平成28年度小田原足柄納税貯蓄組合連合会 中学生の税の作文 納連

平成28年度小田原足柄納税貯蓄組合連合会
中学生の税の作文 納連優秀賞
「税のない世界」
南足柄市立足柄台中学校 平田 理名
蛇口をひねれば当たり前のように出てくる水。その上下水道の整備には税金が使われてい
る。まちの至る所にある道路や信号、ガードレール。これにも税金が使われている。私が毎
日通っている中学校、授業中に使っている教科書。日々の安全を守る警察や消防など、私た
ちの身の回りは税金でできている。私たちの生活は税金によって支えられているといっても
過言ではない。
では仮に私たちの生活を支えている税金制度が廃止されてしまったら、私たちはいったい
どうなってしまうのだろうか。
まず、国や自治体が行う公共事業が全て有料化され、料金を払えない子どもは学校に通う
ことができない。一人の子どもが小中高の十二年間学校に通う為に使われる税金は、約11
06.1万円だという。この学費を家庭で全て負担するとなるとかなり厳しいのではないか。
私は三人兄妹の五人家族だ。全て負担して子ども三人を学校に通わせられるかと質問したと
ころ、一人通わせるのが精一杯とのことだった。そう考えると、学校に通えるのは一部の子
どもだけであり、世の中が学校に行けない子どもで溢れてしまうだろう。
次に壊れた道路などが整備されずゴミ収集もされず、まちの治安や衛生が悪化する。犯罪
に巻き込まれても高い料金を払わなければ警察は動いてくれず、火事が起きてもお金がなけ
れば消防は助けてくれない。
税金制度がなければ、国家が機能しなくなってしまうと私は思うのである。
税金制度が無ければ私たちの生活が成り立たない。学校に行けず、外も出歩くこともでき
ない。税金が使えないというだけで、世界はこんなにも変わってしまうのだ。
税金の大切さが理解できたところで、もう一度税金についてよく考えてみよう。
私たちの生活は税金によって支えられている。いや、税金を負担し私たちを育ててくれて
いる大人に支えられている、というべきか。数年後、私たちは納税者となる。税金で私たち
を支えてくれる大人と同じ立場だ。
蛇口をひねればきれいな水が当たり前のように流れ出てくる。まちを見渡せば当たり前の
ように整備された道路や信号、ガードレールが存在する。
近所の公園では、子どもが笑っている。
税金があることでこの「当たり前」を守れるのなら、私は喜んで税金を支払いたいと強く
思っている。