
が、生産性向上により収益
は維持したい。
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
設備の老朽化
人材不足、従業員の高齢化
〔商店街〕
浜市商店連合会
会長 本 田 時 夫
やや減少する
個人消費は少子高齢化、人
口減少や将来不安の高まり
もあり消費回復の足取りは
鈍い。
〔百貨店〕
株式会社 浜屋百貨店
代表取締役社長 栗 山 次 郎
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成29年の見通し
一億総活躍社会対策等の財政出動もあり緩や
かな回復傾向で推移する。今後の米国の経済
政策の不透明感によるリスクは懸念材料であ
る。また、社会保険等負担の増加傾向を反映
個人消費の長期低迷に加え、夏場の天
した可処分所得の伸び悩みで個人消費は期待
候不順の影響もあり減収となるが、収
できない。
益面では前年並みを確保したい。
今後も税、社会保険料等将来の負担増
県内経済−横這い
少子高齢化、人口減少等により、県内経済は に対する防衛意識の高まりで、個人消
費の回復は期待できない。
依然として低水準で推移する。
国内経済−横這い
米国大統領交代の影響に不透明感があるため、
国内経済の回復も予想しづらい。
やや減少する
変わらない
国内景気の急激な回復が見
投資の実施によりコストは
込めない状況であるため、
増加の見込であるが、昨年
売上の伸びは期待できない。 実施の投資効果により採算
は維持できる見込である。
〔サービス業〕
ひぐちグループ
代表取締役会長 樋 口 省 二
県内経済−横這い
不況業種を観光産業でカバー。
〔経済団体〕
平戸商工会議所
会頭 早 田 悠 次
ながさき経済 2017. 新年号
平成29年の見通し
規制強化等の影響が今年も続くと予想
県内経済−横這い
業種により違いはあるものの全体的に景気の されるため、参加人口の回復は期待で
回復感が弱い状況が継続しており、今年の回 きない。
復要因も見当たらない。
国内経済−横這い
好不調の材料に欠ける。
52
変わらない
個人消費の上昇要因が見ら
れず、昨年まで増加を続け
ていたインバウンド需要も
鈍化がみられ、引き続き厳
しい状況が続く。
県内経済−やや悪化する
県内経済は国内経済のプラス要因の影響はほと
んどなく、生活防衛型消費の浸透による低調な
個人消費に加え、人口減少や過疎化による衰退
がさらに鮮明になっていくものとみられる。
昨年の実績
昨年の実績
平成29年の見通し
郊外型大型店同士の競争で、地元小売
業界の不振が続く。
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
対 応 策
外渉、誘店活動の強化(きめ細く)。
店の姿勢を守る、良いものを安く。
若手社員の育成。
〔家具小売業〕
株式会社 馬場家具
代表取締役 馬 場 肇
国内経済−やや悪化する
昨年の実績
平成29年の見通し
直近では円安・株高基調で今後の景気上昇にプ
ラスと見えるが、トランプ大統領誕生によるア
メリカ政策の変化による諸問題の発生、中国経
済の先行き不安など、不透明な要因が増加する
中、本年当初から国内の個人消費は依然低調が 個人消費の上昇要因が見られず、引き
続いており、さらなる悪化を懸念している。
続き厳しい状況が続く。
本県経済の活性化策
3.経営上の問題点とその対応策
経済特区の新設など
規制緩和・規制改革
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
対 応 策
商店街における各個店の専門性向上。
円高期待。
再開発など共同化による設備更新の推進。
地方への税源や権限
の移譲
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
対 応 策
お客様からの支持を更に高め“地域No.1のマ
イベストストアを目指す”。
経営全般に亘る効率化の推進。
変わらない
好材料に乏しい。
新産業やベンチャー
企業の育成・支援
企業誘致の促進
観光客の誘致促進
経営上の問題点
設備の老朽化
人材不足、従業員の高齢化
対 応 策
計画的な設備投資の実施と若手人材の確保と
育成。
変わらない
経営上の問題点
経費削減に努めているが、
売上げ・受注の不振
利益の確保が難しい。
仕入価格、原材料価格の値上がり
人材不足、従業員の高齢化
公共投資の増額など
財政出動
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
対 応 策
交流人口の拡大による地元消費の増加、Ⅰ
ターン・Uターンの事業推進。
ながさき経済 2017. 新年号
53
調 査
Research
県内経済界トップアンケート「新年(2017年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
国内経済−横這い
デフレ脱却が思うように進まないと思うから。
業
昨年の実績
績
平成29年の見通し
県内経済−横這い
公共事業の前倒し等の影響が景況に関係する 画期的な好景気が分からないから。
と思う。
平 成 29 年 の 見 通 し
1.売上げ・生産動向
変わらない
国のあらゆる手立てに期待
するが、人口減少、デフレ
などマイナス環境が根深い
と思うから。
2.採 算 状 況
変わらない
左記に同じ。
〔石油販売業他〕
株式会社 フジオカ
代表取締役社長 藤 岡 秀 則
平成29年の見通し
変わらない
石油事業の需要減少による
落ち込みを他業種でカバー
する。
やや好転する
収益事業への投資を加速す
る。
石油業界は不安要素が少なくないが、
若手の人材が少しずつ育ちつつある。
県内経済−横這い
人口減少に伴い、世帯数もピークアウトが見
込まれる。且つそれに対する打開策を見出せ
ていない。
国内経済−やや回復する
国際情勢としては不安定さがあるが、国内的
には回復基調と予想。
〔食品製造販売〕
株式会社 文明堂総本店
代表取締役社長 中 川 安 英
昨年の実績
昨年の実績
平成29年の見通し
昨年の実績
平成29年の見通し
やや増加する
観光客増で微増を予想。
54
ながさき経済 2017. 新年号
昨年同様で大きな変化は望めない。
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
経営上の問題点
変わらない
円安やガソリン価格の上昇
仕入価格、原材料価格の値上がり
などで、仕入れ価格や原材
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
料の値上がりも考えられる。 人材不足、従業員の高齢化
変わらない
公共工事は、一部地域に限
定されそうで、競争も激し
くなる。
やや悪化する
残業などに対する規制等も
加わり、また人手不足によ
る人件費などが増加し採算
性は低下する。
企業誘致の促進
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
公共投資の増額など
財政出動
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
低価格化
人材不足、従業員の高齢化
対 応 策
新規部門の開拓。
人材教育。
生産過程の見直し、合理化。
〔建設業〕
星野建設株式会社
代表取締役社長 星 野 親 房
〔船舶造修業〕
前畑造船株式会社
代表取締役 田 頭 愼 一
経営上の問題点
低価格化
為替相場
対 応 策
経営のさらなる合理化を進める。
受注が前期より増加したため、実績は
県内経済−横這い
一部地域によっては回復も見込まれるが、全 多少良くなるが、見通しは楽観できな
い。
体的には横這いではないか。
国内経済−横這い
昨年の実績
平成29年の見通し
米国をはじめ各国の首脳が入れ替わり、どち
らかというと保護主義的な傾向になる可能性
もあり、なかなか先が読めない状況となりそ
仕事量の減少で、平成28年は良くない。
うである。
平成29年もあまり期待は持てないが、
今後の仕事量の確保次第。
県内経済−横這い
地方への税源や権限
の移譲
公共投資の増額など
財政出動
観光客の誘致促進
対 応 策
儲かるかどうかよりも、社会的に必要とされ
ているかどうか、の観点で全事業を再構築し
たい。ウェブでの集客という手法に取り組み
始める年にしたい。
昨年は熊本地震の影響で観光客減少の
県内経済−やや回復する
造船関係など、今後の状況に不透明さはある。影響が大きかったが、主力商品である
観光関連については「潜伏キリシタン関連遺 カステラのパッケージリニューアルが
産」の世界遺産登録やクルーズ船寄港回数の 好評でカバーできた。今年は観光客も
順調に増加して、売上げ貢献を期待。
増加など明るい状況が多い。
国内経済−横這い
環境の変化も少なくこのままの状態で推移す
るのではないか。
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
低価格化
人材不足、従業員の高齢化
対 応 策
デフレ脱却への専門的な手立て、政策しか思
い当たらない。
〔経済団体〕
福江商工会議所
会頭 清 瀧 誠 司
国内経済−やや回復する
人口減少などのマイナス要因はあるも、東京
オリンピックに向けての投資増やそれに伴う
インバウンドの増加が期待できる。
本県経済の活性化策
3.経営上の問題点とその対応策
変わらない
今後の受注状況次第。
変わらない
今後の受注状況次第。
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
低価格化
資金の調達難、資金コストの上昇
経済特区の新設など
規制緩和・規制改革
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
対 応 策
仕事量不足のため受注活動に力を入れる一方、
平成30年度の仕事を前倒してできないか検討
中。
ながさき経済 2017. 新年号
55
調 査
Research
県内経済界トップアンケート「新年(2017年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
国内経済−横這い
米国、韓国の政権政策の不透明感が強く、
TPPをはじめとする諸施策がどのように推
移し、それが国内経済にどのようにどの程度
影響があるか見通せない。
〔経済団体〕
松浦商工会議所
会頭 髙 橋 博 之
業
昨年の実績
績
長崎県がかかえる人口減少問題について、抜
本的対策を打ち出さない限り将来はないと思
える。但し、本年はまだ、客船建造が続くこ
と、並びに観光関連に希望がみえるので、や
や回復と思われる。
〔製造業〕
三菱長崎機工株式会社
代表取締役社長 白 石 公 正
56
ながさき経済 2017. 新年号
平成29年の見通し
昨年の実績
平成29年の見通し
社会インフラ分野に取り組む長崎地区
の事業としては海外案件での為替変動
県内経済−横這い
雇用・所得環境改善や観光客数増加の維持に 影響が懸念されるものの、国内外で継
続した需要が見込まれ、昨年並みの業
より、県内全体としては横這いを見込む。
績確保を図る。
国内経済−横這い
昨年の実績
平成29年の見通し
円安や株価上昇の傾向などの好条件があるも
のの、欧米に政治リスクの不透明感及び原油
減産による価格上昇などの懸念材料もあるた
H28年は国内の受注環境は改善せず、
め。
円高や輸出量の減少により厳しい事業
環境となった。H29年も回復は期待薄
県内経済−横這い
観光ではやや回復傾向もあるが、他に好材料 の見通し。
もなく現状維持と考える。
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
対 応 策
市内高校生に対し、市内企業の説明会を行う
など、新卒者の市内定着を図っていく。
変わらない
やや悪化する
経営上の問題点
環境対策、省エネ技術向上、 売上げの減少に対するコス
売上げ・受注の不振
燃料構成の変化により、輸
ト削減が追いつかない。将
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
送数量のゆるやかな減少が
来に対する競争力維持のた
人材不足、従業員の高齢化
続くと思われる。
めの労務コストが上昇する。
対 応 策
組織の再編、職場環境の整備による人材確保、
問題点の明確化と対応能力の向上のための教
育の充実等を行い、競争力の強化を図り、シェ
アの向上を図る。
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
変わらない
一定の受注残を確保してお
り、操業は概ね横這いで推
移する見通し。
経済特区の新設など
規制緩和・規制改革
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
変わらない
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
円安が続けば採算的には一
人材不足、従業員の高齢化
定の改善が期待できるが、
厳しい状況に変わりはない。 経済のグローバル化による競争激化
造船業界全体として新規商談が激減し
県内経済−横這い
日銀長崎支店「長崎県の金融経済概況」
(2016 ており、厳しい受注環境となっている。
年10月)によれば、長崎県の景気は全体とし
て緩やかな回復基調との見方であるが、造船
業については、国内経済と同様、厳しい事業
環境が継続すると思われ、先行きは楽観視で
きない。
国内経済−横這い
国内の景気は緩やかに持ち直しつつあるが、
為替変動影響が懸念されることから国内経済
も横這いを見込む。
〔製造業〕
三菱電機株式会社 長崎製作所
所長 福 冨 幸 雄
昨年の実績
本県経済の活性化策
3.経営上の問題点とその対応策
経営上の問題点
為替相場
人材不足、従業員の高齢化
経済のグローバル化による競争激化
西九州自動車道が伊万里松浦道路の建
設工事、松浦佐々道路の着工など順調
県内経済−横這い
若者の県内定着、県外からの移住者、高齢者 な進捗状況にあること。加えて九州電
の社会参加などにより事業所の抱える人材の 力松浦発電所2号機の建設再開などが
確保がどの程度カバーできるかが鍵になると 地域の経済を底上げするものと期待し
ている。
思う。
国内経済−やや悪化する
日銀短観(9月調査)によれば、国内製造業
の景況感については、先行きも含め横這いと
の見通しとなっているが、造船業については
悪化の見通しであり、当社も同様。
〔船舶等製造〕
三菱重工船舶海洋株式会社
常務取締役 星 野 秀 夫
2.採 算 状 況
平成29年の見通し
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成29年の見通し
アメリカが共和党政権に変わり、トランプ効
果によるミニバブルの発生。原油価格が上昇
し、円安のため輸出企業を中心にやや回復す
ると思える。但し、アメリカの保護主義政策
が、行き過ぎない場合において。
業種の構造的な問題として、減収、減
益基調が続くと思う。
県内経済−やや回復する
〔運輸業〕
松藤商事株式会社
代表取締役社長 松 藤 章 喜
平 成 29 年 の 見 通 し
1.売上げ・生産動向
対 応 策
グローバル競争に打ち勝ち、持続的に成長し
ていくためには、従来の枠組みを超えた抜本
的な対策が必要との認識のもと、相互補完関
係にある他社とのアライアンスを含めた商船
事業構造改革を推進する。
変わらない
車両用空調装置、大型映像
装置、非常用発電装置等で
継続した需要が見込まれる
ため、昨年度並みと予想。
やや好転する
これまで取り組んできた
「製品・サービスの付加価
値向上」や「原価低減」、
「生
産性向上活動」、「採算が期
待できる市場・顧客への注
力」を継続し、効果を取り
込むことでやや好転を見込
む。
経営上の問題点
低価格化
経済のグローバル化による競争激化
変わらない
売上及び工事量ともに横這
いの見通し。
変わらない
国内外ともに厳しい受注環
境が続いており受注価格は
低下してくる。コスト低減
等により採算の確保を目指
す。
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
低価格化
為替相場
企業誘致の促進
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
対 応 策
原価低減機種の開発に加え、生産活動の効率
化を図る。
競争力強化に向けた製品開発への注力を継続
し、他社との差別化を図る。
対 応 策
設備投資動向は本格的な回復に至っておらず、
新分野への販路拡大や海外向け販売強化、コ
スト低減等により受注・売上増を図る。
公共投資の増額など
財政出動
官から民への移行
(PFI、PPP等)
地場産業の再生・振
興支援
ながさき経済 2017. 新年号
57
調 査
Research
県内経済界トップアンケート「新年(2017年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
〔発電用機器製造〕
三菱日立パワーシステムズ株式会社 長崎工場
地域統括 若 林 嘉 幸
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
業
績
平 成 29 年 の 見 通 し
本県経済の活性化策
1.売上げ・生産動向
2.採 算 状 況
国内経済−横這い
昨年の実績
平成29年の見通し
昨年からの緩やかな回復基調がしばらくは継続すると
思われるが、一部の産業は潤沢となるもそれ以外の法
人・個人は消費に慎重な姿勢になると予想。その外部
要因としては、中国経済の鈍化、韓国の通貨スワップ
の動向、北朝鮮のカントリーリスク、アメリカ合衆国 事業環境に大きな変化はなく、国内は
のトランプショック等、内部要因としては度重なる国
原子力代替え発電の需要により活況、
内自然災害等。
海外は市場低迷が継続。しかしながら
県内経済−横這い
国内外とも大手競合メーカーとの価
観光産業についてはH28年度レベルを維持して活況、
関連産業もそれに追従すると思われるが、製造業等の 格・性能競争が激化し、受注は確保で
分野は、厳しい状況が継続し、全体では横這いと予想。 きているものの、業績は芳しくない。
やや増加する
一定量の受注確保し、H28
年に比して売上高・生産量
もやや増加する見込み。
変わらない
H28年と比して、売上・生
産規模の増加幅に対する粗
利の増加幅が小さいが、採
算としては変わらない見通
し。
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
為替相場
経済のグローバル化による競争激化
国内経済−横這い
中国を始めとして東南アジア及び世界経済の
明るい材料が見当たらない。
変わらない
傭船料の減額はないが、増
額も厳しい状況である。オ
ペレーターの収支によって
はチャーターボーナスの支
給も考えられる。
やや好転する
借入金返済額が減少するの
で収支は改善されると考え
る。
経営上の問題点
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
設備の老朽化
人材不足、従業員の高齢化
減少する
販売価格の低下と一部品目
の毎年薬価改定の影響は甚
大。
悪化する
左記原因に加えて、ジェネ
リック医薬品の普及に伴う
業務量と人件費の増加が収
益を圧迫する。
昨年の実績
平成29年の見通し
石油製品の需要は減少傾向にあるが、
県内経済−横這い
クルーズ客船等の入港は増えるが、県内全体 石油元売の再編により輸送形態がどの
ようになるのか不透明の部分がある。
の消費が伸びない。
県内経済−横這い
上昇する特別な要素が無い。
昨年の実績
平成29年の見通し
販売価格の低下と一部品目の毎年薬価
改定の影響は甚大。
対 応 策
これまで取り組んできたコスト競争力強化を
継続・強化すると共に、石炭ガス化複合発電
等の当社に優位性のある技術をアピールして、
新規顧客開拓やアフターサービス拡大による
受注拡大に努めたい。
公共投資の増額など
財政出動
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
企業誘致の促進
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
対 応 策
部品、修理代の費用節減。
老朽船を数年内に代替え建造。
全従業員のレベルアップをはかる教育を行う。
〔運輸業〕
宮川海運株式会社
代表取締役社長 浦 町 次 人
国内経済−横這い
上昇する特別な要素が無い。
3.経営上の問題点とその対応策
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
低価格化
人材不足、従業員の高齢化
新産業やベンチャー
企業の育成・支援
地場産業の再生・振
興支援
対 応 策
事業構造改革。
〔医療関連卸売業〕
株式会社 宮崎温仙堂商店
代表取締役社長 宮 﨑 到
国内経済−やや回復する
官公需の下支えのもと緩やかな景気回復が続
く。
昨年の実績
平成29年の見通し
式典列席者が減少傾向にあり、1件単
県内経済−横這い
全国対比では内需の回復ペースは遅れており、価の落ち込みを件数でカバーしている。
〔サービス業〕
株式会社 メモリード
代表取締役 吉 田 茂 視
〔水産物仲卸業〕
株式会社 ヤマス
代表取締役社長 渡 邊 英 行
58
ながさき経済 2017. 新年号
景気は足踏み状態。個人消費も盛り上がりに
欠けている。
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成29年の見通し
急激な円安が懸念されるが、株価も底堅く推移
しているので、国内経済全体としては回復傾向
にあると思料される。その一方で、中小企業に
はその影響が波及しておらず、輸入原材料や包
装資材、物流費の値上げによるコスト増を売価 平成28年度は、スルメいかや鯵、鯖と
に転嫁できず、景気の回復とはいい難い。
いった惣菜や加工原料に適する大衆魚
が極端な不漁に終わり、業界全般の業
県内経済−横這い
績は低迷した。
インバウンドの恩恵を受ける観光関連業種では 平成29年についても、その傾向が続く
業績を伸長することが見込まれるが、その他の と思われ、一般消費者の低価格志向も
業種では大きな経営環境や雇用環境が好転する 加わり、大幅な業績の改善は見込めな
い。
とは考えにくい。
やや増加する
やや好転する
経営上の問題点
グ ル ー プ 全 体 で み れ ば、
M&Aし た 施 設 の 改 修 等、
低価格化
M&Aと新規事業の展開に
投資が先行しているが、来
人材不足、従業員の高齢化
より増収見込み。
年後半から収益に寄与見込
み。グループ全体でやや好 対 応 策
転する。
付加価値の高い商品開発とサービス品質の向
上により、差別化を図る。
人材については、中途採用も積極的に行う。
企業誘致の促進
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
変わらない
期待されていた日韓の漁業
交渉も不調に終わり、済州
島周辺の海域での漁の再開
の目途がたたず、近海物に
ついても漁獲量の増加も期
待できないことから、売上
は横這いと予想される。
人材の育成と定着
変わらない
経営上の問題点
仕入価格、原材料価格の値上がり
円安による物流経費や包装
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
資材の値上がり等流通コス
人材不足、従業員の高齢化
ト増に歯止めがかからず、
それを売価に転嫁できる状 対 応 策
原料となる鮮魚や流通経費の値上がりを製品
況でもないため、採算が好
価格に少しでも転嫁できるように、販売先と
転するとは考えにくい。
の連携を強化している。また、国内労働力の
確保が困難な加工業については、省力化のた
めの加工機械の導入や東南アジア諸国からの
外国人労働者の雇用なども実践している。
ながさき経済 2017. 新年号
59
調 査
Research
県内経済界トップアンケート「新年(2017年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
〔タクシー事業〕
ラッキー自動車株式会社
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
業
績
国内経済−横這い
昨年の実績
平成29年の見通し
昨年は、株価等の経済指標の点からみても、
年始の予想よりは伸び悩み国内経済は全体的
に閉塞感が漂った。今年も同様に推移し伸び
当社としても震災時期が修学旅行の
悩むように感じる。
シーズンと重なり、旅行予定のキャン
セルが発生するなど影響を受けた。現
県内経済−やや回復する
昨年4月に起こった熊本地震の影響で、県内 在は震災前の7割程度は回復している
の観光業は大きなダメージを受けた。昨年末 が、従来の水準まで回復するには時間
にかけて徐々に利用者は回復しているが、震 がかかり、今後の見通しは難しい。
平 成 29 年 の 見 通 し
1.売上げ・生産動向
2.採 算 状 況
やや悪化する
変わらない
観光の分野では、震災で減
昨年の当初と比べると原油
価格が上昇しており、今後
少していた客数が回復し、
来年の世界遺産登録に向け
も現状の水準で推移するも
のと思われるため、採算状
ても来県客数の増加が期待
できる。一方で、乗務員不
況としてはやや悪化するも
のと考えられる。
足が問題としてあり、全体
的な売上としてはあまり変
動がないと思われる。
経営上の問題点
設備の老朽化
資金の調達難、資金コストの上昇
人材不足、従業員の高齢化
やや減少する
左記に同じ。
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
仕入価格、原材料価格の値上がり
人材不足、従業員の高齢化
災前の水準に戻るのは難しいと思われる。
代表取締役社長 川 添 暢 也
〔建設業〕
菱重ファシリティー&プロパティーズ株式会社 西日本支社
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成29年の見通し
全国の求人倍率など指数動向から考慮すると
経済も期待できるが、一方では、米国次期大
統領の政策次第では、我が国経済にも影響が
当社は、H29年1月で不動産事業の分
生じる。
社化を実施するが、その関係で営業利
益が減少。また、県内建設業では、県
県内経済−やや悪化する
県内の求人倍率は全国平均に比べ低調で回復 庁舎建設など大型工事が今後期待でき
傾向にはならないと思われる。また、県の主 ない。
やや悪化する
左記に同じ。
本県経済の活性化策
3.経営上の問題点とその対応策
企業誘致の促進
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
対 応 策
人材不足への対処方法として、社員寮等を斡
旋し、五島や島原など遠方での会社説明会を
実施している。今後は、周知方法およびエリ
ア等を再度検討し、より効率化を図る。
収益の状況・補助金等の制度を参考に、設備
投資の時期も判断していきたい。
企業誘致の促進
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
対 応 策
H28年1月で菱興各社が統合し、現会社を発
足の結果、全国規模での事業活動が可能と
なったため、スケールメリットを活かした営
業活動を行い受注増を図る。
要企業である造船事業を取り巻く環境悪化
(受注減)も考えると厳しい状況。
執行役員西日本支社長 森 岡 公 隆
〔飲食業〕
株式会社 リンガーハット
代表取締役社長 秋 本 英 樹
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成29年の見通し
政府の経済対策や日銀の金融緩和もあり、設
備投資や雇用環境に徐々に改善がみられる。
世界経済についても、堅調な米国経済を中心
に、全体としては緩やかな回復基調で推移す
ると考えている。但し、中国を始めとする新 同業種・コンビニエンスストア等の他
興国の回復遅れ、英国のEU離脱問題や地政
業種との顧客獲得競争、労働需要の逼
学的リスクなど、まだまだ先行きの不透明な
迫に伴う人件費上昇および人材育成の
状況が続くと考えている。
問題等、課題が多く厳しい状況が続い
県内経済−横這い
ている。強い企業体質を築き、企業価
他県との競争や先行き不透明な景気状況など、
まだまだ厳しい状況が続くと考える。造船業 値向上に努めていきたい。
増加する
新規出店、各事業(ちゃん
ぽん・とんかつ・外販)の
モデル確立し、事業規模の
拡大を図りたい。
やや好転する
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
原材料・物流費・人件費増
設備の老朽化
による経費増が見込まれる
人材不足、従業員の高齢化
が、積極的な投資を実施し
攻めの経営を行う。
営業部門:商品・価格政策、 対 応 策
立地業態別のモデル店舗を確立し、1店舗当
設備向上などより1店舗当
たりの売上・利益率向上を目指す。既存店舗
たりの売上を向上。
へ積極的な設備投資を行い、高齢化社会・イ
生産部門:自社工場のコス
ンバウンド消費取り込みを意識した店舗づく
ト低減による原価低減。
りを行う、ロードサイド店舗リロケイトの実
本部間接部門:業務効率化
施による活性化。
などによるコスト低減によ
物流費を含めた原価低減、自社工場内製化比
り更なる企業体質改善に取
率の向上を図る。
り組み、利益率向上を目指
パート店長制度・女性活躍支援等、働きやす
す。
い環境づくりを推進し人財を確保する。
企業誘致の促進
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
変わらない
現在、能力一杯の状況であ
り、これ以上の生産は無理
である。
変わらない
船価はあまり変わらない。
地方への税源や権限
の移譲
企業誘致の促進
観光客の誘致促進
の再編・改変、各種大型イベント・クルーズ
船寄港・世界遺産の登録などの話題づくりで
地域活性化を期待したい。
国内経済−やや回復する
円安と株高で企業、消費者の心理が好転する。
県内経済−やや回復する
上記に同じ。
昨年の実績
平成29年の見通し
造船業界は仕事はあるが、あまり利益
は期待できない。
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
低価格化
仕入価格、原材料価格の値上がり
対 応 策
営業努力とコストダウン。
〔船舶造修業〕
株式会社 渡辺造船所
代表取締役会長 渡 邉 悦 治
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ながさき経済 2017. 新年号
ながさき経済 2017. 新年号
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