やさしいナースになるための 【スマイル通心】 平成 28 年 12 月 第 78 号 テーマ:誤った情報伝達 今年も残りわずかとなりました。皆さん、体調など崩していませんか? 今回のテーマは、誤った情報伝達についてです。自分の意志と違う意味で相手に伝わったり、思い込みなど 人と人との関わりの中で、情報伝達が上手くいかない事も多くあると思います。誤った情報伝達は医療ミスに もつながる恐れがある為、皆さんで気をつけて、新しい年に向けて安全な医療現場を目指して行きましょう! ≪起こりやすい事例≫ ① Dr.が「ラシックス 1 ミリ」と口頭で指示を行った。 この場合 Dr.はラシックス1㎎と指示したつもりが、受け手には1ml と勘違いをして受け取られてしまい投 薬量ミスが発生。 ↓ ※曖昧な表現であり、最後まで伝達が出来ていない! ↓ ☆全部言わなくても「分かるだろう」ではなく、正確に伝え、受け取り側も復唱を必ず行い、確認する。 ② Dr.から術後 3 日間抗生剤投与指示があり。Dr.は術日も入れて 3 日間のつもりで指示を出した。 受け手は手術日を入れず術後 1 日目から 3 日間と判断。その為、計 4 日間抗生剤が投与された。 ↓ ※不明確な表現であり、伝達情報の誤った解釈が起こっている! 受けては思い込みで判断している! ↓ ☆個人の解釈で受け取られやすい表現は避ける。曖昧な表現は避け、日付(○日まで投与)等 具体的な内容で伝える。受け手は、自分が捉えた考えを確認する。 ≪間違えやすい薬剤≫ 類似した薬剤名が多くあります! 作用は異なる為、口頭指示では特に注意しましょう! アルマール錠 アマリール錠 アレロック錠 アレリックス錠 セフメタゾン セフマゾン タキソール タキソテール ファンガード ファンキゾン サクシゾン サクシン セフゾン セパゾン ≪乱字により間違えやすい文字≫ カルテやチャート、カーデックス等は指示や伝達事項は手書きで残す事が多い。 誰が見ても分かりやすい文字を心がけ、伝達ミスを防ぎましょう! 数字の1 数字の7・大文字の I・小文字のl 小文字のb 数字の6・数字の8 大文字の D 数字の0・大文字の O 大文字の Y 大文字の U・大文字の V 数字の13 大文字の B 誤った情報伝達を防ぐ為には・・・ 曖昧な表現は避け、最後まで正確に伝え、具体的にどうしてほしいかまで伝える事が大切☆ 必ず相手の言葉に対する復唱をし、確認する事が大切☆ はまゆう会看護部接遇推進委員会 担当:田中 スマイル通心 H28年12月号 今回のテーマは、「誤った情報伝達」でしたが、みなさんいかがだったでしょうか? 看護師のミスは、「次回から気をつけます」では済まされず、命にかかわる問題になります。 そのため、常日頃からミスを起こさないように“思い込み”をせず “確認”を確実に行わないとなりません。しか し、当院のインシデントレポートを見ても「思い込み・確認ミス」が 80%以上を占めているのが現状です。 《ミスを防ぐためには》 ① 投薬、医療に関する知識を高める 誰でも書き間違えたり、言い間違いはあります。この時に高い医療知識があれば、「この指示で良いの かな?」と投与する前に気づけます。 ② 遠慮せずにきちんと再確認する。 間違いでは?と思っても医師や先輩に再度聞くのは気が引ける気持ちは十分に解ります。しかし、聞き 直すのは、気まずいし、遠慮してしまい「この指示で多分間違いないだろう」と実行し、患者が命をお とすことになる可能性もあります。 ③ 勤務部署や勤務先を変える 自分自身で十分に注意をしてもミスを犯してしまう人はいます。自分で解っているのであれば、命にか かわるミスが少ない部署や勤務先に転向したほうが良い。それは自分自身だけでなく、患者さんのため でもあります。 誰でも間違いはあります。そのために複数の方が関わる医療の場面では、ダブルチェック、トリ プルチェックにより、ミスを未然に防ぐことが出来る可能性が十分にあります。 それなのに、②のように遠慮して再確認することが出来ないことがないように日ごろから医師や 職員と良好なコミュニケーションを図り、ミスのない安全な医療を提供できる環境を作りましょ う。 看護部長 渡辺 千代子
© Copyright 2024 ExpyDoc