アンケート調査結果

3 平成27年度「いじめ実態調査」の調査結果について
1 調査目的
学校生活への満足度、いじめの態様、いじめ被害者の対応、継続の状況、いじめへの意識等を各校が把握すると
ともに、尾張旭市内の小中学生全体の傾向を捉えることを目的としている。
2 調査実施期間
平成27年10月~11月(市内小学校9校、中学校3校の計12校で、学校単位で実施)
3 調査数
小学校児童調査総数 4,827人
中学校生徒調査総数 2,407人
4 調査結果概要
Q:学校は楽しいですか
小学校
31%
楽しい
5% 3%
中学校
61%
まあまあ楽しい
7% 5%
49%
あまり楽しくない
楽しくない
39%
Q:今の学年でいじめられたことがありますか
40.0%
35.0%
ある
30.0%
25.0%
20.0%
平成25年
平成26年
15.0%
平成27年
10.0%
5.0%
0.0%
教育行政課 5
「楽しい」「まあまあ楽しい」
を合わせて、小学校が92%、中学校
が88%であり、学校生活は概ね「楽
しい」と回答しており、多くの児
童・生徒は楽しく学校生活を送って
いる。
「楽しくない」「あまり楽しく
ない」と答えたのは10%前後と少な
いが、その児童・生徒の存在を意識
し、その原因を探り、改善してい
かなければならない。
年度ごとに多少の差はあるが、「いじめら
れた」と回答している割合は学年が上がるに
つれて、減っている。これは、学年が低いほ
ど、小さなトラブルやけんかを「いじめ」と
とらえて、回答していることが多いためであ
ると考えられる。
昨年度と比べ、中学2年生の割合が増えて
いる。中学2年生の頃は、思春期で、中学校
生活にも慣れたことや、受験、部活動の引退
など目標が間近にないことから、気の緩み
や、反社会的な行為をとることがある。ま
た、2年前の5・6年の時にも、この学年の
件数は比較的多かった。
過去のデータも参考にし、確実に減らすよ
うにしたい。未然防止のために日ごろから児
童生徒の様子に目を配っていくとともに、断
固としていじめは許さないという姿勢を示し
ていきたい。
また、指導後もいじめが継続した事案が見
られたので、組織的に経過観察もしなければ
ならない。
Q:いじめられてどうしましたか
(%)
40
小
学
校
20
中
0
0
学
20
校
40
やり返した
やめるように相手に言った
がまんした
家の人に相談した
友だちに相談した
学校の先生に相談した
この選択肢は中学校のみ
スクールカウンセラーに相談した
心の電話に電話した
その他
(%)
60
「がまんした割合」は小学校で
は43.0%、中学校で33.6%であっ
た。また、「やめるよう相手に伝
えた割合」は小学校46.2%、中学
校28.8%で、中学生においては昨
年の結果と逆転している。
「だれかに相談する」は小学校
では家の人・学校の先生・友だち
の順に多くなっている。しかし、
中学生では相談する割合がかなり
低い。
核家族で共働きの家庭や、SN
Sを通じた間接的なコミュニケー
ションが増え、対面して本心を言
える関係を周囲の人間と十分に築
けず、「誰にも相談できない」
「誰にも相談しない」ケースが多
くなっていると考えられる。
児童・生徒のかかわり合いを増
やすこと、相談活動を充実するこ
とや、ソーシャルスキルトレーニ
ングなどコミュニケーション能力
を高め、孤独に悩みを抱えるよう
なことがないようにする必要があ
る。
Q:いじめはどうなりましたか
中学校
(146人中)
小学校
(1,016人中)
なくなった
3.8%
23.4%
41.3%
31.5%
少しなく
なった
なくなった
21.2% 30.1%
今も続い
ている
未記入
29.5%
19.2%
少しなく
なった
今も続い
ている
未記入
教育行政課 6
いじめられたと答えた児童生徒数
(小学校:1,016人、中学校:146
人)に対し、いじめが「なくなっ
た」と回答した児童生徒の割合は、
小学校では31.5%、中学校では
30.1%であった。
中学校の「未記入」が多く、該当
の学級について、注意深く観察する
必要がある。
「今も続いている」と回答した割
合は小学校の方が多い。現状をしっ
かりと再確認して、続いている原因
を探り、解消のための具体策を講
じ、複数の目で対応できる体制を整
えていかなければならない。そし
て、全教職員で継続的に再発防止に
努めていく必要がある。
Q:いじめを見たとき、どんな対応をしますか
小
(%) 40
学 校
20
0
中
0
20
学
40
校
60 (%)
だまってみている
立ち去る
やめるように相手に言う
いじめられている人に話を聞く
家の人に相談する
友だちや年上の人に相談する
先生に相談する
この選択肢は中学校のみ カウンセラーや相談員に相談する
電話して相談する
その他
小学校では、「やめるように相手に
言う」「いじめられている人に話を聞
く」の順に割合が高い。
中学校では、「いじめられている人
に話を聞く」「立ち去る」の順に割合
が高い。
小学生は、いじめに正面から対処し
ようとする傾向がある。
中学生は、傍観者的な意識が強い。
自分がいじめの対象になりたくないと
いう自己防衛意識が働くためではない
かと考えられ、大きな課題である。普
段からいじめは許さないという断固と
した態度や、いじめに立ち向かう勇気
をもたせられるよう、人権教育を進め
なければならない。
そして、学校全体として、いじめを
なくすために啓発活動や研修会など、
具体的な取り組みを充実するととも
に、いじめが起きたときには、学校や
家庭、関係諸機関と連携して取り組む
ようにしたい。
5 全体として
いじめの早期発見の手立てとして、普段からいじめやいじめにつながる行為を見つけるための視点を意識す
ること、児童生徒の交友関係や悩みを把握すること、個人面談や家庭訪問の機会を活用することなど、日常的
に児童生徒の行動の様子を把握しなければならない。学期ごとの定期的なアンケート調査や教育相談以外にも
欠席、遅刻、早退等に着目しながら、検証することが大切である。
すべての児童生徒が、周囲の友だちや先生との信頼関係を築き、安心・安全に学校生活を送るためには、互
いに認め合う学級づくり、自己肯定感や自己有用感を育てる教育活動を推進することが大切である。そして、
朝・帰りの会や学校集会、学級活動などで、日常的にいじめ問題について触れ、「いじめは絶対に許されな
い」という雰囲気を学校全体につくる必要がある。
本年度のはじめに、各小中学校で策定した「いじめ防止基本方針」に基づいて取り組むとともに、「いじめ
対策年間計画」(月ごとに「教職員の活動」「児童生徒の活動」「保護者への説明・啓発」についての内容を
設定し、未然防止に取り組んでいる)の内容を見直すとともに、体験活動や集団活動を充実させ、よりよい学
校生活を送ることができるようにしていきたい。
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