資料3 看護系人材として求められる基本的な資質・能力(検討用素案) 1.経緯 学士課程において看護系人材養成の目指すものとして、資質と能力に関しては、これま で以下の検討が重ねられてきた。 1) 「21 世紀の看護学教育-基準の設定に向けて-」、平成 6 年 3 月大学基準協会 看護専門職に就くものに期待される像とその教育の理念は以下の通りである。ここでい う看護専門職とは、看護師、保健師、助産師を含める。 (1)看護専門職に期待される像 看護専門職に期待される像は、専門職の一員として非専門職をも含む他の医療従事者等 と相補的に連携をとりながら、看護の対象となる人々の自立と自己表現を援助するために 活躍する姿にある。具体的に述べると以下の通りである。 ① 看護専門職にあるものは、多様にしかも急速に変化しつつある社会状況を認識し、 生涯を通して最新の知識、技術を学習しつづける。 未知の課題に対しては、自ら幅広く多様な情報を収集し、創造性を発揮して積極 的にその解決に向けて取り組む。 ② 看護専門職にあるものは、医療全般にわたり広い視野と高い見識をもつ。すなわ ち看護学の基礎を確実に修得し、科学的・倫理的判断のもとに適切なケアを行う。 (中略)対象者の生活習慣や生活環境など日常生活全体をその視野の中に含めな がら看護アセスメントを行い、そのアセスメントをもとにケアを行う。 ③ 看護専門職にあるものは、最新の知識、技術を習得するばかりでなく、人間性豊 で暖かく生命に対して深い畏敬の念を持つ。対象者やその家族についてよく理解 しながら、対象者が自立して自己実現できるよう援助する。 ④ 看護専門職にあるものは、一人の専門職として社会的責任を自覚する。また、そ の社会が求める建設的発展に対して積極的に貢献する。 ⑤ 看護専門職にあるものは、他の医療従事者と連携をとりながら看護の役割を分担 する。そして必要に応じ、そのチームのリーダーとして活躍する。 2) 「大学における看護系人材養成の在り方に関する検討会最終報告書」p8、平成 23 年 3 月 <学士課程において看護系人材養成の目指すもの> 今後の学士課程における看護系人材養成においては、専門職として能力開発に努め、長 い職業生活においてもあらゆる場で、あらゆる健康レベルの利用者のニーズに対応し、保 健、医療、福祉等に貢献していくことのできる応用力のある国際性豊かな人材養成を目指 す。これは、看護系大学においては、これまでと同様に、看護専門職になるために共通し て必要な基礎的知識や実践能力を教授することを意味している。 ※5つの群と 20 の看護実践能力の一覧は資料 1-3 に示した。 2.医学教育モデル・コア・カリキュラムの例 現在改訂に向けてパブリック・コメント中の医学教育モデル・コア・カリキュラムでは、 卒後の臨床研修と事実上共通の資質・能力を定めようとしている。 <医師として求められる基本的な資質・能力>(案) 改訂案 現行:H22 年度版 1.プロフェッショナリズム 1.医師としての職責 2.医学知識と問題対応能力 2.患者中心の視点 3.診療技能と患者ケア 3.コミュニケーション能力 4. コミュニケーション能力 4.チーム医療 5.チーム医療の実践 5.総合的臨床能力 6.医療の質と安全の管理 6.地域医療 7.社会における医療の実践 7.医学研究への志向 8.科学的探究 8.自己研鑽 9.生涯にわたって共に学ぶ姿勢 注)歯学教育モデル・コア・カリキュラム(H28 年度改訂案)においても、基本的に同じ 項目とする予定 3.看護系人材として求められる基本的な資質・能力の案 上記を踏まえ、以下の項目とし、1~9のそれぞれの説明文や資料4の各項目について 検討していくこととしてはどうか。 1.プロフェッショナリズム 2.看護系人材としての知識・看護実践能力 3.問題解決能力 4.コミュニケーション能力 5.チーム医療における協働 6.ケアの質と安全の管理 7.社会から求められる看護の役割の発揮 8.科学的探究 9.生涯にわたって研鑽し続ける姿勢
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