◆佐賀農業賞最優秀賞受賞者の取組の概要◆ ○先進的農業経営者の部 前田勇人・清美氏 (唐津市・肉用牛(肥育) ) 肥育牛経営は、相場の変動が大きいため、これらに対応するため、高い自己資 本比率の維持と相場を見通した子牛の調達により、経営の発展を図られている。 低価格な子牛を導入し、立派に育て上げる卓越した飼養技術により、少ない借 り入れで飼養頭数を増加されていき、大規模経営を実現された。 近年では、子牛価格の高騰に伴い、利益率のより大きい高価格の子牛導入に切 り替え、高価格での販売に努められている。 優れた経営感覚に基づくこれらの経営手法は、魅力ある畜産経営のモデルとし て地域農業振興に貢献されている。 ○若い農業経営者の部 木室哲郎氏 (白石町・米・麦・タマネギ・キャベツ・白菜・菜の花) 大型機械の導入と合わせ、ICT を活用して省力化や作業の効率化を図るなど、 先進的な土地利用型農業経営に取り組まれている。 タマネギでは県内でべと病が大発生し収穫量が減少した中、土作りや作物の観 察、基本管理の徹底で安定した収量を確保されている。 地域の若手農業者と菜の花ファームを立ち上げ、菜種油の販売や菜の花祭りの 開催など地域の活性化にも積極的に取り組まれており、今後の地域農業を牽引 する若手リーダーとして期待される。 ○組織・集団の部 JAからつ上場果樹部会 (唐津市ハウスみかん・露地みかん・甘夏柑) 露地みかんでは、売れるみかんづくりのために高位平準化した生産技術を基礎 に、全園地に対するマルチ資材の高い被覆率を維持することで、ブランド化率 を高め県内をリードする産地となっている。 ハウスみかんでは、燃油価格高騰の折、3重カーテン施設やヒートポンプの導 入による省エネルギー対策と収量向上を実践された。また、厳選された果実を 「上場の夢」として出荷し上場ブランドを確立されている。 みかん品質の向上のため、老木の更新や、全国初の高温処理施設導入など新技 術の導入に加え、上場みかん青年部を組織し産地間の交流活動を行うなど次世 代の産地育成に努めておられ、今後ともその発展が期待される。
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