問題_2 (PDF:2028KB)

3
人口,都市・村落,生活文化と民族・宗教に関して,問 1 ∼問 4 に答えよ。
問 1 ユキさんは,人口の高齢化と経済成長の関係について興味を持ち,資料 1 を得た。資料 1
中のA∼Dは,それぞれ日本,アメリカ合衆国,シンガポール,フィリピンのいずれかを示
している。資料 1 に関して,ユキさんと先生の会話文中の空欄
X
,
Y
に当ては
まる語の組合せとして最も適切なものを,あとの 1 ∼ 4 のうちから一つ選べ。
解答番号は
9
。
資料 1 主な国の 65 歳以上人口が全人口に占める比率と一人当たり国内総生産額の変化
(%)
25
歳以上人口が全人口に占める比率
65
20
D
15
C
2010 年
1990 年
10
B
5
A
0
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
60,000(ドル)
一人当たり国内総生産額
(『世界国勢図会 2015/16 年版』により作成)
― 57 ―
2016KN2A-04-058
ユキ:一人当たり国内総生産額は,その国の経済水準を知ることができる指標の一つな
ので,資料 1 中のB,C,Dの各国は,いずれも 1990 年から 2010 年の間にその
Ⓑ
数値が上昇したことが分かりますね。
先生:そうですね。でも,その 3 か国のうち
X
は,この間最も急激に高齢化が進
んだことで,高齢者福祉の分野に投資をする必要があったなどの理由で,国民は
実生活において経済水準の上昇をあまり実感できなかったといわれています。
ユキ:資料 1 中のAは今後,経済水準が上昇すると予想される
すが,
X
先生:そうですね。
Y
だと考えられま
と同様の高齢化は今後進行するのでしょうか。
Y
では,現在は出生率が高く人口増加が進行中ですが,やが
て出生率が下がると高齢化が進む可能性があります。
X
Y
1
B
フィリピン
2
B
アメリカ合衆国
3
D
フィリピン
4
D
アメリカ合衆国
― 58 ―
2016KN2A-04-059
問 2 ユキさんは,地域間の対立から国家の分離独立を巡る住民投票がいくつかの地域で行われ
ていることを知り,資料 2 と資料 3 を得た。資料 2 中のA∼Cと資料 3 中のア∼ウの組合せ
として最も適切なものを,あとの 1 ∼ 4 のうちから一つ選べ。解答番号は
10
。
資料 2 分離独立が検討されている地域を抱えた国家の位置
C
B
A
資料 3 分離独立が検討されている地域を抱えた国家の説明と,その国家における宗教別人
口の割合
ア
国家全体では,多数派である英語系住民に対し,少数派のフランス語系住民の一部
が,より強い自治権を求めて分離独立を目指している。1995 年に行われた住民投票
では,
差で独立は否決された。
その他
34 %
カトリック
43 %
プロテスタント
23 %
― 59 ―
2016KN2A-04-060
イ
18 世紀に隣国と合併し連合国家を形成してきたが,独立を訴える地域において 1999
年に独自の議会を設置したことを契機として世論が盛り上がり,2014 年に独立を問
う住民投票が行われた。しかし,独立反対票が半数を超え,独立は否決された。
その他
25 %
イスラム教
3%
ウ
プロテスタント
72 %
国内でも早くから工業が発達していたこの地域では,独自に公用語を定めるなど高
度な自治が認められていた。近年,分離独立を目指す声が強くなり,2014 年に独立
を問う住民投票が行われたが,中央政府は投票自体を憲法違反であるとしている。
その他
20 %
カトリック
77 %
イスラム教
3%
(『世界国勢図会 2015/16 年版』などにより作成)
A
B
C
1
ア
イ
ウ
2
ア
ウ
イ
3
イ
ア
ウ
4
ウ
イ
ア
― 60 ―
2016KN2A-04-061
Ⓑ
問 3 ユキさんは,世界各地の食文化に関して興味を持ち,資料 4 と資料 5 を得た。資料 4 中の
A∼Dは,それぞれインド,ロシア,ナイジェリア,大韓民国のいずれかを示している。ま
た,資料 5 は,資料 4 中のA∼Dのいずれかの国に関する写真とその説明である。資料 5 に
示された国名と資料 4 中のA∼Dのグラフの組合せとして最も適切なものを,あとの 1 ∼ 4
のうちから一つ選べ。解答番号は
11
。
資料 4 一人 1 日当たり食料供給量の比率(穀類を 100 としたときの熱量比)
A
B
穀類
200
魚介類
100
いも類
穀類
200
魚介類
野菜類
牛乳・乳製品
(バターを除く)
肉類
C
100
D
いも類
穀類
200
魚介類
100
いも類
0
0
牛乳・乳製品
(バターを除く)
野菜類
肉類
穀類
200
魚介類
いも類
0
0
牛乳・乳製品
(バターを除く)
100
野菜類
肉類
牛乳・乳製品
(バターを除く)
野菜類
肉類
注)統計年次は 2011∼2013 年
(『世界国勢図会 2015/16 年版』により作成)
― 61 ―
2016KN2A-04-062
資料 5
Ⓑ
(https://www.flickr.com/photos/iita-media-library/albums/72157623868696198 による)
熱帯に位置するこの国では,森林を焼き払い,その灰を肥料とする移動式農業の形態
である焼畑で,キャッサバなどが栽培される。この写真は,市場でキャッサバの売買が
行われている様子を撮影したものである。
国名
資料 4
1
ロシア
A
2
ロシア
B
3
ナイジェリア
C
4
ナイジェリア
D
― 62 ―
2016KN2A-04-063
問 4 ユキさんは,修学旅行で訪れた京都市の市街地において,様々な都市問題の解決に向けた
取組が行われていることを知り,班ごとに分担して調べた結果をまとめ,資料 6 を作成し
た。資料 6 中の 1 ∼ 4 のうち,下線部の内容が最も適切なものを一つ選べ。
解答番号は
12
。
資料 6
1
「パークアンドライド」の案内リーフレット
京都市では,市街地中心部の交通渋滞を緩和する取組を進めています。観光客に対して,
都心の駐車場に車を停め,徒歩で移動する「パークアンドライド」を推奨し,駐車場を整備し
ています。
2
車線を減らす工事の完了を告知する京都市公式ウェブサイトの画像
京都市では,市街地中心部で歩行者と公共交通の利便性を高めるため,車道の車線を減ら
し,歩道を広げる工事を実施しました。これによって,自家用車の市街地中心部への流入が
抑制され,交通量が減少することが期待されています。
― 63 ―
2016KN2A-04-064
3
Ⓑ
地下鉄駅出入口前に設置されている公設駐輪場
京都市では,市街地での自転車利用を推進することを通して,二酸化炭素の排出量を
増加させる取組を行っています。自転車を使用する人たちの利便性を高めるために,市
内各所に公設の自転車駐輪場を設置しています。
4
地域に住む児童の制作した七夕飾りをつるす商店街
京都市では,市街地内の商店街が少なからず衰退する中,地域の住民と連携して活性
化をはかる商店街もあります。周辺の保育施設や学校と協力して行事を実施し,子供た
ちの労働力を活用して,不足している労働力を補う取組がみられます。
(京都市ホームページなどにより作成)
― 64 ―
2016KN2A-04-065
4
現代世界の諸地域に関して,問 1 ∼問 4 に答えよ。
問 1 ユウナさんは,朝鮮半島の気候と生活の工夫に興味を持ち,資料 1 ∼資料 3 を得た。資料
3 は,資料 2 中のA∼Dの 4 都市について,それぞれ気温と降水量を表したグラフである。
資料 1 を参考にして,Dに当たるものを,資料 3 中の 1 ∼ 4 のうちから一つ選べ。
解答番号は
13
。
資料 1 朝鮮半島を代表する生活の工夫の例
白菜キムチ
チマ・チョゴリ
塩で下ごしらえした白菜に,ニンニク,
チマと呼ばれる長スカートと,チョゴリ
ショウガ,ダイコン,塩辛,唐辛子などで
と呼ばれる上着を組み合わせた民族衣装。
つくった薬味を挟んで漬け込んだ,寒さの
湿潤な気候にも対応するために,薄手の絹
厳しい冬に備えた保存食。
や木綿でつくられる。
(http://www.seoulnavi.com/beauty/287/ などにより作成)
資料 2
D
A
C
B
― 65 ―
2016KN2A-04-066
資料 3
1
2
(℃)
40
(℃)
40
30
30
7
気温
10
10
0
0
1
1
-10
-20
7
20
気温
20
0
-10
100
200
降水量
300
-20
400(mm)
0
3
30
100
200
降水量
300
400(mm)
300
400(mm)
4
(℃)
40
(℃)
40
7
30
7
1
気温
20
気温
20
10
10
0
0
1
-10
-20
Ⓑ
-10
0
100
200
降水量
注)グラフ中の は,各月の平
は,月を示している。
300
400(mm)
-20
0
100
200
降水量
気温と降水量の数値を示し,その推移を順番に結んでいる。
に付された 1 , 7 の数
(『理科年表』により作成)
― 66 ―
2016KN2A-04-067
問 2 ユウナさんは,大韓民国と近隣諸国の工業について興味を持ち,資料 4 と資料 5 を得た。
これらの資料中のA∼Cは,それぞれ大韓民国,中華人民共和国,日本のいずれかを示して
いる。A∼Cと国名の組合せとして最も適切なものを,あとの 1 ∼ 4 のうちから一つ選べ。
解答番号は
14
。
資料 4 世界に占める船舶(100 総トン以上の鋼船)生産の割合の変化
(%)
100
90
80
70
60
A
50
B
C
40
30
20
10
0
1990 年
2012 年
注)中華人民共和国には台湾,香港及びマカオを含まない。
(『世界国勢図会 2014/15』
により作成)
― 67 ―
2016KN2A-04-068
資料 5 世界に占める自動車生産の割合の変化
(%)
100
Ⓑ
90
80
70
60
A
50
B
C
40
30
20
10
0
1990 年
2012 年
注)中華人民共和国には台湾,香港及びマカオを含まない。
(『世界国勢図会 2014/15』
により作成)
A
B
C
1
大韓民国
日本
中華人民共和国
2
中華人民共和国
大韓民国
日本
3
中華人民共和国
日本
大韓民国
4
日本
大韓民国
中華人民共和国
― 68 ―
2016KN2A-04-069
問 3 ユウナさんたちの班では,大韓民国における生活文化をテーマに調査を行い,資料 6 ∼資
料 9 を得た。これらの資料を読み取ったメモとして不適切なものを,あとの 1 ∼ 4 のうちか
ら一つ選べ。解答番号は
15
。
資料 6 大韓民国における宗教別の人口割合(2010 年)について
ユウナさんのメモ
仏教
24.2 %
大韓民国において,仏教とキリスト教を
信仰する人の数を合計すると,人口の半数
その他
44.2 %
以上を占める。
プロテスタント
24.0 %
カトリック
7.6 %
資料 7 大韓民国と近隣諸国における高等教育へ就学する人の割合(2012 年)について
ヒトミさんのメモ
日本
大韓民国の高等教育機関への進学率は,
モンゴル
4 か国の中で最も高く,90 % を超えてい
中華人民共和国
る。
大韓民国
0
20
40
60
80
100(%)
注)・高等教育へ就学する人の割合とは,大学等の高等教育機関へ実際に就学している人の総数を,18∼22 歳の人
口数で割ったものである。
・中華人民共和国には台湾,香港及びマカオを含まない。
(『世界国勢図会 2014/15』により作成)
― 69 ―
2016KN2A-04-070
資料 8 大韓民国の伝統的住宅に使用されるオンドルの模式図について
ワタルさんのメモ
Ⓑ
床下の空間にかまどの煙を通して外に出
す仕組みを設けることによって,床下から
部屋を暖めるような構造となっている。
資料 9 大韓民国の首都であるソウル市街の様子について
カンタさんのメモ
大韓民国では,独自の表音文字であるハ
ングルが使用されているが,日常生活にお
いては,一般的に漢字による表記が用いら
れている。
(http://utsumimidori.cocolog-nifty.com/blog/cat7590686/ などにより作成)
1 ユウナさんのメモ
2 ヒトミさんのメモ
3 ワタルさんのメモ
4 カンタさんのメモ
― 70 ―
2016KN2A-04-071
問 4 ユウナさんは,ソウル市内の都市問題に興味を持ち,資料 10 と資料 11 を得た。これらの
資料に関して,ユウナさんと先生の会話文中の空欄
X
,
Y
に当てはまる語の組
合せとして最も適切なものを,あとの 1 ∼ 4 のうちから一つ選べ。解答番号は
16
。
資料10 ソウル市内の幹線道路の様子
資料11 チョンゲチョン(清渓川)の変遷
A
B
C
(http://everest.cocolog-nifty.com/gassan/2012/04/post-4930.html などにより作成)
― 71 ―
2016KN2A-04-072
ユウナ:資料 10 は,ソウル市内中心部の写真ということですが,ずいぶんひどい交通
渋滞ですね。
先 生:朝夕の通勤時間帯の様子なのかもしれませんね。しかし,この写真の中から交
通環境を改善する工夫を読み取ることができますよ。何か気付いたことはあり
ませんか。
ユウナ:車線いっぱいに車が並んでいますが,中央の車線だけは車が少ないようです。
先 生:いいところに気が付きましたね。実は,この写真は,中央寄りの車線が
X
専用の道路として利用されている様子を撮影したものです。これは交通渋滞の
改善を目的の一つとして作られた制度によるもので,さらに子供たちや高齢者
等を中心に市内中心部への移動負担を大幅に軽減してくれているようです。
ユウナ:資料 11 の 3 枚の写真は,いずれも同じ場所を撮影したもののようですが,こ
れもソウルの都市環境の整備と関係があるのでしょうか。
先 生:この写真は,ソウル市内中心部を流れるチョンゲチョン(清渓川)の変化の様子
を示したものです。写真の撮影時期は古い順に並んではいませんが,この景観
の変遷からは,ソウル市における都市環境整備に関する対応の変化について推
察することができます。
ユウナ:それはどういったことなのでしょうか。
先 生:この 3 枚の写真からは,経済成長にともない一旦は建設した施設を,工事によ
り撤去し,地域住民の生活空間を改善することを主な目的に整備した様子が見
て取れます。
ユウナ:ということは,資料 11 の写真を撮影された順に古いものから並べ替えると,
Y
の順になるわけですね。
先 生:そのようですね。
X
Y
1
自家用車
B⇒A⇒C
2
自家用車
C⇒A⇒B
3
バス
B⇒A⇒C
4
バス
C⇒A⇒B
― 72 ―
2016KN2A-04-073
Ⓑ
5
現代世界と日本に関して,問 1 ∼問 4 に答えよ。
問 1 アカリさんは,日本の過疎化や過密化に興味を持ち,資料 1 と資料 2 を作成した。資料 2
中のア∼ウは,それぞれ資料 1 の 3 つの年代の人の移動による人口増減の割合についてアカ
リさんたちが読み取った内容をまとめたものである。各年代とア∼ウの組合せとして最も適
切なものを,あとの 1 ∼ 4 のうちから一つ選べ。解答番号は
17
。
資料 1 都道府県別にみた年代別の人の移動による人口増減の割合
1960 年∼1965 年
1990 年∼1995 年
5 % 以上の増加
0 ∼ 5 % の増加
0 ∼ 5 % の減少
5 % 以上の減少
0
400 km
5 % 以上の増加
0 ∼ 5 % の増加
0 ∼ 5 % の減少
5 % 以上の減少
0
400 km
2005 年∼2010 年
5 % 以上の増加
0 ∼ 5 % の増加
0 ∼ 5 % の減少
5 % 以上の減少
0
400 km
注) 3 つの各年代の人口変化は,それぞれの期間内における人の移動による人口の増減をその割合として示したもので
ある。
(国勢調査により作成)
― 73 ―
2016KN2A-04-074
資料 2
ア
0 ∼ 5 % の人口減少が生じている道府県が多い中で,首都圏や愛知県,大阪府では
人口増加がみられるほか,福岡県や石川県などの地方の拠点都市を持つ県などでも人口
の増加がみられる。
イ
太平洋ベルトでは人口の増加がみられ,特に,東京都以外の首都圏や愛知県,大阪府
において 5 % 以上人口が増加している。その一方で,九州や四国,中国,東北の一部
では, 5 % 以上の人口減少がみられる。
ウ
太平洋側を中心として 0 ∼ 5 % の人口増加となる県が多い。しかし,東京都では,
地価の高騰などを受けて人口が減少している。
注)首都圏は,東京都,埼玉県,千葉県,神奈川県の一都三県とする。
1960 年∼1965 年
1990 年∼1995 年
2005 年∼2010 年
1
ア
イ
ウ
2
ア
ウ
イ
3
イ
ア
ウ
4
イ
ウ
ア
― 74 ―
2016KN2A-04-075
Ⓑ
問 2 アカリさんは,全国的に空き家が増加していることを知り,資料 3 ∼資料 5 を得た。これ
らの資料から読み取った文として最も適切なものを,あとの 1 ∼ 4 のうちから一つ選べ。
解答番号は
18
。
資料 3 全国の住宅総数と住宅総数に占める空き家率の推移
(%)
16
(万戸)
8,000
住宅総数
7,000
14
住宅総数に占める空き家率
6,000
12
5,000
10
4,000
8
3,000
6
2,000
4
1,000
2
0
0
1973 1978 1983 1988 1993 1998 2003 2008 2013(年)
資料 4 都道府県別にみた空き家率(2013 年)
17 % 以上
13 % 以上∼17 % 未満
13 % 未満
0
400 km
注)空き家とは,住宅のうち普段は人が住んでいない住宅のことを指す。
(平成 25 年 住宅・土地統計調査により作成)
― 75 ―
2016KN2A-04-076
資料 5 島根県,長野県,東京都の空き家の総数(千戸)とその種類別の割合(2013 年)
島根県(45)
Ⓑ
長野県(194)
東京都(817)
0
20
40
賃貸または売却用の住宅
60
二次的住宅
80
100
(%)
その他
注)・「二次的住宅」とは別荘など普段は利用されていないが,時期により利用される住宅を指す。
・「その他」とは,二次的住宅,賃貸や売却用住宅以外に人が住んでいない住宅で,長期間空き家になってお
り,判断が困難な住宅などである。
(平成 25 年 住宅・土地統計調査により作成)
1 資料 3 から,住宅総数に占める空き家率は一貫して上昇しており,2013 年の全国の空
き家の数は 5,000 万戸を超えている。
2 資料 4 から,東京都や大阪府,愛知県では,そのいずれも空き家率は 13 % 未満となっ
ているが,東北地方や九州地方には空き家率 13 % 未満の県はみられない。
3 資料 5 から,島根県では東京都や長野県と比較すると,空き家の総数は少なく,「賃貸
または売却用の住宅」と「二次的住宅」に分類される住宅の割合の合計も小さい。
4 資料 4 と資料 5 より,長野県の空き家率は 17 % 以上であり,種類別の割合では「賃貸
または売却用の住宅」が東京都や島根県と比べて高い。
― 76 ―
2016KN2A-04-077
問 3 アカリさんは,島根県での地域づくりに興味を持ち,資料 6 ∼資料 8 を作成した。これら
の資料に関して,アカリさんと先生との会話文中の空欄
X
,
Y
に当てはまる語
句の組合せとして最も適切なものを,あとの 1 ∼ 4 のうちから一つ選べ。
解答番号は
19
。
資料 6 島根県の都市部以外の地域において 4 歳以下の子供が増加した地域
(2009 年∼2014 年)
増加
減少または変化なし
都市部
資料 7 アカリさんが調べた島根県における地域づくりを実施している市町村の位置とその
取組の概要
海士町
県立高校において他地域からの留学制度を実施
「商品開発研修生」として外部人材の受け入れ
美郷町
イノシシ肉のブランド化
空き家整備と定住者向けの住宅供給
邑南町
地域おこし協力隊による農業と町営レストラン支援
定住者支援コーディネーターの設置
津和野町
津和野町左鐙地区
自然体験型保育園の運営
クラウドファンディングによる空き家整備
注)クラウドファンディングとは,目的達成のため,インターネットを通じて資金調達などを行うシステムである。
(『田園回帰』により作成)
― 77 ―
2016KN2A-04-078
資料 8 島根県における市町村別にみた老年人口の割合
Ⓑ
38 % 以上
30 % 以上 38 % 未満
30 % 未満
(平成 22 年度 国勢調査により作成)
先 生:資料 6 の都市部以外の地域では,交通の便がよくない地域も多く,過疎化や高
齢化が進行する地域も多いようです。資料 6 を見て何か気付くことはあります
か。
アカリ:都市部以外の地域でも子供の数が増加している地域があります。
先 生:そのようですね。次に,資料 7 を見て,気付くことはありますか。
アカリ:調べてみて,
X
が多いと感じました。
先 生:そうですね。では,資料 7 と資料 8 を比較してみましょう。
アカリ:資料 7 の地域づくりを実施している市町村は,資料 8 では老年人口の割合が
Y
市町村となっています。
先 生:そのとおりです。資料 6 とも関連しますが,各市町村や各地区で実践されてい
る様々な地域づくりが,地域の課題を解決したり,状況を改善したりするかも
しれません。
アカリ:他地域での実情や地域づくりも調べてみたくなりました。
X
Y
1
高齢者向けのサービス
高い
2
高齢者向けのサービス
低い
3
移住者受け入れの取組
高い
4
移住者受け入れの取組
低い
― 78 ―
2016KN2A-04-079
問 4 アカリさんは,島根県の産業について調べ,資料 9 を作成した。資料 9 中の 1 ∼ 4 のう
ち,下線部の内容が不適切なものを一つ選べ。解答番号は
20
。
資料 9
1
島根県松江市の主要観光地の観光客数の変化をみると,2015 年に国宝に指定された松江
城を含めた四か所すべての観光地で一貫して観光客数が増加している。
2005 年を 100 とした観光客数の変化
200
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
松江城
堀川めぐり
県立美術館
小泉八雲記念館
2013 (年)
(平成 25 年 松江市観光白書より作成)
2
島根県浜田市にある石州半紙は,ユネスコの無形文化遺産や国の指定する伝統工芸品,重
要無形文化財となっており,文化的価値が認められている。
写真(左)の一部を拡大したもの
(石州和紙ホームページなどにより作成)
― 79 ―
2016KN2A-04-080
3
島根県の宍道湖における 2014 年のしじみ漁獲量は日本一である。宍道湖のしじみは,漁
Ⓑ
獲量は減少傾向であるが,全国に占める割合は一貫して 25 % 以上である。
(トン)
9,000
宍道湖におけるしじみの漁獲量と全国に占める割合
(%)
50
8,000
45
7,000
40
35
6,000
30
5,000
25
4,000
20
3,000
15
2,000
10
1,000
5
0
1995
2000
2005
0
2014(年)
2010
全国に占める割合
漁獲量
(平成 26 年 海面漁業生産統計調査などにより作成)
4
島根県の石見地方が産地である石州瓦は,色合いが美しいことで評価を受けており,石州
瓦が利用された観光地の景観に対する評価では, 1 位に屋根瓦の色を評価する人が全体の
40 % 以上である。
石州瓦が利用された岡山県高梁市の観光地(左)とその景観に対する評価(右)
(%)
50
1位
40
2位
3位
30
20
10
周囲の山々の色
石垣の色
板壁の色
土壁の色
格子の色
屋根瓦の色
0
(『高梁市吹屋重要伝統的建造物保存地区の実態』などにより作成)
― 80 ―
2016KN2A-04-081