平成28年12月 - 石川県学校給食会

発行日:平成28年 12 月 20 日
発行者:
公益財団法人石川県学校給食会
TEL:076-225-1975
URL:http://www.isigk.or.jp
日頃より、本会の事業にご理解とご協力をいただきありがとうございます。9月からの事業等につい
てお知らせします。
第2回学校給食用パン品質審査会の結果
本会では、安全で良質な学校給食用パンの供給を目指しています。そのため、石川県パン協同組合の
協力を得て、各委託加工工場のパンの質的向上を図るため「パン品質審査会」を実施しています。
これまでの審査会では、パン製造者が参加し、一つ一つのパンの品質について、審査員よりコメント
をもらって行っていました。今回は、パン製造者に加え、学校給食用パンと市販のパンの違いといった
講義も実施したため、石川県学校給食栄養研究委員会のメンバーも参加しました。
◆実 施 日
平成28年11月25日(金)
◆会
県庁舎1411会議室
場
◆審 査 員
並木 利文 氏((一社)日本パン技術研究所 研究調査部)
今寺 幸雄 氏(金沢製粉㈱企画部次長)
田中 靖枝 氏(石川県教育委員会スポーツ健康課 指導主事)
◆判定基準
コッペパン
食
パ
形
表
焼
均
皮
均
色
整
質
等
10
5
5
8
5
4
ン
3
内
体
す
相(70 点)
色
触
香
だ
味
積
ち
相
感
り
10
10
10
15
10
25
10
15
10
15
10
20
優
良
可
不可
85.0
79.9
74.9
69.9
80.0
~
焼
観(30 点)
~
外
~
◆審査項目及び配点
以
75.0
70.0
下
◆審査結果 〈コッペパン〉
パンの種類
ミルク
ミルク
バター
チーズ
バター
米 粉
胚 芽
かほっくり
胚 芽
バター
ミルク
工場名
卜部製パン
あづま屋
サンキョウパン
ブロス
佐野屋
ブロス
佐野屋
サンキョウパン
ブロス
ブロス
ブロス
優
優
良
優
優
優
優
優
優
優
優
合計点
83.00
81.05
79.30
81.70
82.00
80.35
81.30
83.00
80.00
81.60
81.00
外
観
24.90
24.00
24.00
24.30
24.60
24.00
24.60
24.90
24.00
24.30
24.30
内
相
58.10
57.05
55.30
57.40
57.40
56.35
56.70
58.10
56.00
57.30
56.70
判
定
〈食パン〉
パンの種類
基 準
基 準
基 準
ミルク
ミルク
工場名
タカマツパン
ブロス
細畑屋
川岸ベーカリー
ブロス
優
良
優
優
優
合計点
82.10
79.20
82.60
81.90
81.50
外
観
24.30
24.00
24.60
24.90
24.90
内
相
57.80
55.20
58.00
57.00
56.60
判
定
◆講 評
〈並木氏〉・他県の審査会では、注意点のあるパンはかなり出るのですが、それがほとんどありません
でした。ここまで多く 80 点以上をつけることはあまりありません。
・比較的よく焼いてあるものが、香ばしいと思っていただいたのではないでしょうか。
・パンの品質を守るには、パン給食の回数から考えると、今が限度です。なるべく多くパン
屋さんへ注文を出してください。学校とパン屋さんがうまくコミュニケーションが取れて
いると、パン屋さんも頑張り、おいしいパンになると思います。
・食パンで1つ 80 点を切っています。焼きでちょっと皮が固かったものです。だけど、食
してみると、思いの外香ばしくて、おいしいなあと思っていただいたと思います。焼きが
甘いより良いと思います。
〈今寺氏〉・皆さんの試食や評価での話を聞き、皆さんは軟らかい、ねち
ょっとしたパンが良いパン、おいしいパンと評価されている
ようです。そこに、私たちと皆さんとの感覚にギャップがあ
るかなあと思います。
・子供たちも含め、皆さんとパン屋さんの嗜好の同じレベル・
基準をどこにもってくるかが、おいしい、おいしくないパン
の評価につながってくるのかなあと感じました。
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◆パンの品質判定のポイント
項
目
焼
色
コッペパン
表面が全部一様に黄金褐色に焼けているものが良い
角形食パン
食欲をそそるような黄金褐色に焼けているものが良い
外観の見た目が快く、均整のとれたものが良い。パン
外
形 均 整
やや細長い棒状で、バランスがいいものが良い
上部の角の部分のホワイトライン(次の頁参照)はたばこ 1
本が隠れるぐらいが良い
表 皮 質
観
滑らかな肌を持ち、厚さがどこも均一なものが良い
滑らかなものが良い
パンの上下左右の面が同じような色艶に焼き上げられ
焼上均等
ているのが良い
体
積
す だ ち
内部色相
内
触
感
手に持って軽い感じのするものが良い
比容積(体積(㎖)/重量(g))は 4.0 以上が好ましい
気泡膜は薄く、気泡はやや楕円形で巻き目がわかるぐ
気泡は細かく均一な楕円形で、縦に伸びていて、気泡
らいが良い。食パンより、やや不均等な気泡でも良い
膜は薄いものが良い
均一で艶のある明るい乳白色が良い
均一で艶のある明るい乳白色が良い
指で押して柔らかい弾力があり、滑らかな感じのする
スライス全面を指先で軽く押した時の感じが、柔らか
ものが良い
く、滑らかでしっとりしているものが良い
焼成によって生成された香ばしいクラストと品質の優
香
り
イーストが発酵して出す特有の香りと、よく焼かれた結
れた原材料と発酵により生成されたほのかな香りを持
果できる芳香を持つものが良い
つものが良い
相
発酵によって作られた、バランスのとれた快いうま味
一般に薄い塩味を感じ、かみしめて良い味の出てくるも
味
を感じるものが良い。しっとりとした食感を持ち、僅
のが良い。気泡膜が薄く、ややドライ感があり、口溶け
かにもちもちした歯ごたえがあるが、ねちゃつかず、
がいいものが良い
口溶けがいいものが良い
ホワイトライン
上の食パンは配合、製法が同じで、培炉(最終発酵)時間だけを変えてあります。その時間の違いによる外観の変化の写真です。
培炉終了時の生地が型上縁より 左:型下 5 ㎝……培炉不足
中:型下 3 ㎝……適
右:型下 1.5 ㎝……培炉オーバー
トピックス
◆道畠先生
「学校給食文部科学大臣賞」を受賞!
11 月 10 日㈭、「第 67 回全国学校給食研究協議大会 秋田大会」で、文部科学大臣表彰として、本県
から、学校として白山市立松南小学校、個人として道畠裕子先生(輪島市立輪島中学校栄養教諭)が表
彰されました。おめでとうございます。
道畠先生には、受賞の喜びとともに、食育に対する考えなどをインタビューしてきました。
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-文部科学大臣賞を受賞されての感想をお聞かせください。
自分でもびっくりしているのは、いろいろな人から“道畠さんが表彰されて嬉
しいわ”と言っていただいていることです。これは地域や業者の方たちと楽しく
仕事をやり、つながっているからだろうなぁと思います。
-食育を効果的に進めていくために大切にされていることはなんでしょうか?
子供は学校だけでなく、社会全体で育てていくことが必要です。そのため、家
庭と地域のつながりを大切にしています。
食育をどのようにすればよいか分からないという家庭が 50%もありました。時
間がない、知識がないなどの理由が挙げられていました。それならば、学校から食育の情報を発信して
いくことが大切だと思いました。また、和食や郷土料理は、ほっておくと廃れていきます。例えば、い
しる煮を作らない家庭が多いので、学校で出すしかないと感じ、意識的に給食の献立に入れています。
-将来、生徒が独り立ちしていけるように心掛けていることは何ですか?
基本的生活習慣を守りながら、集団でのコミュニケーションができるようになってほしいと考えてい
ます。そのため、他人に不快な思いをさせない食事のマナーが大切で、給食で練習しましょうと言って
います。併せて、家庭科の教科書は捨てないで、時々見ましょうと伝えています。
-全教育活動を通して食育を実施していくために、栄養教諭として心を砕いていることは何ですか?
給食は毎日行われるので、この時間を活用しています。先生方には「給食一口メモ」を渡し、自分の
教科の授業やあらゆる機会を利用して、食育を実施するためのヒントにしてもらっています。
-若い先生方へのメッセージをお願いします。
最低限、学校の中でやっていける人間関係づくり、調理員さんや先生方とうまくコミュニケーション
をとっていけることが大切です。その次に、地域の人たちとうまくやっていってほしいと思います。
気持ちを盛り上げていかないと、調理員さんは動きません。そのためには、「みんなおいしいと言っ
ていたよ」とか、協力して何かできたら「良かったね」ということを正直に伝えてください。私は、調
理員さんのモチベーションを上げる声掛けを大切にしています。
第2回学校給食関係業者衛生管理講習会を実施しました
下のグラフ(厚生労働省のデータによる)は、平成 27 年に発生した食中毒の月別発生状況です。
これによれば、食中毒の発生件数は 1,202 件、そのうち1~3月は 447 件(37.2%)です。また、ノ
ロウイルスが原因と考えられる発生件数は 481 件(40.0%)、患者数は 14,876 人(65.5%)となって
います。
200
150
これからの時期、多くの食中毒の発生が懸
153 152 142
念されます。そして、ノロウイルスが原因で
89
100
75
100 92
100
69
81
68
81
あれば、勢い患者数も多くなる傾向にありま
す。特に学校給食では、大規模な食中毒にな
50
ります。最近では、静岡県浜松市(平成 26
0
年 1 月)、福井県若狭町(平成 28 年 5 月)
での発生が記憶に新しいところです。
こういった状況を踏まえ、学校給食に関わる業者の皆さんへの衛生管理講習会に、食中毒防止に向け
たウイルス・細菌対策を取り上げることにしました。
以下、その実施状況をお知らせします。
【実施日】
平成28年10月29日(土)
【場
石川県地場産業振興センター
所】
【テーマ】
ノロウイルス等による食中毒の防止に向けて
【講
川口
師】
純一氏
((一財)石川県予防医学協会 作業環境・簡専・衛生検査チームリーダー)
【対
象】
【参加者】
〈内
基本物資(パン、米飯、牛乳)と一般物資の製造及び配送・保管関係者
55名(パン:18名、米飯:12名、牛乳:6名、一般物資:19名)
容〉
■ノロウイルスについて
*ノロウイルスと細菌の大きさ
*小さいと厄介
◆付着したら、日常の手洗いでは落ちにくい
・手指に付着すると、しわ、指紋、爪と皮膚の間
に入り込む。
◆浮遊しやすい
・嘔吐物が乾燥し、塵や埃とともに空気中に舞い
上がり、長時間浮遊する。
*ノロウイルス食中毒の発生要因
*ノロウイルス食中毒予防の4原則
1 持ち込まない
体調管理、手洗いの徹底 等
2 拡げない
手洗い、器具の洗浄消毒 等
3 加熱する
中心温度 85~90℃で 90 秒以上の加熱
4 つけない
手洗い、素手で食品に触れない、使い
捨て手袋やマスクの正しい着用 等
■ノロウイルスによる食中毒予防のポイント
調理する人の
(厚生労働省 HP ノロウイルス食中毒予防パンフレット)
作業前などの
健 康 管 理
手
◯普段から感染しないように食べ
◯洗うタイミングは
物や家族の健康状態に注意する
◯症状があるときは、食品を直接
洗
調理器具の
い
消
毒
洗剤などで十分に洗浄し、熱湯で
◎トイレへ行ったあと
加熱する方法又はこれと同等の効
◎調理施設に入る前
果を有する方法で消毒する
◎料理の盛付けの前
取扱う作業をしない
◎次の調理作業に入る前
◯汚れの残りやすい所を丁寧に
◯症状があるときは、すぐに責任
◎指先、指の間、爪の間
者に報告する仕組みをつくる
◎親指の周り
■グループ演習1〈健康管理
◎手指
健康チェックシートの活用について〉
【感想より】
・他社の健康管理法などが大変参考になった。
・健康チェックをより徹底していき、従業員の健康管理・衛生管
理を行い、ノロウイルスや食中毒を防いでいきたい。
・現状は「あいまい」「不徹底」になっている。今一度健康管理
及び手洗いマニュアルの基本に立ち返り、社内で共有し、徹底
できるようにしていきたいと感じた。
■グループ演習 2〈手洗い点検 手洗いチェッカーで洗い残しの点検〉
【進
行】
「手洗いの現状についての情報交換」→「グループ代表者による手洗い→メンバー全員が洗い残し
を手洗いチェッカーで確認」→「その後使い捨て手袋を装着し汚れのつき方も確認」
【感想より】
・手洗いの洗い残しを実際見ることができ、手洗いの重要さを再確認できた。
・ウイルスに対しての手洗いの有効性が改めて分かった。卸売業者も、もっとそのことを認識し実践
しなければならないと思った。
■調理器具の消毒について
(大量調理施設衛生管理マニュアルより)
・平成 28 年 7 月改正 塩素系消毒剤やエタノール系消毒剤の中には、ノロウイルスに対して不活性
化効果を期待できるものがあること等の知見が得られた……
・平成 28 年 10 月改正 更に過酢酸製等の追加が……
第30回 中学生学校給食献立コンクールの結果
中学生が、毎日実施されている学校給食の献立作りをとおして、食事の重要性や食材の豊かさ、食文
化を再認識し、望ましい食習慣の形成を図るため、県教育委員会と本会主催による標記のコンクールを
実施しました。
今年度の応募数は、次の表にあるとおりです。〈
〉内は昨年度
市町数及び県立学校数
学 校 数
作 品 数
17 市町+2 校(17 市町+1 校)
33 校〈28 校〉
2,548 点〈2,264 点〉
審査は、10 月 7 日(金)、石川県庁舎で実施しました。結果は、下の
表のようになりました。
最優秀賞
1
優 秀 賞
2
点
点
優 良 賞
5
点
努 力 賞
10 点
総評と最優秀賞・優秀賞の作品の紹介です。
・多くの種類の食材を使用した主食・主菜・副菜が組み合わされた栄養バランスの優れた献立が作成され
総
評
ており、先生のきめ細かな指導と生徒の食への関心の高さが伺える作品が多かった。
・地場産物を積極的に取り入れ、地域性を意識した献立作りがされており、石川の食文化の継承にもつな
がる内容の作品が目立った。
能美市立寺井中学校
献
最優秀賞
立
名
立
名
中野
雄太 さん
・美味‼能美市産のお米とはと麦のゆず酢七目ちらし寿司
・丸いもと豚肉とたけのことしいたけのカルテット和風春巻
・小松菜の白あえと付け合わせのおいしいフルーツトマト
・能美市産の野菜と豚肉の豚汁
・丸いものなめらか冷やしオータムプリン
・牛乳
金沢市立鳴和中学校
献
2年
2年
松本あやめ さん
・自然のめぐみ 石川県をまるごと!3 色ライス
・タラの塩こうじ焼き とろとろゆずあんかけ
・根菜ときのこのシャキシャキ キンピラ
・体も心もぽっかぽか じわもんたっぷり めった汁
・五郎島金時のヘルシープリン~スイートポテト風~
・牛乳
優 秀 賞
津幡町立津幡南中学校
献
立
名
2年
東
夏穂 さん
・津幡名物 まこもの炊きこみごはん
・具材たっぷり けんちん汁
・サクッとホクホクな かほっくりコロッケ
・加賀れんこんとひじきのシャキシャキサラダ
・興津かぼちゃのまろやかプリン
・牛乳
1年
松本
葵 さん
優良賞・努力賞の受賞者です。
優 良 賞
努 力 賞
小松市立国府中学校
1年
山田
心萌 さん
能美市立寺井中学校
3年
有生
光 さん
能美市立辰口中学校
3年
金山
璃音 さん
能美市立辰口中学校
2年
家
野々市市立野々市中学校
1年
雨池
祐大 さん
石川県立金沢錦丘中学校
3年
谷内
碧花 さん
加賀市立東和中学校
1年
関
小松市立御幸中学校
2年
荒木
詩音 さん
小松市立南部中学校
1年
野村
千幸 さん
能美市立辰口中学校
1年
南
美咲 さん
白山市立松任中学校
1年
坪田
萌花 さん
白山市立松任中学校
1年
宮城
和来 さん
金沢市立医王山中学校
1年
大瀬
栄和 さん、中島
宝達志水町立宝達中学校
2年
西村
紺奈 さん
穴水町立穴水中学校
1年
久保日菜乃 さん
菜々子 さん
ひかり さん
大志 さん、山越
絢太 さん
表彰式は、11 月 18 日(金)、石川県庁舎で行われました。村戸課
参事(石川県教育委員会スポーツ健康課)より、受賞者に賞状が授与
されました。
受賞者代表として、中野さんがお礼の言葉を述べました。
【お礼の言葉】
最優秀賞をいただきありがとうございます。
僕は、能美市の地場産物をたくさん使って給食の献立を考えました。
献立は、僕が通っている寺井中学校のおいしい給食や、家で母が作って
くれる食事を思い出して考えました。僕が考えた給食の献立で、能美市
の地場産物のおいしさが伝わったらとても嬉しいです。
お礼の言葉を述べる中野さん
最優秀賞というとても良い賞をいただき、ありがとうございました。
中野さんの作品は、1月下旬の全国学校給食週間に、寺井中学校の給食として提供される予定です。
なお、中野さんは、昨年度は「優秀賞」、今年度は「最優秀賞」を受賞しています。献立作成にまつ
わる考えなどをインタビューしました。
-丸いもをはじめ地元の野菜を上手に使っていますね。
丸いもは能美市の地場産物であり、コロッケなどいろいろな食材として使える良い地場産物だと思います。それらを取
り入れ、栄養のバランスに気をつけて献立を考えました。
-日頃、料理を手伝うことがありますか?
家では料理の手伝いをしながら、母が出してくれるクイズに答えています。例えば、「とげとげしたきゅうりとつるっ
としたきゅうり、どっちが新しいと思う?」と。また、おみそ汁は食べる直前に母が作りますが、その時、「おみそ汁が
できたよ~。味見においで。」と呼ばれ、小皿によそってもらって味見をします。その時のおみそ汁、同じものだけど、
断然おいしいです。こういう経験が、献立を考えるときに活かされたのではないかと思います。
トピックス
◆「おはなしからとびだした!りょうり」……白山市立北陽小学校
白山市内の小学校では、「おはなしからとびだした!りょうり」として、毎月、本の中に出てくる
料理をアレンジして学校給食に提供されています。
9月 27 日(火)、白山市立北陽小学校で、「おはなしからとびだした!りょうり」を取材してき
ました。
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9月は『おばけのてんぷら』(作・絵:せな けいこ ポプラ社)で、献立は次のようになってい
ました。
◯おばけのてんぷら
◯ごま酢あえ
◯うさぎのかくれんぼ汁
◯ごはん
◯牛乳
さて、絵本では「おばけは
むちゅうで するりと
とびだしました。だから あげたのは ころ
もだけ。」とあります。給食でも衣だけだったのでしょうか?
そういうわけにはいきません。給食の“おばけのてんぷら”は、9月の献立作成者が、おばけの形
状が似ている笹かまで天ぷらにしようと考えられたそうです。笹かまに衣を付けて揚げたので、衣の
中が空洞のような感覚を味わうことができました。“うさぎのかくれんぼ汁”では、うさぎ模様の入
ったかまぼこが使われ、見ていても楽しいものでした。そして暑さの残る9月下旬でしたので“ごま
酢あえ”のすっきりした口当たりが良かったですね。
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当日は、まず、給食委員会の児童が、放送で「おはなしからとびだした!りょうり」のメニューを
紹介しました。次に、図書館司書の野﨑さんが、テレビを使って『おば
けのてんぷら』の読み聞かせをしました。そして、給食委員会と図書委
員会の児童や先生がうさことおばけに扮し、各教室を回りこの企画を盛
り上げました。特に低学年の教室では、子供たちがおばけの登場を今か
今かと待っていて、現れると大歓声。やはり絵本の登場人物が教室に入
ってくると、子供たちにとって非常にインパクトがあり、印象に残る給
食になったようです。
北陽小学校の「おはなしからとびだした!りょうり」は、野﨑さんと
栄養教諭の奥名さんがアイデアを出し合い、先生方、給食委員会と図書委員会の児童、調理員さんが
それに加わり、一つのイベントとして、より良いものに作り上げようとしていると感じました。先生
や子供たちが楽しんで取り組んでいるため、活気があり、とても興味を引かれました。
(この企画については㈱ポプラ社の掲載許諾を得ています。)