子会社 Heptares 社の研究者が CCR9 受容体の構造を解明、 全ての

2016 年 12 月 8 日
各 位
本 店 所 在 地 東京都千代田区麹町 2 丁目 4 番地
会
社
名 そ ー せ い グ ル ー プ 株 式 会 社
(コード番号 4565 東証マザーズ)
代
表
者 代表執行役社長
CEO ピーター・ベインズ
問 い 合 せ 先 コーポレートコミュニケーション部 伴瀬晴美
電 話 番 号 03-5210-3290(代表)
子会社 Heptares 社の研究者が CCR9 受容体の構造を解明、
全てのケモカイン受容体ファミリーに対する構造ベース創薬が可能に
当社子会社 Heptares Therapeutics (ヘプタレス・セラピューティクス、以下、
「Heptares 社」) は、ケモ
カイン受容体ファミリーの一種である CCR9 受容体の高解像度 X 線結晶構造解析に同社の研究者が成功したこ
とを発表しました(Oswald et al, Nature)
。この G タンパク質共役受容体(GPCR)ファミリーは、免疫細胞
の遊走、活性化および生存を制御することで免疫防御の多様な働きを担っており、それ故ケモカイン受容体
は、様々な疾患における重要な創薬ターゲットとなります。CCR9 受容体自体は、腸への白血球の動員に中心
的な役割を果たしており、Heptares 社が注目している領域である炎症性腸疾患の治療ターゲットとなります。
Heptares 社並びに当社の Chief Scientific Officer である Fiona Marshall は、次のように述べています。
「CCR9 受容体の高解像度の立体構造が解析されたことは、
構造ベース創薬を応用するまたとない好機であり、
CCR9 のみを標的とするだけでなく、他のケモカイン受容体ファミリーもターゲット候補とする選択的低分子
アロステリック調節薬の発見および最適化に寄与するものです。この新しい構造情報は、GPCR に対する当社
の StaR®プラットフォームの活用により生み出された豊富なデータにさらなる蓄積を推し進めるものであり、
当社がこの構造ベース創薬プラットフォームを応用して、様々な疾患領域における新薬候補のパイプライン
を持続的に生み出すことを可能にします。
」
Nature 誌に掲載された論文では、選択的拮抗薬 vercirnon と結合した CCR9 受容体の X 線構造を Heptares
社の研究者がどのように解析したのかを記述しています。この研究では、驚くべきことに vercirnon は通常
の GPCR リガンドが結合する部位ではなく、CCR9 受容体の細胞内の部位(アロステリック部位)に結合する
ことが明らかになりました。このように vercirnon が CCR9 のアロステリック部位に結合することで、細胞内
のシグナル伝達分子と CCR9 との相互作用を抑制し、vercirnon による拮抗作用が発揮されます。この画期的
な発見は、様々なケモカイン受容体ファミリーに関する研究開発に新たな道を開きました。Heptares 社の研
究者は、これまでにもグルカゴン受容体を含む他の GPCR 上のアロステリック結合部位を同定しています
(Jazayeri et al, 文献情報については以下参照)
。
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ケモカイン受容体をターゲットととして臨床開発段階へ進んだ 50 種の薬剤のうち、これまでに上市された
のはわずか 2 剤、CCR5 をターゲットとする HIV 治療薬 maraviroc(マラビロク)および CXCR4 をターゲット
とする幹細胞動員のための plerixafor(プレリキサホル)のみです。このように成功確率が低いのは、ケモ
カイン受容体の作用機序が十分に解明されていないことや、構造情報が不足しているために開発候補化合物
を最適化することができないことが原因として考えられています。Heptares 社では、今回新たに得られた情
報が、ケモカイン受容体に対する低分子治療薬の開発の成功率を高めるものと期待しています。
引用
Oswald, C. et al. (2016) Nature Doi:10:1038/nature20606
Jazayeri, A. et al. (2016) Nature http://dx.doi.org/10.1038/nature17414
<ご参考>
Heptares 社について
Heptares 社は、広範囲のヒト疾患に関連する 375 個の受容体のスーパーファミリーである G タンパク質共
役受容体(GPCR)を標的とした創薬を行う医薬品開発企業です。同社独自の構造ベースドラッグデザイン技
術を利用することにより、臨床的な有用性は証明されているものの、これまで創薬が困難であった GPCR を標
的とした医薬品の創出が可能となります。このアプローチを使用して、同社はアルツハイマー病、統合失調
症、がん免疫療法、片頭痛、依存症、代謝疾患等の治療法を革新する可能性を有する、画期的なパイプライ
ンを構築しています。
Heptares 社は新規開発候補品や技術提供について、既に Allergan 社、AstraZeneca 社、Kymab 社、Medlmmune
社、MorphoSys 社、Pfizer 社、Teva 社等をはじめとする大手製薬会社やバイオテクノロジー企業と提携して
います。
Heptares 社はそーせいグループの 100%子会社です。詳細については、www.heptares.com と www.sosei.com
をご覧ください。
そーせいグループ株式会社について
そーせいグループはグローバルに医薬品開発に取り組む日本発のバイオ医薬品企業です。そーせいグルー
プのビジネスモデルの根幹にあるのは、新規・差別化可能な開発品および基盤技術の探索、それらの非臨床・
臨床開発の支援、開発・販売提携等を通じて世界中の患者さんに新たな医薬品を届けることです。
詳細については、 www.sosei.com をご覧ください。
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