果樹農業好循環形成総合対策 Q&A (未定稿)

果樹農業好循環形成総合対策
(未定稿)
平成28年12月
公益財団法人
中央果実協会
Q&A
(未定稿:平成28年12月)
果樹農業好循環形成総合対策
Ⅰ
果実需給安定対策
Q&A
は
じ
め
に
このQ&Aは、農林水産省が所管する果樹農業好循環形成総合対策に係るものです。
<留意事項>
以下のものに収録されているQ&Aについては、今回の改正に伴い廃止します。
・果樹経営支援対策のQ&A(平成27年11月)(未定稿)
・果実等生産出荷安定対策の手引き(平成25年7月
公益財団法人中央果実協会)
<関係規定集>
果樹農業好循環形成総合対策関係規定集(平成28年4月 公益財団法人中央果実協会)
(果樹農業好循環形成総合対策に関係する通知等を収録)
目
〇
〇
〇
次
適正生産出荷見通し及び生産出荷目標
・・・・・
1
(適正生産出荷見通し及び生産出荷目標の策定)
・・・・・
1
(生産出荷目標量の配分方法)
・・・・・
5
・・・・・
7
(生産・出荷の調整)
・・・・・
7
(生産出荷実績の確認・報告)
・・・・・
12
(生産出荷目標の変更)
・・・・・
15
果実計画生産推進事業
・・・・・
16
(果実計画生産推進資金の造成)
・・・・・
16
(計画的生産出荷の指導)
・・・・・
16
(計画的生産の促進)
・・・・・
19
計画的生産出荷
〇
出荷調整(特定時期における特別出荷調整)
・・・・・
25
〇
加工仕向け及び長期取引契約
・・・・・
28
〇
緊急需給調整特別対策
・・・・・
29
(趣旨等)
・・・・・
29
(事業の発動)
・・・・・
34
(緊急需給調整資金)
・・・・・
36
(その他)
・・・・・
38
Ⅰ
果樹需給安定対策
〇 適正生産出荷見通し及び生産出荷目標
(適正生産出荷見通し及び生産出荷目標の策定)
(問Ⅰ-1)
国の適正生産出荷見通しはどのように決定するのですか。
(答)
農林水産省は、うんしゅうみかん及びりんごについて、道府県及び生産者団体に
よる開花状況の取りまとめ結果等を踏まえ、適正生産出荷見通しを策定することと
しています。
また、特に需給が著しく均衡を失し、その安定的な生産及び出荷を図ることが必
要と認められる場合には、うんしゅうみかんについては農林水産大臣による生産出
荷安定指針、りんごについては、生産局長による生産出荷指導指針を策定すること
としております。なお、うんしゅうみかんの生産出荷安定指針については、果樹農
業振興特別措置法に基づき、食料・農業・農村政策審議会(果樹部会)の意見を聴
いた上で策定します。
(問Ⅰ-2)
適正生産量・出荷量は具体的にどのように算定するのですか。
(答)
うんしゅうみかん、りんごの最近の生産出荷状況や販売環境、当該年の需要見通
し等を見込んだ上で、その時点における指定果実の需給状況(需要量、予想生産量)
を踏まえて算定することとしています。
(問Ⅰ-3)
全国及び都道府県別の生産出荷目標はどのように策定するのですか。
(答)
全国生産出荷目標は、全果協において、農林水産省の示した適正生産出荷見通し
(特に需給が著しく均衡を失し、その安定的な生産及び出荷を図ることが必要と認
められる場合には、うんしゅうみかんについては農林水産大臣による生産出荷安定
指針、りんごについては、生産局長による生産出荷指導指針)や当該年の需要見通
しを踏まえ、策定されることとなっています。
都道府県生産出荷目標については、県果協において、市町村区域又は農協の業務
区域の生産・出荷の実績等を勘案して産地ごとの適正生産量・出荷量等を設定する
ことになっていますが、特に個々の都道府県の事情を加味する必要がある場合には、
全果協において十分協議されることとなっています。
(問Ⅰ-4)
出入作がある場合の産地生産出荷目標の策定及び通知はどうするのですか。
(答)
- 1 -
出作のある生産者・生産出荷組織に対しては、出作を含めた適正生産量、出荷量
を示し、これに即して計画的な生産出荷を行っていただく必要があります。
このため、アンケート等により生産者等の生産出荷実績を把握するに当たっては、
出作も含めて栽培面積、生産量等の状況を把握する必要があります。
県果協から通知された産地別の生産出荷目標に予め出作分が含まれていない場合
には、農協等は出作のある生産者に対しては、県果協と出作に関する目標設定の方
法を協議して、産地別の生産出荷目標に示された適正生産出荷量の外数として、出
作に係る適正生産出荷量を生産者別に設定することができることとしています。
この場合、県果協、農協等は出入作に係る調整のために適正生産量、適正出荷量
の一定部分を留保しておくか、出入作に係る調整により適正生産量、適正出荷量の
調整があり得る旨予め通知しておくことが望ましいと考えます。
(問Ⅰ-5)
自給的農家や生産のほとんどない産地へは、生産出荷目標を通知する必要がある
のですか。
(答)
需給安定対策の効果を高めるためには、生産出荷のある生産者や産地には必ず生
産出荷目標を通知することが必要です。
ただし、生産出荷目標の設定に必要なデータの取得が困難な生産者や産地につい
ては、生産出荷目標の通知ができなくてもやむを得ないこととしています。
なお、当初の生産出荷目標の策定以降、このような生産者が需給安定対策に取り
組むことを申し出た場合には、適正生産量、適正出荷量等を示すことができるよう
に、これらの生産者の生産分を見込んで適正生産出荷量を計算しておくことが必要
です。
(問Ⅰ-6)
県果協における産地別の適正生産量・出荷量等は系統出荷分と系統以外への出荷
分を分けて作成することはできますか。
(答)
生産出荷目標における適正生産量・出荷量等は、原則として市町村の区域又は農
協の業務区域ごとに策定することとしていますが、各道府県の事務処理の便宜上、
系統出荷分、系統外出荷分の内訳を示すことは差し支えありません。
なお、この場合、系統以外への出荷に関するデータについて、道府県段階で十分
把握されていない場合には、各地方農政局支局と十分情報交換を行うとともに、問
Ⅰ-7のようなアンケート調査を実施し、実態把握に努めて下さい。
(問Ⅰ-7)
生産者別の適正生産量・出荷量の設定に必要なデータの収集はどのように行うの
ですか。
(答)
- 2 -
道府県、道府県農協連等の指導の下、農協等においてアンケート調査等を実施し、
データの収集・整備を行って下さい。
特に、農協等において、系統以外への出荷量等が把握されていない場合には、ア
ンケート調査等により情報を十分収集して下さい。
なお、生産者の了解を得て、
① 選果場のデータを用いること
② 関係機関と相談の上、果樹共済、農地台帳等既存資料の提供を受けること
③ 生産出荷組織で取り組むことが予定されている場合には、当該生産出荷組織を
通じて生産者別データを収集すること
等効率的な方法により行って下さい。
(問Ⅰ-8)
県果協からの目標配分において、産地区分を農協組織(部会)、商系組織、個人の
区分として良いですか。この場合、生産者・生産出荷組織及び都道府県法人への区
分ごとの生産出荷目標の通知は誰が行うことになるのですか。
(答)
県果協が作成する生産出荷目標の産地区分は、商系組織や個人ではなく市町村区
域又は農協の業務区域としています。ただし、系統出荷分、系統外出荷分を内訳と
して示すことは差し支えありません。
なお、商系組織等系統外出荷分については、各地方農政局支局との情報交換、生
産者へのアンケート調査等によりデータの収集・整備に努めて下さい。
また、生産者・生産出荷組織及び都道府県法人への産地生産出荷目標の通知は、
一定地区内で各生産者の生産実績に基づき、公平にもれなく生産目標量を配分でき
ることが必要条件となりますので、農協等の指定果実出荷事業者が通知することに
なります。
(問Ⅰ-9)
需給安定対策の適正生産量・出荷量等の配分について、個人別配分でなく単位農
協(JA)又は出荷組織単位(団体)の配分までとして良いですか。
(答)
生産出荷組織の構成員全員が、あらかじめ生産出荷目標の達成に取り組むことが
確実と見込まれる場合には、その代表者に目標を一括して通知できます(実施要領
第1の1の(7))。
この場合、系統及び商系組織が当該道府県全域をカバーし、また、それぞれが指
定果実出荷事業者としての機能を果たし、かつ、それぞれの下部組織となる単位農
協(JA)又は商系単位組合が生産出荷組織としての機能を果たす場合においては、
適正生産量・出荷量等の配分単位を、単位農協(JA)又は商系単組とすることが
可能です。
(問Ⅰ-10)
- 3 -
どのようなものが適正出荷量の対象となるのですか。
(答)
出荷された生食向け及び加工向けの全ての量です。
従って、生産者が自家消費したもの(親戚等への無償贈答用を含む。)、廃棄した
ものは出荷量には含まれません。
直売、観光農園によるもぎ取り、産直(宅配便販売)は、生食向けの出荷に含め
ます。
販売を目的とする産地加工等の原料への仕向けは、加工向けの出荷に含めます(自
家消費の目的で加工するものは出荷量には含めません。)。
(問Ⅰ-11)
農協へ全く出荷しない者の適正生産量・出荷量の配分を農協が行う場合、どのよ
うにすれば良いのですか。
(答)
適正生産量・出荷量の配分を的確に行うためには、系統と商系が一体となって生
産出荷目標の通知が行えるような体制の構築に努めていただくことが重要です。
やむを得ず、農協が、地域の生産者別の適正生産量・出荷量を配分する場合には、
当該農協への出荷の有無に関わらず、
① まず、農協組合員であれば、農協組織としてデータの把握に努めていただくと
ともに、
② 非組合員で農協組織として情報の入手が困難であれば、県果協と連携して商系
出荷事業者、生産者の組織する団体等を通じてデータを収集して行うことを検討
して下さい。
この場合、問Ⅰ-28の商系集荷事業団体等と連携して、具体的な方法について
検討して下さい。
(問Ⅰ-12)
配分に必要なデータの提供に協力しない者がいた場合、その者に対する適正出荷
量等の設定はどのようにすれば良いのですか。
(答)
生産者別適正生産量・出荷量の配分を行う農協等においては、生産者からデータ
の提供をいただくこととし、それを基に生産出荷目標を策定・配分することとして
下さい。
ただし、データの提供に協力しない者にあっても、他の生産者に産地生産出荷目
標の策定・配分を行った以降、データを提出した場合には、生産出荷計画の提出期
限(7月末)前であれば、追加的に適正生産量・出荷量等の配分を行って下さい。
(問Ⅰ-13)
産地別の適正出荷量等の目標設定には、農協等が把握している系統外を含めた生
産・出荷の実績を使用することでよいのですか。
- 4 -
(答)
産地別の適正出荷量等の設定に当たっては、農協等が把握しているデータを用いる
ことで差し支えありません。
なお、系統外出荷を含めた生産・出荷の実績について、都道府県段階で十分把握さ
れていない場合には、各地方農政局支局と十分情報交換を行ってください。
(問Ⅰ-14)
未成熟で、かつこれまで廃棄していた摘果みかんを香料用原料(シャーベット用
等)として出荷した場合、適正出荷量における加工原料用果実の出荷実績として含
まれるのですか。
(答)
問Ⅰ-10において、適正出荷量の対象となるものは、出荷された生食向け及び加工
向けの全ての量とし、販売を目的とする産地加工等の原料への仕向けは、加工原料
向けの出荷に含めることとされているところです。
従って、これまで廃棄されてきた摘果みかんを香料用原料として出荷した場合も、
適正出荷量における加工原料用果実の実績として含まれることになります。
(問Ⅰ-15)
全果協は、出荷時期区分ごとの生食用適正出荷量をどのように定めるのですか。
(答)
農林水産省が示した適正生産出荷見通しに基づき、全果協では、全国生産出荷目
標を策定しますが、その際には、適正生産量、生食用及び加工原料用の用途別の適
正出荷量を定めることとなっています。
出荷時期区分ごとの生食用適正出荷量については、都道府県の指定果実の品種構
成、生産出荷実績等を勘案し、指定果実ごとに設定することになります。
(問Ⅰ-16)
県果協や農協等は、産地や生産者別に、出荷時期区分ごとの生食用適正出荷量を
定めなければならないのですか。
(答)
全国生産出荷目標に基づき、県果協において産地別の適正生産量・出荷量等を設
定することになっていますが、出荷時期区分ごとの生食用適正出荷量を定めるか否
かについては、管内の産地の生食用果実の出荷実績、時期別出荷の取組体制等を勘
案し、県果協において決定することとなります。
また、県果協において出荷時期区分ごとの生食用適正出荷量を定めた場合、農協
等は、生産出荷組織等の指定果実の品種構成、生食用果実の出荷実績、産地体制等
を勘案し、出荷時期区分ごとの生食用適正出荷量を定めるか否かを、農協等におい
て決定することととなります。
(生産出荷目標量の配分方法)
- 5 -
(問Ⅰ-17)
生産出荷目標の具体的な配分はどのように行うのですか。
(答)
需給安定対策は、生産者・生産出荷団体自ら取り組むべきものであり、全果協が
全国生産出荷目標を策定し、その中で道府県別生産出荷目標の配分を行っています。
りんごについては全果協落葉部会りんご委員会において、みかんについては、全果
協かんきつ部会において、それぞれ道府県別に過年度の出荷計画・実績を勘案して
生産出荷目標を配分しています。
(問Ⅰ-18)
道府県から産地・生産者への適正生産量、適正出荷量の配分は全国の配分方法と
同様にする必要があるのですか。
(答)
県果協は、全果協の配分方法を踏まえて、県果協として道府県内の産地状況を勘
案して産地に配分いただくことになります。
(問Ⅰ-19)
果実の販売価格や改植・高接等の実績はどのように把握すればよいのですか。
(答)
全果協において決定される生産出荷目標の配分方法を踏まえ、各県果協において
は定量的データを産地から収集いただくようお願いします。
(問Ⅰ-20)
農協へ全く出荷しない者に対する配分はどのようにすれば良いのですか。
(答)
生産出荷目標の配分は、これまでと同様の手続きとなりますが、対策の参加者と
非参加者に対する配分については、これまでの配分実績、価格等の収集できるデー
タを加味して配分いただくこととなります。
農協が、地域の生産者別の適正生産量・適正出荷量を配分する場合には、当
該農協への出荷の有無に関わらず、
① まず、農協組合員であれば、農協組織としてデータの把握に努めてい
ただくとともに、
② 非組合員で農協組織として情報の入手が困難であれば、県果協と連携
して商系出荷事業者、生産者の組織する団体等を通じてデータを収集し
て行うことを検討して下さい。
この場合、商系出荷事業団体等と連携して、具体的な方法について検討
して下さい。
- 6 -
(問Ⅰ-21)
産地において、需給安定参加者と非参加者との間で不公平感が生じており、系統
外等非参加者への配分方法及び需給安定の実効性の向上について、何らかの方策を
講じるべきではないですか。
(答)
需給安定対策については、生産者団体自らの問題として取り組むべきものであり、
需給安定対策の実効性を上げるためには、系統、系統外を問わず、可能な限り多く
の生産者に対策に取り組んでもらうことが不可欠です。系統外に出荷している農家
も大半が農協の組合員であると考えられることから、行政部局とも連携して一層の
対策加入を推進していただくようお願いします。
(問Ⅰ-22)
生産出荷目標の配分に果実の品質等の実績を加味することは賛成ですが、品質の
劣る極早生が出回っている現状や消費の減退などで販売価格が低くなることもあり、
販売価格だけでなく、産地の努力が反映されたものとすべきではないですか。
(答)
ご指摘の出荷時期による販売価格の低下については、時期別に需要に見合う計画
的出荷を行うことにより適正な価格が形成されることもあり、それぞれの産地で問
題解決の手段を検討し取り組むべきことであると考えております。
生産出荷目標の配分に果実の品質等の実績を加味することは、これら産地の努力
を反映するために必要であると考えております。
(問Ⅰ-23)
配分を時期別にすることはできないのですか。
(答)
全果協が策定する全国生産出荷目標において道府県別生産出荷目標の配分の中
で、よりきめ細やかな需給の調整を行うため、出荷時期別に設定しているところで
あり、今後とも、引き続き、出荷時期別に配分が行われると考えています。
〇 計画的生産出荷
(生産・出荷の調整)
(問Ⅰ-24)
生産・出荷の調整の意義はなんですか。
(答)
永年性作物である果樹の需給調整については、水稲のように作付面積を増減する
ことによって行うことは極めて困難なので、大部分を「生産量・出荷量の調整」に
よって行うことが必要です。
このことから、従来、特に、うんしゅうみかんについては、摘果等による生産量
の調整や加工仕向けによる出荷量の調整を行ってきたところですが、近年は果実加
工品自体の需要の低迷によって後者の方法が極めて限定的にしか行えなくなってい
- 7 -
ます。
このため、本制度においては、まず「生産量の調整」を最大限行うこととし、
「加
工仕向けによる出荷量の調整」は加工事業者が加工品を需要に即して合理的な価格
で販売し得る範囲で行うこととしています。
(問Ⅰ-25)
りんごの「生産量の調整」はどのように行うのですか。「特別摘果」は実施しな
いのですか。
(答)
花芽が群生して着生するりんごについては、高品質果実の安定生産を図るため、
摘らい、摘花、摘果等により着果量の適正化を図ることが栽培上の基本技術となっ
ています。産地においては葉数:果数比、頂芽当たりの着果数、枝当たりの着果数
等を作業の目安として適正着果量の確保に努めているところです。しかしながら、
適正着果量が必ずしも十分守られていない樹園地が見受けられることも事実であ
り、このような場合にはりんごであっても隔年結果が起こることが認められていま
す。
このため、りんごの需給安定対策は、県果協又は産地の農協等の段階で適正着果
量の水準を決め、それに即して摘らい、摘花、摘果等の作業を推進するとともに、
樹上選果による出荷品質基準の徹底により生産量の調整を行うこととしています。
さらに、予想生産量が適正生産量を原則として10%以上上回る大幅な需給の不
均衡の発生が見込まれる場合には、生産局長が「生産出荷指導指針」を公表するこ
ととしていますが、このときには、共同の取組による適正着果量の達成状況の確認、
摘果が不十分な園地に対する追加的な摘果(仕上げ摘果、見直し摘果等)による適
正着果量の達成、樹上選果基準の厳格化等により確実な生産量の調整を行うことと
しています。
なお、りんごについては、隔年結果による生産量の変動が大きくなる恐れのある
うんしゅうみかんのような「特別摘果」の実施は想定していません。
(問Ⅰ-26)
「出荷量の調整」は具体的にどのように行うのですか。
(答)
「出荷量の調整」は、総出荷量の調整、生食用仕向量の調整、出荷時期等の調整が
あります。
① 総出荷量の調整
総出荷量の調整は、
「生産量の調整」により行うことが基本ですが、その後の天
候の推移等により出荷量が適正出荷量を上回りそうな場合には、生産者・生産出
荷組織自らで選果基準を引上げること等により総出荷量を適正出荷量(用途別の
合計)の範囲内に抑えることとしています。
② 生食用仕向量の調整
総出荷量を遵守した上で、生食用適正出荷量を遵守することが必要であり、こ
- 8 -
のため、通常の選果や通常の加工仕向けの対応では生食用適正出荷量を超えてし
まう場合には、次のような方法により加工用仕向けの拡大を図ることとしていま
す。
・選果基準の引上げ(生果の厳選と低品位果実の加工仕向け)
・加工仕向品の荷受けの円滑化
・加工処理後の廃棄物処理の円滑化
③ 出荷時期等の調整
生食用の出荷が集中することが予想される場合には、生食用果実を一時的に低
温貯蔵することにより出荷時期を調整したり、又は特定市場への出荷の集中を回
避する方法(社会福祉施設等への配送)があります。
(問Ⅰ-27)
生産・出荷の調整は、農協系統だけが取り組めば良いのではないですか。
(答)
生産・出荷の調整の実効を上げるためには、系統、系統外を問わず、可能な限り
多くの生産者に取り組んでもらうことが不可欠です。このためには、特定の団体等
だけに限定した制度運営は適切ではなく、指定果実の需給調整に関係する人々を広
く対象とする必要があります。
(問Ⅰ-28)
商系集荷事業団体との接触はどのように行うのですか。
(答)
商系集荷事業者は、全国各地で商業協同組合を組織しています。
全国段階の商系集荷事業団体の組織である「全国青果物移出業協会」は、全果協
かんきつ部会にも参画しており、これまでの対策でも、事業者自身の傘下生産者が
円滑に参加できるように協力いただいています。
また、会員組織のない道府県でも商業協同組合が組織されている場合もあるので、
道府県庁の事業協同組合所管課と相談の上、対応して下さい。
なお、地方農政局支局が各種調査を実施するために管理している商系事業者の方
々のリストを所有していることも考えられるのでご相談下さい。
(問Ⅰ-29)
都道府県法人に商系の集出荷事業者団体等を加入させなければならないのですか。
(答)
県果実の生産出荷の安定のためには、系統団体のほか、事業協同組合、事業協同
組合連合会、府県出荷事業者団体等の生産・出荷に携わる各種団体の協力が必要不
可欠です。
かかる観点から、商系の集出荷事業者団体にも積極的に加入促進の働きかけを行
い、加入の意志がある場合には会員として受け入れ、仮にもこれを拒むようなこと
のないようにして下さい。
- 9 -
(問Ⅰ-30)
県果協に商系の集出荷事業者団体を加入させなければならないのですか。
(答)
県果協は、果実の安定的な生産及び出荷を図るための協議を行う組織として実施
要領において、商系集出荷事業団体を含めて構成することとされています。
本協議会は、特に需給安定対策において、①都道府県生産出荷目標の策定、②計
画的な生産出荷の推進指導の役割を担う主体とされており、系統・商系双方含めた
者による協議が不可欠です。
また、専ら商系に出荷する生産者に対する需給安定対策に関する情報提供を行う
ためにも商系の集出荷事業者団体に参加してもらうことが必要です。
このため、商系の集出荷事業者団体にも積極的に加入促進の働きかけを行って下
さい。
(問Ⅰ-31)
商系の集出荷事業者団体が都道府県法人、県果協に加入する場合、期待される役
割は何ですか。
(答)
都道府県法人、県果協の他の会員と同様に、需給安定対策の円滑な推進に必要と
なる次のような取組を担うことが期待されます。
① 都道府県法人の会員となった場合に、専ら系統以外に出荷する生産者の生産出
荷計画の取りまとめ、緊急需給調整特別対策事業の実施等
② 県果協に加入した場合に、生産出荷目標の策定等果実の計画的な生産出荷を協
議するために必要な情報の収集と提供、需給安定対策を実施するために必要な生
産者、事業者に対する指導等
(問Ⅰ-32)
生産者・生産出荷組織は、なぜ生産出荷計画を作成しなければならないのですか。
(答)
生産出荷計画は、生産者・生産出荷組織が自主的・主体的に需給安定対策に取り
組んでいただくための誓約書とも言えるものです。
また、県果協及び産地の農協等から示される生産出荷目標は、生産者・生産出荷
組織の意向を踏まえて作成するよう努めるものの、あくまで産地全体でのおおまか
な目標とならざるを得ないことも事実です。このため、自らの経営内容を把握して
いる生産者・生産出荷組織により正確な生産出荷量を示してもらうこととしている
ものです。なお、生産出荷組織として承認を受ける場合は、生産出荷組織ごとに生
産出荷計画を作成して下さい。
さらに、これを作成し、都道府県法人から認定を受けることによって、
①
指針発動時等に通常以上に実施する生産量の調整の取組に対する助成
- 10 -
② 予想出荷量が適正出荷量を一定程度上回る場合の出荷量の調整に対する助成
③ 一時的な出荷集中において実施する生果の加工仕向けに対する助成
④ 優良品目・品種への転換、園地整備等の取組に対する助成
等のメリットが受けられます。
なお、個人として生産出荷計画の承認を受ける場合は、個人ごとに生産出荷計画
を作成し承認を受け、生産出荷組織として生産出荷計画の承認を受ける場合は、生
産出荷組織ごとに生産出荷計画を作成するものとします。
(問Ⅰ-33)
生産者・生産出荷組織が提出した生産出荷計画に関するデータは、この需給安定
対策のみに使用されると理解して良いですか。
(答)
都道府県法人に提出された生産出荷計画に関するデータについては、生産出荷計
画の認定等需給安定対策の実施に必要な業務に使用します。
また、優良品目・品種への転換、園地整備等の取組に対する助成等の重点実施の
ために必要な範囲内で行政側に提供する場合があります。
上記以外の用途には、本人の了解がない限り使用することはありません。
(問Ⅰ-34)
生産出荷計画は系統出荷に係る生産・出荷だけについて作成することとして良い
ですか。
(答)
生産出荷計画は、出荷経路にかかわらず、生産出荷のすべてについて作成するこ
とが不可欠です。生産出荷組織についても、系統への出荷と系統以外への出荷の双
方を行う構成員がいる場合には、系統以外の出荷を含めて生産出荷計画を作成しま
す。
(問Ⅰ-35)
生産出荷計画における「予定生産出荷量に調整するための措置」とはどのような
内容ですか。
(答)
摘果等(うんしゅうみかんについては特別摘果も含む)の実施、摘果状況の相互
確認の実施と受入れ、出荷果実の品質基準の遵守、出荷販売台帳の作成、予定出荷
量を超過しそうになった場合の対応について、各生産出荷組織・生産者の事情を踏
まえて記入して下さい。
(問Ⅰ-36)
栽培管理計画、作業記録簿、出荷・販売台帳はどのように記載すれば良いのです
か。
(答)
- 11 -
①
栽培管理計画・作業記録簿
一団にまとまっているほ場は筆数が複数でも1カ所として、また、分散している
ほ場や出作しているほ場は区分して、各々のほ場の場所がわかるよう所在地、面積、
品種、摘果等の方法、実施時期等この対策に必要最小限のものを記載することとし
ています。
また、作業記録簿の記載様式は栽培管理計画と兼用できる様式としています。
② 出荷・販売台帳
出荷・販売台帳に関しては、選果場、出荷事業者等から生産者毎の出荷実績が提
供されることとなっている場合については、それをコピーして活用することとし、
台帳にはそれ以外の販売・出荷についてのみ記載すれば良いこととしています。
(問Ⅰ-37)
栽培管理計画では、一団にまとまっているほ場は筆数が複数でも1カ所として記
載することとなっていますが、ほ場により栽植密度が異なる場合は、特別摘果の実
施ほ場ごとに区分して記入する必要があるのですか。
(答)
樹別全摘果、半樹別全摘果の場合、一団にまとまっているほ場であっても、栽植
密度が異なれば、ほ場ごとに区分して記入して下さい。
(問Ⅰ-38)
出荷時期区分ごとの生食用適正出荷量を定めた産地生産出荷目標を配分された場
合、生産出荷計画をどのように取りまとめ、提出するのですか。
(答)
出荷時期区分ごとの生食用適正出荷量を定めた産地生産出荷目標を配分された生
産者又は生産出荷組織は、出荷時期区分ごとの生食用予定出荷量を含む生産出荷計
画を策定し、農協等を通じて、都道府県法人に提出し、承認を受ける必要がありま
す。
(生産出荷実績の確認・報告)
(問Ⅰ-39)
生産者や農協等による計画的生産のほ場確認はどのように行うのですか。
(答)
需給安定対策の取組は、生産者が自ら取り組むことが基本です。
特に、生産出荷組織で取り組む場合は、構成員の連帯責任の下、生産出荷計画が
達成されるよう、自主的に生産者相互の巡回、実施状況の取りまとめ等に努めて下
さい。
農協等は、従来から実施している営農指導と一体的に、生産出荷計画に添付する
栽培管理計画と生産者が作成する作業記録簿に基づいてほ場確認を実施することと
なります。
なお、うんしゅうみかんについては、このほ場の確認を原則として、特別摘果を
- 12 -
実施する場合は特別摘果が実施された後の7~8月(特別摘果の実施状況の確認)
に1回、また、収穫期の直前(原則として、極早生、早生、普通の品種ごとに摘果
等の実施状況の確認)に1回、りんごについては収穫期の直前(早生、中生、晩生
の品種ごとに摘果等の実施状況の確認)に1回行うこととしています。仮にその確
認の結果、取組が不十分であれば更に追加の摘果等の指導・再確認を行う必要があ
ります。
農協等が確認した場合には、作業記録簿に確認者の署名、押印を行って下さい。
また、農協等は生産者等に対する指導の実施状況、ほ場の巡回計画、確認の結果
等について、定期的に取りまとめ、県果協、都道府県法人に報告する必要がありま
す。
(問Ⅰ-40)
特別摘果を実施せず、改植・高接の努力目標面積が示されない年産についても、
実施状況の確認を行う必要があるのですか。
(答)
特別摘果の義務面積配分の有無にかかわらず、計画的生産出荷の取組を行うこと
が必要です。従って、改植・高接の実施状況も含めて、計画的生産の推進状況等の
確認は必要です。
(問Ⅰ-41)
生産出荷実績報告はどのように行うのですか。
(答)
生産者・生産出荷組織の生産出荷の実績報告は、原則として生産出荷計画を提出
した農協等(原則として生産出荷目標を通知した農協等)を通じて都道府県法人に
提出することとしています。この際、農協等は、
① 計画的生産の実績について、生産出荷計画に添付する栽培管理計画と生産者が
作成する作業記録簿を照合して摘果等が適切に実施されていることを確認し、
② 出荷の実績について、生産者の出荷実績と出荷・販売台帳等を照合して、確認
した上で、総括表を添付して都道府県法人に報告することとしています。
(問Ⅰ-42)
都道府県法人によるほ場確認はどのように行うのですか。
(答)
生産出荷計画の認定を受けた全農家を対象に、ほ場を適宜抽出して実施して下さ
い。
うんしゅうみかんの特別摘果が実施された年産については、指定果実出荷事業者
に示された実施すべき特別適果を実施していることが緊急需給調整特別対策の補給
金の交付要件となっているので、指定果実出荷事業者ごとに、義務面積以上の特別
摘果が実施されているかどうか確認して下さい。
確認は次により行って下さい。
- 13 -
①
果樹共済の損害評価員、普及組織のOB等果樹栽培について知見を有する者に
委嘱し、確認要員を確保するとともに、
② 予め特別摘果の作業の進捗状況や収穫時期等を勘案して、農協等と確認のスケ
ジュールを調整し、都道府県法人職員等(委嘱した確認要員を含む)が農協等の
確認に同行するようにして下さい。
③ 確認後は、作業記録簿に確認の記録(署名、押印)を行って下さい(果実計画
生産推進事業の「計画的生産の促進」の補給金の交付対象となっていない場合に
は、ほ場ごとの確認用の写真は必要ありません。)。
確認の結果、不十分な実施状況が確認された場合には、直ちに県果協に通知し、
県果協は農協等を通じて重点的な指導を行うこととなります。
さらに、農協等による重点的な指導を行っても、不適切な状況が改善されない
場合には、生産出荷計画を履行していないものとして、都道府県法人は緊急需給
調整特別対策の補給金の不交付又は返還措置を行うことができることとしていま
す。
(問Ⅰ-43)
都道府県法人による出荷実績の確認はどのように行うのですか。
(答)
① 生産出荷実績報告書により、適正出荷量が遵守されていることを確認します。
② 作業記録簿、出荷・販売台帳との照合、生産者・生産出荷組織、農協、市場等
に対する聞き取りによる調査を行います。ほ場確認時の状況や出荷期間中の出回
状況を踏まえ、調査対象農協等を選定して重点的に調査を実施します。
③ この他、統計調査、都道府県調査とのかい離が見られる場合や生産者、市場関
係者等から情報提供があった場合には、②の調査を重点的に実施します。
以上の調査により、実績報告書に虚偽があった場合には、補給金の不交付、補
給金の返還の措置を行うこととなります。
(問Ⅰ-44)
系統を全く利用していない者の生産出荷は誰が指導・確認するのですか。
(答)
都道府県法人、県果協等は、系統外出荷を行う生産者についても、既存の「同志
会」や「選果場利用組合」を核に、極力、組織体制を強化し、生産者自ら確認を行
う等自主的な取組をするよう会員団体、商系業者の団体等を通じて要請して下さい。
(問Ⅰ-45)
①生産者から加工規格で出荷されたもの、②生食用として選果場に出荷されたも
のの、選果の結果、加工用として取り扱われたもの、③生食用を加工転用したもの
の合計を加工実績として良いのですか。
(答)
加工実績は、加工業者(販売を目的とする産地加工を含む、問Ⅰ-10参照)へ出荷
された合計です。
- 14 -
従って、生食用として選果場に出荷されたものの選果の結果、加工用として取り
扱われたもの及び生食用として格付け荷造りしたものを加工転用したものも加工実
績に含まれます。
なお、選果場での腐敗等により加工業者に出荷されなかったものは加工実績に含
まれません。
(生産出荷目標の変更)
(問Ⅰ-46)
生産出荷目標を変更した場合の手続きは、どのように行うのですか。
(答)
全果協、県果協で協議の結果、全国生産出荷目標、都道府県生産出荷目標又は産
地別生産出荷目標の変更を行った場合は、当初の生産出荷目標の策定手続きに準じ
て、関係者、生産者に通知する必要があります。
(問Ⅰ-47)
生産出荷目標の変更が行われた場合には、生産出荷計画の変更、承認の手続きが
必要となるのですか。
(答)
生産出荷目標を変更した場合には、生産出荷組織(生産者)は、変更後の適正生
産量、出荷量の範囲内で、生産出荷計画を変更し、産地生産出荷目標を通知した農
協等に提出することになりますが、変更した生産出荷計画の再認定の手続きは行わ
ないこととしています。
なお、計画的生産出荷が達成されているか否かの判定は、変更後の適正生産量、
出荷量と実績により行いますので、実績報告書には変更後の適正生産量、出荷量等
を記載することとなります。
(問Ⅰ-48)
生産出荷組織で生産出荷計画の承認を受けた後に、農協等からの生産出荷目標が
変更された場合、構成員間の目標の変更は可能ですか。また、その手続きはどのよ
うに行うのですか。
(答)
都道府県法人からの生産出荷計画の承認を受けた後に、天候の変化等により需給
不均衡が懸念され、全果協又は県果協の協議により、全国生産出荷目標、都道府県
生産出荷目標又は産地生産出荷目標が変更されたことに伴い、当該生産出荷組織へ
の生産出荷目標が変更された場合、構成員ごとの予定生産量、予定出荷量を変更す
ることが可能です。
この場合、生産出荷組織に通知された変更後の適正生産量、適正出荷量(出荷時
期区分の生食用適正出荷量を含む)の範囲内で、構成員間の調整により予定生産量、
予定出荷量(出荷時期区分の生食用予定出荷量を含む)を変更し、生産出荷組織の
生産出荷計画を、生産出荷目標を通知した農協等に提出する必要があります。
- 15 -
また、計画的生産出荷が達成されていることの判定は、変更後の適正生産量、適
正出荷量と実績により行いますので、実績報告書には変更後の適正生産量、出荷量
等を記載することとなります。
(問Ⅰ-49)
生産出荷目標が策定された後に、天候の変化等により需給不均衡が懸念される場
合、出荷時期区分ごとの生食用適正出荷量の変更はどのように行うのですか。
(答)
産地別の出荷時期区分ごとの生食用適正出荷量の変更は、県果協の構成員による
協議を経た上で、当該都道府県の出荷時期区分ごとの生食用適正出荷量の範囲内で
行うことができます。
また、都道府県別の出荷時期区分ごとの生食用適正出荷量の変更は、全果協の構
成員による協議を経た上で、全国の出荷時期区分ごとの生食用適正出荷量の範囲内
で行うことができます。
いずれの場合も、変更後の出荷時期区分ごとの生食用適正出荷量を、当初の生産
出荷目標を通知した者に順次通知する必要があります。
〇 果実計画生産推進事業
(果実計画生産推進資金の造成)
(問Ⅰ-50)
果実計画生産推進資金は、いつまでに造成すれば良いのですか。
(答)
果実計画生産推進補給金の交付は、計画的生産出荷を促進するための措置(計画
的生産出荷の指導、計画的生産の促進)を行った農協等から、果実計画生産推進事
業実績報告書とともに提出される補給金の交付申請に基づいて行われることとなっ
ています。
都道府県法人においては、農協等から補給金の交付申請が行われた後に速やかに
交付事務が行えるように、それ以前に果実計画生産推進資金を造成しておくことが
必要です。
なお、果実計画生産推進資金の造成に当たって、中央果実協会からの補助金の交
付を受けようとする場合には、負担金等による資金の造成額を証明する書類を添付
することとなっていますので、あらかじめ負担金の納付等を完了しておく必要があ
ります。
(計画的生産出荷の指導)
(問Ⅰ-51)
「計画的生産出荷の指導」の助成は、いつの経費から交付対象となるのですか。
(答)
「計画的生産出荷の指導」の補給金の交付を受けようとする農協等は、あらかじ
め果実計画生産推進計画を作成し、都道府県法人に提出する必要があります。
- 16 -
このため、補給金の交付対象は、果実計画生産推進計画を作成し、中央果実協会
の業務実施方針で定める期間内で、都道府県法人に提出した日以降となります。
(問Ⅰ-52)
「計画的生産出荷の指導」に助成される経費は何ですか。
(答)
農協等(商系集出荷事業者団体を含む。)が実施する生産出荷目標の作成、生産出
荷計画の実施状況の確認、産地指導に要する経費に対して都道府県法人から補給金
が交付されます(これに必要な果実計画生産推進資金の造成を行う場合には、都道
府県法人に対して中央果実協会が補助します。)。
計画的生産出荷指導の内容は以下のとおりです。
ただし、以下の経費であっても、農協その他定款等の定めにより営農指導が本来
の業務とされている団体の職員に係る経費は交付対象から除外することとします。
① 生産出荷目標の作成
生産出荷目標作成に必要な調査費、資料作成費、会議開催費(会議費(お弁
当代は除きます))、台帳整備費等
② 生産出荷計画の実施状況の確認
確認に要する帳簿類の作成・購入費、確認作業担当者に対する手当等
③ 産地指導
講習会開催費、啓発用パンフレット等の資料作成費、産地指導広報活動費、
指導用資材費等
なお、会議の開催にかかる旅費・謝金については、講師に対する旅費、謝金以
外のものは、認められませんのでご留意下さい。
具体的な交付条件等については、中央果実協会が業務実施方針で定めています。
実施要綱
第2の6の(1)のオ
の(ア)のa
実施要領
第1の5の(1)のイの
(ア)
生産出荷目標の作成
会議開催費
調査費
台帳整備費
資料作成費
・会議資料費、会場借料
・生産出荷実績等アンケート作成費
・台帳整備事務等の非常勤職員手当
生産出荷計画の実施
状況の確認
確認担当者手当(委嘱
手当を含む。
)
帳簿作成費
・出荷事業者の確認担当者の手当
・果樹研究同志会等の指導者等果樹
農業に ついて知見を有する者に委
嘱して実施す る場合の委嘱手当
・巡回確認用の地図作成費
・確認用資材(写真用フィルム)費
・確認用標識作成費
・車の燃料費
産地指導
講習会開催費
資料作成費
・会場借料、指導者出席旅費・謝金
・啓発用パンフレット、技術指導資料作
成費
・広報活動・指導用資材費、車の燃
料費
- 17 -
対象となるもの(例)
(問Ⅰ-53)
「計画的生産出荷の指導」の園地確認について、①パソコンの購入費又は通年リー
ス代、②農協指導員現地確認経費、③農協指導員の資料作成に伴う残業経費、を対
象とすることは可能ですか。
(答)
1 パソコン購入費又は通年リース代
パソコンは汎用性が高く事業の目的以外の利用が想定されるため、その購入に
ついては助成の対象としていません。
また、リースについては、その使用目的が計画的生産出荷の指導に限定される
ことが条件となりますが、助成対象を条件とした通年利用は想定されないことか
ら、パソコンの通年リース経費については助成の対象としていません。
2 農協指導員現地確認経費
営農指導員等は日常業務として摘果指導を行っており、「計画的生産出荷の指
導」との仕分けが困難であることから、摘果指導の交付対象経費とすることはで
きません。
3 農協指導員の資料作りに伴う残業経費
2に同じで交付の対象とすることが出来ません。
ただし、計画的生産出荷の指導のための台帳整備や資料作成等の業務を行う場合
の非常勤職員手当については、次の場合に限り交付対象とすることとします。
① 当該業務を行うことを目的として雇用された非常勤職員であって、専ら当該
業務を行う場合
② 当該業務とは別の業務を行うことを目的とし雇用されている非常勤職員が限
定的に当該業務に従事する場合にあっては、当該業務に従事した事実が明確に
証明できる場合(当該事務に従事した時間に係る手当分のみ対象)
(問Ⅰ-54)
都道府県法人の業務体制の強化やほ場確認のために委嘱した者の手当については、
助成があるのですか。
(答)
都道府県法人に対しては、中央果実協会の調査研究事業の中で、ほ場確認、出荷
実績の確認のための調査等需給安定対策の運営に必要な経費の一部に充当するため
に、都道府県推進事務費(定額)を交付することとしており、この中で、委嘱手当
についても支出できるようにしています。
(問Ⅰ-55)
巡回確認指導等の人件費は、どのような単価を用いれば良いのですか。
(答)
計画生産出荷の指導における巡回確認指導費については、原則として、
「農作業料
- 18 -
金・農業労賃に関する調査結果(全国農業会議所調べ)」における「農業臨時雇賃金
-果樹(摘果) 農山漁村地帯」の道府県ごとの「現金支払額(1時間当たり)」を
上限とし、これを超えない範囲で各道府県の実情に応じて単価を設定し、時間単位
で支払うこととします。
なお、巡回確認指導の労務管理については、作業記録簿に時間単位で記帳されな
い場合は適正な労務状況の把握が困難になり、時間単位での支払いができなくなる
ため、巡回確認指導を行う際の作業記録簿の記帳を時間単位で行い、適正な労務管
理に努めることとします。
(問Ⅰ-56)
果実計画生産推進事業における産地指導のための講習会を開催する場合、生産者
を会場まで送迎するバス代は本事業の対象となりますか。
(答)
生産者(出席者)を会場まで送迎するバス代は、出席者の旅費の一部と考えられ
ますが、本事業においては、従来から出席者の旅費を対象としていないこと、また、
本事業の目的達成に会場への送迎するバスが必要との説明は困難と考えられること
から、生産者を会場まで送迎するバス代は対象となりません。
(計画的生産の促進)
(問Ⅰ-57)
「計画的生産の促進」の助成は、いつの経費から交付対象となるのですか。
(答)
「計画的生産の促進」の補給金の交付を受けようとする農協等は、あらかじめ果
実計画生産推進計画を作成し、都道府県法人に提出する必要があります。
このため、補給金の交付対象は、果実計画生産推進計画を作成し、中央果実協会
金の業務実施規程で定める期間内で、都道府県法人に提出した日以降となります。
(問Ⅰ-58)
「計画的生産の促進」の助成の要件は何ですか。
(答)
1 通常年に行われる程度の生産量の調整の推進については、当然生産者の責任で
行うべきものであり、助成の対象とはなりません。この場合、うんしゅうみかん
の特別摘果についても同様に、助成の対象とはなりません。
2 一方、全国の予想生産量が適正生産量を原則として10%以上上回ると見込ま
れる場合には、うんしゅうみかんについては、農林水産大臣が生産出荷安定指針
を、りんごについては生産局長が生産出荷指導指針を策定し、生産量の調整を強
化することとしていますが、この場合には、全国、道府県、産地段階の生産出荷
目標に基づき、生産出荷組織又は農協等が行う通常年に実施する程度を超える全
摘果、大枝切り等の生産量の調整の取組に対して都道府県法人から補給金が交付
されます(これに必要な果実計画生産推進資金の造成を行う場合には、都道府県
- 19 -
法人に対して中央果実協会が補助します。)。
補給金の交付対象となる経費は、次のとおりとしますが、具体的な交付条件等
は中央果実協会の業務方法書実施細則のほか業務実施方針で定めることととして
います。
① 下表の作業の計画的な推進に必要な共同作業の記帳手当、作業打合せ会議
開催費及び講習会への参加費
② 3戸以上の共同で行う場合又は農協等が請負で行う場合(農協等が適当と
認めた集団等が請負で行う場合を含む。)に下表作業(改植・高接、枝別全摘
果を除く。)の実施に必要な人件費及び薬剤費等
対象とする作業
う
ん
し
ゅ
う
み
か
ん
改植・高接
作
業
の
内
容
うんしゅうみかんからうんしゅうみかんの優良品種その他の果実
への改植又は高接(ただし、普通・早生から極早生の品種に転換
する場合を除く。高接にあっては一挙更新する場合に限る。)
園地別、樹別又 園地、樹、又は半樹(2等分した樹冠のいずれか一方)ごとに全
は半樹別の全摘 く結実させないようにするためのせん定又は摘果
果
間伐・大枝切り 園地ごとに植栽されている樹の1/3以上を均等に伐採する間伐又
は全ての樹の主枝を1/3以上切除する大枝切り
枝別全摘果
園地ごとに全ての樹について結実枝と全摘果枝が交互に配置され
るようにするためのせん定又は摘果
り
ん 着果量の調整
ご
県果協が定める着果量の基準に適合するようにするための仕上げ
摘果、見直し摘果又は樹上選果
(問Ⅰ-59)
「計画的生産の促進」の助成は、具体的にはどのような経費が交付対象となるの
ですか。
(答)
交付対象となる経費は次の表のとおりとしますが、具体的な交付条件等は、中央
果実協会が業務実施規程及び業務方法書の実施細則で定めることとしています。
なお、会議の開催にかかる交通費については、摘果推進リーダー等が講習会等に
参加又は研修を受ける場合の交通費以外は認められませんので留意下さい。
また、共同又は請負作業を実施する場合には、共同作業を実施する園地とその経
営者の氏名、経費の負担方法、共同作業の内容と実施計画が記された資料、作業記
録、領収書等収支の記録、薬剤使用量が把握できる証拠書類等の必要書類を作成・
整備するとともに、確認用の写真(作業後の状態が確認できるようなもの)を残し
ておくことが必要です(ただし、都道府県法人(確認を委嘱した者を含む)、道府県
職員等の第三者が確認した園地については、写真の撮影を省略することができま
す)。
実施要綱
実施要領
- 20 -
第2の6の(1)のオ
の
(ア)のb
第1の5の(1)のイの
(イ)
共同又は請負で実施
するうんしゅうみか
んの全摘果、大枝切
り等の作業
<全摘果等の計画的な推
進>
共同作業の記帳手当
作業打合せ会議開催費
講習会への参加費
<全摘果等の実施>
作業の実施に必要な人
件費
薬剤費
対象となるもの(例)
・生産者のうち会計担当者を定め
て、作業 の出役記録、収支の記録、
精算事務を行 う場合の事務担当者
手当
・帳簿類の購入費
・作業実施計画の作成のための打合
せを行 う場合の図面の作成・購入
費、資料の作 成費等
・摘果作業等の作業研修会開催、園
地の巡 回指導を行う場合の摘果推
進リーダー等 の日当、資料作成費
・摘果推進リーダー等が講習会等に
参加又 は研修を受ける場合の交通
費、受講費
・農協等が請け負った作業を摘果グ
ループ に実施させた場合の作業手
当、3戸以上 の共同で行う場合の
作業手当
・摘果剤等の薬剤購入費(摘果剤に
混合して散布する薬剤を含む。た
だし、地域で摘果技術として有効
な方法により施用されるものに限
る。)
・機械・器具の借上料、燃料費
(問Ⅰ-60)
助成の対象となる「共同又は請負」で実施する作業は、どのような取組なのです
か。
(答)
1 次のような取組を行う場合に所要の経費を負担(助成する場合、又は直接支払
う場合を含む。)する農協等に対して補給金を交付することとしています。
① 3戸以上の生産者が責任者を定めて共同して全摘果等の作業を実施するこ
と。
② 農協等が生産者から請け負って全摘果等の作業を実施すること(生産者と雇
用契約を結んで生産者に実施させる場合、生産者の集団に委託して実施する場
合を含む。)。
③ 果樹研究同志会、摘果推進集団等が責任者を定めて請負で全摘果等の作業を
行うこと。
2 上記の取組を行う場合には、共同又は請負で取り組む単位を明確にし、その対
象とする園地、作業の種類等を勘案して、共同作業の実施計画、経費の負担方法
等を定め、これに基づいて作業を実施する必要があります。
3 なお、生産者が「共同で実施する作業」は、次の取組を行うことをいいます。
① 共同作業計画の作成と同計画に基づく作業の実施
② 作業期間中の巡回指導等の実施
③ 作業実施後の確認及び追加的な作業の指示
- 21 -
また、必要に応じて、
④ 摘果剤・関連薬剤、機械・器具等の調達
⑤ 機械施設の共同利用等
を行うこととします。
4 共同摘果の実施単位としては、適切な時期に作業の実施、園地の巡回、作業実
施後の確認等が十分に実施できるような規模とすることが必要と考えられます。
(問Ⅰ-61)
「計画的生産の促進」のうち「全摘果等の計画的な推進」はどのような取組を想
定しているのですか。
(答)
1 「全摘果等の計画的な推進」は、共同又は請負で行う特別摘果(改植・高接、園
地別、樹別又は半樹別の全摘果、間伐・大枝切り)のほか、枝別全摘果について
も対象としています。
2 また、その助成の対象となる経費は、生産者等が共同で全摘果等を実施する場
合又は生産者の集団が請負で実施する場合(農協等が生産者から請け負った作業
を委託されて実施する場合を含む。)に、その作業が計画的に実施されるように、
作業の打合せ会議、講習会への参加、共同作業の記帳等の経費としています。
なお、生産者から全摘果等の作業を請け負って農協等が直接実施する場合(生
産者の集団に委託する場合を除く。)には、当該請負作業の実施計画の作成、作業
の実施記録、精算事務を行う農協職員の賃金等の経費を対象とすることができる
ものとしています。
(問Ⅰ-62)
全摘果等の共同作業又は請負作業を行う場合の人件費はどのような単価を用いれ
ば良いのですか。
(答)
全摘果等の共同作業又は請負作業費の単価は、原則として、
「農作業料金・農業労
賃に関する調査結果(全国農業会議所調べ)」における「農業臨時雇賃金-果樹(摘
果)農山漁村地帯」の道府県ごとの「現金支払額(1時間当たり)」を上限とし、こ
れを超えない範囲で各道府県の実情に応じて単価を設定し、時間単位で支払うこと
とします。
なお、全摘果の共同作業又は請負作業の労務管理については、作業記録簿に時間
単位で記帳されない場合は適正な労務状況の把握が困難になり、時間単位での支払
いができなくなるため、全摘果の共同作業又は請負作業を行う際の作業記録簿の記
帳を時間単位で行い、適正な労務管理に努めることとします。
(問Ⅰ-63)
うんしゅうみかんの「計画的生産の促進」に係る事業に対する補給金額はどのよ
うに算定するのですか。
- 22 -
(答)
問Ⅰ-59の対象となる経費の農協等別の「計画的生産の促進」に係る補給金額の限
度は、
① 下表の対象事業ごとに実際に支出した額に交付率(推進費は10/10、実施費は
1/2を乗じた額の合計
② 下表の対象事業ごとの単価の限度額にそれぞれ実施した園地の面積を乗じた額
の合計
のいずれか低い額とします。
補給金額の限度
対象事業
単価の限度
<全摘果等の計画的な推
進>
下記の作業の計画的推進
・改植・高接
・園地別、樹別の全摘果
・半樹別の全摘果
・間伐
・大枝切り
・枝別全摘果
<全摘果の実施>
下記の作業の実施
・園地別、樹別の全摘果
・半樹別の全摘果
・間伐
・大枝切り
(注)
1,000円/ha
面積
共同又は請負による下記の
作業を実施した園地の面積
(注)の計
・改植・高接
・園地別、樹別の全摘果
・半樹別の全摘果
・間伐
・大枝切り
・枝別全摘果
・園地別又は樹別の全摘果
40,000円/ha
・半樹別の全摘果
10,000円/ha
・間伐
10,000円/ha
・大枝切り
20,000円/ha
共同又は請負による下記の
作業のそれぞれの実施した
園地の面積(注)(他の補
助事業等により国庫補助金
等が交付されるものは助成
対象面積から除く。)
・園地別、樹別の全摘果
・半樹別の全摘果
・間伐
・大枝切り
樹別又は半樹別の全摘果を園地の一部で実施した場合には、園地の面積は、次
式により換算した面積とする。
実施園地面積=全摘果を実施した園地の面積×実施本数/植栽本数
<指針が策定され、かつ、特別摘果の面積が配分された場合の補給金額の考え方>
生産量調整の実施面積
推進費の限度額の計
算上の実施園地面積
実施費の限度額の計
算上の実施園地面積
改 植
(推進費)
高
接
出
付
特別摘果面積(生産
荷目標において義務
けられるた面積)
全摘果、間 伐、大枝切り
(実施費+推進費)
- 23 -
的
特別摘果面積(自主
枝 別 全 摘 果
(推進費)
共同・請
負で実施したもの
そ の 他 の 方 法
に取り組む面積)
通常摘果実施面積
個人で実施したもの
(問Ⅰ-64)
同一ほ場において、間伐又は大枝切りを行った後、全摘果(園地別、樹別又は半
樹別)を行った場合、補給金額の限度の計算はどのように行うのですか。
(答)
補給金額の限度の計算については、40,000円/haを限度として、次のとおり行いま
す。
① 間伐又は大枝切りの後に、園地別全摘果を行った場合
園地別全摘果の単価の限度により算出した額とします。
なお、間伐における実施園地面積を算出するに当たっての植栽本数は、間伐後の
植栽本数とします。
② 間伐の後に、樹別全摘果を行った場合
次のa又はbの方法のいずれかを選択し計算を行って下さい。
a 間伐の単価の限度により算出した額に、樹別全摘果の単価の限度により算出し
た額を加算します。
ただし、この場合の樹別全摘果の実施園地面積を算出するに当たっての植栽本
数は、間伐前の植栽本数とします。
b 樹別全摘果の単価の限度により算出した額とします。
ただし、この場合の樹別全摘果の実施園地面積を算出するに当たっての植栽本
数は、間伐後の植栽本数とします。
③ 大枝切りの後に、樹別全摘果を行った場合
大枝切りの単価の限度により算出した額に、樹別全摘果の単価の限度により算出
した額を加算します。
④ 間伐の後に、半樹別全摘果を行った場合
間伐の単価の限度により算出した額に、半樹別全摘果の単価の限度により算出し
た額を加算します。
ただし、この場合の樹別全摘果又は半樹別全摘果の実施園地面積を算出するに当
たっての植栽本数は、間伐前の植栽本数とします。
(問Ⅰ-65)
りんごの「計画的生産の促進」に関する補給金の交付対象経費、補給金額の限度
等の交付条件はどうなるのですか。
(答)
りんごに係る「計画的生産の促進」のための補給金の詳細については、生産量の
調整を強化することが必要となり生産出荷指導指針が策定された場合に、具体的な
措置等について全果協等で協議することとし、その協議結果を受けて中央果実協会
の業務実施方針等に定めることとしています。
- 24 -
(問Ⅰ-66)
生産出荷計画を提出しない生産者や定められた特別摘果実施面積を実施しない生
産者の園地に係る「計画的生産の促進」の取組は助成対象とすることはできるので
すか。
(答)
原則として補給金を交付することはできません。
ただし、生産出荷計画の承認を受けていない生産者であっても、生産出荷計画を
作成し、以下の条件を満たすことが農協等により確認されている場合には、当該生
産者に係る「計画的生産の促進」の取組について、補給金の交付対象とすることが
できるものとしています。
① 産地生産出荷目標に適合していること
② 生産出荷量を調整するための措置を適切に講じることとなっていること
③ 産地生産出荷目標で定められた面積の特別摘果が実施されること
(問Ⅰ-67)
「計画的生産の促進」に必要な資金を生産者に負担させても良いですか。負担さ
せる場合にはどのように行うのですか。
(答)
計画的生産出荷の取組に助成を行う都道府県法人は、補給金の交付に必要な資金
を交付準備金として造成することとします。この交付準備金は、中央果実協会、地
方公共団体等による助成と都道府県法人の会員である農協等の事業実施者の負担金
によりあらかじめ造成することとなりますが、その場合の後者については、生産者
への賦課、生産者団体独自の負担、地方公共団体からの助成、いずれの方法によっ
てもかまいません。
〇
出荷調整(特定時期における特別出荷調整)
(問Ⅰ-68)
特別出荷調整の実施時期・期間、出荷量の産地配分等はどのように決定されるの
ですか。
(答)
需給安定対策は、生産者や生産出荷組織自ら取り組むべきもので、全果協が全国
生産出荷目標において、道府県ごとに、出荷時期区分ごとの生食用適正出荷量、特
別摘果の取り扱い、、特定時期の出荷調整における生食用適正出荷量を定めていま
す。うんしゅうみかんについては、全果協かんきつ部会、りんごについては、全果
協落葉部会りんご委員会で決定されております。
(問Ⅰ-69)
価格低迷の原因は特定時期の出荷集中とは思えません。需給安定対策の中で特別
出荷調整を行っても、価格安定の効果は少ないのではないですか。
(答)
- 25 -
うんしゅうみかん、りんごについては、計画的な生産出荷に努めた場合でも天候
の影響等により出荷の集中が起こることがあります。
特に、うんしゅうみかんでは、多くの年で11月中下旬に出荷が集中することで
需給不均衡となり、価格が大きく下落しています。
このため、特定時期の出荷量を抑制し、計画的出荷を更に推進するよう、需給安
定対策において、特定時期に出荷調整を行うこととしたところであり、このような
取組により、需給安定対策の実効性がより一層確保されると考えています。
(問Ⅰ-70)
特別出荷調整における生食用適正出荷量の設定・配分の手続きは、具体的にどの
ように行うのですか。
(答)
特定時期の出荷調整は、生産出荷組織が取りまとめる出荷計画をいかに遵守して
いくかがポイントであり、特別摘果と同様な取組を行うことを想定しています。
具体的には、全果協において、全国生産出荷目標の中に「特定時期における出荷
調整の基本的考え方」、「特定時期における生食用適正出荷量の設定方法」、「道府県
別の特定時期における生食用適正出荷量」等の具体的な事項を定め、実施すること
を想定しています。
例えば、うんしゅうみかんの場合は、①全国生産出荷目標の策定の際に特定時期
を含めて決定、②9月に、産地からの出荷計画を基に特定時期の生食用適正出荷量
を変更、③11月に、果実の品質や気象条件等を加味し、特定時期の生食用適正出
荷量を変更・確定というような手続きで、産地の出荷計画を積み上げて目標にする
ことが想定されます。
いずれにしても、生産出荷組織が自ら取り組むことが肝要です。
(問Ⅰ-71)
うんしゅうみかんは、収穫量が把握しにくい上、気象変動等で収穫量が増減し、
生産が安定しているハウス栽培においてさえも5%の収穫量の変動は珍しくなく、
まして露地栽培では、特定時期における生食用適正出荷量も簡単にオーバーするの
ではないですか。
(答)
気象変動等の影響により、やむを得ず出荷時期を前倒ししたり又は遅らせたりせ
ざるを得ない場合等については、全果協において、全国生産出荷目標の中で定める
「特別摘果及びその実施に当たっての基本的な考え方」等において、具体的な出荷
目標の変更手続きを設定することになります。
いずれにしても、気象変動等で出荷時期が変動するといったやむを得ない面があ
るとしても、全国的な視点を無視して安易に出荷時期をずらすことにより、価格の
低下を招けば、結果として産地全体として見た場合、経済的に不利になるといった
ことを十分に認識する必要があると考えています。
- 26 -
(問Ⅰ-72)
特別出荷調整における生食用適正出荷量の把握は、市場別販売数量ではなく、産
地からの出荷量で把握すべきではないですか。
(答)
出荷実績の把握方法も含め具体的な実施方法等については、全果協で決定されま
すが、生産者、生産出荷組織等の出荷数量の把握が重要であることから、全果協で
検討いただくことになります。
なお、ご指摘の点については、特定時期の出荷集中がどのように市場価格に影響
を与えるのか等を勘案の上、県果協として、全果協に対して提案いただくようお願
いします。
(問Ⅰ-73)
需給安定対策については、全国のみかん生産者が参加できる仕組みとすべきでな
いですか。
(答)
需給安定対策については、生産出荷組織自らの問題として取り組むべきもので、
生産出荷組織が主体となって取組を行っていただいているところです。系統外農家
も大半が農協の組合員であり、行政部局とも連携して一層の対策加入を推進いただ
くようお願いします。
(問Ⅰ-74)
産地市場へ出荷されるものの特別出荷調整をどのように行うのですか。
(答)
特定時期の出荷調整については、生産者団体が取りまとめる出荷計画をいかに遵
守していくかがポイントであり、どこの市場に出荷されるかではなく、生産出荷組
織の出荷量について対象に実施するものであり、産地から積み上げた出荷計画に基
づいて目標を設定し、それを遵守するような取組をお願いします。
(問Ⅰ-75)
特別出荷調整の出荷量については、生産者の直接販売等も含まれるのですか。
(答)
特定時期の出荷調整は、生産者団体が取りまとめる出荷計画をいかに遵守してい
くかがポイントであり、どこに出荷されるかではなく、生産者団体の出荷量につい
て対象に実施するものであり、産地から積み上げられた出荷計画に基づいて目標を
設定することとなりますので、生産者が直接販売する果実についても対象となりま
す。
(問Ⅰ-76)
この制度により、特定時期に出荷量の多い産地の出荷量が特に抑制されることに
ならないですか。
- 27 -
(答)
特定時期の出荷調整については、出荷集中が価格低下の大きな要因であると考え
られる時期、うんしゅうみかんでは、11月中下旬に実施することとしています。
このため、この時期に出荷量の多い産地については率先して出荷調整に取り組んで
いただくこととなります。
ただし、生産出荷組織が取りまとめる出荷計画をいかに遵守していくかが制度の
ポイントであり、全果協で産地から積み上げられた出荷計画に基づいて目標を設定
することになると考えられるので、特定時期に出荷量の多い産地だけを対象に出荷
量を抑制するものではありません。
(問Ⅰ-77)
特別出荷調整の生食用適正出荷量の遵守のため出荷量を前後の時期にずらすこと
から、効果が期待できないのではないですか。
(答)
具体的な取組については全果協で検討されることとなりますが、販売環境を十分
に勘案し、特定時期の出荷ピークを平準化することが重要と考えており、全国的な
視点を無視して安易に前後の時期にずらすだけでなく、全果協として計画出荷にい
かに取り組んでいくか、十分検討いただくことが重要と考えています。
(問Ⅰ-78)
特別出荷調整による出荷量のチェック管理に多大の事務量が発生するのではない
ですか。
(答)
特定時期の出荷調整については、生産出荷組織が取りまとめる出荷計画をいかに
遵守していくかがポイントであり、産地自ら計画的出荷への取組を行うことにより
出荷の集中を回避し、価格の安定を図ることが期待されるものであり、産地として
常日頃から計画的出荷への取組を遵守し実践していくことが重要です。
〇 加工仕向け及び長期取引契約
(問Ⅰ-79)
加工原料用果実の長期的な取引契約を推進するのはなぜですか。
(答)
需給安定対策においては、
「計画的な生産出荷」に最優先に取り組むことが基本的
に重要ですが、この際、
① 果実の選果作業の過程においては、おもて年・うら年を問わず規格外品等加工
に仕向けざるを得ない果実が発生することも現実であり、これらの果実について
は、確実に加工等に仕向け、本来の生食用果実の需給に混乱を及ぼさないように
する必要があること
このためには、これらの規格外品等が加工業者に確実に受け入れられる体制を
確保しておくことが必要であること
- 28 -
②
一方、加工業者においても採算性や安定操業を確保していくためには、おもて
年・うら年を通じて安定して加工原料が確保できる体制が必要であること
から、加工原料用果実の長期的な取引契約(いわゆる長期取引契約)の締結に努め
ることとしたものです。
(問Ⅰ-80)
加工原料用果実の長期的な取引契約の締結を推進するため、都道府県法人は、指
定果実出荷事業者及び果実加工業者に対する指導助言に努めることとされておりま
すが、具体的にどのような指導助言をすることが期待されているのですか。
(答)
都道府県法人には、例えば、果実加工業者に計画的かつ安定的に加工原料用果実
が提供されるよう、契約当事者間で協議の上、各年産の時期別(月別・旬別)の取
引計画の作成等により計画的な取引に努めるよう助言する、あるいは、果実加工業
者の経営の安定を確保する観点から、取引価格について、可能な限り一定の幅の範
囲内で設定されるよう指導する等の役割を期待しているものです。
〇 緊急需給調整特別対策
(趣旨等)
(問Ⅰ-81)
事業の趣旨、目的について説明して下さい。
(答)
うんしゅうみかん及びりんごについては、気象変動等により各産地の出荷時期が
重なり、一時的な出荷集中により販売価格の下落につながることがあります。この
ため、果樹農業振興基本方針を踏まえ、引き続き、計画生産・計画出荷等の需給安
定措置を実施することとしています。計画生産・計画出荷の取組を行ってもなお、
一時的な集中出荷がある場合、当該果実の需給及び価格の安定を図るとともに、消
費者に対して高品質果実を安定的に供給することを目的としています。
(問Ⅰ-82)
事業の内容について説明して下さい。農家への新たな価格補填ではないのですか。
(答)
本事業は、指定果実(うんしゅうみかん及びりんご)について、計画的な生産出
荷の取組を行ったにもかかわらず、一時的な出荷集中により、なお価格が低下した
場合、又は価格の低下が確実とみられる場合に、生食用果実を加工原料用に仕向け
るのに必要な経費(例:選定選果場における選果経費、一時保管経費及び選定加工
工場への輸送経費の掛かり増し経費の一部)を指定果実出荷事業者に補給金として
交付する事業であり、農家に対する価格補填ではありません。
(問Ⅰ-83)
事業の発動基準について説明して下さい。
- 29 -
(答)
計画的生産出荷の取組や緊急出荷調整の取組を実施してもなお対象期間内におい
て、全国的に当該果実の価格の低下が顕著な場合、又は大幅な価格低下が予想され
る場合に発動されます。 判断基準は、以下のとおりです。
(28年産うんしゅうみかんの場合)
極早生みかん、早生みかん、普通みかんに区分し、
(1)各県の1旬の卸売価格が過去6年の四大市場(京浜・京浜衛星・名古屋・
京阪神)の卸売価格を20%程度下回った場合
(2)全国の半旬の卸売価格が過去6年の四大市場の卸売価格を20%下回った
のいずれかに該当し、以下によりその後継続して下回ることが予想される
場合
①出荷進捗状況の的確な把握により、当初の旬別出荷計画を大幅に上回る出荷
集中が明らかなとなり、継続して価格の低下が予想される場合。
②市場での残荷状況及び市場関係者の意見等により、継続して価格の低下が予
想される場合。
(28年産りんごの場合)
四大市場の旬別平均卸売価格が、過去6年間の旬別平均価格を20%程度下回
り、以下によりその後継続して下回ることが予想される場合等
①当初の旬別出荷計画を大幅に上回る出荷集中が明らかとなり、継続して価格の
低下が予想される場合。
②市場での残荷状況及び市場関係者の価格の見通し等から、継続して価格の低下
が予想される場合。
なお、発動については、全果協が全国緊急需給調整実施方針に基づいて具体的
な実施内容を定め生産局長の承認を受けて発動します。
(問Ⅰ-84)
うんしゅうみかん、りんご以外の品目は対象とならないのですか。
(答)
うんしゅうみかん、りんご以外の品目については、事業の対象とはしていません
が、産地関係者が果実の生育状況を把握しつつ、需要に見合った生産・出荷を行い、
出荷集中が発生しないよう取り組むことが重要です。
(問Ⅰ-85)
特定の規格の果実について説明して下さい。
(答)
本事業の「特定の規格の果実」とは、選果場の選果基準に基づいて選果機等によ
る選別を確実に行い生食用仕向けを目的として選果された果実のうち価格低下の恐
れのある規格の果実としています。このため、選果された後に、本事業の対象果実
として仕分ける必要があります。
具体的な内容については、全果協が全国緊急需給調整事業実施方針において定め、
- 30 -
生産局長と協議の上決定します。
【特定の規格の果実の概念図】
〔生産者段階〕
生食用
計
基準別
選果
加
原
工
料
量
〔選定選果場〕
評
価
員
に
よ
る
確
認
選果機による
選別
市場出荷
計
箱
量
詰
加工工場
選果落ち
↑
特定の規格の果実
(問Ⅰ-86)
いわゆる選果落ち果実は本事業の対象果実となりますか。
(答)
選果落ち果実は、選果時に選別された規格外果、変形果等であり、通常は加工原
料として処理されていることから、本事業の対象果実とはなりません。
<緊急需給調整のイメージ>
A農家
B農家
…
Z農家
加工仕向
(通常原料)
加工仕向
(通常原料)
選果場
市場隔離
加工原料
用果実
生食用
生食用果実(選果基準クリア)
低品位果実
生食用
通常原料
加工工場
●月●日 ●月●日
●月●日 ●月●日
当初の用途別仕向計画
実際の仕向実績
(問Ⅰ-87)
- 31 -
市場隔離
市場
事業の対象となる者について説明して下さい。また、商系は対象となりますか。
(答)
本事業の対象となる組織は、需給調整の実効確保の観点から要綱第2の2の(3)
に規定している指定果実出荷事業者としています。具体的には県果協から生産出荷
目標の配分を受けている同事業者であれば対象となります。商系についても、指定
果実出荷事業者となっていれば対象となりますので、積極的に本事業に取り組める
ような対応を行って下さい。
(問Ⅰ-88)
事業の対象には農協の選果場以外の選果場もなりますか。
(答)
本事業は、一時的な出荷集中時に緊急的に行うものであり、事業を迅速に行うこ
とが求められること、農協の広域化が進展している産地では、場合によっては農協
が主体となるより選果場が主体となったほうがより実効性が上がることが想定され
ることから、事業の対象として、農協に限定せず選果場についても本事業の対象と
なり得ることとしていますが、選果場が主体となる場合は、指定果実出荷事業者と
して選果場が位置付けられることが可能であること、事務処理上問題が生じないこ
と等について道府県内の関係機関等の間で合意形成が図られる必要があります。
(問Ⅰ-89)
選果場と加工工場の選定について説明して下さい。
(答)
選果場と加工工場の選定は、県果協から「都道府県緊急需給調整事業実施方針」
の通知を受けた指定果実出荷事業者が作成する「産地緊急需給調整事業実施計画」
の中で位置付けることとしています。具体的には、計画に選定した選果場と加工工
場の名称、住所を記述することを考えています。
なお、選果場の選定は、
① 評価員等が各選果場で定める評価基準等に基づき、評価・仕分けすることが可
能なこと
② 選果機による規格別選果が可能なこと
が必要であり、
加工工場の選定には、指定果実出荷事業者と加工工場との調整が整っていること
等が分かる資料の添付が必要です。
(問Ⅰ-90)
都道府県緊急需給調整事業実施方針、産地緊急需給調整事業実施計画の変更は行
うことができますか。
(答)
通常、計画生産・計画出荷等が適切に実施されていれば、自ら作った方針を事業
の途中で変更しなければならない事態が生じることはないと考えています。
- 32 -
しかしながら、生果の需給環境の急変により、特別に事業の計画変更が必要と判
断される場合は方針を変更することにより対応することも考えられます。
なお、これらの変更を行う場合は、全果協が全国緊急需給調整事業実施方針で定
める対象期間前までに変更を行う必要があります。
(問Ⅰ-91)
事業の対象期間、実行期間はどのぐらいになるのですか。
(答)
本事業の対象期間(市場動向を監視する期間)は、需給動向から判断すれば、う
んしゅうみかんについては、価格の下落が見られる極早生みかん出荷時期の10月
中下旬、早生みかん出荷時期の11月中下旬を含む期間(10月から翌年の2月)、
りんごについては、価格の下落が見られるつがるの出荷時期の9月下旬、ふじの出
荷時期の11月下旬から翌年の1月を含む期間(9月から翌年の1月)が想定され
ます。
また、実行期間は、対象期間内の一定期間(1旬程度)と想定されます。
なお、具体的な内容は、全果協が生産局長と協議の上決定します。
(問Ⅰ-92)
本事業の実施と全果協が定める適正出荷量との関係について説明して下さい。
(答)
本事業は一時的な出荷集中が発生した(の恐れがある)時期に指定果実の生果の
需給均衡を図る事業であるため、本事業の実施による調整後の生食用出荷量はその
年産の作況、品種等の状況にもよりますが、全果協が定める当初の生食用適正出荷
量と同程度かそれを下回る水準の数量となるものと考えています。
なお、全果協が生産出荷目標の策定の際に定める特別出荷調整時期における生食
用適正出荷量の時期と重なった場合は、全果協が定めた数量以内となるものと考え
ています。
【緊急需給調整数量と全果協が定める適正出荷量との関係概念図】
ケース1:事業実施期間中の出荷量が当初計画量を上回った場合
出荷実績
加工仕向(通常原料)
加工仕向(通常原料)
緊急需給調整数量
生食用仕向
生果実績
→
生食用仕向
- 33 -
加工実績
出荷計画
○月△日
×月▽日
当初の用途別仕向計画
○月△日
×月▽日
実際の仕向実績
ケース2:事業実施期間中の出荷量が当初計画どおり、または下回っているにもかかわ
らず、生果の需給が縮小して価格が低落している場合
出荷実績
加工仕向(通常原料)
加工仕向(通常原料)
加工実績
出荷計画
緊急需給調整数量
生果実績
生食用仕向
→
生食用仕向
○月△日
×月▽日
当初の用途別仕向計画
○月△日
×月▽日
実際の仕向実績
(事業の発動)
(問Ⅰ-93)
本事業は、全果協が生産局長の承認を受けて発動することとなっていますが、開
始まで時間的な余裕がない場合はどうするのですか。
(答)
緊急需給調整の発動に当たっては、事前に全果協と農林水産省との間で十分に調
整する必要があると考えています。現場においても関係者が連携を密にして本事業
を実施して下さい。
(問Ⅰ-94)
通常の加工原料果実が本対策の対象果実に横流れする恐れはありませんか。
(答)
本事業における対象果実は、果実需給安定対策における加工原料用適正出荷量(通
常原料)とは別のものであり、指定果実出荷事業者があらかじめ生果用として選別
した果実を加工用に仕向けることとしていることから、農家の庭先での選別が一般
的である通常の加工用原料果実が本事業の対象になることはないと考えています。
(問Ⅰ-95)
選果場を実際に経由したもののみが本対策の対象果実となるのですか。また、事
業開始後もわざわざ選果場に運ぶ必要がありますか。
- 34 -
(答)
本事業の対象果実と通常の原料果実を明確に区別するためには、生果であること
を確実に担保する必要があると考えており、選果場を経由することが必須要件にな
ります。
(問Ⅰ-96)
発動されても加工工場が操業していない場合はどうなるのですか。
(答)
加工工場の選定は、本事業が実施された場合の生果の引取りについて、当該加工
工場が了承することを前提として選定することとしていますので、発動時に引取り
がないということは実際にはあり得ないものと思われます。
なお、事業実施時の生果の引取り等に当たっては、あらかじめ指定果実出荷事業
者等と当該加工工場との間で連絡を密にしておくことが重要です。
(問Ⅰ-97)
緊急需給調整発動通知で定めた実行数量を超えて事業を実施した場合は、補助の
対象となりますか。
(答)
緊急需給調整発動通知で定めた実行数量を超えて事業を実施した場合、超えた数
量については補助の対象とはなりません。
(問Ⅰ-98)
県果協が定めた緊急需給調整発動通知により配分された各指定果実出荷事業者の
実行数量を超えて加工に仕向けた場合、各指定果実出荷事業者の実績の積み上げが
当該県の道府県別の実行数量の範囲内で、しかも全国段階の実績の積み上げも発動
通知の実行数量の範囲内であれば、配分された実行数量を超えて加工に仕向けた分
についても当該指定果実出荷事業者に対して実績に応じた補助金が交付されますか。
(答)
指定果実出荷事業者に対する補助金の交付については、あくまでも県果協が定め
た緊急需給調整発動通知において配分された実行数量の範囲内で、その実績に応じ
て交付されます。これは、指定果実出荷事業者の上位段階の実績が実行数量の範囲
内か否かに関わりません。
(問Ⅰ-99)
加工工場との数量契約はどう行えばよいのですか。
(答)
指定果実出荷事業者が定める産地緊急需給調整事業計画において、加工工場を選
定する際は、受け入れ態勢を整えることが重要と考えていることから、あらかじめ
対象期間内で加工工場が受け入れ可能な数量を概数で取り決めていただくことにな
ります。また、実際に事業を実施する場合は、指定果実出荷事業者と加工工場の間
- 35 -
で具体的な受け入れ数量を決めていただくことになります。
(問Ⅰ-100)
本事業の対象は果汁仕向けだけなのですか。缶詰への仕向けはできないのですか。
(答)
本事業は一時的な出荷集中が発生した(の恐れがある)時期に指定果実の生果の
需給均衡を図る事業であるため、缶詰への仕向でも差し支えないと考えています。
ただし、指定果実出荷事業者と缶詰工場との間で本事業が実施された場合の生果
の引取りについて、当該缶詰工場が了承していることが前提です。
(問Ⅰ-101)
本事業の対象果実となる果実は、事業最終日に加工されていなければなりません
か。
(答)
本事業の対象果実は、最終日までに選果場において事業対象果実として加工に仕
向けられた果実となります。
具体的には、事業最終日までに加工されたものの他、加工工場に搬入されたもの
の加工には至らなかったもの、選果場で事業対象用に仕向けられたものの加工工場
搬入に至らなかったものも事業対象果実となります。
なお、事業最終日を過ぎても加工に至らなかった事業対象果実については、選果
場と加工工場との間で連絡を取り合い、確実に加工される必要があります。
(緊急需給調整資金)
(問Ⅰ-102)
緊急需給調整資金の造成はいつ頃になりますか。
(答)
本事業の実施に必要な経費はあらかじめ緊急需給調整資金として造成されていな
ければなりません。
したがって、産地事業実施計画の承認から全果協の定めた対象期間前までに、指
定果実出荷事業者からの負担金と道府県等からの(補助が可能であれば)助成によ
り造成を行う必要があります。
(問Ⅰ-103)
本事業で緊急需給調整資金を造成する理由について説明して下さい。
(答)
本事業は緊急に生果の市場隔離を行うという性格を有しているため、
① 補助事業の事業量に当たる実行数量が事業実施の開始直前まで明らかになら
ないこと
② 事業開始期間の決定から実際の開始までの時間的余裕がなく、かつ事業がき
わめて短期間に実施されること
- 36 -
等から通常の補助事業の手続きを経ていては、これを緊急に実施することが不可能
であることから、緊急需給調整資金としてあらかじめ造成し、実際の事業の実施実
績に応じ補助金を交付することができるようにしたものです。
(問Ⅰ-104)
緊急需給調整資金の国庫以外の県内負担について、道府県と生産者等の間での負
担割合はありますか。また、他の事業ではどうですか。
(答)
前対策の需給調整・経営安定対策でも県等の負担割合は義務づけておらず、本対
策での義務づけは困難と考えています。県の負担を本事業実施の前提条件とする考
えはありませんが、可能な限り、県には1/4程度の負担をお願いしたいと考えていま
す。
(問Ⅰ-105)
緊急需給調整資金を造成する場合、系統だけを対象とするのですか。商系も含め
なければなりませんか。
(答)
緊急需給調整資金の造成に伴う負担金は、指定果実出荷事業者が負担することと
しており、本事業は商系を含め一体的に実施した方が効果的に行われることから、
商系からの負担も求める必要があると考えています。
(問Ⅰ-106)
指定果実出荷事業者からの負担金は生産者から拠出してもらう必要があります
か。
(答)
指定果実出荷事業者からの負担金の捻出方法までは定めていません。捻出方法に
ついては、各指定果実出荷事業者と生産者の間で決めることになります。指定果実
出荷事業者内の生産者すべてと合意形成が図られれば、生産者から拠出してもらう
ことは可能と考えています。
(問Ⅰ-107)
緊急需給調整資金を満額造成できない場合はどうなりますか。
(答)
産地の実情に応じた緊急需給調整資金の造成が肝要と考えます。
ただし、本事業は、全果協が行う出荷調整対策の一環として、実施されるもので
あり、各県果協は出荷量等に応じて出荷調整に協力することになります。このため
の場合の本事業の補助金交付額はあくまでも緊急需給調整資金として造成された額
の範囲内となります。
(問Ⅰ-108)
- 37 -
全果協が行う配分数量に対して、緊急需給調整資金を満額造成できなかった県は
どのように協力するのですか。
(答)
緊急需給調整特別対策事業は、全果協が生果の需給均衡化のために行う出荷調整
対策の一環として、生果の加工仕向を促進する事業として位置づけられています。
出荷調整対策は全国規模で効果的に実施される必要がありますので、各県果協は緊
急需給調整資金造成のいかんに関わらずこの出荷調整に協力することが肝要です。
実行数量は、各道府県の出荷量等に基づいて割り当てられることから、緊急需給
調整資金を満額造成できなかった道府県については、造成した緊急需給調整資金に
よる実行数量を超えて出荷調整に協力いただく可能性があります。この場合の超過
した数量については、本事業の補助の対象とならないことは言うまでもありません。
(問Ⅰ-109)
発動の時期は概ね11月~12月上旬の一定時期と思われますが、この時期の出
荷がなかったり、極端に出荷量が少なくても緊急需給調整資金は造成しなくてはな
らないのですか。
(答)
気象条件の影響による出荷時期の変動も考慮すれば、緊急需給調整資金を造成す
ることが望ましいと思われますので、本事業の創設の背景、趣旨等を十分に理解し
た上で対応を決定いただく必要があります。
(問Ⅰ-110)
緊急需給調整資金の利息の取扱いはどうなるのですか。
(答)
緊急需給調整資金の造成により発生する利息については、使途の制限等はありま
せん。
(問Ⅰ-111)
都道府県別対象数量は増やすことは可能ですか。また、緊急需給調整資金の年度
途中での増額・減額の変更はあり得るのですか。
(答)
通常、計画生産・計画出荷等が適切に実施されていれば、自ら作った方針を事業
の途中で変更しなければならない事態が生じることはないと考えています。
しかしながら、生果の需給環境の急変により、特別に事業の計画変更が必要と判
断される場合は方針を変更することにより対応することも考えられます。
なお、都道府県緊急需給調整事業実施方針、産地緊急需給調整事業実施計画の変
更を行うことは可能と考えていますが、全果協が全国緊急需給調整事業実施方針で
定める対象期間の前までに変更を行う必要があります。
(その他)
- 38 -
(問Ⅰ-112)
緊急需給調整資金を造成していない全果協かんきつ部会、落葉果樹部会りんご委
員会の会員は、本事業の実施に協力する必要がありますか。
(答)
本事業は、需給安定対策の一環として、全果協が生果の市場出荷調整を全国的に
実施するものです。
したがって、全果協傘下の県果協等は、緊急需給調整資金の造成をしていない場
合であっても、生果の加工仕向の促進、出荷時期の調整等を行うことにより、事業
実施期間中の生果出荷量が計画数量を上回ることのないよう協力する必要がありま
す。
(問Ⅰ-113)
生果を加工原料用に仕向けたことの確認は、どう行うのですか。
(答)
生果を加工原料用に仕向けたことの確認については、実績の確認が行えるように
するため、本事業の対象となる果実であることが分かるように出荷伝票、荷受伝票
を作成いただく必要があります。
(問Ⅰ-114)
本事業については、総出荷量及び生食用出荷量が適正出荷量及び生食用適正出荷
量の範囲内であることが事業要件になっていますが、出荷量が確定し要件を満たし
ていることを確認してから、この事業の補助金交付に係る手続きを進めるというこ
とですか。
(答)
この事業においては、総出荷量及び生食用出荷量が適正出荷量及び生食用適正出
荷量の範囲内であることを確認した上で、補助金を交付することとしています。
- 39 -
(未定稿:平成28年12月)
果樹農業好循環形成総合対策
Ⅱ
Q&A
果樹経営支援対策事業
は
じ
め
に
このQ&Aは、農林水産省が所管する果樹農業好循環形成総合対策に係るものです。
<留意事項>
以下のものに収録されているQ&Aについては、今回の改正に伴い廃止します。
・果樹経営支援対策のQ&A(平成27年11月)(未定稿)
・果実等生産出荷安定対策の手引き(平成 25 年7月
公益財団法人中央果実協会)
<関係規定集>
果樹農業好循環形成総合対策関係規定集(平成28年4月
公益財団法人中央果実協会)
(果樹農業好循環形成総合対策に関係する通知等を収録)
目
次
〇
趣旨等全般
・・・・・
1
〇
整備事業(産地計画、計画面積、対象園地、支援対象者、手続き、施行方法等)
(産地計画等全般)
・・・・・
3
(計画面積関係)
・・・・・
6
(対象園地等)
・・・・・
8
(手続き、施行方法等)
・・・・・
10
〇
整備事業(優良品目・品種への転換)
・・・・・
13
〇
整備事業(小規模園地整備等)
・・・・・
23
〇
整備事業(廃園)
・・・・・
25
〇
整備事業(用水・かん水施設の整備)
・・・・・
26
〇
整備事業(本会特認事業)
・・・・・
28
〇
新植
・・・・・
30
〇
整備事業(確認関係)
・・・・・
38
〇
他事業等との調整
・・・・・
40
〇
産地構造改革ポイント
・・・・・
40
〇
推進事業
・・・・・
41
〇
推進事務費
・・・・・
49
〇
消費税関係、帳簿等の保管整備
・・・・・
49
〇
税制・年金関係
・・・・・
51
〇
整備事業(農地中間管理機構を活用した改植等)
・・・・・
53
〇
整備事業(補植改植)
・・・・・
56
〇
整備事業(自然災害・キウイフルーツかいよう病の新系統関係) ・・・・・ 58
Ⅱ
果樹経営支援対策
○ 趣旨等全般
(問Ⅱ-1)
果樹経営支援対策事業の趣旨及び果樹産地構造改革計画との関係について、説明し
てください。
(答)
果樹農業については、高齢化の進展や園地整備の遅れ等から生産基盤の脆弱化が進ん
でおり、このままでは将来経営者数及び栽培面積が大幅に減少することが懸念されるな
ど危機的な状況となっています。
このような中で、我が国の果樹農業の継続・発展を図るためには、産地自らが目指す
べき具体的な姿とそれを実現するための戦略を明確にした果樹産地構造改革計画(以下
「産地計画」という。)を策定し、これに基づき産地の構造改革を早急に進め、競争力
のある産地を構築する必要があります。
平成19年度から開始した果樹経営支援対策事業(以下「本対策」という。)は、産地計
画に基づき構造改革に積極的に取り組む産地・担い手を支援することにより、果樹産地
の構造改革の加速化を図ろうとするものです。
このため、本対策は、第11次果樹農業振興基本方針(平成27年4月)に基づき産地
計画を策定した産地を支援対象として「果樹農業好循環形成総合対策等実施要綱(12生
産第2774号平成13年4月11日農林水産事務次官依命通知)」
(以下「要綱」という。)及び
「果樹農業好循環形成総合対策等実施要領(12生産第2775号平成13年4月11日農林水産
省生産局長通知)」(以下「要領」という。)に基づいて実施することとしています。
(問Ⅱ-2)
都道府県法人が設置されていない都道府県で本対策の実施は可能ですか。
(答)
都道府県法人が設置されていない都道府県にあっては、当該都道府県の区域を地区と
する都道府県農業協同組合連合会その他の中央果実協会(以下「本会」という。)が本
対策を適切に実施できる者と認める団体(以下、都道府県法人と併せて「都道府県法人
等」という。)が、本対策の事業実施者となることができます。
(問Ⅱ-3)
本対策における、都道府県の役割は何ですか。
(答)
都道府県は、本対策の円滑な実施のため都道府県法人等と連携して、産地協議会に対
し必要な指導・助言を行うこととしています。また、都道府県法人等から、事業実施計
画(以下「実施計画」という。)の協議を受けて、都道府県果樹農業振興計画及び産地
計画との整合性等を審査することとしています。
(問Ⅱ-4)
- 1 -
都道府県段階の指導体制の考え方について、説明してください。
(答)
本対策においては、整備事業や推進事業にかかる審査業務に関する調整等の業務が付
随することから、都道府県、都道府県法人等及び産地協議会が協力・分担する体制を整
備し、事業推進の円滑化を図る必要があります。
このため、都道府県段階では、例えば、 都道府県と都道府県法人等が共同で本対策
に係る審査・確認等を行う協議会等を設置する、あるいは、あらかじめ都道府県法人等
が都道府県に審査・確認事務の依頼を行うなどの方法により審査・確認等を行う体制を
整備していただくこととしています。
この場合、各都道府県の実情に応じて役割を分担し、産地協議会の確認結果のチェッ
クや実施計画・実績報告の審査(必要に応じ現地確認)、都道府県果樹農業振興計画と
の整合、産地計画との整合、各種計画の関係機関との調整等を行っていただき、事業の
円滑な推進に支障のないよう配慮することが必要です。
なお、体制整備については、各都道府県ごとの事情が異なっていますので、本対策が
円滑に推進されるよう地域の実情に応じた形で整備していただいて結構です。
(問Ⅱ-5)
本対策における市町村の役割は何ですか。
(答)
市町村は、産地計画策定主体である産地協議会の構成員であり、都道府県とともに、
果樹産地の構造改革に資する観点から、産地協議会等に対し必要な指導・助言を行うと
ともに、生産出荷団体等他の構成員と協力して本対策の整備事業(以下「整備事業」と
いう。)にかかる事前・事後確認等を実施することとしています。
(問Ⅱ-6)
本対策における、産地段階の指導体制の考え方について、説明してください。
(答)
整備事業や推進事業にかかる審査業務に関する調整等の業務が付随することから、都
道府県、都道府県法人等及び産地協議会が協力・分担する体制を整備し、事業推進の円
滑化を図る必要があります。
このため、産地段階では、産地協議会の主たる構成員である市町村、生産出荷団体が
協力して、本対策の推進指導を行っていただきたいと考えています。
この場合、産地の実情に応じて役割分担の上、
① 生産出荷団体は、実施計画書及び実績報告書を産地協議会を経由して都道府県法
人等に提出
② 産地協議会は都道府県法人等への提出前に、整備事業について事前確認又は事後
確認(園地における現地確認を含む。)
③ この際、産地協議会は、事前確認、事後確認を通じて、支援対象者への指導及び
都道府県法人等との調整等を行っていただく必要があります。
- 2 -
〇
整備事業 (産地計画、計画面積、対象園地、支援対象者、手続き、施行方法等)
(主に、産地計画等全般)
(問Ⅱ-7)
整備事業は、農業振興地域の農用地区域外である市街化区域は対象とならないので
すか。
(答)
市街化区域は、都市計画法で「すでに市街地を形成している区域及びおおむね十年以
内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」であること、また、農業振興地域の整
備に関する法律(農振法)における農用地区域と果樹産地構造改革計画における「維持
する園地」との整合が図られていることが必要であることから、生産緑地法第3条に基
づく生産緑地地区を除き、原則として本事業の実施はできません。
ただし、農業振興地域の農用地区域内及び生産緑地地区に植栽する面積に見合う廃園
及び移動改植の改植元園地については、農業振興地域の農用地区域外の場合も対象とで
きる場合がありますので産地協議会にご相談ください。
(問Ⅱ-8)
整備事業については、農業振興地域内の農用地区域外では実施はできないのですか。
(答)
担い手の方が意欲的に農業振興地域内の農用地区域外で果樹を栽培して改植を実施し
たい場合には、当該市町村の農業振興地域制度を担当している部署に農用地区域に編入
についてご相談ください。編入が確実と判断された場合には事業を実施することができ
ますが、事業が終了するまでに農用地区域へ編入されていることが必要です。
(問Ⅱ-9)
整備事業を行う場合、都道府県の果樹農業振興計画(果振計画)に記載されていな
い品目・品種を、産地計画において生産を振興する品目・品種(以下「優良品目・品
種」という。)に位置づけてもよいですか。
(答)
農林水産省では、以下のように指導しています。
産地計画では、当該産地で生産を振興する品目・品種(優良品目・品種)を定めるこ
ととしていますが、原則として、都道府県の果振計画において振興品目等として位置付
けられていることが必要です。果振計画で位置付けられていない品目を産地計画に位置
づける場合には、現行の果振計画の更新時に当該品目を盛り込むことについて事前に都
道府県や県果協と調整し、文書で記録に残すよう留意して下さい。
一方、品種についても、基本的な考え方は同じですが、果振計画に奨励品種等の位置
づけがない場合については、産地計画に品種ごとの振興方針を示すことは可能です。
(果
振計画に明示されていない品種を振興対象として承認した場合は、現行の果振計画の更
新時に当該品種を明記していただくことが望ましいと考えます。)
(問Ⅱ-10)
- 3 -
強い農業づくり交付金において受益農家数の要件はありますが、整備事業には受益
農家戸数要件はありますか。
(答)
整備事業については、産地計画に担い手として位置づけらている担い手(以下「支援
対象者」という。)であれば、個人1戸でも、共同して複数戸でも、あるいは農業生産
法人等であっても事業を実施できます。ただし、用水・かん水施設の整備のうち簡易な
ボーリングについては、受益者のリスク回避や経費削減及び費用対効果等の観点から原
則受益戸数(支援対象者)5戸以上が必要となっています。
※簡易なボーリングについては、例外的に認めていることに留意してください。(問
Ⅱ-106)
(問Ⅱ-11)
うんしゅうみかん及びりんご(以下「指定果実」という。)を対象とした整備事業
を実施する場合において、農協系統の生産出荷団体に所属していない個人の場合は、
どのようにして生産出荷目標を配分すればいいのですか。
(答)
生産出荷団体に所属していない個人(系統外出荷者や組合員でない農業者)が本対策を
実施する場合、適正生産出荷目標の配分要件に該当するときは、県果協が当該個人へ直
接配分する方法、JA等生産出荷団体が当該個人の分まで配分する方法が考えられます
が、可能な方法により当該個人に配分を行ってください。
なお、配分は過去の実績に応じて行っている場合が多いことから、整備事業の実施を
希望される個人に対し、生産出荷実績や配分を受ける必要性等についてよく説明を行っ
てください。
(問Ⅱ-12)
生産出荷目標の配分を受けていない都道府県における個人は、整備事業の支援対象
者に該当しますか。
(答)
生産出荷目標の配分を受けていない都道府県における個人であっても、産地計画に担
い手として位置づけられていれば、支援対象に該当します。
(問Ⅱ-13)
整備事業における「支援対象者」について、本会が特に必要と認める者(以下「特
認団体」という。)はどのようなものを想定しているのですか。
また、特認団体が改植を実施する場合は、実施後二年以内に担い手に集積される
ことが確実な園地であることが必要とのことですが、二年以内とされた理由を説明
してください。
(答)
特認団体については、例えば農協等生産出荷団体が改植等を実施し、そののち担い手
に集積するケースを想定したものです。特認団体が改植等を実施する場合は、園地集積
- 4 -
の手続きの所要期間が必要であることを考慮して「二年以内に担い手に集積されること
が確実であること」とするものです。
なお、期限までに集積されなければ、補助金返還の対象になります。
(問Ⅱ-14)
農地中間管理機構が改植等を実施するためには、産地計画上、担い手に位置づける
必要はありますか。
(答)
農地中間管理機構は、要領に整備事業の支援対象者として明記されていることから、
改めて位置づける必要はありません。
(問Ⅱ-15)
産地協議会は、農地中間管理機構と連携を図るとありますが、具体的には、どの
ようなことを行う必要がありますか。
(答)
産地協議会と農地中間管理機構(以下、機構とする。)との情報の共有化を進め、産
地単位を超えて、広域的にマッチング活動を強化する等、より密接した活動体制を構築
する必要があるため、先般、「果樹産地構造改革計画について(平成17年3月25日付け
16生産第8112号)」が一部改正され、産地協議会の構成員に原則として農地中間管理機
構が追加されました。また、経営局農地政策課長及び生産局園芸作物課長による連名通
知(
「果樹園値の担い手への集積と改植等の促進について(平成28年8月22日付け28経
営第1265号、28生産第863号)」において、産地協議会と機構とが連携した果樹園地の集
積の取組の推進方針が示されましたので、基本的にはこれらに基づき取組を進めていた
だくことになります。
具体的には、産地協議会への機構の参画、産地協議会における農業者情報の整理、
機構が行うマッチング等利用調整活動や受け手の希望を踏まえた新植・改植や園地整備
の実施に係る協力等があげられます。
(問Ⅱ-16)
「整備事業の実施後一年以内に担い手に集積されることが確実な果樹園」とはどの
ような状態ですか。
(答)
産地計画に位置づけられた担い手が、1年以内のうちに、産地計画に参画している生
産者(所有者)から所有権若しくは賃借権を取得すること、又は生産者(所有者)と果
実の生産を行うために必要となる基幹的な作業を受託する契約
(継続して8年以上の期
間を有するものに限る。)を締結することが確実な場合です。
(問Ⅱ-17)
「一年以内に担い手に集積される果樹園」として整備事業を実施し、受け手の担い
手が止むを得ない事情で当該果樹園の経営を中断しようとする場合、補助金返還とな
- 5 -
るのですか。
(答)
事業実施後8年間を経過しない間は受け手の担い手が当該果樹園の経営を中断しない
ようまず指導してください。それでもやむを得ず担い手が経営を中断するに至った場合
には、当該果樹園の経営を引き継ぐ新たな担い手を探し出すよう指導することが原則で
す。新たな担い手が見つからず、経営を中断した場合は、補助金返還の対象になりえる
と考えます。
(主に、計画面積関係)
(問Ⅱ-18)
整備事業において、改植・高接、廃園、土壌土層改良、特認植栽又は新植を行う場
合にあっては、実施面積が1ヶ所当たり地続きでおおむね2アール以上、園内道の整
備、傾斜の緩和、排水路の整備、用水・かん水施設の整備を実施する場合にあっては、
受益面積が1ヶ所当たり地続きでおおむね10アール以上とありますが、2アール又は
10アール未満の果樹園を数カ所集めておおむね2アール又は10アール以上としてもよ
いのですか。
(答)
産地計画において生産を振興する品目・品種(優良品目・品種)、あるいは新植の対
象と位置づけられた品目・品種の実施面積又は受益面積が1ヶ所当たり地続きでおおむ
ね2アール又は10アール以上の場合が対象です。
(問Ⅱ-19)
整備事業を実施する場合、複数の品目・品種が混植されている果樹園で、それぞれ
の優良品目・品種の植栽面積がおおむね2アール又はおおむね10アール未満ですが、
あわせて2アール又は10アール以上である場合はどのような扱いとなりますか。
(答)
一果樹園において、地続きで合計2アール又は10アール以上、植栽されていれば補助
対象となります。この場合、全ての品目・品種が優良品目・品種であることが必要です。
ただし、同一品種への改植は補助対象外ですので、同一品種への改植部分があれば対
象面積から除いた地続き面積が基準の面積に達した場合申請できます。
(問Ⅱ-20)
整備事業を実施する場合、道路や河川で区切られた土地を地続きと見なしてよいで
すか。
(答)
道路管理者や河川管理者が市町村長以上の道路や河川で区切られた土地については、
地続きと見なすことはできません。
(問Ⅱ-21)
整備事業において、地続きの広い果樹園が分筆されている場合、当該園地を一園地
- 6 -
とみなして実施計画を作成して良いですか。
(答)
栽培の状況(品目・品種)及び転換等の態様(品目・品種、改植・高接ぎ)が同一で
あれば、実施計画において一園地として扱っても差し支えありません。この場合、一園
地の内訳が分るようにしてください。
(問Ⅱ-22)
整備事業の対象果樹園の計画面積は、どのように算出するのですか。
(答)
整備事業における対象果樹園計画面積は、本地面積とし、けい畔・法面等果樹が植栽
されていない面積は含まないものとします。
ただし、けい畔・法面等であっても樹冠が連続して覆っているものの面積は対象果樹
園に含まれることとします。
具体的には面積の算出は、次に掲げる方法により行うものとし、極力、既存資料を活
用することとし、既存資料で把握が困難な場合に実測を行うなど、効率的に面積の算出
を行ってください。
(1) 国土調査結果、土地登記簿、固定資産課税台帳及び果樹共済加入申込書のうち当該
果樹園面積を表すのに最も最適であると判断されるもの、又は既存の実測結果(測量
士又は測量士補による計測結果をいう)。
(2) 面積が確認されている果樹園の一部を区分して転換等を実施する場合で、当該園地
の全体におおむね一定間隔で樹が植栽されていると認められる場合にあっては、当該
果樹園の面積に伐採率を乗じて得た面積。
(3) (1)又は(2)により得られない場合にあっては、当該果樹園の実情に照らし適切と認
める方法による実測結果。
(問Ⅱ-23)
「整備事業における対象果樹園の計画面積は、本地面積とし、けい畔・法面等果樹
が植栽されていない面積は含まない」とのことですが、登記簿等でけい畔・法面も
含んだ面積として整理されている場合は、どのように本地面積を計算するのですか。
(答)
けい畔の状況がおおむね類似している地域ごとに、次のいずれかにより推計したけい
畔率を用いてけい畔面積を算出し、これを登記簿等に記載された面積から差し引いて計
算することとします。
(1) 対象果樹園を抽出、実測して求めた平均けい畔率
(2) 図面上の計測により求めた平均けい畔率(ほ場整備事業完了地区等果樹園の区画
が整理されている地域に限る)
(問Ⅱ-24)
整備事業における計画面積算出のため、どのように実測を行うのですか。また、面
積の測量方法として、斜距離で良いのですか。
- 7 -
(答)
巻尺などで果樹園の外周及び対角線を測定し、計算した面積で良いこととしていま
す。また、斜距離ではなく、投影面積とします。GPS測定器等を活用し効率的に測量
してください。
(問Ⅱ-25)
整備事業の計画面積について、実際の果樹園面積が土地登記簿の面積とかなり異な
る場合はどうするのですか。
(答)
実測することになります。
(問Ⅱ-26)
整備事業の計画面積について、国土調査の測量が終わっただけで登記されていませ
んが、この結果は使えますか。
(答)
資料が入手できれば使用しても差し支えありません。
(問Ⅱ-27)
整備事業の計画面積について、市町村職員が実測しても良いのですか。
(答)
差し支えありません。産地協議会、生産出荷団体と協力して行ってください。
(問Ⅱ-28)
整備事業の計画面積の上限はありますか。
(答)
整備事業は、担い手を対象とした小規模な園地の整備を想定しているため、要領等に
は計画面積の上限を明記していませんが、強い農業づくり交付金と同様、農村振興局所
管の旧畑地帯総合整備事業の下限面積5ヘクタール未満を対象と考えています。
(主に、対象園地等)
(問Ⅱ-29)
整備事業の対象果樹園はどのような果樹園ですか。また、放任園等は、整備事業の
対象となりますか。
(答)
整備事業においては事業実施年度まで過去5年以上(直近5年以上)、毎年度、当該
地域の農業協同組合、普及指導センター等が定めた栽培指導指針等に即して、施肥、防
除等の栽培管理が行われ、更に結果樹園にあっては収穫の作業が行われている果樹園を
事業対象としています。農地中間管理機構が整備事業を実施する果樹園、産地協議会が
必要と認める果樹園、又は新植を行う土地、移動改植先の土地、廃園見合いの改植先の
土地にあってはこの限りではありません。
- 8 -
(問Ⅱ-30)
管理不良となっている放任園について、産地協議会が必要と判断すれば整備事業の
実施を可能としておりますがどのような判断基準で考えればよろしいですか。
(答)
①当該放任園に現に植栽されている品目・品種が確認できること、②栽植密度が基準を
満たしていること、③長期的な栽培の中断でないこと(不測の事態による一時的な栽培
の中断であること)、④今後、担い手が適切に栽培管理しうること、⑤産地として維持
すべき園地に該当すると認められることを基準にして判断していただきたい。
(問Ⅱ-31)
管理不良になっている放任園について、農地中間管理機構による改植を実施可能と
していますが、どのような判断基準で考えればよろしいでしょうか。
(答)
以下の基準を満たしていれば、改植の対象になります。
①当該放任園に現に植栽されている品目・品種が確認できること、②栽植密度が基準
を満たしていること。
(問Ⅱ-32)
気象災害等により収穫ができなかった果樹園でも整備事業の対象となりますか。
(答)
台風や火山灰の降下等の災害によって、収穫ができなかった果樹園でも、営農する意
志があると認められた場合(例えば、果樹共済に加入していること、地域の果樹栽培指
針に即して管理していること等)は、当該果樹園について整備事業の対象となります。
(問Ⅱ-33)
整備事業の対象となる果樹園は、
「通常の植栽密度を有していると認められること」
とありますが、基準となる数値はありますか。
(答)
植栽密度は土地条件等により左右されるものであることから、全国一律の基準を定め
ることが適当とは考えていません。
当該都道府県の関係機関等が定めた栽培指導指針等を参考にしてください。
(問Ⅱ-34)
賃借している果樹園についても整備事業の対象になりますか。
(答)
賃借している場合でも対象になります。産地計画に位置づけられている担い手が土地
所有者から果樹園を賃借した上で事業を実施することも、産地計画に参画している(所
有者である)生産者が一定の要件のもとで事業を実施し担い手に賃貸することも可能で
す。
- 9 -
(問Ⅱ-35)
整備事業において、賃借している果樹園について補助金の交付対象者(支援対象者)
は誰になりますか。
(答)
ケースバイケースの対応になります。土地所有者と借受者の両者の話し合いにより支
援対象者を決めて下さい。
なお、借受者が整備事業を実施する場合は、両者の了解事項を明確に文書等で作成・
保存しておいてください。
(問Ⅱ-36)
整備事業において、共有の果樹園を区切って栽培している所では、補助金の交付対
象者(支援対象者)は誰になりますか。
(答)
当事者の話し合いによって決めることになります。支援対象者は、他の共有者との了
解事項を明確に文書等作成・保存しておいてください。
(問Ⅱ-37)
産地計画に担い手として位置づけられていない者が、その後、担い手の要件に合致
するに至った場合は、整備事業における支援対象者になりますか。
(答)
産地協議会において、産地計画における担い手に該当するかを確認の上、担い手リス
ト等に追加されれば整備事業の支援対象者になります。なお、この場合には、特段の事
情がない限り、当該事業実施の完了までにリスト等に追加していただく必要がありま
す。
(問Ⅱ-38)
整備事業の実施計画を提出する際、産地計画には担い手の全員の名簿リストを添付
する必要がありますか。
(答)
担い手のリストを提出する必要はありませんが、担い手リスト等により、当該支援対
象者が担い手であるかどうか確認をしてください。
(主に、手続き、施行方法等)
(問Ⅱ-39)
整備事業において、実施計画の承認後に計画の変更が生じた場合、計画変更や交付
決定の変更の手続きは必要ですか。
(答)
支援対象者が提出した実施計画の変更の承認又は協議を要する場合は、支援対象者の
変更、事業の取り止め、事業量又は事業費の30%以上の増加等です。これらに該当す
- 10 -
る場合には、支援対象者と生産出荷団体、生産出荷団体と都道府県法人等との間で、変
更計画の申請・承認手続きが必要となります。
しかし、本会と都道府県法人等との間での計画変更の手続きを要する場合は、都道府
県総括表における事業費又は補助金の総額の30%以上の増加、整備事業に掲げる事業
メニューの中止に限られています。
また、交付決定の変更については、果樹経営支援対策事業又は果樹未収益期間支援事
業のいずれかの補助金の額が交付決定額を1円でも上回る場合は、支援対象者、生産出
荷団体、都道府県法人等、本会の各々の間で、変更の手続が必要です。
これ以外の場合であっても、補助金支払時のトラブルを防ぐためには、支援対象者、
生産出荷団体、都道府県法人等の各々の間で事業内容、品種、事業費等の変更について
把握に努めてください。
(問Ⅱ-40)
整備事業において、支援対象者が生産者団体に補助金の交付手続きに係る事務委任
を行う場合、委任状は毎年提出する必要がありますか。また、農協総会の議決は必要
ですか。
(答)
毎年度委任を行う必要があります。委任状があれば農協総会の議決は必要ありません
(総会の議決だけでは委任状に替えることができません)。
(問Ⅱ-41)
整備事業を実施する場合の施工方法等について教えてください。
(答)
整備事業を実施する場合、直営施工、委託施工又は請負施工のいずれかにより行うこ
ととします。
なお、整備事業は、産地計画において担い手と定められた者を支援対象者としていま
すが、施工に当たって、効率的に工事を行う観点から、これら担い手のみを構成員とし
て集団を形成し事業を実施する場合も本対策の支援対象者として取り扱うことは差し支
えありません。この場合、強い農業づくり交付金と同様の条件を備えている集団(代表
者、規約の定めがある等)であることが必要と考えています。
(問Ⅱ-42)
整備事業を行う場合において、直営施工の場合の労賃の考え方について説明してく
ださい。
(答)
直営施工の場合、臨時雇用者の労務により作業を行う場合は労務費も助成対象としま
すが、担い手自らの労務費は助成対象としません。
(問Ⅱ-43)
整備事業において、各支援対象者が見積や施工するのではなく、生産出荷団体が一
- 11 -
括して見積もりや施工することは可能ですか。
(答)
支援対象者が自ら見積もりや施工することが基本ですが、苗・資材の購入や事業の施
工については、生産出荷団体等を通じて共同で行った方が合理的(競争原理が働き、低
廉になる等)な場合には、生産出荷団体等で一括して、又は共同して見積もり、施工す
ることは差し支えないものと考えられます。なお、この場合にも都道府県法人等に見積
もり書を提出することになります。
(問Ⅱ-44)
整備事業において、産地協議会を構成する農協は応札等できますか。
(答)
1業者として応札や見積もりに参加することは可能と考えます。
なお、整備事業の実施については、施設・資材の購入等も含め、原則入札(見積り合
わせを含む)によって決定するものとしています。
また、入札等の実施にあたっては、原則として都道府県庁の入札等のルールを用いる
こととし、入札等の公正・公平性、透明性の確保が図られることが前提です。
3社以上の業者からの応札等となるよう努めるものとします。
(問Ⅱ-45)
整備事業において、資材の購入及び労務契約は各支援対象者が行うのですか。
(答)
資材の購入及び労務契約は、支援対象者毎に実施していただくことが基本です。
しかし資材の購入については、一括購入等を行う方が安価と判断されれば、生産出荷
団体等が複数の支援対象者から委任状等により数量等を取りまとめて入札を行うことも
可能と考えます。生産出荷団体等と業者の間で契約を行った場合は、支援対象者ごとの
内訳(数量、金額)が明らかとなる資料を添付・保管することが必要です。
(問Ⅱ-46)
整備事業の着手が認められる時期はどの時点ですか。
(答)
実施計画の承認を受け、更に交付決定を受けた後になります。しかし、やむを得ない
理由により交付決定前に事業に着手する必要がある場合は、実施計画の承認後、交付決
定前着工届を提出した上で着手することができます。
(問Ⅱ-47)
整備事業において、年度をまたぐケース(当該年度中に伐採等、次年度に植栽等を
行う)について、その仕組みを詳しく教えて下さい。また、この場合どの年度の事業
として整理するのですか。
(答)
整備事業については、実施計画の承認を受け、更に交付決定を受けてから苗木の発注
- 12 -
または伐採等により事業着手を行い、同一年度内に事業完了することが原則です。なお、
改植等において、植栽適期、積雪等により事業の完了が当該年度では支障がある場合に
は、翌年度に植栽等を行い事業を完了することができます。また、補植改植の場合には、
交付決定年度に苗木の発注等を行うことを原則とし、植栽の翌々年度までに伐採等を実
施しなければなりません。
この場合は、実施計画が承認された年度の事業と整理されますが、補助金の実績報告
・支払いについては、事業が完了した年度となります。
なお、交付決定前の事業着手には、実施計画承認後に交付決定前着工届の提出が必要
です。
(問Ⅱ-48)
改植完了年度の考え方について、詳しく教えて下さい。「改植完了(予定)」につ
いて、いつの時点のものまでを「当該年度完了(予定)分」とするのですか。
(答)
当該年度完了分とは、年度内に事業が完了し、かつ当該年度予算で補助金が支払わ
れるものをいいます。これに該当するものは、事務手続きを考えると2月下旬~3月
上旬(具体的については、毎年度定める。)までに事業実績報告兼支払請求書が中央果
実協会に提出される必要があります。
当該年度完了分の支払請求等手続きについては、これに間に合うよう支援対象者、
生産出荷団体、産地協議会及び都道府県法人等は、連携を取りながら余裕をもって進
めてください。
なお、当該年度完了分に係る支援対象者の実績報告(参考様式1号)、産地総括表(同
3号)の「事業完了(予定)年月日」の欄については、前述の手続に合わせて記入し
てください。
〇 整備事業(優良品目・品種への転換)
(問Ⅱ-49)
改植において、定額助成される品目はなんですか。
(答)
かんきつ類のほかりんご、ぶどう、なし、もも、おうとう、びわ、かき、くり、うめ、
すもも、キウイフルーツ及びいちじくへの改植が対象となります。
(問Ⅱ-50)
対象品目の考え方(プルーンがすももに含まれるかなど)はどうなっていますか。
(答)
なしには、西洋なし及び中国なしを含み、ももには、ネクタリンを含み、すももには、
プルーンを含みます。なお、やまぶどうはぶどうに含まれません。
(問Ⅱ-51)
定額助成の改植を実施する場合であって推進事業により設置した大苗育苗ほで育成
- 13 -
された苗木を購入したときも、改植についてはやはり定額で助成されるのですか。
(答)
定額で助成されます。
(問Ⅱ-52)
改植において事業着手とみなされるのはどの時点ですか。苗木は、あらかじめ発注
が必要ですが、着手が認められる時期との関係はどうなりますか。
(答)
改植の場合は、改植する苗木の発注や大枝切りの発注等をもって事業着手となりま
す。
また、発注は事業着手とみなしますので、発注は交付決定(又は交付決定前着工届の
提出)後に行って下さい。なお、苗木の予約は事業着手とみなしません。
(問Ⅱ-53)
改植事業の交付決定前に購入した苗木を改植に用いてもよいですか。
また、交付決定を受けて購入した苗木を一定期間育成してから、植栽する場合はど
うですか。
(答)
交付決定を受けてから、苗木を購入し事業期間内に植栽してください。自己費用で苗
木を購入した場合を含め、交付決定前に購入した苗木を改植に用いることはできませ
ん。
交付決定を受けて購入した苗木を一定期間育成し、事業期間内(事業の交付決定後か
ら完了報告の間)に植栽することは可能です。事業期間を超えて、大苗にまで育成した
苗木を植栽することはできません。
これらについて、産地協議会は、事前確認・事後確認の際に留意して確認してくださ
い。
(問Ⅱ-54)
改植において、自己で育成した苗木を用いて、植栽してよろしいですか。
(答)
自己で育成した苗木を用いることは、事前着工とみなされ、来歴の明確な(裏付けの
ある)苗木を用いて行うこととしており、改植の対象になりません。事後確認において
は、品種を確認することとしています。
(問Ⅱ-55)
改植又は高接の場合、園地改良及び植栽適期等の都合により伐採直後植栽等ができ
ないことが考えられますが、この場合の取扱い及びその確認等について説明してくだ
さい。
(答)
伐採等の実施年度及び翌年度に植栽等されるものについては、補助対象とします。
- 14 -
確認は植栽等が終わった後に行うこととし、補助金の支払いは、適正に植栽等が行わ
れたことを産地協議会が確認した後に行われます。
(問Ⅱ-56)
33万円/10アールの助成単価が適用されるのは、りんごのわい化栽培となし及びか
きのジョイント栽培、ぶどうの垣根栽培に係る改植ですが、この4つ以外にどのよう
なものがこの助成単価を適用できますか。
(答)
現状では、この4つの技術が対象になるものと考えています。なお、ぶどうの垣根栽
培や垣根仕立栽培等においては、栽培方法によっては33万円/10アールの助成単価が適
用されない技術もありえますので、当協会に当該助成単価が適用にされるか確認をして
ください。
一方、改植費用、栽植密度の観点から、本会が生産局長と協議して認める技術により
改植を行う場合にあっては、33万円/10アールの単価を適用することとしています。
今後、この4つ以外の技術についても、りんごわい化栽培と同程度の費用を要する等の
実態が明らかになれば、検討のうえで、対象技術の追加も可能です。そのような技術が
ある場合には、本会に技術の内容、改植に係る費用等のデータを提示してご相談くださ
い。
(問Ⅱ-57)
なしのジョイント栽培により改植、新植を行う場合、ジョイントは事業期間内(交
付決定後実績報告する前)に行わなければならないですか。また、事業期間に苗木を
育成する必要がありますが、その育成管理に要する経費については、補助対象ですか。
(答)
必ずしもジョイントは事業期間内に行う必要はありません。また、事業期間内に育成
管理に要する経費については、補助対象になります。
(問Ⅱ-58)
優良な品目・品種への改植を行う場合、伐採等を行う果樹園とは別の土地で果樹を
植栽することは可能ですか。
(答)
同一人が別に保有する農地又は使用収益権を有する農地に果樹を植栽する場合にあっ
ては可能です(移動改植)。この場合、伐採・抜根等を実施した面積の範囲内で植栽す
る必要があります。
(問Ⅱ-59)
移動改植では、改植先の要件がありますか。例えば、改植先が野菜畑、園地でなく
放任園等の場合であっても、現況「農地」と判断されるものは、改植先の土地として
よいですか。
(答)
- 15 -
改植元と同等の面積を有する他の農地を改植先として果樹を植栽する場合は、改植先
が放任園等であっても対象となります。ただし、農振農用地区域内及び生産緑地地区の
農地であることが必要です。
(問Ⅱ-60)
優良品目・品種への転換(改植又は高接)に当たり、転換元の品目も産地計画に記
載されている必要がありますか。
(答)
必要ありません。ただし、転換先の品目・品種については産地計画において生産を振
興すべき品目・品種として明確に位置付けられていること(特定できること)が必要で
す。
(問Ⅱ-61)
優良品目・品種への転換に当たり、当該産地では主要品目でなく、かつ、品種名が
多岐にわたっている場合は、どの程度産地計画に記載されていれば事業の対象になり
ますか。
(答)
産地計画において生産を振興すべき品目・品種の名称としてきちんと明記されている
ことを基本とします。
主要品目でない別の品目へ転換する場合には産地計画に品種名が明記されていなくと
も事業の対象になります。
(問Ⅱ-62)
優良品目・品種への転換に当たり、同一品目で新しく育成された別の品種が産地計
画にまだ位置付けられていない場合は改植又は高接ぎの対象にならないのですか。
(答)
事業対象となる品種は、産地計画において今後生産を振興すべき品種として定められ
ているもの又は今後、産地計画に明記されることが確実な品種です。
従って、現時点で産地計画に位置付けられていない品種を事業対象とするためには、
計画申請までに産地計画の変更により生産を振興すべき品種に位置付けるか、計画承認
年度に産地計画に位置付けられることが確実な品種として、計画申請の際の知事協議で
認められる必要があります。
後者の場合の具体的な手続きは、都道府県総括表及び産地総括表の備考欄に、申請し
た品種を当該年度の産地計画の見直しにおいて生産を振興すべき品種に確実に位置づけ
る旨を記入することとします。記入にあたっては、当然のこととして、産地協議会、都
道府県担当部局の了解をとっておく必要があります。
(問Ⅱ-63)
優良品目・品種への転換を行う場合、産地計画に「生産を振興すべき品目・品種」
としてうんしゅうみかんの極早生や早生を位置付けた場合は、事業の対象になります
- 16 -
か。
(答)
本対策は過剰感のあるうんしゅうみかんの極早生、早生からの転換を図ることを目的
としていることから、うんしゅうみかんの極早生種及び早生種を転換先の品種とする場
合は、転換元はうんしゅうみかんの極早生種及び早生種に限られます。
また、原則として早生種から極早生種への転換は認められません。
なお、当然のことながら当該都道府県の果樹農業振興計画にも振興すべき果樹として
当該うんしゅうみかんが位置付けられていることが必要です。
(問Ⅱ-64)
優良品目・品種への転換において、原則として、うんしゅうみかんの早生種から極
早生種への転換は対象としないということですが、「原則として」の考え方を説明し
て下さい。
(答)
極早生うんしゅうみかんは構造的な過剰感や品質低下のため価格の低迷が続いている
ことを踏まえ、平成27年度の全国果実生産出荷安定協議会かんきつ部会が策定した
「極早生みかん対策」の生産目標において、「各産地は、『推奨すべき品種』『維持すべ
き品種』
『削減すべき品種』を明確に位置づける。
『削減すべき品種』については、各選
果場において取扱い期限を設定したうえで、優良品目・品種等転換もしくは廃園する。」
としています。なお、原則以外のものは、ハウスのうんしゅうみかんを指しています。
(問Ⅱ-65)
優良品目・品種への改植を行う場合、その果樹に必要な交配樹(受粉樹)は混植の
対象になりますか。
(答)
改植を行う園地において、産地計画に交配樹(受粉樹)として明記されている品目・
品種を混植するのであれば、対象となります。
また、産地計画に交配樹(受粉樹)が明記されていない場合でも、交配樹(受粉樹)
の品種、必要性、植栽本数等が都道府県の栽培指針等において確認できれば、上記と同
様に混植を行うのであれば対象となります。
さらに、複数の経済品種(果実の収穫を目的とする品種)を導入し、合わせて交配樹
としての働きを期待する場合は、当該複数品種を優良品種(生産を振興する品種)とし
て産地計画に位置付ける必要があります。
なお、キウイフルーツなど、雌雄異株の果樹で、優良な雄品種の数が限られている場
合等、雄樹については改植前と同一品種の改植でもやむ得ないものとして判断される場
合もあるので、本会へご相談ください。
(問Ⅱ-66)
キウイフルーツのオス樹のみを植栽してある園地において、果実用のキウイフルー
ツへの改植は対象になりますか。
- 17 -
(答)
果樹経営支援対策事業の改植は、果実用の果樹から優良な品目・品種の実取り用の果
樹へ改植するものですから、対象にはなりません。キウイフルーツのオス樹の新植は、
国産花粉を緊急的に確保するための特別の措置です。
(問Ⅱ-67)
改植支援の対象となる同一品種の優良系統にはどういったものがありますか。
(答)
同一品種の中で、高糖度系、着色系統、収穫時期が早い等通常の系統と異なる優良な
特性を持つとして通常の系統と区分して取引されている苗木を用いるものです。
具体的には、りんごの「ふじ」の着色系統やしらぬひ(デコポン)の弱毒ウイルス接
種系統が該当すると考えています。
(問Ⅱ-68)
改植では、りんごの普通栽培からりんごのわい化栽培は同一品種でも支援を受けら
れますが、わい化栽培の定義は何ですか。
(答)
「わい化栽培」とは
① わい性台木を用いていること
② 都道府県果樹農業振興計画に位置付けられていること
③ 都道府県の栽培指導指針等に準じた方式の栽培であること
をいうこととします。
(問Ⅱ-69)
同一品種の改植に関連して、支援の対象となる生産性の向上が期待される技術の基
準を教えてください。
(答)
1 生産性の向上が期待される技術の基準については、以下の事項を確認できる必要
があります。
① 当該技術導入により明らかな生産性向上が見込まれること
② 当該技術導入に当たり改植が必要不可欠であること
③ 改植後長期間にわたり既存技術と異なる技術として明確に区別できること
④ 当該技術の導入に相当程度のリスクがあること
この場合、4年以内、8年目の確認においてもその差異が現存することが前提で
す。
2 上記1の技術は、公的な試験研究機関等が開発し実用段階にある新技術のほか、
篤農家の技術など栽培条件等に適応して地域で確立され、現場の公的機関の調査等
(普及指導センター、都道府県の試験研究機関、農協の営農指導部門等が収集した
データ等)によりその効果が確認された技術を含みます。
- 18 -
(問Ⅱ-70)
同一品種の改植支援の対象となる生産性の向上が期待される技術には現在どのよ
うなものがありますか。
(答)
改植が必要な場合であって、かつ、なしの樹体ジョイント栽培やわい性台木の使用の
ように生産性向上が見込まれる技術を指します。産地計画に位置づけたい具体的な新技
術がある場合には、都道府県法人等を通じて本会にご相談ください。
(問Ⅱ-71)
生産性の向上が期待される技術に該当するとの結論に至るまでのスケジュール(流
れ・過程)、留意点を示してください。
(答)
そのような技術があるのであれば、当協会にまずご相談いただきたい。当協会は、こ
れまでのこのような技術に関するノウハウを蓄積しており、補助事業の対象にふさわし
い技術かどうか、そういった観点等から相談に預かる立場にあります。具体的なデータ
等(問Ⅱー69を参照)を事前に(結論を出す前に)提供していただきたくお願いしてい
るところです。
合わせて、当該都道府県等と協議していただき、最終的に産地計画を承認する都道府
県等が責任をもって、生産性の向上に資する技術であると判断して産地計画を承認する
ことになります。その際には、都道府県果樹振興計画や試験機関の普及すべき技術に位
置づけ推奨する、こういったことも留意して判断・承認していただくことになります。
(問Ⅱ-72)
同一品種の改植において、ウイルスフリー苗を用いる場合は、改植の対象となりま
すか。
(答)
原則として、ウイルスフリー苗であることのみをもって、同一品種の改植の対象とな
る優良系統や生産性の向上が期待される技術に該当するとはいえません。
優良系統や生産性の向上が期待できる技術に該当するか否かについては、都道府県農
業試験場等の公的機関による客観的なデータを踏まえて、個別に本会にご相談ください。
しらぬひ(デコポン)のウイルスフリー苗木については、通常の苗木と比較し明確に
生産性向上の違いが認められるので同一品種での改植が認められているものです。
(問Ⅱ-73)
同一品種の改植に当たり、生産性の向上が期待される技術の導入に係る資材費は補
助対象となりますか。
(答)
補助対象経費は改植に必要な費用(伐採・伐根費、深耕・整地費、土地改良資材費、
苗木代、植栽費等)のみであり、当該技術導入に係る資材費は、一切、補助対象外です。
- 19 -
(問Ⅱ-74)
同一品種の改植に当たり、既に他の都道府県で普及している生産性の向上が期待で
きる技術を当該産地において導入する場合、改植の対象になりますか。
(答)
他の都道府県で普及している技術であっても、当該産地において生産性の向上が期待
される技術として産地計画に位置づけられていれば対象となります。なお、この場合、
当該技術が当該産地においても生産性の向上が期待される技術であるかどうかは具体的
なデータに基づいて判断する必要があります。(問Ⅱ-69参照)
予め、本会や都道府県法人等にご相談ください。
(問Ⅱ-75)
生産性の向上が期待される技術の導入を伴う改植において、特許権等の使用料につ
いては、補助対象となりますか。
(答)
改植においての当該技術導入にかかる特許権等の使用料等は補助対象となりません。
しかし、当該使用料等が苗木代そのものに含まれている場合等、費用の分離が困難な場
合は補助対象となります。
(問Ⅱ-76)
改植等において植栽する場合に、トレリス・果樹棚に係る資材代も補助対象となり
ますか。
(答)
補助対象となりません。
(問Ⅱ-77)
改植等において、苗木植栽時の支柱は補助対象となりますか。
(答)
植栽時に必要不可欠な支柱は対象となります。
(問Ⅱ-78)
改植等において伐採した転換元の樹木の根や樹幹等の撤去費用や処理費用は補助対
象となりますか。
(答)
対象となります。
(問Ⅱ-79)
産地計画で優良な品目・品種に位置付けられているA品種、B品種について、同一
農業者が例えば、S園地でA品種からB品種へ、T園地ではB品種からA品種へ改植
する場合に改植の対象になりますか。
(答)
- 20 -
同一の農業者において、転換元の品種と同一の品種を他の園地に植栽すること(A品
種をT園地に植栽すること)は、同一品種への改植と見なされることから、補助対象外
になります。
(問Ⅱ-80)
改植において、転換先における果樹の植栽密度の基準はありますか。
(答)
それぞれの地域における都道府県の栽培指導指針等に即し、通常の収穫をあげるのに
十分な植栽本数が植栽されていなければなりません。
なお、都道府県の栽培指導指針等とは、都道府県、市町村、普及指導センターなどで
作成した栽培マニュアル等がこれに当たります。
(問Ⅱ-81)
改植の際、植え付け当初は密植をし、徐々に間伐するケースが多いと考えられます
がこの場合どう取り扱いますか。
(答)
都道府県の栽培技術指針等において、改植の際の未収益分を緩和する等のために植え
付け当初は密植を行い、徐々に間伐することが推奨されており、これに基づいて植栽、
間伐を行う場合は、問題ありません。
(問Ⅱ-82)
改植において、土地が安定しないなどの理由により植栽を予定していた園地に植栽
ができなくなった場合は、別の園地に植栽することはできますか。
また、このようなケースの手続きはどのようにしたらよいですか。
(答)
実施計画の変更承認をとることにより別の園地に植栽(移動改植)することは可能で
す。
なお、既に当初の予定地で他の整備事業(小規模園地整備等)を行っていた場合、当
該園地整備分については、補助金返還の対象となってしまうので注意が必要です。ただ
し、抜根・伐採に要した経費については、移動改植のため補助対象になります。
(問Ⅱ-83)
支援対象者が、改植を毎年度実施することは可能ですか。この場合、各年度ごとに
実施計画の承認申請や交付申請を行うことになるのですか。
(答)
支援対象者(農家)の経営判断(計画)により園地ごとに改植する時期(年度)も異
なることも考えられ、このような場合に毎年度計画的に改植を実施することは可能で
す。
なお、この場合の手続きは、各年度ごとに行うことになります。
- 21 -
(問Ⅱ-84)
改植において、別途所有の農地に優良品目・品種を植栽(移動改植)する場合、補
助対象面積は、改植元(伐採地)と改植先(植栽園地)のどちらの面積になるのです
か。また、改植元より改植先の方が面積が大きい場合、差に相当する面積は補助対象
となりますか。
(答)
移動改植としての補助対象面積は、伐採地の面積と植栽園地の面積のうちいずれか小
さい方となります。
改植先(植栽園地)の面積が、改植元(伐採地)の面積を上回る場合、差に相当する部
分については、一定の要件を満たせば特認植栽又は新植の対象になりえます。
逆に、改植元(伐採地)の面積が、改植先(植栽園地)の面積を上回る場合は、その
差に相当する部分については、一定の要件を満たせば、廃園の対象になりえます。
(問Ⅱ-85)
改植、廃園の定額助成の場合、支援対象者の補助金の額は、対象果樹園の面積ごと
に助成単価を乗じて得た額の合計とされていますが、面積は㎡単位ですか。果樹未収
益期間支援対策事業の場合はどうでしょうか。
(答)
支援対象者の補助金の額は、当該支援者の対象果樹園ごとに、1㎡未満を切り捨て得
られた㎡単位の面積に助成単価を乗じて得た額の合計です。なお、果樹未収益期間支援
対策事業の場合にも、同様に、当該支援対象者の対象果樹園ごとに、㎡単位の面積(1
㎡未満を切り捨て)に助成単価及び原則として支援対象期間(4年間)を乗じて得た額
の合計です。
(問Ⅱ-86)
高接した場合の事業の完了は、どの時点ですか。また、高接は100%成功すると
限りませんが、補助事業として問題はありませんか。
(答)
対象果樹園において、果樹の枝等に優良な品目又は品種の穂木を接ぐ作業をすべて終
了した時点が事業の完了となります。また、普及指導センターや農協の指導を受け、適
切な方法により、実施されていれば、極端に活着率が低くなることはないと考えていま
すが、活着率が低くなったことにより、生産性の低下を招くことが想定される場合は、
支援対象者自らがその欠損分を補うことにより当初の事業目的を達成することが必要で
す。
(問Ⅱ-87)
高接は、対象園地の全ての樹体について、一挙更新しなければなりませんか。一部
の樹体の部分更新でも構わないですか。構わないとした場合、割合等の基準はありま
すか。
- 22 -
(答)
高接は園地内の樹体全てについて1本1本の樹を一挙更新することを原則とし、部分
更新はできません。ただし、自然災害関連の場合については、被害を受けた樹体のみを
対象として高接ぎすることができます。
〇 整備事業(小規模園地整備等)
(問Ⅱ-88)
小規模園地整備は改植(移動改植を含む)と一体的に実施する必要がありますか。
(答)
小規模園地整備は、改植と一体的に行うことは可能です。また、既に産地計画におけ
る優良品目・品種が植栽されている園地においても(単独で)実施できます。
(問Ⅱ-89)
傾斜の緩和における「法面保護」、土壌土層改良における「深耕・整地」「土壌改
良用資材の投入」において直営施工は可能ですか。
(答)
傾斜の緩和及び土壌土層改良については、それぞれ面的な傾斜の緩和、土壌土層の物
理的な改良を主たる目的とし、原則として重機を用いて土木工事を行うことが必須とし
ています。その上で、直営施行することは可能です。なお、自己労賃については、補助
対象外です。
(問Ⅱ-90)
「土壌改良」において、使用できる土壌改良資材を教えてください。
(答)
土壌改良用資材としては、地力増進法の政令指定の12種類のほか、たい肥類等があり
ますが、以下の条件を満たす土壌改良用資材を選択してください。また、土壌改良用資
材の種類や量は都道府県の施用基準に基づいたものとしてください。
① 都道府県の施用基準に即したもの
② 都道府県の指導機関等において推奨しているもの
③ 土壌改良用資材として効果が一定期間持続するもの
(問Ⅱ-91)
表土が薄く保水性が悪い、あるいは、園地に起伏(凹凸)があり作業効率が悪いな
どの問題を解決するため、客土等をする場合は、小規模園地整備の対象となりますか。
また、土の購入と運搬作業は業者に発注し、整地などは直営施工で行う予定ですが、
土の購入費(運搬費込み)のみを補助対象にできますか。
(答)
重機を用いて整地・客土等の土木工事を行う場合には、傾斜の緩和として対象となり
ます。また、整地等を直営施工した場合には、土等の資材費(運搬費込み)のみを補助
対象にすることも可能です。土等の資材等の購入に際しては、原則3社からの見積りを
- 23 -
とることが必要です。
(問Ⅱ-92)
水田等において新植を行う場合、排水路の整備などの小規模園地整備は可能ですか。
(答)
産地計画に位置づけられた新植の対象とする品種を植栽するのであれば、小規模園地
整備、用水・かん水施設の整備、本会特認事業と合わせて新植を実施することは可能で
す。
(問Ⅱ-93)
小規模園地整備について、園地の整備を直営施工する場合の資材の購入費、重機等
のリース料、燃料代等は補助対象となりますか。
(答)
対象となります。ただし、直営施工等を行う場合にも資材の購入については、原則3
社からの見積りをとり、適正な数量を適正な価格により購入するとともに、受け払いの
記録と領収書の保管を確実に行うことが必要です。
(問Ⅱ-94)
園内道の整備において、「かんきつ産地緊急対策事業に係る農道整備について」に
準じて行うこととされていますが、その趣旨について説明して下さい。
(答)
園内道については、
「かんきつ産地緊急対策事業に係る農道整備について」(平成元年
7月7日付け元農蚕第4392号農蚕園芸局長通知)に準じて実施することとしています。
この通知は基本的には農道整備についての記載ですが、「当該農道が栽培管理用小型農
業機械等の利用に限定される場合で路盤が安定している場合にあっては、その幅員を当
該機械等の走行に支障をきたさない幅員(当該機械等の車両幅員に両側それぞれ25㎝の
余裕幅を加えた幅員)とし、舗装の厚さを3㎝以上(コンクリートの場合は5㎝以上)の
簡易な舗装とすることができるものとする。」とあり、これに準じて行うこととなりま
す。なお、業務方法書では「舗装等を施し」としていますが、これと同等の強度、安全
性が確保されるのであれば、その方法でも実施可能とします。
(問Ⅱ-95)
園内道の整備に当たり、農作業上の安全性に留意しつつ、費用対効果にも配慮して
計画するということですが、これはどういう意味ですか。
(答)
園内道の整備にあっては、当然、安全性の確保が重要ですが、園内道は不特定多数の
人ではなく、ほとんどは当該園地で作業を行う農家等が利用すると想定されることか
ら、計画に当たって、当該農家等の農作業上の安全性の確保に十分留意しつつ、過大な
整備とならないよう投資効果にも配慮するということです。
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(問Ⅱ-96)
整備事業において、傾斜の緩和のうち「法面保護」、土壌土層改良のうち「土壌改
良用資材の投入」については、それぞれ単独での実施は可能ですか。
(答)
傾斜の緩和、土壌土層改良においては、それぞれ面的な傾斜の緩和、土壌土層の物理
的な改良を主たる目的とし、原則として重機を用いた土木工事を伴うものとしていま
す。従って、単に土壌土層改良資材や法面保護のシートを購入するだけでは、事業の対
象とはなりません。
(問Ⅱ-97)
小規模園地整備(園内道等)の3者見積もりのために当該業者に提示する基本設計
書等の作成費が割高な場合、幅員・延長・施工内容等の工事の概要を記載したものを
業者に提示して見積書をとることでよろしいですか。
(答)
割高な場合には見積に必要な基本設計書等を作成せずに必要事項を記載したものを提
示することにより見積もりを取る(3者以上)ことでよいものとします。
〇 整備事業(廃園)
(問Ⅱ-98)
廃園に当たり、廃園する果樹の品目・品種も産地計画に記載されている必要があり
ますか。
(答)
極早生うんしゅうみかんについては、当該品種が産地計画に「廃園の対象である」旨、
位置づけられている必要があります。それ以外の品目・品種については記載されている
必要はありません。
(問Ⅱ-99)
廃園を実施する場合、廃園面積と同等以上の面積の果樹園が産地内(同一都道府県
内の他の産地協議会との調整を行う場合にあっては調整先の産地内を含む)の担い
手に集積されることが確実であることが必要とのことですが、その趣旨を教えてく
ださい。
(答)
産地における優良品目・品種への転換を中心とした構造改革を進めつつ、担い手の規
模拡大にもつながる園地集積を促すためです。
(問Ⅱ-100)
廃園による特認植栽を実施する場合において、「廃園面積と同等以上の面積の果樹
園が原則として廃園の実施年度の翌年度までに、産地内(同一の都道府県内の他の産
地協議会との間で調整を行う場合にあっては調整先の産地内を含む。)の担い手に集
積されることが確実であること」とはどのような状態をいうのですか。
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(答)
担い手が、
①産地計画に参画する生産者から所有権を取得若しくは貸借権を取得すること、
②又は産地計画に参画する生産者と果実の生産を行うために基幹的な作業受託する旨
の契約(継続して8年以上の期間を有する場合)を締結すること
が確実と認められる農地の面積に加え、
③担い手が他の農地へ新たに優良品目・品種の植栽を行い経営面積を増やす場合
の面積の合計が、(産地の)廃園事業の実施面積の合計を上回る場合をいいます。
(問Ⅱ-101)
廃園を実施する者について、要件はありますか。
(答)
廃園を実施できる者(支援対象者)は、産地計画に参画する生産者あるいは担い手と
して位置づけられている者です。
(問Ⅱ-102)
廃園における担い手への集積について、担い手に集積する園地の出し手は、廃園を
実施した者でなければならないのですか。
(答)
廃園を実施した者以外の者が園地の出し手となってもかまいません。
(問Ⅱ-103)
密植園の作業効率を上げるための隔列の伐採等間伐を目的とした伐採は廃園の補助
対象となりますか。
(答)
本事業において廃園をおこなう目的は、優良品目・品種への転換等を図り、産地の構
造改革を推進することの一環として、条件が不利で効率の悪い園地については廃園しつ
つ、担い手への園地集積を促すことにあります。従って、間伐はこの目的に合致しない
ため、廃園の対象とはなりません。
(問Ⅱ-104)
廃園予定園地の樹体を別の園地に移植する場合は廃園に該当しますか。
(答)
廃園は、樹体を伐採し、抜根するか又は枯死させることを前提としていますので、廃
園予定園地の樹体を別の園地に移植する場合は該当しません。
〇 整備事業(用水・かん水施設の整備)
(問Ⅱ-105)
用水・かん水施設を設置する場合も優良品目・品種が植栽されている園地である必
要がありますか。
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(答)
優良品目・品種への転換等により構造改革を進める必要があるため、用水・かん水施
設の設置の場合においても、産地計画に位置づけられている優良品目・品種が植栽され
ている園地、又は用水・かん水施設の整備に合わせて当該品目・品種を植栽する園地で
あることが要件となっています。
(問Ⅱ-106)
用水・かん水施設の具体的な補助対象経費について教えて下さい。
また、ボーリングは補助対象となりますか。
(答)
用水・かん水施設の整備については、 生産性の向上に資するため、原則として、新
たに固定式の撒水施設を導入し一体的に整備するものとし、揚水施設は、揚水ポンプ、
揚水管、貯水槽(沢水、雨水を利用したシートタンク等を含む。なお、専ら運搬用のシ
ートタンクは補助対象外です。)等を、撒水施設は、定置パイプ、点滴かん水チューブ、
多目的スプリンクラー等を、撒水自動制御装置は、電磁弁、配水施設(ポンプ、配水管、
資材混入槽)等を補助対象とします。
原則として水源は対象としませんが、やむを得ない事情がある場合は、簡易なボーリ
ングについても補助対象(試掘は対象とせず、最終的に水源となったもののみ対象)と
することができます。
なお、事業計画にボーリングを含めるにあたっては、本会との事前の調整が必要であ
り、以下の要件をすべて満たすことを前提とします。
(1) 安定的な水量・水質が確保される水源措置(沢水やタンクシート・雨水利用等)
の検討を十分行った上で、これらの選択肢が不可能でやむを得ずボーリングに水
源を求めることが妥当と認められること。
(2)ボーリング予定地の近傍に井戸若しくは類似の水源措置が行われており、水量
・水質が確保されることが確実に認められること。
(3)受益者のリスク回避や経費削減及び費用対効果等の観点から、受益者が原則と
して5戸以上でありかつ受益面積が原則として50アール以上であること。
(問Ⅱ-107)
用水・かん水施設の整備において、既存かん水施設の更新は対象になりますか。ま
た、消耗品(チューブ等)のみの更新経費や撤去に要する経費は補助対象になります
か。
(答)
単純な更新については、対象になりません。しかし、既存の施設に加えて機能向上が
認められる場合は、揚水、貯水、送水、撒水施設の整備が単独でも実施可能となります。
ただしチューブ等の消耗品のみの更新については対象外です。なお、既存施設の撤去に
要する経費は補助対象外です。
(問Ⅱ-108)
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用水・かん水施設の整備において、スプリンクラーについては、固定式だけでなく、
移動式も補助対象になりますか。
また、かん水のみを目的としたスプリンクラーは、補助対象になりますか。
(答)
固定式だけでなく、移動式スプリンクラーも補助対象になります。
また、かん水に加えて薬剤散布、液肥の散布を行うなどの場合の多目的スプリンクラ
ーのみが補助対象になります。
(問Ⅱ-109)
整備事業において、スプリンクラーや防霜ファン等の電源の設置費は、補助対象と
なりますか。
(答)
既存の電柱と必要とする電源(果樹園の場所)との距離について、いろいろなケース
が想定され、また、電力会社の対応も異なることから、電源までの電線の引き込みのた
めの電柱等の設置経費は、補助対象となりません。
このための電力使用申請経費や電気工事費等は、補助対象となりません。
補助の対象は、電源の場所から以降の部分とします。この場合、配電盤及びその設置
費は、補助対象となります。
〇 整備事業(本会特認事業)
(問Ⅱ-110)
特認事業はどのような事業ですか。
(答)
1 園内道の整備が困難な場合の代替として園地管理軌道施設(モノレール)の整備。
受益面積は1ヶ所当たりおおむね10アール以上。
2 産地における担い手への園地集積を加速化し、産地生産基盤の強化を図る観点か
ら、既存園地を廃園する者と他の農地に植栽する者(担い手)が異なる場合でも、
産地協議会等が実施する産地内もしくは都道府県法人等が実施する産地間の園地調
整の下で、廃園面積の範囲内で担い手が行う他の農地への植栽(
「特認植栽」とい
う。)。実施面積(植栽面積)は1ヶ所当たり地続きでおおむね2アール以上。
3 試験研究機関、普及指導センター等の適切な指導の下、当該地区の気象条件等の
事前調査及びこれに基づく設備の設計をした防霜・防風設備で一定の要件(強い農
業づくり交付金等国の補助事業による整備が困難なこと。原則として支援対象者が
果樹共済に加入していること。
)を満たした整備。受益面積は1ヶ所当たり地続きで
おおむね10アール以上。
4 産地において普及すべき品種の生産を振興するために行う植栽
(「新植」という。)。
実施面積は1ヶ所当たり地続きでおおむね2アール以上。
なお、いずれの事業も受益面積は原則として5ヘクタール未満です。
(問Ⅱ-111)
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特認事業の園内道の代替としての園地管理軌道施設の整備はどのような場合に実
施ができますか。また、古い施設の更新はできますか。
(答)
園地管理軌道施設の整備については、急傾斜地等園内道の整備が困難な場合に園内道
の代替施設として整備ができるものとしており、産地計画において産地の基盤整備の中
で園地管理軌道施設の整備が記載されており、本会が特に必要と認めた場合には事業の
実施が可能です。
なお、施設の単純更新(同種・同能力のものを再整備すること)は補助対象となりま
せんが、明らかに機能向上(同種・同能力ではない)が認められる下記のものについて
は補助対象となります。
①運搬容量の増大
②作業効率の向上や省力化等の生産コスト削減、軽労化等
③その他生産性向上に資する新規性のある装置等の付加されたもの
④上記に伴う軌道の敷設(再編・延長を含む〉等
既存のモノレールに機能向上を伴った整備を行う場合には、既存のモノレールと補助
事業で導入するものとの機能の明確な違いを導入計画書(参考様式22号)に記入した
うえで、承認申請を行う必要があります。
また、機能向上を伴わない場合でも、軌道部分の延長を行う場合や支線を引く等の増
設を行う場合は、当該増設部分が事業の対象となります。この場合、支線部分や延長部
分に係る受益面積については、既存の軌道に係る受益面積とは別にそれぞれおおむね1
0アール以上必要です。
(問Ⅱ-112)
農業機械(園地管理軌道施設を含む。)を導入する際の選定基準はありますか。
(答)
農業機械化促進法(昭和28年法律第252号)に基づく型式検査又は国立研究法人
農業・食品産業技術総合研究機構(以下「農研機構」という。)が行う安全鑑定(以
下「安全鑑定」という。)の対象機種の農業機械を導入する場合においては、型式検
査に合格したもの又は研究機構により安全である旨の鑑定が行われたものの中から選定
するものとします。
なお、安全鑑定の対象機種の農業機械を導入する場合においては、当該機械の性能及
び耐久性に関する試験研究の結果、当該機械の使用実績等を適正に勘案し選定すること
になります。
また、型式検査又は安全鑑定の対象機種以外の機種の農業機械を導入する場合には、
当該機械の安全性、性能及び耐久性に関する試験研究の成果、当該機械の使用実績等を
適正に勘案し、選定することになります。
(問Ⅱ-113)
防霜・防風設備の整備で対象となる設備等はどのようなものですか。多目的ネット
- 29 -
も対象となりますか。
(答)
防霜ファン、防風ネット、防風林の整備を対象とします。多目的ネットのように園地
を囲う四面張り又は多面張りの防風ネットは、他用途への転換への観点から原則として
補助対象外です。
また、単純な更新や資材の購入については認められませんが、より強風に耐えられる
ような設備については対象になります。具体的には本会へご相談ください。
(問Ⅱ-114)
防風設備の整備を実施する場合、果樹共済に加入することになっていますが、未加
入の場合には、補助対象外になりますか。
(答)
果樹共済に加入することが事業実施の要件になっています。ただし、当該品目が当該
地域において、果樹共済の対象となっていないなど、制度的に加入できない場合にはや
むを得ないですが、制度が整った場合には加入していただく必要があります。
(問Ⅱ-115)
防風設備の整備において、ポールの強度やネットの耐久性等について、ガイドライ
ンや基準はありますか。
(答)
支援対象者自ら耐久性等を確認してください。都道府県の試験場等にご相談していた
だきたい。
〇
新植
(新植全般)
(問Ⅱ-116)
現に産地計画を有していない、目標期限を過ぎた産地であっても、新植の支援を
受けることはできますか。
(答)
現在、有効な産地計画がない産地にあっては、事業申請における申請内容が妥当か
どうか判断する資料がないことから、産地協議会がない場合には設立し、産地計画を
策定するまでは事業申請を行うことはできません。
(問Ⅱ-117)
新植の要件について、うんしゅうみかん以外のその他かんきつ(中晩柑等)の品
目についてどのように考えてよいですか。
(答)
新植の要件において、農林水産省「特産果樹生産動態等調査」におけるかんきつ類
の品目を参考に、清美、早香、はるみ、せとか、はれひめ、不知火、ゆず、レモン等
- 30 -
をそれぞれ、一つの品目として考えてください。
(問Ⅱ-118)
うんしゅうみかんの極早生品種は新植の対象としてよいですか。
(答)
以下の取組を行うことを前提に、当該品種が新植の要件を満たし産地計画に新植の対
象品種として記載してあれば対象になりえます。
極早生うんしゅうみかんは構造的な過剰感や品質低下のため価格の低迷が続いている
ことを踏まえ、平成27年6月に全国果実生産出荷安定協議会かんきつ部会が策定した
「『極早生みかん対策』について」において、
「平成27年から29年までの3カ年で、
確実に極早生みかんの生産量を削減させるために、結果樹面積を10%削減する」こと
とし、
「各産地は、
『推奨すべき品種』
『維持すべき品種』
『削減すべき品種』を明確に位
置づける。『削減すべき品種』については、各選果場において取扱い期限を設定したう
えで、優良品種・品目等へ転換もしくは廃園する。」としています。
極早生うんしゅうみかんの「推奨すべき品種」を新植の対象品種とすることは可能で
すが、別途、産地として上記「極早生みかん対策」の取組が確実に行われるよう、産地
内で調整を行うなど適切な対応をお願いします。
(問Ⅱ-119)
うんしゅうみかんの極早生品種は特認植栽の対象としてよいですか。
(答)
以下の取組等を前提に、対象になりえます。
まず、当該品種が産地計画に生産を振興する品種として位置づけられている必要が
あります。特に、廃園対象の極早生うんしゅうみかんと同一の品種を植栽する場合に
は、産地協議会でよく検討する必要があります。
また、仮に、極早生うんしゅうみかんを廃園したとしても、実質、極早生面積が減
少しないことから、平成27年6月に全国果実生産出荷安定協議会かんきつ部会が策
定した目標(「「極早生みかん」の結果樹面積を10%削減する」ため、
「各産地は、
『推
奨すべき品種』『維持すべき品種』『削減すべき品種』を明確に位置づける。『削減すべ
き品種』については、各選果場において取扱い期限を設定したうえで、優良品種・品目
等へ転換もしくは廃園する。」)が達成されるよう、産地として、又は県全体で調整する
等、適切な対応をしてください。
ただし、同一人物が同一品種を廃園し特認植栽することは、移動改植に当たるため出
来ません。
また、廃園が行われる園地は極早生品種が植栽されている必要があります。
(問Ⅱ-120)
新植で、交配樹(受粉樹)の植栽は可能ですか。
(答)
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改植における交配樹(受粉樹)の考え方と同様、混植であれば可能です。新植を行う
品目・品種が産地計画において受粉樹(交配樹)として明記されている品目・品種、若
しくは新植を行う品目、品種の栽培に必要な交配樹の必要性、植栽本数等が都道府県
の栽培指針等で確認出来ることが必要です。
なお、キウイフルーツの花粉採取用のオス樹の品種については、国産花粉を緊急的に
確保する観点から、産地計画に花粉採取用のオス樹として明記された品種については新
植の対象としています。
(問Ⅱ-121)
計画承認の次年度に新植を実施することは可能ですか。
(答)
計画承認した新植については、原則、承認した年度に新植を行うものとします。し
かしながら、積雪等のやむを得ない理由で、当該年度中に植栽ができない場合には、
承認した年度で植栽を行うものとみなして、次年度に植栽を実施することは可能です。
(問Ⅱ-122)
新植しようとする土地について、水田であれば客土する、山林であれば開発して更
地にする、土中の樹木の根があれば抜根する場合は、小規模園地整備対象になります
か。
(答)
山林を開発して更地にする(いわば農地の状態にする)、土中の樹木の根を抜根する
ことについては、小規模園地整備に該当する事業種目がないため対象になりません(な
お、改植、廃園の場合には抜根に要する経費については、補助対象としています。)。水
田に客土する場合は、傾斜の緩和として小規模園地整備の対象としています。(問Ⅱ-9
1参照)
(問Ⅱ-123)
新植した場合、果樹未収益期間支援事業は対象となりますか。
(答)
対象となります。ただし、未収益期間の短いブルーベーリー等やキウイフルーツの
オス樹を新植した場合、未収益期間を短縮することをもって生産性が向上されると認め
られる技術の導入を伴う新植等の場合には対象となりません。
(27年度の内容)
(問Ⅱ-124)
新植支援の対象としている新品種はどういったものがありますか。
(答)
新植の対象としている新品種は、産地計画に新植の対象とすると記載されている優良
品目・品種であって、
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①種苗法に基づく品種登録からおおむね10年以内の品種
②産地での栽培実績がおおむね10年以内の品種(優良系統を含む。)
のいずれかであることとされています。
なお、おおむね10年以内とは、12年以内を指します。
(問Ⅱ-125)
新品種の新植の上限面積の要件「事業実施年度の前年度の栽培面積を上回らない」
について、産地では、栽培面積を把握していません。どのように対応すればよいで
すか。
(答)
担い手への園地の集積や荒廃園地の発生抑制など、産地における園地の維持を図る
ためには、果樹の栽培面積を含めた産地情報を適切に把握しておくことは重要です。
また、新植にあっては、やみくもに栽培面積を拡大した場合、将来的に需給バラン
スの崩れを引き起こすおそれもあることから、新植の上限面積を設定しているところ
であり、栽培面積の把握を行っていただきたいと考えております。
しかしながら、やむを得ない事情がある場合には、産地協議会の把握している品目
ごとの前年度からの栽培面積の減少分(前年度に廃園された面積、他品目への転換面
積、その他収穫を放棄した園地等の面積)とすることも可能です。
次年度以降については、適正な執行が行われるよう、栽培面積の把握に努めてく
ださい。
(問Ⅱ-126)
地域において前年度の栽培実績のない品目を新植することはできますか。
(答)
栽培実績のない品目については、当該品目の事業実施年度の前年度の栽培面積を上回
らないとの要件を満たさないことから、新品種としての新植の対象となりません。需
要が見込まれる品種としての新植については、要件に該当すれば、新植の対象になり
えます。
(28年度拡充関係)
(問Ⅱ-127)
28年度から新植支援の対象が拡充されましたが、その考え方を教えて下さい。
(答)
27年度に新設した新植支援について、一定の要件を満たす場合(
『需要が見込まれる
品種』、『大規模基盤整備を行った園地』)は、現行要件(新品種、面積)に関わらず、
支援対象とするものです。
(問Ⅱ-128)
『需要が見込まれる品種』については、誰が、どのようにして認めるのですか。
- 33 -
(答)
産地協議会が産地計画を作成する際に、細則に記載された要件を満たすかについて確
認し、該当する品種がある場合には、産地計画に対象品種として記載することとなりま
す。なお、必要に応じ、産地計画の協議の際に、それぞれの要件を満たしていることに
ついて、県果協、都道府県に証拠書類を示して下さい。
(問Ⅱ-129)
産地計画の作成に当たり、消費量が増加している、栽培面積が増加している又は
輸入数量が多く国産ニーズがあるというのは、どのように判断すれば良いのですが。
(答)
例えば、特産果樹生産動態等実態調査や各都道府県等で調査された各種統計や、第三
者機関による調査資料などのデータに基づき、判断して下さい。
(問Ⅱ-130)
キウイフルーツについて、花粉採取用のオス樹の品種を新植支援することとした
背景は何ですか。
(答)
花粉採取用のオス樹については、現行では、混植する場合を除き、改植支援の対象と
していなかったところですが、キウイフルーツについては、キウイフルーツかいよう病
Psa3系統の発生に伴い、国産花粉の確保が緊急的に求められており、花粉採種用園地の
整備が重要となっていることから、特認事業である新植支援の対象とすることとしたも
のです。
(問Ⅱ-131)
『大規模基盤整備を行った園地』を新植支援の対象としていますが、基盤整備前
は果樹園である必要がありますか。
(答)
『大規模基盤整備を行った園地』を新植支援の対象とすることとしたのは、果樹園に
ついて大規模基盤整備を行った結果、改植に3年以上要するような場合には、現行の改
植支援の対象となっていなかったことから、こうした場合も支援対象とするためです。
このため、産地において果樹園であったところに大規模基盤整備が行われて、当該基盤
整備が完了した土地である必要があります。これに該当しない場合、他の新植要件に従
って判断されることとなります。
(問Ⅱ-132)
「過去5年以内に大規模基盤整備(受益面積が5ha以上の基盤整備(災害復旧等
を除く。))が完了した土地」とあるのは、支援対象となる面積の考え方はどうな
っていますか。
(答)
大規模基盤整備を行った果樹産地全体で見た場合、基盤整備前後でおおむね同等の果
- 34 -
樹栽培面積になるものと想定しています。このため、基盤整備前とおおむね同等となる
面積の範囲まで(基盤整備前の果樹園の面積の+2割まで)新植が可能となります。な
お、個々の土地の従前地が果樹園であったかどうか、面積がどうかは問いません。
(問Ⅱ-133)
『大規模基盤整備を行った園地』を新植支援の対象とする場合、対象となる品種
を産地計画に記載しなくてもよいのですか。
(答)
新植支援の対象として、27年度に認めた新品種や、今般、対象に追加する『需要が見
込まれる品種』については、対象となる品種を特定するため、産地計画に当該品種を記
載する必要がありますが、『大規模基盤整備を行った園地』の場合にあっては、産地計
画に生産を振興すると明記された品種であれば対象となるため、とくに記載する必要は
ありません。
(問Ⅱ-134)
「過去5年以内に大規模基盤整備を完了した土地」に限っているのはなぜですか。
(答)
大規模基盤整備を行ってから一定期間以上経た土地であって、現況、果樹園でない場
合、もはや果樹園とは言いがたいことから、果樹園であることを担保するために大規模
基盤整備後一定期間以内にあることとしました。
(問Ⅱ-135)
『需要が見込まれる品種』であることや『大規模基盤整備を行った園地』である
ことといった要件に合致しない場合はどうなりますか。
(答)
種苗法に基づく品種登録から概ね10年以内の品種や産地での栽培実績が概ね10年以内
の品種といった品種の要件、及び、新植を実施することにより当該産地における当該品
目の事業実施年度の前年度の栽培面積を上回らないとの面積上限を満たす必要がありま
す。
(問Ⅱ-136)
優良系統は新植の対象になりますか。
(答)
優良系統が今回の要件又は従来の要件のうち「産地での栽培実績が概ね10年以内」
に該当し、産地計画で新植の対象として記載されている場合には、当該優良系統につい
ては、新植の対象になります。
※ 優良系統とは、同一品種の中で、高糖度系、着色系統、収穫時期が早い等の当該品
種の通常の系統と異なる優良な特性を持つとして通常の系統と区分されて取引されて
いる苗木を用いるものをいいます。
- 35 -
(問Ⅱ-137)
新植に係る新要件(28年度からの要件)について、「該当することが確実である
と認められる」とありますが、具体的にどのような場合ですか。それぞれについて、
説明をお願いします。
(答)
(当該産地において実需者等と安定的な契約取引が行われている品種)
過去に取引実績がない場合などは試行的な契約等も想定できることから、品種名の記
載があったとしても単に契約が結ばれていることをもって、実需者等との安定取引があ
るとは判断できないため、契約の内容や、取引に至った経緯を具体的に聞いた上で安定
的な契約取引が確実と判断する必要があります。
(我が国において輸出している品種)
信頼できる第3者の資料・データにおいて輸出していることが確認されることなどが
必要です。
なお、資料・データが古い等のため信頼できる第3者に確認した場合においては、情
報の入手先・入手年月日、輸出実績の年月、輸出先、品種名、輸出量などを記録した書
面を整備・保管し、後日、資料・データが公表された場合にはチェック・確認を行って
ください。
(問Ⅱ-138)
産地計画において新植の対象品種として「ふじ」を記載し、「ふじ」を海外に輸出
していることが確認できれば、その系統(三島ふじ・宮美ふじ等)に関わらず植栽で
きるでしょうか。
(答)
産地計画の書き方によって、新植の対象として「ふじ」と記載されていても「三島ふ
じ」等が認められる場合があります。
① 認められる場合(産地計画に以下のとおり記載されている)
○生産を振興する品種
ふじ
○同一品種の改植の対象とする優良系統
三島ふじ(ふじの優良系統)
「三島ふじ」は「ふじ」に含まれる
○新植の対象とする品種
ふじ
「三島ふじ」を含む「ふじ」で要件を判断
「ふじ」が対象となれば「三島ふじ」も対象
② 認められない場合(産地計画に以下のとおり記載されている)
○生産を振興する品種
ふじ
〃
三島ふじ
「三島ふじ」は「ふじ」と別品種として整理
○新植の対象とする品種
ふじ
「三島ふじ」は含まない
「三島ふじ」を除く「ふじ」で要件を判断
- 36 -
(問Ⅱ-139)
新植の要件に、「当該産地において実需者等と安定的な契約取引が行われている品
種であること。」とありますが、取引相手は、企業や個人に限られますか。市場は対
象にならないのでしょうか。
(答)
農林漁業者等と食品製造業者等とがあらかじめ締結した契約書に品種が記載され実際
に契約取引に仕向けられている品種については、対象になります。卸売業者間の契約、
又は、卸売業者と食品製造業者等との契約、集荷の共同化等に仕向けられている品種に
ついては、対象外になります。
<参考>
①対象になる契約(品種が記載されている必要があります。)
・卸売市場法施行規則第24条第6項の規定により、卸売業者が、農林漁業者等と
食品製造業者等とがあらかじめ締結した新商品の開発に必要な国内産の農林水産
物の供給に関する契約に基づき、当該食品製造業者等に対して卸売をする場合
・同施行規則第28条第1項のハの規定により、仲卸業者が、農林漁業者等及び食
品製造業者等との間においてあらかじめ締結した新たな国内産の農林水産物の供
給による需要の開拓に関する契約に基づいて買入れしている場合
②対象にならない契約
・同施行規則24条第5項及び同7項の規定による契約については、卸売業者間の
契約、又は、卸売業者と食品製造業者等との契約であることから、対象外になり
ます。
・同施行規則第28条第1項のロの規定による契約については、集荷の共同化に係
る契約であることから、対象外になります。
(問Ⅱ-140)
ブランド化されている品種であることとあるが、ブランド化の期間の短いもの、県
の育成したオリジナル品種、高単価で販売されたものは、ブランド化(差別化)が図
られている品種としてよいですか。
(答)
過去のブランド化期間の長短、県の育成したオリジナル品種、高単価での販売実績を
もって、差別化されているとはいいがたいと考えています。具体的には、他と異なる販
売方法、特色ある栽培方法により差別化されていて、市場や消費者から一定の評価を受
けている品種であることが必要です。
(問Ⅱ-141)
新植を行う場合の要件「当該産地においてブランド化されている品種」とあります
が、当産地は複数の品種を産地名を冠しブランド化(他の地域、他の品種と差別化を
- 37 -
を図っている。この当該複数の品種のうち一つの品種を新植したいが可能ですか。
(答)
可能です。
(問Ⅱ-142)
新植を行う場合の要件「我が国において海外に輸出している品種」とありますが、
優良系統については、どのような扱いになるのでしょうか。
(答)
産地計画に新植の対象として優良系統名が記載され、しかも、当該優良系統が輸出さ
れていることが確認できれば、当該優良系統は新植の対象になります。
〇 整備事業(確認関係)
(問Ⅱ-143)
整備事業における事前確認及び事後確認は、産地協議会が実施するとされています
が、産地協議会の構成員の誰が行うのですか。
(答)
事前確認・事後確認については、生産出荷団体、農業委員会、市町村等が実施するの
が適当と考えております。地域の実情に応じて、あらかじめ産地協議会で実施者を決め
て実施してください。
(問Ⅱ-144)
整備事業における事前確認、事後確認について、管内の農業者が、他の市町村に所
有している果樹園を整備事業の対象とした場合、誰が行うのですか。
(答)
農業者が所属する産地協議会が行うことが原則ですが、当該産地協議会から出作地の
産地協議会に依頼して、出作地の産地協議会で確認してもらっても良いことにしていま
す。
ただし、出作地に産地協議会が設置されていない場合は、出作地を管轄する市町村又
は生産出荷団体に依頼することになります。
(問Ⅱ-145)
整備事業における、事前確認はいつ行うのですか。
(答)
農業者から実施計画が提出された後、できる限り速やかに行うことになります。
(問Ⅱ-146)
整備事業における事前確認の際、整備事業の実施希望者が担い手であることをどの
ようにして確認するのですか。
(答)
「果樹産地構造改革計画について」(平成17年3月25日付け16生産第8112号農林水産
- 38 -
省生産局長通知)では、県果協又は都道府県が産地計画を承認する際に担い手のリスト
の添付を義務づけていませんが、各産地においては、担い手を明確化する過程で、当該
担い手が、産地計画で担い手の要件として定められた項目のいずれに該当するかを含
め、リスト化したものがあると考えていますので、そのリストにより確認して下さい。
(問Ⅱ-147)
整備事業における、事後確認はいつ行うのですか。
(答)
改植・高接、新植については植栽後、廃園については抜根・伐採後、その他について
は工事完了後、できる限りすみやかに行うことになります。
(問Ⅱ-148)
事前確認及び事後確認に写真は必要ですか。
(答)
伐採や工事前後の写真は必要です。特に、果樹が植えられていたこと、伐採されたこ
と、実施計画に記載された土地に果樹が植栽されたこと、工事前の園地の状態、工事が
行われたことという確認が必要となります。
この場合、印刷(プリント)又は、電子データで保存して下さい。
(問Ⅱ-149)
改植・高接において、「事業実施後1年以内に転換した園地を担い手に集積」され
たことの確認は、誰がどのようにおこなうのですか。
(答)
実施計画に、園地を担い手に集積する予定年月を記載することになっているので、産
地協議会はこれに照らして、賃貸借契約、委託契約書、土地台帳等の書面により確認し
てください。
(問Ⅱ-150)
廃園における、「廃園面積と同等以上の面積の果樹園が、原則として廃園の実施年
度の翌年度までに、産地内の担い手に集積」されたことの確認は、誰がどのように行
うのですか。
(答)
廃園を実施する場合、産地協議会は、廃園の実施年度の翌々年度に、担い手への園地
集積状況について、賃貸借契約、委託契約書、土地台帳等の書面により確認してくださ
い。
(問Ⅱ-151)
4年後、8年後の確認は、いつ、どのようなことを確認するのですか。
(答)
産地協議会は、整備事業の実施後4年間(補植改植にあっては植栽後4年間)に少
- 39 -
なくとも1回及び業務方法書第107条の規定に留意して整備事業実施から8年後(補
植改植にあっては植栽後8年後)に1回、行う必要があります。
確認事項は、改植、高接、廃園、特認植栽及び新植による転換等の態様の維持
果樹園を担い手に集積する場合においては、集積予定年月に集積がなされているこ
と。
具体的な確認事項については、業務方法書の参考様式2-1号、同2―2号を参考に
してください。
〇 他事業等との調整
(問Ⅱ-152)
土地改良事業地区において整備事業を実施することとなった場合、土地改良事業の
計画変更は必要ですか。
(答)
土地の利用形態、事業の進捗状況等により異なりますので、都道府県・市町村の土地
改良部担当局と相談して下さい。
(問Ⅱ-153)
本対策については、都道府県及び市町村単独事業等と関連づけるべきでしょうか。
(答)
本対策と一体的に実施するのが効率的な取組として、都道府県や市町村の判断におい
て支援対象者への追加的な補助や単独事業の実施等を予め検討していただきたいと考え
ています。
〇 産地構造改革ポイント
(問Ⅱ-154)
整備事業に係る産地構造改革ポイントの趣旨、考え方について説明してください。
(答)
本対策整備事業は、産地全体の戦略的な取組として優良品目・品種への転換(改植・
高接)、小規模園地整備等を計画的に行い、将来にわたって消費者の求める高品質な国
産果実を継続的・安定的に生産できる産地を育成することを目的としています。
このため予算の範囲内で有効に整備事業を実施するため、産地計画の実現に資するよ
う産地構造改革の状況等に係る指標を定め、当該指標に応じて産地協議会単位でポイン
トを付与し、ポイントの合計数値が上位のものから優先的に補助金を配分することとし
ます。
(問Ⅱ-155)
整備事業に係る産地構造改革ポイントの指標とは何ですか。また、どのように判定
されますか。
(答)
産地構造改革ポイントの指標は、以下の項目です。
- 40 -
1
産地計画に関する指標は、①担い手数、②振興品目・品種の栽培面積、③事業実施
(受益)面積(3項目必須)
2 産地の構造改革状況に関する指標は、④契約取引割合、⑤担い手の栽培面積割合、
⑥果樹共済加入割合、⑦単収(うち1項目選択)
3 事業の取組状況に関する指標は、⑧産地計画策定時期、⑨事業実施実績割合(2項
目必須)
4 事業実施の緊急性に関する指標は、⑩前回申請の採択状況、⑪年度内完了事業割合
(2項目必須)
1~4の項目の選択指標ごとに、目標等に対する達成率等でポイントが付与されその
合計をもって当該産地協議会の産地構造改革ポイントとなります。
その産地構造改革ポイントに基づき判定されます。
(問Ⅱ-156)
整備事業に係る産地構造改革ポイントは、具体的にどのように作成すればよいです
か。
(答)
1 産地協議会は、都道府県法人等に実施計画を提出する際に、別記様式13号の別紙の
7様式により①~⑪の指標についてデータを記入してください。
なお、④~⑥の指標は、当該産地協議会において最も優れていると思う指標を
1つ選択してください。
2 都道府県法人等は、ポイント総括表(ポイントの計算を行うためのエクセルシート)
に各産地協議会のデータを入力の上、別途メール等で提出してください。
〇 推進事業
(問Ⅱ-157)
推進事業については、産地計画にどのように位置付けられていればいいのですか。
(答)
推進事業についても、産地計画に基づき実施することとしています。このため、対象
とする品種・品目が産地計画に「生産を振興する」旨、明記されていることが必要です。
また、現状分析(課題の析出)、取組の方向(具体的な将来目標とその考え方、実施方
針、実施方法等)が整理されている必要があると考えています。
(問Ⅱ-158)
推進事業を行う際の果樹共済への加入要件「加入率の向上に関する目標が設定され
ており、当該目標の達成が確実であると認められる」かどうかについては、どのよう
に判断するのですか。
(答)
果樹共済については、気象災害等の果樹被害の発生時において農家経営の安定に資す
るため、農業共済団体をはじめ生産者団体、関係行政機関が協力して体制を整備し、生
産者に対して果樹共済への加入の重要性を十分浸透させることにより、加入を推進する
- 41 -
必要があることから、推進事業においてこのような果樹共済への加入要件を設けていま
す。
「加入率の向上に関する目標が設定されており、当該目標の達成が確実であると認め
られる」かどうかについては、実施計画の承認申請時において、当該地域での加入の現
状を踏まえて加入率向上の具体的目標を掲げ、推進事業を実施する当該区域を含む地域
で農業共済団体、生産者団体、行政機関等を構成員とする加入推進協議会等が設置され
ており、定期的に会議が開催され、加入推進を図るための活動計画、加入目標等につい
て関係者の合意形成がなされているかどうかにより判断することとします。
なお、この場合、協議会等は必ずしも受益地区ごとに設置する必要はなく、受益地区
を含んでいれば、複数の農業共済組合(又は農業共済事業を行う市町村)にまたがる地
域で設置した協議会等や県全体の協議会等でも差し支えありません。
(問Ⅱ-159)
推進事業における上記の果樹共済の加入要件について、当該都道府県あるいは当該
地域での引き受け対象となっていない品目については、本要件は適用されないと理解
していいですか。
(答)
対象品目について果樹収穫共済の引き受けが行われていない場合は適用されません。
(問Ⅱ-160)
推進事業における支援対象者について、本会が特に必要と認める者(以下「特認団
体」という。)はどのような者を想定しているのですか。
(答)
推進事業における特認団体は、地域における生産構造の改革を実施するという事業の
性格から、都道府県下全域や産地協議会すべてをカバーできる団体を想定しています。
地域の取りまとめを行う能力が必要なことから、市町村や農協、生産出荷団体のほかに、
地域全体をフォローして事業を行える団体ならば構いません。
(問Ⅱ-161)
推進事業について、毎年度、継続的に実施することができますか。
(答)
毎年度、継続的に実施することはできません。原則、単年度事業です。
推進事業は、競争力の高い産地を育成する一環として、労働力調整システム、担い手
支援情報提供システム、新技術等の導入支援、販路開拓の推進強化、輸出用果実の生産
・流通体系の実証など、産地計画に基づく新たな取組、いわば新たに立ち上げる取組を
確実に軌道に乗せることを前提として、支援することとしています。
従って、既に産地で継続的に行われている取組、既に取り組んだことのある取組のよ
うなものについては、本来支援対象者自らが取り組むべきものであって、国庫補助によ
る本事業の支援対象とすることは、なじみません。
- 42 -
(問Ⅱ-162)
推進事業の事業実施期間について、2カ年が可能な場合とはどのような場合でしょ
うか。また、留意することはあるでしょうか。
(答)
推進事業については、次の場合に限り2カ年にわたる事業の実施を可能とします。
① 栽培技術の実証など年度を跨いで、事業を行わねばならない合理的な理由がある
こと。
② 同じような取組、反復的な取組を繰り返し行うものでないこと。
なお、補助金の概算払いについては、精算払いする年度のみ可能です。
(問Ⅱ-163)
推進事業を実施して得られる成果品等を提出とのことですが、どのようなものを提
出すればよいのですか。
(答)
各推進事業を実施して得られた成果品、あるいは取組の成果報告など、推進事業の成
果、効果が分かるようなものです。
例えば、担い手支援・園地情報システムの構築でマッピングシステムを導入した場合
においては、入力項目(樹齢、品種、園地の位置、・・・・)、情報提供の内容(出力画
面など)、システム活用方法、活用者の範囲、システム導入による効果など、具体的に
わかるものをお願いしています。
ただし、大苗育苗ほの設置については、成果品の提出を要しません。
(問Ⅱ-164)
それぞれのメニューでは、どういった機器等を導入できるのですか。また、購入す
ることも可能ですか。
(答)
1 今般拡充したメニューにおいては、各種機器の導入についても支援対象としてい
ますが、次のようなものを想定しています。
① 担い手支援・園地情報システム
園地情報を入力し、データベース化が容易となるような、情報入力端末
② 新技術等の導入・普及支援
フィールドサーバ等の園地に設置するセンサー、栽培管理用情報入力端末、ドロ
ーン(小型無人機)、その他異分野からの産地の技術革新につながる機器
③ 販路開拓・ブランド化の推進強化
携帯型品質評価装置(非破壊糖酸度測定装置)
2 機器の導入に当たっては、当該事業の目的を達成するために必要な最小限の規模
とし、リースの活用等により費用の低減に努めてください。また、購入価格は50
万円以内を想定しています。
3 なお、本事業により機器を導入した場合について、補助事業終了後においても、
事業の趣旨に沿って適切に使用・管理してください。
- 43 -
(問Ⅱ-165)
推進事業において、特許権等の使用料については、補助対象になりますか。
(答)
推進事業において、新技術等の導入支援による実証ほを設置する場合にかかる特許権
等の使用料等については補助対象となります。
(問Ⅱ-166)
労働力調整システムの構築については、具体的にどのようなものを想定しているの
ですか。
(答)
労働力調整システムの構築は、臨時雇用の植栽等その他担い手の経営規模の拡大に必
要な労働力の供給を行うシステムの構築や新規就農者等のための研修を行うこととして
います。
具体的にはJA等に無料職業紹介所を設置し、希望農家に臨時雇用者をあっせんする
仕組みづくり、ハローワークやシルバー人材センター等の制度を利用して雇用や作業受
委託を円滑化する仕組みづくり、農業体験希望者等を会員とする営農支援組織を設立
し、収穫作業等の受委託をあっせんする仕組みづくり、産地外の消費者等による収穫作
業体験等を通じて短期的な労働力を確保する仕組みづくりなどが考えられます。各先進
地域の情報を収集するなど各産地で工夫してシステムを構築してください。
また、この場合、新規就農者の研修については、研修園借上経費、指導員旅費・謝金
等が対象です。
(問Ⅱ-167)
大苗育苗ほの設置の目的は何ですか。また、購入した苗等を一定期間育苗すること
のほかどのような場合を想定しているのですか。
(答)
購入した苗等を一定期間育苗することにより、改植等による未収益期間を短縮化する
こと、又は入手困難な新品種の苗を早急に確保すること等を目的としています。
このほか、農協等が自己保有している台木に穂木を接ぎ、これを大苗に育苗して農家
に供給する場合等を想定しています。
(問Ⅱ-168)
大苗育苗ほにおいて育苗する苗等は、産地計画に位置付けられた優良品目・品種で
ある必要がありますか。
(答)
優良品目・品種への転換等により構造改革を進めることが目的ですので、大苗育苗ほ
で育苗する苗についても、産地計画に位置づけられた優良な品目・品種である必要があ
ります。
- 44 -
(問Ⅱ-169)
大苗育苗ほの設置において、育苗期間が数年に及びますが、ほ場借料を毎年度支払
う必要があることから、毎年度、交付申請等の手続きを行う必要がありますか
(答)
推進事業については、原則として各年度毎に計画申請・交付申請・実績報告等の手続
を行うようにしています。
しかしながら、大苗育苗ほの設置については、大苗を生産するまでに複数年間のほ場
設置が必要であること、通常2~5月の間に①圃場の借り上げ②苗木(幼木)の購入
③運搬・植栽等一連の作業が連続すること等から、事業実施計画の申請・承認及び交付
申請・決定を初年度に行い、翌年度に事業実績報告と精算払い請求を行うことができま
す。
(問Ⅱ-170)
大苗育苗のため購入する際の苗木の樹齢及び育成年数の基準はありますか。
(答)
事業の目的等(未収益期間の短縮、又は入手困難な新品種の苗の早急な確保等を目的
とし、購入した苗等を一定期間育成)に即していれば、購入する苗木の樹齢、育成する
年数には特に基準(制限)は設けていませんが、
果樹の品目や品種によって状況が異なるので、当該都道府県の農業試験場と相談のう
え、本会に相談してください。
(問Ⅱ-171)
大苗育苗ほの設置について、どのような経費が補助対象になりますか。用水・かん
水施設の整備やハウスの建設に要する経費については補助対象になりますか。
(答)
苗木育苗ほ又は接木用穂木採ほ園の設置のためのほ場借料、接木用台木購入費、接木
用穂木購入費、苗木購入費、母樹購入費等の経費が補助対象になります。
用水・かん水施設の整備やハウスの建設に要する経費については、補助対象外です。
そもそも、苗木を育成するにふさわしい環境のところを選定して事業を実施することが
基本です。
(問Ⅱ-172)
支援対象者のJAが農家の土地を借り上げて大苗ほを設置する場合、借地料の目安
はありますか。
(答)
大苗育苗ほ設置のため農地を借地する場合の借地料については、基本的に当該市町村
の農業委員会が設定する「標準小作料」が目安となります。
(問Ⅱ-173)
大苗育苗ほの設置で育苗された大苗を農家へ販売し、その販売代金を管理委託料に
- 45 -
充当してよいですか。
(答)
販売代金を管理委託料に充当することは可能です。農家へ販売する際の苗の販売価格
については、大苗育苗に係る補助金相当額を差し引いて設定することが必要です。また、
その販売価格については栽培管理に要した経費に見合った額であることが必要です。
(問Ⅱ-174)
穂木の配布用母樹の育成・維持体制の整備について、具体的にどういった支援が受
けられるのですか。
(答)
母樹の育成のための網室等の整備を想定しています。一般の産地というよりはむし
ろ、公的研究機関や当該機関から受託した農協等を想定しています。
(問Ⅱ-175)
新技術等の導入・普及支援は、具体的にどのようなものを想定しているのですか。
(答)
新技術等の導入支援では、生産現場において普及率が低く、今後普及させることが望
ましい技術の導入のための実証及び定着、標準化するための技術研修会の開催等を想定
しています。
具体的には、消費者が求める高品質果実の安定的な生産(ブランド化)を実現するた
め、高品質化新技術を導入のほか、その技術を定着、標準化させ、産地全体として安定
した品質・量に対する評価を確立させるために必要な実証・展示、技術研修会の実施で
す。
(問Ⅱ-176)
新技術等の導入・普及支援の対象となる新技術等とはどのようなものですか。何か
基準があるのですか。
(答)
産地計画に位置づけられている技術であって、全国で普及が進んでいない技術、全国
ではある程度普及が進んでいるが当該地域で普及していない技術又は普及が必要と判断
される技術などが考えられます。実施計画の作成の段階で必要性をよく検討してくださ
い。
なお、基準は
① 当該産地の公的試験研究機関において推進すべきとされている技術
② 当該産地において普及率が低く、今後普及させることが望ましい技術
③ 消費者が求める高品質果実の安定的な生産(ブランド化)を実現するための高品質
化技術又は大幅な省力化が期待できる技術等
が考えられます。
(問Ⅱ-177)
- 46 -
新技術等の導入・普及支援において、担い手の技術等の向上のための研修会、講演
会、県内・県外産地研修は対象になりますか。
(答)
新技術等の導入、定着、標準化のための実証を行う場合は、実績検討会や技術研修会
として実施可能です。
なお、補助対象経費は、研修会等講師・指導員の旅費・謝金、資料印刷費、会場借料
などで、参加者の旅費、受講費、資料代、飲食代などは対象になりません。
(問Ⅱ-178)
新技術等の導入・普及支援について、異業種とのマッチングに向け、民間企業の研
究動向を調査したいが、どのような場合が可能でしょうか。また、どのようなことに
留意すべきでしょうか。
(答)
①産地計画に位置づけられた新技術等であることが必要です。②調査先、調査結果に
ついても、事前の情報入手により、確実に補助事業の目的に沿った具体的な調査結果が
得られる見通しのある調査先を選定してください。③また、調査内容についても、事前
に質問項目を設定し、効率的行うようにしてください。④調査人数については、調査結
果を十分説明、活用できる者等最低限の人数としてください。
(問Ⅱ-179)
新技術の導入・普及支援のうちICTの導入活用について、どのような 取組が対象
となるのですか。
(答)
ICTの導入実証については、例えば園地に設置したセンサー(フィールドサーバー)
から得られる気象情報等のデータを元に栽培管理に活用することを実証するような場合
に、ICT機器(センサー)、実証用資材費、システム開発・管理コンサルタント費等が補
助対象となります。
ICT技術の導入については、様々なケースが想定されますので、導入を検討する場合
には事前に本会にご相談いただきますようよろしくお願いします。
(問Ⅱ-180)
産地計画に今後生産を振興すべき優良品目・品種と明記されている果樹について
は、すべて販路開拓・ブランド化の推進強化の対象になるのですか。
また、海外での活動も対象になるのですか
(答)
販路開拓の推進強化については、生産を振興すべき品目・品種(優良品目・品種)を
対象として、ブランド化を進め、販路開拓を行うための調査、展示会等の活動を行うこ
とを想定しており、産地計画に定められた流通販売戦略を基本に行うこととしていま
す。
- 47 -
従って、産地計画において、今後生産を振興すべき優良品目・品種として記載されて
おり、そのための流通販売戦略が産地計画に定められていれば対象となります。
また、基本的には国内における活動を対象として考えていますが、輸出等の戦略を産
地計画に販売戦略として定めている場合は、計画の内容により対象となるか否かを判断
しますので、具体的な計画がある場合には、本会にお問い合わせください。
(問Ⅱ-181)
販路開拓・ブランド化の推進強化において、生果だけでなく、その加工品も対象と
なりますか。
(答)
産地計画に明記されている生産を振興すべき優良品目・品種(優良品目・品種)の生
果及びその加工品が対象となります。
このため、優良品目・品種の生果またはその加工品のみを事業の対象としていること
を証明できるよう関係資料を整理しておくことが必要です。
なお、販売開拓の推進活動等を行った場合は、今後生産を振興すべき優良品目・品種
とそれ以外の果実の数量(割合)を明確に把握・記録しておいてください。
(問Ⅱ-182)
県統一のうんしゅうみかんブランドが導入されていないある地域において、今後、
県統一ブランドうんしゅうみかんを導入する場合、販路開拓の推進強化の事業の対象
になりますか。
(答)
当該地域の産地計画において、これまで行っていなかった都道府県統一ブランドを活
用した販売戦略を定めている場合は、事業の対象になります。
(問Ⅱ-183)
輸出用果実の生産・流通体系の実証において、どのような経費が補助対象となりま
すか。
(答)
補助対象となる経費は、実証ほ借上料、実証用資材費、実証ほ試験設計・成績検討会
資料印刷費、残留農薬分析費等です。
ただし、実証ほの規模は、技術的な検討を行うために必要な最低限の規模とします。
(問Ⅱ-184)
輸出用果実の生産・流通体系の実証において、輸出先での市場調査や販促活動は補
助対象となりますか。
また、検査官の招聘等の検査費用は補助対象となりますか。
(答)
輸出先国及び地域の輸入条件に適合した果実の生産・流通体系を実証する取組に要す
る経費に対し、補助することとしています。従って、輸出先での市場調査や販促活動、
- 48 -
国内外での商談、検査官の招聘等の検査費用は補助の対象としていません。これらは、
農山漁村6次産業化対策事業のうち輸出に取り組む事業者向け対策事業等の活用を検討
してください。
(問Ⅱ-185)
輸出用果実の生産・流通体系の実証において、既に輸出に取り組んでいる産地も事
業を実施できますか。
(答)
産地における輸出実績の有無にかかわらず、本事業を実施することは可能です。
〇 推進事務費
(問Ⅱ-186)
推進事務費はどのような基準でどのような使途に使えばいいですか。
(答)
推進事務費は果樹経営支援対策事業及び果樹未収益期間支援対策事業の推進に必要な
以下の経費を対象としています。
① 果樹経営支援対策事業の推進に必要な会議の会場借料、旅費
② 事業計画書等関係書類の送付等の通信費、事前確認・事後確認に必要な車の燃料
費、確認に必要な機械、器具(例えばデジカメやGPS測量機)等の購入費やリース
(レンタル)費、関係書類の保管に要する備品購入費のほか産地協議会が実務の推進
上、必要となる経費も対象としています。
他事業と合わせて要する経費については、合理的な使用割合も用いてそれぞれに応じ
た額を算出して下さい。
詳細については、本会にお問い合わせください。
(問Ⅱ-187)
会議用等の弁当代は認められますか。
(答)
弁当代・お茶代については、いずれも認められません。
(問Ⅱ-188)
推進事務費として使用した経費の証拠書類は保管しておく必要がありますか。
(答)
領収書や帳簿等の証拠書類は保管しておいてください。
なお、
① 都道府県法人等の支出に係る分については、経費明細書を本会に提出
② 産地協議会の支出に係る分については、領収書の写しを都道府県法人等に提出し
て下さい。
〇
消費税関係、帳簿等の保管整備
- 49 -
(問Ⅱ-189)
一般課税事業者における仕入れに係る消費税相当額についての取扱いはどうなり
ますか。
(答)
1 補助金の交付決定の段階で仕入税額控除の対象となる消費税相当額が明らかな場合
には、この仕入税額控除対象額を減額して申請してください。
2 申請時において同税額が明らかでないものについては、精算条件を付して消費税相
当額を含めて交付決定を行い、事業実施状況報告の際に減額して報告するものとしま
す。
事業実施計画書の申請に当たっては、その備考欄に、免税事業者、課税事業者(一
般課税業者)、課税業者(簡易課税業者)に応じて、免税、一般、簡易のいずれかを
記載し、
① 仕入税額控除対象額を減額した場合は、「除税額○○円、うち補助金○○円」を、
② 同税額がない場合は、「該当なし」を、
③ 同税額が明らかでない場合は、「含税額」を、
のいずれかを記入するものとしています。
3 さらに、補助金の額の確定後、消費税の申告により仕入税額控除対象額が明らかに
なる場合は、返還条件を付して消費税相当額を含めた額について補助金の額の確定を
行い 、仕入税額控除対象額が確定した段階でその額を返還して頂くことになります。
4 なお、「仕入税額控除対象額」とは、補助対象経費に含まれる消費税及び地方消費
税相当額のうち、消費税法(昭和63年法律第108号)の規定により仕入れに係る消費
税税額として控除できる部分の金額及び当該金額に地方税法
(昭和25年法律第226号)
の規定による地方消費税の税率を乗じて得た金額の合計額をいいます。
参考:
「補助事業等における消費税相当額の取扱いについて」(平成5年3月19日付け5経第311号農林水産事務次官通達)
(問Ⅱ-190)
果樹経営支援対策事業及び果樹未収益期間支援対策事業において、補助金の受け取
りを請求する場合において、定額補助の場合も、定率事業と同様に領収書などの証拠
書類の提出は必要ですか。
(答)
証拠書類の提出は必要ありませんが、事業に要した経費に係る領収書については、定
額、定率の事業に係わらず保管しておいて下さい。果樹未収益期間支援事業についても
同様です。
(問Ⅱ-191)
果樹経営支援対策事業及び果樹未収益期間支援対策事業において、交付決定条件の
中に、補助金にかかる収入及び支出を明らかにした帳簿を備えることと、証拠書類の
保管が義務づけられていますが、その理由を教えてください。
(答)
- 50 -
国庫補助事業に係る補助金受給者の当然の義務として、補助金にかかる収入・支出に
関する書類を保管しておくことが必要との考えによるものです。また、このことは、事
業の目的に合致した適切に事業実施が行われたか否か、判断するための資料としても有
効であると考えます。
(問Ⅱ-192)
上記の帳簿や証拠書類のほかに、整備保管しなければならない書類はありますか。
(答)
果樹経営支援対策事業により取得し又は効用の増加した財産で処分制限期間を経過し
ない場合においては、交付決定条件に定める財産管理台帳及び関係種類を整備保管しな
ければなりません。
〇 税制・年金関係
(問Ⅱ-193)
基準日より前に廃園した場合、経営移譲はどのように行えばよいでしょうか。
(答)
経営移譲を行うためには、基準日において30アール以上の経営農地面積(処分対象農
地等)が必要です。
基準日前に植林その他転用の態様をとる廃園とし、農地等以外の地目にした土地は処
分対象農地等としてカウントされません。従って、経営移譲年金の受給権取得のために
は、基準日に残余の農地等が30アール以上となるようにすることが必要です。
一方、事業実施後も、他の作物(野菜等)を植えるなどにより、その土地が農地等で
あるならば、処分対象農地等となります。従って、この場合には、この農地等も含めて
経営移譲することが必要です。
(問Ⅱ-194)
経営移譲年金を受給しようとする者が、基準日以降経営移譲終了日までに、植林そ
の他転用の態様をとる廃園とした場合、経営移譲年金の受給権を取得できますか。
(答)
基準日以降に、植林その他転用の態様をとる廃園により、農地等でないものとした場
合は、残余の経営農地等を適格に処分しても不適格な経営移譲となり、受給権を取得出
来なくなります。
従って、本事業により、植林その他転用の態様をとる廃園とする際には、植林その他
転用の態様をとる廃園とした日の翌日以降の日が基準日となるよう経営移譲を行う必要
があります。ただし、この場合、経営移譲終了日が65歳の誕生日の2日前となるように
することが必要です。
(問Ⅱ-195)
整備事業を実施することによって経営移譲年金は支給停止とならないのでしょう
か。
- 51 -
(答)
「所有権の移転による経営移譲」や「第3者への経営移譲で基本額の経営移譲年金を
受給している」場合については、事業の実施により、支給停止となることは原則として
ありません。
「使用収益権を設定し後継者に経営移譲」している場合にあっては、後継者が経営移
譲を受けている果樹園を一部でも植林その他転用の態様をとる廃園とした際に、経営移
譲年金は支給停止となります。
また、「第3者に使用収益権を設定して加算付の経営移譲年金を受給している」場合
にあっては、第3者に貸し付けている果樹園の返還を受け、一部でも植林その他転用の
態様をとる廃園とすると、返還から1年後に経営移譲年金の加算額部分が支給停止とな
ります。
ただし、果樹経営支援対策事業等の国の施策の実施を理由として、植林を行った場合
には、必要な手続きを行うことにより経営移譲年金の支給が停止されないこととなって
います。
(問Ⅱ-196)
相続税及び贈与税の納税猶予の特例を受けている果樹園について、転換等を実施し
た場合、納税猶予は打ち切られますか。
(答)
納税猶予の特例を受けている果樹園を植林又は転用を伴う廃園とした場合は納税猶予
が打ち切られますので、注意する必要があります。
詳しくは農業委員会に相談してください。
(問Ⅱ-197)
相続税及び贈与税の納税猶予の特例を受けている果樹園について、賃貸、売買等を
実施した場合、納税猶予は打ち切られますか。
(答)
納税猶予の特例を受けている果樹園について、譲渡、贈与、転用、使用貸借権の設定、
賃借権の設定、耕作の放棄等をした場合は、原則、納税猶予が打ち切られますので、注
意する必要があります。
なお、相続税・贈与税の納税猶予の対象地について、農業経営基盤強化促進法等に基
づく事業による貸付け(特定貸付け。贈与税の納税猶予の対象地については、納税猶予
を受けてから一定期間経過している必要があります)をした場合や相続税・贈与税の納
税猶予の適用を受けている者が重度の障害等により営農困難な状態となった場合の貸付
け(営農困難時貸付け)をした場合は、納税猶予は打ち切られない特例が措置されてい
ます。この他にも納税猶予が打ち切られない特例等もありますので、詳しくは農業委員
会に相談してください。
(問Ⅱ-198)
補助金の税金上の取扱いを教えてください。また、税制優遇措置はないのですか。
- 52 -
(答)
課税所得扱いとなります。また、税制優遇措置はありません。
なお、確定申告等の取扱については、農業所得の雑収入として扱うのが一般的ですが、
所管する税務署へお問い合わせください。
〇 整備事業(農地中間管理機構を活用した改植等)
(問Ⅱ-199)
農地中間管理機構は果樹経営支援対策事業においてどこまで実施できるのですか。
(答)
整備事業のうち廃園を除いた事業(改植、高接、小規模園地整備、用水・かん水施設
の整備及び特認事業(園地管理軌道施設の整備、特認植栽、防霜設備・防風設備の整備
及び新植)を実施することが可能です。どの整備を行うかは、農地中間管理機構の判断
となります。
なお、推進事業は実施することができません。
(問Ⅱ-200)
農地中間管理機構から果樹園を借りたい場合、どのように申し込めば良いですか。また、機構
に改植等を行ってほしい場合にはどうすればよいですか。
(答)
1 担い手(新規就農者を含む)の方が、農地中間管理機構から果樹園を借りたい場
合、機構の行う「農地の借受公募」に申し込む必要があります。
2 機構は、同公募により申し込んだ借受希望者からその希望内容を踏まえて農地の
マッチングを行うこととなり、機構が改植等を行うかについては、機構が借受希望
者の改植等に係る意向を踏まえて決めていくことが基本となります。
(問Ⅱ-201)
農地中間管理機構が改植等を実施する場合、どの時点で実施すればよいですか。小規模園地整
備(園内道の整備、傾斜の緩和、土壌土層改良、排水路の整備)の場合はどうですか。
(答)
1 出し手から農地中間管理機構が借り受けた果樹園は、確実に、担い手(借り手)
に転貸され、適切に利用されることが求められることから、担い手の意向を聞いて
改植等を実施することが基本となります。
2 このため、機構は、担い手(借り手)の候補者の中から、転貸の相手先を調整す
る際に、改植の要否についても確認することが求められます。小規模園地整備等の
場合も同様です。
(問Ⅱ-202)
借り手を確保する前に、農地中間管理機構が改植等を実施したいのですがよいですか。小規模
園地整備の場合はどうですか。
- 53 -
(答)
本来は、借り手の意向を聞いて改植等を実施することが基本となりますが、改植等を
実施した果樹園が借り手(新規就農者等)に転貸されることが確実と見込まれる場合、
あらかじめ改植等を実施することは可能です。小規模園地整備等の場合も同様です。
(問Ⅱ-203)
農地中間管理機構が改植等を実施する場合、実施計画はどこに提出する必要がありますか。
(答)
1 あらかじめ借り手がわかっている場合、その借り手となる担い手の住所地にある
産地協議会に提出することとなります。この場合、生産出荷団体を経由せず、直接、
産地協議会に提出します。
2 それ以外の場合、その果樹園の所在地にある産地協議会に直接提出することとな
ります。
(問Ⅱ-204)
農地中間管理機構が改植等を実施したい場合、事業実施計画書は、いつ頃を目途として作成・
提出することになりますか。 また、出し手からの土地の借受けの手続きが終わる前に、機構は事
業実施計画書を提出することは可能ですか。
(答)
1 果樹経営支援対策事業は、公募により選定された事業実施主体(平成28年度は中
央果実協会)の公募により実施され、例年、年3回、4月末日、9月末日、12月中
旬頃が締切りとなっています。これを踏まえ、都道府県法人等、産地協議会で締切
りを定めておりますので、改植する時期等を考慮しつつ、締切りに間に合うよう、
事前に、都道府県法人等にご確認下さい。
(2月までに改植を実施するためには、少なくとも3回目(通常、12月中旬頃)の
公募の際には事業実施計画書を提出できるよう準備を進めてください。)
2 なお、事業実施計画の提出時に、出し手からの土地の借受けが完了していなくて
も、改植までに出し手からの仮借受けが完了し、改植が行われることが確実であれ
ば、事業実施計画書の提出は可能です。
(問Ⅱ-205)
農地中間管理機構から転貸を受ける借り手は、産地計画の担い手に位置づける必要はあります
か。
(答)
整備事業(改植等)、果樹未収益期間支援事業は、産地計画に位置づけられた担い手
を対象に支援を行っています。このため、産地計画の担い手リスト等に追加される必要
があります。
(問Ⅱ-206)
- 54 -
農地中間管理機構が改植等を実施した場合に、担い手が未収益期間の支援を受けるための手続
きは、どのようにしたらよいですか。また、支援額はどうなりますか。
(答)
1 通常の改植等では、改植等を行う担い手が、改植等の事業実施計画と未収益期間
の支援対象者としての承認申請を兼ねて、生産者団体を経由して又は産地協議会に
直接書類を提出しますが、農地中間管理機構が改植等を実施する場合は、次のとお
りです。
(1)借り手の意向を受け改植等を行い、改植後1年未満で転貸することが確実な場
合改植等を行う機構が、未収益期間の支援対象者としての承認申請に係る借り手
(担い手)の書類と併せて、産地協議会に提出することとなります。その後、実
際に、 借り手(担い手)に転貸され、営農開始が確実であれば、支払いが可能と
なります。
なお、結果的に、改植等を実施した後、転貸までに要する期間が1年以上にな
ることが見込まれることとなった場合には、借り手(担い手)は、一旦、当該事
業の中止の手続き(計画変更の手続き)を行い、その後、転貸が確実となった段
階で、再度、事業実施計画を提出することになります。
(2)あらかじめ借り手が決まっておらず、改植後、転貸までに1年以上の場合
機構は、先に、改植等に係る手続きのみ行い事業を完了します。その後、借り
手が見つかれば、機構は、未収益期間の支援対象者としての承認申請に係る借り
手(担い手)の書類を、改植等の実績報告(承認済み)の写し及び改植等を行っ
た者から当該園地の貸借権等の権利設定がなされたことを証す書面の写しと併せ
て、産地協議会に提出することとなります。その後、実際に、借り手に転貸され、
営農開始が確実であれば、支払いが可能となります。
2 未収益期間の支援単価は、5.5万円/10aですが、支援対象期間は、改植の取組後1
年未満に担い手に転貸され営農を開始する場合には通常の4年間分、1年以上2年
未満の場合(機構が1年以上2年未満で保全管理する場合)は1年分減じた3年間
分とするなど、機構による改植後の保全管理の年数を減じたものとなります。この
支援単価に支援対象期間を乗じたものが支援額となります。
(問Ⅱ-207)
産地協議会による改植後4年以内及び8年目に行われる園地の確認は、どのように行われます
か。
(答)
既に担い手(借り手)に転貸している場合であっても、農地中間管理機構協力を得て、
産地協議会が確認を行います。
(問Ⅱ-208)
農地中間管理機構が改植等を実施した果樹園を担い手(借り手)が借り受けた後、担い手がや
むを得ず、果樹園の経営を中止した場合、どのような手続きが必要ですか。また、補助金返還等
- 55 -
はどうなりますか。
(答)
農地中間管理機構から農地を借り受けた担い手(借り手)が果樹園の経営を中止しよ
うとする場合には、機構が都道府県法人等にその旨、届け出てください。その後、機構
が新たな担い手に転貸した場合にも、機構は都道府県法人等にその旨、届ける必要があ
ります。なお、新たな担い手に転貸するまでの間、機構は適切に園地を管理する必要が
あり、交付決定条件等からみて補助金の返還事由に該当するような事態が生じた場合は、
都道府県法人等の指示に従ってください。
○ 整備事業(補植改植)
(問Ⅱ-209)
「補植改植」とは、どのような改植ですか。
(答)
「補植改植」とは、未収益期間の影響を緩和するため、一定期間内に果樹の樹体の伐
採等を確実に行うことを前提に既存の果樹の近傍に優良な品目又は品種の苗木を植栽
し、その後既存の果樹の樹体の伐採等を行う改植の手法です。
本事業においては、試験的に導入したこともあり、植栽の翌々年度までに伐採等を行
う場合を支援対象としています。
また、伐採後の植栽密度については、通常の改植と同様、通常の栽植密度を有し、通
常の収穫を上げられうるものであることが必要です。
なお、改植単価、面積等の要件は通常の改植と同様ですが、未収益期間が大幅に短縮
される手法であることにかんがみ、果樹未収益期間支援事業の対象としておりません。
(問Ⅱ-210)
樹齢の相異なる樹木が混在している園地において点在する老木、被害樹等のみを対
象とした改植は対象となりますか。
(答)
「補植改植」の面積要件については、通常の改植と同様、地続きでおおむね2アール
以上とする必要があります。
樹齢の相異なる樹木が混在している園地において点在する老木、被害樹等のみ対象と
した改植は認められません。
(問Ⅱ-211)
JA等の農業団体が補植改植の栽培指針等を作成していれば、補植改植することは
可能ですか。
(答)
JA等の農業団体の栽培指針等に記載されているだけでは、対象になりません。
都道府県の作成した栽培指針等において対象とする品種について、補植改植の方法や
通常の収穫をあげうるものであることが示されている必要があります。
- 56 -
(問Ⅱ-212)
同一品種の補植改植は、支援の対象になるでしょうか。
(答)
原則として支援の対象にはなりませんが、通常の改植と同様、りんごのわい化栽培を
導入する場合や産地計画に生産性向上が期待される技術として位置づけられている技術
を導入する場合、産地計画に位置づけられた優良系統を導入する場合等においては、対
象になり得ます。
(問Ⅱ-213)
補植改植の事業実施期間は何年でしょうか。また、どの時点で事業の実績報告、補
助金の支払請求をするのでしょうか。
(答)
植栽の翌々年度までに伐採等を行うことになっていますので、事業実施期間は3年度
以内となります。従って、植栽後から3年度目以降に伐採等した場合には補助の対象に
はなりませんのでご留意ください。
事業の実績報告及び補助金の支払請求は、伐採等を行った後になりますので、年度末
に伐採された場合等、通常の改植と同様に、事務手続きは年度を超えて4年度目にかか
っても構いません。なお、概算払い等はできませんので、御留意ください。
(問Ⅱ-214)
補植改植を実施する場合の、対象果樹園の計画面積はどのように算出するのですか。
既存樹の面積の扱いはどうなりますか。
(答)
問Ⅱ-22~24を参照にして、通常の改植と同様に算出してください。
補稙改植後の園地は現行の園地と同様の状態になることを前提にしているので、基本
的には既存園地の面積が計画面積になると考えられます。
(問Ⅱ-215)
補植改植を行った場合の事前確認、事後確認、4年以内の確認、8年後の確認につ
いて、どの時点で行えばよろしいでしょうか。
(答)
事前確認は、苗木を発注・植栽しようとする前に行う必要があります。
事後確認については、苗木を植栽し、既存の果樹の樹体を伐採等した後に行うことに
なります。また、実績報告の際には、伐採等を完了した年月日を記載する必要がありま
す。
4年以内の確認については、植栽後から4年間以内に行うことになり、8年後の確認
については、業務方法書107条の規定に留意して植栽後8年後に行う必要がありま
す。
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〇 整備事業(自然災害・キウイフルーツかいよう病の新系統関係)
(問Ⅱ-216)
対象となる自然災害は、どのようなものですか。
(答)
市町村のエリアを超えるような一定の広がりの地域において、原則、前年以降(前
年1月1日から事業実施計画申請までの間)に発生した自然災害で、都道府県、市町村
等により当該地域の被害に関する具体的な対策の検討、指導等の対応が行われ、改植
等が必要と判断される被害を受けたもので、農林水産省と相談の上中央果実協会が認
めたものを対象とします。
なお、事業実施計画の申請書類には市町村等による被災証明書等や都道府県・市町
村等による当該地域を対象とした災害対策本部設置書類など自然災害の発生、被害対
策の実施状況等が判断できる資料の添付を求めることとしており、事前確認、事後確
認は市町村職員等の協力を得て実施することとしています。
(問Ⅱ-217)
自然災害等の被害を受け、事業実施計画の承認前に伐採等を行った場合も改植等の対象となり
ますか。
(答)
事業の対象にはなりません。ただし、要領の第9の1に定めた「平成26年5月以降
に確認されたキウイフルーツかいよう病の新系統(Psa3)の発生」及び「平成28年熊
本地震」については、業務方法書の規定に基づき、事業実施計画承認以前に着手したも
のについても対象となります。
(問Ⅱ-218)
面積要件はどうなりますか。
(答)
自然災害による被害を受けた園地の改植事業の要件(支援対象者ごとの改植面積の
合計でおおむね2アール以上)を満たせば補助対象とすることとしています。
(問Ⅱ-219)
被災園地と通常園地の合計でおおむね2アール以上の面積要件を満たせば改植できますか。こ
の場合、通常園地についても改植元と同一の品種の改植が可能ですか。
(答)
面積要件については、被害を受けた支援対象者の園地において、被災園地(被害樹
が存在する園地)と通常園地(被害樹が存在しない園地)における改植面積の合計が
おおむね2アール以上あれば実施できます。この場合、被災園地においてのみ被害樹
等の補植的改植(いわゆる斑改植、千鳥改植等)が可能です。
改植先品種については、被災園地及び被災園地と地続きの通常園地のみ、改植元と
同一品種での改植を認めることとします。
- 58 -
このため、面積要件を満たすために被災園地と地続きでない通常園地の改植を一緒
に行う場合、通常園地の部分については同一品種での改植は認められません。
(問Ⅱ-220)
被災園地における改植の場合、同一品種への改植はできますか。例えば、りんごの「ふじ」が
産地計画上の振興品種となっている場合、わい化栽培ではなく普通栽培での改植でも、同一品種
の「ふじ」への改植が対象になりますか。
(答)
改植先の品種が優良な品種(産地計画に生産を振興する旨、明記されている品種)
であれば対象になります。
(問Ⅱ-221)
過去に果樹経営支援対策事業で改植した園地において幼木と果樹棚が被害を受けた場合、再度
改植事業の補助対象となりますか。
(答)
過去に果樹経営支援対策事業で改植を実施した園地については、再度補助対象とす
ることはできません。(ただし、事業実施後8年を超えるものについては、補助対象と
することが可能です。)
(問Ⅱ-222)
自然災害等の発生を受け、改植を行う場合、事業申請はいつからできますか。
(答)
自然災害等の事業申請については、随時受け付けていますので、通常の公募申請期限
にかかわらず、産地協議会ごとに取りまとめて都道府県法人等に申請してください。
(問Ⅱ-223)
Psa3系統の発生園地において改植等を行う場合、どのようなことに気をつける必
要がありますか。
(答)
Psa3系統については、品種によって被害の程度に大きな違いが見られ、罹病性品種
を同一園地や近隣園地に植えると再感染するおそれがあります。
このため、支援対象者が苗木の定植や穂木の高接ぎを行う前に、産地協議会において、
同一品種等の罹病性品種への改植等を行う場合のガイドライン(改植等を行う園地は、
科学的知見をもとに、発生園地から一定の距離を置く等の措置を記載したもの)を作成
し、支援対象者はこれに則した改植等を行う必要があります。
(問Ⅱ-224)
ガイドラインは、科学的知見をもとに作成することとなっていますが、誰がどのよ
うに作成すればよいですか。
- 59 -
(答)
ガイドラインは産地協議会が作成することとなっていますが、それぞれの地域のPsa
3系統のまん延防止対策方針、気象、園地状況等の実情を鑑み、県、市町村が作成し
たものを利用していだだいて結構です。
ガイドライン作成にあたっては、国、地方公共団体、試験研究機関等の情報や知見に
基づき、関係する地域の行政機関、試験研究機関の指導のもとに再感染防止の観点を重
視して作成してください。
- 60 -
(未定稿:平成28年12月)
果樹農業好循環形成総合対策
Ⅲ
Q&A
果樹未収益期間支援事業
は
じ
め
に
このQ&Aは、農林水産省が所管する果樹農業好循環形成総合対策に係るものです。
<留意事項>
以下のものに収録されているQ&Aについては、今回の改正に伴い廃止します。
・果樹経営支援対策のQ&A(平成27年11月)(未定稿)
・果実等生産出荷安定対策の手引き(平成 25 年7月
公益財団法人中央果実協会)
<関係規定集>
果樹農業好循環形成総合対策関係規定集(平成28年4月
公益財団法人中央果実協会)
(果樹農業好循環形成総合対策に関係する通知等を収録)
目
次
〇
趣旨
・・・・・
1
〇
対象となる取組等
・・・・・
1
Ⅲ
果樹未収益期間支援対策事業
○ 趣旨
(問Ⅲ-1)
果樹未収益期間支援事業の趣旨を説明して下さい。
(答)
消費者ニーズの多様化に応え新たな品目・品種を導入する場合、産地としてまとま
った規模の改植を行い、短期間で生産量を確保する必要がありますが、改植後経済的
に価値のある水準の収量が得られるまでの期間(未収益期間)の存在や、ここ数年の
資材費高騰等による農業所得の低下等により、まとまった規模の改植が進みづらい状
況となっています。
このような中、果樹未収益期間支援事業は、未収益期間に要する経費の一部を支援
することにより、産地の販売戦略に即した改植を促進し、競争力の高い果樹産地の育
成強化を図るものです。
○ 対象となる取組等
(問Ⅲ-2)
本事業の対象となる取組及び支援対象者を具体的に教えてください。
(答)
1 果樹経営支援対策整備事業で実施した改植、特認植栽及び新植の取組が対象になり
ます。ただし、次の取組を除きます。
① 補植改植
② パインアップル等未収益期間が明らかに短いと中央果実協会が認める果樹への
改植等
③ キウイフルーツのオス樹の品種の改植
④ 未収益期間を短縮することをもって生産性が向上されると認められる技術の導
入を伴う改植等
2 支援対象者は、次の者です。
① 1の取組を実施した担い手
② 1の取組を実施した園地の、所有権若しくは賃借権等を1年以内に取得し営農
活動を開始すること及び営農開始時に担い手であることが確実と認められる者
③ 農地中間管理機構が1の取組を実施し、取組後1年を超えて農地中間管理機構
による保全管理が行われた園地の、所有権、賃借権等を取得し営農活動を開始す
ること及び営農開始時に担い手であることが確実と認められる者
3 上記1、2以外の取組と支援対象者は次のとおりです。
東日本大震災生産対策交付金実施要綱(平成23年5月2日付け23生産第720号農林水
産事務次官依命通知)別表のメニュー欄の1の(4)の放射性物質の吸収抑制対策、又は
福島県営農再開支援事業実施要綱(平成25年2月26日付け24生産第2875号農林水産事務
次官依命通知)に基づいて、果樹の改植の取組(ただし、対象となる品目は上記1と
同様のものに限る。)
により放射性物質の果実への移行低減に取り組んだ園地の所有権
(貸借権含む)を有し、産地計画に参画している生産者。
- 1 -
(問Ⅲ-3)
高接は対象となりますか。
(答)
対象となりません。
(問Ⅲ-4)
大苗により改植等した場合も対象となりますか。
(答)
承認された果樹経営支援対策事業の事業実施計画に記載された改植等であれば対象
となります。ただし、 改植、特認植栽、新植する際に未収益期間を短縮することをも
って生産性向上が期待されると認められる技術を伴う改植等については、対象となり
ません。
(問Ⅲ-5)
果樹経営支援対策事業以外の事業(強い農業づくり交付金、都道府県単独事業な
ど)によって実施した改植等は対象となりますか。
(答)
対象となりません。ただし、問Ⅲ-2の(答)の3の場合には対象になります。
(問Ⅲ-6)
補助金の税金上の取扱いを教えて下さい。また、税制優遇措置はないのですか。
(答)
当該補助金については課税所得扱いとなります。また、税制優遇措置はありません。
果樹収益期間支援事業補助金は改植以降の4年間(通常の場合)の育成経費に対す
る補助金として一括交付されることから、交付年に一括して税の確定申告するものと
思われますが、確定申告等の取扱については、所管する税務署へお問い合わせ下さい。
- 2 -
(未定稿:平成28年12月)
果樹農業好循環形成総合対策
Q&A
Ⅳ 加工原料用安定供給連携体制構築事業
は
じ
め
に
このQ&Aは、農林水産省が所管する果樹農業好循環形成総合対策に係るものです。
<留意事項>
以下のものに収録されているQ&Aについては、今回の改正に伴い廃止します。
・果樹経営支援対策のQ&A(平成27年11月)(未定稿)
・果実等生産出荷安定対策の手引き(平成 25 年7月
公益財団法人中央果実協会)
<関係規定集>
果樹農業好循環形成総合対策関係規定集(平成28年4月
公益財団法人中央果実協会)
(果樹農業好循環形成総合対策に関係する通知等を収録)
目
1
国産果実需要適応型取引手法実証の取組
次
・・・・・
1
〇
目的等全般
・・・・・
1
〇
事業実施者
・・・・・
1
〇
支援対象経費等
・・・・・
2
〇
活用事例
・・・・・
4
・・・・・
5
2
作柄安定技術等の導入の取組
〇
目的等全般
・・・・・
5
〇
事業実施期間
・・・・・
7
〇
長期契約
・・・・・
7
・・・・・
8
3
加工原料用果実の選別出荷の取組
〇
目的等全般
・・・・・
8
〇
事業実施期間
・・・・・
9
〇
長期契約
・・・・・
10
Ⅳ
加工原料安定供給連携体制構築事業
1
国産果実需要適応型取引手法実証の取組
〇 目的等全般
(問Ⅳ-1)
事業目的は何ですか。
(答)
国産果実需要適応型取引手法実証の取組は、加工用果実の生産・流通実態を踏ま
え、生産者と取引先との間で生産者が再生産価格を確保しうる合理的な生産・流通体
制を構築するための契約取引等による計画的な取引手法の実証の取組に対し支援する
ことを目的としています。
特に契約取引を行うためには、天候不順等によって所定の収穫量を確保できないと
いう、生活面でのリスクがあります。このため、多様な産地と産地間連携を図り、こ
のようなリスクに対応するとともに実需者、消費者に対して安定的に供給するサプラ
イチェーンが重要です。
(問Ⅳ-2)
具体的には、どのような取組に対して支援を行うのですか。
(答)
例えば、国産果実の需要に適応した契約取引によるサプライチェーン等の構築を図
るために必要な検討会の開催、中間事業者等の育成や産地指導、流通の効率化のため
の通い容器の借り上げ、流通先に応じた出荷規格の設計、需要拡大、報告書作成等に
要する経費を想定しています。
※中間事業者とは、産地と実需者をつなぎ、産地から購入した果実の選別・調整・
加工等を行い実需者に安定的に供給するのみならず、加工・業務用需要に対応し得る
産地を育成する機能を有する者を想定します。
〇 事業実施者
(問Ⅳ-3)
事業実施者について教えてください。また、卸売業者単独でも生産出荷団体と契
約取引を行うのであれば事業実施者になれますか。
(答)
国産果実需要適応型取引手法実証の取組は、契約取引等による計画的な取引を実
証、生産、流通、加工等の関係者の連携及び契約を促すことを目的としていることか
ら、卸売業者単独でも事業実施者となれます。
(問Ⅳ-4)
事業の一部を委託する場合の注意事項を教えてください。
(答)
事業の成果の一部を構成する調査、分析、取りまとめ等の事業実施者が直接実施す
- 1 -
ることが出来ない又は適当でないものにあっては、他の者に委託することは可能で
す。
なお、委託する場合は以下の委託に関する事項に基づき適切に執行する必要があり
ます。
<委託に関する事項>
1 仕様→見積(一般の競争等)→契約→完了報告→検収→支払のフローに従って
それぞれの書類を整理してください。
2 経済性の観点から、可能な範囲において相見積もりを取り、相見積もりの中で
最低価格を提示した者を選定(一般の競争等)してください。相見積もりを取っ
ていない場合又は最低価格を提示した者を選定していない場合には、その選定理
由を明らかにした選定理由書を整備してください。
3 委託内容・指導内容を具体的に明記した委託契約書、技術指導契約書、完了報
告書、技術指導報告書等を整備してください。なお、委託契約においては、当該
委託契約に伴う全ての権利は、補助事業者に原則帰属させるよう留意してくださ
い。
4 委任した事務、事業が終了したかどうかを完了報告書により確認してください。
5 完了報告書には、内規等に基づき検収日を記載し、検収担当者が押印してくだ
さい。
6 取引先への支払は補助事業者の名義で行ってください。
7 銀行振込受領書等により支払の事実(支払の相手方、支払日、支払額等)を明
確にしてください。
8 委託事業の実施に際しては、
「<委託に関する事項>」と同等の経理処理を行う
よう委託業者を指導してください。
9 委託事業の完了報告を受けた場合においては、報告書の書類の審査及び必要に
応じて行う現地調査により適正な検査をした上で支払う額を確定してください。
〇 支援対象経費等
(問Ⅳ-5)
補助率の定額とはどういうことですか。
(答)
補助率の定額とは、「公益財団法人中央果実協会業務方法書実施細則」の「別表8
(果実加工需要対応産地強化事業のうち加工原料安定供給連携体制構築事業関係)」
の「補助対象となる経費、補助率等」の「(1)補助対象経費」に係る経費を満額助
成することです。
(問Ⅳ-6)
補助金額の上限・下限はあるのですか。
(答)
「公益財団法人中央果実協会業務方法書実施細則」の「別表8(果実加工需要対応
産地強化事業のうち加工原料安定供給連携体制構築事業関係)」の「補助対象となる
- 2 -
経費、補助率等」の「
(2)補助率」に記載する金額を上限とします。
(問Ⅳ-7)
事業の主な内容に関する支援対象になる経費の例を教えてください。
(答)
(供給・販売計画の作成)
検討会資料印刷費、検討会会場借上費、委員旅費・謝金、需要調査や生産流通
コスト調査に係る旅費・調査員手当、アルバイト賃金等
(計画的な取引の実施)
a 安定供給に向けた取組
展示ほ借上費、展示ほ資材費、マニュアル印刷費、研修会資料印刷費、講師旅
費・謝金、会場借上費、研修旅費、指導旅費、指導資材費等
b 流通の効率化、低コスト化及び多様化に向けた取組
規格板等試作費、通い容器借上費、パック等容器の試作費、冷蔵コンテナ等借
上費、貯蔵資材費、産地間等の掛かり増し果実運搬費、再選別等の掛かり増し
果実選別費、カットや鮮度保持等果実の簡易な調製に要する経費、試作・分析
用サンプル果実費等
c 需要拡大に向けた取組
資料印刷費、アンケート調査・分析費、理解醸成活動旅費、会場借上費、果実
運搬費、備品借上費、機能性成分等分析費、GAP・トレーサビリティー導入
に係る検討会資料印刷費、研修旅費・参加費、マニュアル印刷費、システム借
上費等(不特定多数を配布対象としたチラシ、のぼり、ポスター等の販促資材
の作成及び店頭での販売補助員の雇用は除く)
(報告書作成)
報告書作成費等
(問Ⅳ-8)
具体的な補助対象経費の基準について教えてください。
(答)
補助等対象経費の基準(28年度)
補助等対象経費
1 謝金
基
準
①謝金は、承認された事業計画の単価を上限とします。
②事業実施主体の役職員に対する謝金は認められません。
2 旅費・交通費
①事業実施主体が、宿泊を伴う各種調査、打ち合わせの旅費の使用におい
ては、原則としてパック商品の利用をお願いします。
②グリーン車の利用は認められません。
③勤務地及び業務を行なう地域内を移動する場合のタクシーの利用は、原
則認められません。
④旅費日当の支払いは、事業実施主体において日当に対する規程がある場
合に限ります。
- 3 -
3 会議費
会議等における会場借料(使用料)のみとし、弁当代、飲食代、お茶代の
経費は認められません。
4 消耗品
①物品を消耗品として購入できる経費は、1点あたり3万円以下のものと
します。なお、汎用性のある物品については原則認められません。
②原材料費等は、購入した物品の価格としますが、自己調達の場合にあっ
ては、原価相当の価格とし、明細が明らかな場合に限ります。
5 賃金
事業実施団体が雇用した者の賃金については、規程等により定められた範
囲とし、高額な賃金は認められません。
6 役務費及び委託費
役務費及び委託費にあっては、役務や委託業務の仕様内容及びその経費の
内容が明らかな場合に限ります。
〇 活用事例
(問Ⅳ-9)
本事業の活用事例を教えてください。
(答)
主に、以下の事例が想定されます。
1 安定供給に向けた取組
(1)新たな商品に向けた、専用出荷規格の作成
(2)出荷時期をずらすことを目的とした長期貯蔵
(3)GAPへの取組
(4)実需者の要望に対応した、選果
2 流通の効率化・低コスト化・多様化への取組
(1)作業性、商品ダメージを与えない輸送容器の使用による流通の効率化
(2)異物混入防止による流通の効率化
(3)産地から小売店舗まで直接納品を行うことによる低コスト化
(4)実需者の要望に対応した、果実加工品の開発
3 国産果実の需要拡大への取組
(1)意識調査、需要調査、実演等の取組
(2)実需者の要望に対応した、果実加工品の開発
(3)消費者に向けた、国産果実を利用したレシピ集の配布
- 4 -
2
作柄安定技術等の導入の取組
〇 目的等全般
(問Ⅳ-10)
作柄安定技術の導入支援事業の目的は何ですか。
(答)
1 国内の果汁等の生産は、隔年結果に伴うおもて年とうら年の生産量の変動に対
応するため、生鮮果実の需給調整の一手法として実施されてきたところです。
2 このことにより、おもて年には大量に原料用果実が生産される一方で、うら年
には生食用果実の価格上昇により原料用果実の確保が困難になるという事態が生
じやすくなっています。さらに、最近では、夏期の長雨等の異常気象により作柄
が不安定となり、原料用果実の確保が困難になる事態が生じています。
3 このため、国産加工原材料の安定供給が図られるよう、生産者と加工業者等と
の長期契約の推進や、作柄安定に資する栽培管理技術等の導入を促進することが
重要と考えます。
4 新たな、作柄安定技術の導入支援では、加工用果実の生産の実態を踏まえ、生
産者と取引先との間で長期の契約取引に基づき、生産者が再生産価格を確保しう
る安定的な生産体制の構築、加工用果実の作柄安定技術の導入等の取組に必要な
推進費、産地全体の加工仕向け原料の安定供給を促進するための資材費等の支援
をすることとします。
(問Ⅳ-11)
作柄安定技術の導入支援に上限はありますか。
(答)
1 加工用の原料価格は生食用果実に比べ極めて安い価格で取引されています。こ
のため、裾ものとは異なる加工原料を供給することや再生産価格を考慮し、10
a当たり3万円を上限にします。
2 なお、加工仕向け量(契約)が総出荷量の5割を下回る場合は、3万円に加工
用仕向け量(契約)の割合を乗じた額又は実際に要した経費との何れか小さい額
とします。
(問Ⅳ-12)
作柄安定技術の導入支援の主な要件は何ですか。
(答)
当該事業の主な要件は、以下のとおりとします。
1 生産者又は生産出荷団体と果実加工事業者との間で長期契約を締結しているこ
と
(契約期間が2年以上で、当該契約数量が原則として30トン以上に限る)。
2 作柄安定技術の取組として、次にあげる対策について2つ以上を産地で実施。
・病害虫被害回避対策
・地温・土壌水分調整、風害対策
- 5 -
3
・土壌改良・園地改良対策
・生産コスト低減対策
受益農家が5戸以上であること。
(問Ⅳ-13)
作柄安定技術の導入の資材費等はどのようなものが対象になりますか。
(答)
1 当該事業で対象とする資材費は、産地全体の取組として、加工原料果実を一定
量を安定的に生産・供給するために、気象変動等への影響回避や省力化栽培に効
果的と考えられる資材費や園地改良等の経費とします。
2 なお、一回の導入、施用で複数年の効果がある資材等とし、その産地、品目で
新規性の高い資材を除き、消耗品や農薬、肥料等の慣例的に使用される資材は原
則対象外とします。
〈取組に対する資材等のイメージ〉
○病害虫被害回避:交信攪乱剤、フェロモントラップ、誘蛾灯、反射シート 等
○地温・水分調整、風害防止:土壌被覆シート、防風ネット、日焼け防止資材
等
○土壌改良・園地改良:土壌改良材、暗渠排水経費、深耕経費、整園経費 等
○生産コスト低減の取組:収穫ネット、揺り落とし機、電動剪定ハサミ 等
※品目や産地等により効果がない場合がありますので注意
(問Ⅳ-14)
作柄安定技術の導入支援における目標設定はありますか。
(答)
当該事業は、加工用原料として安定生産を行う取組に対する支援です。事業実施
者は目標年を定め、現状と比較して出荷量の安定化、コスト低減化の計画を作成し
ていただくこととします。
(問Ⅳ-15)
実績において、加工向け(契約)を計画どおりで出荷しても、全体の出荷量が増
加した場合は支援額は減額されるのですか。
(答)
事業実施計画を申請する際、協議会での当該年度における生食用と加工用仕向け量
(契約)の出荷計画を策定していただきます。
支援額は出荷計画の範囲内での経費を対象としますので、出荷量が出荷計画を上回
ることにより、支援額が減額されることはありません。
(問Ⅳ-16)
資材は、農家個々でなく、部会等が一括して購入して配布若しくは貸し出しても
いいですか。
- 6 -
(答)
その協議会や生産出荷団体等で管理するのであれば、その方法に決まりはありませ
ん。ただし、本事業目的以外に活用した場合は、補助金返還の対象となる場合があり
ます。
(問Ⅳ-17)
作柄安定技術の導入に係る事業実施者は、生産者団体と果実加工事業者等で構成
された協議会でなくてはだめですか。
(答)
当該事業における作柄安定技術の導入の取組は、農業者が果実加工事業者等に原料
を安定供給を促進するために必要な資材費の導入への支援であることから、生産出荷
団体と果実加工事業者等の間で長期の契約取引に基づき、関係者が連携する体制が整
っていれば生産者団体のみでも、事業実施者として対象となります。
〇 事業実施期間
(問Ⅳ-18)
事業実施者毎に、交付額の算出に長期契約に基づく出荷量を使用するため、出荷
が年度内に完了しない中晩かんについては、支援額の交付も年度内に完了しないの
ではないですか。
(答)
果実の種類によっては、年度内に完了しない場合があるので、翌年度にまたがる
ことも可能としています。(ただし、翌年度の予算措置の範囲内で対応する必要が
あります。)
〇 長期契約
(問Ⅳ-19)
今回の事業対象となる長期契約はどのようなものですか。
(答)
1 一般的な契約取引では、時期・数量・価格等の事項について定めているも
のと考えられますが、本事業の対象となる長期契約では、以下のすべての要
件を満たすものに限ります。
① 契約期間が2年以上であること
② 契約期間中の各年において契約数量の定めがあり、かつ、当該年産の
契約数量が原則として30トン以上であること。
2 なお、事業対象となる○年産果実とは、開花・結実の始期が○年中となる
果実とします。例えば、中晩柑類のように23年中に開花・結実し、年をまた
いで24年1月以降に出荷されるものは、23年産果実となります。
(問Ⅳ-20)
- 7 -
加工原料用果実生産者に加工原料用果実選別出荷促進費を交付する場合、長期契
約は個々の生産者まで結ぶ必要がありますか。
(答)
加工原料用果実は、必ずしも専用園地で生産されている訳ではなく、選果場に
おいて発生する原料仕向けも想定していますので、この場合の長期契約は、工場
と生産出荷団体等までのものでかまいません。
3
加工原料用果実の選別出荷の取組
〇 目的等全般
(問Ⅳ-21)
加工原料用果実の選別出荷の取組の目的は何ですか。
(答)
1 従来の加工用原料は生食用果実の選別から生じる、選果落ち(裾もの)を仕
向けることが殆どで、その価格は生食用に比べ非常に安価で、農家所得に繋がっ
ていない状況です。
2 一方、消費者は果物に対し「おいしさ」や食の簡便化を求めており、加工用に
ついても「色合いが良く」、
「風味が豊か」なストレート果汁や加熱処理をしない
果汁飲料、外食・中食ではカットフルーツ等のニーズが高まっているところ。
3 このような加工・業務用へのニーズに適切に対応するためには、需要に見合っ
た加工品の製造に向けて、一定の品質の加工原料用果実を低コストで安定的に供
給する選別・供給体制の構築が必要です。
4 このため、生産者又は生産出荷団体と果実加工事業者との間で長期契約取引、
等級別取引価格の設定及び取引価格の引き上げに係る目標を定めた場合に、その
加工原料の選別・出荷に必要な掛増し経費について支援を行い、農家所得の向上
及び果実加工産業の発展に繋げることを狙いとしています。
(問Ⅳ-22)
加工原料用果実とはどのようものですか。
(答)
当該事業で示す加工原料用果実とは、果実加工事業者が消費者のニーズに合った
加工品を効率よく製造・販売するために必要な規格に適合し、契約取引等により栽
培段階から計画的に供給することを目的に生産又は選別した果実です。
(問Ⅳ-23)
事業対象の選別・出荷に係る掛増し経費とはどのような経費ですか。
(答)
1 従来の生食用や選果落ちの裾ものとは別に、加工原料用果実を供給するために
新たに発生する選別や搬送の経費を指し、以下を想定しています。
選別経費:庭先選別、共同選別、検査費用 等
出荷経費:集荷場への搬送、集荷場での荷受け・保管・出荷調整、工場までの
- 8 -
2
輸送 等
果樹の栽培に伴う経費、加工場へ引き渡した後の経費は対象としません。
(問Ⅳ-24)
支援額の算定方法の考え方は。
(答)
1 原則として長期契約に基づく新たに設定した一定の品質・大きさ等の規格を
設けた果実の出荷数量(下級品を除く)×選別・出荷に係る掛増し単価とします。
2 ただし、その掛増しの単価は30円/kgを上限とします。
(問Ⅳ-25)
取引価格の目標設定は必要ですか。
(答)
1 支援の対象として想定している掛増し経費は、加工原料の安定供給体制の構
築、導入のための初動のリスクについて支援するものです。
2 実際にかかる選別・出荷の経費が取引価格を上回る場合は、農家の所得向上に
は繋がりません。このため、事業の計画段階で協議会の構成員の合意により、最
終商品価格や製造コスト等を踏まえた取引価格の引き上げ目標を設定する必要
があります。
(問Ⅳ-26)
長期契約期間中は毎年支援を受けられますか。
(答)
当該事業における長期契約取引は継続的な支援を約束するものではありません。
よって、単年度毎に事業計画の協議を行い、次年度以降は、単価の引き上げ状況等
の実績を踏まえ精査していきたいと考えてます。
(問Ⅳ-27)
事業実施主体の協議会とはどのような組織ですか。
(答)
1 当該事業では、生産者、生産者団体、流通事業者、加工事業者間の密接な連携
により加工原料果実の安定供給体制を構築することが重要であることから、これ
ら関係者で構成する協議会を対象としています。
2 協議会の設立に当たっては、事業実施及び会計手続きを適正及び効率的に行い
得る体制を有していることが必要です。
〇 事業実施期間
(問Ⅳ-28)
事業実施者毎に、交付額の算出に長期契約に基づく出荷量を使用するため、出荷
が年度内に完了しない中晩かんについては、支援額の交付も年度内に完了しないの
- 9 -
ではないですか。
(答)
果実の種類によっては、年度内に完了しない場合があるので、翌年度にまたがる
ことも可能としています。(ただし、翌年度の予算措置の範囲内で対応する必要が
あります。)
〇 長期契約
(問Ⅳ-29)
今回の事業対象となる長期契約はどのようなものですか。
(答)
1 一般的な契約取引では、時期・数量・価格等の事項について定めているも
のと考えられますが、本事業の対象となる長期契約では、以下のすべての要
件を満たすものに限ります。
① 契約期間が2年以上であること
② 契約期間中の各年において契約数量の定めがあり、かつ、当該年産の
契約数量が原則として30トン以上であること。
2 なお、事業対象となる○年産果実とは、開花・結実の始期が○年中となる
果実とします。例えば、中晩柑類のように23年中に開花・結実し、年をまた
いで24年1月以降に出荷されるものは、23年産果実となります。
(問Ⅳ-30)
加工原料用果実生産者に加工原料用果実選別出荷促進費を交付する場合、長期契
約は個々の生産者まで結ぶ必要がありますか。
(答)
加工原料用果実は、必ずしも専用園地で生産されている訳ではなく、選果場に
おいて発生する原料仕向けも想定していますので、この場合の長期契約は、工場
と生産出荷団体等までのものでかまいません。
- 10 -
(未定稿:平成28年12月)
果樹農業好循環形成総合対策
Q&A
Ⅴ 果実輸出支援強化事業
は
じ
め
に
このQ&Aは、農林水産省が所管する果樹農業好循環形成総合対策に係るものです。
<関係規定集>
果樹農業好循環形成総合対策関係規定集(平成28年4月
公益財団法人中央果実協会)
(果樹農業好循環形成総合対策に関係する通知等を収録)
目
次
〇
趣旨等全般
・・・・・
1
〇
事業実施者
・・・・・
2
〇
事務手続き
・・・・・
3
〇
支援対象経費等
・・・・・
3
〇
その他
・・・・・
6
Ⅴ
果実輸出支援強化事業
〇 趣旨等全般
(問Ⅴ-1)
事業目的は何ですか。なぜ、航空便で輸出する場合は対象にならないのですか。
(答)
事業は、大きくわけてこの二つの目的があります。国産果実を輸出する場合に、
航空便を利用すると短時間で輸送できる利点はありますが、コストが高くなってし
まうデメリットがあります。そこで、船便を利用することで、輸送コスト削減を図
ることを最初の目的としています。船便での輸送は、航空便に比べ時間がかかり、
積み荷である果物の品質を損なうというデメリットが当然あります。そこで、次の
目的として、長時間の輸送を可能とする果実の鮮度保持技術や損傷を防ぐ資材利用
の実証等も目指しています。このため、航空便を利用した取組は事業対象とはして
いません。
(問Ⅴ-2)
事業内容はどのようなものですか。
(答)
二つの目的にそった事業が二つあります。
果実輸出効率化支援事業:輸送コスト削減の取組の例
(1)輸出先国・地域が同じである産地連携や小口ロットの集約化による混載輸送
等によるリーファーコンテナの効率的利用の実証。異なる種類の果実や果実以外
の商品との混載による実証も含まれます。
(2)輸出入業者のマッチングや地方卸売市場等の内陸物流拠点の活用により、片
道が空の輸送になるリーファーコンテナの往復利用の実証
果実輸出鮮度保持技術導入支援事業:長時間輸送を可能にする取組の例
(1)鮮度保持技術、損傷を防ぐ資材の開発・応用の試作。既に開発されても高価
格のため普及していない技術等も含まれます。
(2)開発・応用された鮮度保持技術や資材の実証
(問Ⅴ-3)
リーファーコンテナの効率的な活用や輸出に取り組む産地の連携による混載輸送
とはどのような取組なのでしょうか。
(答)
1 リーファーコンテナの効率的な活用の一例として、リーファーコンテナの往復
利用があります。リーファーコンテナは使用目的が限定されることから、片道が
空の輸送になることがあるため、輸出入事業者のマッチングや地方卸売市場等の
内陸物流拠点を活用することにより、リーファーコンテナの往復利用を実現し効
率的な活用を図る取組が考えられます。
2 果実の輸出については一部の品目を除いてコンテナを一産地の一品目で使い切
- 1 -
る現状にはありません。この場合、輸出先国・地域及び輸出時期が同一である産
地がお互いに調整を図り、連携して混載で輸送することが効率的と考えられま
す。
3 また、果実は品目により熟す条件が異なるとともに、混載により他の品目の熟
度の進行に影響を及ぼすことが考えられます。このことについての対応に係る取
組についても本事業の対象としております。
(問Ⅴ-4)
長時間輸送に適した鮮度保持技術・輸送用資材の開発・実証を支援とありますが、
既に実用化されている技術も対象になるのですか。
(答)
長時間輸送に適した鮮度保持技術や輸送用資材については、様々な開発が行われて
おり、実用化も進んでいるところです。例えばCA装置付きリーファーコンテナやエ
チレンガス吸着包装資材等は既に実用化されています。しかし、まだ高価であり、本
格的な普及には改善の余地があり、本事業では既に実用化されている技術等でも対象
とすることとしております。ただし、単純にその技術等を試すのではなく、新しい課
題を明確にして事業に取り組むことが条件となります。
(問Ⅴ-5)
生産出荷団体と連携して取り組む物流事業者、資機材製造業者等とありますが、
連携とは具体的にどのようなことを言うのでしょうか。
(答)
本事業の実施主体として、物流事業者や資機材製造業者等の民間事業者も対象とし
ていますが、生産出荷団体との連携が必要です。連携とは、当事者間で本事業におい
て取り組む課題・内容を共有していただくことを言い、そのことを証明するため、当
事者間で、対象品目、輸出先国・地域、課題等について記載された書面を交わしてい
ただくことをお願いします。
〇 事業実施者
(問Ⅴ-6)
事業実施者について教えてください。また、生産出荷団体(JA)単独でも事業実
施者になれますか。物流事業者(産地商社)単独の場合はどうですか。
(答)
平成28年度公益財団法人中央果実協会公募事業果実輸出支援強化事業実施要領で
は、事業実施主体は、
「生産出荷団体」、
「生産出荷団体と連携して取り組む物流事業
者」、「資機材製造業者等及び生産者、生産出荷団体、物流事業者、資機材製造業者
等で構成する協議会」となっています。従いまして、生産出荷団体(JA)単独でも
事業実施主体になることが出来ます。物流事業者(産地商社)単独の場合には、生
産出荷団体との連携が必要になりますので、関係する生産出荷団体と連携の上、補
助金交付申請の際に、平成28年度公益財団法人中央果実協会公募事業果実輸出支援
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強化事業実施要領別記様式(1)別添1に定める連携合意書(例)を添付してくだ
さい。
〇 事務手続き
(問Ⅴ-7)
生産地と同一同府県内の港から輸出する場合、事業手続きはどうすれば良いので
すか。
(答)
この場合、事業実施主体は、事業を募集している公益財団法人中央果実協会ではな
く、都道府県法人と手続きを行うことになります。都道府県法人は、果樹農業振興特
別措置法(昭和36年3月30日法律第15号)第4条の4の2号で定められています。具
体的な連絡先等は公益財団法人中央果実協会にお問い合わせください。
具体的な手続きです。①果実輸出支援強化事業実施計画を平成28年度公益財団法人
中央果実協会公募事業果実輸出支援強化事業実施要領別記様式(1)に基づき、該当
する都道府県法人に提出し承認を受けてください。②次に計画の承認後に都道府県法
人に補助金交付の申請をしてください。③補助金交付決定通知の受領後、事業を実施
し、④事業終了後、事業実績を都道府県法人に報告し補助金支払いを受けてください。
この報告は事業実施主体を通じて、農林水産省に報告されます。
(問Ⅴ-8)
事業の一部を委託する場合の注意事項を教えてください。
(答)
事業実施のために、専門的知見や技術的知見が必要な場合には、必要に応じ委託
することも可能です。その際、事業実施主体は、事業全体の企画立案、スケジュー
ルなどの計画を立て、委託が必要な事業を明確にし、委託先の専門性、経費、スケ
ジュールについては十分打ち合わせを行い、委託契約を交わしてください。さらに、
事業実施主体が事業を行う者であるため、委託費の上限は事業費の総額の2分の1
以内となります。委託先への総額が2分の1を超えることが想定される場合には、
関係者が構成員となる協議会を作り事業主体となることも可能です。
〇 支援対象経費等
(問Ⅴ-9)
補助金額の上限・下限はあるのですか。
(答)
下限はありません。上限については、平成28年度公益財団法人中央果実協会公募事
業果実輸出支援強化事業実施要領の6にあるように、果実輸出効率化支援事業は、1
3,668千円、果実輸出鮮度保持技術導入支援事業は、13,880千円を上限としています。
この範囲内での事業構成をご検討ください。
(問Ⅴ-10)
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どのような費用が支援の対象になりますか。
(答)
1 果実輸出効率化支援事業
国産果実を船便により低コストで安定的に海外の消費者に供給するために、リ
ーファーコンテナ等の効率的な活用や輸出に取り組む産地の連携による混載輸送
等の効率的な物流に係る次の費用が対象になります。
① 主に検討会の開催に掛かる費用
○委員謝金、委員旅費、会場借料、会議費、印刷製本費等
② 主に実証に掛かる費用
○陸上、海上輸送費、コンテナ、冷蔵倉庫及び各種計測機器の借上賃
○専門性の高い外部の事業者等に事業の一部を委託する委託費
○機材の利用に係る電気代、燃料代等の費用
○各種事務用品、包装資材、実証に使用する青果物等の消耗品費
○事業を実施するために必要な雇用に係る賃金
○実証で得られた計測データを分析する役務費
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果実輸出鮮度保持技術導入支援事業
国産果実を船便により低コストで品質を維持しながら海外の消費者に供給する
ために、長時間輸送を可能とする鮮度保持技術や損傷防止資材等の開発に係る検
討及び実証に係る次の費用が対象になります。
① 主に検討会の開催にかかる経費
○委員謝金、委員旅費、会場借料、会議費、印刷製本費等
② 主に開発及び実証に掛かる費用
○専門技術者等の事業を実施するために必要な雇用に係る賃金
○開発に掛かる資機材の材料費
○専門性の高い外部の事業者等に事業の一部を委託する委託費
○陸上、海上輸送費、コンテナ、冷蔵倉庫及び各種計測機器の借上賃
○機材の利用に係る電気代、燃料代等の費用
○各種事務用品、包装資材、実証に使用する青果物等の消耗品費
○事業を実施するために必要な雇用に係る賃金
○実証で得られた計測データを分析する役務費
(問Ⅴ-11)
事業の主な内容に関する支援対象になる経費の例を教えてください。
(答)
(検討会の開催)
委員謝金、委員旅費、会場借料、会議費、印刷製本費、通信費、消耗品等
(効率的な輸出の実証試験の実施)
陸上・海上輸送費
コンテナ・冷蔵倉庫・各種計測機器の借上賃
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事業の一部を専門性の高い業者へ委託する委託費
機材利用に係る電気代、燃料代、水道代等の費用
事務用品、包装資材、青果物等の消耗品
実証を行うために必要な人員の雇用賃金
実証結果の測定・分析費用、データ解析費用 等
(報告書の作成)
報告書の参考資料作成費、専門家の監修謝金、印刷製本費、通信費、消耗品等、
報告書の関係者への配布送料 等
(技術等の開発・応用による試作等)
事業実施に必要な専門技術者の雇用賃金
資機材試作の材料費
事業の一部を専門性の高い業者へ委託する委託費
陸上・海上輸送費
コンテナ・冷蔵倉庫・各種計測機器の借上賃
機材利用に係る電気代、燃料代、水道代等の費用
事務用品、包装資材、青果物等の消耗品
試作を行うために必要な人員の雇用賃金
試作結果の測定・分析費用、データ解析費用 等
(鮮度保持・品質劣化防止技術の実証試験)
事業実施に必要な専門技術者の雇用賃金
資機材実証の材料費
事業の一部を専門性の高い業者へ委託する委託費
陸上・海上輸送費
コンテナ・冷蔵倉庫・各種計測機器の借上賃
機材利用に係る電気代、燃料代、水道代等の費用
事務用品、包装資材、青果物等の消耗品
実証を行うために必要な人員の雇用賃金
実証結果の測定・分析費用、データ解析費用 等
(問Ⅴ-12)
海外で行われる展示会で行う商談に関する経費は助成の対象になりますか。
(答)
対象となる事業の範囲を超えているため商談に係る経費は、事業実施主体の負担に
なります。
(問Ⅴ-13)
具体的な補助対象経費の基準について教えてください。
(答)
補助等対象経費の基準(28年度)
補助等対象経費
基
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準
1 謝金
①謝金は、承認された事業計画の単価を上限とします。
②事業実施主体の役職員に対する謝金は認められません。
2 旅費・交通費
①事業実施主体が、宿泊を伴う各種調査、打ち合わせの旅費の使用におい
ては、原則としてパック商品の利用をお願いします。
②グリーン車の利用は認められません。
③勤務地及び業務を行なう地域内を移動する場合のタクシーの利用は、原
則認められません。
④旅費日当の支払いは、事業実施主体において日当に対する規程がある場
合に限ります。
3 会議費
会議等における会場借料(使用料)のみとし、弁当代、飲食代、お茶代の
経費は認められません。
4 消耗品
①物品を消耗品として購入できる経費は、1点あたり3万円以下のものと
します。なお、汎用性のある物品については原則認められません。
②原材料費等は、購入した物品の価格としますが、自己調達の場合にあっ
ては、原価相当の価格とし、明細が明らかな場合に限ります。
5 賃金
事業実施団体が雇用した者の賃金については、規程等により定められた範
囲とし、高額な賃金は認められません。
6 役務費及び委託費
役務費及び委託費にあっては、役務や委託業務の仕様内容及びその経費の
内容が明らかな場合に限ります。
〇 その他
(問Ⅴ-14)
輸出した果実は販売することが出来ますか。
(答)
実証試験で用いた果実は、品質などの検査サンプル、または輸出先国。地域での
展示品や試供品として活用される場合が多いと思われます。しかし、実証試験結果
が良好で、販売に適する状態の果実が多く残った場合、結果として販売に至る場合
があり得ます。実証試験の主旨を踏まえ、非常に高価格での販売は避けるよう留意
してください。当該事業の実施により収益が発生した場合には、国庫納付の手続き
が必要となります。
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