一般犯罪情勢・対策 - 在ケニア日本国大使館

一般犯罪
~ 現実に目を向けつつ、歴史に学ぶ ~
最近の治安に関するトピックを4つ取り上げ、
傾向と対策を案出する
1 デ モ
2 警察の発砲事案
3 非合法の武器が流通し、北部で強盗多発
4 大統領選挙
1 デ モ
動 機
(1) 社会制度や汚職など市民による政府への不満
税金下げろ! 政府は汚職をするな!
(2) 行商人(Hawker)などが待遇改善要求
政府の強制撤去を許すな!警察は賄賂を要求するな!
(3) 大学生によるもの
奨学金、授業料の待遇改善! 学生会長の選挙。
(4) お金目当て
政治家などがデモを画策し、失業者がアルバイトで参加
ナイロビ市内でデモが頻発する地域
グローバル・シネマ
ラウンドアバウト
マダレスラム
ナイロビ大学
議会・政府周辺
CBD地区
キベラスラム
今年6月、7月頃のデモの光景
タイヤを燃やして道路封鎖
集団によるパレード
警官隊との衝突
デ モ
傾 向
(1) 発生場所付近は混乱に乗じて物取りが横
行するため、普段以上に治安が悪化する
(2) デモ行進のゴール地点はCBD地区が多い
(3) 学生によるデモは平日(火、水、木)に多い
(4) 土、日、祝に起こるデモは参加者が多い
(5) デモ隊により道路が封鎖されることがある
(6) 警察は鎮圧に催涙弾や放水車を使用する
デ モ
対 策
(1) 普段からの情報収集 (報道、ケニア人)
(2) デモ発生が予想される場所に近づかない
(3) 近傍で発生した場合は建物内にとどまる
特にCBD地区で勤務されている方々
2 警察官の発砲事案
事案の概要
10月27日(木)16:30頃、在ケニア米国大使
館前で、警戒中のケニア警察官をケニア人男
性が刃物で切りつけた。
犯人はその場で射殺された。
警察官の発砲事案
問題点
人通りの多い時間帯・場所(1630・米大使館
前)でライフル射撃を行った。
→ 流れ弾が発生する危険性がある
(ケニア警察の射撃練度はおそらく低い)
※ 参 考
銃の有効射程(殺傷範囲)
ライフル400m、ピストル50m
警察官の発砲事案
傾 向
ケニアの警察官は日本に比べ、射撃に至るま
でのハードルが低い。
今事案に限らず、簡単に発砲する傾向がある。
対 策
発砲音を聞いたら、姿勢を低くし、建物や柱、車
などの遮蔽物に身を隠す。
弾は上に外れがち
3 ケニア北部で強盗多発
背 景
(1) ケリオ・バレー周辺でウエスト・ポコット族とマラク
ウェット族による家畜の奪い合いがここ数年、銃を
使用した殺し合いに発展している
(2) 現地には非合法の銃が5000丁流通している
(3) 現地では銃を使用した強盗やカージャックも頻
発している
(4) あまりに危険であるため、警察も行きたがらない
至 南スーダン
ケリオ・バレー
ウエスト・ポコット
VS
マラクウェット
非合法の武器の流れ
※ ケニアでは銃の所持は登録制
傾 向
(1) 1990年代ソマリア政府が崩壊し、難民とと
もにイスリー地区(マダレスラムの南隣)に武
器が流入してきた。
(2) 5年前、ケニア政府の取り締まりにより減少
(3) 最近の南スーダン内戦激化に伴い、南
スーダンから武器が流入している
非合法の武器の流れ
(4) 牧畜で生計を立てている民族は自衛のため、
銃を所持する。
(5) 部族を強くするために有力者が武器を買って
配布することもある。(1丁 5000ksh)
(6) 現地ケリオ・バレーでは退役軍人や元警察
官が銃の使用法を教育している。
北部で強盗多発
対 策
(1) 現地警察に護衛を依頼する
(2) 陸路での移動を避ける
(3) 法律に抵触しない範囲でこちらも武装する
4 ケニア大統領選挙
基礎知識
(1) 2017年8月8日(火)実施予定
(国会議員の任期5年目の8月の第2火曜)
(2) 国会議員、47郡知事選挙も同時に実施
(3) 投票所は日本同様、各地区に設ける
(4) 参政権(投票者)は18歳以上の登録制
(5) 今の方式に移行して以来、今回が2回目
(6) 2013年は概ね平和に終了した。
ケニア大統領選挙
これまでの歴史
(1) 2007年
「キクユ vs カレンジン、ルオ、ルイア、カンバ」
選挙終了後、集計結果を巡って暴動が2ヶ月続
き、ナイロビ、ナクル、ナイバシャ、エルドレッド
で被害が多発、1000人以上の死者が発生した。
(ナイロビ市内では特にキベラスラム、マダレスラム)
(2) 2013年
「キクユ、カレンジン vs ルオ、ルイア、カンバ」
概ね平和裏に終了した。
Jubilee党
ケニヤッタ大統領
(キクユ)
ルト副大統領
(カレンジン)
VS
野党連合
(CORD)
オディンガ前首相(ルオ)
ウェタングラ
上院院内総務
(ルイヤ)
民
族
の
割
合
キクユ:22%
カレンジン:13%
ルイヤ:14%
ルオ:11%
カンバ:10%
その他:30%
ムショカ前副大統領(カンバ)
ケニア大統領選挙
(3) 2017年の見通し
・ 選挙が近づく3ヶ月前頃からデモが増える見込み
・ 治安が一番悪化するのは選挙結果が出た日から
・ 対立民族が混在している地域の治安が特に悪化
→ ナイロビ(キベラ、マダレ、CBD)、沿岸部、キスム
Potential Hotspot Counties
2017 General Election
ナイロビ市内で被害発生が
見込まれる地域
対 策
デモ発生が予想される場所に近づかない
近傍で発生した場合は建物内にとどまる
マダレスラム
議会・政府周辺
CBD地区
キベラスラム
一般犯罪
~ 現実に目を向けつつ、歴史に学ぶ ~
1
2
3
4
デ モ
警察の発砲事案
非合法の武器が流通し、北部で強盗多発
大統領選挙
可能性はあまり高くありませんが、
最悪のシナリオは・・・
一度に全部起こること
最悪のシナリオ
与野党の政治家が、
対立政党の足を引っ張るため、
失業者を雇いデモを画策し、
参加者に武器を渡す。
その後、治安機関との銃撃戦に発展。
・ ・ ・ ただ、もちろん、
ケニア政府も頑張っています
11月15日 押収した不法な銃を焼却処分
お知らせ
1 12月6日に領事メールによる安否確認訓練
を実施します。
2 クリスマスシーズンを控え、 「一般犯罪」や
「賄賂の要求」が増加する傾向にあります。
・ 高層階にお住まいの方も戸締まりには注意!
・ 飲酒運転厳禁!