ガンダムアーキテクトレイヴンズ 自堕落な一個人 ID:105627

ガンダムアーキテクト
レイヴンズ 自堕落な一
個人
人類種の天敵
︻注意事項︼
このPDFファイルは﹁ハーメルン﹂で掲載中の作品を自動的にPDF化したもので
す。
小説の作者、
﹁ハーメルン﹂の運営者に無断でPDFファイル及び作品を引用の範囲を
超える形で転載・改変・再配布・販売することを禁じます。
︻あらすじ︼
前世の記憶があると言ってもちと
前世では、些か働きすぎたと思う。だから、今回の人生では前世の記憶を思い出して
金を稼ぎ、怠けて生きようと。
その為には何に乗っかれば楽に稼げるだろうか
過激な部分が多くて通用するかどうか怪しいぞ。
前世のチート無双機体をプラモデルに模して売れば使用料やら版権
金になるんじゃないか。
やらで結構な
?
が、ガンプラバトルというビジネスが。
⋮⋮⋮なぁんだ、ちゃんとあるじゃないか。前世の記憶をフルに扱えて合法的な商売
?
そうだ、俺は⋮⋮⋮⋮、
ガンプラの〝アーキテクト〟になる⋮⋮⋮
!!
目 次 輪廻転生。そうだ、アーキテクトになろ
う ││││││││││││││
禁断の首長竜 │││││││││
みたいです ││││││││││
名門私立校の制服は、結構なんでもアリ
1
12
25
輪廻転生。そうだ、アーキテクトになろう
輪廻転生。
詳しい事は俺もあまり知らない。
昔誰かに聞いた言葉で、確か、死んだ人間の魂とやらが死ぬ前の記憶を持ちながら新
しい人生を送る⋮⋮ようなものだと言っていたはずだ、多分。
ただ、その時はぼんやりと、こんなクソッタレな世界を2度も繰り返すなんて、とて
も可哀想だなと思ったから、なんとなく覚えていた。
輪廻転生。
今の俺は、いや、今世の俺は、何故そんな言葉と会話を覚えているのだろう。
なんで俺は自分の言葉に確信が持てないのだろう、まあ、すでに理由
⋮⋮答えは簡単、幸か不幸か、俺がその輪廻転生とやらの体験者だからだ、恐らくは。
恐らくは⋮⋮
多分、アレだ、いや、絶対にそうだ。
なんて気付いているのだけれど。
?
﹁この世界が俺の知っている以前と最も対極にある﹁良い世界﹂だからだ。それ以外、理
輪廻転生。そうだ、アーキテクトになろう
1
由なんて何一つない﹂
だからこそ、この世界では、
あんた、今日は学校でしょうが∼
﹁自堕落に怠けて生きて行きたい﹂
何時まで寝てんの
!
﹁こらぁ∼
!
間帯だった、つまり、
聞いてんの
オイ
﹂
﹂
⋮⋮⋮⋮⋮オイ、なんだよ⋮⋮⋮ちょ、やめ、マジに入って
あんた、遅刻なんかしたらお小遣い没収だからね
!
﹁はい、オワタ。遅刻確定でっす∼﹂
﹁こらっ
!?
﹁じゃかーしぃーわババァ
くんなよ
!
!
!
!?
﹂
そして、何時もはその5分前に家を出てギリギリ遅刻になるか遅刻にならないかの時
時間は既に何時も家を出る時間を5分ほど過ぎている。
クタイ結ぶのに時間かけ過ぎた⋮⋮朝飯食う時間ねぇわこれ﹂
﹁⋮⋮⋮⋮⋮⋮と、思っていた時期がさっきまでありました。はぁぁ、うわ、やばい、ネ
!!
2
﹂
﹁うっさいわねぇ⋮⋮さっさと学校行かないんだったらあんたの首に縄つけて連れてく
からね
上で学校まで送り届けることだろう。
このまま俺がダラダラと支度を続けていれば本当に縄を持ってきて俺をふん縛った
うとやりかねない性格だ。
このババァは自分の言葉に嘘はつかない、と、いうかやると言ったら誰がなんと言お
ババァもとい母親の脅しにゾッと震え上がる。
!
スを入れりゃあ、はい、終わり。
﹂
?
﹁⋮⋮⋮はぁ、行って来ます⋮⋮⋮はぁ﹂
〟の生徒、が
﹁これから学校なのにため息をつく奴がいるかい
ほっとけババァ。
!
それも、名門私立校〝ガンプラ学園
スマホ弁当ヘッドホンetc⋮⋮をリュックに詰め込み、最後にガンプラの入ったケー
そして今日の専門教科のノートやら教科書やら、工作キットやら生徒手帳やらお財布
を羽織る。
腰に手を当てて縄を振り回すババァに怯えつつ急いでシャツの上に安物のパーカー
﹁わ、分かった、分かったから﹂
輪廻転生。そうだ、アーキテクトになろう
3
﹁⋮⋮ふぅ、まあいいよ。学校、頑張りなさい﹂
﹂
!
ボソボソ声で遅刻についての謝罪はしたが、普通に無視された、まあ当然か。
﹁﹁﹁﹁ありがとうございましたー﹂﹂﹂﹂
﹁起立、礼﹂
れ、以上
﹁⋮⋮⋮というわけで、みんな、今日も製作技術にファイターとしての技術を磨いてく
﹁すみません、遅れました﹂
刻ですよ、を告げるチャイムが学校の廊下内を鳴り響く。
自転車置き場にママチャリを置いて駆け足で自分のクラスへと駆けるが、無情にも遅
校の校門を潜る。
もう一度、深いため息を吐いて〝ガンプラ学園〟、なんて立派な看板を魅せる私立学
くだ、仕方なく⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮はぁぁぁ﹂
﹁名門名門名門名門⋮⋮⋮⋮⋮、好きで通ってるわけじゃねぇよババァー⋮⋮⋮仕方な
走っていく。
オンボロのママチャリに跨って今日だけは立ち漕ぎ全力疾走で学校までの道のりを
親の励ましにため息で応えて家を出る。
﹁⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮はぁ﹂
4
どうせ俺は出来損ないで名門学校一の恥晒しですよ、と開き直り、自分の机に座って
ヘッドホンを耳に当てる。
その際に机にデカデカと書かれている﹁ガンプラ学園の恥晒し﹂だとか﹁腰抜け﹂な
とっとと転校するなり退学してくれな
どの文字がチラチラ見えたが興味は無い、こんなものはただ見えているだけだ、どうで
もいい。
なぁ、烏丸ぁ﹂
﹁おい、お前まだこの学園に在籍してるのかよ
いか
?
﹁なっ
て、てめぇ
﹂
﹂
?
ガンプラファイトで勝負しろ
!
!
ダメだ、逆に逆上しやがる。
﹁つ、次の時間
﹁⋮⋮⋮⋮⋮はぁ﹂
!
﹁⋮⋮っ⋮⋮
﹂
﹁分かった分かった、それで良いから。どっか行けよ⋮⋮⋮いや、俺の視界から消えろ﹂
面倒くさい。
﹂
倒だ⋮⋮⋮はぁ、仕方ない、少しからかってやればどっかに行くだろうか。
おっと、音楽をかけ忘れていた、クラスの名も知らぬ生徒が話しかけてくるなんて面
?
!
﹁悪いが、どちら様だ
輪廻転生。そうだ、アーキテクトになろう
5
!!
意味ないのに⋮⋮どうせ、直ぐに逃げ出すんだろ
?
まあ、この時間でテンションが上がるのはファイター連中だけでガンプラビ
?
だが、それも当たり前だ、戦うことが苦手なのだからサポート役とも言えるビルダー
外も一部いるだろうが。
プラ学園に来た奴は、総じてガンプラの操縦技術が無いという欠点がある⋮⋮まあ、例
ガンプラビルダーを目指す、もしくはビルダーとしてのガンプラ製作技術でこのガン
理由は簡単、どうせボコボコにされるから。
ルダーを目指す技術屋連中は目に見えて憂鬱な顔をしている。
間くらい
日本各地から集ったガンプラファイターとしての腕を磨く時間として1日2∼3時
この学校、私立ガンプラ学園の、今日の1時間目はどうやらガンプラバトルらしい。
1時間目﹁ガンプラバトル﹂
眠った。
一言心の中で呟き、開きかけた﹁DESIGN﹂ノートをパタッと閉じてうつ伏せに
⋮⋮⋮⋮⋮⋮はぁ、面倒臭い。
﹁シュミレーションで良かったよな、ホント﹂
6
に特化している。
逃げんじゃねぇよ
﹂
そんな技術屋連中に戦えと言うのは酷なものだろう、御愁傷様という奴だ、ちーん。
﹁おぉい、烏丸
!
﹂
して気味の悪い笑顔を浮かべた。
はハッと我に帰り、自分の持ちガンプラである││ガンダムMK│IIをセッティング
俺の持ち出した機体に〝ヘンなもの〟を見ているような面白い顔をしている生徒A
ラバトルシュミレーションシステム〟と呼ばれる台の上に置く。
リュックからケースを取り出し、その中に入れておいた一機のプラモデルを〝ガンプ
セッティングを開始する。
目の前の、頭に血が上りすぎて顔が真っ赤な奴と目を合わせずにガンプラバトルの
﹁ぐ、ぐぐ⋮⋮
﹁はいはい、今から準備するから黙れよザコ﹂
!
!
後は操縦桿を操作して持ち機体である﹃03│AALIYAH﹄を動かすだけだ。
兎にも角にも、とりあえずガンプラバトルに必要な準備は終わった。
やたら眩しいホログラムがコックピットを構成、やたら輝く光球状の操縦桿にやたry
シュミレーションシステムからやたらテンションの高いおっさんの声が届き、次いで
﹃プリーズ セットユアーGPベース﹄
輪廻転生。そうだ、アーキテクトになろう
7
﹁ヘッ
そんな変な機体に、俺が負けるかよ
﹂
!
﹂
なんなんだ
面相、歌ってるのはGUMI、うん、準備完了だ。
⋮⋮⋮さあ、茶番を始めようか。
くそ
くそ
なんなんだよ⋮⋮⋮
あんな、あ
!!
﹁はっ、はっ、はっ、は⋮っ⋮⋮
んな変な機体に⋮⋮俺のグレゼリアがっ
!
名も知らぬ生徒Aの声を無視してヘッドホンを耳に当てる、音楽はボカロ、選曲は十
!
た。
舌打ちをしてビームライフルを捨て、空いた手にビームサーベルのグリップを握らせ
うだ。
不意にアラームが鳴る、どうやらビームライフルのエネルギーパック残量が切れたよ
いながら地面を走る。
右腕にはバズーカを、左腕にはビームライフルと盾を持ち、常に背後をチラチラと伺
紫色の塗装が施されたガンダムMK│IIカスタムが廃墟群を疾走する。
!
!
!
!
8
ドヒャアッッッッッッ
﹁⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮は﹂
﹂
その刹那、空気を切り裂く不思議なブースト音と共に、右腕が消えた。
﹁う、うわぁぁぁぁぁ
のグリップからビームサーベルを展開した。
それを理解した男は右腕と同じく銃身を切られて爆発するバズーカから離れ、円筒状
いや、違う、右腕は切り裂かれたのだ。
!!!
ブンとビームサーベルを振り回すが、奴はいない、奴はどこだ、あの、機体は│││
│
﹂
?
目の前に見えるのは、漆黒の⋮⋮⋮⋮鴉
ドを向けた黒い機体が、徐に引き金を引いた。
ガンダムエクシアが使用するGNソードの、〝刀身〟の無いGNソードライフルモー
﹁終わりだ﹂
?
肩、腕を射抜かれ、フラフラと膝から崩れ落ちる。
同時にビームの発射音、アラーム警告、ロックされた、至近距離、躱せるはずが無い。
上から声が聞こえた。
﹁何処を見てる
輪廻転生。そうだ、アーキテクトになろう
9
俺の、俺のガンダムMK│IIグレゼリァァァァ
﹃バトル エンディッド﹄
﹁ウワァァァァァァァァ
﹂
!!!
﹁言い訳するな
学園の恥晒しが
﹂
!
﹂
?
︶だ。
?
ウンウンと唸って名前を思い出し、機体の設定や名前を書いて終わり、ポンとノート
﹁これは⋮⋮⋮⋮⋮有澤⋮⋮の⋮⋮⋮⋮⋮⋮雷電⋮⋮だったか
サラサラサラサラと書き出して出来上がるのは異形と呼べるタンク型のMS︵
次にポケットから消しゴムシャーペンを取り出して〝頭の中の知識〟をほじくる。
の真新しいページを開く。
ため息を吐いて教室の目立たない場所に移動して、そこに椅子を置いて座り、ノート
﹁はぁ、だから嫌なんだよな、ザコと戦うのは﹂
教師は頭ごなしに説教をするとそそくさと別の生徒の所へ逃げて行った。
!
﹁やったのは俺ですが、ダメージ判定をAにしていたのは彼です。自業自得でしょう﹂
﹁おい、なんの騒ぎだ⋮⋮⋮⋮⋮またお前か、烏丸﹂
トを抉られた紫色のガンダムMK│IIを握り締め、号哭した。
男子生徒Aはシュミレーションバトルが終わった途端に両腕と切断され、コックピッ
のか⋮⋮頭のめでたい野郎め﹂
﹁⋮⋮やっぱりか、お前ダメージ判定Aにしてただろ。よっぽど自分が勝つと思ってた
!
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を閉じてガンプラバトルに勤しむ真面目な生徒たちを眺めることにした。
﹁頑張るね∼真面目クン達は﹂
そこには操縦桿を握り締めて精一杯ガンプラを動かす生徒の姿がある。
脇の方ではボロボロに破壊されたガンダムMK│IIを涙目で修理する男子生徒A
もいる。
彼らはみな、このガンプラ学園で自らの技術を磨くため、必死になって戦っている、そ
の姿は、確かに名門私立校ガンプラ学園の名に恥じぬ生徒と言えるだろう
いため息を吐いた。
この学園に入学することになったあの、忌々しい講師の名を苦々しく呟き、また、深
﹁⋮⋮⋮⋮⋮あの時に戻れるなら、俺はアランとかいう講師をぶっ飛ばしてただろうよ﹂
無い今に対する想いをため息に変えて吐き出した。
そして、その輪から外れたある意味で劣等生とも言えるべき俺は1人、どうしようも
﹁⋮⋮⋮⋮⋮⋮はぁ﹂
輪廻転生。そうだ、アーキテクトになろう
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﹂
名門私立校の制服は、結構なんでもアリみたいです
昔のことだ。
﹁何を書いているんだい
﹂
?
兎にも角にも前世は、かなり苦労したらしい⋮⋮、それも、生き残る為に。
での観察力とイメージ力を鍛えられたようで。
対処出来るようになれ、とスパルタ並みの訓練を強要された事でノートに書き写せるま
前世ではどうやら、相方か誰かに穴が開くほど観察して戦場で出会った場合に素早く
褒められている⋮⋮、そうは思わなかった。
⋮⋮、君はビルダーかい
﹁こ れ は ⋮⋮、凄 い な。デ ッ サ ン の 段 階 で こ れ だ け の 緻 密 な デ ザ イ ン を 描 け る な ん て
男はそれを目ざとく発見したんだ。
作ろうと必死になって記憶の中の知識をノートに書き写していた。
その時俺は、楽に稼ぐ為には前世の記憶を生かしてオリジナルと呼べるプラモデルを
俺がこの学園に入学する最もの要因である男との邂逅。
?
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﹁凄い、凄いよ、君は。こんな膨大なラフ画は今まで見た事がない
﹂
それに所々、歴代ガ
ンダムに見ない斬新なデザイン、アイディア、どれを取っても一級品だ
チート兵器に乗っている〝同業者〟を殺したり、〝変態企業〟の〝面妖な変態兵器〟を
しかもそれが仕事のせいとはいえ普通に出会うのが半ば当たり前、しかも時にはその
でもドン引きしてるくらいだ。
そりゃそうだ、前世の記憶をかっぽじってみて、普通にチート兵器じゃねえかと自分
!
!
﹂
黙々と破壊していたというのだから驚きだ、いや、かなりドン引きだ。
﹂
残りの入学枠は、君に使おう
﹁⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮は
!
!
⋮⋮⋮たった数年で悠々自適なニート生活が俺を待っているはずだったんだ、アラ
な金持ちになる、レッツ引きこもり生活だ。
最後にそれらのガンプラを商品化して売っ払っちまえば利権やら使用料やらで結構
メする。
つガンプラファイターに使用させて〝世界大会〟などの知名度のあるタイトルを総ナ
そして、自分で戦うのもだるいので他の、〝前世の自分には劣るが〟そこそこ腕の立
い近場の学校に通いつつチート兵器を模したガンプラを製作する。
その時の俺の進路はただ一つ、勉強しなくても赤点を取らないくらいには偏差値の低
?
﹁うん、決めた
名門私立校の制服は、結構なんでもアリみたいです
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ン・アダムスとかいう男に出会わなければ。
じゃあない。
!
そう言われた、既に未来予想図はバッチリだった
!
⋮⋮まあ、進路
に大幅修正が必要になるというのは別に問題無かった、ただ面倒な
というのに、あんたらのおかげで見事に狂わされたというのに。
あんたは自分のことだけ考えてな
そう反論したら叱られた、多分一生分。
やっすい公立校行くに決まってんじゃん﹂
﹁え っ、何 言 っ て ん の。う ち 貧 乏 だ か ら 通 え る 金 な ん て 無 い だ ろ う に。近 く の 学 費 の
た直後に、フツーに分かった。
それら全てが嘘で痩せ我慢で肉体的にも精神的にも限界が近いってことくらい、聞い
前世の記憶や知識、体験から分かる。
わ。貴方は何も心配せずに頑張りなさい﹂
﹁有名私立校に合格⋮⋮⋮やったわね
お金は大変だけど、大丈夫、そのくらい見繕える
俺は楽をしたい為にガンプラを開発するのであって、断じて誰かに認められること
黙れ、違う、そうじゃない。
られちゃってさ⋮⋮ぶふっ﹂
﹁良かったわね、あんた。たまたまガンプラビルドで有名な講師に〝落書き〟を見て目
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?
だけで。
﹂
入学おめでとう
﹂
﹂
!
﹂
本当にうんざりするのは、別に行かなくてもいい学園に通わされて、そのお陰で金銭
の面で苦労している姿を俺にひた隠しする部分、ただそれだけだ。
キジマ・ウィルフレッドさんよ
﹁うわ、ソレスタルスフィア⋮⋮俺、間近で見ちゃってるよ⋮⋮﹂
﹁わ、わ
!
﹁ソレスタルスフィアを率いるアラン・アダムス先生だ
君は⋮⋮⋮新入生かい
!
﹁⋮⋮⋮⋮あの﹂
﹁ん
?
﹁お前、アラン先生に気安く話しかけんじゃねーよ﹂
更に、
の無い時間は無かった。
えていたが、あっちが既に俺の事を忘れているなら⋮⋮名門私立校に通う日常ほど意味
入学したのは最早仕方ないので、ならばこいつにひっついて散々利用してやろうと考
忘れてるって事。
更にイライラするのは俺を強引に採用した張本人が、たった数ヶ月の間に俺のことを
﹁⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮はぁ﹂
?
!
!
﹁おい、アレ⋮⋮アドウ・サガさんだ。はは、俺、本当にガンプラ学園にいるんだ
名門私立校の制服は、結構なんでもアリみたいです
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﹁覚えてもらおうと思ってたのか
﹁⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮はぁ﹂
﹁げぼっ、がはっ⋮⋮﹂
﹁つ、強ェェ⋮⋮⋮﹂
﹂
姑息な奴だな
お前ら何をやっている
こいつが
﹂
!
こ、これは、こここ、こいつがやったんです
﹁⋮⋮⋮ン
﹁っ
﹂
!
!
﹁あ、あんたね⋮⋮⋮﹂
忘れてるし、だから﹂
﹁合わなかったんだよ、学校の⋮⋮校風ってヤツが
?
般若面で言われたので以後気を付けた。
﹁今度そう言ったらヘッドソバットだからね
﹂
そう言ったらブン殴られた、奥歯が一本お亡くなりになられた、ちーん。
辞めちゃっていいよね、もうさ。
俺を引き上げた奴ももう俺の事を
よって、入学して間もなく数週間の自宅待機ルート直行。
たまたま、その時に何も知らない教師が入ってきて、他の連中は俺に責任転嫁。
前世の記憶通りに体が動けば、目の前には返り討ちに遭ってボロボロの同級生数人。
!
!
下らない連中に絡まれたのでやり返す。
!?
!
16
!
それ以降は大人しく、前世の記憶を参考にデッサンを描き、そこから更にデザインの
近しいプラモデルを購入し、近しいのが無ければ自作して。
その結果若干誤差含めてイメージ通りのチート兵器を製作した⋮⋮、自宅待機の間
ずっと。
そして、ネットなどの情報媒体でそこそこ腕の立つファイターを探しながら、若しく
はブログで自作プラモデルをupしてファイター募集の旨を掲載していると、ブログを
見た奴の1人から、とある感想を貰った。
まあ、未だにガンプラACを使いたいというファイターは誰1人見つかってないのだ
しい。
他の奴らにACの意味は分からないだろうが、違和感を感じる奴らは減っていったら
〝ガンプラAC〟
感があったので、区別する為にガンプラの後にこう付け足した。
実は俺もチート兵器を模したプラモデルをガンプラガンプラと呼称するのには違和
なるほど、最もな意見だ。
感じます⋮⋮⋮すみませんなんか上からの意見で本当にすみません﹄
プラとは一線を画するオリジナルデザインですね。ガンプラというのに少し違和感を
﹃すみません初めて感想書かせてもらいます、本当にすみません。なんだか普通のガン
名門私立校の制服は、結構なんでもアリみたいです
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けど。
ドーガの頭部モノアイを独特な複眼タイプに変更し、更に全体的な形状もよりスマート
この機体は、頭部に最もデザインが似てると思う逆襲のシャアの登場機体、ヤクト・
ガンプラAC﹃03│AALIYAH﹄をケースからひょいと取り出す。
﹁⋮⋮しかし、今回のレーザーブレードは中々にいい出来栄えだったな﹂
そんなものを見せられて、ガンプラですと胸を張れば誰だって嗤うさ。
用したパーツ。
ガンダムの代名詞でもあるV字アンテナの付いていない頭部に丸みや鋭角な線を多
まあ、誰だって笑うだろう。
イロモノ扱いされて大いに嘲られた。
既存のアレンジ含めたガンプラとはデザインの異なるガンプラACは、他の奴らから
真面目にガンプラバトルに勤しむ生徒たちを見ながら深くため息を吐く。
そして、今現在。
そんで、ノートの中身を絶対に見せなかったね﹂
﹁はぁ⋮⋮⋮あの時アラン・アダムスに出会っていれば、俺はあいつを殴ってだろうよ。
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名門私立校の制服は、結構なんでもアリみたいです
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に、よりシャープにした。
次いでコアである胴体はギャプランのものを参考に自作、その形状はまるでF1マシ
ンのようにもハシボソガラスの鋭い嘴にも見て取れる。
腕部分も自作と言っていいだろう、いいのが無かったんで、こちらは記憶を頼りに
色々と作成した。
肘部分が他とはあまりにもデザインが違すぎるため、ガンプラACがバカにされる要
因の一つとも言える。
脚部は機動戦士OOからジンクスIIIの脚部にニークラッシャーを取り付けた。
一見意味の無い改造だが、イメージ通りのヴィジュアルに持っていくことが重要だと
思ったので後悔は無い。
そしてバックパックは機動戦士ガンダムAGEからガンダムAGE│2ダークハウ
ンドのものを流用、これだけは本来の姿にかなり似ていたので何も手を付けていない。
最後に、今回試したかった武器、〝刀身〟の無いGNソードだ。
この武器はガンダムエクシアの主要武器で実剣・ビームライフル・シールドを複合さ
せたハイブリッドウェポンだが、俺の求める仕様に刀身は要らなかったので排除した。
まあ、今回の戦闘で近接戦闘は問題なくこなせたために実験成功とする。
次回は今回デッサンで描いた有澤製重量タンクの雷電か⋮⋮射撃武器、04│MAR
VEというものを製作しようと思う。
こちらについてはガンダムAGE│2ダークハウンドの主兵装が仕様にかなり近い
ため、流用・アレンジを施すだろう。
﹁おっす、おはぼっち♪﹂
突然かけられた言葉に数秒時をかけて応えるが、突然おはようぼっちクンとは如何な
﹁⋮⋮⋮おっす、おはぼっち﹂
ものか。
﹁いやー、君も分かってきたもんだね∼おはぼっちおはぼっち♪あはは﹂
ケラケラと笑う女を胡乱な目で見返す。
を着こなしたスラリとした手足に色白の肌。
右側は耳の下まで垂らし、左側は耳の裏に乗せた左右で髪の長さが違うアシンメト
リーと呼ばれる紺色の髪型。
何故かセーラー服のワンピース
り、俗に言う︵
︶前世持ちの俺以上に変人臭の香る女、水龍寺 真凛、だ。
?
﹁うん。今日はたまたま朝の具合が悪くってね∼。生理ってやつだよっ♪﹂
お前、常々思ってっけど、本当にバッカじゃねぇの
﹂
この学校の容疑面がガバガバの緩々というのが鷹揚に知れるふざけた服装の女であ
?
﹁今日遅刻した俺が言うのもなんだけどよ、お前余裕で遅刻だな﹂
?
﹁いや、何普通に言ってんの
?
20
Vサインながら明るく笑う目の前の女は、羞恥という感情が抜け落ちてるのでは無い
だろうか。
真凛の生理発言を受けてザワザワと騒ぎ出すクラス男子生徒共。
お主、女の子
しかもこいつのワンピースセーラー服︵ ︶の生地が心なしか透けてるように見える、
﹂
あ、ブラが見えた、透けブラだ透けブラ
﹂
ほほう、中々に鋭い観察眼ですねぇカラスマルぅ∼♪さては見たな
の秘密の花園を
﹁ん
?
!
座り込んだ。
!!!
﹁あれ、君のガンプラ、新しいの出来たんだ﹂
での熱狂だろう、そのうちに突然土下座や這い蹲る奴が出ないか心配だ。
ウォォォォォォ
とガンプラバトルの盛り上がりが上昇するが、これは多分別の意味
バッと座っていた椅子を差し出すとこいつは服がめくれるのも気にせずにどかっと
﹁ふっふー、くるしゅーないである♪﹂
椅子﹂
﹁バッカ、息上がってんだよ、お前。生理ってよく分からんけど、無理せず休め、ほら、
?
?
いや、お前も十分鋭いから。
?
?
﹁おま、走って来たか
名門私立校の制服は、結構なんでもアリみたいです
21
﹁ああ、お前のは
﹂
?
﹁ぷはぁっ、なら後で、私とやろっ♪﹂
まだ完成してないんだろ﹂
さっきまでの生理発言はどこに行ったんだろうか、こいつ、自由奔放過ぎないか
﹁⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮はぁ﹂
﹁別にいいけどさ、お前、ガンプラ持ってきてんの
?
?
その際に白い肌の表面を艶やかに汗が垂れ、男子生徒の視線を見事釘付けにした。
す。
言葉の応酬に満足気に頷き、真凛はスポーツドリンクをゴクゴクと旨そうに飲みだ
﹁出来れば怠けたい。却下って事で﹂
﹁自分でやればいいのに﹂
﹁ファイターはからっきしだけどな﹂
﹁そっちは順調なんだね﹂
その熱狂に押されて聞こえなかったが、こいつは今なんと言ったのか。
のボルテージがうなぎのぼりに上昇していく。
パタパタと服の通気を良くしようと胸部分のフリルを摘んで上げ下げする度に教室
が難しいの、ほんっと大変﹂
﹁いやー、随分難航しちゃっててねー。跳躍ユニットとか兵装担架システムとかの再現
22
﹁んふっふー、それは新しい奴がね。今回は真凛ちゃんの特製フォビドゥンマリンプレ
シオを使用するからだいじょーぶ♪﹂
真凛がケースから出すのは特徴的なバックパックを背中に提げた水色の機体だ。
確かフォビドゥンという名前のガンダムは機動戦士ガンダムSEEDで出てきた奴
だ、自前の装甲で実弾を無効化しつつビーム攻撃もバックパックシステムで自機から方
向をずらす無敵の防御性能を誇る。
例えば名
若しくは海、海
ベースがフォビドゥンガンダムというのはこれで分かった、じゃあ他は
前、マリーン、プレシオ、恐らくマリーンは海兵隊員⋮⋮海兵隊仕様か
上、海に棲む⋮⋮この辺りの解釈でいいだろう。
?
統のガンプラって訳だろう。
そしてプレシオは言わずもがな首長竜目のプレシオサウルスか、つまり、水陸両用系
?
ねっ
﹂
確証が無い、まあ、フォビドゥンの特性の弱点は至近距離からのビームや奇襲。
此処は敢えてあまり誰もやらない海上戦でやろーよ
!
?
なら市街地戦が最適だ。
嫌だよ
?
わざわざ相手の得意な場所で戦う奴なんているわけ無いだろう。
⋮⋮⋮⋮⋮水中・水上戦の得意な機体で当たりか、バカな奴め、機体特徴が分かれば
﹁え
?
﹁まあいい、とりあえずバトルしよう。フィールドは市街地戦な﹂
名門私立校の制服は、結構なんでもアリみたいです
23
﹁お前、俺に挑むんならフィールドくらい選ばせろよ﹂
後は真凛が準備するのを待って、03│AALIYAHをGPベースの上に置いた。
行い、戦場を市街地戦に変更する。
悔しがる真凛を無視して空いているシュミレーションシステムのフィールド設定を
やはりか、油断も隙もねえわこの女。
﹁む、むむむ⋮⋮⋮海フィールドなら圧勝出来たのに⋮⋮くやじい⋮⋮﹂
24
ガガガガ
禁断の首長竜
ガッシャン
﹂
?
に動く。
の観測を始める。
サッとビルの影に隠れて頭をちょいと出し、独特な複眼と頭部右側面のセンサーで敵
ピタリ、と03│AALIYAHの動きが止まった。
﹁⋮⋮⋮んっ
﹂
さらにビルの境目を抜けて姿を晒す際には独特な複眼が右へ左へ敵の姿を探すよう
﹁⋮⋮⋮何処だ
は、まるでスケートのようにスイスイと駆け抜けていく。
右手には〝刀身〟の無いGNソードを、左手には乗客の居ない乗用車を握るその機体
明るい市街地の真ん中、ビルとビルの間を黒い鴉のような機体が疾駆する。
!
?
呟く視線の先には何か細長い物体がキョロキョロと辺りを見回している。
﹁⋮⋮⋮⋮⋮あの、向かいのビルの曲がり角。なんか変なのがキョロキョロしてるな﹂
禁断の首長竜
25
色は水色、つるっつるの頭部にバイザー型のメインカメラ、そして、細長い⋮⋮首
?
﹂
けて一気に襲い掛かる。
﹁はぁぁぁ
!
!
﹃みつけたぁー♪てりゃー
﹄
03│AALIYAHは物陰からバッと飛び出し、フォビドゥンマリンプレシオ目掛
フォビドゥンまでの距離は約300mくらい、今こそが強襲のチャンスだろう。
﹁突っ込むか﹂
の頭部がようやく姿を表す。
それと同時にバックパックがフォビドゥンマリンプレシオの背中に戻り、機体の本当
細長い龍の首はキョロキョロと辺りを見回して、用が済んだのか元の部位に戻った。
⋮⋮それでプレシオの名前ね﹂
﹁な る ほ ど、バ ッ ク パ ッ ク を 被 っ た 強 襲 状 態 時 に 限 っ て 先 端 部 を 伸 縮 出 来 る 仕 組 み か
視界の先にはバックパックを被った状態のフォビドゥンマリンプレシオが現れた。
﹁⋮⋮やっぱジッとしてようか﹂
すると、細長い龍の首から後ろがゆっくりと姿を表す。
グッと右腕を出してGNソード ライフルモードを構える。
﹁狙撃するか、静かに近付いて叩っ斬るか﹂
26
GNソード ライフルモードを撃ちまくりながら前進する。
対してフォビドゥンマリンプレシオは不意の射撃に肩を撃ち抜かれて以降は全ての
ビームの軌跡をバックパックの〝ゲシュマイディッヒ・パンツァー〟で自機に当たらな
い方向へズラす。
なにその変態機動
﹄
更にバックパック先端部を伸ばして此方へ向け、大口径のビームを速射していく。
当たらない
!
ドヒャアッッッ ドヒャアッッッ
﹃ありっ
!
一瞬だけ姿が消えたように加速し、何mも離れた場所に出現
?
ク両側のレールガンを速射して黒い鴉を近付けまいとする。
フォビドゥンマリンプレシオは両手に持ったオリジナルの突撃砲2門とバックパッ
﹃ぬ∼、単射で当たらないなら連射だよねっ♪﹄
するその機動に、さしものフォビドゥンマリンプレシオも動揺している。
のトランザム〟だろうか
トランザムのように機動中の動きが速くなるわけではない、言うなれば、〝刹那時間
ビームが迫ると同時に刹那に超高速の加速でもって避けて行く。
!?
更にはフォビドゥン目掛けてブン投げた車をGNソード ライフルモードで撃ち抜
黒い鴉は此方へ向かってくる幾多の射線を難なく避けて着実にフォビドゥンへ迫る。
﹁これ位ならまだ避けれるな﹂
禁断の首長竜
27
き、爆発させて目隠しとした。
﹄
﹂
私〝たち〟はそれを更に先鋭化させ
こいつ⋮⋮一撃一撃が重い 今回初めてこいつに近接戦を挑んだが、何か
これは示現流っていう剣術でね
剣道でもやってるのか
﹃んっふっふー
ブン、とフォビドゥンが長刀を上段に構えた。
﹄
⋮⋮⋮⋮⋮あ、これはヤバイ。
﹃うん、しょっ
ドヒャアッッッ
ズゴッッッッ
﹁⋮⋮⋮⋮⋮⋮﹂
﹃あー、外したぁー﹄
!!!
!
!!
!
!
て、機体を刀の一部に見立てているのだよ♪﹄
!
!
﹁ぐっ、くっ
撃とコンボを繋げていく。
するとシールドによって弾かれる衝撃がフォビドゥンの腕に伝い、そのまま二撃、三
バックパックに取り付けていた長刀のグリップを掴んで思い切り横薙ぎに振るう。
視界が潰されたフォビドゥンが取った行動は、近接武器による白兵戦。
﹃っ、そこ
!
!
28
長刀が振り下ろされる前にその場から逃げ出したわけだが、フォビドゥンの長刀は勢
﹂
﹄
いそのままにフィールドのコンクリートを砕き、ジゲンリュウとやらの破壊力を遺憾な
く見せつけてくれた。
んしょ、んしょー
!!
?
⋮⋮⋮と、取れないぃぃ
!?
﹁ヤバイな、ジゲンリュウ⋮⋮ん
んしょ、んしょ
!
は
な、なな、なにそれっ
なにそれっ
﹄
!?
?
うだ。
え、えええええええー
!?
﹁さぁて、お得意のゲシュマイディッヒは、こいつを避けきれるかな
﹃ふぇ
水龍寺 真凛は驚愕する。
!?
?
飛び出したのだ。
も、もしかして⋮⋮⋮⋮⋮⋮切れちゃう
﹄
﹁うんうん、切れちゃう切れちゃう﹂
!?
﹃びゃーーーー
!!
﹄
なぜなら、〝刀身〟が無いと油断していたGNソードに、紫色の〝刀身〟が勢いよく
!?
﹂
どうやらその破壊力が災いして突き刺した本人が長刀を抜けなくなってしまったよ
になっている。
フォビドゥンマリンプレシオがコンクリートにめり込んだ長刀を引き抜こうと必死
﹃んっ
!
?
﹃え、えええ
禁断の首長竜
29
抜けないままの長刀から手を離し、レールガンを射撃するーーーその時にはもう03
│AALIYAHは目の前から消えていた。
﹃わっ⋮⋮⋮﹄
背中から振るわれたビームサーベル⋮⋮いや、紫色の〝レーザーブレード〟は、その
﹂
勢いを一切弱めることなく易々とフォビドゥンマリンプレシオの胴体を切断した。
負けたー。近接戦なら負けないと思ってたのに∼
﹃バトル エンディッド﹄
﹁ぬわーー
!!
﹂
!
ふふん、その余裕⋮次までに残しきれるかな⋮⋮んふふ、んっふふ、
!
頭を掻き毟る真凛は俺から離れて他の生徒にガンプラバトルを申し込む。
﹁ぐぬぬ⋮⋮〝不知火〟と〝武御雷〟さえ完成すれば⋮⋮絶対勝つのにぃ⋮⋮﹂
しているような気がする。
何故かこいつは、この世界の住人とは違うというか、何処か俺と同じ雰囲気を醸し出
このガンプラ学園で唯一、価値のある時間はこいつと絡んでる間だけだろうか。
んっふっふー
﹁そ、そうですかぁ
﹁悪い、俺も近接戦闘なら負けることはないって思ってるから﹂
!
30
多分は海中戦フィールドで戦ってボコボコにする気だろう、相手は死ぬ、ちーん。
︵さて、今回の戦いで課題になるのが〝粒子〟と〝プライマルアーマー〟か︶
真っさらなページを開き〝コジマ粒子〟と書く。
その後の続きを書こうとして、ピタッとシャーペンの先が止まる。
書かないのではなく、書けない。
チート兵器の外見や構造ならある程度模倣出来るものの、この摩訶不思議な粒子だけ
は再現することが出来ない。
再現しないのではなく、出来ない。
〝クイックブースト〟なら瞬間的な加速を行うよう細工したブースターを取り付け
て一応の機能はしているが、所詮紛い物、本物には遠く及ばない。
もし、アレが本物であれば、消えたような加速ではなく、F91のMEPEのような
質量を伴った残像を発現できるはずだ。
それに、〝クイックブースト〟なら紛い物でやっていけるが、〝オーバードブースト
〟は流石に俺じゃ再現出来ない。
〝VOB〟ならサイコザクのロケットブースターを2個くっつけて殺人的な使い捨
て装備が完成しているが、正直アレは本家より恐ろしい。
﹁⋮⋮⋮ちっ、こんな事なら変態企業に社会見学でも行けば良かったか﹂
禁断の首長竜
31
まあ、顔も朧げな相方にブン殴られて阻止されるか見事に汚染されて帰ってくるかの
二択しかないように思えるが、今は知識の無さが恨めしかった。
今は何よりも無敵の矛にも無敵の盾にもなるあの粒子の鎧が欲しかったのだ。
﹁やっぱりガンプラって難しいね。私は粒子は作れたけど、アーキテクトじゃないから
た。
一片付いているダイニングテーブルとソファーに座り、遅めの朝ごはんと洒落込んでい
のどかな山奥の別荘、そこに住む2人の女性は、ガンプラでごちゃっとした部屋の、唯
﹁フィオナ﹂
﹁アナ、ご飯出来たよ﹂
た。
その呟きをノートを閉じる音と一緒に閉じ込めると、1時間目終了のチャイムが鳴っ
が⋮⋮⋮⋮さ﹂
﹁何処かにいないか⋮⋮⋮俺と同じ、あの世界の記憶を持った⋮⋮〝リンクス〟か誰か
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〝ホワイト・グリント〟は作れないな﹂
﹁⋮⋮⋮⋮⋮うん﹂
術の下、ネットの海に晒されていた。
其処には、一羽の黒い鴉のような外見をした、一機のプラモデルが下手くそな撮影技
〝ガンプラAC〟
は、ひっそりとしたシンプルな壁紙と簡素なタイトルの付いた活動記録が写っている。
ダイイングテーブルの上に置かれた数々の料理の品の他、高性能の薄型PCの画面に
黙々とご飯を食べる白髪の少女と聖母のような笑みを向ける金髪の少女。
﹁でも大丈夫よ。きっと、貴女の機体は作れるから﹂
禁断の首長竜
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