【概要版】 八幡平市は、平成 17 年9月に西根町、松尾村、安代町が合併し、 市制を施行して八幡平市となり 11 年が経過しました。これまで様々 な行政需要や市民ニーズに対応するため、公共施設等の整備を進め、 公共施設等総合管理計画は、公共施設等の全体 を把握することにより、まちづくりの将来像を見 据えつつ、公共サービス・施設等の規模の適正化、 戦略的・計画的な更新・統廃合・長寿命化等の検 討を行い、公共施設等の総合的かつ適切な維持・ 管理を行うことを目的に、公共施設等総合管理計 画を策定するものです。 適切な維持・管理に努めてきたところです。 全国的に公共施設等の老朽化対策が大きな課題となっており、厳し い財政状況が続く中で、今後、人口減少等により公共施設等の利用需 要が変化していくことが予想されます。本市においても、現在保有す る公共施設等の維持経費には多額の費用が必要となると見込まれま 人口・財政の状況 公共施設等総合管理計画とは す。こうした背景から、 「公共施設等総合管理計画」を策定し、中長 期的な維持管理・更新コストの縮減・平準化を図る必要があります。 公共施設の状況 第1.公共施設(建物)の整備状況 市の公共施設(建物)は、全体で 289 施設、576 棟、延床面積の合計は 229,618 ㎡を保有します。これらは高度経済成長期の 昭和 40 年頃から多くの施設が整備されており、築 30~50 年と築 10~30 年が経過する年代に集積しています。また、昭和 40 年 代から学校教育系施設、昭和 40 年代中期から市営住宅、昭和 50 年代中期からスポーツ系施設などが整備されています。 建築年代の古い施設は築 50 年以上を経過していることから、今後 10 年間で建替え時期が集中してくるおそれがあります。 注)建物の耐用年数から建築後 30 年を大規模改修、建築後 60 年を建替え予定としています。 1.建築年別延床面積の状況 (㎡) 新耐震基準(昭和 57 年以降) 旧耐震基準(昭和 56 年以前) 60 年以上 築 50~59 年 築 40~49 年 築 30~39 年 築 20~29 年 築 10~19 年 築 10 年未満 14,000 清掃センター 安代中学校 12,000 松尾中学校 10,000 西根総合支所 八幡平市役所 安代総合支所 大更小学校 8,000 旧松尾総合支所 西根第一中学校 安代小学校 6,000 西根中学校 総合運動公園体育館 4,000 西根第一中学校 2,000 旧田山中学校 0 S30 S33 S36 S39 S42 S45 S48 S51 S54 S57 S60 S63 行政系施設 社会教育系施設 市民文化系施設 供給処理施設 市営住宅 スポーツ系施設 産業系施設 その他施設 H3 H6 H9 子育て支援系施設 観光レクリエーション系施設 医療施設 H12 H15 H18 H21 H24 H27 学校教育系施設 福祉系施設 公園施設 1 八幡平市公共施設等総合管理計画 2.公共施設の保有量(延床面積構成比) 供給処理施設 3.3% 公園施設 0.6% その他施設 8.5% 3.公共施設の老朽化の状況(延床面積構成比) 60年以上 0.1% 総延床面積約 23.0 万㎡ 50-59年 7.0% 医療施設 2.2% 行政系施設 13.1% 産業系施設 7.9% 子育て支援系 施設 2.0% 学校教育系施 設 26.3% 観光レクリ エーション系 施設 5.0% 40-49年 12.4% 市営住宅 10.4% 市民文化系施 設 8.7% 福祉系施設 1.5% 概要版 30年未満 56.6% 30-39年 23.9% スポーツ系施 設 9.7% 30 年以上 43.4% 社会教育系施 設 0.8% 公共施設(建物)は、学校教育系施設、行政系施設、市営住宅の保有量の割合が多くを占めています。 また、高度経済成長期の昭和 40 年頃から多くの施設が整備されていることから、築 60 年以上の施設や間もなく建替え時期となる 築 50 年以上の施設が約 7.0%、大規模改修が必要とされる築 30 年以上を経過する施設が全体の 43.4%を占めています。 第2.人口現況と将来人口の推計 (人) 本市の人口は、昭和 55 年の 34,926 人 から減少傾向で、平成 27 年(国勢調査) 人口は 26,355 人、世帯数 9,429 世帯で 1世帯当り人員は 2.80 人です。 また、「八幡平市人口ビジョン」によ る人口推計値は、平成 52 年で 18,800 人 (平成 22 年比:34.4%減) 、年少人口は 12.2%、生産年齢人口は 45.9%、老年人 口は 41.9%の構成比と予測されます。 人口 年少人口 生産年齢人口 (%) 老年人口 40,000 80% 67.8% 35,000 66.5% 65.6% 推計値 63.5% 60.7% 58.4% 57.3% 30,000 54.1% 50.9% 60% 48.4% 25,000 20,000 15,000 28,678 34,926 33,770 33,287 32,751 32,485 31,079 21.3% 20.3% 18.4% 20.4% 10,000 29.2% 40.1% 10.9% 13.2% 15.9% 16.1% 14.3% 26,348 S60 H2 H7 H12 46.6% 45.9% 42.9% 42.4% 41.9% 24,712 50% 40% 30% 22,964 21,377 20,016 18,800 20% 10% 12.4% 10.8% 9.7% 9.0% 9.3% 10.0% 11.0% 12.2% H17 H22 H27 H32 H37 H42 H47 H52 0 S55 42.3% 47.1% 36.2% 31.9% 25.1% 5,000 70% 0% 第3.財政の状況 平成 27 年度の市地方財政状況調査の内訳による歳入は、市税は全体の約 14%を占め、毎年ほぼ横ばいです。主たる納税者となる 生産年齢(15 歳から 65 歳までの)人口の減少が予測され、今後、地方税の減少が懸念されます。 歳出は、公共施設等整備に充当される普通建設費は歳出全体の約 15%を占めています。また、扶助費は全体の約 12%を占め、高 齢化社会の進行に伴い、今後増加するものと予想されます。 1.市の歳入状況 (百万円) 市税 市債 2.市の歳出状況 地方交付税 地方譲与税 25,000 20,102 20,000 19,527 21,074 国庫支出金 その他 22,111 県支出金 22,500 21,089 20,000 18.0% 17,500 1.2% 8.1% 8.5% 15,000 (百万円) 9.6% 10,000 40.4% 人件費 公債費 19,546 物件費 操出金 18,966 積立費 普建費 扶助費 その他 21,364 20,234 14.2% 20,341 3.4% 15.4% 9.8% 15,000 12.7% 12,500 10,000 12.6% 7,500 11.5% 8.1% 5,000 5,000 補助費 13.4% 2,500 13.0% 0 0 H23 H24 H25 H26 H27 H23 H24 H25 H26 H27 2 第4.公共施設等の更新等に係る費用の見通し 市の公共施設等をこのままの施設量で保有しつづけた場合、必要となる将来の更新費用の見込みを算出しました。 なお、公共施設の更新費用に充当可能な財源となる投資的経費を比較しました。 1.公共施設(建物)及びインフラ資産の更新等に係る費用 (億円) 公共施設(建物) 道路 橋梁 11~20 年後 当初 10 年間 上水道 下水道 21~30 年後 31~40 年後 公共施設(建物)及びインフラ資産の更 新等に係る費用は、今後 40 年間の年平均は 100.0 約 68.5 億円であり、投資的経費の年間平均 90.0 約 35.1 億円に対し、約 2.0 倍の費用が必要 80.0 です。 70.0 公共施設(全体)更新費用 68.5 億円/年(40 年間) 60.0 50.0 40.0 投資的経費の平均 35.1 億円/年(直近5年間) 30.0 20.0 10.0 0.0 H28 H33 H38 H43 H48 H53 H58 H63 2.公共施設(建物)の更新等に係る費用 (億円) 大規模改修費 当初 10 年間 建替え費 積み残し(大規模改修・建替え) 21~30 年後 11~20 年後 31~40 年後 公共施設(建物)の更新等に係る費用は、 今後 40 年間の年平均は約 25.9 億円であり、 50.0 投資的経費の年間平均約 17.5 億円に対し、 45.0 約 1.5 倍の費用が必要です。 40.0 35.0 30.0 公共施設(建物)更新費用 25.9 億円/年(40 年間) 25.0 20.0 15.0 投資的経費の平均 17.5 億円/年(直近5年間) 10.0 5.0 0.0 H28 H33 H38 H43 H48 H53 H58 H63 3.インフラ資産の更新等に係る費用 (億円) 道路 橋梁 上水道 11~20 年後 当初 10 年間 下水道 21~30 年後 31~40 年後 70.0 インフラ資産の更新等に係る費用は、今 後 40 年間の年平均は約 42.6 億円であり、 投資的経費の年間平均約 17.6 億円に対し、 約 2.4 倍の費用が必要です。 60.0 50.0 公共施設(インフラ)更新費用 42.6 億円/年(40 年間) 40.0 30.0 投資的経費の平均 17.6 億円/年(直近5年間) 20.0 10.0 0.0 H28 H33 H38 H43 H48 H53 H58 H63 3 八幡平市公共施設等総合管理計画 概要版 第5.公共施設等の管理に関する基本方針 1.現状や課題に関する基本認識 投資的経費の 見込み 公共施設の大規模改修・建替え等への対応 更新等に係る 費用の見込み 人口減少・少子高齢化社会への対応 財政状況への対応 将来負担の軽減 2.基本的な方針 現状や課題に関する基本認識を踏まえ、以下の視点を基本目標として、公共施設等の管理に関する基本方針を推進します。 ○ 既存公共施設等の有効活用 ○ 公共施設の供給量の適正化 ○ 効率的な管理・運営による市民ニーズに対応したサービスの提供 3.公共施設等の管理に関する取組方針 (1)点検・診断等の実施方針 (4)長寿命化の実施方針 ■ 日常点検や定期点検等を実施し、これまでの事後保全から予防保 ■ 定期的な点検や修繕による予防保全に努めるとともに、計画的な 全に努めます。 施設の長寿命化を推進します。 ■ 点検・診断等の履歴を集積・蓄積し、個別施設計画の見直しに反 映します。 ■ インフラ資産については、今後の財政状況や社会情勢を踏まえ、 予防保全によって、致命的な損傷となる前に健全な状態を維持し、 ■ 目視等の日常点検を強化するとともに、法定点検等の定期点検を 民間委託により推進します。 ■ 点検結果のデータベース化など情報の一元化による効率的・効果 的なデータの活用を目指します。 長寿命化を図りながらライフサイクルコストを縮減します。 ■ 今後新たに策定する個別の施設計画(長寿命化計画)については、 本計画の方向性と整合を図りながら、計画の策定を進めます。また、 既に策定済の長寿命化計画については、計画の内容に基づき、必要 に応じて適宜見直しを図りながら長寿命化を実施します。 (2)維持管理・修繕・更新等の実施方針 (5)統合や廃止の推進方針 ■ 予防保全による維持管理を推進し、建物の長寿命化に努めます。 ■ 現在利用されていない施設や将来的に利用が見込めない施設等に ■ トータルコストを縮減・平準化し、建替え等に係る負担を軽減し ついては、施設の利用・運営状況等を踏まえ、人口構成の変動や財 ます。 政状況、代替サービスの可能性等を勘案し、保有の必要性を検討し ■ 点検・診断結果を踏まえながら、修繕・更新等の優先度を判定し、 計画的かつ効果的な維持管理・修繕・更新等を推進します。 ■ 維持管理・修繕・更新等の履歴を集積・蓄積し、個別計画の見直 しに反映して、充実を図るとともに、老朽化対策等に反映します。 ■ アウトソーシングなど民間活力の導入を検討し、活用します。 ます。 ■ 上記の検討結果を踏まえて、施設保有総量の縮減を図ります。 ■ 老朽化が進行している施設の修繕・改築等と併せて、統廃合や譲 渡等も含めて検討します。 ■ 他目的の公共施設等や民間施設の利用・複合化等についても検討 します。 (3)安全確保・耐震化の実施方針 (6)総合的かつ計画的な管理を実現するための体制の構築方針 ■ 日常点検や定期点検により、施設の劣化状況の把握に努めます。 ■ 職員一人ひとりが公共施設マネジメントの意義や必要性を理解し ■ 危険性の高い施設については、周辺環境への影響を考慮した安全 て取り組んでいくために、職員を対象とした研修や担当職員の研修 確保に努めます。 等を実施します。 ■ 防災上必要な施設は、 「建築物の耐震改修の促進に関する法律(平 成7年 10 月 27 日法律第 123 号) 」に基づき、今後も耐震化率の向 ■ 適正管理に必要な体制について、民間(委託・指定管理者制度) や NPO、地域なども含めた体制整備を検討します。 上を図ります。 ■ 避難施設は、災害時において施設の安全確保が第一であるため、 耐震性の向上をはじめ、計画的な修繕・改築等により安全確保を図 ります。 お問い合わせ先 八幡平市役所 総務課 〒028-7397 岩手県八幡平市野駄第 21 地割 170 番地 電話番号 0195-74-2111(代表) 4
© Copyright 2024 ExpyDoc