建設技術審査証明事業(土木系材料・製品・技術、道路保全技術) 概要書 Wジョイント管 推進工法用鉄筋コンクリート管 建技審証第 0110 号 平成 28 年12 月 建設技術審査証明協議会会員 一般財団法人 土木研究センター(PWRC) 技術の概要 「Wジョイント管」は、継手部の接合性と水密性を向上させるために開発された遠心力鉄筋コンクリート製の推進 管です。標準型は 0.2MPa 以下、高水密型は 0.4MPa 以下の水圧が作用する地下での直線や曲線推進などに用い られます。継手部に用いるゴム輪は、接合性と水密性の確保を目的に形状の異なるゴム輪をそれぞれ管体の溝部に 固定していることから曲線推進や地震動による抜出しに対しても優れた水密性を有します。また、呼び径 800 以上 の管には、ゴム輪間に止水剤 (親水性ポリウレタン) を容易に注入できる構造とし、不測の漏水に対し、管内から二次 的に止水ができます。 管体は外圧管と内圧管があり、内圧管は外圧と内水圧が同時に作用する条件で使用できます。 「Wジョイント管」の継手構造 標準型 呼び径 250 〜 700 標準型 呼び径 800 〜 3000 高水密型 呼び径 1000 〜 3000 審査証明の結果 (1) 標準型 (a) 継手部の水密性 ①直線接合した場合、0.2MPa までの外水圧および 内水圧に対して漏水がないことが認められました。 ②呼び径 250 ~700 の管は、曲率半 径130D(D は呼び径)相当以上の曲げ接合にも直線接合と同 様に、0.2MPa までの外水圧および内水圧に対し て漏水がないことが認められました。 継手部の水密試験状況(標準型 呼び径 250) Wジョイント管 ③呼び径 800 ~3000 の管は、曲率半径 70D 相当 以上の曲げ接合にも直線接合と同様に、0.2MPa までの外水圧および内水圧に対して漏水がないこ とが認められました。 ④呼び径 800 ~3000 の管は、ゴム輪の損傷など による不測の事態における漏水に対し、管内から 容易に止水できることが認められました。 継手部の水密試験状況(標準型 呼び径 1000) (b) 継手部の強度 ①継手部にゴム輪装着用の溝を 2 本つけた構造であっても、軸方 向の許容耐荷力が確保されていることが認められました。 ②呼び径 800 ~3000 の管は、曲率半径 70D 相当以上の曲げ 接合にも直線接合と同様に、軸方向の許容耐荷力が十分確保さ れていることが認められました。 (2) 高水密型 (a) 継手部の水密性 ①直線接合した場合、0.4MPa および 0.45MPa までの外水 圧および内水圧に対して漏水がないことが認められました。 ②曲率半径100D 相当以上の曲げ接合にも直線接合と同様 に、0.4MPa および 0.45MPa までの外水圧に対して漏水 がないことが認められました。 曲げ接合の軸方向耐荷力試験状況 (標準型 呼び径 800) ③曲げ接合にさらに地震動による抜出しを想 定した複合接 合に対しても、0.4MPa およ び 0.45MPa までの外水圧に対して漏水が ないことが認められました。 ④ゴム輪の損傷などによる不測の事態におけ る漏水に対し、管内から容易に止水できるこ とが認められました。 (b) 管体の水密性 ①管体コンクリートの水密性は、0.4MPa およ 継手部の水密試験状況(高水密型 呼び径 1000) び 0.45MPa までの 外水 圧に対して漏 水が ないことが認められました。 (3) 標準型および高水密型(共通) (a) 内圧管の外圧強さ ①ひび割れ荷重規格値まで載荷し、管体に 0.05mm を超えるひび割れがないことが認められました。 ②破壊荷重規格値まで載荷し、管体が破壊しないことが認められました。 Wジョイント管 外圧試験状況(内圧管 標準型 呼び径 2000) (b) 内圧管の内圧強さ ①内圧強さ規格値まで加圧し、管体から漏水がない ことが認められました。 内圧強さ規格値 種類 試験水圧 (MPa) 2P 0.2 4P 0.4 6P 0.6 内圧強度試験状況(内圧管 標準型 呼び径 2000) 審査証明の範囲 (1)適用範囲 地中に埋設される推進管として施工され、使用用途により外圧管または内圧管として使用します。 (2)種類 種類は、外圧のみが作用する外圧管(呼び径 250 ~ 3000)と、外圧と内水圧が同時に作用する内圧管(呼び 径 800 ~ 3000)があります。 (3)材料、製造方法、検査等 材料、製造方法、検査等については、建設技術審査証明報告書に示す範囲とします。 審査証明有効期間 平成 28 年12 月24 日~ 平成 33 年12 月23 日 技術保有会社 / お問い合わせ先 藤村ヒューム管株式会社 〒 945-0061 新潟県柏崎市栄町 7 番 8 号 技術開発本部 技術営業部 TEL:0257-22-3144(代表) FAX:0257-21-4624 本概要書は、 一般財団法人土木研究センター(PWRC) が行った 「建設技術審査証明 (土木系材料・製品・技術、 道路保全技術) 」 の結果を、 広く関係各位に紹介する目的で作成したものであります。 一般財団法人土木研究センター(PWRC)企画・審査部 TEL03-3835-3609 http://www.pwrc.or.jp/shinsa.html
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