(別紙2) 全寮制教育環境等構築支援業務仕様書 1 業務の目的 「学びの変革」を先導的に実践する学校(以下, 「GL校」という。)は,これまでに前例のない 「新しい教育モデル」を実践する多国籍・全寮制の中高一貫教育校であり,GL 校が掲げるコンピテ ンシーの育成に向けては,正課の授業だけでなく,平日の放課後~夜及び土日における寮や地域で の正課外の活動(学習・生活)が大変重要になってくる。そのため,現在開発中の正課のカリキュ ラムと連動した全寮制教育(正課外活動)環境及び地域と連携した持続可能な教育寮の運営スキー ムの構築等が喫緊の課題であることから,これらの課題検討に係る専門的な知見や実績に基づく支 援を目的とする。 2 業務内容 GL校の全寮制教育(正課外活動)環境及び地域連携による持続可能な教育寮の運営スキームの 構築等を見据えて,次のとおり提案等を行うこと (1)定例会議の運営に関すること ≪定例会議≫ ○学びの変革推進課との定例会議(隔週)を主催し,次の(2)~(5)に掲げる課題等の解決策 を検討するための議論のファシリテーション及びその議論のベースとなるコンテンツの作成に 係る支援を行うこと。 【ファシリテーション支援】 国内外の先進事例・関連事例の提供や他の学校における教育寮の導入・運営支援により得られ た知見に基づく問いかけ等により,参加者の活発な議論及び適切な意思決定を促進すること。 【コンテンツ作成支援】 定例会議での議論や意思決定の内容を踏まえ,かつ,教育寮の細部の具体化と全体感の担保の 両立を図りながら,定例会議参加者の検討のベースとなる素案資料を作成し,定例会議の前日 までに提示・共有すること。 ≪事前会議≫ ○第1回定例会議の開催前に,GL校の正課のカリキュラム開発状況や全寮制教育の検討状況など, 当該業務に係る基本情報を把握するための場を設定すること。 ≪アウトプット≫ ・正課カリキュラムと連動した全寮制教育(正課外活動)の仕組み ・生徒の自律的・主体的な活動を促す寮運営の仕組み ・運営体制・人員配置の整理 ・地域連携支援組織の設置・運営方針 ・寮関係職員の研修内容開発 ・寮や管理棟等の詳細な施設仕様・備品等選定 ・各種運営マニュアル,生徒募集戦略の策定 など (2)全寮制教育(正課外活動)環境構築に係る支援に関すること ≪正課外の学習環境≫ ○GL校で実践する正課の学習カリキュラム(教科横断型の探究学習,プロジェクト学習,国際バ カロレア・ディプロマプログラム(以下, 「IBDP」という。) )と連動した全寮制教育における 正課外の学習環境の構築に係る支援を行うこと。 ≪CAS・地域連携≫ ○高校2・3学年で実施するIBDPのCAS(※150 時間程度実施)は放課後や休日の学習活動 として実施するため,それに向けて中学校段階からCASを見据えた学習活動を段階的に実施す る必要がある。よって,当該学習活動の検討においては,正課の学習カリキュラムとの連動はも とより,発達段階に応じて,地域資源を十分に活用した持続可能なスキームとなるよう留意する こと。 ≪外部連携≫ ○留学生や県外生等を始めとして,GL校の生徒は年間の大半を寮や大崎上島町の中で過ごすこと から,国内・県内の社会人メンターや大学生メンター等を招いたワークショップや寮(ハウス) 対抗イベントの開催など,地域社会との関わり合いの中で,志やキャリア意識,社会的責任や倫 理観の涵養等につながるような仕組みを構築すること。 (3)自律的・主体的な活動を促す寮運営の仕組みの構築に係る支援に関すること ≪生徒自治≫ ○GL 校の寮においては,生徒の自治活動を通して,より善い集団生活を創り上げていくとともに, 生徒のコミュニケーション力,協働力,レジリエンス等のコンピテンシーを系統的に高めていく 必要があることから,生徒の自律的・主体的な活動を促す教育環境の在り方や仕組みづくりの構 築に係る支援を行うこと。 ≪異年齢・多国籍≫ ○GL校では,中1~高3までの年齢の異なる生徒や,多数の留学生・帰国生が同じ寮ユニットの 中で共同生活を送ることから,学習・生活面や精神面でのきめ細かなサポートが必要となること が予想される。よって,異年齢によるシェアハウス型の自治寮や留学生を多く受け入れている寮 などの先進事例を踏まえて,人員配置・支援体制等に係る適切な助言を行うこと。 ○当該助言に当たっては,GL校の教育内容の特色である「多様性」を最大限高め,これからの国 際社会や地域社会を生き抜く上で不可欠となる「多様な価値観のぶつかり合いを乗り越える力」 の育成につながるよう十分に留意すること。 (4)地域と連携した持続可能な寮の運営スキームの構築に係る支援に関すること ≪支援組織・運営方針≫ ○GL校の寮や食堂・厨房を持続的に管理運営するため,大崎上島町と連携した学校支援組織の設 置及び運営方針の検討等に係る支援を行うこと。 ≪管理運営≫ ○360 人規模の教育寮の管理・警備・清掃・衛生・食堂等の業務に係る適切な体制図・人員配置・ 運営マニュアル等に係る助言を行うこと。 ○当該助言に当たっては,教職員や生徒への役割付与及び外部委託等も視野に入れながら,コスト バランスを考慮した持続可能なスキームとなるように留意すること。 ○食堂厨房職員は,原則,地元雇用を視野に入れ,採用・育成に係る業務も含めた持続可能なスキ ームとなるよう留意すること。 (5)施設設計及び生徒募集に係る支援に関すること ≪施設設計・備品選定≫ ○(2)~(4)の検討結果を適切に施設設計や備品等選定に反映させるための支援を行うこと。 その際,先進的(異年齢・多国籍)な教育寮の施設について,実際の使用実績に基づく利便性や 課題等の情報を提供するようよう留意すること。 ≪生徒募集≫ ○先進事例の実態を踏まえて,保護者ニーズ(安心安全等)を踏まえた寮運営に係る仕掛けや生徒 募集戦略(広報PR・オープンスクール等)に係る支援を行うこと。 3 実施体制 上記2の業務を実施するため,以下の要件を満たす人材による業務実施体制を整えること。 ○直営の教育寮の運営に従事した実績がある者 ○公立の中学校又は高等学校において,教育寮のプロデュース(設立・導入支援)及び運営 に従事した実績がある者 ○広島県内の教育機関への支援業務に従事するなど,県内の教育機関との連携実績がある者 4 業務実施スケジュール 上記2の業務を実施するための作業スケジュールを作成すること。 5 業務実施に当たっての留意点 本業務は,GL校の特色である正課のカリキュラムと連動した全寮制教育や地域と連携した 教育活動の実現を目的としていることから,業務実施に当たっては,本件調達に係る業務と同 様の業務実績に基づく知見やノウハウ等を十分に活用し,実践的かつ持続可能なスキームとな るよう留意すること。 6 業務委託期間 契約締結日から平成 29 年3月 31 日まで 7 契約上限額 4,900 千円(消費税及び地方消費税相当額を含む。) 8 契約 (1) 契約方法 随意契約による。(地方自治法施行令第 167 条の2第1項第2号に準ずる。) (2) その他 ア 成果物の著作権は,本県に帰属するものとする。 イ 特別の事情が生じた場合は,双方協議の上,委託条件等を変更できるものとする。
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