公益財団法人 日本下水道新技術機構 下水処理場等における効率的な管理・運営 のための情報共有に関する共同研究 1 1 11 広域情報管理システム 広域情報管理システム 2 2 広域情報管理システム 広域情報管理システム 22広域情報管理システム 目 的 目的 近年の下水道事業は,人・モノ・カネの制限や膨大な施設の老朽化等の課題を抱える中で,持続可能で効率的・効果的 近年の下水道事業は,人・モノ・カネの制限や膨大な施設の老朽化等の課題を抱える中で,持続可能で効率的・効果 な事業運営が求められています。下水道情報の「見える化」 ・ 「データ分析」による課題の明確化や改善提案は,今後の事 目的 目的 的な事業運営が求められています。下水道情報の「見える化」・「データ分析」による課題の明確化や改善提案は,今後 業運営に対して有効です。 目的 の事業運営に対して有効です。 近年の下水道事業は,人・モノ・カネの制限や膨大な施設の老朽化等の課題を抱える中で,持続可能で効率的・効果 本研究では,広域に点在する複数の下水処理場等の設備とその運用情報に関して,効率的な収集と効果的な活用の手法 近年の下水道事業は,人・モノ・カネの制限や膨大な施設の老朽化等の課題を抱える中で,持続可能で効率的・効果 本研究では,広域に点在する複数の下水処理場等の設備とその運用情報に関して,効率的な収集と効果的な活用 的な事業運営が求められています。下水道情報の「見える化」・「データ分析」による課題の明確化や改善提案は,今後 近年の下水道事業は,人・モノ・カネの制限や膨大な施設の老朽化等の課題を抱える中で,持続可能で効率的・効果 的な事業運営が求められています。下水道情報の「見える化」・「データ分析」による課題の明確化や改善提案は,今後 をまとめました。 の事業運営に対して有効です。 の手法をまとめました。 的な事業運営が求められています。下水道情報の「見える化」・「データ分析」による課題の明確化や改善提案は,今後 の事業運営に対して有効です。 の事業運営に対して有効です。 本研究では,広域に点在する複数の下水処理場等の設備とその運用情報に関して,効率的な収集と効果的な活用 本研究では,広域に点在する複数の下水処理場等の設備とその運用情報に関して,効率的な収集と効果的な活用 の手法をまとめました。 本研究では,広域に点在する複数の下水処理場等の設備とその運用情報に関して,効率的な収集と効果的な活用 の手法をまとめました。 の手法をまとめました。 『広域情報管理システム』とは,流域下水道の 『広域情報管理システム』とは,流域下水道のような広域に ような広域に点在する複数の下水処理場等から, 点在する複数の下水処理場等から,広域通信ネットワークを 広域通信ネットワークを介して下水道情報を収 『広域情報管理システム』とは,流域下水道の 『広域情報管理システム』とは,流域下水道の 介して下水道情報を収集し,自治体の計画・設計部門や施設 集し,自治体の計画・設計部門や施設管理部門 ような広域に点在する複数の下水処理場等から, 『広域情報管理システム』とは,流域下水道の ような広域に点在する複数の下水処理場等から, における集中管理を可能とするシステムです。 広域通信ネットワークを介して下水道情報を収 ような広域に点在する複数の下水処理場等から, 管理部門における集中管理を可能とするシステムです。 広域通信ネットワークを介して下水道情報を収 自治体職員のニーズや導入効果の調査結果「運 集し,自治体の計画・設計部門や施設管理部門 広域通信ネットワークを介して下水道情報を収 自治体職員のニーズや導入効果の調査結果を踏まえて, 集し,自治体の計画・設計部門や施設管理部門 を踏まえて,「運転管理」,「資産管理」,「危機管 における集中管理を可能とするシステムです。 集し,自治体の計画・設計部門や施設管理部門 における集中管理を可能とするシステムです。 転管理」 ,「資産管理」 , 「危機管理」の3つの機能が備わって 理」の3つの機能が備わっています。 自治体職員のニーズや導入効果の調査結果 における集中管理を可能とするシステムです。 自治体職員のニーズや導入効果の調査結果 います。 を踏まえて,「運転管理」,「資産管理」,「危機管 自治体職員のニーズや導入効果の調査結果 を踏まえて,「運転管理」,「資産管理」,「危機管 図1 『広域情報管理システム』の概念 理」の3つの機能が備わっています。 を踏まえて,「運転管理」,「資産管理」,「危機管 図1 『広域情報管理システム』の概念 理」の3つの機能が備わっています。 理」の3つの機能が備わっています。 図1 『広域情報管理システム』の概念 一般に,下水処理場等の監視制御システムは処理場毎に異なっています。システムの異なる設備間の情報収集手法 図1 『広域情報管理システム』の概念 図1 『広域情報管理システム』の概念 として,リアルタイムデータの収集を対象としたゲートウェイ装置の設置や,準リアルタイムやバッチデータの収集を対象 一般に,下水処理場等の監視制御システムは処理場毎に異なっています。システムの異なる設備間の情報収集手法とし としたCSV等の汎用ファイル形式データの活用が必要になります。 一般に,下水処理場等の監視制御システムは処理場毎に異なっています。システムの異なる設備間の情報収集手法 て,リアルタイムデータの収集を対象としたゲートウェイ装置の設置や,準リアルタイムやバッチデータの収集を対象と 一般に,下水処理場等の監視制御システムは処理場毎に異なっています。システムの異なる設備間の情報収集手法 として,リアルタイムデータの収集を対象としたゲートウェイ装置の設置や,準リアルタイムやバッチデータの収集を対象 一般に,下水処理場等の監視制御システムは処理場毎に異なっています。システムの異なる設備間の情報収集手法 として,リアルタイムデータの収集を対象としたゲートウェイ装置の設置や,準リアルタイムやバッチデータの収集を対象 したCSV等の汎用ファイル形式データの活用が必要になります。 としたCSV等の汎用ファイル形式データの活用が必要になります。 として,リアルタイムデータの収集を対象としたゲートウェイ装置の設置や,準リアルタイムやバッチデータの収集を対象 としたCSV等の汎用ファイル形式データの活用が必要になります。 としたCSV等の汎用ファイル形式データの活用が必要になります。 3 33 3 広域情報の収集手法 広域情報の収集手法 広域情報の収集手法 広域情報の収集手法 広域情報の収集手法 リアルタイムデータの収集 準リアルタイム・バッチデータの収集 図2 システムの異なる設備間の情報収集手法 リアルタイムデータの収集 リアルタイムデータの収集 リアルタイムデータの収集 広域情報の活用手法 4 広域情報の活用手法 広域情報の活用手法 広域情報の活用手法 4 4 4広域情報の活用手法 準リアルタイム・バッチデータの収集 準リアルタイム・バッチデータの収集 準リアルタイム・バッチデータの収集 図2 システムの異なる設備間の情報収集手法 図2 システムの異なる設備間の情報収集手法 図2 システムの異なる設備間の情報収集手法 図2 システムの異なる設備間の情報収集手法 広域情報の活用の際には,「運転管理」,「資産管理」,「危機管理」毎に,効果(目的),収集すべき広域情報の種類 や活用方法を具体的に整理する必要があります。一方,情報活用の手順としては,解析のテーマや環境の整理~改善 提案があります。 広域情報の活用の際には,「運転管理」,「資産管理」,「危機管理」毎に,効果(目的),収集すべき広域情報の種類 広域情報の活用の際には,「運転管理」,「資産管理」,「危機管理」毎に,効果(目的),収集すべき広域情報の種類 広域情報の活用の際には, 「運転管理」 , 「資産管理」 , 「危機管理」毎に,効果(目的) ,収集すべき広域情報の種類や活用 や活用方法を具体的に整理する必要があります。一方,情報活用の手順としては,解析のテーマや環境の整理~改善 広域情報の活用の際には,「運転管理」,「資産管理」,「危機管理」毎に,効果(目的),収集すべき広域情報の種類 【情報活用の手順】 表1 広域情報の活用と効果 (資産管理の例) や活用方法を具体的に整理する必要があります。一方,情報活用の手順としては,解析のテーマや環境の整理~改善 方法を具体的に整理する必要があります。 一方,情報活用の手順としては, 解析のテーマや環境の整理~改善提案となります。 1.解析のテーマや環境の整理 提案があります。 や活用方法を具体的に整理する必要があります。一方,情報活用の手順としては,解析のテーマや環境の整理~改善 提案があります。 効果(目的) 広域情報 資産管理への活用 例)解析テーマ:水処理施設の維持管理コスト削減に向けた対応 提案があります。 【情報活用の手順】 事業計画の策定に資 1 機器の健全 機器台帳,設備 表1 広域情報の活用と効果 (資産管理の例) 例)解析環境:計画部門の個別PC、EXCELソフト 表1 広域情報の活用と効果 (資産管理の例) 【情報活用の手順】 1.解析のテーマや環境の整理 する健全度予測式の 【情報活用の手順】 度予測の精 運転・故障履歴, 表1 広域情報の活用と効果 (資産管理の例) 1.解析のテーマや環境の整理 表1 広域情報の活用と効果 (資産管理の例) 効果(目的) 広域情報 資産管理への活用 例)解析テーマ:水処理施設の維持管理コスト削減に向けた対応 作成 度向上 設備点検実施 1.解析のテーマや環境の整理 効果(目的) 機器台帳,設備 広域情報 資産管理への活用 2.見える化 例) 水処理電力量推移の処理場比較 例)解析テーマ:水処理施設の維持管理コスト削減に向けた対応 事業計画の策定に資 1 機器の健全 効果(目的) 広域情報 資産管理への活用 例)解析環境:計画部門の個別PC、EXCELソフト 結果,機器保全 例)解析テーマ:水処理施設の維持管理コスト削減に向けた対応 事業計画の策定に資 1度予測の精 機器の健全 機器台帳,設備 する健全度予測式の 運転・故障履歴, 例)解析環境:計画部門の個別PC、EXCELソフト 事業計画の策定に資 1 機器の健全 機器台帳,設備 データ等 する健全度予測式の 度予測の精 設備点検実施 運転・故障履歴, 作成 3.データ分析例)解析環境:計画部門の個別PC、EXCELソフト 例)処理区の特性、送風機の仕様や方式等の詳細調査 度向上 度予測の精 運転・故障履歴, 2.見える化 例) 水処理電力量推移の処理場比較 ※バッチデータ 作成 する健全度予測式の 度向上 設備点検実施 結果,機器保全 2.見える化 例) 水処理電力量推移の処理場比較 作成 度向上 設備点検実施 ばっ気ブロワ・脱水 機器台帳,現場 2 更新時にお 2.見える化 例) 水処理電力量推移の処理場比較 結果,機器保全 4.課題の明確化 例)送風機能力に関して、全処理場での再評価の検討 データ等 結果,機器保全 計測データ,電力 機等の非汎用機器3.データ分析 ける最適機 例)処理区の特性、送風機の仕様や方式等の詳細調査 データ等 ※バッチデータ 3.データ分析 例)処理区の特性、送風機の仕様や方式等の詳細調査 データ等 に対する形式やメー 使用量,等 器の選定 ※バッチデータ 3.データ分析 5.改善提案 例)処理区の特性、送風機の仕様や方式等の詳細調査 例)・水処理電力量削減に向けた指標に基づく運転管理 ばっ気ブロワ・脱水 2 更新時にお 機器台帳,現場 ※バッチデータ カ別の性能比較デー ※リアルタイム・ 4.課題の明確化 例)送風機能力に関して、全処理場での再評価の検討 ばっ気ブロワ・脱水 機器台帳,現場 2ける最適機 更新時にお 計測データ,電力 ・設備容量や制御方式の最適化による資産管理 機等の非汎用機器 4.課題の明確化 例)送風機能力に関して、全処理場での再評価の検討 ばっ気ブロワ・脱水 機器台帳,現場 2 更新時にお タベースの作成 準リアルタイム 機等の非汎用機器 計測データ,電力 ける最適機 4.課題の明確化 例)送風機能力に関して、全処理場での再評価の検討 に対する形式やメー 使用量,等 器の選定 機等の非汎用機器 計測データ,電力 ける最適機 ・バッチデータ 5.改善提案 例)・水処理電力量削減に向けた指標に基づく運転管理 に対する形式やメー 使用量,等 器の選定 ※リアルタイム・ 図3 情報活用の手順 5.改善提案 例)・水処理電力量削減に向けた指標に基づく運転管理 に対する形式やメー 使用量,等 カ別の性能比較デー 器の選定 ・設備容量や制御方式の最適化による資産管理 カ別の性能比較デー ※リアルタイム・ 5.改善提案 例)・水処理電力量削減に向けた指標に基づく運転管理 タベースの作成 準リアルタイム ・設備容量や制御方式の最適化による資産管理 カ別の性能比較デー ※リアルタイム・ タベースの作成 準リアルタイム ・設備容量や制御方式の最適化による資産管理 ・バッチデータ タベースの作成 準リアルタイム 図3 情報活用の手順 ・バッチデータ ・バッチデータ 図3 情報活用の手順 図3 情報活用の手順 図3 情報活用の手順 55 広域情報の活用事例 広域情報の活用事例 「水処理設備における省エネと放流水質の最適化」を課題の例として,都市Aの実データを用いたケーススタディの結 「水処理設備における省エネと放流水質の最適化」を課題の例として,都市Aの実データを用いたケーススタディの結 果とその手順を紹介します。 果とその手順を紹介します。 (1)施設概要の整理 ・排除方式,処理方式,現有処理能力が同等のCとE処理場のみ比較 ⇒⇒⇒水処理原単位の明確な差は無し 都市Aが保有する下水処理場の施設概要を整理 排除方式 分流 A2O法+膜ろ過 30 B 合流 標準活性汚泥法 ステップA2O法 658 C 合流 標準活性汚泥法 830 D 合流 標準活性汚泥法 46 E 合流 標準活性汚泥法 705 F 合流 A2O法 165 G 分流(一部合流) 標準活性汚泥法 225 A 300 現有処理能力 (千m3/日) 処理方式 C処理場 E処理場 250 水処理原単位(kWh/1000m3) 処理場 200 150 100 50 0 (5)データ分析 (2)広域情報の収集 各下水処理場から省エネと水質の評価に関するデータをバッチ方式で収集 ・データを追加し,水処理原単位と放流水全窒素濃度の二軸管理図を 作成 ⇒⇒⇒C処理場はEと比較して放流水全窒素濃度が高い H24年度年間実績 → H25年度年間実績 → H26年度年間実績 → H27年度年間実績 ※水質データは,A,D,F,G 処理場のみ入手できた E 平成26年度年間実績 平成27年度年間実績 (3)解析のテーマや環境等の整理 項目 内容 テーマ 水処理原単位と放流水質の処理場間比較 解析場所 共同研究者の各自PC 解析ツール EXCELのグラフ作成機能 解析期間 1ヶ月 (6)課題の明確化 ・C処理場は排水基準を満足しているが,放流先が閉鎖性水域のため 希釈効果が小さく,環境基準を上回っている観測地点がある。 ・放流先の水質改善に関する地元要望が大きい。 ⇒⇒⇒ 課題:「C処理場の放流水質の更なる改善」 (4)見える化 水処理原単位(=水処理電力量÷受水量)の処理場比較を実施 A処理場 B処理場 C処理場 D処理場 E処理場 F処理場 500 水処理原単位 大 水処理原単位(kWh/1000m3) 450 400 350 300 水処理原単位 小 (7)改善提案 G処理場 C処理場の運用調査を行い,改善提案を策定 【C処理場の運用調査結果】 ・平成27年度の散気板更新で水処理原単位は改善したが,電力削 減を優先とし,水質は改善していない。 ・流入窒素濃度が高く,水処理能力も不足している。 【改善提案】 目標:「C処理場の放流水質を各処理場の平均水質まで改善」 ①ハード対策 ・流入水質が悪く処理能力も不足しているのでA2O法等の導入は 困難であり,集水流域の変更による流入水量の見直しを提案 ②ソフト対策 ・昼夜の水量変動が大きいことが判明したため,管内貯留で昼夜 間の水量を平準化する運転への見直しを提案 ・硝化,脱窒をさらに向上させる空気供給方法のテストを提案 250 200 150 100 50 0 66 技術資料 技術資料 下水道機構では,本研究を技術資料として取りまとめました(2016年3月発刊)。 本技術が、下水処理場等における効 率的な管理・運営を検討する下水道管理者の一助になれば幸いです。 下水道機構では,本研究を技術資料として取りまとめました(2016年3月発刊)。 本技術が、下水処理場等における効 率的な管理・運営を検討する下水道管理者の一助になれば幸いです。 公益財団法人 日本下水道新技術機構 Japan Institute of Wastewater Engineering & Technology 〒162-0811 東京都新宿区水道町 3 番 1 号 水道町ビル 7 階 TEL 03-5228-6511 FAX 03-5228-6512 URL http://www.jiwet.or.jp/ E-mail [email protected]
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