ツムラの 生薬トレーサビリティについて

ツムラの
生薬トレーサビリティについて
2016年12月16日
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はじめに
➣ 漢方製剤をはじめとする当社製品は、
厳格な品質管理体制により
常に安全性が確保されています。
生産地から調達した生薬はもちろんのこと、
製造過程においても残留農薬や重金属などの検査を
徹底しています。
原料生薬から最終製品に至るまで徹底した
安全管理の取り組みにより、
最終製品の安全性を確保しています。
➣ トレーサビリティとは、問題が発生した時に
全履歴情報の追跡・遡及ができる仕組みです。
➣ ツムラでは、最終製品の安全性保証に加え、
生薬の安全性をより強固なものにするために、
生薬トレーサビリティの強化に取り組んでいます。
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原料生薬の栽培から製造までの主要な流れ
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品質管理とトレーサビリティ
選別・加工指導
:品質試験(残留農薬試験など)
製剤
医
療
機
関
・
薬
局
製品
静
岡
・
茨
城
工
場
問題が発生したときに遡及
生薬
石
岡
セ
ン
タ
ー
・
深
圳
津
村
生薬
生
薬
調
達
関
連
会
社
深
圳
津
村
な
ど
(
品
質
管
理
生薬
生薬
栽培指導
生
薬
生
産
地
(
産
地
会
社
)
生
産
者
生薬
)
ト
レ
ー
サ
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ィ
医
療
機
関
・
薬
局
静
岡
・
茨
城
工
場
石
岡
セ
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タ
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・
深
圳
津
村
生
薬
調
達
関
連
会
社
生
薬
生
産
地
(
産
地
会
社
)
生
産
者
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残留農薬検査
次の条件の農薬を対象としてツムラ自社基準を設定し、約200農薬※に対して
残留農薬検査を実施しています。
・日本薬局方で残留基準値が定められている農薬(2農薬)
・ツムラが購入する生薬の栽培に使用されるすべての農薬
・ツムラが独自にリスク評価し管理が必要だと判断した農薬
生薬
漢方製剤
:全品目全ロット検査
:全品目モニタリング
(生産ロット数に応じて検査ロット数を決め検査を実施)
【製剤全ロット検査の結果、製剤の安全性に問題ないことを確認し製剤はモニタリングにより安全性を保証できると判断】
生
ツ
ム
ラ
自
社
基
準
薬
全品目
全ロット
漢方製剤
全品目
モニタリング
※検査対象の農薬数については、上述3条件に基づき随時更新されます。
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製品から、生薬までのトレーサビリティ
当社が受け入れた原料生薬は、栽培から最終製品の製造に至る各プロセスが記録されています。
下図の各プロセスで問題が生じた場合、生薬ロット情報を元に、生薬産地まで遡る事が出来ます。
製造品質情報
生薬品質情報
生薬生産情報
エキス品質情報
製造履歴
理化学試験
残留農薬
微生物
重金属 等
生産者情報
栽培履歴
農薬使用履歴
加工調製履歴
出荷履歴
生薬ロット情報
(受入出荷履歴)
【P12資料参照】
生薬産地
茨城工場
石岡センター
静岡工場
深圳津村
医療機関・薬局
製品
出
荷
試
験
受
入
試
験
生薬
出
荷
試
験
受
入
試
験
生薬
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Q&A Ⅰ
① ツムラの生薬トレーサビリティとは何でしょうか
・原料生薬生産地から生薬加工場に納入される各段階で栽培・加工・流通・保管などの
記録を収集保管し、情報の追跡と遡及を可能とする仕組みのことです。
・中国の産地会社※1によって特定された代表者※2が、傘下生薬生産農家の栽培などの情報を
収集できる体制が整っているため、生薬生産農家まで遡及し、情報を確認できます。
・野生品は代表者が指定地域の生薬採集者から購入します。
※1 産地会社:
中国の生薬調達体制の中で当社の
生薬
3 社)へ
原料生薬を供給する会社のこと。
主に生産地に所在し、生薬の栽培管理や
生薬生産農家からの購入、加工調製を行う。
※2 代表者:
生薬生産農家のまとめ役。
生薬生産農家の管理・情報収集・教育
および出荷貨物の取りまとめ等を担う。
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Q&A
Ⅱ
② ツムラ生薬GACPとは何でしょうか
・ツムラ生薬GACP(生薬GACP)とは、
安全で安心できる原料生薬の安定確保を目的に
「GACPガイドライン」「生薬トレーサビリティ」
「生薬生産標準書」「教育・監査・認証」を柱とした、
ツムラ独自の生薬生産の管理に関する基準です。
・生薬GACPにおけるPDCAサイクルを適正に機能させ、
生薬生産管理体制を改善・強化する事により、
安全な生薬の安定確保につなげていきます。
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Q&A
Ⅲ
③ 中国の産地会社への管理はどうなっていますか?
・当社では、全ての産地会社に対し、
生薬GACPに基づく監査を実施しております。
監査の目的は、産地会社がツムラの求める加工環境、
栽培管理能力などを有しているかどうかを
監督、検査することです。
この監査に合格し、
生薬GACP認証を受けた産地会社からのみ
原料生薬を購入しております。
・生薬GACP認証の有効期限は3年間です。
3年毎に監査を実施し、認証を更新しております。
監査不合格の場合には認証が更新されず、
不合格の産地会社からは原料生薬を購入しません。
また、監査の際には、
代表者の名簿から生薬生産農家を選定し、
指導通りの栽培を実施しているかどうかを確認しています。
ツムラ生薬GACP認証
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Q&A
Ⅳ
④ 中国の生薬生産農家への管理はどのように実施していますか?
・産地会社が代表者を通して、生薬生産標準書に基づく栽培・加工が適正に行われるために、
生薬GACPの手順に則って生薬生産農家に教育指導を実施しています。
・生薬生産農家の栽培情報は、代表者が情報収集して記録し、最終的にツムラが入手しています。
⑤ ツムラはどのように農薬を管理していますか?
・生薬ごとに使用可能な農薬および使用方法を規定した「生薬生産標準書」をつくり、
これを順守するように指導しています。
・ツムラへの生薬出荷の際、使用した農薬が記録された生薬生産履歴管理シートの提出を
義務付けています。
⑥ ツムラでは生薬生産農家は特定できているのですか?
・中国において、どの生薬生産農家から生薬を購入したかについては産地会社を通じて
すべて特定しています。
・生薬生産農家の特定の方法は、生薬の栽培開始時から事前特定する場合と、生薬購入時に
特定する場合があります。
・当社は生薬生産農家への指導を徹底するため、今後すべての生薬生産農家を栽培開始時に
事前に特定することを目指しております。
・なお、日本およびラオスにおいては、すでに生薬生産農家を栽培開始時に特定しています。
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Q&A
Ⅴ
⑦ 製品から、原料生薬がどの生薬生産農家によって作られたのか
分かりますか?
・製品のロット番号から、原料生薬のロット番号が分かります。
・原料生薬1ロットは、同一地域の特定された複数の生薬生産農家が栽培した生薬から
構成されています。
従って、ロット番号からは同一地域の複数の生薬生産農家が特定できます。
・同一地域の生薬生産農家に対しては、生薬生産標準書等によって一律に教育を実施して
おります。
⑧ 野生生薬はどのような管理がなされていますか?
・ツムラ取扱生薬119品目の内、21品目の購入を100%野生品に依存しております。
・中国から購入する野生生薬は、収穫地と収穫の代表者を特定しております。
・栽培品と同様にすべての原料生薬に対し残留農薬試験等を実施しており、
品質および安全性を保証しております。
以上
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参考資料:生産履歴情報について
【栽培履歴管理シート】
【農薬・肥料履歴管理シート】
【加工履歴管理シート】
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