奥能登通信 No.9 平成 28 年 12 月 13 日 奥能登教育事務所 指導課 宮下 理科における「活用」の問題とは何でしょうか? 平成 24、27 年度に国語、算数・数学とともに実施されました全国学力・学習状況調査の理科で すが、次回は平成 30 年度に悉皆調査で実施されることがすでに決まっています。これまでの問題 の内容は大きく2つに区別されています。1つは、主として「知識」に関する 問題(以下知識の問題) 、もう1つは、主として「活用」に関する問題(以下活 用の問題)となっています。言うまでもなく知識の問題は、基礎的・基本的な 知識・技能を、また、活用の問題は、知識・技能を活用して課題を解決するた めの思考力・判断力・表現力等を問うこととなっています。今回は特に活用の 問題について考えてみたいと思います。 【問題作成の枠組みと主な視点】 平成 27 年度においては全問題数に対する活用の問題の割合は、小学校理科 62.5%、中学校理 科 75.0%となっています。さて、活用の問題とはどのような問題なのでしょうか。解説資料には、 「活用」の4つの主な視点の説明があり、これらの視点で問題の作成がなされています。 適用:日常生活や社会の特定の場面において、基礎的・基本的な 正答率の平均(小学校) 知識・技能を活用する。 分析(分析・解釈) :観察・実験の結果などを分析して解釈する。 構想:問題を見いだして課題を設定し、予想や仮説を立てたり観 察・実験の条件を考えたりする。 検討(検討・改善) :自らの考えや他者の考えに対して、多面 60.0 40.0 20.0 0.0 53.0 61.2 66.0 63.7 適用 分析 構想 改善 的、総合的に思考して、検討して改善する。 活用の問題の正答率は、右のグラフのようになってお り、活用の問題には、依然として課題が見られる状況に あります。 【今後に向けて】 全国学力調査と同様に県基礎学力調査においても、4 つの視点で問題作成が行われます。基礎的・基本的な知 正答率の平均(中学校) 60.0 40.0 20.0 0.0 57.2 48.8 適用 分析・解釈 48.6 構想 43.0 検討・改善 識・技能と活用力のバランスのとれた力の育成を目指し、 ぜひこれらの視点での問題づくり、授業の構築やその改善に生かすことをおすすめします。 学力向上関係の研究発表会について 県指定の学力向上事業(3年間の継続研究)である「学びの組織的実践 推進事業」及び「能動的学習推進事業」の研究発表会が 10~11 月にかけ て実施され、管内小学校2校、中学校4校の計6校に研究の成果を発信し ていただきました。 各拠点校・推進校の主な取組を掲載しましたのでご覧ください。来年は いよいよ最終年度となります。取組の充実に向けて、一層の研究を前進さ せていただきますようお願いいたします。 【学びの組織的実践推進事業】 発表会 学校名 10/19 10/26 11/22 11/29 穴水 中学校 直 小学校 松波 中学校 門前 中学校 主な取組の内容 ◇共有・分業・検証の機能化 ◇連携事業の充実 ・RPDCAサイクルを回すための役割分担を明確化 ・各チームの繋がりを整理した系統化 ・拠点校と連携校、町教委に連携強化 ・学びの連携部会における行動連携の推進 ◇拠点校・連携校の連携 ・連絡協議会での取組の共有化 ◇指導体制の確立 ・直っ子カードによる取組の焦点化と検証の充実 ・拠点校,連携校の共通実践の具体化 ・2部会によるRPDCAサイクルの明確化 ◇持続的な組織づくりの取組 ・ロードマップ・プランの各セクションの機能化 ◇拠点校と連携校との取組 ・連携校との授業整理会の積み重ね ・授業改善の取組と検証方法の具体化 ・共通の取組の拠点校と連携校の取組を推進 ◇連携校との授業研究の取組 ・連携校との定期的な授業研究会の開催 ◇検証を重視した取組 ・短期的な目標達成に向けた共通実践 ・研究主任連絡会による授業改善の取組の共有 ・4つの項目による検証と授業改善の推進 【能動的学習推進事業】 発表会 学校名 10/5 飯田 小学校 10/18 東陽 中学校 主な取組の内容 ◇課題発見力と活用力の育成 ・多面的・多角的な見方を広げる場「単元ま るごと活用」による活用の場の充実 ◇ALの視点を生かした授業改善 ・他者との話合いの中で磨き上げるブラッシ ュアップによる主体的・対話的学びの推進 ◇思考ツールの活用と学び合い ・三角ロジック、思考ツール、つながる言葉に よる学び合いのスタイルを確立 ◇能動的教育活動の充実 ・地域行事、学校行事等の能動的教育活動の展 開による人間関係の構築と自己肯定感の高揚 科学の甲子園Jr全国大会に参加 ~穴水中チームの活躍~ 去る 12 月3日(土)・4日(日)、Bumb東京スポーツ文化館(江東区 夢の島)で科学の甲子園Jr全国大会が開催されました。当日は、全国 の精鋭たちに混ざって、代表の穴水中も実技・筆記競技の難問に全力 で挑戦していました。2日間、本当にお疲れ様でした。 今後に向けて、「わかる授業」を目指して授業改善を進めるとともに、 理科好きの生徒を増やすため、日頃より、科学に興味・関心を持つこと ができるよう理科室等の環境整備をお願いします。 次年度も、奥能登から全国大会の切符を手にするチームがでてきてほしいものです。 参加生徒の感想 科学の甲子園ジュニア全国大会に出場して、とても良 い経験ができたと思います。 賞をとることはできませんでしたが、筆記競技も実技競 技の実験も普段ではできないことを経験することができま した、とても難しくて、大変だったけど、それと同じくらい 楽しかったです。 次は、高校生になって、科学の甲子園に出られるよう にがんばりたいと思います。 (穴水中学校 生徒代表)
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