南九州市公共施設等総合管理計画(案) 概要版

南九州市公共施設等総合管理計画(案)
平 成 28 年 12 月
鹿児島県
南九州市
概要版
目次
1.はじめに ----------------------------------------------------------- 1
2.人口の推移と財政状況 --------------------------------------------- 2
3.公共施設等(建築物)の現状と課題 ------------------------------- 3
4.公共施設等マネジメントの基本方針 ---------------------------------- 4
5.数値目標 --------------------------------------------------------- 5
6.全庁的な体制とフォローアップ ---------------------------------------- 6
1.はじめに
①計画策定の趣旨
・
 人口減少,少子高齢化の進行等による公共施設,インフラ資産の利用需要の変化。
 3町の合併により,類似・重複施設が多数。
 高度成長期前後に整備された公共施設の老朽化,更新時期の到来。
【策定の目的】
公共施設等全体の現状と課題を把握し,長期的な視点をもって,公共施設等の適切な整備や
更新,長寿命化等を計画的に行うことで,将来の財政負担を軽減,平準化することを目的としてい
ます。
②計画の位置付け
・
総合計画を上位計画と位置づけます。
南九州市総合計画
【
国
】
イ
ン
フ
ラ
長
寿
命
化
基
本
計
画
南九州市公共施設等
総合管理計画
各種長寿命化計画、維持管理などの個別計画
学
校
公
営
住
宅
保幼
育稚
所園
道
路
橋
梁
上
水
道
南
九
州
市
行
政
改
革
大
綱
等
・・・
③計画期間
・
平成 29 年度から平成 38 年度までの 10 年間を計画期間とし,5 年毎に見直します。
40 年後を見据えた,公共施設等を将来にわたって総合的かつ計画的に維持管理していくための基本
的な指針とするものです。
④計画の対象施設
・
公共施設等
本計画の対象は,公共
施設(建築物)だけでな
く,道路・橋梁等のインフラ
や公営企業会計等のイン
フラ(建築物,管渠等)も
含むものとします。
建築物
会計区分
一 般
・学校教育系施設
・市民文化系施設
・社会教育系施設
・子育て支援施設
・公園施設(トイレ等)
・行政系施設
・公営住宅
・上水道(ポンプ室等)
・保健・福祉施設
・スポーツ・レクリエーション系施設
・産業系・供給処理施設
・その他施設
公営企業等 ・下水道(浄化センター等)
1
インフラ
・道路
・橋梁
・上水道(管渠)
・下水道(管渠)
2.人口の推移と財政状況
①人口
・
 人口減少,少子
高齢化が予測さ
れます。
老年人口
2015年~2040年
生産年齢人口(15~64歳)
(0~14歳)
年少人口
6.0万
5.0万
人口増減率
(65歳以上)
50,261人 49,189人
17%
47,498人
19%
4.0万
23%
45,792人
44,137人
27%
61%
2.0万
58%
55%
18%
18%
16%
0.万
-3%
39,065人
36,352人
30%
33%
54%
53%
33,315人
30,655人
34%
36%
53%
52%
1.0万
19%
年少人口
-7%
42,191人
3.0万
63%
生産年齢人口
老年人口
+8%
14%
13%
11%
12%
39%
49%
10%
42%
28,186人
25,897人
44%
44%
23,666人
44%
47%
46%
46%
45%
9%
9%
9%
9%
1980年 1985年 1990年 1995年 2000年 2005年 2010年 2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 2040年
実 績 値
推 計 値
②財政
・
【歳入の推移】
地方税
その他
地方債
地方譲与税
地方交付税
 歳入の 65%~
75%は依存財源
 地方交付税の合併
算定替、人口減少
に伴う税収減少が
予測されます。
220.0
交付金
依存財源
自主財源
250億
国県支出金
226.7
226.4
212.1
220.1
215.2
75.2%
76.1%
227.8
100%
219.4
216.5
90%
80%
200億
72.4%
150億
65.6%
100億
34.4%
74.6%
76.8%
76.2%
72.5%
74.7%
70%
60%
依存財源比率
50%
40%
自主財源比率
27.6%
25.4%
23.2%
24.8%
23.9%
23.8%
27.5%
25.3%
30%
20%
50億
10%
0%
0億
2007
【歳出の推移】
人件費
扶助費
2009
公債費
2010
211.7
2011
2012
普通建設事業費等
義務的経費
250億
 義務的経費は少子
高齢化等によって増
加が予測されます。
 普通建設事業費は
歳入減に伴い減少
が予測されます。
2008
物件費
投資的経費
218.8
218.6
204.5
213.4
2014
補助費等
2015
その他経費
その他経費
209.2
220.4
214.4
80%
208.3
70%
義務的経費比率
200億
150億
2013
60%
44.9%
48.2%
45.4%
45.8%
47.4%
46.8%
44.2%
48.0%
49.4%
50%
40%
100億
50億
33.3%
34.4%
36.6%
36.4%
35.1%
37.1%
35.2%
35.1%
38.7%
30%
その他経費比率
20%
21.8%
17.4%
18.0%
17.8%
17.5%
20.5%
16.2%
17.0%
11.9%
投資的経費比率
10%
0%
0億
2007
2008
2009
2010
2
2011
2012
2013
2014
2015
3.公共施設等(建築物)の現状と課題
①建築物の整備状況
・
【施設類型ごとの保有状況】
供給処理施
設, 0.8%
その他, 4.0%
上水道施設, 0.7%
保健・福祉施
設, 2.1%
社会教育系施設,
4.4%
公園, 0.6%
下水道施設, 0.6%
その他市有財産,
4.5%
483施設
行政系施設, 5.5%
学校教育系施設,
35.4%
約26万㎡
市民文化系施設,
6.9%
産業系施設, 7.3%
公営住宅, 16.2%
スポーツ・レク
リエーション系
施設, 10.6%
【施設類型ごとの築年別の整備状況】
学校教育系施設
子育て支援施設
公園
上水道施設
公営住宅
社会教育系施設
産業系施設
下水道施設
市民文化系施設
スポーツ・レクリエーション系施設
供給処理施設
その他行政財産
ピーク①:全体の31.4%
築30年以上 51.3%
25,000㎡
行政系施設
保健・福祉施設
その他
ピーク②:全体の 32.1%
築30年未満 48.7%
134,084㎡
1970年代まで:学校教育系施設を中心に整備
127,376㎡
合併
平成19年(2007年)
新耐震基準
1981年(昭和56年6月)
20,000㎡
知覧松山公営住宅
瀬世公営住宅
松ヶ浦公営住宅
15,000㎡
ちらん夢郷館
コミュニティセンター知覧文化会館
10,000㎡
粟ヶ窪小学校
頴娃小学校
知覧小学校
九玉小学校 等
市民交流センター
ひまわり館
知覧本庁舎
5,000㎡
0㎡
1959以前
1964
1969
1974
1979
1984
1989
施設整備のピーク①:1976~1986年度
1994
1999
2004
2009
2014
施設整備のピーク②:1990~1999年度
②建築物の将来更新費用の推計(40 年間)
・
【将来の更新費】
1,008 億円
(年平均 25.2 億円)
公共施設の将来更新費(一般会計の建築物)
建替え
大規模改修
年平均更新費
将来更新可能額
更新のピーク
年平均 10.2 億円の
45億
年平均更新額 25.2億
不足が予測されます
40億
35億
更新可能額 15.0億
30億
25億
20億
15億
10億
5億
0億
2017
2022
2027
2032
2037
※総務省 公共施設等更新費用試算ソフトに基づく推計
3
2042
2047
2052
4.公共施設等マネジメントの基本方針
①長寿命化の方針
・
【保有資産の現状把握と安心安全の確保】
・点検、診断による現状把握
公共施設については,法定点検等に加え,施設管理者による定期的な目視点検や劣化状況を確実に把握
していきます。インフラについては,国の指針に沿った適切な点検診断(橋梁点検、道路ストック総点検,下水
道事業ストックマネジメント等)を確実に実施していきます。
・耐震化、大規模改修による機能維持
今後も長期にわたって維持していく施設については,安全性の確保や機能維持の観点から,耐震化や大規模
改修を実施します。
・危険施設の除却
防犯・防災・事故防止等の観点から,老朽化等が進行しており,当初の設置目的がなくなった施設について
は,除却(解体等)を推進します。
【予防保全型維持管理による長寿命化】
・予防保全型維持管理の導入
予防保全型維持管理の取組を行うことで,建築物やインフラの耐用年数を延ばし,長寿命化を図ります。
・長寿命化によるライフサイクルコストの削減
長寿命化による更新期間の延長や更新時期の調整によって,ライフサイクルコストを削減,平準化し,将来更
新費の不足額の改善を目指します。
②総量適正化の方針
・
【総量縮減】
・新規整備の抑制
限られた財源の中で,公共施設等を新設することは困難であることから,基本的には他の施設との複合化や
集約化によって,可能な限り新規整備の抑制を図ります。
・公共施設等の統廃合
建築物については,利用状況や将来の人口動態から必要性を検討し,必要に応じて施設を統廃合し,総量
縮減を図ります。インフラについては、将来の需要を予測し,適切な規模による更新や事業規模の最適化の必
要性を検討します。
・複合化、集約化、転用による機能の確保
統廃合の実施と市民にとって必要な機能を両立させるため,廃止した施設で提供している機能は,必要に応
じて拠点施設等へ複合化,集約化を図ります。
③コスト削減の方針
・
【各種取組みの実施によるコスト削減】
・将来更新費の削減
来世代へ負担の先送りとならないよう、公共施設等の更新時期のピーク時までに,長寿命化や総量縮減によ
って将来更新費の削減を図ります。
・維持管理経費の削減
施設の維持管理費の削減に努めるとともに,民間等の活用による指定管理者制度の導入など民間委託,地
域への譲渡等,運営形態の見直しを図ります。
・省エネルギー化による経費削減
省エネ・再エネ,高断熱化設備等の導入などを進めることにより,光熱水費の負担軽減を図り,管理運営費の
低減化と環境への負荷低減を図ります。
・多様な主体との連携による財源確保、保有資産の収益化
PPP/PFI等による施設整備財源の確保を検討します。
4
5.数値目標
【今後 40 年間 年平均の不足額】
解消にむけて
平均 10.2 億円/年
(更新費平均 25.2 億円/年 - 過去 5 年間の投資額平均 15.0 億円/年)
方針①長寿命化
・
【長寿命化】施設寿命 70 年
健
全
度
補修
補修
大規模改修
35年
・築 30 年から築 35 年へ大規模改修時期を延長
建替え
・築 60 年から築 70 年へ建替え時期を延長
70年
経過期間
方針②総量削減
総延床面積30%縮減
・
高
大規模改修
建替え
継続
【総量縮減】面積 19%縮減
利
用
度
・建替え時に、複合化や集約化、統廃合等を実施すること
廃止
用途変更
で延床面積を 40%縮減
低
低
建物性能
高
方針③コスト削減
・
【コスト削減】経費 10.5%削減
総量縮減(約 19%)を達成することで,平成 68 年度(2056 年
度)までに 1.5 億円の保有に関する,維持管理経費の削減効果
【長寿命化】
【総量縮減】
【コスト削減】
5
コスト削減効果
平均 10.2 億円/年
6.全庁的な体制とフォローアップ
計画の推進
・
【計画の推進体制】
費用の削減、機能更新,
複合化等の実施
PLAN
(計画)
ACTION
(改善)
公共施設等総合管理計画の策定や,
これに基づく実行計画の立案・見
直し
DO
(実施)
CHECK
(検証)
施設カルテ等の活用
による定期的な検証
公共施設マネジメント
を庁内横断的に実施
本計画及び個別計画については,庁内の会議体などにおいて進捗管理を行っていきます。
・本計画及び個別計画の立案,見直し(Plan)
・マネジメントの実施(Do)
・庁内会議などでの検証(Check)
・事業の実施(Action)
PDCA サイクルの考え方に基づき,進捗状況や実施事項を適宜把握,公表していきます。
なお,本市の財政状況や制度変更等に合わせて適宜見直しを行い,上位計画である総
合計画や行政改革大綱への反映を行います。
6