ボルテックスバルブに関する共同研究

公益財団法人 日本下水道新技術機構
ボルテックスバルブに関する共同研究
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1 研究の目的
研究の目的
下水道管きょに流入する水量は常に変動し,雨水管きょや合流管きょでは一時的に計画を上回る雨水
量が流入して排除しきれなくなったり,汚水管きょでは大量の雨天時浸入水が流入して処理場の処理能
下水道管きょに流入する水量は常に変動し,雨水管きょや合流管きょでは一時的に計画を上回る雨水
力に影響を及ぼしたりする場合があります。このような課題に対して,問題となっている箇所の流量を
量が流入して排除しきれなくなったり,汚水管きょでは大量の雨天時浸入水が流入して処理場の処理能
適切に制御すれば,既存ストックの能力を最大限に活用して改善を図ることができます。
力に影響を及ぼしたりする場合があります。このような課題に対して,問題となっている箇所の流量を
ボルテックスバルブは,装置内で渦流を発生させることにより,電力の使用や機器の操作を全く必要
適切に制御すれば,既存ストックの能力を最大限に活用して改善を図ることができます。
とせずに,流量制御を行う装置です。本技術の今後の普及促進に役立てることを目的として,技術の概要,
ボルテックスバルブは,装置内で渦流を発生させることにより,電力の使用や機器の操作を全く必要
利活用方法および導入手順を整理しました。
とせずに,流量制御を行う装置です。本技術の今後の普及促進に役立てることを目的として,技術の概
要,利活用方法および導入手順を整理しました。
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装置の特長
装置の特長
装置への流入量が増えると,渦流を形成して流出量が抑制されるため,水位~流量の関係を示す性能
装置への流入量が増えると,渦流を形成して流出量が抑制されるため,水位~流量の関係を示す性能
曲線(H-Q曲線)がS字曲線を描きます。
曲線(H-Q曲線)がS字曲線を描きます。
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有効断面積が減少するため,
口径の小さいオリフィスと
同等の流出抑制効果を発揮。
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中心に柱状の空気核を
形成し,渦流が安定化。
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渦流が発達し,流出量
が減少(キックバック)。
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一定の水位を超えると
渦流の形成を開始。
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流入管
流出管
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渦流を形成せずに開水
路状態で自然流下。
ボルテックスバルブ
オリフィスよりも口径を大きく
できるため,低水位時は排水能
力が大きい。
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ボルテックスバルブの利活用方法
ボルテックスバルブの利活用方法
(1) 雨水貯留施設の有効活用
(浸水対策)
オリフィスと比べて低水位時の放流量が大きくなるため,
貯留量を節減できる。
⇒貯留空間に余裕が生じ,既定計画以上の降雨にも対応可能。
(2) 流出量の抑制
(雨天時浸入水対策など)
合流式雨水吐における遮集量,処理場・ポンプ場あるいは
流域下水道への流入水量等を適正に制御できる。
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必要貯留量V =面積A B C
流入ハイドログラフ
流量 Q
時間
t1
Qo3
Q1
Qv1
B
Q2
Qo1 < Qv1
Qo1
オリフィスからの流出量
Q1
Qo2
Qo1
C
Q3
Q1
t1
A
t2
t3
時間 t
最大流出量が同等の
ボルテックスバルブを
設置した場合
Qo2 < Qv2
必要貯留量V’=面積A’B’C’
t2
流量 Q
流入ハイドログラフ
Qo2
Q2
Qv2
Q2
ボルテックスバルブからの流出量
t3
A’
Q3
Qv3
C’
Q3
Qv3
Qv2 Q1
Qv1
Qo3 = Qv3
Qo3
B’
Q2
t1
t2
t3
時間 t
Q3
V’< V ( V-V’に相当する貯留量を低減)
初期の流出量が大きいため,貯留量を低減できる。
技術資料
技術資料
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下水道機構では,ボルテックスバルブを導入するための計画,設計,施工および維持管理について,
「ボルテックスバルブに関する技術資料」をとりまとめました(2016年3月発刊)。
下水道機構では,ボルテックスバルブを導入するための計画,設計,施工および維持管理について,
「ボ
ルテックスバルブに関する技術資料」をとりまとめました(2016年3月発刊)
。
共同研究者:東京都下水道サービス㈱,ゼニス羽田㈱,㈱日水コン,日本工営㈱
共同研究者:東京都下水道サービス㈱,ゼニス羽田㈱,㈱日水コン,日本工営㈱
公益財団法人 日本下水道新技術機構 Japan Institute of Wastewater Engineering & Technology
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