日本語マニュアル - アンブレラカンパニー

Welcome to Organelle
™
Critter & Guitari
Organelle
日本語ユーザーズ・ガイド
株式会社アンブレラカンパニー
www.umbrella-company.jp
*本書は株式会社アンブレラカンパニーのオリジナル制作物です。無断での利用や公開、複製を固く禁じます。
はじめに
このたびはCritter&Guitari社のOrganelleをお買い上げいただき誠にありがとうございます。
本ガイドブックは、製品を正しくご使用いただくために必ずお読みください。
・ 本ユーザーガイドの内容は予告なく変更される場合がございます。より新しいバージョンのユーザーガイドは常にアップデ
ートされ、国内正規品をお買い上げいただいたユーザー様のみ、同じパスワードでダウンロード/閲覧することが可能です。
・ このユーザーガイドに記載の内容を、Critter&Guitari Inc.(または、株式会社アンブレラカンパニー)の許可なしにコピー、複
製、送信、記録することはできません。
・ このユーザー・ガイド(日本語版)は株式会社アンブレラカンパニーのオリジナルです。複製、再配布は許可されません。
・
“Critter & Gutiari” と“Organelle”はCritter&Guitari Inc.の登録商標です。“HDMI”はHDMI Licensing, LLCの登録商標です。
・ 弊社アンブレラカンパニーでは、本機のハードウェアとしての機能、または本機のベーシックな動作環境についてのみ製品
サポートを行います。Pure Dataに関するプログラム言語、パッチプログラムなどの[ソフトウェア]、お使いのPCやコンピュータ
ー周辺機器との互換性など、に関するサポートは行っておりません。あらかじめご理解のほどよろしくお願いいたします。
© 2016 Critter & Guitari Inc. All rights reserved.
Chapter Zero
クイック・スタート・ガイド
音を出してみよう!
Organelleの創造的な世界へようこそ!まずはシンプルにOrganelleの使い方を見てみましょう!
パッケージ内容
箱を開けると2つのメイン・アイテムが入っています。
・Organelle本体
本体の横には小さな白いUSBドライブがあります。このUSBドライブにはOrganelleに「音楽」 を吹き込むための「パッチ」のデ
ータが含まれています。
・電源アダプター
日本国内の電源環境でご使用いただけるPSE準拠のACアダプターを同梱しております。安全のために必ず添付資料の『安全
のために』 をお読みになってからご使用ください。
まずは動かしてみよう!
まずは簡単にOrganelleの機能を確認できるよう、以下のステップで楽しんでみましょう。
1.まずは電源アダプターを(必ず付属のものをご利用ください。9V仕様ですが極性がセンタープラスとなりますので十分
にご注意ください。一般にギターエフェクター用の9VのACアダプターは極性がセンターマイナスのものがほとんどですの
で間違えのないようご注意ください。間違ったご使用は機器の故障につながるだけでなく、修理の保障対象外となります)。
ACアダプターを接続すると本体が起動しスクリーンに表示が現れます。
2.ボリューム・ノブを最小にしてヘッドホン出力、またはオーディオ出力を接続します。音量を適宜調整してください。ヘッドホン
端子はステレオ・ミニジャック(1/8”)、ライン出力は標準フォン(1/4”)の使用で、L/R独立のステレオ仕様です。
3.次にパッチをロードします。ボリューム・ノブの左側にあるノブがセレクター/エンコーダーとなります。このエンコーダーを回
すとディスプレイ上のパッチが切り替わっていきますので、希望のパッチを選んだ後に、セレクター/エンコーダーを1回プッシュ
することで、そのパッチが本体にロードされます。
4.演奏してみましょう!木製のキーボードは2オクターブのレンジをプレイできます。演奏しながら左側に配置されている4つの
ノブを変化させてみると様々な演奏スタイルを試すことができるでしょう。同じ要領で異なるパッチもロードして演奏してみてくだ
さい!
5.十分に楽しみましたか?
最後にOrganelleをシャットダウンさせてみましょう。 セレクター・エンコーダーを使用して、メニューを上の方向へスクロールし
ていくと、「PATCHES」のセクションを過ぎて、「SYSTEM」のセクションとなります。その中に「Shutdown」という項目があります
ので選択してエンコーダーをプッシュしてください。本体にパワーサプライを安全に取り外せる旨のメッセージ("Safe to remove
power")がディスプレイに表示されますので、必ずその状態を確認した後にACアダプターを本体から取り外してください。
Organelleはコンピューターですので、必ず正しいシャットダウンを行うようにしてください。
Chapter One
™
Organelle のコンセプトについて
Organelleは複数の異なるオペレーションの可能性をユーザーに与えることのできる、深みをもった新機軸のインストゥルメンツ
です。この章ではいくつかのアイデアについて、質問に回答する形でOrganelleについての疑問に答えていきます。
Organelleはどんなデバイスなのか?
・Organelleは楽器です。
前項で音を出してみた方はすでに発見したと思いますが、Organelleは楽器です。本体からヘッドホンやスピーカー・システムに
接続すれば、あらゆるサウンドやトーンをプロデュースすることができます。
・Organelleはエフェクト・プロセッサーです。
Organelleには出力ポートだけではなく、入力ポートも装備されています。 そしてパッチの種類によっては入力信号に対して、
たとえばフィルターやディレイなどのエフェクト・プロセッサーとして機能させることも可能です。より発展したサンプラーやボコ
ーダーにも変身できるでしょう。
・Organelleはジェネレーターです。
Organelleにロードされたパッチは、デバイスでプレイしたノートにトリガーできます。あなたはドローンサウンドから、画期的なテ
クスチャーを持ったサウンドまで、自在にパッチを自作することもできます。またオーディオ・インプットをソースとして使用するこ
とも可能です。
・Organelleはあなたの望むように変化します。
Organelleはあなたの音楽的なアイデアに足して柔軟に対応します。 あなたの望む表現に対して、テクノロジーとポータビリテ
ィをもってカスタマイズすることが可能なのです。あなたはOrganelle を人とは違う個性をもった楽器としてカスタマイズすること
ができるのです。
・ハードウェアなのか?ソフトウェアなのか?
その両方です。Organelle はコントロール・エレメントを備えたハードウェアと、近代的なマイクロコンピューターの融合です。
Linux オペレーティング・システムと、USBポートによって、ソフトウェアのパッチを本体にロードすることができます(USBドライ
ブは工場出荷時のパッチを含んだ状態で本体に付属していますので、購入後すぐにそれらのパッチを楽しむことが可能で
す)。
・パッチとは何ですか?
パッチはPure Dataプログラム言語で構成されています。パッチには設定やパラメーターに関するデータが含まれており、シン
セサイザーのサウンドなどを作り出すことが可能です。各パッチは本機に入力された信号にプロセッシングをかけて出力に
送ることも可能です。
いくつかのパッチではサポート・ファイル(オーディオメディアや他のサポートパッチ、外部オブジェクトなど)を必要とします。補
助的なパッチが動作に必要な場合はそれをサポートできます。
・Pure DataがわからないとOrganelleで遊べない?
答えはいいえです。Pure Data (Pd )はマルチメディアのプログラミング言語です。ライブラリからオブジェクトを追加して、そ
れらを画面上でバーチャルに接続していくことで、ソフトウェア・ファイル(すなわちOrganelleのパッチ)を作り出すことができ
ます。
OrganelleはPure Data を習得しなくても十分に楽しめるようデザインされています!
出荷時に含まれるファクトリー・パッチはもちろん、ウェブ・サイトのorganelle.ioにアクセスすれば、多くの追加のパッチが入手で
きるようになります。ダウンロードして新しいパッチを楽しむこともできますし、パッチを自分なりにカスタマイズして、新たなカス
タマイズされたパッチを作ることも可能です!
Pure Data は無料のソフトウェアなのでそれを学ぶことはとても簡単にはじめられます。でもOrganelleを楽しむためには、コー
ドを書かなくても、書いても、どちらでもよいのです!例えばシンプルなPure Data のパッチのサンプルをあげてみしょう。
・他に理解すべき有効なコンセプトはありますか?
オーディオに関する基本的な知識は常に役に立ちます。またMIDIに関するトリガーノートとコントロールメッセージはベーシ
ックな知識のみあるとよいでしょう。パッチを自分でデザインする際には、より深い知識が必要となります。
Chapter Two
ハードウェアについて
Organelle のハードウェアを正しく理解することで、本機の可能性を引き出すことができます。ソフトウェアをコントロールして
フィジカルなインターフェイスを加えたことで、Organelleは、ただのソフトウェアでも、コンピューターでもなく、進化したハード
ウェア楽器として機能することができるのです。
各パネルのレイアウトについて
バックパネル
Organelleのバックパネルは以下のとおりです。
・ヘッドホン・ポート
ステレオ・ミニ・ジャック(1/8”)のヘッドホン端子です。ボリュームノブで音量を調整します。
・ L/R OUT
1/4" TS (mono)標準ジャック×2のライン出力です。ボリュームノブで音量を調整します。
・ L/R IN
1/4" TRS (stereo)標準ステレオ・ジャックの入力端子×1系統です。
* もしこの端子に1/4" TS (モノラル)標準ジャックを接続した場合には、左チャンネルの信号しか受信できませんのでご注意く
ださい。
・ PEDAL
フットペダル専用の1/4"ジャックの端子です。キーボード用のサスティン・ダンパー・スタイルのペダルなどを接続できます。
*この端子にエクスプレッション・ペダルが接続されると、パッチは連続したレンジの値を受信します。エクスプレッションペダル
の種類によっては異なるレンジ値の設定となる場合がございます。
・ HDMI
HDMIポートからOrganelle内蔵のマイクロコンピューターのビデオ出力を得ることができます。詳細は後記いたします。
・ microSDカードスロット
カードが挿入されており、マイクロコンピューターの起動ディスクとなっています。このカードは絶対に抜いたり、内容を変更した
りしないでください。Organelleが起動しなくなります。
・ 9VDC
9VDCと表記されたポートは電源アダプターを接続する端子です。
*電源アダプターは製品に付属している、9V(極性がセンタープラス)、1000mA以上を必ずご使用ください。
誤使用による本体の破損は保証対象外です。
)
右サイドのパネル
右サイドのパネルには2つのUSB 2.0, Type A コネクターが装備されています。1つはPure Dataのパッチを格納する付属
のUSBドライブ用に使用します。また「MIDI over USB」デバイスや、他のコンピューター・ペリフェラルを接続することができ
ます。
メインパネル
・ノブ 1から4は、パッチごとに指定されたパラメーターのコントロールに使用されます。また各ノブの動きは(CC) MIDI message
としても送信できます。
・Organelleのディスプレイはマイクロコンピューターの情報を映し出します。
・セレクター・エンコーダーはディスプレイ上のメニューを切り替えたり、選択したりできます。セレクターに数秒間触れずにいる
と自動的に通常のパッチ・インフォメーション・スクリーンに戻ります。
・vol (ボリューム)ノブはオーディオの出力レベルを調整できます。右回しきりでフルレンジ(ユニティーゲイン)です。
・一番左側のメープルの木製キーボードはLEDに連動します。初期設定ではこのAUXボタンに機能は割り当てられていません。
ロードされるパッチによっては、このスイッチがモードキーや、その他の機能に割り当てられます。LEDは8つのステイタス(OFF
と7色のカラー変化)を変えられるよう設定されているので、パッチ側で指定されたモードをLEDの色で識別することができます。
パッチデザインに大いに活用できます。
・その他の24個のメープル木製キーボードは、演奏するための鍵盤です。
セットアップに関するアイデア
Organelle はオープン・プラットフォームのデバイスであり、そのセットアップにはあらゆる可能性が秘められています。ここでは
その可能性の一部について紹介してみます。
最小限のパフォーマンス・セットアップ
付属の電源アダプターを接続し、パッチを含んだ付属のUSBドライブをUSBポートに接続します。本機はこの両方がセットアッ
プされていないと動作しません。L/Rのオーディオ出力はミキサーやアクティブスピーカー、アンプユニットなどに接続してくださ
い。
マイクロホンをオーディオ入力に接続する
ダイナミック・マイクロホン(ファンタム電源を使用するコンデンサーマイクなどは使用できません)をオーディオソースに使用す
る場合には、フィードバックを避けるためにヘッドホン端子を使用するとよいでしょう。この端子はステレオ入力のため、マイクロ
ホンのようなモノ入力の場合は左チャンネルのみを伝送します。パッチのタイプによりますが、多くのパッチは左右の信号を足
した状態で利用するか、または左チャンネルのみのオーディオを利用します。パッチの種類や設計によりその後の処理は異な
ってきますので、知識として覚えておくとよいでしょう。
USB MIDIコントローラーとミキサーを使用する
このセッティング例では、パワードのアクティブ・スピーカーを使用しています。ミキサーにオーディオ入力用のマイクやその他
のソースをセットし、USB MIDIコントローラーを接続しています。ミキサーを使用したことで複数のソースをミックスしてOrganelle
に入力することができます。
外部モニターディスプレイ、USBハブ、PCアクセサリー
このセッティング例ではヘッドホンアウトを使用しています。またUSBハブを利用して2つ以上のUSBデバイスを接続しています。
さらにHDMI出力を利用して内蔵のマイクロコンピューターをモニターしています。USBドライブはUSBハブに接続されています
が、この場合はUSBハブ自体がそのクラスに対応していなくてはなりません。またUSBハブに接続できる機器の台数に関して
も、そのUSBハブにより制限が異なります。
Chapter Three
Organelleの操作について
セレクター・エンコーダーとオンボード・ディスプレイ
Organelleのディスプレイに表示されるナビゲーション・システムをエンコーダーで制御できます。,
メニュー・スクリーン
Organelleが起動すると、メニュー・スクリーンが表示されます。
メニュー・スクリーンはパッチセクション(パッチメニュー)と、システムセクション(システムメニュー)の2つのセクションに分かれ
ています。
パッチ・メニュー
Organelleを起動するとこの画面が表示されます。パッチを選択する画面です。セレクター・エンコーダーを回してパッチを選択
して、パッチをロードするにはエンコーダーをプッシュしてください。
(スクロールが行き過ぎると、次のメニューであるシステムメニューが表示されますので、エンコーダーを戻してください)
パッチが正しくロードされると、Organelle のスクリーンにパッチのインフォメーションが表示されます。
メニュースクリーンに戻るにはセレクターを回してください。選択されているパッチは、メニューの一番上に表示されています。
NOTE: Organelleはパッチメニューの選択動作を記憶しています。もしパフォーマンス時に次に呼び出したいパッチが決まって
いる場合、セレクターでパッチを選択したままにしておきます。次にセレクターをプッシュするだけで、そのパッチをロードするこ
とができます。セレクターをまわしたり、パッチメニューから呼び出す必要がなくなります。
システム・メニュー
メニュースクリーンの上部にスクロールするとシステムメニューが表示されます。システムメニューには4つのオプションがあり
ます。セレクター/エンコーダーを使用してメニューを選び、プッシュで選択します。
・Eject
付属のUSBドライブを安全に取り外す際に使用します。必ずこのコマンドを使用して、ディスプレイにメッセージ("Safe to
remover")が表示されてからUSBドライブを取り外すようにしてください。
・Reload
USBドライブ内のパッチフォルダーを再スキャンして、本機のパッチメニューをリフレッシュします。本機が起動した後にUSBドラ
イブを接続した場合は必ずこのコマンドを実行してください。
・Info
以下のインフォメーションを表示します。メニューから出るにはセレクターを右または左に回してください。
・Version― Organelleのオペレーティングシステムのバージョンを表示します。
・MIDI― 接続され認識されているMIDIコントローラが表示されます。
・USB drive― USBドライブのID番号が表示されます。
・CPU― マイクロコンピューターのCPU使用率を表示します。
・Shutdown
Organelleをシャットダウンする場合は必ずこのコマンドを使用してください。メッセージ("Safe to remove power")が表示された
ら初めて電源アダプターを外してください。Organelleはコンピューターシステムのため、このコマンドを使用せずに電源プラグを
いきなり抜かないでください。必ずこのメニューから正しく終了させるようにしてください。
パッチ・インフォメーション・スクリーン
パッチがロードされるとメニュー画面が「パッチ・インフォメーション・スクリーン」に変わります。 セレクター・エンコーダーでメニ
ューを操作できます。もちろんパッチの内容によって表示される項目は変化します。
一番上の2列のラインは入力・出力独立のレベルメーターになっています。上のラインが左チャンネルのレベルを、下のライン
が右チャンネルのレベルメーターになっています。また表記『I』の部分が入力レベルメーター、『O』の部分が出力レベルメータ
ーです。
NOTE: アウトプットメーターはポストフェーダーですのでボリューム設定に依存します
真ん中の1から4のラインは、それぞれが本機トップパネルの1から4のノブに対応しています。パラメーターの名前と、現在の値
が表示されています。
一番下のラインはAUXノブのインフォメーションを表示します(パッチのプログラムで割り当てられている場合)。 上の図の例で
はAUXが波形の切り替えに使用されていると思われ、現在はSINE WAVEが選ばれている状態だと考えられます。
OrganelleのMIDIセットアップ
MIDI送信について
セレクタ・エンコーダー・ノブとボリュームを除いて、OrganelleからMIDIメッセージを送ることができます。すべてのMIDIメッセー
ジはチャンネル番号1で送信されます。
Organelleは出力される全てのMIDIメッセージを「USB経由」で行います。USB-MIDIデバイスを使用してください。
キーボード
24個の木製キーは(AUXボタンは除く)“note on”を送信します。一番左のキーがノート番号60 (“middle C,” or “C3”)、一番右
のキーがノート番号83(“B4”)です。
木製キー(AUXボタンは除く)が押されている間は、“velocity”値「100」で送信されます。キーが離された場合は“velocity”値
「0」が送信されます。
ノブ
ノブ1から4は"control change" のメッセージを送ります。コントローラー番号は21、22、23、24です。フルレンジのコントロー
ル値は0から127です。
Aux ボタン
Auxボタンはモメンタリーの“control change” メッセージが送信できます。コントロール番号は25です。ボタンが押されたと
きにコントローラーの値が「100」 、キーが離されると値が「0」になります。
ペダルポート
Organelleのペダルポートは2セットの“control change” メッセージを送信できます。
コントロール番号64 はコントロール値「64」以下をすべて「0」で送信、「64」以上を「127」で送信します。主にサスティン・ダンパ
ーペダルの接続時に使用します。接続するペダルによってコントロールの特性が変わる場合がございます。
コントローラー番号26は「0」から「127」の連続した値を送信できます。実際のレンジは接続されたペダルによって異なる場合が
ございます。主にエクスプレッションペダルの接続時に使用します
端子にペダルが接続されている場合にはこれらのメッセージは必ず送信されます。
MIDIメッセージの受信について
Organelle がUSB経由で受信したMIDIメッセージは、現在ロードされているパッチにパスされます。
一般に入力されたMIDIメッセージは、出力されるMIDIメッセージに反映されます。Organelle のコントロールの動きをシーケン
サーのオートメーションデーターなどに記録したい場合などにも便利です。入力MIDIメッセージはチャンネル番号1で送信され
ます。
Note On メッセージ
入力されるMIDIメッセージがOrganelle で演奏するキーと同時のタイミングとなる場合には、2つのストリームはマージされま
す。
Control Change メッセージ
入力される“control change” メッセージは、ノブ1、2、3、4に対して、コントローラー番号21、22、23、24を使用します。
ノブ・コントロールをリストアするには、単純にノブを回すことで新しい値に変更することができます。
AUXボタンはコントローラー番号25で、AUXボタンが押されている状態はコントローラ値64~127の間、AUXボタンが離されて
いる状態はコントローラ値0~63となります。モメンタリー式のスイッチやダンパーペダルで使用します。
コントローラー番号26で使用している入力の“control change” メッセージは、Organelleでエクスプレッション・タイプのペダル
を使用した場合その値に置き換えられます。コントローラー番号64で使用しているメッセージもOrganelleでサスティーン・ダン
パー・タイプのペダルを使用した場合もその値に置き換えられます。
Program Change メッセージ
入力された“program change”メッセージは、Organelleの現在のパッチを変えることができます。 “Program numbers”は各パ
ッチにアルファベット順にアサインできます。パッチメニューをディスプレイに表示させた場合にはすべてのパッチはアルファベ
ット順に表示されています。つまりAパッチ、Bパッチ、Cパッチの3種類がある場合には、プログラム番号1がAパッチ、プログラ
ム番号2がBパッチ、プログラム番号3がCパッチということになります。
他のMIDIメッセージ
他のMIDIメッセージに関してはパッチ内に直接パスされます。パッチ内でリストされていないMIDIメッセージは無視されます。
USB MIDIデバイスを使用する
USB-MIDIデバイスをOrganelleに接続することができます。USB-MIDIデバイスが現在ロードされているパッチで認識できてい
ない場合には、パッチをリロードしてください。リロードすることで接続されたUSB-MIDIデバイスを再認識させます。
Chapter Four
パッチをPCからロードする方法
Organelle を使用する楽しみの一つに、あらかじめ用意されたパッチの他にも、多くのパッチを利用して、様々なサウンドを楽
しめることがあります。ウェブサイトのorganelle.io を訪ねれば、新しいOrganelle のパッチを見つけることができ、まったく新し
いサウンド、オプション、パフォーマンスをプレイすることができるようになります。
パッチをダウンロードしてOrganelleに適応させるのはとても簡単なことです。マックやウィンドウズPCからダウンロードした新
たなパッチを、USBドライブにコピーして、それをOrganelle に読み込ませるだけです。
ここではその方法について説明しています。
USBドライブが必ず必要です
OrganelleのパッチはUSBドライブからのみロードできます。付属のUSBフラッシュ・ドライブの他にも、以下のような仕様のもの
だけが利用できます。
・Organelleで利用できるUSBディスクはFATファイルシステムでフォーマットされたものに限ります(MS-DOS)
・USBドライブは必ず Patches と名前のあるフォルダーが階層のトップレベルになくてはなりません。
・Patchesフォルダーの中には、各パッチの名前がつけられたフォルダーを配置します。そのフォルダーの中のトップ階層には
main.pd という名前のファイルが必ず必要です。もしその他にもそのパッチに必要なファイルがある場合には、そのパッチのフ
ォルダー内に格納してください。
次の図例では4つのパッチが確認でき、各パッチにmain.pdがあることがお分かりいただけると思います。
USBドライブをコンピューターで使用する
まずはやってみたほうが早いです! organelle.io から新たなパッチをダウンロードしてみましょう。ファイルがZIPなどで圧縮さ
れている場合には解凍してください。
ここでOrganelleで使用しているUSBドライブを、あなたのコンピューターで使用しますが、ここでいくつかの注意事項がありま
す。
・もし現在USBドライブがOrganelleに接続されている場合には、必ずシステム・メニューからEjectの操作を行った後に、取り外
しのメッセージ("Safe to remove ")を確認した上でUSBドライブを安全に取り外してください!!
・USBドライブを抜き差しする際に挿入できる向きを絶対に間違えないでください!コネクターを破損したりダメージにつながり
ます!無理に使用すると壊れてしまう場合がございます。保障の対象外となりますのでご注意ください。
正しいフォルダー構造の確認!
先に述べたとおり、正しいフォルダー構造以外のUSBドライブはOrganelleで認識することができません!必ずよく確認のうえで
作業を進めてください。
上記の例ではUSBドライブ自体の名前は「ORGANELLE」になっています。その中身を見てみると、青いラインの部分がパ
ッチフォルダーで(4個のパッチが確認できます)、パッチフォルダーの名前は表示されるパッチの名前になっています。
各フォルダーの中には必ず main.pd ファイルが含まれています。このmain.pd がない場合には、Organelle のパッチメニュー
にパッチが表示されません。
USBドライブに変更を加える
USBドライブの中身を変更するには以上の決まりを守れば簡単なことです。ダウンロードしたパッチを正しく配置してください。
またパッチのバックアップは常にとっておきましょう。USBドライブの中身をあなたのコンピューターのローカルフォルダーにコピ
ーしておくだけで結構です。
また、パッチの名前を変更したい場合にはパッチフォルダーのフォルダー名を変更してください。パッチを消去したい場合には
単純にフォルダーを消去します。
ライブ用にパッチのセットを用意したい場合などには以下のように行うとよいでしょう。
1、USBドライブのすべてのパッチを、まずはコンピューターにバックアップしましょう。
2、必要なパッチをUSBドライブに用意します。
3、不要なパッチはUSBドライブから消去します。
4、パッチネームの先頭に、1-、2- などの数字を加えることで、パッチを呼び出す順番を変更できます。たとえばBasic Polyを
メニューの最初に表示させたければ、1-Basic Polyというファイル名にするとよいでしょう。
Chapter Five
Organelle用のパッチを用意する
Organelleのパッチで使用される Pure Data (Pd)は、視覚的なマルチメディア・プログラミング環境です。Organelle に内蔵され
ているマイクロコンピューターは、Pure Dataアプリケーションによりパッチのプログラムをリアルタイムでレンダーしています。
OrganelleとPure Dataの関係は. Organelle がすべてのコントロール・シグナルMIDIメッセージやオーディオ入力、ハードウェア
のステイタス情報など)を Pure Dataに送り、選択されたパッチをOrganelleのディスプレイに表示させ、各コントロールと連携さ
せているのです。
Pure Dataについて学ぶことは、他の専門誌やウェブサイトに任せなくてはなりませんが、実際にはPure Dataはあな
たが考えているよりは難しくはないはずです。ここではPure Dataについて、ほんの少しだけ紹介をしたいと思います。
Pure Dataを学ぶ、学ばないのどちらにせよ、ちょっとだけならそれを知っておくのも損はないと思います。
Pure Data (Pd)について
Pure Dataについての実際のチュートリアルは専門誌、またはいくつかの有益なウェブサイトを参考にしてください。
ここでは基本となる概念だけを少しだけ紹介してみましょう。
Pdとは?それはどこで入手できるの?
Pure Data (Pd) は 1996 年に MAX の開発者でもある ミラー・パケット(Miller Puckette) が開発した、デスクトップ・ミュージック
とマルチメディア作成用のビジュアルプログラミング言語です。様々なバージョンが存在しますが、Organelle が採用しているの
はもっともベーシックな Pd vanilla (Pure Data [Pd])です。
Pure Dataは完全に無料のソフトウェアでMac, Windows, Linuxのプラットフォームで動作できます。
https://puredata.info/downloads/pure-data
http://msp.ucsd.edu/
Pure Dataをプログラミングする
Pure Dataでは視覚的にプログラミングを行うことが可能です。オブジェクトと呼ばれるボックスを、コードで視覚的につないで
いくのです。その工程はモジュラー・シンセサイザーをパッチケーブルで接続していくのにもよく似ています。
よりPure Dataを深く知る
この章では、Organelleから見るPure Dataのオペレーションとオブジェクトについて説明してみますが、より深く理解するには
他の専門書や、ホームページを訪ねていただくことになります。すばらしいホームページが各国の言語でたくさん用意されて
いますので、まずはインターネットで検索してみてください!
Organelle用のパッチを用意する
Pure Dataのパッチを作成する場合、それには大きく2つのアプローチがあります。
1つは一般的なPure Dataのパッチをオンライン上で見つけて、Organelle用にエディットすることです。この方法であればエディ
ットしながら多くのことを学ぶことができてお勧めです。
また自分自身のパッチを1から作ることも可能です。この場合はやはりプログラミング言語を正しく学ぶことが不可欠ですが、
ぜひあなたのインスピレーションを実現するためにもチャレンジしてみてください。
OrganelleとPure Dataのコミュニケーション
Organelleのマイクロ・コンピューターにはPure Dataが組み込まれていて、Organelleのハードウェアーやパッチプログラムは
Pure Dataと常にデーターのやりとりをしています。
リモート・メッセージ
Pure Dataのメッセージやシグナルは、プログラム画面上のバーチャルなパッチコードで接続される他に、特別なリモートシステ
ムで接続することもできます。
Pure Dataの sendオブジェクトは、receiveオブジェクトにメッセージをリモートで受け渡すことができます。両方のオブジェクトに
同じ名前をつけることで、2つのオブジェクトは同じリモートバスとなり、メッセージを共有できます。
上にあげたシンプルなパッチ例(前頁)を見ると、critterと名前のつけられたsendオブジェクトが受け取った22の値は、同じく
critterと名前のつけられた全てのreturnオブジェクトにパスされます。またguitariと名前のつけられたreturnオブジェクトは22の
値を受け取りません。
このsend/receiveオブジェクトは多くの場合に使用されます。またこのsend/receiveオブジェクトは短くs、またはrと省略して表
記することも可能です。
表記を省略化した例が上図です。[s guitari] は数値5 を受け取り、[r guitari] だけが同じ数値5を受け取っています。
このように send と receiveオブジェクトを好きなだけ使用することができるために、同じリモートバスの中で数値を共有
できるのです。Pure Dataのメッセージはこのように簡単な仕組みです。
またシグナルに関しても同じようにリモートで送ることが可能ですが、もう少し複雑になります。シグナルをリモートで送るには、
send~ と receive~ オブジェクトを使用します。 s~ または r~と簡略化して記すことも可能です。メッセージを送る際の
send/receiveオブジェクトと違うのは、send~はひとつの固有のバスの名前しか持つことができず、receive~は何個でも配置でき
ることです。
throw~ オブジェクトは同じようにリモート・シグナルを送ることができ、同じ名前をもったcatch~オブジェクトがそれをレシーブし
ます。このthrow~/ catch~ オブジェクトは、send~/ receive~ オブジェクトとは逆に、複数のthrow~オブジェクトに対して、ひとつ
のcatch~しか配置できません。
Pure Dataが持つリモートでのトランスミッション(画面上のパッチコードを接続しない)が少しだけご理解いただけたでしょう
か?そしてさらにこのリモートのすばらしい所は、リモートは同じパッチ内だけに限らないというところです。この事こそが
OrganelleとPure Dataを共存させることを可能にしているのです!
リモートバスについて
Organelleがデータを送信するには、Pure Dataパッチは特定の名前のつけられたリモートバスを通過しなくてはなりません。
つまりOrganelle のパッチの設定は、これらの入力される(また出力される)データストリームを扱うことです。
上図はOrganelleがパッチにデータ送信する様々なパッチを表しています。receive や receive~ オブジェクトが使用されている
のが確認できます。
・ [receive knob1] – ハードウェアのノブ1からの受信メッセージで、フローティング・ポイントの値は0から1です。
・[receive knob2] – ハードウェアのノブ2からの受信メッセージで、フローティング・ポイントの値は0から1です。
・[receive knob3] – ハードウェアのノブ3からの受信メッセージで、フローティング・ポイントの値は0から1です。
・[receive knob4] –ハードウェアのノブ4からの受信メッセージで、フローティング・ポイントの値は0から1です。
・ [receive exp] – ハードウェアのペダルポートからの受信メッセージで、連続した可変レンジとなります。フローティング・ポイ
ントの値は0から1です。
・[receive fs] –ハードウェアのペダルポートからの受信メッセージで、接続されたペダルが離されている場合には0、押されてい
る場合は1です。
・[receive aux] – ハードウェアのAUXボタンからの受信メッセージで、ボタンが離されている場合には0、押されている場合は1
です。
・[receive notes] –ハードウェアの木製キーボードから受信されるメッセージで、キー番号は60~83です。またベロシティはキー
が押されているときは100、キーが離されているときは0です。
・ [receive~ inL] – ハードウェアの左チャンネルのオーディオ・インプットから受信されるシグナルで、スタンダード・レンジ-1 か
ら +1です。
・[receive~ inR] –ハードウェアの右チャンネルのオーディオ・インプットから受信されるシグナルで、スタンダード・レンジ-1 から
+1です。
・[receive vol] –ハードウェアのボリューム・ノブからの受信メッセージで、フローティング・ポイントの値は0から1です。
・[receive quitting] – 現在のパッチがアンロードされるたびにOrganellが受信するメッセージです。bangメッセージはトリガーと
して使用することもできます(例えば、オーディオファイル閉じる場合には「ノートオフ」メッセージを送信する)。
NOTE: bangメッセージが[receive quitting] オブジェクトで送られる際、実際にパッチが閉じられる、100 msec前に、パッチが実
際に閉じられている必要があります。
そしてこれらのメッセージに対してOrganell が応答するメッセージがあります。以下のフォームはをパッチの中で使用すること
で、メッセージをOrganell に伝送することができます。
・[send screenLine1] – Organelleのディスプレイに表示する「1行目のライン」への送信メッセージを設定します。通常は<ノブ1>
のステイタスを表示させます。リストやシンボルを含むタイプされたメッセージが使用できます。
・[send screenLine2] – Organelleのディスプレイに表示する「2行目のライン」への送信メッセージを設定します。通常は<ノブ2>
のステイタスを表示させます。リストやシンボルを含むタイプされたメッセージが使用できます。
・[send screenLine3] – Organelleのディスプレイに表示する「3行目のライン」への送信メッセージを設定します。通常は<ノブ3>
のステイタスを表示させます。リストやシンボルを含むタイプされたメッセージが使用できます。
・[send screenLine4] – Organelleのディスプレイに表示する「4行目のライン」への送信メッセージを設定します。通常は<ノブ4>
のステイタスを表示させます。リストやシンボルを含むタイプされたメッセージが使用できます。
・[send screenLine5] – Organelleのディスプレイに表示する「5行目のライン」への送信メッセージを設定します。通常は<AUXボ
タン(またはその他のコントロール)>のステイタスを表示させます。リストやシンボルを含むタイプされたメッセージが使用でき
ます。
・[send led] – <AUXボタン>のLEDの色に関する送信メッセージを設定します。
0 (zero) – トリガーOFF
1 – 赤色をトリガー
2 – 黄色をトリガー
3 – 緑色をトリガー
4 – 青緑色をトリガー
5 – 青色をトリガー
6 – 紫色をトリガー
7 – 白色をトリガー
・[throw~ outL] – Organelle ハードウェアの左チャンネルのオーディオ出力への送信シグナルを設定します。オーディオ信号は
標準レンジ-1から +1である必要があります。
・[throw~ outR] – Organelle ハードウェアの右チャンネルのオーディオ出力への送信シグナルを設定します。オーディオ信号
は標準レンジ-1から +1である必要があります。
パッチは上記したようなメッセージやシグナルはOrganelle に全て対応できますが、必ずしも全てのオブジェクトが(パッ
チに)含まれていなくてはならないということではありません。
MIDI機能の無効化
もしOrganelle でMIDI メッセージを無効にしたい場合には、間単に行うことができます(もし何故MIDI を無効にするのか不確
かな場合にはこの項目は無視してください!)。
以下の2つのデータストリームを追加します。
・ [send midiOutGate]
Organelleへの送信メッセージ。値を 0 (zero)に設定することでMIDI出力を無効にします。値を 1に設定することで通常に戻り
ます。
・[send midiInGate]
Organelleへの送信メッセージ。値を 0 (zero)に設定することでMIDI入力を無効にします。値を 1に設定することで通常に戻り
ます。
この両方を無効にすることで、Organelle用パッチでMIDI機能を停止することができます。
Organelle用パッチを制作する際のヒント
・Organelle のPure Dataパッチを制作するためには、最初は簡単なバージョンを作ってみましょう。もしプログラミングの
初心者の方は、まずはシンプルで簡単なパッチを作ってみましょう。少しずつできることを広げていく方が、最初から難し
くて複雑なものにチャレンジするより良いと思います。アイデアを細分化して考えていくことも重要なヒントです。
・パフォーマンスの際に追加の要素がある場合にも余裕がもてるよう、CPU usage(CPU使用率)は75%以下に抑えるよう
にしましょう。現在のCPU使用率を確認する方法は前記した[system information]の項をご覧ください。
・パッチを制作する際には直接Organelleにモニター。キーボード、マウスを接続して行う方法がお勧めです(次項で詳しく
説明しています)。もちろん作業を他のパーソナル・コンピューターで行うことも可能です。
・変更のたびにバージョンを保存しておくのがお勧めです。特に大きな変更を施した場合には、前のバージョンに戻れる
ことで、万が一の際に役立つだけでなく、作業効率が良くなります!
Things Unsaid
この章ではOrganelle があなたがパッチを制作する際に用意すべきPure Dataのメッセージについて説明しました。また
Pure Dataのリモートバスを上手く利用することで、Organelle に最適なパッチを構成することができることも説明されまし
た。
しかしながら、ここで具体的にPure Dataを使ってどのようにパッチ・プログラムを制作するかについては、このガイドブック
の範疇を超えています。ここではOrganelleの仕様についてのみ説明しています。Pure Dataというプログラム言語を利用
して、何か特別なものを作り上げるには、やはりその本質に入り込んでいかなくてはなりません。
・ 弊社アンブレラカンパニーでは、本機のハードウェアとしての機能、または本機のベーシックな動作環境についてのみ製品
サポートを行います。Pure Dataに関するプログラム言語、パッチプログラムなどの[ソフトウェア]、お使いのPCやコンピュータ
ー周辺機器との互換性など、に関するサポートは行っておりません。あらかじめご理解のほどよろしくお願いいたします。
Chapter Six
®
HDMI ディスプレイを使用する
Organellをコンピューターとして使用する方法
Organelleの HDMIポートに、(HDMI規格に対応した)モニターディスプレイやテレビを接続することで、Organelle内蔵のコンピュ
ーターの画面を映し出すことが可能です。キーボードやマウスを接続することでパッチをエディットしたり、新しく作ったりするこ
とが直接可能になります。 つまりOrganelleをコンピューターそのものとして利用できるわけです。
キーボードとマウス
Organelleの HDMIポートにモニターディスプレイをつなぐのは簡単です。HDMIケーブル(別売)で両方を接続するだけです。ま
たコンピューターとして使用するわけですからマウスとキーボードは必須です。
PCに接続するためのどんなマウスやキーボードでも大丈夫です。もちろんUSBワイヤレスも対応しているものなら利用できる
はずです。 ただしどのUSBマウスやキーボードもUSBスタンダードというわけではないので使用できないものもあるかもしれ
ません。いくつかのものを試してみてください。ポートが足りない場合にはUSBハブを試してみてください!
Organelleをコンピューターとして起動させる
HDMIモニターを接続してOrganelle を起動させると、ターミナル・ウィンドウが立ち上がり、テキスト・エントリーの画面になりま
す。この時点ではまだテキスト画面(黒いターミナル・ウィンドウ)のみです。
ここでコマンド startx
と打ち込み[ENTER]/[RETURN]キーを叩くことで、はじめてグラフィカルな画面が起動されます。
Organelleのグラフィック・オペレート・モードが起動すると、ロードされていたパッチはアンロードの状態になり、オーディオ出力
も自動で停止されます。
起動したHDMIディスプレイの画面には4つのエレメントがあります。
■ ディスクアイコンはUSBドライブのものです。パッチフォルダーの含まれたUSBドライブが表示されています。
■ Read me First! アイコンはテクニカル・チームからのメッセージです。
■左下の暗いアイコンはコマンド・ライン・インターフェースです。ここをクリックするとターミナル・エミュレーターが起動します。
■赤いアイコン(右下)は、ストップ・サインです。グラフィック・オペレート・モードを終了したい場合はこのアイコンをクリックして
ください。
Organelleのグラフィック・オペレート・モードを終了したい時には、右下の赤いアイコンをクリックしてください。この動作で現在
選択されているパッチがアンロードになり、オーディオ出力も停止します。
グラフィック・オペレート・モードでパッチをロードして、画面にパッチ・プログラム画面を表示させるには、 Organelle本体から
セレクター/エンコーダーでパッチを読み込みます。読み込まれると以下のようなパッチプログラムがディスプレイに表示され
ます。
mother.pd ヘルパー・パッチ
Organelle のルート(トップ)にはmother.pd ファイルが存在し、それは microSD に含まれています。このヘルパーパッチは、
Pure DataパッチをOrganelleで使用するために必ず必要なデーターです。
そのためmother.pd はどんなパッチをロードした場合にも使用されています(パッチを開くたびに必ず表示されます)。最も重要
なことは、「mother.pdの内容をエディットしてはならない」ということです。どのパッチにもこのファイルは含まれていますのでご
注意ください。
グラフィック・オペレート・モードを、右下の赤い“exit”ボタンをクリックして終了しすると、画面が黒いターミナル・
ウィンドウに戻ります。この状態でHDMIケーブルを本体から抜き、通常のモードでOrganelleをご使用いただきま
す。
パッチがロードされるシーケンス
パッチがOragenelleにロードされる際には以下のようなシーケンスで行われています。
1、パッチがロードされると、quitting リモートバス から、bang メッセージを受信します。これによってパッチの「クリーンナップ」
が行われます。
2、パッチがロードされる際には、Pure Data アプリケーションが終了し、すべてのオープンしているパッチ(mother.pd を含む)は
閉じられます。
3、Pure Data アプリケーションが再起動され、新しくリクエストされたパッチがロードされます。
4、mirhrt.pd ヘルパーパッチがロードされます。
上記のシーケンスが実行されると、Organelle の新しいパッチは使用可能になります。
HDMI ディスプレイには mother.pd パッチが表示されています。mother.pd パッチは閉じないでそのままに(バックグラウンドに
置いておく)しておいてください。
その他のTIP
・新しいパッチを作る際には、簡単なパッチをコピーして、新しいフォルダーに違う名前をつける方法が良いでしょう。テンプレー
トとなるパッチを用意して保存しておくと便利です。
Appendix A
Factory Patch Listing
Organelleのベーシック・パッチは、http://www.critterandguitari.com/pages/organelle-patches からダウンロードできます。
もし希望のパッチが本体にインストールされていない場合は、ダウンロードしてお楽しみください!パッチのダウンロード、
Organelleへのロード方法は本ユーザーガイドに記載されています。
*ここに紹介するパッチファイルは常にアップグレードされていく可能性があるため、機能の一部が変更になったり、拡張された
りする場合があり、本書の内容と異なる場合もございます。予めご了承くださいませ。
Analog Style
Categories: synth, sequencer
古典的なノコギリ波とレゾナント・フィルターによるパッチです。
ノブでコントロールできるパラメーターは以下の通りです。
ノブ1 ノブ2 ノブ3 ノブ4 -
オシレーター・チューニング
オシレーター・レシオ
レゾナンス
カットオフ周波数
Auxボタンはノート・シーケンサーの制御に当てられており、長押しすることで録音待機状態(LEDが紫色に点灯) となり、木製
のキーボードを押すことで(演奏をはじめることで)フレーズの録音を自動でスタートします(録音中はLEDが赤に点灯)。録音
を終了するにはAuxボタンを再度押します。一度シーケンスを録音した後は、Auxボタンを押すたびに「プレイ」と「ストップ」を繰
り返します。シーケンサーがプレイ状態の時にはLEDが緑色に点灯します。
Arpeggio Sampler
Categories: sampler, arp
Auxボタンでサンプルを録音できます。録音されたサンプルは全ての木製キーに割り当てられます。
ノブでコントロールできるパラメーターは以下の通りです。
ノブ1 - テンポ
ノブ2 - 8つのアルペジオ・パターン切替
ノブ3 - デュレーション(サンプル再生の長さ)
ノブ4 - サンプルのエンベロープ増幅
ペダルポートにフットスイッチを接続すれば、手を使わずにラッチモードに設定することができます。
録音したサンプルは保持されません。
Arpeggio Synth
Categories: synthesizer, arp
上記のArpeggio Samplerに似ていますが、このパッチではシンセサイザーがオーディオ・エンジンに使われます。
ノブでコントロールできるパラメーターは以下の通りです。
ノブ1 - テンポ
ノブ2 - 8つのアルペジオ・パターン切替
ノブ3 - エンベロープ&トーン
ノブ4 - ディケイ
Auxボタン(またはペダルポートに接続したフットスイッチ)でラッチモードを切り替えられます。 Latch ONの状態では、アル
ペジオ・パターンを(キーを抑えないでも)保持することができます。
Basic Poly
Categories: synth
マルチウェーブ・フォームのポリフォニック・シンセサイザーです。
ノブでコントロールできるパラメーターは以下の通りです。
ノブ1 - チューニング
ノブ2 - ビブラート RATE
ノブ3 - ビブラート DEPTH
ノブ4 - ディケイ・タイム
Auxボタンで4つの波形を選択できます。選択された波形はディスプレイに表示され、さらにLEDの色で確認できます。
1、サイン波(LED色=黄)
2、矩形波(LED色=緑)
3、ノコギリ波(LED色=青緑)
4、三角波(LED色=青)
Basic Sampler
Categories: sampler
Auxボタン(またはフットスイッチ)の押している間(LEDが赤く点灯)、最大2秒のサウンドを録音できます。木製キーを演奏す
ると異なるピッチでサンプルをプレイバックします。録音したサンプルは保持されません。
ノブでコントロールできるパラメーターは以下の通りです。
ノブ1 - チューニング(0~1200 cents)
ノブ2 - MONO / POLY切替
ノブ3 - デュレーション(サンプル再生の長さ)
ノブ4 - エンベロープ
Metronome
Categories: utility
ベーシックなメトロノーム・パッチです。Auxボタンでスタートとストップを実行できます。テンポとアクセントもコントロール可能
です。木製キーボードではベーシックなモノフォニックのシンセサイザー・トーンがプレイできます。リズムに合わせてシンセプ
レイが可能です。
ノブでコントロールできるパラメーターは以下の通りです。
ノブ1 ノブ2 ノブ3 ノブ4 -
テンポ(10~259BPM)
アクセント切替(OFF、または2~10拍)
メトロノーム音のトーン
シンセサイザーのトーン(フィルター)
Nice Surprises
Categories: synth, sequencer
3つの矩形波オシレーターをコントロールできるクレイジーでかっこいいパッチです。キーボードはオシレーターの低域を
コントロールし、ノブ2でチューニングできます。2つめのオシレーターは低域のハーモニクスを演奏できます。3つめのオ
シレーターは各ノートのはじめからランダムに周波数を変化させることができます。また周波数間のグライドを調整する
ことも可能です。
ノブでコントロールできるパラメーターは以下の通りです。
ノブ1 ノブ2 ノブ3 ノブ4 -
ハーモニクス(ランダム・チェンジ)
ベース・フリーケンシー
Junkコントロール(0~499ms)
Slidiness(グライド)コントロール
Auxボタンはノート・シーケンサーの制御に当てられており、長押しすることで録音待機状態(LEDが紫色に点灯) となり、木製
のキーボードを押すことで(演奏をはじめることで)フレーズの録音を自動でスタートします(録音中はLEDが赤に点灯)。録音
を終了するにはAuxボタンを再度押します。一度シーケンスを録音した後は、Auxボタンを押すたびに「プレイ」と「ストップ」を繰
り返します。シーケンサーがプレイ状態の時にはLEDが緑色に点灯します。
Quad Delay
Categories: effect, delay
4層のディレイ・エフェクト・プロセッサーとして機能します。オーディオ入力に接続されたソースにディレイを適応できます。ディ
レイタイムはキーボードで設定できます(0ms~918msecまでのプリセット値)。錯乱したようなクレイジーなディレイ・エフェクトが
楽しめます。ノブでは各ディレイ1~4のディレイ・フィードバックを設定可能です。AUXボタンを押している間ディレイエフェクトを
適応できる設定です。ぜひパッチを改造して自分好みのディレイをつくってみてください!
Sampler Style
Category: sampler, sequencer
各キーに異なるサンプルを設定したパッチです。白鍵相当のキーボードの列にはドラムサウンドが、黒鍵相当の列には主
にサウンドエフェクトが割り当てられています。
ノブでコントロールできるパラメーターは以下の通りです。
ノブ1 -Play Speed (サンプル再生スピード)
ノブ2 - リバーブ・アマウント
ノブ3 - リバーブエフェクトのWet/Dryコントロール
ノブ4 - サンプル・ディケイ・コントロール
Auxボタンはノート・シーケンサーの制御に当てられており、長押しすることで録音待機状態(LEDが紫色に点灯) となり、木製
のキーボードを押すことで(演奏をはじめることで)フレーズの録音を自動でスタートします(録音中はLEDが赤に点灯)。録音
を終了するにはAuxボタンを再度押します。一度シーケンスを録音した後は、Auxボタンを押すたびに「プレイ」と「ストップ」を繰
り返します。シーケンサーがプレイ状態の時にはLEDが緑色に点灯します。
Sine Surprises
Categories: synth, sequencer
パッチNice Surprises と同じ3オシレーターのシンセサイザーですが、サイン波の波形で構成されています。不思議でクー
ルなサウンドのオルガン的サウンドで、4音のポリフォニックです。
ノブでコントロールできるパラメーターは以下の通りです。
ノブ1 ノブ2 ノブ3 ノブ4 -
ハーモニクス(ランダム・チェンジ)
ベース・フリーケンシー
Junkコントロール(0~499ms)
Slidiness(グライド)コントロール
Auxボタンはノート・シーケンサーの制御に当てられており、長押しすることで録音待機状態(LEDが紫色に点灯) となり、木製
のキーボードを押すことで(演奏をはじめることで)フレーズの録音を自動でスタートします(録音中はLEDが赤に点灯)。録音
を終了するにはAuxボタンを再度押します。一度シーケンスを録音した後は、Auxボタンを押すたびに「プレイ」と「ストップ」を繰
り返します。シーケンサーがプレイ状態の時にはLEDが緑色に点灯します。
Tuned Delay
Category: synthesizer, delay, sequencer
ディレイラインにパーカッシブなインパルス・サンプルを使用したパッチです。
ルなサウンドのオルガン的サウンドで、4音のポリフォニックです。
ノブでコントロールできるパラメーターは以下の通りです。
ノブ1 ノブ2 ノブ3 ノブ4 -
ピッチ・チューニング
フィードバック
サンプル音の選択(Snare、Cymbol、Tom Tom、Bass Drum)
トーン・コントロール
Auxボタンはノート・シーケンサーの制御に当てられており、長押しすることで録音待機状態(LEDが紫色に点灯) となり、木製
のキーボードを押すことで(演奏をはじめることで)フレーズの録音を自動でスタートします(録音中はLEDが赤に点灯)。録音
を終了するにはAuxボタンを再度押します。一度シーケンスを録音した後は、Auxボタンを押すたびに「プレイ」と「ストップ」を繰
り返します。シーケンサーがプレイ状態の時にはLEDが緑色に点灯します。
Wepa!
Categories: sampler
Wepa! です。Wepa!サウンドをぐりぐりにしてください。Wepa!
Appendix B
Technical Specifications
Audio Specifications
・
・
・
・
・
Sampling rate: 44.1kHz; Resolution: 16 bit (both at input & output)
2x ¼" mono sound output jacks (left & right channels)
¼" stereo sound input jack
⅛" stereo headphone output jack
¼" footswitch jack
Interface
・
・
・
・
・
・
High-contrast OLED display screen
Four parameter knobs
Rotary Selector knob with push button select
Volume knob
25x maple key
RGB LED
Processor Specifications
・
・
・
1GHz ARM Cortex A9 with 512 MB RAM
Linux operating system
Boot time: ~12 seconds
Storage
• 4GB USB Drive included; patches and any required files (audio samples, etc.) are stored here
Additional Connections
・
・
2x USB port (2.0 standard-A type connector). USB host for: MIDI over USB & serial over USB
HDMI output port
Power Requirement
• 9VDC, 1.0 Amp (power supply included)
Physical Characteristics
・
・
Size: 10.5" x 3.25" x 2.125"
Enclosure: anodized aluminum top, ABS plastic bottom, rubber foot pads
新しいパッチを探すにはホームページ organelle.io
をご覧ください。
英文のフォーラムも開設されています。
forum.critterandguitari.com
・ 弊社アンブレラカンパニーでは、本機のハードウェアとしての機能、または本機のベーシックな動作環境についてのみ製品
サポートを行います。Pure Dataに関するプログラム言語、パッチプログラムなどの[ソフトウェア]、お使いのPCやコンピュータ
ー周辺機器との互換性など、に関するサポートは行っておりません。あらかじめご理解のほどよろしくお願いいたします。
Organelleを、どうぞお楽しみください!